IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特開2024-100488色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法
<>
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図1
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図2
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図3
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図4
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図5
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図6
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図7
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図8
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図9
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図10
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図11
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図12
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図13
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図14
  • 特開-色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100488
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240719BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B41J29/38 204
G03G21/00 388
G03G21/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004519
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴 謙治
(72)【発明者】
【氏名】中野 統成
(72)【発明者】
【氏名】廣田 創
(72)【発明者】
【氏名】豊福 克也
(72)【発明者】
【氏名】堤 敬典
(72)【発明者】
【氏名】内貴 繁喜
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HK15
2C061HK19
2C061HV14
2C061HV26
2C061HV32
2H270KA04
2H270KA32
2H270KA59
2H270KA60
2H270LA58
2H270LA70
2H270LA76
2H270LA79
2H270LA87
2H270LA90
2H270MF16
2H270NA03
2H270NA05
2H270NC01
2H270NC09
2H270NC13
2H270NC16
2H270NC22
2H270NC25
2H270ND02
2H270ND15
2H270ND22
2H270ND33
2H270ND36
2H270QB03
2H270RA02
2H270RA10
2H270RC03
2H270RC05
2H270RC13
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】画像形成に消費される色材の充填タイミングの予測精度を向上させる。
【解決手段】画像形成装置は、第1色材を収容する第1色材収容部を備える。画像形成装置の制御部は、画像形成装置の位置と画像形成装置が配置された特定空間における少なくとも1人のユーザーの各々の行動範囲とを特定可能な特定空間情報に基づいて、少なくとも1人のユーザーのうち画像形成装置を使用するアクティブユーザーの第1集合を特定する(S120,S130)。制御部は、第1集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、画像形成装置が第1単位時間あたりに消費する第1色材の第1平均色材消費量を算出する(S110,S140)。制御部は、第1色材収容部内の第1色材の残量および第1平均色材消費量に基づいて、第1色材収容部内の第1色材を用いる印刷が可能な残存時間に関する情報を出力する(S150)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定空間に配置され、第1色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置であって、
前記第1色材を収容する第1色材収容部と、
前記画像形成装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記画像形成装置の位置と前記特定空間における少なくとも1人のユーザーの各々の行動範囲とを特定可能な特定空間情報に基づいて、前記少なくとも1人のユーザーのうち前記画像形成装置を使用するアクティブユーザーの第1集合を特定し、
前記第1集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、前記画像形成装置が第1単位時間あたりに消費する前記第1色材の第1平均色材消費量を算出し、
前記第1色材収容部内の前記第1色材の残量および前記第1平均色材消費量に基づいて、前記第1色材収容部内の前記第1色材を用いる印刷が可能な残存時間に関する情報を出力する、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1色材とは異なる第2色材を収容する第2色材収容部をさらに備え、
前記制御部は、
ユーザーの選択に応じて、前記第1色材および前記第2色材を消費する印刷、または前記第1色材を消費せず、前記第2色材を消費する印刷を選択的に実行し、
前記第1集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、前記画像形成装置が前記第1単位時間あたりに消費する前記第2色材の第2平均色材消費量を算出し、
前記第2色材収容部内の前記第2色材の残量および前記第2平均色材消費量に基づいて、前記第2色材収容部内の前記第2色材を用いる印刷が可能な残存時間に関する情報を出力する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザーの識別情報を取得する識別情報取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記識別情報を用いるユーザー認証に成功した場合に、前記ユーザーを前記第1集合に追加する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記識別情報取得部は、
前記ユーザーのIDカードから前記識別情報を取得するカードリーダー、
前記ユーザーの顔画像を前記識別情報として取得するカメラ、
前記ユーザーの音声を前記識別情報として取得するマイク、および
前記ユーザーの生体情報を前記識別情報として取得する生体情報センサーのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、現在時刻から遡って基準時間の間、前記画像形成装置を使用していないユーザーを前記第1集合から除外する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置を使用したユーザーの印刷履歴情報が保存される記憶部と、
ネットワークに接続される通信部とをさらに備え、
前記制御部は、
前記特定空間情報を前記ネットワークに接続されたサーバーから取得し、
前記第1集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報を、前記記憶部、前記サーバー、および前記ネットワークに接続された他の画像形成装置の少なくとも1つから取得する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1集合に含まれる複数のユーザーの各々について、当該ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、当該ユーザーが前記媒体の1単位あたりに消費する前記第1色材の平均値である平均カバレッジと前記第1単位時間あたりに印刷する前記媒体の平均単位数との積を当該ユーザーのユーザー色材消費量として算出し、
前記複数のユーザーのユーザー色材消費量の合計を前記第1平均色材消費量として算出する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
特定ユーザーが前記第1集合に追加され、かつ前記特定ユーザーの印刷履歴情報が取得することができない場合、前記制御部は、前記画像形成装置の印刷履歴情報を取得することが可能な全ユーザーのユーザー色材消費量の平均値を前記特定ユーザーのユーザー色材消費量として使用する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記他の画像形成装置のアクティブユーザーの第2集合に含まれていた特定ユーザーが前記第1集合に追加され、かつ前記特定ユーザーの印刷履歴情報が取得することができない場合、前記制御部は、前記他の画像形成装置の印刷履歴情報を取得することが可能な全ユーザーのユーザー色材消費量の平均値を前記特定ユーザーのユーザー色材消費量として使用する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置が第2単位時間あたりに印刷可能な前記媒体の数は、第1媒体数であり、
前記他の画像形成装置が前記第2単位時間あたりに印刷可能な前記媒体の数は、第2媒体数であり、
前記他の画像形成装置のアクティブユーザーの第2集合に含まれていた特定ユーザーが前記第1集合に追加され、かつ前記特定ユーザーの印刷履歴情報が取得可能である場合、前記制御部は、前記第1媒体数と前記第2媒体数との間の大小関係に対応するように、前記特定ユーザーの印刷履歴情報の情報から導かれる前記平均単位数を調整する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置が印刷可能な前記媒体の最大サイズは、第1サイズであり、
