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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100528
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】感知器取付機器
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20240719BHJP
   G08B 17/10 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G08B17/00 G
G08B17/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004589
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】董 宥辰
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達彦
【テーマコード(参考)】
5C085
5G405
【Fターム(参考)】
5C085AA03
5C085AB01
5C085CA30
5C085FA13
5G405AA01
5G405AB02
5G405EA60
5G405FA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】火災感知器が感知器取付部から外れ易くなるのを防ぐ感知器取付機器を提供する。
【解決手段】火災感知器を取り付ける感知器取付部4を備え、感知器取付部4に火災感知器側の差込金具を挟持する押圧金具7と、受け金具8と、ストッパ9と、を設けた感知器取付機器1であって、押圧金具7は、折り返し部より先端側の先端側部分に、差込金具を受け金具8側に押圧する押圧部が設けられる折り返しバネ部7cを有する。ストッパ9は、押圧部が差込金具を受け金具8側に押圧する際に、折り返しバネ部7cの折り返し部より基端側の基端側部分が回転移動するのを防ぐ。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災感知器が取り付けられる感知器取付部を備え、その感知器取付部に火災感知器側の差込金具を挟持する押圧金具と受け金具が設けられる、感知器取付機器であって、
前記押圧金具として、折り返し部より先端側の先端側部分に、前記差込金具を前記受け金具側に押圧する押圧部が設けられる折り返しバネ部を有する押圧金具を備えると共に、
前記押圧部が前記差込金具を前記受け金具側に押圧する際に、前記折り返しバネ部の前記折り返し部より基端側の基端側部分が回転移動するのを防ぐストッパを備えることを特徴とする感知器取付機器。
【請求項2】
前記ストッパは、柱状又は台座状をなして、前記基端側部分と前記感知器取付部の取付面との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の感知器取付機器。
【請求項3】
前記ストッパは、前記基端側部分の前記折り返し部近傍位置と前記感知器取付部の取付面との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の感知器取付機器。
【請求項4】
前記ストッパとして、前記基端側部分の前記折り返し部近傍位置と前記感知器取付部の取付面との間に設けられる第1ストッパと、前記基端側部分の基端部近傍位置と前記感知器取付部の取付面との間に設けられる第2ストッパとを備えることを特徴とする請求項1に記載の感知器取付機器。
【請求項5】
感知器本体の直径が第1サイズの火災感知器が取り付けられる第1の感知器取付部と、感知器本体の直径が前記第1サイズよりも小さい第2サイズの火災感知器が取り付けられる第2の感知器取付部とを備えるものであり、
前記折り返しバネ部を有する前記押圧金具が前記受け金具と共に設けられるのは、前記第2の感知器取付部であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感知器取付機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災感知器が取り付けられる感知器取付機器に関する。
【背景技術】
【0002】
