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  • 特開-生成装置及び生成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100540
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】生成装置及び生成方法
(51)【国際特許分類】
   C10L 3/10 20060101AFI20240719BHJP
   C12M 1/107 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C10L3/10
C12M1/107
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004613
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 俊介
(72)【発明者】
【氏名】舩石 圭介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸昭
(72)【発明者】
【氏名】西村 浩人
(72)【発明者】
【氏名】塩谷(宮前) 博子
(72)【発明者】
【氏名】青田 圭治
(57)【要約】
【課題】生成ガスに含まれるオフガスを生成ガスから除去する。
【解決手段】生成装置は、培養液が貯留されており、前記培養液に原料ガスを溶解して生成ガスを生成する生成部と、バイオマス原料からメタン発酵によりバイオガス及び消化液を生成するメタン発酵槽と、前記生成部から送出された前記生成ガスを前記メタン発酵槽から送出された前記消化液に接触させて、前記生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を前記消化液に溶解させる溶解部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養液が貯留されており、前記培養液に原料ガスを溶解して生成ガスを生成する生成部と、
バイオマス原料からメタン発酵によりバイオガス及び消化液を生成するメタン発酵槽と、
前記生成部から送出された前記生成ガスを前記メタン発酵槽から送出された前記消化液に接触させて、前記生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を前記消化液に溶解させる溶解部と、
を備える生成装置。
【請求項2】
前記メタン発酵槽から送出された前記消化液を前記培養液が貯留された前記生成部内に供給する供給部を備え、
前記溶解部は、前記生成部から送出された前記生成ガスを前記生成部内に供給される前の前記消化液に接触させる、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項3】
前記供給部は、前記メタン発酵槽から送出された前記消化液を加圧し、加圧された前記消化液を前記培養液が貯留された前記生成部内に供給し、
前記溶解部は、前記生成部から送出された前記生成ガスを前記生成部内に供給される前の加圧された前記消化液に接触させる、
請求項2に記載の生成装置。
【請求項4】
前記生成部から送出された前記生成ガスを水系溶媒に接触させて、前記生成ガスに含まれる前記オフガスの少なくとも一部を前記水系溶媒に溶解させる第2溶解部を備える、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項5】
前記生成部から送出された前記生成ガスに含まれる水蒸気を液化し、液化した水に前記生成ガスに含まれる前記オフガスの少なくとも一部を溶解させる凝縮溶解部を備える、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項6】
前記原料ガスは、前記バイオガスを含む、
請求項1から5の何れか一項に記載の生成装置。
【請求項7】
培養液が貯留されており、前記培養液に原料ガスを溶解して生成ガスを生成する生成部と、バイオマス原料からメタン発酵によりバイオガス及び消化液を生成するメタン発酵槽と、を備える生成装置における前記生成ガスの生成方法であって、
前記生成部から送出された前記生成ガスを前記メタン発酵槽から送出された前記消化液に接触させ、前記生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を前記消化液に溶解させる工程、