前記他の画像形成装置が印刷可能な前記媒体の最大サイズは、第2サイズであり、
前記他の画像形成装置のアクティブユーザーの第2集合に含まれていた特定ユーザーが前記第1集合に追加され、かつ前記特定ユーザーの印刷履歴情報が取得可能である場合、前記制御部は、前記第1サイズと前記第2サイズとの間の大小関係に対応するように、前記特定ユーザーの印刷履歴情報の情報から導かれる前記平均カバレッジを調整する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記サーバーは、前記ネットワークに接続された複数の画像形成装置を使用する複数のユーザーに関する第1組織情報および前記複数の画像形成装置に関する第2組織情報を管理し、
前記特定空間情報は、前記第1組織情報および前記第2組織情報を含む、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記画像形成装置の位置が含まれる基準範囲に前記行動範囲の少なくとも一部が含まれるユーザーをアクティブユーザー集合に追加する、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1組織情報は、前記複数のユーザーがそれぞれ使用する複数の端末装置の識別子を含み、
前記第2組織情報は、前記複数の端末装置の識別子および前記複数の端末装置のIP(Internet Protocol)アドレスを含み、
前記制御部は、前記第1集合に含まれる少なくとも1人のアクティブユーザーの各々が使用する端末装置のIPアドレスにエコー要求メッセージを送信し、当該端末装置からエコー応答メッセージが受信できない場合、当該アクティブユーザーを前記第1集合から除外する、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記特定空間情報は、前記ネットワークに接続された少なくとも1つのネットワークカメラによって取得された画像を含み、
前記制御部は、
前記特定空間情報に基づいて、前記少なくとも1つのネットワークカメラのうち、前記画像形成装置の周辺を撮影する特定ネットワークカメラを特定し、
前記画像形成装置の周辺画像を前記特定ネットワークカメラから取得し、
前記第1組織情報に含まれるユーザーのうち前記周辺画像に映るユーザーを前記第1集合に追加する、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項16】
請求項1に記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置から前記残存時間に関する情報を受信するサーバーとを備え、
前記サーバーは、前記残存時間に関する情報から導かれる前記第1色材の充填タイミングに前記第1色材の代替品が前記画像形成装置の設定場所へ届くように、前記代替品の配送要求を出力する、システム。
【請求項17】
特定空間に配置され画像形成装置によって消費される色材を管理するプログラムであって、
前記画像形成装置は、前記色材を収容する色材収容部を備え、
前記プログラムは、少なくとも1つのプロセッサに実行されることによって、
前記画像形成装置の位置と前記特定空間における少なくとも1人のユーザーの各々の行動範囲とを特定可能な特定空間情報に基づいて、前記少なくとも1人のユーザーのうち前記画像形成装置を使用するアクティブユーザーの集合を特定し、
前記集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、前記画像形成装置が単位時間あたりに消費する前記色材の平均色材消費量を算出し、
前記色材収容部内の前記色材の残量および前記平均色材消費量に基づいて前記色材収容部内の前記色材を用いる印刷が可能な残存時間に関する情報を出力する、プログラム。
【請求項18】
特定空間に配置され画像形成装置によって消費される色材を管理する方法であって、
前記画像形成装置は、前記色材を収容する色材収容部を備え、
前記方法は、
前記画像形成装置の位置と前記特定空間における少なくとも1人のユーザーの各々の行動範囲とを特定可能な特定空間情報に基づいて、前記少なくとも1人のユーザーのうち前記画像形成装置を使用するアクティブユーザーの集合を特定するステップとし、
前記集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、前記画像形成装置が単位時間あたりに消費する前記色材の平均色材消費量を算出するステップと、
前記色材収容部内の前記色材の残量および前記平均色材消費量に基づいて前記色材収容部内の前記色材を用いる印刷が可能な残存時間に関する情報を出力するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置、ならびに画像形成装置によって消費される色材を管理するシステム、プログラム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、色材を消費して画像を媒体に印刷する画像形成装置が知られている。たとえば、特開2019-139019号公報(特許文献1)には、印刷ジョブの情報(実績情報)に基づき、1日あたりのトナーの平均消費量を求める画像形成装置が開示されている。当該画像形成装置は、トナー残量を平均消費量で除して印刷可能な日数を求める。実績情報は、印刷ジョブの実行者、実行日時、印刷枚数、および印刷に用いられた画像データの平均画素値を含む。当該画像形成装置によれば、トナー容器の発注タイミングをわかりやすくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-139019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された画像形成装置において、トナー残量から印刷可能な日数を求めるために使用される基準消費量は、画像形成装置を日常的に使用するユーザー(アクティブユーザー)に応じて変化し得る。トナー残量および基準消費量からトナーの充填タイミングを予測する構成においてアクティブユーザーの変化を考慮しない場合、予想された充填タイミングと実際の充填タイミングとの間に大きな誤差が生じ得る。その結果、トナー不足、あるいは不要なトナーの発注が生じ得る。しかし、特許文献1においては、画像形成装置のアクティブユーザーの変化が考慮されていない。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、画像形成に消費される色材の充填タイミングの予測精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(第1項)本開示に係る画像形成装置は、特定空間に配置され、第1色材を消費して画像を媒体に印刷する。画像形成装置は、第1色材収容部と、制御部とを備える。第1色材収容部は、第1色材を収容する。制御部は、画像形成装置を制御する。制御部は、画像形成装置の位置と特定空間における少なくとも1人のユーザーの各々の行動範囲とを特定可能な特定空間情報に基づいて、少なくとも1人のユーザーのうち画像形成装置を使用するアクティブユーザーの第1集合を特定する。制御部は、第1集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、画像形成装置が第1単位時間あたりに消費する第1色材の第1平均色材消費量を算出する。制御部は、第1色材収容部内の第1色材の残量および第1平均色材消費量に基づいて、第1色材収容部内の第1色材を用いる印刷が可能な残存時間に関する情報を出力する。
【0007】
(第2項)第1項に記載の画像形成装置は、第1色材とは異なる第2色材を収容する第2色材収容部をさらに備えてもよい。制御部は、ユーザーの選択に応じて、第1色材および第2色材を消費する印刷、または第1色材を消費せず、第2色材を消費する印刷を選択的に実行してもよい。制御部は、第1集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、画像形成装置が第1単位時間あたりに消費する第2色材の第2平均色材消費量を算出してもよい。制御部は、第2色材収容部内の第2色材の残量および第2平均色材消費量に基づいて、第2色材収容部内の第2色材を用いる印刷が可能な残存時間に関する情報を出力してもよい。
【0008】
(第3項)第1項または第2項に記載の画像形成装置は、ユーザーの識別情報を取得する識別情報取得部をさらに備えてもよい。制御部は、識別情報を用いるユーザー認証に成功した場合に、ユーザーを第1集合に追加してもよい。
【0009】
(第4項)第1項~第3項のいずれか1項に記載の画像形成装置において、識別情報取得部は、カードリーダー、カメラ、マイク、および生体情報センサーのうちの少なくとも1つを含んでもよい。カードリーダーは、ユーザーのIDカードから識別情報を取得する。カメラは、ユーザーの顔画像を識別情報として取得する。マイクは、ユーザーの音声を識別情報として取得する。生体情報センサーは、ユーザーの生体情報を識別情報として取得する。
【0010】
(第5項)第1項~第4項のいずれか1項に記載の画像形成装置において、制御部は、現在時刻から遡って基準時間の間、画像形成装置を使用していないユーザーを第1集合から除外してもよい。
【0011】
(第6項)第1項~第5項のいずれか1項に記載の画像形成装置は、記憶部と、通信部とをさらに備えてもよい。記憶部には、画像形成装置を使用したユーザーの印刷履歴情報が保存される。通信部は、ネットワークに接続される。制御部は、特定空間情報をネットワークに接続されたサーバーから取得してもよい。制御部は、第1集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報を、記憶部、サーバー、およびネットワークに接続された他の画像形成装置の少なくとも1つから取得してもよい。
【0012】
(第7項)第6項に記載の画像形成装置において、制御部は、第1集合に含まれる複数のユーザーの各々について、当該ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、当該ユーザーが媒体の1単位あたりに消費する第1色材の平均値である平均カバレッジと第1単位時間あたりに印刷する媒体の平均単位数との積を当該ユーザーのユーザー色材消費量として算出してもよい。制御部は、複数のユーザーのユーザー色材消費量の合計を第1平均色材消費量として算出してもよい。
【0013】
(第8項)第7項に記載の画像形成装置において、特定ユーザーが第1集合に追加され、かつ特定ユーザーの印刷履歴情報が取得することができない場合、制御部は、画像形成装置の印刷履歴情報を取得することが可能な全ユーザーのユーザー色材消費量の平均値を特定ユーザーのユーザー色材消費量として使用してもよい。