火災感知器を天井面等の設置面に取り付けるための感知器ベース、火災感知器(煙感知器)の感度を試験する感度試験器、火災感知器にアドレスの設定をするアドレス設定器、及び、それらの機器に別の種類の火災感知器を取り付けるためのアダプタベース等の、火災感知器が取り付けられる感知器取付機器は、その取り付け用の感知器取付部を備えている。
【0003】
そして、感知器取付部には、火災感知器に設けられる板状の差込金具(刃金具とも称される)を間に挟持して、その差込金具と嵌合する板状の押圧金具と受け金具(刃受け金具とも称される)が設けられており、それら金具の嵌合状態が押圧金具のバネ力による押圧力により保持されて、火災感知器が感知器取付部に電気的に接続されつつ、取り付けられるようになっている(感度試験器の例として、例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-58796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の感知器取付機器において、感知器取付部の押圧金具と受け金具との間への火災感知器の差し込み金具の差し込みは、通常、感知器取付機器に対して火災感知器を周方向に回転させることにより行われる。
【0006】
ところで、火災感知器には、感知器本体の直径が従来一般的なサイズのものよりも小さい小型のものがある。そのような小型の火災感知器が取り付けられる感知器取付部においては、火災感知器側の直径に対応して小径のものとなり、押圧金具と受け金具における差込金具が差し込まれる部分の周方向の長さが短くなる。そのため、バネ性が必要な押圧金具としては、折り返しバネ部を有するものを用いるのが好適である(従来一般的なサイズの火災感知器が取り付けられる感知器取付部の場合、折り返し部のない板バネが用いられている)。
【0007】
しかしながら、折り返しバネ部を有する押圧金具を用いる場合、折り返し部より先端側の部分に設けられる、差込金具を受け金具側に押圧する押圧部が荷重点となるが、押圧部に荷重が作用した際に、折り返し部より基端側の部分まで撓んでしまうと、押圧部が設けられる先端側の部分の撓み量が小さくなってしまい、差込金具を受け金具側に押圧する押圧部のバネ力による押圧力が弱くなり、差込金具の抜け方向の移動に対する抵抗が弱くなって、押圧金具と受け金具の間から差込金具が抜け易くなると考えられる。
【0008】
つまり、小型の火災感知器が取り付けられる感知器取付部を備える感知器取付機器においては、折り返しバネ部を有する押圧金具を用いる場合、火災感知器が感知器取付部から外れ易くなるという問題がある。
【0009】
この発明は、上記の事情に鑑み、火災感知器が感知器取付部から外れ易くなるのを防ぐことができる感知器取付機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、火災感知器が取り付けられる感知器取付部を備え、その感知器取付部に火災感知器側の差込金具を挟持する押圧金具と受け金具が設けられる、感知器取付機器であって、前記押圧金具として、折り返し部より先端側の先端側部分に、前記差込金具を前記受け金具側に押圧する押圧部が設けられる折り返しバネ部を有する押圧金具を備えると共に、前記押圧部が前記差込金具を前記受け金具側に押圧する際に、前記折り返しバネ部の前記折り返し部より基端側の基端側部分が回転移動するのを防ぐストッパを備えることを特徴とする感知器取付機器、である(請求項1)。
【0011】
この発明においては、前記ストッパは、柱状又は台座状をなして、前記基端側部分と前記感知器取付部の取付面との間に設けられるものとすることができる(請求項2)。また、前記ストッパは、前記基端側部分の前記折り返し部近傍位置と前記感知器取付部の取付面との間に設けられるものとすることができる(請求項3)。また、前記ストッパとして、前記基端側部分の前記折り返し部近傍位置と前記感知器取付部の取付面との間に設けられる第1ストッパと、前記基端側部分の基端部近傍位置と前記感知器取付部の取付面との間に設けられる第2ストッパとを備えるものとすることができる(請求項4)。また、感知器本体の直径が第1サイズの火災感知器が取り付けられる第1の感知器取付部と、感知器本体の直径が前記第1サイズよりも小さい第2サイズの火災感知器が取り付けられる第2の感知器取付部とを備え、前記折り返しバネ部を有する前記押圧金具が前記受け金具と共に設けられるのは、前記第2の感知器取付部とすることができる(請求項5)。
【発明の効果】
【0012】
