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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100606
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20240719BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20240719BHJP
   G06Q 20/14 20120101ALI20240719BHJP
   G03G 21/02 20060101ALI20240719BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240719BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G06Q20/10
G06Q30/04
G06Q20/14
G03G21/02
B41J29/00 Z
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004716
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 裕貴
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5L020
5L030
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AR01
2C061CL10
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ34
2H270KA59
2H270LA76
2H270LA77
2H270NC07
2H270ND03
2H270ND13
2H270ZC03
2H270ZC04
5L020AA22
5L020AA32
5L030BB11
5L049BB11
5L055AA22
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することを可能とする。
【解決手段】プリント、コピー等の1回のサービスの実行に対する料金を、複数人により割り勘して支払うことが選択された場合、制御部35は、先ず、出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付ける。次に、制御部35は、決済を行う第2の出力部数の入力を受け付け、受け付けた第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済を行う。そして、制御部35は、第2の出力部数が第1の出力部数よりも少ない場合、第1の出力部数のうちの未決済の部数に対する料金を決済するための決済画面を表示部33に表示する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付け、
決済を行う第2の出力部数の入力を受け付け、受け付けた前記第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済を行い、
前記第2の出力部数が前記第1の出力部数よりも少ない場合、前記第1の出力部数のうちの未決済の部数に対する料金を決済するための決済画面を表示する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第2の出力部数が前記第1の出力部数よりも少ない場合、前記第1の出力部数から前記第2の出力部数を減算した部数を未決済の部数として、当該未決済の部数以下の部数を前記第2の出力部数として受け付ける、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第2の出力部数の出力処理に対する決済処理後に前記未決済の部数から前記第2の出力部数を減算して未決済の部数がゼロとなった場合、決済処理を完了する、
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第2の出力部数の入力後に出力設定が変更された場合には、変更された出力設定に基づく料金を、前記第2の出力部数に対する料金として決済する、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、全部数の出力処理に対する料金の決済が行われる前であっても、決済が行われた部数に対する出力処理を開始する、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、決済が行われた部数に対する出力処理と、前記第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済処理とを、少なくとも一部の区間において並行して実行する、
請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、全部数の出力処理に対する料金の決済が完了後に、全部数の出力処理を開始する、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付け、
1人の利用者が料金を負担する部数である第2の出力部数の入力を受け付けると、前記全部数に対する料金に達するまで、受け付けた前記第2の出力部数毎に料金の決済を行う、
画像形成装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、料金の決済毎の設定変更が不要の旨が入力された場合、前記第2の出力部数毎の料金の決済を利用者による操作を必要とすることなく連続して行う請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
出力する全部数の入力を受け付け、
出力処理に対する料金を分担する利用者の数の入力を受け付け、前記全部数を前記利用者の数により除算して割り切れた場合、その除算結果における商の出力部数毎に、出力処理に対する料金の決済を行う、
画像形成装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記全部数を前記利用者の数により除算して割り切れなかった場合、出力する全部数、出力処理に対する料金を分担する利用者の数、又は、利用者と料金を負担する部数との関係のいずれかを修正するよう利用者に通知する請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付けるステップと、
決済を行う第2の出力部数の入力を受け付け、受け付けた前記第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済を行うステップと、