【0014】
(第9項)第7項に記載の画像形成装置において、他の画像形成装置のアクティブユーザーの第2集合に含まれていた特定ユーザーが第1集合に追加され、かつ特定ユーザーの印刷履歴情報が取得することができない場合、制御部は、他の画像形成装置の印刷履歴情報を取得することが可能な全ユーザーのユーザー色材消費量の平均値を特定ユーザーのユーザー色材消費量として使用してもよい。
【0015】
(第10項)第7項に記載の画像形成装置の画像形成装置が第2単位時間あたりに印刷可能な媒体の数は、第1媒体数であってもよい。他の画像形成装置が第2単位時間あたりに印刷可能な媒体の数は、第2媒体数であってもよい。他の画像形成装置のアクティブユーザーの第2集合に含まれていた特定ユーザーが第1集合に追加され、かつ特定ユーザーの印刷履歴情報が取得可能である場合、制御部は、第1媒体数と第2媒体数との間の大小関係に対応するように、特定ユーザーの印刷履歴情報の情報から導かれる平均単位数を調整してもよい。
【0016】
(第11項)第7項に記載の画像形成装置が印刷可能な媒体の最大サイズは、第1サイズであってもよい。他の画像形成装置が印刷可能な媒体の最大サイズは、第1サイズとは異なる第2サイズであってもよい。他の画像形成装置のアクティブユーザーの第2集合に含まれていた特定ユーザーが第1集合に追加され、かつ特定ユーザーの印刷履歴情報が取得可能である場合、制御部は、第1サイズと第2サイズとの間の大小関係に対応するように、特定ユーザーの印刷履歴情報の情報から導かれる平均カバレッジを調整してもよい。
【0017】
(第12項)第6項~第11項のいずれ1項に記載の画像形成装置において、サーバーは、ネットワークに接続された複数の画像形成装置を使用する複数のユーザーに関する第1組織情報および複数の画像形成装置に関する第2組織情報を管理してもよい。特定空間情報は、第1組織情報および第2組織情報を含んでもよい。
【0018】
(第13項)第12項に記載の画像形成装置において、制御部は、画像形成装置の位置が含まれる基準範囲に行動範囲の少なくとも一部が含まれるユーザーをアクティブユーザー集合に追加してもよい。
【0019】
(第14項)第12項または第13項に記載の画像形成装置において、第1組織情報は、複数のユーザーがそれぞれ使用する複数の端末装置の識別子を含んでもよい。第2組織情報は、複数の端末装置の識別子および複数の端末装置のIP(Internet Protocol)アドレスを含んでもよい。制御部は、第1集合に含まれる少なくとも1人のアクティブユーザーの各々が使用する端末装置のIPアドレスにエコー要求メッセージを送信し、当該端末装置からエコー応答メッセージが受信できない場合、当該アクティブユーザーを第1集合から除外してもよい。
【0020】
(第15項)第12項~第14項のいずれ1項に記載の画像形成装置において、特定空間情報は、ネットワークに接続された少なくとも1つのネットワークカメラによって取得された画像を含んでもよい。制御部は、特定空間情報に基づいて、少なくとも1つのネットワークカメラのうち、画像形成装置の周辺を撮影する特定ネットワークカメラを特定してもよい。制御部は、画像形成装置の周辺画像を特定ネットワークカメラから取得してもよい。制御部は、第1組織情報に含まれるユーザーのうち周辺画像に映るユーザーを第1集合に追加してもよい。
【0021】
(第16項)本開示に係るシステムは、第1項~第15項のいずれか1項に記載の画像形成装置と、画像形成装置から残存時間に関する情報を受信するサーバーとを備える。サーバーは、残存時間に関する情報から導かれる第1色材の充填タイミングに第1色材の代替品が画像形成装置の設定場所へ届くように、代替品の配送要求を出力する。
【0022】
(第17項)本開示に係るプログラムは、特定空間に配置され画像形成装置によって消費される色材を管理する。画像形成装置は、色材を収容する色材収容部を備える。プログラムは、少なくとも1つのプロセッサに実行されることによって、画像形成装置の位置と特定空間における少なくとも1人のユーザーの各々の行動範囲とを特定可能な特定空間情報に基づいて、少なくとも1人のユーザーのうち画像形成装置を使用するアクティブユーザーの集合を特定し、集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、画像形成装置が単位時間あたりに消費する色材の平均色材消費量を算出し、色材収容部内の色材の残量および平均色材消費量に基づいて色材収容部内の色材を用いる印刷が可能な残存時間に関する情報を出力する。
【0023】
(第18項)本開示に係る方法は、特定空間に配置され画像形成装置によって消費される色材を管理する。画像形成装置は、色材を収容する色材収容部を備える。方法は、画像形成装置の位置と特定空間における少なくとも1人のユーザーの各々の行動範囲とを特定可能な特定空間情報に基づいて、少なくとも1人のユーザーのうち画像形成装置を使用するアクティブユーザーの集合を特定するステップとし、集合に含まれる各ユーザーの印刷履歴情報に基づいて、画像形成装置が単位時間あたりに消費する色材の平均色材消費量を算出するステップと、色材収容部内の色材の残量および平均色材消費量に基づいて色材収容部内の色材を用いる印刷が可能な残存時間に関する情報を出力するステップとを含む。
【発明の効果】
【0024】
本開示に係る画像形成装置、システム、プログラム、および方法によれば、画像形成装置を使用するアクティブユーザーの集合を特定することにより、画像形成に消費される色材の充填タイミングの予測精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施の形態に係る画像形成装置によって消費される色材の自動配送システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図1の画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンターの内部構成の一例を示す模式図である。
図3図2のプロセスユニットのx軸方向に沿う断面線における断面図である。
図4図1の認証情報取得部の構成およびMFPコントローラーのハードウェア構成の各々の一例を示すブロック図である。
図5】画像形成装置におけるトナー残量(縦軸)とトナーボトル17の前回の交換タイミングからの経過時間(横軸)との関係を示すグラフである。
図6図1の印刷管理サーバーのハードウェア構成を示すブロック図である。
図7図2のMFPコントローラーによって行われる、トナーボトルの印刷可能時間を予測する処理の流れの一例を示す図である。
図8図7の各マシンユーザーの1日あたりの平均トナー消費量の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図7の画像形成装置のアクティブユーザー集合の更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10図7の画像形成装置のアクティブユーザー集合の更新処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
図11図7の画像形成装置のアクティブユーザー集合の更新処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
図12図7の画像形成装置のアクティブユーザー集合の更新処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
図13図7の画像形成装置の1日あたりの平均トナー消費量の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14図13の新アクティブユーザーの1日あたりの平均トナー消費量の調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15図13の新アクティブユーザーの1日あたりの平均トナー消費量の調整処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。
【0027】
図1は、実施の形態に係る画像形成装置110によって消費される色材の自動配送システム1000の構成の一例を示すブロック図である。当該色材には、たとえば、染料インク、顔料インク、およびトナーが含まれる。以下では、自動配送システム1000において自動的に配送される色材がトナーである場合について説明する。
【0028】
図1に示されるように、自動配送システム1000は、印刷管理サーバー100と、複数の画像形成装置110と、複数のネットワークカメラNcと、組織管理サーバー120と、トナーボトル配送センター190とを備える。これらは、ネットワークNWを介して、互いに接続されている。ネットワークNWは、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、あるいはクラウドシステムを含む。なお、印刷管理サーバー100および組織管理サーバー120は、一体のサーバーとして構成されていてもよい。
【0029】
複数の画像形成装置110は、複数のユーザーUsによって使用される。複数の画像形成装置110の各々は、当該画像形成装置の状態に関する情報を印刷管理サーバー100に送信する。たとえば、複数の画像形成装置110の各々は、画像形成装置110のトナーボトル17の印刷可能時間を予測して印刷管理サーバー100に送信する。画像形成装置110は、当該印刷可能時間に関する情報としてトナーボトルの交換タイミング(充填タイミング)を印刷管理サーバー100に送信してもよい。
【0030】
図1においては、複数の画像形成装置110のうち画像形成装置110A,110B,110C,110Dが示され、複数のユーザーUsのうちユーザーUs1,Us2,Us3,Us4が示されている。ユーザーUs1~Us4は、識別情報が記録されたICカードCd1,Cd2,Cd3,Cd4をそれぞれ携帯している。複数のネットワークカメラNcのうちネットワークカメラNc1,Nc2,Nc3,Nc4が示されている。
【0031】
画像形成装置110Aは、オフィスOf1(特定空間)に配置されている。ユーザーUs1は、オフィスOf1において端末装置Tm1を用いて日常の業務を行い、画像形成装置110Aを必要に応じて使用する。端末装置Tm1は、たとえば、PC(Personal Computer)、タブレット、あるいはスマートフォンを含む。ネットワークカメラNc1は、画像形成装置110Aを使用するユーザーの画像を撮影し、当該画像を画像形成装置110Aおよび印刷管理サーバー100に出力する。なお、画像形成装置110Aを使用するユーザーは、ユーザーUs1以外にいてもよい。また、オフィスOf1に配置されている画像形成装置110、ネットワークカメラNc、および端末装置Tmは、複数であってもよく、有線接続あるいは無線接続によってネットワークNWに接続されている。
