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特開2024-100471保険相談システムおよび保険相談用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100471
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】保険相談システムおよび保険相談用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240719BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004490
(22)【出願日】2023-01-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】500578261
【氏名又は名称】株式会社アドバンスクリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 佳治
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB61
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】アバターを利用したオンライン保険相談において、募集人による各種法令の遵守をサポートするための技術を提供する。
【解決手段】保険相談システム1は、オンラインでの保険に関する相談を行なう保険相談システム1であって、顧客端末3と、ネットワークを介して顧客端末3と通信する募集人端末2と、顧客端末3と募集人端末2との間のテレビ電話による通話を制御するサーバ装置5とを含む。サーバ装置5は、顧客端末3のユーザの本人確認を実施し、本人確認された顧客131のアバター132を生成し、顧客131のアバター132を募集人端末2に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインでの保険に関する相談を行なう保険相談システムであって、
顧客端末と、
ネットワークを介して前記顧客端末と通信する募集人端末と、
顧客端末と募集人端末との間のテレビ電話による通話を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記顧客端末のユーザの本人確認を実施し、
本人確認された前記ユーザのアバターを生成し、
前記通話において前記ユーザのアバターを前記募集人端末に表示させる、
ように構成されている、保険相談システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記本人確認の結果を、前記募集人端末に通知するように構成されている、請求項1に記載の保険相談システム。
【請求項3】
オンラインでの保険に関する相談を行なう保険相談システムであって、
顧客端末と、
ネットワークを介して前記顧客端末と通信する募集人端末と、
顧客端末と募集人端末との間のテレビ電話による通話を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記顧客端末のユーザのアバターを生成し、
前記通話において前記ユーザのアバターを前記募集人端末に表示させ、
前記通話において保険相談に関するチェックタイミングが発生した場合に、前記ユーザの本人確認を実施し、前記本人確認の結果を前記募集人端末に通知する、ように構成されている、保険相談システム。
【請求項4】
前記チェックタイミングは、前記通話中に行なわれる前記相談のうち、特定商品の説明、保険契約者の保険商品に対する意向確認、保険商品に関する重要事項説明、および保険契約者の家族の同意の確認のうちのいずれか1つが行われるタイミングを含む、請求項3に記載の保険相談システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記募集人端末における特定の音声の入力または特定の操作によって、前記チェックタイミングの発生を検出するように構成されている、請求項3に記載の保険相談システム。
【請求項6】
前記本人確認は、
本人確認書面の画像を取得することと、
前記ユーザの画像を取得することと、
前記ユーザの画像を、前記本人確認書面の画像に含まれる本人確認用の部分画像と照合することと、を含む、請求項1または請求項3に記載の保険相談システム。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記通話において、複数回、前記本人確認を実施する、請求項1または請求項3に記載の保険相談システム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記顧客端末に、前記募集人端末との間で共有される文書を表示する文書表示領域、および、前記募集人端末を操作する募集人のアバターを表示させるアバター表示領域を表示させる、請求項1または請求項3に記載の保険相談システム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記募集人端末に、前記顧客端末との間で共有される文書を表示する文書表示領域、および、前記ユーザのアバターを表示させるアバター表示領域を表示させる、請求項1または請求項3に記載の保険相談システム。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記募集人端末に、前記顧客端末との間で共有される文書のうち前記顧客端末の画面に表示される領域の位置を特定する表示位置情報を表す図形を、前記文書に重畳させて表示させ、
前記表示位置情報は、前記顧客端末における操作によって前記文書のうち前記顧客端末の画面に表示される領域の位置が更新されたときの更新後の位置を特定する情報を含む、請求項1または請求項3に記載の保険相談システム。
【請求項11】
オンラインでの保険に関する相談に利用され、保険契約者によって操作される顧客端末と募集人によって操作される募集人端末との間のテレビ電話による通話を制御するコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記顧客端末のユーザの本人確認を実施するステップと、
本人確認された前記ユーザのアバターを生成するステップと、
前記通話において前記ユーザのアバターを前記募集人端末に表示させるステップと、
を実施させる、保険相談用プログラム。
【請求項12】
オンラインでの保険に関する相談に利用され、保険契約者によって操作される顧客端末と募集人によって操作される募集人端末との間のテレビ電話による通話を制御するコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記顧客端末のユーザのアバターを生成するステップと、
前記通話において前記ユーザのアバターを前記募集人端末に表示させるステップと、
前記通話において保険相談に関するチェックタイミングが発生した場合に、前記ユーザの本人確認を実施するステップと、
前記本人確認の結果を前記募集人端末に通知するステップと、を実施させる、保険相談用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オンラインで保険に関する相談を行うための保険相談システムおよび保険相談用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保険加入希望者と保険会社との間の保険契約の媒介を行う保険代理店が知られている。保険代理店としては、たとえば、保険加入希望者が住んでいる地域に相談員が訪問する訪問型の代理店と、ショッピングセンターや商業ビルなどに設置された窓口店舗において相談員が常駐する来店型の代理店とがある。いずれにしても、このような保険代理店では、相談員(以下、募集人とも称する。)は、保険加入を希望する顧客と直接会って、保険に関する相談(以下、「保険相談」とも称する。)を受けている。
【0003】
近年、IT(Information Technology)技術の発展およびウィルスの蔓延を危惧した感染症予防の観点から、人と人とが、直接会うことなく、PC(Personal Computer)などの通信端末を用いてオンラインで会話を行うことが推進されている。保険相談においても同様に、募集人が直接会うことなく、オンラインで保険相談(以下、「オンライン保険相談」とも称する。)を行なうことが望まれている。
【0004】
オンラインでの会議について、たとえば、特許文献1(特開2008-131412号公報)および特許文献2(特開2019-153099号公報)は、携帯端末やPCなどの複数の端末がネットワークを介して通信することで音声データと画像データとを両者間で送受信するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-131412号公報
