(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100604
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】まつ毛用ロッド及びまつ毛のカール方法
(51)【国際特許分類】
A45D 2/48 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A45D2/48
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004714
(22)【出願日】2023-01-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】522261318
【氏名又は名称】佐藤 里奈
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 里奈
(57)【要約】
【課題】整えようとするまつ毛が折り曲げられてしまうことを防止できるまつ毛用ロッドを提供する。
【解決手段】まつ毛用ロッド1は、左右方向に長く、表面と裏面とを有するほぼ扁平状の本体部10を備え、本体部10は、使用状態において使用者の上まぶたに当接する当接面部20を備える面を裏面とし、まつ毛の少なくとも先端部(先端側の部分)が密着されることによって上向きのカール状とする先端側凸状曲面部30を備える面を表面とし、さらに当接面部20の下端部には根端側凸状曲面部40が設けられており、使用状態において、まつ毛の根端部が根端側凸状曲面部40に沿うことによって当該まつ毛の根端部が上まぶたから離れるに従って下方に向かう形状とされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と裏面とを有する本体部を具備し、
前記本体部の裏面には、使用状態において使用者の上まぶたに当接する当接面部が設けられており、
前記本体部の表面には、前記使用状態においてまつ毛が密着されることで当該まつ毛の少なくとも先端側の部分がカール状となる先端側凸状曲面部が設けられている
まつ毛用ロッドであって、
前記使用状態における本体部において前記使用者の上まぶたから離れる方向を前方とし、当該使用者の上まぶたが閉じる方向を下方として、
前記使用状態における前記当接面部の下端部であってまつ毛の根端部近傍に当接する部位には、前記使用状態で下方に向かうほど前方へ湾曲する根端側凸状曲面部が設けられており、
前記根端側凸状曲面部の下端部が前記先端側凸状曲面部の下端部に連続しており、
前記使用状態においてまつ毛の根端部が前記根端側凸状曲面部に沿うことによって当該まつ毛の根端部がまぶたから離れるに従って下方に膨らむ湾曲形状とされる
ことを特徴とするまつ毛用ロッド。
【請求項2】
前記当接面部の下端部には、前記使用状態で左右方向に形成され、かつ後方に向かって突き出された凸条の根端側凸段部が形成されており、
前記根端側凸状曲面部は、前記根端側凸段部の下端面に形成されてなる
請求項1に記載のまつ毛用ロッド。
【請求項3】
前記本体部の上端部には、上向きに突出した摘み部が形成されてなる
請求項1又は請求項2に記載のまつ毛用ロッド。
【請求項4】
前記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のまつ毛用ロッドを用いたまつ毛のカール方法であって、
前記まつ毛用ロッドを使用者の上まぶたに装着する装着工程と、
前記使用者のまつ毛を前記根端側凸状曲面部及び前記先端側凸状曲面部に密着させる密着工程と、
を含み、
前記使用者のまつ毛の根端部が上まぶたから離れるに従って下方に膨らむ湾曲形状とする
ことを特徴とするまつ毛のカール方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まつ毛の形状を整えるまつ毛用ロッド、及び当該まつ毛用ロッドを用いたまつ毛のカール方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているまつ毛をカールさせる施術方法において、ロッド材(まつ毛用ロッド)を用いてまつ毛を上向きにカールさせてまつ毛の形状を整えるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のようなまつ毛用ロッドにあっては、整えようとするまつ毛の根端部をまつ毛用ロッドで抑え込んでしまい、まつ毛が下向きに折り曲げられてしまうという問題があった(
図4参照)。かかる問題は、まつ毛の毛穴が横一線上に精緻に配されているわけでなく、不規則にばらつきながら配されている事情によるものである。
【0005】
本発明は、整えようとするまつ毛を折り曲げてしまうことを防止できるまつ毛用ロッドを提供することを目的とする。
【0006】