【0032】
画像形成装置110Bは、オフィスOf2(特定空間)に配置されている。ユーザーUs2は、オフィスOf2において端末装置Tm2を用いて日常の業務を行い、画像形成装置110Bを必要に応じて使用する。端末装置Tm2は、たとえば、PC(Personal Computer)、タブレット、あるいはスマートフォンを含む。ネットワークカメラNc2は、画像形成装置110Bを使用するユーザー画像を撮影し、当該画像を画像形成装置110Bおよび印刷管理サーバー100に出力する。なお、画像形成装置110Bを使用するユーザーは、ユーザーUs2以外にいてもよい。また、オフィスOf2に配置されている画像形成装置110、ネットワークカメラNc、および端末装置Tmは、複数であってもよく、有線接続あるいは無線接続によってネットワークNWに接続されている。
【0033】
画像形成装置110Cは、オフィスOf3(特定空間)に配置されている。ユーザーUs3は、オフィスOf3において端末装置Tm3を用いて日常の業務を行い、画像形成装置110Cを必要に応じて使用する。端末装置Tm3は、たとえば、PC(Personal Computer)、タブレット、あるいはスマートフォンを含む。ネットワークカメラNc3は、画像形成装置110Cを使用するユーザーの画像を撮影し、当該画像を画像形成装置110Cおよび印刷管理サーバー100に出力する。なお、画像形成装置110Cを使用するユーザーは、ユーザーUs3以外にいてもよい。また、オフィスOf3に配置されている画像形成装置110、ネットワークカメラNc、および端末装置Tmは、複数であってもよく、有線接続あるいは無線接続によってネットワークNWに接続されている。
【0034】
画像形成装置110Dは、オフィスOf4(特定空間)に配置されている。ユーザーUs4は、オフィスOf4において端末装置Tm4を用いて日常の業務を行い、画像形成装置110Dを使用する。端末装置Tm4は、たとえば、PC(Personal Computer)、タブレット、あるいはスマートフォンを含む。ネットワークカメラNc4は、画像形成装置110Dを使用するユーザーの画像を撮影し、当該画像を画像形成装置110Dおよび印刷管理サーバー100に出力する。なお、画像形成装置110Dを使用するユーザーは、ユーザーUs4以外にいてもよい。また、オフィスOf4に配置されている画像形成装置110、ネットワークカメラNc、および端末装置Tmは、複数であってもよく、有線接続あるいは無線接続によってネットワークNWに接続されている。
【0035】
組織管理サーバー120は、複数のユーザーUsに関する人事情報Hr(第1組織情報)、および複数の画像形成装置110に関する情報を含む事務機器情報Eq(第2組織情報)を管理する。人事情報Hrには、たとえば、複数のユーザーUsの各々の識別情報、当該ユーザーの顔画像、当該ユーザーUsが所属する業務グループ、当該ユーザーUsの座席位置、および当該ユーザーUsが使用する端末装置Tmの識別子が含まれる。事務機器情報Eqには、たとえば、複数の画像形成装置110の各々の識別子、型番、仕様、IP(Internet Protocol)アドレス、および設置場所、ならびに複数のユーザーUsによってそれぞれ使用される複数の端末装置Tmの各々の識別子、型番、仕様、IPアドレス、および設置場所が含まれる。
【0036】
印刷管理サーバー100は、複数の画像形成装置110の状態をリアルタイムに監視する。当該状態には、複数の画像形成装置110の各々のトナーの残量が含まれる。印刷管理サーバー100は、複数の画像形成装置110の各々から受けたトナーボトルの印刷可能時間に基づいて当該トナーボトルの交換タイミングを予測して、対応する画像形成装置の設置場所に当該交換タイミングにトナーボトルが配送されるように、トナーボトル配送センター190にトナー配送要求を送信する。トナーボトル配送センター190は、印刷管理サーバー100からのトナー配送要求に応じて、当該設置場所にトナーボトルを配送する。
【0037】
図2は、図1の画像形成装置110の一例であるタンデム型カラープリンターの内部構成の一例を示す模式図である。図2において、x軸、y軸、およびz軸は、互いに直交している。図3においても同様である。
【0038】
図2に示されるように、画像形成装置110は、ネットワークNWを介して外部の端末装置等から入力される画像データに基づいて、周知の電子写真方式により、フルカラー画像あるいはモノクロ画像を、記録用紙(紙)あるいはOHP(Overhead Projector)シート等の記録シートS(媒体)に形成する。
【0039】
画像形成装置110は、画像形成メインユニット1と、給紙部2とを備える。給紙部2は、画像形成メインユニット1の画像形成メインユニット1の下側(z軸のマイナス方向)に配置されている。給紙部2は、記録シートSを収容する給紙カセット22を含む。給紙カセット22内の記録シートSが画像形成メインユニット1に供給される。画像形成メインユニット1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色のトナーによって形成されたトナー画像を、給紙部2から供給される記録シートS上に転写して定着させる。なお、以下では、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックを、それぞれ、単に、Y、M、C、およびKとも記載する。
【0040】
画像形成装置110のz軸方向のほぼ中央に、x軸方向に沿って中間転写ベルト25が配置されている。中間転写ベルト25は、一対のベルト周回ローラー23および24に巻き掛けられ、不図示のモータによって周回移動するように構成されている。
【0041】
中間転写ベルト25の下側に、プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kが、画像形成メインユニット1から着脱可能に設けられている。プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kは、x軸のプラス方向(矢印A1の方向)に移動する中間転写ベルト25の部分に沿ってこの順番に配置されている。プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーにそれぞれ対応し、対応する色のトナー画像をそれぞれ形成する複数のプロセス手段を含む。
【0042】
プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kの各々は、画像形成メインユニット1に対して、正面側(y軸方向のマイナス方向)に引き出されることにより、画像形成メインユニット1から取り外されるように構成されている。また、プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kの各々は、画像形成メインユニット1に対して内奥側(y軸方向のプラス方向)に向って挿入されることにより、画像形成メインユニット1に装着される。
【0043】
プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kの上側(z軸のプラス方向)には、中間転写ベルト25を挟んで、トナーボトル17Y,17M,17C,17K(色材収容部)が配置されている。トナーボトル17Y,17M,17C,17Kには、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックのトナーがそれぞれ収容されている。中間転写ベルト25とトナーボトル17Y,17M,17C,17Kとの間には、トナー補給機構(サブホッパ)19Y,19M,19C,19Kがそれぞれ配置されている。トナーボトル17Y,17M,17C,17Kに収容されているトナーは、トナー補給機構19Y,19M,19C,19Kによって、プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kにそれぞれ供給される。なお、プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kは、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kからそれぞれ供給されるトナーの色が互いに異なること以外、互いにほぼ同様の構成を有する。
【0044】
プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kをそれぞれ有する。感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kは、中間転写ベルト25の下側において中間転写ベルト25に対向して回転可能に配置されている。感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの各々の表面には、全周にわたって感光層が設けられている。感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの各々は、y軸方向に沿う回転軸を中心に、z軸方向のプラス方向から平面視したときに時計回り方向(矢印A2によって示される回転方向)に回転するように構成されている。
【0045】
感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの回転方向A2において中間転写ベルト25から離れる側(中間転写ベルト25の下流側)に、クリーニングブレード16Y,16M,16C,16Kが配置されている。クリーニングブレード16Y,16M,16C,16Kよりさらに当該回転方向の下流側に、帯電器12Y,12M,12C,12Kがそれぞれ配置されている。クリーニングブレード16Y,16M,16C,16Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの表面に残留するトナーを掻き落すように構成されている。帯電器12Y,12M,12C,12Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの感光層を所定の帯電電位に一様に帯電させるように構成されている。
【0046】
プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kの下側に、露光器28が配置されている。感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kには、露光器28からレーザー光LY,LM,LC,LKがそれぞれ照射される。
【0047】