【特許文献2】特開2019-153099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
保険会社および保険代理店は、保険の信頼性、事業の適切性および公共性などを確保するために、保険募集に関する基本的なルールを定めた保険業法などの各種法令を遵守する必要がある。たとえば、保険代理店は、保険業法によって、「顧客に対する情報提供義務」および「顧客の意向把握・確認義務」などを満たすことを求められている。
【0007】
特許文献1および特許文献2に開示されたシステムを保険相談に用いれば、募集人は、顧客と直接会うことなく保険相談を行うことができるが、募集人による上記のような各種法令の遵守をサポートするための技術はまだ存在していない。特に、オンライン保険相談にアバターが利用される場合、各種法令の遵守は困難となることが想定される。
【0008】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、アバターを利用したオンライン保険相談において、募集人による各種法令の遵守をサポートするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示にある局面に係る保険相談システムは、オンラインでの保険に関する相談を行なう保険相談システムであって、顧客端末と、ネットワークを介して顧客端末と通信する募集人端末と、顧客端末と募集人端末との間のテレビ電話による通話を制御するコントローラと、を備え、コントローラは、顧客端末のユーザの本人確認を実施し、本人確認されたユーザのアバターを生成し、ユーザのアバターを募集人端末に表示させる、ように構成されている。
【0010】
本開示の他の局面に係る保険相談システムは、オンラインでの保険に関する相談を行なう保険相談システムであって、顧客端末と、ネットワークを介して顧客端末と通信する募集人端末と、顧客端末と募集人端末との間のテレビ電話による通話を制御するコントローラと、を備え、コントローラは、顧客端末のユーザのアバターを生成し、ユーザのアバターを募集人端末に表示させ、通話において保険相談に関するチェックタイミングが発生した場合に、ユーザの本人確認を実施し、本人確認の結果を募集人端末に通知する、ように構成されている。
【0011】
本開示のある局面に係る保険相談用プログラムは、オンラインでの保険に関する相談に利用され、保険契約者によって操作される顧客端末と募集人によって操作される募集人端末との間のテレビ電話による通話を制御するコンピュータによって実行されるプログラムであって、プログラムは、コンピュータに、顧客端末のユーザの本人確認を実施するステップと、本人確認されたユーザのアバターを生成するステップと、ユーザのアバターを募集人端末に表示させるステップと、を実施させる。
【0012】
本開示の他の局面に係る保険相談用プログラムは、オンラインでの保険に関する相談に利用され、保険契約者によって操作される顧客端末と募集人によって操作される募集人端末との間のテレビ電話による通話を制御するコンピュータによって実行されるプログラムであって、プログラムは、コンピュータに、顧客端末のユーザのアバターを生成するステップと、ユーザのアバターを募集人端末に表示させるステップと、通話において保険相談に関するチェックタイミングが発生した場合に、ユーザの本人確認を実施するステップと、本人確認の結果を募集人端末に通知するステップと、を実施させる。
【発明の効果】
【0013】
本開示に従うと、アバターを利用したオンライン保険相談において、募集人による各種法令の遵守をサポートするための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施の形態に係る保険相談システム1の概要を示す模式図である。
図2】顧客131の本人確認の一具体例を説明するための図ある。
図3】顧客端末3に表示される画面の一例を示す図である。
図4】顧客端末3に表示される画面の他の例を示す図である。
図5】保険相談システム1の具体的構成を示す模式図である。
図6】保険相談システム1のハードウェア構成を示す模式図である。
図7】募集人用画面の一例を示す図である。
図8】顧客用画面の一例を示す図である。
図9】募集人用画面の他の例を示す図である。
図10】顧客用画面の他の例を示す図である。
図11】募集人用画面のさらに他の例を示す図である。
図12】顧客用画面のさらに他の例を示す図である。
図13】保険相談システム1においてテレビ電話による保険相談を実現するための処理の一例を示すフローチャートである。
図14】保険相談システム1においてテレビ電話による保険相談を実現するための処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0016】
[保険相談システムの概要]
図1は、本実施の形態に係る保険相談システム1の概要を示す模式図である。図1に示されるように、保険相談システム1は、顧客131によって用いられる顧客端末3と、募集人121によって用いられる募集人端末2と、サーバ装置5とを含む。
【0017】
サーバ装置5は、顧客端末3と募集人端末2との間のテレビ電話を中継する。「テレビ電話」という用語は、顧客端末3と募集人端末2とがオンラインで音声データおよび画像データを送受信することを含み、このような音声データおよび画像データの送受信によって、顧客と募集人とがテレビ電話を介して保険相談を行うことができる。オンライン保険相談は、このようなテレビ電話を介した保険相談を含む。
【0018】
テレビ電話の画面において、サーバ装置5は、募集人121の代わりに、募集人121のアバターを表示する。テレビ電話の画面において、サーバ装置5は、顧客131の代わりに、顧客131のアバターを表示する。サーバ装置5は、顧客131の本人確認を実施し、本人確認が成功したことを条件として、顧客131のアバターを表示してもよい。
【0019】
一実現例では、サーバ装置5は、顧客131について予めサーバ装置5に登録された情報と、テレビ電話において顧客端末3から取得した情報とを照合することによって、顧客131の本人確認を実施してもよい。予め登録された情報の一例は、顧客131の顔画像である。他の例は、顧客131の声である。さらに他の例は、顧客131の指紋などの生体情報である。
【0020】
一実現例では、サーバ装置5は、顧客端末3から、テレビ電話において、照合用の情報を取得してもよい。
【0021】
[本人確認の具体例]
図2は、顧客131の本人確認の一具体例を説明するための図ある。図2の画面20は、顧客端末3のカメラ(図6のカメラ36)の撮像画像を含み、たとえば顧客端末3のディスプレイ(図6のディスプレイ34)に表示される。画面20は、顧客端末3のユーザ(顧客131)に対応する要素201と、本人確認用の書面(たとえば、運転免許証)に対応する要素202とを含む。
【0022】
顧客131は、本人確認のために、運転免許証をカメラに提示する。これにより、カメラは、顧客131と運転免許証とを撮影する。
【0023】
サーバ装置5は、顧客端末3の撮像画像を取得し、要素202が本人確認用の書面に対応することを特定する。撮像画像内の要素が本人確認用の書面に対応するか否かは、たとえば、撮像画像における、本人確認用の書面のパターン画像と一致する要素の探索によって実現される。本人確認用の書面のパターン画像は、サーバ装置5において予め格納されていてもよい。
【0024】
そして、サーバ装置5は、要素202の中の顔写真に対応する部分202Aを特定する。一方、サーバ装置5は、撮像画像における要素202以外の領域において、要素201を特定する。顔写真に対応する部分の特定、および、要素202の特定には、既知の顔領域認識技術が採用され得る。
【0025】
そして、サーバ装置5は、要素201に含まれる顔を部分202Aに含まれる顔と照合することにより、前者の顔が後者の顔と一致するか否かを判断する。サーバ装置5は、上記2つの顔が一致すれば(たとえば、一致度が所与の割合以上であれば)、本人確認が成功したと判断する。一方、サーバ装置5は、上記2つの顔が一致しなければ(たとえば、一致度が所与の割合未満であれば)、本人確認が失敗したと判断する。
【0026】
サーバ装置5は、要素202から、氏名などの顧客情報を抽出してもよい。顧客情報の抽出には、本人確認用の書面における1以上の項目(氏名など)の記載位置を特定する情報が利用されてもよい。顧客情報の抽出には、また、文字認識技術が利用されてもよい。
【0027】
図3は、顧客端末3に表示される画面の一例を示す図である。図3の画面30は、図2の画面20と比較して、メッセージ210をさらに含む。メッセージ210は、文字列「本人確認処理中」を含む。サーバ装置5は、顧客端末3にメッセージ210を表示させることにより、顧客131に、本人確認用の処理が実行中であることを認識させることができる。
【0028】