また本発明は、整えようとするまつ毛を折り曲げてしまうことを防止できるまつ毛のカール方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表面と裏面とを有する本体部を具備し、前記本体部の裏面には、使用状態において使用者の上まぶたに当接する当接面部が設けられており、前記本体部の表面には、前記使用状態においてまつ毛が密着されることで当該まつ毛の少なくとも先端側の部分がカール状となる先端側凸状曲面部が設けられているまつ毛用ロッドであって、前記使用状態における本体部において前記使用者のまぶたから離れる方向を前方とし、当該使用者の上まぶたが閉じる方向を下方として、前記使用状態における前記当接面部の下端部であってまつ毛の根端部近傍に当接する部位には、前記使用状態で下方に向かうほど前方へ湾曲する根端側凸状曲面部が設けられており、前記根端側凸状曲面部の下端部が前記先端側凸状曲面部の下端部に連続しており、前記使用状態においてまつ毛の根端部が前記根端側凸状曲面部に沿うことによって当該まつ毛の根端部が上まぶたから離れるに従って下方に膨らむ湾曲形状とされることを特徴とするまつ毛用ロッドである。
【0008】
かかる構成にあっては、前記当接面部にまつ毛の毛穴部が位置してしまっても、前記根端側凸状曲面部によってまつ毛の根端部を折り曲げてしまうことなく自然な形で下方へ膨らませるように湾曲させることができる。
【0009】
また前記当接面部の下端部には、前記使用状態で左右方向に形成され、かつ後方に向かって突き出された凸条の根端側凸段部が形成されており、前記根端側凸状曲面部は、前記根端側凸段部の下端面に形成されてなる構成が提案される。
【0010】
かかる構成とすることにより、根端側凸状曲面部の曲率をまつ毛の根端部を基準として相対的に大きく定めることが可能となり、より一層、まつ毛の根端が折れ曲がってしまうことを防止することができる。
【0011】
さらに、前記本体部の上端部には、上向きに突出した摘み部が形成されてなる構成が提案される。
【0012】
かかる構成とすることにより、使用者の目から離れた位置で前記本体部を取り扱うことができ、安全性の向上を図ることができる。
【0013】
また本発明は、前記まつ毛用ロッドを用いたまつ毛のカール方法であって、前記まつ毛用ロッドを使用者の上まぶたに装着する装着工程と、前記使用者のまつ毛を前記根端側凸状曲面部及び前記先端側凸状曲面部に密着させる密着工程と、を含み、前記使用者のまつ毛の根端部が上まぶたから離れるに従って下方に膨らむ湾曲形状とすることを特徴とするまつ毛のカール方法である。
【0014】
かかる構成にあっては、前記当接面部にまつ毛の毛穴部が位置してしまっても、前記根端側凸状曲面部によって自然な形でまつ毛の根端部を下向きに湾曲させ、そして先端側凸状曲面部に適正に倣わせることができるため、当該まつ毛が下向きに折れ曲がってしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のまつ毛用ロッドは、整えようとするまつ毛を根端部で折り曲げてしまうことを防止できるという優れた効果がある。
【0016】
また本発明のまつ毛のカール方法は、整えようとするまつ毛を根端部で折り曲げてしまうことを防止できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】まつ毛用ロッドを示し、(a)は正面図であり、(b)は背面図であり、(c)は側面図であり、(d)は平面図である。
【
図2】
図1(b)におけるA-A線断面図のうち、X部分を拡大して示す縦断面図である。
【
図4】従来のまつ毛用ロッドの使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。なお本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜、設計変更が可能である。
【0019】
本実施例においては、使用者(被施術者)の顔から離れる方向を前方とし、使用者の上まぶたが閉じる方向を下方として説明する。
【0020】
図1に示すように、まつ毛用ロッド1は、左右方向に長く、表面と裏面とを有するほぼ扁平状の本体部10を備えている。
【0021】
本体部10は、使用状態において使用者の上まぶたに当接する当接面部20を備える面を裏面とし、まつ毛の少なくとも先端部(先端側の部分)が密着されることによって上向きのカール状とする先端側凸状曲面部30を備える面を表面としている。
【0022】
また、当接面部20及び先端側凸状曲面部30は左右方向において中央部が前方に凸の湾曲形状を有しているとともに、先端側凸状曲面部30は上下方向においても中央部が前方に凸の湾曲形状を有している。
【0023】
また、
図2に示すように、当接面部20の下端部には、使用状態において使用者のまぶた側に向かって凸状に湾曲する根端側凸状曲面部40が設けられている。ここで、根端側凸状曲面部40の下端部が先端側凸状曲面部30の下端部に連続している。すなわち、先端側凸状曲面部30の下端部の表面形状と、根端側凸状曲面部40の下端部の表面形状とが連続して一体的に形成されている。