この発明においては、折り返しバネ部の押圧部が火災感知器側の差込金具を受け金具側に押圧する際に、ストッパによって、折り返しバネ部の基端側部分が回転移動するのを防ぐことができる。すなわち、折り返しバネ部の基端側部分が撓むのを防ぐことができる。そのため、押圧部が設けられる折り返しバネ部の先端側部分の撓み量が小さくなるのを防ぐことができ、押圧部がバネ力によって火災感知器側の差込金具を受け金具側に押圧する力が弱くなるのを防ぐことができる。それにより、押圧金具と受け金具の間から火災感知器側の差込金具が抜け易くなるのを防ぐことができる。
【0013】
したがって、この発明によれば、火災感知器が感知器取付部から外れ易くなるのを防ぐことができる感知器取付機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施形態の一例を示したものであり、感知器取付部が設けられる側の面を上方に向けた状態のアダプタベースの上面図である。
図2】同上のアダプタベースの斜視図である。
図3図1のA-A線矢視断面図である。
図4図3のB線部拡大図である。
図5】同上のアダプタベースにおける押圧金具の斜視図である。
図6】同上の押圧金具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について、感知器ベース、感度試験器、アドレス設定器等の火災感知器が取り付けられる機器に取り付けられて、その機器に別の種類の火災感知器(例えば、感知器本体の直径が異なる火災感知器等)を取り付けるために用いられるアダプタベースに適用する場合を例に、図1乃至6を参照しつつ説明する。
【0016】
なお、この発明は、そのようなアダプタベースに限らず、アダプタベースが取り付けられる機器自体、すなわち、感度試験器、アドレス設定器、感知器ベース等にも適用することが可能である。
【0017】
ここで、この発明を説明するのに用いている「上」「下」等の位置や方向を示す語は、感知器取付部が設けられる側の面が上方に向かう状態にあるときの位置や方向に従ったものである。
【0018】
[機器全体]
アダプタベース1は、全体的には、上下が開放された、高さの低い筒状の形状をなし、内部に、上下を仕切る中底2を有する(図1乃至3参照)。そして、中底2の下面側には、取り付け先の機器側の感知器取付部への取り付け手段(刃金具とも称される板状の差込金具等。図示省略)が設けられると共に、中底2の上面側には、火災感知器が取り付けられる感知器取付部(後記で説明する標準型感知器用の感知器取付部3と小型感知器用の感知器取付部4)が設けられ、上面側の感知器取付部が、下面側の取り付け手段が取り付けられる感知器取付部とは異なる種類の火災感知器の取り付けに適合するように構成される。
【0019】
これにより、アダプタベース1は、例えば、火災感知器(煙感知器)の感度を試験する感度試験器に取り付けられて、その感度試験器に別の種類の火災感知器を取り付けることができるようになっている。
【0020】
[感知器取付部]
アダプタベース1は、図示の例の場合、中底2の上面側に設けられる感知器取付部として、中底2の上面上に、感知器本体の直径が従来一般的なサイズ(第1サイズの一例)の標準型の火災感知器が取り付けられる標準型感知器用の感知器取付部3(第1の感知器取付部の一例)と、標準型感知器用の感知器取付部3に取り付けられる火災感知器の感知器本体の直径サイズよりも小さいサイズ(第2サイズの一例)の小型の火災感知器が取り付けられる小型感知器用の感知器取付部4(第2の感知器取付部の一例)と、を備える(図1参照)。
【0021】
両取付部3、4は、取り付け対象の火災感知器の本体直径に対応する直径の取付面3a、4aをそれぞれ有し、前者の取付面3aの周囲には周壁3bが、後者の取付面4aの周囲には周壁4bがそれぞれ設けられ、前者が外側で、後者が内側に位置する同心状の配置でそれぞれ設けられる(図1参照)。
【0022】
そして、両取付部3、4には、火災感知器側に取り付け手段として設けられる板状の差込金具(刃金具とも称される)を間に挟持して、その差込金具と嵌合する板状の押圧金具と受け金具(刃受け金具とも称される)がそれぞれ設けられる(後記で詳細に説明する感知器取付部4側の押圧金具7と受け金具8のみを図示。感知器取付部3側の押圧金具と受け金具の図示は省略)。それら金具の挟持、嵌合状態が押圧金具のバネ力による押圧力により保持されて、火災感知器が電気的に接続されつつ、取り付けられるようになっている。
【0023】