図4は、顧客端末3に表示される画面の他の例を示す図である。図4の画面40は、図2の画面20と比較して、メッセージ220をさらに含む。メッセージ220は、文字列「OK」を含む。サーバ装置5は、本人確認に成功すると、顧客端末3に画面40を表示させ、これにより、顧客131に、本人確認の成功を認識させることができる。
【0029】
[保険相談システムの構成]
図5は、保険相談システム1の具体的構成を示す模式図である。図5に示されるように、保険相談システム1は、顧客によって用いられる顧客端末3と、募集人によって用いられる募集人端末2と、サーバ装置5と、コンプライアンスチェックの担当者(以下、「チェック担当者」とも称する。)によって用いられるチェック用端末4とを備える。
【0030】
保険相談システム1においては、顧客端末3と募集人端末2とがネットワーク6を介して相互に通信することで、顧客端末3と募集人端末2との間でテレビ電話が行われる。「テレビ電話」という用語は、顧客端末3と募集人端末2とがオンラインで音声データおよび画像データを送受信することを含み、このような音声データおよび画像データの送受信によって、顧客と募集人とがテレビ電話を介して保険相談を行うことができる。オンライン保険相談は、このようなテレビ電話を介した保険相談を含む。
【0031】
顧客端末3は、ネットワーク6を介して、募集人端末2およびサーバ装置5の各々と通信する。顧客端末3には、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ型のPC、およびスマートフォンといった携帯端末など、募集人端末2との間で音声データおよび画像データを送受信することができるいかなる情報端末が適用される。
【0032】
募集人端末2は、ネットワーク6を介して、顧客端末3およびサーバ装置5の各々と通信する。募集人端末2には、デスクトップ型のPC、ラップトップ型のPC、およびスマートフォンといった携帯端末など、顧客端末3との間で音声データおよび画像データを送受信することができるいずれかの情報端末が適用される。
【0033】
一実現例では、募集人端末2および顧客端末3のそれぞれに、テレビ電話による通話を実施するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、当該アプリケーションプログラムが実行されることによって、オンライン保険相談のための処理が実施される。
【0034】
他の実現例では、募集人端末2および顧客端末3のそれぞれが、テレビ電話による通話を実施るためのクラウドアプリケーションを提供するサーバに接続する。クラウドアプリケーションは、サーバ装置5によって提供されてもよい。募集人端末2および顧客端末3のそれぞれは、当該サーバと協働してクラウドアプリケーションを実施することによって、オンライン保険相談のための処理を実施する。
【0035】
サーバ装置5は、ネットワーク6を介して、顧客端末3、募集人端末2、およびチェック用端末4の各々と通信可能である。サーバ装置5は、顧客端末3と募集人端末2との間で音声データおよび画像データが送受信されることで行われるオンライン保険相談の録画データを記録することができる。サーバ装置5は、チェック用端末4と同じ場所に設置されてもよいし、チェック用端末4と異なる場所に設置されてもよく、さらにクラウドコンピューティングの態様でクラウド上に存在してもよい。
【0036】
チェック用端末4は、ネットワーク6を介して、サーバ装置5と通信可能であり、サーバ装置5に格納された録画データ(図6の録画データ532)を取得し、取得した録画データ(図6の録画データ432)を再生することができる。
【0037】
[ハードウェア構成]
図6は、保険相談システム1のハードウェア構成を示す模式図である。図6に示されるように、顧客端末3、募集人端末2、サーバ装置5、およびチェック用端末4の各々は、各機能を発揮するためのハードウェア構成を備える。
【0038】
顧客端末3は、プロセッサ31と、通信装置32と、メモリ33と、ディスプレイ34と、入力インターフェース35と、カメラ36と、マイク37と、スピーカ38とを備える。
【0039】
プロセッサ31は、各種のプログラム(たとえば、後述する制御プログラム331)を実行することで、各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ31は、たとえば、CPU(central processing unit)、FPGA(field programmable gate array)、およびGPU(graphics processing unit)のうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ31は、演算回路(processing circuitry)で構成されてもよい。
【0040】
通信装置32は、ネットワーク6を介して、募集人端末2およびサーバ装置5の各々との間で通信を確立し、募集人端末2およびサーバ装置5の各々との間でデータの送受信を行う。
【0041】
メモリ33は、DRAM(dynamic random access memory)およびSRAM(static random access memory)などの揮発性メモリ、または、ROM(read only memory)、SSD(solid state drive)、およびHDD(hard disk drive)などの不揮発性メモリで構成される。メモリ33は、制御プログラム331を記録する。制御プログラム331は、顧客端末3が備える各構成を制御するためのプログラムである。
【0042】
ディスプレイ34は、募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中の画像を表示する。
【0043】
入力インターフェース35は、マウスやキーボードなど、顧客端末3のユーザである顧客による入力を受け付ける。本実施の形態において、顧客は、入力インターフェース35を用いて、氏名、住所、電話番号、ID(identification)、およびパスワードなどを入力することができる。
【0044】
カメラ36は、募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中に、顧客端末3のユーザである顧客を撮影する。カメラ36の撮影によって得られた画像データは、一時的にメモリ33に記録され、通信装置32によってサーバ装置5に送信される。
【0045】
マイク37は、募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中に、顧客端末3のユーザである顧客の音声を取得する。マイク37によって得られた音声は、音声データとして一時的にメモリ33に記録され、通信装置32によって募集人端末2に送信される。
【0046】
スピーカ38は、募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中に、募集人端末2から取得した募集人の音声を出力する。
【0047】
募集人端末2は、プロセッサ21と、通信装置22と、メモリ23と、ディスプレイ24と、入力インターフェース25と、カメラ26と、マイク27と、スピーカ28とを備える。
【0048】
プロセッサ21は、各種のプログラム(たとえば、制御プログラム231や録画プログラム235)を実行することで、各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ21は、たとえば、CPU、FPGA、およびGPUのうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ21は、演算回路で構成されてもよい。
【0049】
通信装置22は、ネットワーク6を介して、顧客端末3およびサーバ装置5の各々との間で通信を確立し、顧客端末3およびサーバ装置5の各々との間でデータの送受信を行う。
【0050】
メモリ23は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、または、ROM、SSD、およびHDDなどの不揮発性メモリで構成される。メモリ23は、制御プログラム231と、録画データ232と、フラグデータ233と、スクリプトデータ234と、録画プログラム235とを記録する。
【0051】
制御プログラム231は、募集人端末2が備える各構成を制御するためのプログラムである。録画データ232は、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談の内容を記録したデータであり、オンライン保険相談中に顧客端末3と募集人端末2との間で送受信される音声データおよび画像データを含む。録画データ232は、通信装置22によってサーバ装置5に送信され、後述する録画データ532としてメモリ53に格納される。
【0052】