露光器28は、Y,M,C,Kにそれぞれ対応する4つのレーザーダイオードを含む。当該4つのレーザーダイオードは、レーザー光LY,LM,LC,LKをそれぞれ出射する。レーザー光LY,LM,LC,LKは、ポリゴンミラーおよび走査レンズ等を介して、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの感光層にそれぞれ照射される。その結果、帯電器12Y,12M,12C,12Kによってそれぞれ一様に帯電された感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの感光層に静電潜像が形成される。
【0048】
プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kは、現像器14Y,14M,14C,14Kを含む。現像器14Y,14M,14C,14Kは、レーザー光LY,LM,LC,LKがそれぞれ照射された感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの露光位置(照射位置)よりも回転方向A2の下流側に配置されている。現像器14Y,14M,14C,14Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの感光層にそれぞれ形成された静電潜像を、Y,M,C,Kのトナーと磁性を有するキャリアとを有する2成分現像剤を用いてトナー現像する。このように、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K、帯電器12Y,12M,12C,12K、および現像器14Y,14M,14C,14Kは、トナー画像を形成のためのプロセス手段をそれぞれ構成している。
【0049】
プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kの上側には、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kのそれぞれに対向する1次転写ローラー27Y,27M,27C,27Kが配置されている。1次転写ローラー27Y,27M,27C,27Kは、画像形成メインユニット1に取り付けられている。1次転写ローラー27Y,27M,27C,27Kに転写バイアス電圧が印加されることによって、1次転写ローラー27Y,27M,27C,27Kにそれぞれ対向する感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kとの間に電界が形成される。
【0050】
感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上にそれぞれ形成されたトナー画像は、1次転写ローラー27Y,27M,27C,27Kと、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kとの間にそれぞれ形成される電界の作用によって、中間転写ベルト25上に1次転写される。
【0051】
なお、フルカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上にそれぞれ形成されたトナー画像が中間転写ベルト25上の同じ領域に多重転写されるように、プロセスユニット10Y,10M,10C,10Kのそれぞれの画像形成の動作タイミングがずらされる。これに対して、モノクロ画像を形成する場合には、選択された1つのプロセスユニット(たとえばKトナー用のプロセスユニット10K)のみによって、当該プロセスユニットの感光体ドラム上にトナー画像が形成される。その後、当該トナー画像は、当該プロセスユニットに対向して配置された1次転写ローラーによって、中間転写ベルト25における所定の領域上に転写される。また、トナー画像が転写された感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kは、クリーニングブレード16Y,16M,16C,16Kによって、表面上に残留するトナーが掻き落とされる。
【0052】
中間転写ベルト25は、周回移動によって、転写されたトナー画像を、一方のベルト周回ローラー23が巻き掛けられた端部(図1において右側(x軸のプラス方向)の端部)へ搬送する。ベルト周回ローラー23と中間転写ベルト25を介してx軸方向に対向するように、2次転写ローラー26が配置されている。
【0053】
2次転写ローラー26は、中間転写ベルト25に圧接されている。2次転写ローラー26と中間転写ベルト25との間に転写ニップが形成されている。2次転写ローラー26には転写バイアス電圧が印加される。その結果、2次転写ローラー26と中間転写ベルト25との間に電界が形成される。転写ニップには、給紙部2の給紙カセット22からシート搬送経路21に繰り出された記録シートSが搬送される。中間転写ベルト25上に転写されたトナー画像は、2次転写ローラー26と中間転写ベルト25との間に形成される電界の作用により、シート搬送経路21において搬送される記録シートSに2次転写される。転写ニップを通過した記録シートSは、2次転写ローラー26の上側に配置された定着部3に搬送される。
【0054】
定着部3は、x軸方向において互いに圧接された加熱ローラー31および加圧ローラー32を含む。加熱ローラー31および加圧ローラー32の間に定着ニップが形成されている。加熱ローラー31の軸心部にはヒーターランプ33が配置されている。ヒーターランプ33によって加熱ローラー31が加熱されるように構成されている。定着部3においては、記録シートS上の未定着のトナー画像が、定着ニップを通過する間に、加熱ローラー31による加熱および加圧ローラー32による加圧によって記録シートS上に定着される。トナー画像が定着された記録シートSは、排紙ローラー34によって、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの上側に配置された排紙トレイ35上に排出される。
【0055】
画像形成メインユニット1には、MFP(Multi-Function Printer)コントローラー4と、操作パネル5と、認証情報取得部6とが配置されている。操作パネル5には、画像形成装置110を操作するためのタッチパネルおよびボタンが配置されている。ユーザーは、操作パネル5を介して所望の操作(たとえば印刷ジョブ)を入力する。操作パネル5は、各種メッセージを表示する。
【0056】
認証情報取得部6は、ユーザーの認証情報を取得する。当該認証情報は、たとえば、パスワード、ICカードCdの情報、顔画像、音声、あるいは生体情報(たとえば、指紋パターン、静脈パターン、あるいは虹彩パターン)を含む。
【0057】
MFPコントローラー4(制御部)は、認証情報取得部6に入力されたユーザーの認証情報を用いるがユーザーの認証に成功した場合に、操作パネル5に入力された操作指令に基づいて、画像形成装置110を統合的に制御する。たとえば、MFPコントローラー4は、操作パネル5におけるユーザーの選択に応じて、フルカラー印刷またはモノクロ印刷を選択的に実行する。また、MFPコントローラー4は、ネットワークNWを介して入力される画像データ等を処理する。
【0058】
図3は、図2のプロセスユニット10Yのx軸方向に沿う断面線における断面図である。なお、図3において、プロセスユニット10Yに隣接して配置されているプロセスユニット10Mの一部の断面も併せて示されている。
【0059】
図3に示されるように、プロセスユニット10Yは、プロセス手段である感光体ドラム11Yと、ドラムセット18Yとを含む。ドラムセット18Yは、クリーニングブレード16Yおよび帯電器12Yが一体とされた構成を有する。ドラムセット18Yは、プロセス手段である現像器14Yとは分離された状態で配置されている。感光体ドラム11Yの下側の表面は、ドラムセット18Yと現像器14Yとの間に露出している。露光器28から出射されたレーザー光LYは、当該表面に照射される。
【0060】
現像器14Yは、現像ハウジング140Yを有する。現像ハウジング140Yは、感光体ドラム11上の静電潜像を現像する2成分現像剤(キャリアおよびトナー)を収容する。現像ハウジング140Yの内部には、感光体ドラム11Yに対向する現像ローラー141Yが配置されている。
【0061】
現像ローラー141Yは、感光体ドラム11Yにおけるレーザー光LYの照射位置に対して回転方向A2の下流側に、感光体ドラム11Yとは平行に配置されている。現像ローラー141Yは、磁石ローラー142Yと、現像スリーブ143Yとを有する。
【0062】
磁石ローラー142Yにおいては、複数の磁極が周方向に沿って配置されている。現像スリーブ143Yにおいては、磁気ローラー142の外周側に嵌合されている。磁石ローラー142Yは固定状態になっており、現像スリーブ143Yは磁石ローラー142Yの周囲を所定方向に回転する。現像スリーブ143Yには、所定の現像バイアス電圧が印加される。
【0063】
現像ハウジング140Yの内部には、供給スクリュー144Yおよび撹拌スクリュー145Yが配置されている。供給スクリュー144Yは、現像ローラー141Yの下側において現像ローラー141Yに沿って配置されている。撹拌スクリュー145Yは、供給スクリュー144Yの下側であって感光体ドラム11Yから離れた位置において供給スクリュー144Yに沿って配置されている。
【0064】
現像ハウジング140Yの内部の2成分現像剤は、撹拌スクリュー145Yによって軸方向に沿って搬送されている間に撹拌される。その結果、トナーが帯電状態になる。帯電状態になったトナーを含む2成分現像剤は、供給スクリュー144Yへ供給される。供給スクリュー144Yに供給された2成分現像剤は、供給スクリュー144Yによって軸方向に沿って搬送されている間に、現像ローラー141Yに供給される。
【0065】
現像ローラー141Yでは、現像スリーブ143Yが回転していることにより、その周面上を現像剤が搬送される。現像スリーブ143Yには、所定の現像バイアス電圧が印加されていることによって、周面上を搬送される現像剤のトナーが、感光体ドラム11上の静電潜像に付着する。その結果、静電潜像がトナー現像される。
【0066】
図4は、図1の認証情報取得部6の構成およびMFPコントローラー4のハードウェア構成の各々の一例を示すブロック図である。図4に示されるように、認証情報取得部6は、タッチパネル60と、カードリーダー61と、カメラ62と、マイク63と、生体情報センサー64とを含む。ユーザーは、タッチパネル60にパスワードを入力する。カードリーダー61は、ユーザーのICカードCdの情報を取得する。当該パスワードは、操作パネル5から入力可能であってもよい。カメラ62は、ユーザーの顔画像を取得する。マイク63は、ユーザーの音声を取得する。生体情報センサーは、ユーザーの生体情報を取得する。
【0067】