前記第2の出力部数が前記第1の出力部数よりも少ない場合、前記第1の出力部数のうちの未決済の部数に対する料金を決済するための決済画面を表示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付けるステップと、
1人の利用者が料金を負担する部数である第2の出力部数の入力を受け付けると、前記全部数に対する料金に達するまで、受け付けた前記第2の出力部数毎に料金の決済を行うステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
出力する全部数の入力を受け付けるステップと、
出力処理に対する料金を分担する利用者の数の入力を受け付け、前記全部数を前記利用者の数により除算して割り切れた場合、その除算結果における商の出力部数毎に、出力処理に対する料金の決済を行うステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の利用者のそれぞれの利用者端末から互いに異なる決済方法の決済要求を受け付け、利用者端末に対応する利用者IDを取得して、取得した利用者IDに基づいて、複数の利用者のそれぞれが負担するそれぞれの負担請求金額の決済を行うようにした決済支援システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、幹事のみ割り勘アプリをインストールし参加者に対し割り勘代金の請求を行い、他の参加者に対しては割り勘アプリのインストールを不要にしたキャッシュレス割り勘方法が開示されている。
【0004】
特許文献3には、商品の購入に関連する複数の個体識別情報を取得して、商品の購入金額と、取得した個体識別情報の数とに基づいて、ユーザ毎の支払額を決定して、ユーザ毎に決済処理を行うようにした電子決済システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-174943号公報
【特許文献2】特開2020-144596号公報
【特許文献3】特開2020-187399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
公共の場所に設置されている画像形成装置では、印刷処理を実行する際には料金の決済が必要となる。しかし、1回の出力処理において全料金に対して1回の決済処理しかできない場合、複数の利用者により料金を分担して決済することはできない。
【0007】
本発明の目的は、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能な画像形成装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様の画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付け、
決済を行う第2の出力部数の入力を受け付け、受け付けた前記第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済を行い、
前記第2の出力部数が前記第1の出力部数よりも少ない場合、前記第1の出力部数のうちの未決済の部数に対する料金を決済するための決済画面を表示する。
【0009】
第2態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、前記第2の出力部数が前記第1の出力部数よりも少ない場合、前記第1の出力部数から前記第2の出力部数を減算した部数を未決済の部数として、当該未決済の部数以下の部数を前記第2の出力部数として受け付ける。
【0010】
第3態様の画像形成装置は、第2態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、前記第2の出力部数の出力処理に対する決済処理後に前記未決済の部数から前記第2の出力部数を減算して未決済の部数がゼロとなった場合、決済処理を完了する。
【0011】
第4態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、前記第2の出力部数の入力後に出力設定が変更された場合には、変更された出力設定に基づく料金を、前記第2の出力部数に対する料金として決済する。
【0012】
第5態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、全部数の出力処理に対する料金の決済が行われる前であっても、決済が行われた部数に対する出力処理を開始する。
【0013】
第6態様の画像形成装置は、第5態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、決済が行われた部数に対する出力処理と、前記第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済処理とを、少なくとも一部の区間において並行して実行する。
【0014】
第7態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、全部数の出力処理に対する料金の決済が完了後に、全部数の出力処理を開始する。
【0015】
第8態様の画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付け、
1人の利用者が料金を負担する部数である第2の出力部数の入力を受け付けると、前記全部数に対する料金に達するまで、受け付けた前記第2の出力部数毎に料金の決済を行う。
【0016】
第9態様の画像形成装置は、第8態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、料金の決済毎の設定変更が不要の旨が入力された場合、前記第2の出力部数毎の料金の決済を利用者による操作を必要とすることなく連続して行う。
【0017】
第10態様の画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、出力する全部数の入力を受け付け、
出力処理に対する料金を分担する利用者の数の入力を受け付け、前記全部数を前記利用者の数により除算して割り切れた場合、その除算結果における商の出力部数毎に、出力処理に対する料金の決済を行う。
【0018】
第11態様の画像形成装置は、第10態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、前記全部数を前記利用者の数により除算して割り切れなかった場合、出力する全部数、出力処理に対する料金を分担する利用者の数、又は、利用者と料金を負担する部数との関係のいずれかを修正するよう利用者に通知する。
【0019】
第12態様のプログラムは、出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付けるステップと、
決済を行う第2の出力部数の入力を受け付け、受け付けた前記第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済を行うステップと、