フラグデータ233は、録画データの再生時間のうちの予め決められたチェックタイミングを特定するためのデータである。フラグデータ233は、通信装置22によってサーバ装置5に送信され、後述するフラグデータ533としてメモリ53に格納される。スクリプトデータ234は、録画データに基づき再生されるオンライン保険相談の内容をスクリプト化した字幕の内容を特定するためのデータであり、プロセッサ21によって生成される。スクリプトデータ234は、通信装置22によってサーバ装置5に送信され、後述するスクリプトデータ534としてメモリ53に格納される。
【0053】
録画プログラム235は、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談の内容を録画データとして記録するためのプログラムである。
【0054】
ディスプレイ24は、顧客端末3との間で行われるオンライン保険相談中の画像を表示する。
【0055】
入力インターフェース25は、マウスやキーボードなど、募集人端末2のユーザである募集人による入力を受け付ける。本実施の形態において、募集人は、入力インターフェース25を用いて、氏名、住所、電話番号、ID、およびパスワードなどを入力することができる。さらに、募集人は、入力インターフェース25を用いて、録画データの再生時間のうち、所望のチェックタイミングを入力することができる。
【0056】
カメラ26は、顧客端末3との間で行われるオンライン保険相談中に、募集人端末2のユーザである募集人を撮影する。カメラ26の撮影によって得られた画像データは、一時的にメモリ23に記録され、通信装置22によってサーバ装置5に送信される。
【0057】
マイク27は、顧客端末3との間で行われるオンライン保険相談中に、募集人端末2のユーザである募集人の音声を取得する。マイク27によって得られた音声は、音声データとして一時的にメモリ23に記録され、通信装置22によって顧客端末3に送信される。
【0058】
スピーカ28は、顧客端末3との間で行われるオンライン保険相談中に、顧客端末3から取得した顧客の音声を出力する。
【0059】
サーバ装置5は、プロセッサ51と、通信装置52と、メモリ53とを備える。プロセッサ51は、各種のプログラム(たとえば、制御プログラム531)を実行することで、各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ51は、たとえば、CPU、FPGA、およびGPUのうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ51は、演算回路で構成されてもよい。
【0060】
通信装置52は、ネットワーク6を介して、顧客端末3、募集人端末2、およびチェック用端末4の各々との間で通信を確立し、顧客端末3および募集人端末2の各々との間でデータの送受信を行う。
【0061】
メモリ53は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、または、ROM、SSD、およびHDDなどの不揮発性メモリで構成される。メモリ53は、制御プログラム531と、録画データ532と、フラグデータ533と、スクリプトデータ534と、顧客データ535と、募集人データ536とを記録する。
【0062】
制御プログラム531は、サーバ装置5が備える各構成を制御するためのプログラムである。録画データ532は、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談の内容を記録したデータである。録画データ532は、オンライン保険相談中に顧客端末3と募集人端末2との間で送受信される音声データおよび画像データを含む。録画データ532は、通信装置52を介して募集人端末2から取得される。録画データ532は、通信装置52によってチェック用端末4に送信され、後述する録画データ432としてメモリ43に格納される。
【0063】
フラグデータ533は、録画データの再生時間のうちの予め決められたチェックタイミングを特定するためのデータである。フラグデータ533は、通信装置52を介して募集人端末2から取得される。フラグデータ533は、通信装置52によってチェック用端末4に送信され、後述するフラグデータ433としてメモリ43に格納される。スクリプトデータ534は、録画データに基づき再生されるオンライン保険相談の内容をスクリプト化した字幕の内容を特定するためのデータである。スクリプトデータ534は、通信装置52を介して募集人端末2から取得される。スクリプトデータ534は、通信装置52によってチェック用端末4に送信され、後述するスクリプトデータ434としてメモリ43に格納される。なお、募集人端末2がスクリプトデータ234を生成することなく、サーバ装置5のプロセッサ51がスクリプトデータ534を生成してもよい。
【0064】
顧客データ535は、顧客端末3の入力インターフェース35を介して顧客によって入力された氏名および住所などのデータを含む。顧客データ535は、カメラ36の撮像画像に対する文字認識によって生成されてもよい。たとえば、顧客131が運転免許証をカメラ36にかざすことによって、カメラ36は運転免許証を撮影する。顧客端末3は、運転免許証の撮像画像から文字認識によって顧客131の情報(氏名など)のデータを生成し、当該データを顧客データ535としてサーバ装置5へ送信してもよい。募集人データ536は、募集人端末2の入力インターフェース25を介して募集人によって入力された氏名および住所などのデータを含む。
【0065】
チェック用端末4は、プロセッサ41と、通信装置42と、メモリ43と、ディスプレイ44と、入力インターフェース45とを備える。
【0066】
プロセッサ41は、各種のプログラム(たとえば、制御プログラム431)を実行することで、各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ41は、たとえば、CPU、FPGA、およびGPUのうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ41は、演算回路で構成されてもよい。
【0067】
通信装置42は、ネットワーク6を介して、サーバ装置5との間で通信を確立し、サーバ装置5との間でデータの送受信を行う。
【0068】
メモリ43は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、または、ROM、SSD、およびHDDなどの不揮発性メモリで構成される。メモリ43は、制御プログラム431と、録画データ432と、フラグデータ433と、スクリプトデータ434とを記録する。
【0069】
制御プログラム431は、チェック用端末4が備える各構成を制御するためのプログラムである。録画データ432は、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談の内容を記録したデータであり、オンライン保険相談中に顧客端末3と募集人端末2との間で送受信される音声データおよび画像データを含む。録画データ432は、通信装置42を介してサーバ装置5から取得される。
【0070】
フラグデータ433は、録画データの再生時間のうちの予め決められたチェックタイミングを特定するためのデータである。フラグデータ433は、通信装置42を介してサーバ装置5から取得される。スクリプトデータ434は、録画データに基づき再生されるオンライン保険相談の内容をスクリプト化した字幕の内容を特定するためのデータである。スクリプトデータ434は、通信装置42を介してサーバ装置5から取得される。
【0071】
ディスプレイ44は、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中の画像を表示する。
【0072】
入力インターフェース45は、マウスやキーボードなど、チェック用端末4のユーザであるチェック担当者による入力を受け付ける。
【0073】
図5および図6に示す保険相談システム1では、サーバ装置5とチェック用端末4とが別体で構成されていたが、サーバ装置5とチェック用端末4とが一体で構成されてもよい。すなわち、チェック用端末4は、募集人端末2から録画データ432、フラグデータ433、およびスクリプトデータ434を直接的に取得してもよい。
【0074】
[オンライン保険相談中の表示態様]
オンライン保険相談において、募集人端末2のディスプレイ24および顧客端末3のディスプレイ34のそれぞれに表示される画面の具定例を説明する。以下の説明では、ディスプレイ24に表示される画面を「募集人用画面」と称し、ディスプレイ34に表示される画面を「顧客用画面」と称するする場合がある。
【0075】
<募集人用画面(1)>
図7は、募集人用画面の一例を示す図である。
【0076】