MFPコントローラー4は、CPU(Central Processing Unit)401と、通信部402と、画像処理部403と、画像メモリ404と、レーザーダイオード駆動部405と、ROM(Read Only Memory)406と、RAM(Random Access Memory)407と、記憶部408と、プロセスユニットコントローラー420とを含む。
【0068】
CPU401は、画像形成装置110の全体の動作を統合的に制御する。CPU401は、操作パネル5からユーザーによって入力された操作指令を受けるとともに、認証情報取得部6からユーザーの生体情報を受ける。CPU401は、ROM406から必要なプログラムを読み出して、画像処理部403での画像データの変換処理、画像メモリ404における画像データの書き込み/読み出し等を行う。また、画像形成メインユニット1、給紙部2、および定着部30等の動作を、タイミングを取りながら統合的に制御して円滑なプリント動作を実現する。
【0069】
CPU401は、プロセスユニットコントローラー420から入力される各種の情報に基づいて、トナーボトル17Y,17M,17C,17K内のトナーがニアエンプティであること、あるいはエンプティであることを検出する。CPU401は、当該情報に基づいて、トナーボトルが交換された時の交換前のトナー残量、およびトナーの消費状態(プリントボリューム、黒/白比等)を検出する。CPU401は、操作パネル5にトナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々の残量、当該トナーボトル17内のトナーを用いる印刷が可能な時間間隔(印刷可能時間)、および当該トナーボトル17の交換タイミングに関する所定のメッセージを操作パネル5に表示する。
【0070】
通信部402は、NIC(Network Interface Card)あるいはLANボード等の、ネットワークNWに接続するためのインターフェースを含む。通信部402は、外部からのプリントジョブのデータをネットワークNWを介して受信し、画像処理部403およびCPU401に送信する。通信部402は、ネットワークNWを介してトナーエンプティの情報、警告、トラブル、および各種プリント関連の情報、ならびに後に説明する記憶部408に保存された印刷傾向情報UtをCPU401から受けて印刷管理サーバー100に送信する。通信部402は、ネットワークNWを介して、印刷管理サーバー100からのデータおよび命令を受信する。
【0071】
画像処理部403は、通信部402からのプリントジョブのデータをY,M,C,Kの再現色の画像データに変換して、当該画像データを再現色毎に画像メモリ404に格納する。レーザーダイオード駆動部405は、各色の画像データを画像メモリ404から読み出して、露光器28のレーザーダイオードを駆動する。
【0072】
ROM406は、不揮発性メモリを含む。ROM406には、制御プログラムPg1が保存されている。制御プログラムPg1は、画像形成装置110の制御(たとえば画像形成制御、トナー補給制御、およびトナーエンプティ検出制御)のためのプログラムを含む。ROM406には、画像形成装置110の制御に必要なテーブル等の各種データ(不図示)が格納されていてもよい。
【0073】
RAM407は、揮発性メモリを含む。RAM407は、CPU402のワークエリア(メインメモリ)として用いられる。
【0074】
プロセスユニットコントローラー420は、カバレッジカウンタ421と、トナーエンプティセンサー(ピエゾセンサー)422とを含む。カバレッジカウンタ421は、印刷ジョブにおける1枚あたりのトナー消費量(カバレッジ)をカウントし、カバレッジをCPU401に出力する。トナーエンプティセンサー422は、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々におけるトナーボトルの残量を検出し、当該残量をCPU401に出力する。プロセスユニットコントローラー420は、カバレッジカウンタ421およびトナーエンプティセンサー422からの信号に加えて、不図示のTCR(Toner Carrier Ratio)センサー、トナーカートッリジセットセンサー、TC扉カバー、前カバー、カートリッジモータ、およびサブホッパモータ等からの信号あるいは状態を受けてプリント動作を制御する。
【0075】
記憶部408は、不揮発性メモリを含む。記憶部408には、印刷傾向情報Utが保存される。印刷傾向情報Utは、ユーザーの印刷傾向に関する情報として、ユーザー情報Ut1と、グループ情報Ut2と、印刷日時Ut3と、印刷枚数Ut4と、カバレッジ情報Ut5と、平均カバレッジUt6と、平均印刷枚数Ut7と、平均トナー消費量Ut8(ユーザー色材消費量)とを含む。なお、記憶部408には、各種データ、アプリケーションプログラム、トナーボトル交換履歴、およびトナーの消費状態が保存されてもよい。また、記憶部408に制御プログラムPg1が保存されてもよい。
【0076】
ユーザー情報Ut1は、ユーザーの識別情報を含む。グループ情報Ut2は、ユーザーが所属するグループに関する情報を含む。カバレッジ情報Ut5は、ユーザーによって画像形成装置110に入力された印刷ジョブのカバレッジを含む。印刷傾向情報Ut1~Ut5は、当該印刷ジョブの実績情報(印刷履歴情報)に対応する。以下では、印刷傾向情報Utに含まれるユーザー情報Ut1に対応するユーザーを画像形成装置110のマシンユーザーとも称する。
【0077】
印刷傾向情報Ut6,Ut7は、印刷傾向情報Ut1~Ut5から算出される。平均カバレッジUt6は、マシンユーザーの平均カバレッジである。平均印刷枚数Ut7は、単位時間(たとえば1日、1週間、1ヶ月、あるいはトナー配送に要する期間)あたりにマシンユーザーによって印刷された媒体の数(媒体数)に対応する。平均トナー消費量Ut8は、マシンユーザーが単位時間(第1単位時間)あたりに消費するトナー量の平均である。平均トナー消費量Ut8は、平均カバレッジUt6および平均印刷枚数Ut7の積として求められる。なお、印刷傾向情報Ut6~Ut8は、印刷履歴情報から直接または間接に算出可能であるため、記憶部408に保存されていなくともよい。
【0078】
図5は、画像形成装置110におけるトナー残量(縦軸)とトナーボトル17の前回の交換タイミングからの経過時間(横軸)との関係を示すグラフである。以下では、単位時間が1日である場合について説明する。
【0079】
図5に示されるように、画像形成装置110の1日あたりのトナー消費量Rdが一定であると仮定する場合、トナーボトル17が代替品(たとえば新品)に交換されたタイミングからトナーボトルが空になるまでに要する日数N1は、代替品のトナーボトル17のトナー量Tfをトナー消費量Rdで除すことによって求められる(N1=Tf/Rd)。
【0080】
トナー消費量Rdが一定であるとの仮定においては、たとえば、印刷履歴情報に基づいて算出可能な、画像形成装置110の1日あたりの実際のトナー消費量の平均値(平均トナー消費量)をトナー消費量Rdとして用いることができる。しかし、画像形成装置110のアクティブユーザーの変化に応じて、平均トナー消費量は変化し得る。画像形成装置110のアクティブユーザーが変化する場合には、たとえば、ユーザーの所属グループが変更されて画像形成装置110のアクティブユーザーに新規ユーザーが追加される場合、ユーザーの所属グループが変更されて画像形成装置110のアクティブユーザーからユーザーが削除される場合、ユーザーが退職して画像形成装置110のアクティブユーザーからユーザーが削除される場合、ユーザーがテレワークを開始して画像形成装置110が設置されたオフィスに出社しないことに応じて画像形成装置110のアクティブユーザーから当該ユーザーが削除される場合、あるいは画像形成装置110の設置場所が変更されて画像形成装置110のアクティブユーザーから従前のユーザーが削除される場合が含まれる。
【0081】
経過時間N10(>0)において画像形成装置110のアクティブユーザーに新たなユーザーが追加される場合、経過時間N10以降においては、アクティブユーザー数が経過時間N10以前よりも増加するため、平均トナー消費量は、通常、経過時間N10以前よりも増加する。そのため、経過時間N10以降のトナー残量と経過時間との関係を表す直線の傾きは、経過時間N10以前よりも右下がりに急になる(マイナスの傾きの絶対値が大きくなる)。その結果、トナーボトル17が空となるタイミングは経過時間N1より前の経過時間N2となる。しかし、アクティブユーザー数の増加がトナーボトル17の交換タイミングの予測において考慮されない場合、トナーボトル17の交換タイミングは、経過時間N1と予測される。トナーボトル17が経過時間N1に画像形成装置110が配置されたオフィスに届くように発注される場合、トナーボトル17がオフィスに配達される前の経過時間N2付近でトナーボトル17が空になる可能性がある。このようなトナーボトル17の遅配によって画像形成装置110による画像形成が困難となるため、トナーボトル17の遅配は画像形成装置110のアクティブユーザーの業務に大きな影響を与え得る。
【0082】
逆に、経過時間N10において画像形成装置110のアクティブユーザーからユーザーが削除される場合、経過時間N10以降においては、アクティブユーザー数が経過時間N10以前よりも減少するため、平均トナー消費量は、通常、経過時間N10以前よりも減少する。そのため、経過時間N10以降のトナー残量と経過時間との関係を表す直線の傾きは、経過時間N10以前よりも右下がりに緩やかになる(マイナスの傾きの絶対値が小さくなる)。その結果、トナーボトル17が空となるタイミングは、経過時間N1より後の経過時間N3となる。しかし、アクティブユーザー数の減少がトナーボトル17の交換タイミングの予測において考慮されない場合、トナーボトル17の交換タイミングは、経過時間N1と予測される。トナーボトル17が経過時間N1に画像形成装置110が配置されたオフィスに届くように発注される場合、トナー残量が充分でありトナーボトル17の交換の必要性が低いにも関わらず、トナーボトル17が配達され、余剰在庫となる可能性がある。実際に使用されるまでに過剰な期間を要す余剰在庫は、画像形成装置110のアクティブユーザーの業務の収益性を低下させ得る。
【0083】
そこで、画像形成装置110においては、トナーボトル17内のトナーを用いる印刷が可能な残存時間の予測を行う場合に、当該予測以降に画像形成装置110を使用することが想定されるアクティブユーザーの集合(たとえばアクティブユーザーのリストあるいはアクティブユーザーのグループ)に関する情報を更新する。最新のアクティブユーザーの集合(第1集合)に基づいてトナーボトル17内のトナーを用いる印刷が可能な残存時間を予測することにより、画像形成装置110の稼働実態により忠実にトナーボトル17の交換タイミングを予測することができる。その結果、画像形成に消費されるトナーボトル17の交換タイミングの予測精度を向上させることができる。
