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特開2024-100467監視録画装置及び録画監視プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100467
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】監視録画装置及び録画監視プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240719BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240719BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240719BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20240719BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20240719BHJP
   G05B 19/418 20060101ALN20240719BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G08B25/00 510M
H04N7/18 U
H04N7/18 K
H04N23/60 300
H04N23/66
H04N23/60 100
H04N5/77
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004484
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】石神 裕丈
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英之
(72)【発明者】
【氏名】里鍋 颯音
【テーマコード(参考)】
3C100
5C054
5C087
5C122
【Fターム(参考)】
3C100AA59
3C100BB13
3C100BB34
3C100CC02
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054EA01
5C054EA07
5C054FC04
5C054FC08
5C054FC12
5C054FC16
5C054FE25
5C054GB02
5C054GD05
5C054HA19
5C087AA09
5C087AA12
5C087AA16
5C087AA21
5C087AA23
5C087DD27
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG09
5C087GG52
5C122DA11
5C122EA63
5C122FH11
5C122FK23
5C122GA23
5C122GC52
5C122HB01
5C122HB06
(57)【要約】
【課題】高精度の異常検出を容易に実現する。
【解決手段】監視録画装置1は、監視録画対象と、監視録画対象の状態を点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つで示す発光体との両方を一画面内に撮影する撮影部10と、撮影部により撮影された画像中において発光体が映っている領域を発光体領域として検出する発光体領域検出部13aと、発光体領域の明度変化により発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化を判定する第1変化判定部13bと、第1変化判定部の判定結果に基づいて撮影部により撮影された画像の録画を開始する録画機能部13cと、撮影部における現在の撮影タイミングから事前に設定された所定期間遡った過去の撮影タイミングまでの発光体領域の明度情報を示す過去明度情報を保持する過去明度情報保持部13dと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視録画対象と、前記監視録画対象の状態を点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つで示す発光体との両方を一画面内に撮影する撮影部(10)と、
前記撮影部により撮影された画像中において前記発光体が映っている領域を発光体領域として検出する発光体領域検出部(13a)と、
前記発光体領域の明度変化により前記発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化を判定する第1変化判定部(13b)と、
前記第1変化判定部の判定結果に基づいて前記撮影部により撮影された画像の録画を開始する録画機能部(13c)と、
前記撮影部における現在の撮影タイミングから事前に設定された所定期間遡った過去の撮影タイミングまでの前記発光体領域の明度情報を示す過去明度情報を保持する過去明度情報保持部(13d)と、を備え、
前記第1変化判定部は、前記過去明度情報に基づいて平均値及び標準偏差を算出し、現在の撮影画像中の前記発光体領域の明度と前記平均値の差の絶対値が、前記標準偏差に事前に設定された感度係数を乗じた値よりも大きい場合に、前記発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化を特定する監視録画装置。