募集人用画面2401は、保険相談の参加者の画像を表示する領域2410を含む。領域2410は、募集人121に対応するアバター122を表示する枠2411と、顧客131に対応するアバター132を表示する枠2412とを含む。
【0077】
募集人端末2において、募集人用画面は録画され得る。枠2411には、募集人用画面が録画されていることを表すアイコン2413が表示されている。
【0078】
募集人用画面2401は、各種のメニューを表示するバー2420,2430,2440を含む。バー2420には、募集人用画面における表示態様を表すための複数のアイコンが表示される。
【0079】
バー2430は、チェックタイミングを入力するための5つのアイコン2431~2435を含む。アイコン2431は、「本人確認」の開始タイミングおよび終了タイミングを記録するために操作される。アイコン2432は、「意向確認」の開始タイミングおよび終了タイミングを記録するために操作される。アイコン2433は、「重要事項説明」の開始タイミングおよび終了タイミングを記録するために操作される。アイコン2434は、「家族の同意」の開始タイミングおよび終了タイミングを記録するために操作される。アイコン2435は、顧客に関する情報を取得するタイミングを記録するために操作される。
【0080】
バー2440は、オンライン保険相談における文書の共有に関するアイコン2441,2442,2443,2444を含む。アイコン2441は、共有されている文書の設定(表示倍率など)を切り替えるために操作される。アイコン2442は、顧客端末3において表示される文書の中の領域を指定するために操作される。アイコン2443は、オンライン保険相談において文書の共有を開始するために操作される。アイコン2444は、オンライン保険相談において文書の共有を終了すために操作される。
【0081】
募集人用画面2401は、枠2450を含む。枠2450には、オンライン保険相談において共有される文書が表示される。図7の募集人用画面2401は、オンライン保険相談において文書が共有されていない状態に対応する。したがって、図7では、枠2450には何も表示されていない。
【0082】
募集人用画面2401は、バー2460を含む。バー2460には、図9を参照して後述されるように、枠2450内の文書の表示態様の変更(表示対象のページの切り替え、表示倍率、注釈の追加、など)のための複数のアイコンが表示される。図7では、枠2450に文書が表示されていないので、バー2460にはアイコンが表示されていない。
【0083】
<顧客用画面(1)>
図8は、顧客用画面の一例を示す図である。図8に示された顧客用画面3401は、図7の募集人用画面2401が募集人端末2のディスプレイ24に表示されているときに、顧客端末3のディスプレイ34に表示される。
【0084】
顧客用画面3401は、ウィンドウ3410を含む。ウィンドウ3410は、顧客131に対応するアバター132を表示する枠3411と、募集人121に対応するアバター122を表示する枠3412と、枠3413とを含む。
【0085】
枠3413は、オンライン保険相談において共有される文書を表示する。図8の顧客用画面3401は、オンライン保険相談において文書が共有されていない状態に対応する。したがって、図8では、枠3413には何も表示されていない。
【0086】
<募集人用画面(2)>
図9は、募集人用画面の他の例を示す図である。図9の募集人用画面2402は、オンライン保険相談において文書が共有されている状態に対応する。
【0087】
募集人用画面2402の枠2450には、オブジェクト2451が表示されてる。オブジェクト2451は、オンライン保険相談において共有されている文書を表す。図9の例では、文書の一例として「重要事項説明書」というタイトルの文書が示されている。
【0088】
枠2450では、オブジェクト2451に、オブジェクト2452が重畳されている。オブジェクト2452は、文書のうち、顧客端末3において表示されている部分を表す図形の一例である。オブジェクト2452は、塗り潰しされていない矩形である。なお、オブジェクト2452の形状は、図9に示されたものに限定されない。また、オブジェクト2452の色は、適宜設定され得る。募集人端末2は、文書に使用されている色(オブジェクト2451として表示される色)に応じて、オブジェクト2452の色を変更してもよい。
【0089】
バー2460には、注釈を入力するためのアイコン2461を含む、複数のアイコンが表示されている。
【0090】
<顧客用画面(2)>
図10は、顧客用画面の他の例を示す図である。図10に示された顧客用画面3402は、図9の募集人用画面2402が募集人端末2のディスプレイ24に表示されているときに、顧客端末3のディスプレイ34に表示される。
【0091】
顧客用画面3402の枠3413には、オブジェクト3414が表示されている。オブジェクト3414は、オンライン保険相談において共有されている文書のうち、図9においてオブジェクト2452によって囲まれた部分に対応する。
【0092】
<募集人用画面(3)>
図11は、募集人用画面のさらに他の例を示す図である。図11に示された募集人用画面2403は、図9のオブジェクト2451に、オブジェクト2470を追加された状態を表す。
【0093】
オブジェクト2470は、募集人が募集人端末2を操作することによって、文書に加えられた注釈を表す。募集人端末2では、たとえばアイコン2461を操作されることによって、注釈の入力が可能な状態と不能な状態との間で、募集人端末2の状態が切り替えられる。募集人は、募集人端末2が注釈の入力が可能な状態にあるときに、所与の操作をおこなうことにより、注釈を入力できる。
【0094】
図11の例では、注釈の一例として、文書内の項目に対する手描きの下線が示されている。これは注釈の単なる一例であって、注釈は、予め準備された図形(三角形、四角形、円、など)であってもよいし、文字であってもよい。
【0095】
<顧客用画面(3)>
図12は、顧客用画面のさらに他の例を示す図である。図12に示された顧客用画面3402は、図11の募集人用画面2403が募集人端末2のディスプレイ24に表示されているときに、顧客端末3のディスプレイ34に表示される。
【0096】
顧客用画面3403では、図11のオブジェクト2470に相当するオブジェクト3470が表示されている。すなわち、募集人端末2において入力された注釈は、募集人用画面2403ではオブジェクト2470として表示され、顧客用画面3403ではオブジェクト3470として表示される。これにより、オンライン保険相談では、文書だけでなく、募集人によって入力された注釈も、募集人と顧客との間で共有される。
【0097】
[文書のうち顧客端末において表示される領域の位置を特定する情報]
募集人端末2は、図9においてオブジェクト2452として示されたように、オンライン保険相談において共有されている文書のうち、顧客端末3において表示されている領域の位置を表す図形を表示する。この図形の表示のために、募集人端末2は、顧客端末3から、当該領域の位置を表す情報を取得する。本明細書において、上記文書のうち、顧客端末3において表示されている領域の位置を表す情報を「表示位置情報」とも称する。
【0098】
表示位置情報の一例は、顧客端末3において表示される文書の中の座標情報である。顧客端末3は、オンライン保険相談において共有された文書を表示し、当該文書の表示態様を顧客による操作に応じて変更する。文書の表示に際し、顧客端末3は、文書において表示対象となっている領域を表す座標(たとえば、領域の左上および右下のそれぞれの位置を表す2点の座標)を取得する。そして、顧客端末3は、当該座標を、表示位置情報として、募集人端末2へ送信する。
【0099】
表示位置情報の他の例は、顧客端末3に対する文書の表示態様の変更のための操作内容を表す情報である。顧客端末3において、オンライン保険相談において共有される文書のデフォルトの表示態様(全体を100%で表示する、など)が設定されている場合、当該デフォルトの表示態様に対して顧客が変更のための操作(拡大、縮小、移動、など)を行なうと、デフォルトの表示態様と操作内容とによって、上記文書のうち、顧客端末3において表示されている領域が特定される。
【0100】
上記以外にも、オンライン保険相談において共有されている文書のうち、顧客端末3において表示されている領域を特定することができる情報である限り、いかなる種類の情報であっても表示位置情報となり得る。
【0101】
保険相談システム1では、共有されている文書における表示位置が募集人端末2と顧客端末3との間で共有されてもよい。
【0102】
たとえば、募集人端末2においてオブジェクト2452を移動する操作がなされると、募集人端末2は、オブジェクト2452の表示位置を移動させるとともに、オブジェクト2452の移動後の位置を表す表示位置情報が生成し、当該表示位置情報をサーバ装置5へ送信する。サーバ装置5は、顧客端末3に、文書の中の、募集人端末2から送信された表示位置情報に対応する部分を表示するように指示する。これにより、募集人端末2におけるオブジェクト2452の移動に対応するように、顧客端末3は、文書の中の表示対象となる位置を変更する。すなわち、表示位置情報は、募集人端末2におけるオブジェクト2452の更新後の位置を表しても良い。