【0084】
図6は、図1の印刷管理サーバー100のハードウェア構成を示すブロック図である。図6に示されるように、印刷管理サーバー100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、入力装置104と、表示装置105と、NIC106と、記憶部108とを含む。これらの構成要素は、システムバス107を介して互いに接続されている。
【0085】
CPU101は、ROM102に保存されているプログラムを実行することにより、印刷管理サーバー100の全体を統括的に制御する。具体的には、CPU101は、複数の画像形成装置110の各々から、印刷傾向情報UtをNIC106を介して受信して、記憶部108に保存する。CPU101は、これらの情報を管理し、必要に応じて印刷傾向情報Utを更新する。
【0086】
ROM102は、不揮発性メモリを含み、CPU101が実行するためのプログラムおよびその他のデータを保存する。
【0087】
RAM103は、揮発性メモリであり、CPU101がプログラムに従って動作する場合のワークエリアを提供する。
【0088】
表示装置105は、CRT(Cathode Ray Tube)あるいは液晶表示装置等を含み、各種のメッセージおよび管理者等に対する入力受付画面および選択画面等を表示する。
【0089】
入力装置104は、管理者ユーザー等による入力操作を受ける。入力装置104は、キーボード、あるいはマウス等を含む。
【0090】
NIC106は、ネットワークNWを介して、複数の画像形成装置110およびトナーボトル配送センター190の各々と、データの送受信を行う。
【0091】
記憶部108は、不揮発性メモリを含む。記憶部108には、各種のデータ、アプリケーション、複数の画像形成装置110の各々からの印刷傾向情報Ut等が保存される。
【0092】
図7は、図2のMFPコントローラー4によって行われる、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの印刷可能時間を予測する処理の流れの一例を示す図である。図7に示される処理は、画像形成装置110を統合的に制御する不図示のメインルーチンによって、たとえば一定時間間隔で行われる。以下では、ステップを単にSと記載する。
【0093】
図7に示されるように、MFPコントローラー4は、S110において、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々について、各マシンユーザーの1日あたりの平均トナー消費量を算出し、処理をS120に進める。MFPコントローラー4は、S120において、画像形成装置110の位置と、画像形成装置110が配置されたオフィスOfにおける複数のユーザーUsの各々の行動範囲とを特定可能なオフィス情報(特定空間情報)を取得し、処理をS130に進める。オフィス情報は、たとえば、組織管理サーバー120から取得可能な人事情報Hrおよび事務機器情報Eq、ネットワークカメラNcから取得可能な画像形成装置110周辺の画像、および画像形成装置110の記憶部408に保存された印刷傾向情報の少なくとも1つを含む。
【0094】
MFPコントローラー4は、S130において、S120のオフィス情報に基づいて画像形成装置110のアクティブユーザーの集合(アクティブユーザー集合)を更新し、処理をS130に進める。MFPコントローラー4は、S140においてトナーボトル毎に画像形成装置110の1日あたりの平均トナー消費量を算出し、処理をS150に進める。MFPコントローラー4は、S150において、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々の印刷可能時間を操作パネル5および印刷管理サーバー100の各々に出力する。操作パネル5においては、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々の印刷可能時間が表示される。当該トナーボトル17の交換タイミングあるいは当該トナーボトル17の交換を促すメッセージが操作パネル5に表示されてもよい。
【0095】
印刷管理サーバー100においては、所定の条件(たとえば当該印刷可能時間が閾値よりも短いという条件)が満たされた場合、対応するトナーボトル17をトナーボトル配送センター190に自動的に発注する。
【0096】
図8は、図7の各マシンユーザーの1日あたりの平均トナー消費量の算出処理(S110)の流れの一例を示すフローチャートである。図8に示されるように、MFPコントローラー4は、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々の残量比率を取得し、処理をS112に進める。MFPコントローラー4は、S112において、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々について、各マシンユーザーの1日あたりの平均印刷枚数を算出して、処理をS113に進める。MFPコントローラー4は、S113において、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々について、各マシンユーザーの平均カバレッジを算出して、処理をS114に進める。MFPコントローラー4は、S114において、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々について、S112の平均印刷枚数にS113の平均カバレッジを乗ずることによって各マシンユーザーの1日あたりの平均トナー消費量を算出し、処理をメインルーチンに返す。
【0097】
図9は、図7の画像形成装置110のアクティブユーザー集合の更新処理(S130)の流れの一例を示すフローチャートである。図9に示されるように、MFPコントローラー4は、S131において、事務機器情報Eqに基づいて画像形成装置110が配置されている位置を特定し、処理をS132に進める。MFPコントローラー4は、S132において、人事情報Hrに基づいて画像形成装置110の位置が含まれる基準範囲に勤務場所(行動範囲)が含まれるユーザーをアクティブユーザー集合に追加し、処理をメインルーチンに返す。当該基準範囲としては、たとえば、画像形成装置110が配置されたフロア、あるいは画像形成装置110から予め定められた距離以内の範囲が含まれる。
【0098】
図10は、図7の画像形成装置110のアクティブユーザー集合の更新処理(S130)の流れの他の例を示すフローチャートである。図10に示されるように、MFPコントローラー4は、S231において、事務機器情報Eqに基づいて画像形成装置110の周辺を撮影するネットワークカメラNc(特定ネットワークカメラ)を特定し、現在時刻から基準時間(たとえば1日、1週間、あるいは1ヶ月)だけ遡った時刻から現在時刻までの画像形成装置110の周辺画像を当該ネットワークカメラNcから取得し、処理をS232に進める。MFPコントローラー4は、S232において、人事情報Hrに含まれるユーザーのうち画像形成装置110の周辺画像に映るユーザーをアクティブユーザー集合に追加し、処理をメインルーチンに返す。当該周辺画像には、たとえば、画像形成装置110が配置されたフロア全体の画像、あるいは画像形成装置110から予め定められた距離以内の範囲の画像が含まれる。
【0099】
図11は、図7の画像形成装置110のアクティブユーザー集合の更新処理(S130)の流れの他の例を示すフローチャートである。図11に示される処理は、画像形成装置110のマシンユーザーの各々に対して行われる。図11に示されるように、MFPコントローラー4は、S331において、マシンユーザーの最近の印刷日時と現在時刻との印刷間隔を算出し、処理をS332に進める。MFPコントローラー4は、S332において、印刷間隔が基準間隔(たとえば1ヶ月、3ヶ月、あるいは半年)よりも短いか否かを判定する。印刷間隔が基準間隔よりも短い場合(S332においてYES)、MFPコントローラー4は、S333において、マシンユーザーをアクティブユーザー集合に追加し、処理をメインルーチンに返す。印刷間隔が基準間隔以上である場合(S332においてNO)、MFPコントローラー4は、S334において、マシンユーザーをアクティブユーザー集合から削除し、処理をメインルーチンに返す。
【0100】
図12は、図7の画像形成装置110のアクティブユーザー集合の更新処理(S130)の流れの他の例を示すフローチャートである。図12に示される処理は、画像形成装置110のマシンユーザーの各々に対して行われる。図12に示されるように、MFPコントローラー4は、S431において、マシンユーザーが使用する端末装置Tmへの到達可能性があるか否かを判定する。当該到達可能性は、たとえばpingコマンドによって端末装置TmのIPアドレスへエコー要求を送信し、端末装置Tmからエコー応答を受信することによって確認される。端末装置Tmへの到達可能性がある場合(S431においてYES)、MFPコントローラー4は、S432において、マシンユーザーをアクティブユーザー集合に追加し、処理をメインルーチンに返す。端末装置Tmへの到達可能性がない場合(S431においてNO)、MFPコントローラー4は、S433において、マシンユーザーをアクティブユーザー集合から削除し、処理をメインルーチンに返す。
【0101】
図13は、図7の画像形成装置110の1日あたりの平均トナー消費量の算出処理(S140)の流れの一例を示すフローチャートである。図13に示されるように、MFPコントローラー4は、S141においてアクティブユーザー集合に含まれないマシンユーザー(非アクティブユーザー)が存在するか否かを判定する。非アクティブユーザーが存在しない(全マシンユーザーがアクティブユーザーである)場合(S141においてNO)、MFPコントローラー4は、処理をS143に進める。非アクティブユーザーが存在する場合(S141においてYES)、MFPコントローラー4は、S142において非アクティブユーザーの印刷傾向情報を記憶部408から削除して、処理をS143に進める。
【0102】
MFPコントローラー4は、S143において、マシンユーザーではない新アクティブユーザー(特定ユーザー)が存在するか否かを判定する。マシンユーザーではない新アクティブユーザーが存在しない(アクティブユーザー集合に含まれる全ユーザーがマシンユーザーである)場合(S143においてNO)、MFPコントローラー4は、処理をS148に進める。マシンユーザーではない新アクティブユーザーが存在する場合(S143においてYES)、MFPコントローラー4は、処理をS144に進める。
【0103】