【請求項2】
前記発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化が前記第1変化判定部により特定された場合に、前記過去明度情報をリセットするリセット部(13e)を備え、
前記第1変化判定部は、前記過去明度情報が前記リセット部によりリセットされた以降の新たな前記過去明度情報に基づいて前記平均値及び前記標準偏差を算出する請求項1に記載した監視録画装置。
【請求項3】
前記発光体領域の周辺の照度変化又は明度変化を判定する第2変化判定部(13f)を備え、
前記リセット部は、前記発光体領域の周辺の照度変化又は明度変化が前記第2変化判定部により特定された場合にも、前記過去明度情報をリセットする請求項2に記載した監視録画装置。
【請求項4】
前記発光体領域の色相を算出する色相算出部(13h)を備え、
前記録画機能部は、前記第1変化判定部の判定結果及び前記色相算出部の算出結果に基づいて前記撮影部により撮影された画像の録画を開始する請求項1に記載した監視録画装置。
【請求項5】
前記撮影部は、複数の発光体を同時に撮影し、
前記録画機能部は、複数の発光体の個々に対応する前記第1変化判定部の判定結果及び前記色相算出部の算出結果に基づいて前記撮影部により撮影された画像の録画を開始する請求項4に記載した監視録画装置。
【請求項6】
前記撮影部により撮影された画像を外部表示端末へ配信する画像配信部(13g)を備え、
前記画像配信部は、前記撮影部により撮影された画像の録画を前記録画機能部が開始した場合に、前記撮影部により撮影された画像の前記外部表示端末への配信を開始する請求項1から5の何れか一項に記載した監視録画装置。
【請求項7】
外部から録画開始信号を受信したことで録画を開始する他の監視録画装置と連携し、
前記録画開始信号を前記他の監視録画装置へ送信する信号送信部(13i)を備え、
前記信号送信部は、前記撮影部により撮影された画像の録画を前記録画機能部が開始した場合に、前記録画開始通知信号を前記他の監視録画装置へ送信する請求項1から5の何れか一項に記載した監視録画装置。
【請求項8】
監視録画対象と、前記監視録画対象の状態を点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つで示す発光体との両方を一画面内に撮影する撮影部(10)と、前記撮影部における現在の撮影タイミングから事前に設定された所定期間遡った過去の撮影タイミングまでの前記発光体領域の明度情報を示す過去明度情報を保持する過去明度情報保持部(13d)と、を備える監視録画装置に、
前記撮影部により撮影された画像中において前記発光体が映っている領域を発光体領域として検出する発光体領域検出手順と、
前記発光体領域の明度変化により前記発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化を判定する第1変化判定手順と、
前記第1変化判定手順の判定結果に基づいて前記撮影部により撮影された画像の録画を開始する録画機能手順と、を実行させ、
前記第1変化判定手順は、前記過去明度情報に基づいて平均値及び標準偏差を算出し、現在の撮影画像中の前記発光体領域の明度と前記平均値の差の絶対値が、前記標準偏差に事前に設定された感度係数を乗じた値よりも大きい場合に、前記発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化を特定する監視録画プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視録画装置及び録画監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル技術を活用した業務効率化としてデジタルトランスフォーメーションの機運が高まっており、その一つとして例えば工場の生産ラインや検査ライン等を自動化及び無人化することが広く普及している。自動化及び無人化された生産ラインや検査ライン等では、異常発生時に備えて異常検出を行うシステムが必要である。例えば特許文献1には、工事現場の異常発生を監視する異常監視装置と、工事現場を撮影した映像を録画する録画装置とを備え、工事現場の異常発生時に異常監視装置が異常検出メールを録画装置へ送信し、録画装置が異常検出メールの受信をトリガとして異常発生前後の映像を録画する構成が開示されている。又、例えば特許文献2には、最新映像と過去映像とをパターンマッチングして異常発生を検出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-188425号公報