前記第2の出力部数が前記第1の出力部数よりも少ない場合、前記第1の出力部数のうちの未決済の部数に対する料金を決済するための決済画面を表示するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0020】
第13態様のプログラムは、出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付けるステップと、
1人の利用者が料金を負担する部数である第2の出力部数の入力を受け付けると、前記全部数に対する料金に達するまで、受け付けた前記第2の出力部数毎に料金の決済を行うステップと、をコンピュータに実行させる。
【0021】
第14態様のプログラムは、出力する全部数の入力を受け付けるステップと、
出力処理に対する料金を分担する利用者の数の入力を受け付け、前記全部数を前記利用者の数により除算して割り切れた場合、その除算結果における商の出力部数毎に、出力処理に対する料金の決済を行うステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
第1態様の画像形成装置によれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0023】
第2態様の画像形成装置によれば、料金の決済を行う部数の合計が第1の出力部数を超えることを防ぐことができる。
【0024】
第3態様の画像形成装置によれば、出力する全部数の出力処理が完了するまで処理を継続させることができる。
【0025】
第4態様の画像形成装置によれば、出力処理に対する決済を行う毎に出力設定を変更することが可能となる。
【0026】
第5態様の画像形成装置によれば、全部数に対する料金の決済が完了してから全部数に対する出力処理を開始する場合と比較して、出力処理が完了するまでの時間を短縮することができる。
【0027】
第6態様の画像形成装置によれば、決済が行われた部数に対する出力処理と、第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済処理とを、それぞれ独立して実行する場合と比較して、出力処理が完了するまでの時間を短縮することができる。
【0028】
第7態様の画像形成装置によれば、決済が行われた部数毎の出力処理を実行する場合と比較して、出力処理の実行回数を削減することができる。
【0029】
第8態様の画像形成装置によれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0030】
第9態様の画像形成装置によれば、料金の決済毎に利用者が操作を行う手間を省くことが可能となる。
【0031】
第10態様の画像形成装置によれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0032】
第11態様の画像形成装置によれば、利用者が全部数を割り切ることができないような利用者の数を入力した場合でも、出力処理を行うことが可能となる。
【0033】
第12態様のプログラムによれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0034】
第13態様のプログラムによれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0035】
第14態様のプログラムによれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本開示の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本開示の一実施形態における画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
図4】本開示の一実施形態の画像形成装置10においてあるプリントサービス等を利用する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図5】コピーを行って印刷する全部数の入力をユーザから受け付ける際の操作画面例を示す図である。
図6】原稿画像を読み取るスキャン処理の実行中の操作画面例を示す図である。
図7】今回印刷する部数を受け付ける際の操作画面例を示す図である。
図8】2次元コード決済による支払い画面例を示す図である。
図9】印刷操作開始を行う場合の操作画面例を示す図である。
図10】今回印刷する部数を受け付ける際の操作画面例を示す図である。
図11】ユーザによる印刷設定の変更を受け付ける際の操作画面例を示す図である。
図12】全部数の決済完了後に、全部数の印刷処理をまとめて実行する際の動作を説明するためのフローチャートである。
図13】本開示の第2の実施形態における制御部35の動作を説明するためのフローチャートである。
図14】1人の利用者が料金を負担する部数の入力をユーザから受け付ける際の操作画面例を示す図である。
図15】1人の利用者が料金を負担する部数毎に料金の決済処理が行われる際の操作画面例を示す図である。
図16】全部数の決済が完了した状態における印刷開始操作の操作画面例を示す図である。
図17】本開示の第3の実施形態における制御部35の動作を説明するためのフローチャートである。
図18】料金を負担する人数(割り勘人数)を入力する際の操作画面例を示す図である。
図19】1人の利用者が料金を負担する部数毎に料金の決済処理が行われる際の操作画面例を示す図である。
図20】全部数が料金を負担する人数で割り切れない場合の警告表示画面例を示す図である。
図21】各利用者と料金を負担する部数との対応関係を設定する際の操作画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の画像形成システムの構成を示す図である。
【0039】
本実施形態の画像形成システムは、画像形成装置10と課金サーバ20とがインターネット30を介して接続された構成となっている。画像形成装置10は、普通紙を用いた印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。この画像形成装置10は、例えばコンビニエンスストア、スーパーマーケット等の店舗、又は大学、図書館等の公共施設のような誰でも利用可能な環境に設置される。そして、ユーザは、このような画像形成装置10を利用する場合、自分で料金を支払って、コピー、スキャン、プリント等の各種サービスを利用することができるようになっている。
【0040】
なお、画像形成装置10により提供されるサービスを利用する際には、予めサービスの実行にかかる料金の金額を算出した後に、QRコード(登録商標)等の2次元コードによる決済、ICカードによる決済、現金による決済等の複数の決済手段の中から、料金を支払う決済手段を選択して、料金の決済が完了後にプリント等の処理が実行されることになる。
【0041】