【0024】
なお、根端側凸状曲面部40は、当接面部20の下端部において当該当接面部20の面(
図2において一点鎖線で示される部位)よりも後方に向かって突き出された凸条の根端側凸段部45の下端面に形成されている。また、根端側凸段部45は、使用状態における当接面部20の下端部において左右方向に延設されている。
【0025】
さらに、本体部10の上端部には、上向きに突出した薄片状の摘み部50が複数(4個)、横並びに形成されている。
【0026】
次に、まつ毛用ロッド1の使用手順について説明する。
上述のまつ毛用ロッド1を使用(施術)する際には、まずまつ毛用ロッド1を使用者の上まぶたLDに装着する(装着工程)。このとき、従来のまつ毛用ロッド100であれば、
図4に示すように、まつ毛SLの根端部が当接部に当たってしまい、そのまま使用すればまつ毛SLの根端部が下向きに折り曲げられてしまう。
【0027】
しかしながら、
図3に示すように、本実施例におけるまつ毛用ロッド1の場合は、根端側凸状曲面部40の湾曲した表面によってまつ毛SLの根端部が上まぶたから離れるに従って下方に膨らむような湾曲形状とされ、まつ毛SLが折り曲げられてしまうことを防止することができる。
【0028】
まつ毛用ロッド1を使用者の上まぶたSLに装着した後は、使用者のまつ毛SLを根端側凸状曲面部40及び先端側凸状曲面部30に密着させる(密着工程)。この密着工程にあっては、従来から公知の方法が好適に適用可能であり、詳細な説明を省略する。
【0029】
上述の密着工程を終えたまつ毛SLは、根端部が上まぶたから離れるに従って下方に膨らむような自然な湾曲形状となり、先端部側に向かうに従って徐々に上向きとなる。
【0030】
このように、本実施例におけるまつ毛用ロッド1にあっては、まつ毛SLの根端部が下向きに折り曲げられてしまうことを防止できる。さらに、まつ毛SLの根端部を当接面部20が押さえつけることがないため、まつ毛SLの毛根にダメージを与えるおそれが低減される。
【0031】
また、摘み部50が本体部10の上端部に形成されているため、使用者の目から離れた位置でまつ毛用ロッド1を取り扱うことができ、安全性が確保でき、使用者にも安心感を付与できる。
【0032】
上記実施例において、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
例えば摘み部50の数は4個以外であっても構わない。また、摘み部50の形状も特に限定されない。また、当接面部20と先端側凸状曲面部30との離間距離や、先端側凸状曲面部30の湾曲形状等などの寸法形状が互いに異なる複数のまつ毛用ロッド1をセットとして用意し、使用者等に応じて使い分けることができる。この場合、例えば複数のまつ毛用ロッド1の摘み部50にそれぞれ識別用の番号を表記する構成が提案される。
【符号の説明】
【0033】
1 まつ毛用ロッド
10 本体部
20 当接面部
30 先端側凸状曲面部
40 根端側凸状曲面部
45 根端側凸段部
50 摘み部
100 従来のまつ毛用ロッド
LD 上まぶた
SL まつ毛
【手続補正書】
【提出日】2023-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と裏面とを有する本体部を具備し、
前記本体部の裏面には、使用状態において使用者の上まぶたに当接する当接面部が設けられており、
前記本体部の表面には、前記使用状態においてまつ毛が密着されることで当該まつ毛の少なくとも先端側の部分がカール状となる先端側凸状曲面部が設けられている
まつ毛用ロッドであって、
前記使用状態における本体部において前記使用者の上まぶたから離れる方向を前方とし、当該使用者の上まぶたが閉じる方向を下方として、
前記使用状態における前記当接面部の下端部であってまつ毛の根端部近傍に当接する部位には、前記使用状態で下方に向かうほど前方へ湾曲し、左右方向に形成され、かつ後方に向かって突き出された凸条の根端側凸状曲面部が設けられており、
前記根端側凸状曲面部の下端部が前記先端側凸状曲面部の下端面に連続して形成されており、
前記使用状態においてまつ毛の根端部が前記根端側凸状曲面部に沿うことによって当該まつ毛の根端部がまぶたから離れるに従って下方に膨らむ湾曲形状とされる
ことを特徴とするまつ毛用ロッド。
【請求項2】
前記本体部の上端部には、上向きに突出した摘み部が形成されてなる
請求項1に記載のまつ毛用ロッド。
【請求項3】
前記請求項1又は請求項2に記載のまつ毛用ロッドを用いたまつ毛のカール方法であって、
前記まつ毛用ロッドを使用者の上まぶたに装着する装着工程と、
前記使用者のまつ毛を前記根端側凸状曲面部及び前記先端側凸状曲面部に密着させる密着工程と、
を含み、
前記使用者のまつ毛の根端部が上まぶたから離れるに従って下方に膨らむ湾曲形状とする
ことを特徴とするまつ毛のカール方法。