【特許文献2】特開平9-200734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている構成では、異常監視装置が異常検出メールを録画装置へ送信する構成が必要となるので、異常監視装置と録画装置とを別々に設置する必要があり、コスト高や設置工数の増大を招くと共に、メール通信の設定を行える専門の知識を持った人材が必要となる。又、特許文献2に開示されている構成では、撮影対象が同一であってもノイズや周辺の照度変化等によりパターンマッチングの精度が低下する虞があるので、精度の低下を補うための許容誤差を調整する手間が発生する等の問題がある。このように高精度の異常検出を容易に実現するためには様々な課題があった。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高精度の異常検出を容易に実現することができる監視録画装置及び録画監視プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、撮影部(10)は、監視録画対象と、前記監視録画対象の状態を点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つで示す発光体との両方を一画面内に撮影する。発光体領域検出部(13a)は、前記撮影部により撮影された画像中において前記発光体が映っている領域を発光体領域として検出する。第1変化判定部(13b)は、前記発光体領域の明度変化により前記発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化を判定する。録画機能部(13c)は、前記第1変化判定部の判定結果に基づいて前記撮影部により撮影された画像の録画を開始する。過去明度情報保持部(13d)は、前記撮影部における現在の撮影タイミングから事前に設定された所定期間遡った過去の撮影タイミングまでの前記発光体領域の明度情報を示す過去明度情報を保持する。前記第1変化判定部は、前記過去明度情報に基づいて平均値及び標準偏差を算出し、現在の撮影画像中の前記発光体領域の明度と前記平均値の差の絶対値が、前記標準偏差に事前に設定された感度係数を乗じた値よりも大きい場合に、前記発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化を特定する。
【0007】
従来とは異なり、異常監視装置が異常検出メールを録画装置へ送信する構成を必要とせず、異常監視装置と録画装置とを別々に設置する必要がなくなり、後付けで単独で設置することができる。又、過去明度情報を用いて発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化を特定することで、ノイズや周辺の照度変化等によりパターンマッチングの精度が低下する虞もなくなる。これにより、高精度の異常検出を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態を示し、検査ライン及び監視録画装置を概略的に示す図
図2】機能ブロック図
図3】消灯から点灯への変化を説明する図
図4】点灯から消灯への変化を説明する図
図5】点灯から消灯への変化を説明する図
図6】明度算出処理を示すフローチャート
図7】変化判定処理を示すフローチャート
図8】リセット判定処理を示すフローチャート
図9】第2実施形態を示し、検査ライン及び監視録画装置を概略的に示す図
図10】機能ブロック図
図11】第3実施形態を示し、検査ライン及び監視録画装置を概略的に示す図
図12】機能ブロック図
図13】第4実施形態を示し、検査ライン及び監視録画装置を概略的に示す図
図14】機能ブロック図
図15】機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。後続する実施形態において先行する実施形態と重複する部分については説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図1から図8を参照して説明する。図1に示すように、例えば検査ライン1は、検査対象のワーク2をコンベヤ3により図1中矢印X方向へ搬送し、ワーク2の形状、サイズ、重量等を検査装置4により検査するように構成されている。検査装置4は、タッチパネル付きの液晶ディスプレイ5を備えており、担当者がタッチパネルを操作して検査手順、正規の搬送位置、正規の形状、サイズ、重量等を設定可能となっている。
【0010】
検査装置4の上方であって視界の良い位置にはシグナルタワー6がポール7により支持されて配置されている。シグナルタワー6には1つのLEDユニット8(発光体に相当する)が設けられており、LEDユニット8には赤色LEDが内蔵されている。
【0011】
検査装置4は、例えばワーク2の搬送位置、形状、サイズ、重量を検出する各種センサを備えている。検査装置4は、検査対象のワーク2の搬送位置が事前に設定された正規の搬送位置であるか否かを判定し、検査対象のワーク2の搬送位置が正規の搬送位置であると特定すると、ワーク2の検査を開始する。一方、検査装置4は、検査対象のワーク2の搬送位置が正規の搬送位置でないと特定すると、ワーク2の検査を開始せず、異常発生を特定する。
【0012】
検査装置4は、ワーク2の検査を開始すると、ワーク2の形状、サイズ、重量が事前に設定された正規の形状、サイズ、重量であるか否かを判定する。検査装置4は、ワーク2の形状、サイズ、重量の全てが正規の形状、サイズ、重量であると特定すると、検査合格を特定してワーク2の検査を終了し、次のワーク2を検査対象とし、次の検査対象のワーク2の搬送位置が事前に設定された正規の搬送位置であるか否かを判定し、以降、同様の処理を繰り返す。一方、検査装置4は、ワーク2の形状、サイズ、重量のうち少なくとも何れか一つでも正規の形状、サイズ、重量でないと特定すると、検査不合格を特定し、ワーク2の検査を中断し、異常発生を特定する。尚、ワーク2の検査項目は、形状、サイズ、重量に加えて他の項目を含んでいても良いし、形状、サイズ、重量のうち少なくとも何れか一つであっても良い。
【0013】