を含む生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成装置及び生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的な気候変動対策としてカーボンニュートラル(CN)化が必要であり、化石燃料代替としてCNメタンの利用が対策の一つとされている。CNメタン(CH)には、有機物のメタン発酵により得られるバイオガス中のメタンや、回収した二酸化炭素(CO)を再エネルギー由来等の電力から得た水素を用いてメタネーションにより合成する合成メタンがある。メタネーションは触媒を用いた方法が多く検討されているが、メタン発酵のメタン化反応のみを活用したバイオメタネーションという手法もあり、近年検討が始まっている。バイオメタネーションは菌が二酸化炭素と水素(H)をメタンへ変換させるため、菌が培養された培養液へ原料ガスを供給して生成ガスを生成する。特許文献1には、培養液でメタン生成菌を培養する培養槽と、培養槽に二酸化炭素及び水素ガスを供給するガス供給装置と、メタン生成菌が生成したメタンを抽出する生成ガス抽出装置と、を具備するメタン生成装置が開示記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-151196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生成ガスに生成ガス以外のオフガスが含まれている場合がある。生成ガスに対して精製を行って生成ガスに含まれるオフガスを生成ガスから除去する場合、生成ガスの精製工程が必要となり、コストが増加する。低コスト化を図りつつ、生成ガスに含まれるオフガスを生成ガスから除去することが要求されている。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、生成ガスに含まれるオフガスを生成ガスから除去することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明は、培養液が貯留されており、前記培養液に原料ガスを溶解して生成ガスを生成する生成部と、バイオマス原料からメタン発酵によりバイオガス及び消化液を生成するメタン発酵槽と、前記生成部から送出された前記生成ガスを前記メタン発酵槽から送出された前記消化液に接触させて、前記生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を前記消化液に溶解させる溶解部と、を備える生成装置である。
【0007】
生成ガスに含まれるオフガスは、例えば、アンモニアガス、硫化水素ガス等である。アンモニアガス、硫化水素ガス等のオフガスは、生成ガスであるメタンガスよりも消化液に対する溶解度が高い。生成部から送出された生成ガスをメタン発酵槽から送出された消化液に接触させることで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が消化液に溶解する。上記生成装置によれば、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を消化液に溶解させることで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【0008】
上記生成装置は、前記メタン発酵槽から送出された前記消化液を前記培養液が貯留され
た前記生成部内に供給する供給部を備え、前記溶解部は、前記生成部から送出された前記生成ガスを前記生成部内に供給される前の前記消化液に接触させてもよい。上記生成装置によれば、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成部内に供給される前の消化液に溶解させることで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【0009】
前記供給部は、前記メタン発酵槽から送出された前記消化液を加圧し、加圧された前記消化液を前記培養液が貯留された前記生成部内に供給し、前記溶解部は、前記生成部から送出された前記生成ガスを前記生成部内に供給される前の加圧された前記消化液に接触させてもよい。加圧後の消化液に対するオフガスの溶解度は、加圧前の消化液に対するオフガスの溶解度よりも高くなる。生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が加圧された消化液に溶解することで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【0010】
上記生成装置は、前記生成部から送出された前記生成ガスを水系溶媒に接触させて、前記生成ガスに含まれる前記オフガスの少なくとも一部を前記水系溶媒に溶解させる第2溶解部を備えてもよい。アンモニアガス、硫化水素ガス等のオフガスは、生成ガスであるメタンガスよりも水系溶媒に対する溶解度が高い。生成部から送出された生成ガスが水系溶媒に接触することで、水系溶媒に対する溶解度が高いオフガスが水系溶媒に溶解する。上記生成装置によれば、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が水系溶媒に溶解することで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【0011】