MFPコントローラー4は、S144において、印刷管理サーバー100または他の画像形成装置110に新アクティブユーザーの印刷傾向情報があるか否かを判定する。印刷管理サーバー100または他の画像形成装置110に新アクティブユーザーの印刷傾向情報がある場合(S144においてYES)、MFPコントローラー4は、S145において、新アクティブユーザーの印刷傾向情報を印刷管理サーバー100または他の画像形成装置110から取得して、処理をS146に進める。MFPコントローラー4は、S146において、新アクティブユーザーの印刷傾向情報から導かれる1日あたりの平均トナー消費量を調整し、処理をS148に進める。
【0104】
印刷管理サーバー100または他の画像形成装置110に新アクティブユーザーの印刷傾向情報がない場合(S144においてNO)、MFPコントローラー4は、S147において、新アクティブユーザーの平均トナー消費量の代替値を算出し、処理をS148に進める。当該代替値としては、たとえば、画像形成装置110の印刷履歴情報を取得することが可能な全ユーザーのユーザー色材消費量の平均値を使用することができる。あるいは、新アクティブユーザーが以前にアクティブユーザーとして使用していた他の画像形成装置110の印刷履歴情報を取得することが可能な全ユーザーのユーザー色材消費量の平均値を使用することができる。
【0105】
MFPコントローラー4は、S148において、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々について、アクティブユーザー集合に含まれる各ユーザーの印刷傾向情報に基づいて、画像形成装置の1日あたりの平均トナー消費量を算出し、処理をメインルーチンに返す。具体的には、トナーボトル17Y,17M,17C,17Kの各々に関する画像形成装置の1日あたりの平均トナー消費量は、全アクティブユーザーの1日あたりの当該トナーボトル17の平均トナー消費量の和として求められる。
【0106】
図14は、図13の新アクティブユーザーの1日あたりの平均トナー消費量の調整処理(S146)の流れの一例を示すフローチャートである。当該平均トナー消費量は、新アクティブユーザーの平均カバレッジおよび1日あたりの平均印刷枚数の積として算出される。図14においては、新アクティブユーザーの1日あたりの平均印刷枚数を調整することによって、新アクティブユーザーの1日あたりの平均トナー消費量を調整する処理について説明する。
【0107】
図14に示されるように、MFPコントローラー4は、S1461において、新アクティブユーザーが使用する画像形成装置110が単位時間あたり(たとえば1分)に印刷可能な枚数(印刷可能枚数)が、新アクティブユーザーが現在のアクティブユーザー集合に追加される前にアクティブユーザーとして使用していた他の画像形成装置110の印刷可能枚数よりも多いか否かを判定する。印刷可能枚数には、たとえば、PPM(Page Per Minute)が含まれる。以下では、前者の印刷可能枚数を「現在の印刷可能枚数」とも称し、後者の印刷可能枚数を「以前の印刷可能枚数」とも称する。
【0108】
画像形成装置110の印刷可能枚数が多いほどアクティブユーザーは1日あたりに多くの枚数を印刷することができ、画像形成装置110の印刷可能枚数が少ないほどアクティブユーザーの1日あたりの印刷枚数は減少し得る。そのため、画像形成装置110の印刷可能枚数が多いほどアクティブユーザーの1日あたりの平均印刷枚数は多くなり、画像形成装置110の印刷可能枚数が少ないほどアクティブユーザーの1日あたりの平均印刷枚数は少なくなる。そこで、現在の印刷可能枚数が以前の印刷可能枚数よりも多い場合(S1461においてYES)、MFPコントローラー4は、S1463において、新アクティブユーザーの印刷傾向情報から導かれる1日あたりの平均印刷枚数を増加させて、処理をメインルーチンに返す。現在の印刷可能枚数が以前の印刷可能枚数以下である場合(S1461においてNO)、MFPコントローラー4は、S1462において、現在の印刷可能枚数が以前の印刷可能枚数よりも少ないか否かを判定する。現在の印刷可能枚数が以前の印刷可能枚数より少ない場合(S1462においてYES)、MFPコントローラー4は、S1464において、新アクティブユーザーの印刷傾向情報から導かれる1日あたりの平均印刷枚数を減少させて、処理をメインルーチンに返す。現在の印刷可能枚数が以前の印刷可能枚数と等しい場合(S1462においてNO)、MFPコントローラー4は、処理をメインルーチンに返す。
【0109】
現在の印刷可能枚数と以前の印刷可能枚数との大小関係に応じて、S1463においては新アクティブユーザーの印刷傾向情報から導かれる1日あたりの平均印刷枚数に1.0より大きい倍数が乗ぜられ、S1464においては当該平均印刷枚数に1.0より小さい倍数が乗ぜられてもよい。たとえば、現在の印刷可能枚数が60PPMであり、以前の印刷可能枚数が30PPMである場合、新アクティブユーザーの印刷傾向情報から導かれる1日あたりの平均印刷枚数に乗ぜられる倍数は、新アクティブユーザーの1日あたりの印刷枚数が常に以前の2.0(=60/30)倍となるわけではないことを考慮して、1.0倍と2.0倍との平均である1.5倍程度にすることが好ましい。
【0110】
図15は、図13の新アクティブユーザーの1日あたりの平均トナー消費量の調整処理(S146)の流れの他の例を示すフローチャートである。図15においては、新アクティブユーザーの平均カバレッジを調整することによって、新アクティブユーザーの1日あたりの平均トナー消費量を調整する処理について説明する。
【0111】
図15に示されるように、MFPコントローラー4は、S2461において、新アクティブユーザーが使用する画像形成装置110の印刷可能最大サイズ(たとえばA3またはA4)が、新アクティブユーザーが現在のアクティブユーザー集合に追加される前にアクティブユーザーとして使用していた他の画像形成装置110の印刷可能最大サイズよりも大きいか否かを判定する。以下では、前者の印刷可能最大サイズを「現在の印刷可能最大サイズ」とも称し、後者の印刷可能最大サイズを「以前の印刷可能最大サイズ」とも称する。
【0112】
同内容を1つの媒体全体に印刷する場合、印刷可能な媒体の最大サイズが大きいほど消費される色材の量は多くなり、当該最大サイズが小さいほど消費される色材の量は少なくなる。そのため、画像形成装置110の印刷可能最大サイズが大きいほどアクティブユーザーの平均カバレッジは多くなり、画像形成装置110の印刷可能最大サイズが小さいほどアクティブユーザーの平均カバレッジは少なくなる。そこで、画像形成装置110の現在の印刷可能最大サイズが以前の印刷可能最大サイズよりも大きい場合(S2461においてYES)、MFPコントローラー4は、S2463において、新アクティブユーザーの印刷傾向情報から導かれる平均カバレッジを増加させて、処理をメインルーチンに返す。現在の印刷可能最大サイズが以前の印刷可能最大サイズ以下である場合(S2461においてNO)、MFPコントローラー4は、S2462において、現在の印刷可能最大サイズが以前の印刷可能最大サイズよりも小さいか否かを判定する。現在の印刷可能最大サイズが以前の印刷可能最大サイズより小さい場合(S2462においてYES)、MFPコントローラー4は、S2464において、新アクティブユーザーの印刷傾向情報から導かれる平均カバレッジを減少させて、処理をメインルーチンに返す。現在の印刷可能最大サイズが以前の印刷可能最大サイズと等しい場合(S2462においてNO)、MFPコントローラー4は、処理をメインルーチンに返す。
【0113】
現在の印刷可能最大サイズと以前の印刷可能最大サイズとの大小関係に応じて、S2463においては新アクティブユーザーの印刷傾向情報から導かれる平均カバレッジに1.0より大きい倍数が乗ぜられ、S2464においては当該平均カバレッジに1.0より小さい倍数が乗ぜられてもよい。たとえば、現在の印刷可能最大サイズがA4であり、以前の印刷可能最大サイズがA3である場合、新アクティブユーザーの印刷傾向情報から導かれる平均カバレッジに乗ぜられる倍数は、0.9倍程度にすることが好ましい。
【0114】
以上、実施の形態に係る画像形成装置、システム、プログラム、および方法によれば、画像形成に消費される色材の充填タイミングの予測精度を向上させることができる。
【0115】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
1 画像形成メインユニット、2 給紙部、3 定着部、4 MFPコントローラー、5 操作パネル、6 認証情報取得部、10C,10K,10M,10Y プロセスユニット、11,11C,11K,11M,11Y 感光体ドラム、12C,12K,12M,12Y 帯電器、14C,14K,14M,14Y 現像器、16C,16K,16M,16Y クリーニングブレード、17,17C,17K,17M,17Y トナーボトル、18Y ドラムセット、19C,19K,19M,19Y トナー補給機構、21 シート搬送経路、22 給紙カセット、23 ベルト周回ローラー、25 中間転写ベルト、26,27C,27K,27M,27Y 次転写ローラー、28 露光器、31 加熱ローラー、32 加圧ローラー、33 ヒーターランプ、34 排紙ローラー、35 排紙トレイ、60 タッチパネル、61 カードリーダー、62 カメラ、63 マイク、64 生体情報センサー、100 印刷管理サーバー、110,110A~110D 画像形成装置、102,406 ROM、103,407 RAM、104 入力装置、105 表示装置、107 システムバス、108,408 記憶部、120 組織管理サーバー、140Y 現像ハウジング、141Y 現像ローラー、142 磁気ローラー、142Y 磁石ローラー、143Y 現像スリーブ、144Y 供給スクリュー、145Y 撹拌スクリュー、190 トナーボトル配送センター、402 通信部、403 画像処理部、404 画像メモリ、405 レーザーダイオード駆動部、420 プロセスユニットコントローラー、421 カバレッジカウンタ、422 トナーエンプティセンサー、1000 自動配送システム、Cd,Cd1~Cd4 カード、Eq 事務機器情報、Hr 人事情報、LC,LK,LM,LY レーザー光、NW ネットワーク、Nc,Nc1~Nc4 ネットワークカメラ、Of,Of1~Of4 オフィス、Pg1 制御プログラム、Rd トナー消費量、S 記録シート、Tf トナー量、Tm,Tm1~Tm4 端末装置、Us,Us1~Us4 ユーザー、Ut 印刷傾向情報、Ut1 ユーザー情報、Ut2 グループ情報、Ut3 印刷日時、Ut4 印刷枚数、Ut5 カバレッジ情報、Ut6 平均カバレッジ、Ut7 平均印刷枚数、Ut8 平均トナー消費量。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15