検査装置4は、上記した通り、検査対象のワーク2の搬送位置が正規の搬送位置であると特定し、且つワーク2の形状、サイズ、重量の全てが正規の形状、サイズ、重量であると特定し、異常発生を特定していない限りは、LEDユニット8を消灯させている。一方、検査装置4は、上記した通り、検査対象のワーク2の搬送位置が正規の搬送位置でないと特定し、又はワーク2の形状、サイズ、重量のうち少なくとも何れか一つでも正規の形状、サイズ、重量でないと特定し、異常発生を特定すると、異常発生信号として点灯指令をLEDユニット8へ送信し、LEDユニット8を点灯させる。
【0014】
検査ライン1の近傍には監視録画装置9が配置されている。監視録画装置9は、カメラ10(撮影部に相当する)と、本体ユニット11とが一体化されて構成されている。カメラ10は、画像センサとして例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを備える広角カメラである。カメラ10は、シグナルタワー6のLEDユニット8、検査中のワーク2、コンベヤ3の一部、検査装置4等を同時に撮影可能に画角(図1及び図2中A1,A2で示す角度)が設定されており、検査中のワーク2、コンベヤ3の一部、検査装置4等が監視録画対象12(図2参照)となる。カメラ10と、シグナルタワー6のLEDユニット8及び監視録画対象12との間には遮蔽物が存在せず、カメラ10の視界が適切に確保されている。即ち、カメラ10により撮影された画像の一画面内にはシグナルタワー6のLEDユニット8、検査中のワーク2、コンベヤ3の一部、検査装置4等が同時に映っている。カメラ10は、撮影した画像を本体ユニット11へ出力する。
【0015】
図2に示すように、本体ユニット11は、制御部13を有する。制御部13は、マイクロコンピュータを主体とし、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びI/O(Input/Output)を有し、非遷移的実体的記録媒体に格納されているコンピュータプログラムを実行してコンピュータプログラムに対応する処理を実行し、監視録画装置9の動作全般を制御する。制御部13が実行するコンピュータプログラムは、監視録画プログラムを含む。
【0016】
制御部13は、ソフトウェア等により実現される内部の機能として、発光体領域検出部13aと、第1変化判定部13bと、録画機能部13cと、過去明度情報保持部13dと、リセット部13eと、第2変化判定部13fと、画像配信部13gとを備える。
【0017】
発光体領域検出部13aは、カメラ10から出力された画像を入力すると、その入力した画像中においてLEDユニット8が映っている領域を発光体領域として検出する。発光体領域を検出する手法は、例えばパターンマッチングやディープニューラルネットワーク(DNN(Deep Neural Network))等の自動検出の手法でも良いし、担当者が領域を事前に設定しておく手法でも良い。第1変化判定部13bは、詳しくは後述するように過去明度情報に基づいて発光体領域の明度変化によりLEDユニット8の点灯又は消灯の変化を判定する。
【0018】
録画機能部13cは、LEDユニット8の消灯から点灯への変化が第1変化判定部13bにより判定されると、カメラ10により撮影された画像の録画を開始する。即ち、録画機能部13cは、検査装置4が異常発生を特定すると、カメラ10により撮影された画像の録画を開始する。録画する画像は、そのままの生画像でも良いし、動画圧縮した画像でも良い。この場合、録画する画像に例えば「異常発生中」等のメッセージを重畳することで、異常発生であることを担当者が容易に確認することが可能となる。又、一時メモリを活用し、LEDユニット8の消灯から点灯への変化が判定された時点から一定期間遡った画像を含めて録画することで、異常発生前後の様子を確認することが可能となり、異常発生の経緯の解析に有用な情報を得ることが可能となる。一定期間は、例えば一時メモリの容量、想定される異常の程度、運用形態等を考慮して決定すれば良い。
【0019】
過去明度情報保持部13dは、カメラ10における現在の撮影タイミングから事前に設定された所定期間遡った過去の撮影タイミングまでの発光体領域の明度情報を示す過去明度情報を保持する。所定期間は、例えば過去明度情報を保持するメモリの容量、想定される異常の程度、運用形態等を考慮して決定すれば良い。
【0020】
第1変化判定部13bは、過去明度情報保持部13dに保持されている過去明度情報に基づいて平均値及び標準偏差を算出し、現在の撮影画像中の発光体領域の明度と平均値の差の絶対値が、標準偏差に事前に設定された感度係数を乗じた値よりも大きい場合に、発光体ユニット8の点灯又は消灯の変化を特定する。以下、第1変化判定部13bがLEDユニット8の消灯から点灯への変化を判定する手順について図3を参照して説明する。
【0021】
図3(a)に示すように、LEDユニット8が消灯状態のときにb1,b2,b3の明度を観測し、b1,b2,b3を標準偏差の算出に用いると、ガウス分布はG1となる。ここで、LEDユニット8が消灯から点灯へ変化すると、図3(b)に示すように、b1,b2,b3の明度に加え、b4,b5の明度を観測する。この場合、第1変化判定部13bは、ガウス分布G1の高数値側端部からb4までの距離を算出し、その算出した距離が3σ以上であると判定すると、LEDユニット8の消灯から点灯への変化を特定可能となる。
【0022】