【0103】
また、顧客端末3において、文書の中の表示対象となる部分を変更する操作がなされると、顧客端末3は、文書の中の表示対象となる部分を変更するとともに、変更後の部分を表す表示位置情報を生成し、当該表示位置情報をサーバ装置5へ送信する。サーバ装置5は、募集人端末2へ、顧客端末3から送信された表示位置情報を送信する。そして、募集人端末2は、オブジェクト2452の表示位置を、サーバ装置5から送信された表示位置情報に従って変更する。これにより、顧客端末3における文書の表示対象部分の変更に対応するように、募集人端末2におけるオブジェクト2452の表示位置が変更される。
【0104】
すなわち、表示位置情報は、顧客端末3における操作によって、表示対象部分が更新されたときの更新後の位置を特定する。これにより、オブジェクト2452は、文書の、顧客端末3において表示対象となっている部分を常に指し示す。
【0105】
なお、顧客端末3において表示対象部分が拡大または縮小された場合、当該拡大または縮小に応じて、募集人端末2におけるオブジェクト2452の大きさが変更される。より具体的には、顧客端末3において、文書が拡大されると、文書の中の表示対象となる部分は少なくなる。これに応じて、募集人端末2において、オブジェクト2452は縮小される。一方、顧客端末3において表示が縮小されると、文書の中の表示対象となる部分は多くなる。これに応じて、募集人端末2におけるオブジェクト2452が拡大される。
【0106】
[処理の流れ]
図13は、保険相談システム1においてテレビ電話による保険相談を実現するための処理の一例を示すフローチャートである。一実現例では、図13の処理は、募集人端末2、顧客端末3、およびサーバ装置5のそれぞれにおいて、プロセッサが所与のプログラムを実行することによって実現される。図13の処理は、たとえば、顧客端末3からの保険相談の開始要求に応じて募集人端末2が保険相談の開始を受け付けたことに応じて、開始される。
【0107】
一実現例では、サーバ装置5がAPI(Application Programming Interface)サーバとして機能してもよい。顧客端末3は、サーバ装置5にアクセスし、サーバ装置5は、顧客端末3からのアクセスを募集人端末2に通知し、そして、募集人端末2が顧客端末3からのアクセスに応答することをサーバ装置5に通知することによって、図13の処理が開始されてもよい。この場合、サーバ装置5に保険相談用プログラムとしてインストールされたAPIサーバ用プログラムが、募集人端末2、顧客端末3、およびサーバ装置5の動作を実質的に制御する。
【0108】
ステップS200にて、募集人端末2は、サーバ装置5へ、募集人の顔画像を送信する。募集人端末2において、募集人の顔画像は、カメラ26によって撮影される。
【0109】
ステップS500にて、サーバ装置5は、募集人121のアバター(アバター122)を生成する。アバター122は、募集人121の顔画像に基づいて生成されてもよいし、サーバ装置5に予め格納されたキャラクタ画像を用いて生成されてもよい。
【0110】
ステップS502にて、サーバ装置5は、顧客端末3へ、本人確認を要求する。
本人確認の要求は、たとえば、顧客131に対して、本人確認のための手続を要求することを意味する。サーバ装置5は、本人確認の要求のために、顧客端末3に、「本人確認を実施してください。」などのメッセージの出力を指示してもよい。
【0111】
一実現例では、顧客131は、顧客端末3は、本人確認の要求を受信したことに応じて、上記メッセージを出力する。当該メッセージを見た顧客131は、図2を参照して説明されたように、顧客131自身と本人確認用の書面とをカメラ36で撮影する。
【0112】
ステップS300にて、顧客端末3は、サーバ装置5へ、顔画像と本人確認用の書面とを送信する。
【0113】
ステップS504にて、サーバ装置5は、顧客131の本人確認を実施する。
ステップS506にて、サーバ装置5は、ステップS504における本人確認が成功したか否かを判断し、成功したと判断すると(ステップS506にてYES)、ステップS508へ制御を進め、そうでなければ(ステップS506にてNO)、ステップS502へ制御を戻す。
【0114】
ステップS508にて、サーバ装置5は、顧客131のアバター(アバター132)を生成する。アバター132は、顧客131の顔画像に基づいて生成されてもよいし、サーバ装置5に予め格納されたキャラクタ画像を用いて生成されてもよい。サーバ装置5は、顧客131から、アバター132の生成に利用されるキャラクタ画像を選択する情報を受け付けてもよい。
【0115】
ステップS510にて、サーバ装置5は、募集人121のアバター122と顧客131のアバター132による、アバター同士のテレビ電話による通話を開始する。これにより、募集人端末2には少なくともアバター132が表示され、また、顧客端末3には少なくともアバター122が表示される。
【0116】
通話において、サーバ装置5は、カメラ26によって撮影される募集人121の顔の動きに従ってアバター122の動きを制御し、また、カメラ36によって撮影される顧客131の顔の動きに従ってアバター132の動きを制御してもよい。顔の動きに従ったアバターの制御とは、たとえば、眉の位置や口の位置などの特徴点の検出、および、特徴点の位置に応じたアバター画像の制御を含む。
【0117】
ステップS512にて、サーバ装置5は、本人確認の結果を、募集人端末2へ通知し、また、メモリ53に記録する。通知および/または記録される「本人確認の結果」は、本人確認の成功/失敗のみであってもよいし、本人確認に利用された書類の種類(運転免許証など)やその画像(図2の画面20または要素202)を含んでいてもよい。
【0118】
ステップS514にて、サーバ装置5は、本人確認のタイミングが到来したか否かを判断する。保険相談システム1では、通話中、複数回本人確認が実施されるように構成されていてもよく、通話中の本人確認を実施するタイミングはサーバ装置5に予め格納されていてもよい。たとえば、5分ごとに本人確認を実施するように保険相談システム1が構成されている場合、前回の本人確認から5分が経過したときに、本人確認のタイミングが到来する。なお、通話中の本人確認を実施するタイミングは、自由に設定され得る。
【0119】
さらに、募集人121は、本人確認が必要であると判断したタイミングで、所与の操作を実施してもよい。募集人端末2は、当該操作を受け付けると、サーバ装置5へ本人確認が必要であることを通知する。サーバ装置5は、募集人端末2からのこの通知に応じて、本人確認のタイミングが到来したと判断してもよい。
【0120】
サーバ装置5は、本人確認のタイミングが到来したと判断すると(ステップS514にてYES)、ステップS502へ制御を戻し、そうでなければ(ステップS514にてNO)、ステップS516へ制御を進める。
【0121】
ステップS516にて、サーバ装置5は、通話を終了するタイミングが到来したか否かを判断する。一実現例では、募集人端末2または顧客端末3において通話を終了する操作がなされることにより、通話を終了するタイミングが到来する。サーバ装置5は、通話を終了するタイミングが到来したと判断すると(ステップS516にてYES)、ステップS518へ制御を進め、そうでなければ(ステップS516にてNO)、ステップS514へ制御を戻す。
【0122】
ステップS518にて、サーバ装置5は、アバター同士の通話を終了させて、図13の処理を終了させる。
【0123】
以上、図13を参照して説明された処理によれば、テレビ電話による保険相談において、顧客131の本人確認が成功したことを条件として、顧客131は、アバター132を利用して通話ができる。
【0124】
テレビ電話を利用した保険相談によって、顧客131は、場所を問わずに保険の相談をできる。また、顧客131は、アバターを利用することにより、カメラをオフにし、これにより、服装や化粧を気にせず自宅での相談が可能になる。しかしながら、顧客131がアバターを利用した場合、本人確認が困難になる。このため、募集人121は、顧客131に一部の商品の説明が行えなかったり、顧客131から商品の最終的な申込を受け付けられないという不都合が生じる場合があった。
【0125】
図13の処理では、本人確認が成功したことを条件として顧客131がアバター132を利用した通話を開始できるため、上記不都合の発生が回避される。また、保険相談システム1は、本人確認のための処理の少なくとも一部(本人確認の要求など)を実施し、これにより、本人確認のための募集人121の労力が軽減される。