なお、両取付部3、4への火災感知器の取り付けは、両者を相対的に回転させて、火災感知器側の差込金具を押圧金具と受け金具の間に差し込む(感知器取付部4の押圧金具7と受け金具8との間への差し込み方向として、図4中、矢印A4参照)ことによって行われる。両取付部3、4の周壁3b、4bは、その回転の際のガイドとして機能する。
【0024】
[押圧金具と受け金具]
感知器取付部4には、取付面4a上に、周壁6に沿うように押圧金具7と受け金具8が設けられる(図1及び2参照)。両金具7、8は、どちらも板状のものであり、基端側の固定部分7a、8aの部分で、その部分に設けられるネジ穴に挿通されるネジ(図示省略)によって、固定部分7aの上方に固定部分8aが重なる状態で共締めされて、取付面4a上に片持ち状に固定されて設けられる(図3及び4参照)。
【0025】
なお、感知器取付部4において、押圧金具7と受け金具8は、周方向に等角度間隔の配置で2箇所にそれぞれ設けられる。
【0026】
押圧金具7は、その先端側に、折り返しバネ部7c(詳細は後記で説明する)を有する(図3乃至6参照)。また、受け金具8は、その先端側に受け部8cを有する(図3及び4参照)。押圧金具7の折り返しバネ部7cには、受け金具8の受け部8cの下方に位置するものとして、火災感知器側の差込金具を受け金具8の受け部8c側にバネ力により押圧する押圧部7d(詳細は後記で説明する)が設けられる(図3乃至6参照)。火災感知器側の差込金具は、押圧金具7の押圧部7dと受け金具8の受け部8cの間に差し込まれて挟持され、その挟持、嵌合状態が、押圧金具7の押圧部7dのバネ力による押圧力によって保持されることになる。
【0027】
ここで、押圧金具7には、基端側の固定部分7aと先端側の折り返しバネ部7cとの間に、折り返しバネ部7cを上昇させる立ち上がり部7bが設けられる(図5及び6参照)。また、受け金具8には、基端側の固定部分8aと先端側の受け部8cの間に、受け部8cを上昇させる立ち上がり部8bが設けられる(図3及び4参照)。これにより、押圧金具7の押圧部7dが折り返しバネ部7cに設けられるものであることとも相俟って、両金具7、8における、火災感知器側の差込金具が差し込まれる押圧部7dと受け部8cの間の高さ位置を、感知器取付部4の取付面4a上方の、火災感知器側の差込金具を回転させて差し込む際に、その回転の邪魔になる部分のない高さ位置まで上昇したものとすることができる(図3及び4参照)。
【0028】
なお、感知器取付部3にも押圧金具と受け金具は設けられるが、前記の通り、その図示は省略している。
【0029】
[折り返しバネ部]
感知器取付部4は、小型感知器用のものであり、その直径が小さく、押圧金具7と受け金具8における、火災感知器側の差込金具が回転によって差し込まれる部分の長さが短い。そのため、バネ性が必要な押圧金具7としては、図示の例のように、折り返しバネ部7cを有するものを用いるのが好適である(図2乃至6参照)。
【0030】
折り返しバネ部7cは、より詳細には、途中に折り返し部7cbを有すると共に、折り返し部7cbより基端側に位置しつつ、感知器取付部4の取付面4a上方に延在する基底部7ca(基端側部分の一例)と、折り返し部7cbより先端側に位置しつつ、折り返し部7cbによって方向が折り返されて、基端側部分7ca上方に延在する変形部7cc(先端側部分の一例)を有する。(図4乃至6参照)そして、変形部7ccの先端側に設けられるものとして、受け金具8の受け部8c下方に位置して、火災感知器側の差込金具を上方の受け部8d側に押圧する押圧部7dをさらに有する(図4乃至6参照)。なお、変形部7ccは、図示の例の場合、先端部がく字状に下方に折曲するものとしており、押圧部7dは、その折曲部分の頂部に設けられるものとしている。
【0031】
折り返しバネ部7cにおいては、火災感知器側の差込金具が差し込まれた際に、押圧部7dが荷重点となり、変形部7ccが弾性変形して、押圧部7dが火災感知器側の差込金具を上方の受け金具8の受け部8d側にバネ力により押圧することになる。それにより、前記の通り、火災感知器側の差込金具との挟持、嵌合状態が、押圧金具7の押圧部7dのバネ力による押圧力によって保持されることになる。
【0032】
折り返し部7cbは、より詳細には、図示の例の場合、途中に立ち上がり部7ceを有すると共に、立ち上がり部7ceの基端側に位置して、基底部7caの先端側に連続する折曲部7cdと、立ち上がり部7ceの先端側に位置して、変形部7ccと連続する折曲部7cdとを有するものとしている(図6参照)。すなわち、コ字状の折り返し形状をなすものとしている。