リセット部13eは、LEDユニット8の消灯から点灯への変化、又は消灯から点灯への変化が第1変化判定部13bにより判定されると、過去明度情報をリセットする。第2変化判定部13fは、過去明度情報に基づいて発光体領域の周辺、即ち、LEDユニット8が映っている領域の周辺の明度変化を判定する。上記したリセット部13eは、発光体領域の周辺の明度変化が第2変化判定部13fにより変化されると、この場合も、過去明度情報をリセットする。以下、リセット部13eが過去明度情報をリセットした後、第1変化判定部13bがLEDユニット8の点灯から消灯への変化を判定する手順について図4及び図5を参照して説明する。
【0023】
上記した図3(b)に示した状態、即ち、LEDユニット8の消灯から点灯への変化を特定する前のb1,b2,b3に加え、LEDユニット8の消灯から点灯への変化を特定した後のb4,b5を標準偏差の算出に用いると、図4(a)に示すように、ガウス分布はG2となり、ガウス分布G2の幅が広がることになる。ここで、LEDユニット8が点灯から消灯へ変化すると、図4(b)に示すように、b1,b2,b3の明度を観測するが、ガウス分布G2の幅が広がっているので、LEDユニット8の点灯から消灯への変化を特定可能とならず特定不能である。
【0024】
そこで、LEDユニット8の消灯から点灯への変化を特定する前のb1,b2,b3を標準偏差の算出に用いず、LEDユニット8の消灯から点灯への変化を特定した後のb4,b5だけを標準偏差の算出に用いると、図5(a)に示すように、ガウス分布はG3となる。ここで、LEDユニット8が点灯から消灯へ変化すると、図5(b)に示すように、b1,b2,b3の明度を観測し、第1変化判定部13bは、ガウス分布G3の低数値側端部からb1,b2,b3までの距離を算出し、その算出した距離が3σ以上であると判定すると、LEDユニット8の点灯から消灯への変化を特定可能となる。即ち、リセット部13eが過去明度情報をリセットし、b1,b2,b3を標準偏差の算出から除くことで、LEDユニット8の点灯から消灯への変化を特定可能となる。
【0025】
画像配信部13gは、例えば無線通信ネットワークを介して外部表示端末14との間でデータ通信可能であり、カメラ10により撮影された画像の録画を録画機能部13cが開始すると、外部表示端末14と無線接続し、カメラ10により撮影された画像の外部表示端末14へのストリーミング配信を開始する。外部表示端末14は、例えばタブレット端末やスマートフォン等であり、画像配信部13gからストリーミング配信された画像を受信する。この場合、担当者が再生操作を行うことで、異常発生時の画像を表示可能となり、異常発生時の画像を確認可能となる。
【0026】
次に、上記した構成の作用について図6から図8を参照して説明する。
制御部13は、明度算出処理、変化判定処理、リセット判定処理の各処理をそれぞれ所定周期で行う。以下、各処理について順次説明する。
【0027】
(1)明度算出処理
制御部13は、明度算出処理の所定周期の開始イベントが成立すると、明度算出処理を開始する。制御部13は、明度算出処理を開始すると、カメラ10から出力された画像を入力し(S1)、その入力した画像中においてLEDユニット8が映っている領域を発光体領域として検出する(S2、発光体領域検出手順に相当する)。制御部13は、発光体領域の明度を算出し(S3)、現在の撮影タイミングから所定期間遡った過去の撮影タイミングまでの発光体領域の明度情報を示す過去明度情報を保持する(S4)。制御部13は、過去明度情報に基づいて平均値及び標準偏差を算出し(S5)、明度算出処理を終了し、次の明度算出処理の開始イベントの成立を待機する。
【0028】
(2)変化判定処理
制御部13は、変化判定処理の所定周期の開始イベントが成立すると、変化判定処理を開始する。制御部13は、変化判定処理を開始すると、LEDユニット8の消灯から点灯への変化が発生したか否かを判定し(S11、第1変化判定手順に相当する)、LEDユニット8の点灯から消灯への変化が発生したか否かを判定する(S12)。制御部13は、LEDユニット8の消灯から点灯への変化が発生していないと判定し(S11:NO)、又はLEDユニット8の点灯から消灯への変化が発生していないと判定すると(S12:NO)、変化判定処理を終了し、次の変化判定処理の開始イベントの成立を待機する。
【0029】
制御部13は、図3に示したように、LEDユニット8の消灯から点灯への変化を特定したことで、LEDユニット8の消灯から点灯への変化が発生したと判定すると(S11:YES)、カメラ10により撮影された画像の録画中であるか否かを判定する(S13)。制御部13は、画像の録画中でないと判定する(S13:NO)、録画を開始し(S14、録画機能手順に相当する)、変化判定処理を終了し、次の変化判定処理の開始イベントの成立を待機する。制御部13は、画像の録画中であると判定する(S13:YES)、録画を停止せずに継続し、変化判定処理を終了し、次の変化判定処理の開始イベントの成立を待機する。
【0030】
制御部13は、図5に示したように、LEDユニット8の点灯から消灯への変化を特定したことで、LEDユニット8の点灯から消灯への変化が発生したと判定すると(S12:YES)、カメラ10により撮影された画像の録画中であるか否かを判定する(S15)。制御部13は、画像の録画中でないと判定する(S15:NO)、変化判定処理を終了し、次の変化判定処理の開始イベントの成立を待機する。制御部13は、画像の録画中であると判定する(S15:YES)、録画を停止し(S16)、変化判定処理を終了し、次の変化判定処理の開始イベントの成立を待機する。