【0126】
また、図13の処理では、顧客端末3において、募集人121がアバター122として表示される。顧客端末3において、募集人121自身の画像の代わりに、個性のない中性的な見た目のアバター122が表示されることにより、顧客131は、募集人121に対して心を開きやすくなり、保険相談が充実したものとなることが期待される。
【0127】
また、図13の処理では、保険相談の通話において、ステップS504以外のタイミングでも、本人確認を実施する。これにより、通話中、継続して同じ顧客131が通話相手であることが保証される。本人確認の結果は、ステップS512にて、募集人端末2へ通知される。これにより、募集人121は、通話中、継続して同じ顧客131が通話相手であることを認識しながら、保険相談を継続できる。
【0128】
図13の処理では、顧客131の本人確認に失敗すると、サーバ装置5は、ステップS502にて、本人確認を要求する。本人確認の要求では、サーバ装置5は、顧客端末3にメッセージ210(図3)の表示を指示してもよい。これにより、顧客131は、本人確認のための動作(たとえば、顧客131自身の顔と本人確認用の書面とをカメラ36に向けること)を必要とされていることを認識できる。
【0129】
図13の処理に従った保険相談において、募集人端末2と顧客端末3との間で文書が共有される場合、サーバ装置5は、図13の処理と並行して、図7図12を参照して説明されたような文書の共有に関する処理を実施してもよい。共有される文書は、サーバ装置5に格納されていてもよいし、募集人端末2または顧客端末3からサーバ装置5へ送信されてもよい。
【0130】
図13の処理は、サーバ装置5によって実施されてもよいし、募集人端末2によって実施されてもよい。すなわち、募集人端末2は、サーバ装置5としても機能してもよい。
【0131】
[処理の変形例]
保険相談システム1では、顧客131の本人確認より前に、顧客131のアバター132の生成および通話の開始が実施されてもよい。保険相談システム1は、所与のチェックタイミングが発生したときに、顧客131の本人確認が成功したことを条件として、通話を継続するように構成されていてもよい。
【0132】
図14は、保険相談システム1においてテレビ電話による保険相談を実現するための処理の変形例を示すフローチャートである。
【0133】
図14の処理では、サーバ装置5がステップS500において募集人121のアバター122を生成した後、ステップS310にて、顧客端末3が顧客131の顔画像をサーバ装置5へ送信し、ステップS508にて、サーバ装置5が顧客131のアバター132を生成する。そして、ステップS510にて、サーバ装置5は、アバター同士の通話を開始する。
【0134】
そして、ステップS520にて、サーバ装置5は、チェックタイミングが発生したか否かを判断する。
【0135】
チェックタイミングの発生の一例は、募集人121が募集人端末2に本人確認用のボタンを操作したことである。募集人端末2は、当該ボタンを操作されると、サーバ装置5へ、本人確認用の情報を通知する。サーバ装置5は、当該通知を受信すると、チェックタイミングが発生したと判断する。
【0136】
募集人端末2において上記ボタンが操作される代わりに、通話中に特定の音声がマイク27に入力されたことに応じて、サーバ装置5は、チェックタイミングが発生したと判断してもよい。たとえば、募集人121が「本人確認をお願い致します。」と話すと、募集人端末2は、当該音声からテキスト「本人確認をお願い致します。」を認識し、このテキストを認識したことに応じて、サーバ装置5へ上記通知を送信してもよい。
【0137】
チェックタイミングの発生の他の例は、特定商品の説明、保険契約者の保険商品に対する意向確認、保険商品に関する重要事項説明、または保険契約者の家族の同意の確認が行われることである。
【0138】
より具体的には、サーバ装置5は、通話中に特定の音声(たとえば、特定商品の商品名)がマイク27に入力されたことに応じて、または、特定商品用のボタンが募集人端末2において操作されたことに応じて、チェックタイミングが発生したと判断してもよい。特定商品とは、たとえば、外貨建て生命保険である。
【0139】
サーバ装置5は、意向確認用のアイコン2432が操作されたことに応じて、または、意向確認用のキーワードを含む音声がマイク27に入力されたことに応じて、チェックタイミングが発生したと判断してもよい。
【0140】
サーバ装置5は、重要事項説明用のアイコン2433が操作されたことに応じて、または、重要事項説明用のキーワードを含む音声がマイク27に入力されたことに応じて、チェックタイミングが発生したと判断してもよい。
【0141】
サーバ装置5は、家族の同意用のアイコン2434が操作されたことに応じて、または、家族の同意を確認するためのキーワードを含む音声がマイク27に入力されたことに応じて、チェックタイミングが発生したと判断してもよい。
【0142】
図14に戻って、サーバ装置5は、チェックタイミングが発生したと判断するまでステップS520の制御を繰り返し(ステップS520にてNO)、チェックタイミングが発生したと判断すると(ステップS520にてYES)、ステップS522へ制御を進める。
【0143】
ステップS522にて、サーバ装置5は、図13のステップS502と同様に、顧客端末3へ、本人確認を要求する。
【0144】
サーバ装置5からの要求に応じて、顧客端末3は、ステップS312にて、サーバ装置5へ、顧客131の顔画像と本人確認用の書面を送信する。
【0145】
ステップS524にて、サーバ装置5は、本人確認を実施する。
ステップS526にて、サーバ装置5は、ステップS524における本人確認が成功したか否かを判断し、成功したと判断すると(ステップS526にてYES)、ステップS528へ制御を進め、そうでなければ(ステップS526にてNO)、ステップS522へ制御を戻す。
【0146】
ステップS528~S534の制御は、図13を参照して説明されたステップS512~S518の制御と同様である。すなわち、サーバ装置5は、ステップS528で、本人確認の結果を、募集人端末2へ通知し、また、メモリ53に記録する。なお、サーバ装置5は、本人確認が成功していないと判断したときにステップS526からステップS522へ制御を戻す。このとき、ステップS522において、本人確認が成功していないことを募集人端末2に通知してもよい。
【0147】
ステップS530にて、サーバ装置5は、本人確認のタイミングが到来したか否かを判断すし、到来したと判断すると(ステップS530にてYES)、ステップS522へ制御を戻し、そうでなければ(ステップS530にてNO)、ステップS532へ制御を進める。
【0148】
ステップS532にて、サーバ装置5は、通話を終了するタイミングが到来したか否かを判断し、到来したと判断すると(ステップS532にてYES)、ステップS534へ制御を進め、そうでなければ(ステップS532にてNO)、ステップS530へ制御を戻す。
【0149】
ステップS534にて、サーバ装置5は、アバター同士の通話を終了させて、図14の処理を終了させる。
【0150】
以上説明された図14の処理では、チェックタイミングが到来するまでは、顧客131は、本人確認なしで、アバターを利用したテレビ電話による通話を開始できる。これにより、保険相談のための顧客131がテレビ通話を開始するための心理的障壁を下げることができる。そして、チェックタイミングが到来した場合すると、顧客131は、保険相談のために本人確認を必要とされる。
【0151】
一実現例では、チェックタイミングは、保険相談が開始されるときに到来する。より具体的には、募集人は、保険相談を開始する際に、「本人確認をお願いします。」等の所定の音声を発する。当該音声を認識することにより、サーバ装置5は、顧客端末3に、本人確認を要求する。
【0152】
他の実現例では、チェックタイミングは、保険相談において顧客131の本人確認を必要とするイベント(特定商品の説明、保険商品の重要事項説明、など)が実施される際に発生する。より具体的には、募集人は、イベントに対応する音声もしくは「本人確認をお願いします。」等の所定の音声を発するか、または、イベントに対応するボタンを操作する。これに応じて、サーバ装置5は、顧客端末3に、本人確認を要求する。チェックタイミングは、保険相談の開始時に発生し、さらに、保険相談の間に発生してもよい。
【0153】
保険相談システム1は、本人確認のための処理の少なくとも一部(本人確認の要求など)を実施する。これにより、本人確認のための募集人121の労力が軽減される。
【0154】
[主な構成]
(構成1)
一実現例では、保険相談システム1は、オンラインでの保険に関する相談を行なう保険相談システム1であって、顧客端末3と、ネットワークを介して顧客端末3と通信する募集人端末2と、顧客端末3と募集人端末2との間のテレビ電話による通話を制御するサーバ装置5と、を備え、サーバ装置5は、顧客端末3のユーザの本人確認(ステップS504)を実施し、本人確認された顧客131のアバター132を生成し、通話において顧客131のアバター132を募集人端末2に表示させる、ように構成されている。