上記生成装置は、前記生成部から送出された前記生成ガスに含まれる水蒸気を液化し、液化した水に前記生成ガスに含まれる前記オフガスの少なくとも一部を溶解させる凝縮溶解部を備えてもよい。アンモニアガス、硫化水素ガス等のオフガスは、生成ガスであるメタンガスよりも水に対する溶解度が高い。生成部から送出された生成ガスが液化した水に接触することで、水に対する溶解度が高いオフガスが液化した水に溶解する。上記生成装置によれば、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が液化した水に溶解することで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【0012】
前記原料ガスは、前記バイオガスを含んでもよい。メタン発酵槽で生成されたバイオガスが、原料ガスとして生成部内に供給され、生成部内の培養液に原料ガスが溶解して生成ガスが生成される。
【0013】
また、本発明は、培養液が貯留されており、前記培養液に原料ガスを溶解して生成ガスを生成する生成部と、バイオマス原料からメタン発酵によりバイオガス及び消化液を生成するメタン発酵槽と、を備える生成装置における前記生成ガスの生成方法であって、前記生成部から送出された前記生成ガスを前記メタン発酵槽から送出された前記消化液に接触させ、前記生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を前記消化液に溶解させる工程、を含む生成方法であってもよい。上記生成方法によれば、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が水系溶媒に溶解することで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
生成ガスに含まれるオフガスを生成ガスから除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係る生成装置の構成図である。
図2図2は、実施形態の変形例に係る生成装置の構成図である。
図3図3は、実施形態の変形例に係る生成装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0017】
図1は、実施形態に係る生成装置100の構成図である。図1に示す生成装置100は、例えば、メタン菌が培養または馴養された培養液に原料ガスを溶解して生成ガスを生成する。生成装置100は、培養液が貯留された生成部1と、メタン発酵槽2と、バイオガス供給部3と、消化液供給部4と、第1溶解部5と、貯留部7とを備える。生成部1は、培養液を貯留する培養液タンクを有し、原料ガスを培養液に溶解して生成ガスを生成する。メタン発酵槽2は、バイオマス原料からメタン発酵によりバイオガス及び消化液(メタン発酵廃液)を生成する。メタン発酵槽2は、バイオマス原料を嫌気消化することでバイオガスを発生させ、消化液を送出する。メタン発酵槽2で生成されたバイオガスは、バイオガス供給部3を介して生成部1に送られ、メタン発酵槽2で生成された消化液は、消化液供給部4を介して第1溶解部5に送られる。
【0018】
バイオガス供給部3は、メタン発酵槽2で生成されたバイオガスを生成部1内に原料ガスとして供給する。バイオガス供給部3は、メタン発酵槽2で生成されたバイオガスを生成部1に供給するための経路に配置されている。メタン発酵槽2で生成されたバイオガスを生成部1に供給するための経路には、配管やバルブ等が設けられている。バイオガス供給部3は、コンプレッサー等の加圧装置でバイオガスを加圧し、生成部1内に加圧したバイオガスを供給してもよい。水素ガス及び二酸化炭素ガスの少なくとも一方が生成部1内に原料ガスとして供給されてもよい。水素ガスと、メタンガス、一酸化炭素(CO)ガス及び二酸化炭素ガスのうちの少なくとも一種のガスとを含む混合ガス(シンガス)が生成部1内に原料ガスとして供給されてもよい。
【0019】
消化液供給部4は、メタン発酵槽2から送出された消化液を培養液(種汚泥)として生成部1内に供給する。消化液供給部4は、メタン発酵槽2から送出された消化液の一部を生成部1内に供給し、メタン発酵槽2から送出された消化液の他の一部を生成装置100の外部に排出してもよい。消化液供給部4は、メタン発酵槽2から送出された消化液の全部を生成部1内に供給してもよい。
【0020】
消化液供給部4及び第1溶解部5は、メタン発酵槽2から送出された消化液を生成部1内に供給するための経路に配置されている。メタン発酵槽2から送出された消化液を生成部1内に供給するための経路には、配管やバルブ等が設けられている。メタン発酵槽2から送出された消化液を生成部1内に供給するための経路の上流側から下流側に向かって、消化液供給部4、第1溶解部5の順番で配置されている。すなわち、メタン発酵槽2から送出された消化液を生成部1内に供給するための経路において、第1溶解部5は、消化液供給部4よりも下流側に配置されている。したがって、メタン発酵槽2から送出された消化液は、消化液供給部4を通り、更に第1溶解部5を通って、生成部1内に供給される。
【0021】