【0031】
(3)リセット判定処理
制御部13は、リセット判定処理の所定周期の開始イベントが成立すると、リセット判定処理を開始する。制御部13は、リセット判定処理を開始すると、LEDユニット8の消灯から点灯への変化が発生したか否かを判定する(S21)。制御部13は、LEDユニット8の消灯から点灯への変化が発生していないと判定すると(S21:NO)、LEDユニット8の点灯から消灯への変化が発生したか否かを判定する(S22)。制御部13は、LEDユニット8の点灯から消灯への変化が発生していないと判定すると(S22:NO)、発光体領域の周辺の明度変化が発生したか否かを判定する(S23)。制御部13は、発光体領域の周辺の明度変化の何れも発生していないと判定すると(S23:NO)、リセット判定処理を終了し、次のリセット判定処理の開始イベントの成立を待機する。
【0032】
制御部13は、LEDユニット8の消灯から点灯への変化が発生したと判定すると(S21:YES)、LEDユニット8の点灯から消灯への変化が発生したと判定すると(S22:YES)、又は発光体領域の周辺の明度変化が発生したと判定すると(S23:YES)、過去明度情報をリセットし(S24)、リセット判定処理を終了し、次のリセット判定処理の開始イベントの成立を待機する。
【0033】
以上に説明したように第1実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
監視録画対象とLEDユニット8の両方を一画面内に撮影し、LEDユニット8が映っている領域を発光体領域として検出し、LEDユニット8の消灯から点灯への変化を特定すると、画像の録画を開始するようにした。現在の撮影タイミングから事前に設定された所定期間遡った過去の撮影タイミングまでの発光体領域の明度情報を示す過去明度情報を保持し、過去明度情報に基づいて平均値及び標準偏差を算出し、現在の撮影画像中の発光体領域の明度と平均値の差の絶対値が、標準偏差に感度係数を乗じた値以上であると、LEDユニット8の点灯又は消灯の変化を判定するようにした。
【0034】
従来とは異なり、異常監視装置が異常検出メールを録画装置へ送信する構成を必要とせず、異常監視装置と録画装置とを別々に設置する必要がなくなり、後付けで単独で設置することができる。又、過去明度情報を用いて発光体の点灯、点滅又は消灯のうち少なくとも何れか一つの変化を特定することで、ノイズや周辺の照度変化等によりパターンマッチングの精度が低下する虞もなくなる。これにより、高精度の異常検出を容易に実現することができる。
【0035】
LEDユニット8の消灯から点灯への変化、又は点灯から消灯への変化を特定すると、過去明度情報をリセットし、リセットした以降の新たな過去明度情報に基づいて平均値及び標準偏差を算出するようにした。消灯から点灯への変化を特定した直後であっても点灯から消灯への変化を適切に特定することができ、点灯から消灯への変化を特定した直後であっても消灯から点灯への変化を適切に特定することができる。
【0036】
LEDユニット8が映っている領域の周辺の明度変化を特定すると、この場合も、過去明度情報をリセットし、リセットした以降の新たな過去明度情報に基づいて平均値及び標準偏差を算出するようにした。例えば周辺の電灯等のオンオフの切替え等の周辺環境の影響を抑制することができる。尚、LEDユニット8が映っている領域の周辺の明度変化を判定することに代えて、LEDユニット8が映っている領域の周辺の照度変化を判定し、照度変化を特定すると、過去明度情報をリセットしても良い。
【0037】
画像の録画を開始すると、画像の外部表示端末14への配信を開始するようにした。異常発生時の画像を外部表示端末14へ提供することができ、担当者が再生操作を行うことで、異常発生時の画像を確認することができる。
【0038】
尚、以上は、異常発生を特定していない状態でLEDユニット8を消灯させ、異常発生を特定した状態でLEDユニット8を点灯させる構成を例示したが、緑色LEDを内蔵するLEDユニットを用い、異常発生を特定していない状態でLEDユニットを点灯させ、異常発生を特定した状態でLEDユニットを消灯させる構成でも同様に高精度の異常検出を容易に実現することができる。又、LEDユニットを点灯させることに代えて点滅させる場合や異常発生時に点滅周期を変化させる場合でも同様に高精度の異常検出を容易に実現することができる。
【0039】
検査ライン1に代えて生産ライン等に適用しても良く、ワーク2を加工する加工装置を対象とし、加工対象のワーク2の搬送位置が事前に設定された正規の搬送位置であるか否か、ワーク2の加工前後の形状、サイズ、重量が事前に設定された正規の形状、サイズ、重量であるか否か等を判定しても良い。
【0040】
(第2実施形態)
第2実施形態について図9から図10を参照して説明する。第1実施形態は、単にLEDユニット8の赤点灯により異常発生を特定する構成であるが、第2実施形態は、LEDユニットの赤点灯により異常発生を特定することに加え、LEDユニットの緑点灯により正常を特定する構成である。
【0041】