【0033】
なお、この折り返し部7cbの折り返し形状については、コ字状に限らず、U字状、V字状等の他の折り返し形状をなすものとしてもよい。
【0034】
[ストッパ]
・基本構成
そして、アダプタ1には、押圧金具7の押圧部7dが火災感知器側の差込金具を受け金具8の受け部8c側に押圧する際に、折り返しバネ部7cの基底部7caが回転移動するのを防ぐストッパ9が設けられる(図3及び4参照)。
【0035】
これにより、アダプタ1においては、火災感知器側の差込金具が押圧金具7の押圧部7dと受け金具8の受け部8cとの間に差し込まれて、その差込金具を押圧部7dが受け部8c側に押圧する際に、ストッパ9によって、折り返しバネ部7cの基底部7caが下方に回転移動(基底部7caの基端側に連続する折曲部7eを回転中心とする矢印A2方向の回転移動。図6参照)するのを防ぐことができる(図3、4及び6参照)。すなわち、基底部7caが下方に撓むのを防ぐことができる(言い換えると、ストッパ9がないと、A2方向の撓み量が大きくなり、その結果、A1方向への撓み量が小さくなってしまう)。そのため、押圧部7dが設けられる折り返しバネ部7cの変形部7ccの下方への撓み量(折り返し部7cbの立ち上がり部7ce先端側の折曲部7cfを回転中心とする矢印A1方向の回転移動による撓みの量。図6参照)が小さくなるのを防ぐことができ、押圧部7dがバネ力によって差込金具を上方の受け部8c側に押圧する力が弱くなるのを防ぐことができる。
【0036】
つまり、ストッパ9によって、押圧金具7と受け金具8の間から火災感知器側の差込金具が抜け易くなるのを防ぐことができ、感知器取付部4から火災感知器が外れ易くなるのを防ぐことができる。
【0037】
・位置、形状、数等
ストッパ9は、折り返しバネ部7cの基底部7caと感知器取付部4の取付面4aとの間に位置して、上部に基底部7caの下部が接触することによって、基底部7caが下方に回転移動するのを防ぐものとして設けられる。図示の例の場合、柱状又は台座状の形状をなして、取付面4a上に立設されるものとしている。
【0038】
ストッパ9が設けられる位置としては、図示の例のように、基底部7caの折り返し部7cb近傍位置(基端側の折曲部7cd近傍位置)と取付面4aとの間の位置とするのが好適である(図3、4及び6参照)。図示の例のような位置とすることにより、その1箇所に設けられるストッパ9だけでも、基底部7caの略全長の下方への回転移動を防ぐようにすることができる。
【0039】
ストッパ9の数については、1つでもよいし、2つ以上としてもよい。また、ストッパ9の形状については、上部が基底部7caの下部に接触するような形状であれば、柱状又は台座状以外の他の形状としてもよい。
【0040】
・補助ストッパ
アダプタ1には、図示の例においては、ストッパ9に加えて、補助ストッパ10が設けられる(この場合、ストッパ9が第1ストッパの一例となり、ストッパ10が第2ストッパの一例となる)。補助ストッパ10は、基底部7caの基端部近傍位置(立ち上がり部7b近傍位置)と取付面4aとの間の位置に設けられる(図3及び4参照)。
【0041】
なお、補助ストッパ10が設けられることにより、補助ストッパ10の側部が立ち上がり部7bに接触して、立ち上がり部7bが側方に回転移動(立ち上がり部7bの基端側に連続する折曲部7fを回転中心とする矢印A3方向の回転移動。図6参照)するのを防ぐようにすることができる。
【0042】
[構成の変更]
以上、この発明の実施形態の一例を説明したが、この発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で構成の変更等が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1:アダプタ 2:中底 3:標準型感知器用の感知器取付部
3a:取付面 3b:周壁 4:小型感知器用の感知器取付部
4a:取付面 4b:周壁 7:押圧金具 7a:固定部分
7b:立ち上がり部 7c:折り返しバネ部 7ca:基底部(基端側部分)
7cb:折り返し部 7cc:変形部(先端側部分) 7cd:折曲部
7ce:立ち上がり部 7cf:折曲部 7d:押圧部 7e:折曲部
7f:折曲部 8:受け金具 8a:固定部分 8b:立ち上がり部
8c:受け部 9:ストッパ 10:補助ストッパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6