第1溶解部5は、生成部1から送出された生成ガスをメタン発酵槽2から送出された消化液に接触させて、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を消化液に溶解させる。第1溶解部5は、溶解部の一例である。第1溶解部5は、生成部1から送出された生成ガスを生成部1内に供給される前の消化液に接触させて、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を消化液に溶解させる。生成ガスに含まれるオフガスは、例えば、アンモニア(NH)ガス、硫化水素(HS)ガス等である。アンモニアガス、硫化水素ガス等のオフガスは、生成ガスであるメタンガスよりも消化液に対する溶解度が高い。そのた
め、生成部1から送出された生成ガスをメタン発酵槽2から送出された消化液に接触させることで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が消化液に溶解する。生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が消化液に溶解することで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【0022】
第1溶解部5は、生成ガスが流れる流路と、消化液が流れる流路とを有する。生成ガスが流れる流路と消化液が流れる流路とが交わるようにしてもよい。生成ガスが流れる流路と消化液が流れる流路とが交わる箇所で、生成部1から送出された生成ガスをメタン発酵槽2から送出された消化液に接触させてもよい。
【0023】
消化液供給部4は、コンプレッサー等の加圧装置を有してもよい。消化液供給部4は、メタン発酵槽2から送出された消化液を加圧し、加圧された消化液を培養液が貯留された生成部1内に供給してもよい。この場合、第1溶解部5は、生成部1から送出された生成ガスを生成部1内に供給される前の加圧された消化液に接触させる。加圧後の消化液に対するオフガスの溶解度は、加圧前の消化液に対するオフガスの溶解度よりも高くなる。生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が加圧された消化液に溶解することで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【0024】
貯留部7は、生成部1から送出された生成ガスを貯留する。第1溶解部5は、生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路に配置されている。生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路には、配管やバルブ等が設けられている。したがって、生成部1から送出された生成ガスは、第1溶解部5を通って、貯留部7に送られる。
【0025】
第1溶解部5から送出された消化液は、必ずしもすべて生成部1に供給される必要はない。一部の消化液を生成装置100の外部に排出してもよく、メタン発酵槽2に戻してもよい。第1溶解部5から送出された消化液には、オフガスだけでなく生成ガスも溶解しているため、メタン発酵槽2に戻すことにより、廃液処理負荷の低減と生成ガスの回収を行うことができる。
【0026】
また、消化液の流入に伴って生成部1から流出する一部の培養液については生成装置100の外部に排出してもよく、メタン発酵槽2に供給してもよい。生成部1から流出する培養液には、オフガスだけでなく生成ガスも溶解しているため、メタン発酵槽2に供給することにより、廃液処理負荷の低減と生成ガスの回収を行うことができる。
【0027】
図2は、実施形態の変形例に係る生成装置100の構成図である。図2に示す生成装置100は、生成部1と、メタン発酵槽2と、バイオガス供給部3と、消化液供給部4と、第1溶解部5と、第2溶解部6と、貯留部7とを備える。図2に示す構成例では、メタン発酵槽2で生成されたバイオガスは、バイオガス供給部3を介して生成部1に送られ、メタン発酵槽2で生成された消化液は、消化液供給部4を介して第1溶解部5に送られる。第2溶解部6は、生成部1から送出されて第1溶解部5で消化液に接触した生成ガスを更に水系溶媒に接触させて、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を水系溶媒に溶解させる。アンモニアガス、硫化水素ガス等のオフガスは、生成ガスであるメタンガスよりも水系溶媒に対する溶解度が高い。生成部1から送出されて第1溶解部5で消化液に接触した生成ガスが更に水系溶媒に接触することで、水系溶媒に対する溶解度が高いオフガスが水系溶媒に溶解する。このように、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が水系溶媒に溶解することで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【0028】
生成装置100の構成は、図1及び図2に示す構成例に限定されず、生成装置100は
他の構成を備えてもよい。生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路の上流側から下流側に向かって、第2溶解部6、第1溶解部5の順番で配置されてもよい。この場合、生成部1から送出された生成ガスは、第2溶解部6を通り、更に第1溶解部5を通って、貯留部7に送られる。