検査ライン21において、シグナルタワー22は、第1LEDユニット23aと第2LEDユニット23bとが積層されている態様であり、第1LEDユニット23aには緑色LEDが内蔵されており、第2LEDユニット23bには赤色LEDが内蔵されている。
【0042】
検査装置4は、検査対象のワーク2の搬送位置が正規の搬送位置であると特定し、且つワーク2の形状、サイズ、重量の全てが正規の形状、サイズ、重量であると特定し、異常発生を特定していない限りは、正常信号として点灯指令を第1LEDユニット23aへ送信し、第1LEDユニット23aを緑点灯させている。一方、検査装置4は、検査対象のワーク2の搬送位置が正規の搬送位置でないと特定し、又はワーク2の形状、サイズ、重量のうち少なくとも何れか一つでも正規の形状、サイズ、重量でないと特定し、異常発生を特定すると、異常発生信号として点灯指令を第2LEDユニット23bへ送信し、第2LEDユニット23bを赤点灯させる。
【0043】
カメラ10は、シグナルタワー22の第1LEDユニット23a、第2LEDユニット23b、検査中のワーク2、コンベヤ3の一部、検査装置4等を同時に撮影可能に画角(図9及び図10中A1,A2で示す角度)が設定されている。
【0044】
制御部13は、第1実施形態で説明した発光体領域検出部13aと、第1変化判定部13bと、録画機能部13c、過去明度情報保持部13dと、リセット部13eと、第2変化判定部13fと、画像配信部13gとに加え、色相算出部13hを備える。色相算出部13hは、発光体領域の色相を算出する。
【0045】
発光体領域検出部13aは、カメラ10から出力された画像を入力すると、その入力した画像中において第1LEDユニット23a及び第2LEDユニット23bが映っている領域を発光体領域として検出する。第1変化判定部13bは、発光体領域の明度変化及び色相により第1LEDユニット23a及び第2LEDユニット23bの個々の点灯又は消灯の変化を判定する。即ち、第1変化判定部13bは、発光体領域の色相を算出することで、第1LEDユニット23aの緑点灯と第2LEDユニット23bの赤点灯とを区別し、第1LEDユニット23a及び第2LEDユニット23bの個々の点灯又は消灯の変化を判定する。
【0046】
録画機能部13cは、第1LEDユニット23aの緑点灯から消灯への変化及び第2LEDユニット23bの消灯から赤点灯への変化が第1変化判定部13bにより判定されると、カメラ10により撮影された画像の録画を開始する。
【0047】
以上に説明したように第2実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
異常発生を特定していない限りは第1LEDユニット23aが緑点灯し、異常発生を特定したときに第2LEDユニット23bが赤点灯する構成においても、第1実施形態と同様に高精度の異常検出を容易に実現することができる。
【0048】
(第3実施形態)
第3実施形態について図11から図12を参照して説明する。第1実施形態及び第2実施形態は、1箇所のシグナルタワーを監視対象とした構成であるが、第3実施形態は、複数個所のシグナルタワーを監視対象とした構成である。
【0049】
検査ライン31において、2箇所の検査装置32,33が配置されており、上流側の検査装置32にはシグナルタワー34がポール7により支持されて配置され、下流側の検査装置33にはシグナルタワー36がポール7により支持されて配置されている。シグナルタワー34,36は、それぞれ第2実施形態で説明したシグナルタワー22と同様の構成である。シグナルタワー34は、第1LEDユニット35aと第2LEDユニット35bとが積層されている態様であり、第1LEDユニット35aには緑色LEDが内蔵されており、第2LEDユニット35bには赤色LEDが内蔵されている。シグナルタワー36は、第1LEDユニット37aと第2LEDユニット37bとが積層されている態様であり、第1LEDユニット37aには緑色LEDが内蔵されており、第2LEDユニット37bには赤色LEDが内蔵されている。
【0050】
検査装置32は、異常発生を特定していない限りは、正常信号を点灯指令として第1LEDユニット35aへ送信し、第1LEDユニット35aを緑点灯させ、異常発生を特定すると、異常発生信号を点灯指令として第2LEDユニット35bへ送信し、第2LEDユニット35bを赤点灯させる。検査装置33は、異常発生を特定していない限りは、正常信号を点灯指令として第1LEDユニット37aへ送信し、第1LEDユニット37aを緑点灯させ、異常発生を特定すると、異常発生信号を点灯指令として第2LEDユニット37bへ送信し、第2LEDユニット37bを赤点灯させる。
【0051】
カメラ10は、シグナルタワー34の第1LEDユニット35a、第2LEDユニット35b、シグナルタワー36の第1LEDユニット37a、第2LEDユニット37b、検査中のワーク2、コンベヤ3の一部、検査装置32,33等を同時に撮影可能に画角(図11及び図12中A11,A12で示す角度)が設定されている。
【0052】
発光体領域検出部13aは、カメラ10から出力された画像を入力すると、その入力した画像中において検査装置32に対応する第1LEDユニット35a及び第2LEDユニット35b、検査装置33に対応する第1LEDユニット37a及び第2LEDユニット37bが映っている領域を発光体領域として検出する。この場合、カメラ10から遠い第1LEDユニット35a及び第2LEDユニット35bの発光体領域は相対的に小さくなり、カメラ10から近い第1LEDユニット37a及び第2LEDユニット37bの発光体領域は相対的に大きくなる。第1変化判定部13bは、発光体領域の明度変化及び色相により検査装置32に対応する第1LEDユニット35a及び第2LEDユニット35b、検査装置33に対応する第1LEDユニット37a及び第2LEDユニット37bの個々の点灯又は消灯の変化を判定する。