【0155】
一実現例によれば、顧客131は、本人確認を条件として、アバター132を利用した通話が可能になる。これにより、テレビ電話による保険相談における従来の不都合(募集人121が、顧客131に一部の商品の説明が行えない、顧客131から商品の最終的な申込を受け付けられない、など)の発生が回避される。したがって、アバターを利用したオンライン保険相談において、保険相談システム1は、募集人121による各種法令の遵守のサポートとなり得る。
【0156】
(構成2)
サーバ装置5は、本人確認の結果を、募集人端末2に通知するように構成されていてもよい。
【0157】
これにより、募集人121は、顧客131の本人確認を必要とするイベントを保険相談において実施して良いか否かを容易に理解できる。
【0158】
(構成3)
他の実現例では、保険相談システム1は、オンラインでの保険に関する相談を行なう保険相談システム1であって、顧客端末3と、ネットワークを介して顧客端末3と通信する募集人端末2と、顧客端末3と募集人端末2との間のテレビ電話による通話を制御するサーバ装置5と、を備え、サーバ装置5は、顧客端末3の顧客131のアバター132を生成し、通話において顧客131のアバター132を募集人端末2に表示させ、通話において保険相談に関するチェックタイミングが発生した場合に、ユーザの本人確認を実施し、本人確認の結果を募集人端末2に通知する、ように構成されている。
【0159】
他の実現例によれば、顧客131がテレビ電話による保険相談を開始するハードルを下げつつ、テレビ電話による保険相談において本人確認が必要な内容については本人確認の後で実施され得る。したがって、アバターを利用したオンライン保険相談において、保険相談システム1は、募集人121による各種法令の遵守のサポートとなり得る。さらに、保険相談において本人確認を必要とするイベント(特定商品の説明、保険商品の重要事項説明、など)が実施される際に、保険相談システム1は、本人確認のための処理の少なくとも一部(本人確認の要求など)を実施し、これにより、本人確認のための募集人121の労力が軽減される。
【0160】
(構成4)
チェックタイミングは、通話中に行なわれる相談のうち、特定商品の説明、保険契約者の保険商品に対する意向確認、保険商品に関する重要事項説明、および保険契約者の家族の同意の確認のうちのいずれか1つが行われるタイミングであってもよい。
【0161】
これにより、保険相談システムは、保険相談における重要な内容については顧客131の本人確認の実施を条件として実施され得る。
【0162】
(構成5)
サーバ装置5は、募集人端末2における特定の音声の入力または特定の操作によって、チェックタイミングの発生を検出するように構成されていてもよい。
【0163】
これにより、保険相談システム1は、チェックタイミングの発生を確実に検出し、チェックタイミングにおける本人確認のための処理を確実に実施でき、これにより、募集人121を確実にサポートできる。
【0164】
(構成6)
本人確認は、本人確認書面の画像を取得することと、ユーザの画像を取得することと、ユーザの画像を、本人確認書面の画像に含まれる本人確認用の部分画像と照合することと、を含んでいてもよい。
【0165】
これにより、顧客131は、本人確認のために事前に保険相談システム1に本人確認用の情報を登録しておくことを必要とされない。募集人121が、事前に登録された本人確認用の情報を探す等の手間を必要とされる、という事態が回避され得る。
【0166】
(構成7)
サーバ装置5は、通話において、複数回、本人確認を実施してもよい。
【0167】
これにより、募集人121は、同じ顧客131が通話相手であるという状態が継続していることを判断するための情報を容易に取得できる。
【0168】
(構成8)
サーバ装置5は、顧客端末3に、募集人端末2との間で共有される文書を表示する文書表示領域(枠3413)、および、募集人端末2を操作する募集人121のアバター122を表示させるアバター表示領域(枠3412)を表示させてもよい。
【0169】
顧客端末において文書が募集人121のアバターとは別の領域に表示され、これにより、文書の視認性が向上する。
【0170】
(構成9)
サーバ装置5は、募集人端末2に、顧客端末3との間で共有される文書を表示する文書表示領域(枠2450)、および、顧客131のアバター132を表示させるアバター表示領域(枠2412)を表示させてもよい。
【0171】
募集人端末2において文書が顧客131のアバターとは別の領域に表示され、これにより、文書の視認性が向上する。
【0172】
(構成10)
サーバ装置5は、募集人端末2に、顧客端末3との間で共有される文書のうち顧客端末3の画面に表示される領域の位置を特定する表示位置情報を表す図形(オブジェクト2452)を、文書に重畳させて表示させ、表示位置情報は、顧客端末3における操作によって文書のうち顧客端末3の画面に表示される領域の位置が更新されたときの更新後の位置を特定する情報を含んでいてもよい。
【0173】
募集人121は、募集人端末2において、文書の中の顧客端末3で表示されている領域の位置を確実に認識できるようになる。これにより、保険相談システム1は、保険相談における募集人121の作業をより確実にサポートできる。
【0174】
(構成11)
さらに他の実現例では、保険相談用プログラムは、オンラインでの保険に関する相談に利用され、保険契約者によって操作される顧客端末3と募集人によって操作される募集人端末2との間のテレビ電話による通話を制御するコンピュータ(サーバ装置5)によって実行されるプログラムであって、プログラムは、コンピュータに、顧客端末3のユーザの本人確認を実施するステップS504と、本人確認された顧客131のアバター132を生成するステップS508と、通話において顧客131のアバター132を募集人端末2に表示させるステップS510と、を実施させる。
【0175】
さらに他の実現例によれば、顧客131は、本人確認を条件として、アバター132を利用した通話が可能になる。これにより、テレビ電話による保険相談における従来の不都合(募集人121が、顧客131に一部の商品の説明が行えない、顧客131から商品の最終的な申込を受け付けられない、など)の発生が回避される。したがって、アバターを利用したオンライン保険相談において、保険相談用プログラムは、募集人121による各種法令の遵守のサポートとなり得る。
【0176】
(構成12)
さらに他の実現例では、保険相談用プログラムは、オンラインでの保険に関する相談に利用され、保険契約者によって操作される顧客端末3と募集人によって操作される募集人端末2との間のテレビ電話による通話を制御するコンピュータ(サーバ装置5)によって実行されるプログラムであって、プログラムは、コンピュータに、顧客端末3の顧客131のアバター132を生成するステップS508と、通話において顧客131のアバター132を募集人端末2に表示させるステップS510と、通話において保険相談に関するチェックタイミングが発生した場合に、ユーザの本人確認を実施するステップS524と、本人確認の結果を募集人端末2に通知するステップS528(ステップS522)と、を実施させる。
【0177】
さらに他の実現例によれば、顧客131がテレビ電話による保険相談を開始するハードルを下げつつ、テレビ電話による保険相談において本人確認が必要な内容については本人確認の後で実施され得る。したがって、アバターを利用したオンライン保険相談において、保険相談用プログラムは、募集人121による各種法令の遵守のサポートとなり得る。さらに、保険相談において本人確認を必要とするイベント(特定商品の説明、保険商品の重要事項説明、など)が実施される際に、保険相談用プログラムを実行するコンピュータは、本人確認のための処理の少なくとも一部(本人確認の要求など)を実施し、これにより、本人確認のための募集人121の労力が軽減される。
【0178】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。なお、本実施の形態で例示された構成および変形例で例示された構成は、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0179】
1 保険相談システム、2 募集人端末、3 顧客端末、4 チェック用端末、5 サーバ装置、6 ネットワーク、121 募集人、122,132 アバター、131 顧客、2401,2402,2403 募集人用画面、3401,3402,3403 顧客用画面。
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