【0029】
図3は、実施形態の変形例に係る生成装置100の構成図である。図3に示す生成装置100は、生成部1と、メタン発酵槽2と、バイオガス供給部3と、消化液供給部4と、第1溶解部5と、貯留部7と、凝縮溶解部8とを備える。図3に示す構成例では、メタン発酵槽2から送出された消化液は、消化液供給部4を通って、生成部1内に供給される。
【0030】
第1溶解部5及び凝縮溶解部8は、生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路に配置されている。生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路において、第1溶解部5は、凝縮溶解部8よりも上流側に配置されている。したがって、生成部1から送出された生成ガスは、第1溶解部5を通り、更に凝縮溶解部8を通って、貯留部7に送られる。
【0031】
凝縮溶解部8は、生成部1から送出された生成ガスに含まれる水蒸気を液化した水に、生成部1から送出されて第1溶解部5で消化液と接触した生成ガスを接触させて、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を溶解させる。凝縮溶解部8は、生成部1から送出された生成ガスに含まれる水蒸気を加圧状態で冷却して液化してもよい。アンモニアガス、硫化水素ガス等のオフガスは、生成ガスであるメタンガスよりも水に対する溶解度が高い。生成部1から送出されて第1溶解部5で消化液と接触した生成ガスが凝縮溶解部8で液化した水に接触することで、水に対する溶解度が高いオフガスが凝縮溶解部8で液化した水に溶解する。このように、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部が凝縮溶解部8で液化した水に溶解することで、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することが可能となる。
【0032】
凝縮溶解部8から送出された凝縮液は、生成装置100の外部に排出してもよく、メタン発酵槽2に供給してもよい。凝縮溶解部8から送出された凝縮液には、オフガスだけでなく生成ガスも溶解しているため、メタン発酵槽2に供給することにより、廃液処理負荷の低減と生成ガスの回収を行うことができる。
【0033】
生成装置100の構成は、図3に示す構成例に限定されず、生成装置100は他の構成を備えてもよい。生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路の上流側から下流側に向かって、凝縮溶解部8、第1溶解部5の順番で配置されてもよい。この場合、生成部1から送出された生成ガスは、凝縮溶解部8を通り、更に第1溶解部5を通って、貯留部7に送られる。
【0034】
生成装置100は、生成部1と、メタン発酵槽2と、バイオガス供給部3と、消化液供給部4と、第1溶解部5と、第2溶解部6と、貯留部7と、凝縮溶解部8とを備えてもよい。第1溶解部5、第2溶解部6及び凝縮溶解部8は、生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路に配置されてもよい。
【0035】
生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路の上流側から下流側に向かって、第1溶解部5、第2溶解部6、凝縮溶解部8の順番で配置されてもよい。生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路の上流側から下流側に向かって、第2溶解部6、第1溶解部5、凝縮溶解部8の順番で配置されてもよい。生成部1から送出された生成ガスを貯留部7に送るための経路の上流側から下流側に向かって、凝縮溶解部8、第1溶解部5、第2溶解部6の順番で配置されてもよい。第1溶解部5の配置と第2溶解部6の配置を逆にしてもよい。第1溶解部5の配置と凝縮溶解部8の配置を逆にし
てもよい。第2溶解部6の配置と凝縮溶解部8の配置を逆にしてもよい。
【0036】
生成装置100によれば、生成ガスに含まれるオフガスの少なくとも一部を生成ガスから除去することで、生成ガスの精製工程の省略又は低負荷化を実現することが可能となり、低コスト化を図ることができる。
【0037】
また、上記で説明した各処理及び各工程は、生成装置100における生成ガスの生成方法或いは生成装置100の運転方法等として捉えてもよい。上記で説明した各処理、各工程及び各機能の少なくとも一部を有する生成システムや運転システムとして捉えてもよい。なお、上記処理、工程及び機能の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・生成部;2・・メタン発酵槽;3・・バイオガス供給部;4・・消化液供給部;5・・第1溶解部;6・・第2溶解部;7・・貯留部;8・・凝縮溶解部;100・・生成装置
図1
図2
図3