【0053】
以上に説明したように第3実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
複数個所のシグナルタワーを監視対象とした構成においても、第1実施形態と同様に高精度の異常検出を容易に実現することができる。以上は、2箇所のシグナルタワーを監視対象とした構成を例示したが、3箇所以上のシグナルタワーを監視対象とした構成でも同様である。
【0054】
(第4実施形態)
第4実施形態について図13から図15を参照して説明する。第1実施形態から第3実施形態は、一つの監視録画装置が単独で動作する構成であるが、第4実施形態は、複数の監視録画装置が連携して動作する構成である。
【0055】
検査ライン41において、上流側の検査装置32に対応して監視録画装置42が配置され、下流側の検査装置33に対応して監視録画装置43が配置されている。監視録画装置42,43は、それぞれ第1実施形態で説明した監視録画装置9と同様の構成である。監視録画装置42は、検査装置32において検査中のワーク2、コンベヤ3の一部、検査装置32等を対象として異常発生を判定する。監視録画装置43は、検査装置33において検査中のワーク2、コンベヤ3の一部、検査装置33等を対象として異常発生を判定する。
【0056】
監視録画装置42において、カメラ10は、シグナルタワー34の第1LEDユニット35a、第2LEDユニット35b、検査中のワーク2、コンベヤ3の一部、検査装置32等を同時に撮影可能に画角(図13及び図14中A21,A22で示す角度)が設定されている。監視録画装置43において、カメラ10は、シグナルタワー36の第1LEDユニット37a、第2LEDユニット37b、検査中のワーク2、コンベヤ3の一部、検査装置33等を同時に撮影可能に画角(図13及び図15中A23,A24で示す角度)が設定されている。
【0057】
制御部13は、第3実施形態で説明した発光体領域検出部13aと、第1変化判定部13bと、録画機能部13c、過去明度情報保持部13dと、リセット部13eと、第2変化判定部13fと、画像配信部13gと、色相算出部13hとに加え、信号送信部13iを備える。信号送信部13iは、例えば無線通信ネットワークを介して他の監視録画装置との間でデータ通信可能であり、カメラ10により撮影された画像の録画を録画機能部13cが開始すると、他の監視録画装置と無線接続し、録画開始通知信号を他の監視録画装置へ送信する。他の監視録画装置は、録画開始通知信号を受信すると、自身の判定対象において異常発生を特定していなくても、カメラ10により撮影された画像の録画を開始する。即ち、例えば監視録画装置42が異常発生を特定すると、監視録画装置43は、監視録画装置42から送信された録画開始通知信号を受信することで、自身の判定対象において異常発生を特定していなくても、カメラ10により撮影された画像の録画を開始する。
【0058】
以上に説明したように第4実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
複数個所のシグナルタワーを複数の監視録画装置により個別に監視対象とする構成においても、第1実施形態と同様に高精度の異常検出を容易に実現することができる。以上は、2つの監視録画装置が連携する構成を例示したが、3つ以上の監視録画装置が連携する構成も同様である。又、監視録画装置は、他の監視録画装置と有線接続しても良い。
【0059】
(その他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0060】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。或いは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によりプロセッサを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。若しくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路により構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより実現されても良い。又、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていても良い。
【符号の説明】
【0061】
図面中、9,42,43は監視録画装置、10はカメラ、12は監視録画対象、13は制御部、13aは発光体領域検出部、13bは第1変化判定部、13cは録画機能部、13dは過去明度情報保持部、13eはリセット部、13fは第2変化判定部、13gは画像配信部、13hは色相算出部、13iは信号送信部、14は外部表示端末である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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