ここで、2次元コードによる決済を行うことが選択された場合、画像形成装置10は決済が必要な金額情報を課金サーバ20に送信し、課金サーバ20のアドレス情報を含む2次元コードを操作画面上に表示する。そして、ユーザがスマートフォン等の携帯端末装置によりこの2次元コードを撮影して課金サーバ20にアクセスして、料金の決済処理を実行する。すると、課金サーバ20から画像形成装置10に対して料金の決済が完了した旨が送信され、画像形成装置10はプリントサービス等を実行する。
【0042】
また、ICカードを利用した決済の場合には、大学等において発行されたプリペイドカード、コンビニエンスストア等で利用可能なプリペイドカード、交通系ICカード等を利用した電子マネーにより料金を決済することが可能である。さらに、現金を利用した決済の場合には、現金投入機にコインを投入することにより料金の決済を行うことが可能となっている。
【0043】
そして、公共の場所に設置されている画像形成装置では、印刷処理を実行する際には料金の決済が必要となる。しかし、1回の出力処理において全料金に対して1回の決済処理しかできない場合、複数の利用者により料金を分担して決済することはできない。
【0044】
しかし、公共の場所に設定されている画像形成装置を用いて、関係性が希薄な複数人のユーザが同じ文書を印刷したり、コピーしたりするような場合が発生することが想定される。例えば、画像形成装置が大学に設置されており、同一の研究室の複数の学生がある原稿をそれぞれ1部ずつコピーしたいような場合が考えられる。このような場合には、それぞれが料金を支払って1部コピーしていたのでは手間がかかるとともに、毎回同じ原稿を読み取るという無駄が発生する。しかし、複数の学生のうちの誰かが代表して支払いを行い、複数部のコピーを行った場合には、他の学生から料金を徴収するという手間が発生する。また、このような事態は、例えばシェアオフィスに画像形成装置が設置されている場合にオープンイノベーション活動を行うような際にも発生し得る。
【0045】
そこで、本実施形態の画像形成装置10では、下記において説明するような処理を行うことにより、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することを可能としている。
【0046】
先ず、本実施形態の画像形成装置10のハードウェア構成を図2に示す。
【0047】
画像形成装置10は、図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、インターネット30を介して課金サーバ20や他の外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル等のユーザインタフェース(UI)装置15、スキャンユニット16、画像形成ユニット17と、現金自動精算機18と、ICカードリーダ42とを有する。これらの構成要素は、制御バス19を介して互いに接続されている。
【0048】
CPU11は、メモリ12又は記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12又は記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信インタフェース14に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0049】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0050】
本実施形態の画像形成装置10は、図3に示されるように、決済処理部31と、操作受付部32と、表示部33と、データ送受信部34と、制御部35と、画像読取部36と、データ記憶部37と、画像出力部38とを備えている。
【0051】
データ送受信部34は、課金サーバ20等の外部の装置との間でデータの送受信を行う。
【0052】
表示部33は、制御部35により制御され、利用者に各種情報を表示する。操作受付部32は、利用者(又はユーザとも呼ぶ。)からの画像形成装置10に対する各種操作を受け付ける。なお、本実施形態では、上記で説明した表示部33と操作受付部32とによりタッチパネルが構成される。
【0053】
そして、制御部35は、画像読取部36及び画像出力部38を制御して、プリント、コピー、スキャン等の各種サービスを実行する。データ記憶部37は、制御部35により生成された印刷データ等の各種データを記憶する。また、データ記憶部37には、各種サービスに対する料金単価がサービス毎に設定された課金テーブルの情報が記憶されている。
【0054】
画像出力部38は、制御部35による制御に基づいて、印刷用紙等の記録媒体上に画像を出力する。画像読取部36は、制御部35による制御に基づいて、セットされた原稿から原稿画像を読み取る。
【0055】
そして、決済処理部31は、ユーザに対して提供したサービスに対する対価の料金を決済する機能を行っている。
【0056】
制御部35は、ユーザによりコピー、プリント等のサービスの実行が選択されると、そのサービスに対する対価の料金を計算する。そして、制御部35は、決済処理部31を制御することにより、計算した料金を決済する。そして、決済が完了すると、制御部35は、ユーザにより選択されたサービスを実行する。
【0057】
ここで、プリント、コピー等の1回のサービスの実行に対する料金を、複数人により割り勘して支払うことが選択された場合、制御部35は、先ず、出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付ける。次に、制御部35は、決済を行う第2の出力部数の入力を受け付け、受け付けた第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済を行う。そして、制御部35は、第2の出力部数が第1の出力部数よりも少ない場合、第1の出力部数のうちの未決済の部数に対する料金を決済するための決済画面を表示部33に表示する。
【0058】
このような制御を行う場合、制御部35は、第2の出力部数が第1の出力部数よりも少ない場合、第1の出力部数から第2の出力部数を減算した部数を未決済の部数として、この未決済の部数以下の部数を第2の出力部数として受け付ける。
【0059】
そして、制御部35は、第2の出力部数の出力処理に対する決済処理後に未決済の部数から第2の出力部数を減算して未決済の部数がゼロとなった場合、決済処理を完了する。
【0060】
なお、制御部35は、第2の出力部数の入力後に出力設定が変更された場合には、変更された出力設定に基づく料金を、第2の出力部数に対する料金として決済する。例えば、白黒コピーとカラーコピーとで料金が異なる場合、第2の部数の入力後に印刷設定におけるカラーモードが白黒コピーからカラーコピーに変更された場合、制御部35は、カラーコピーの料金体系に基づいて料金の計算を行って、計算した料金の決済を行う。
【0061】
なお、制御部35は、全部数の出力処理に対する料金の決済が行われる前であっても、決済が行われた部数に対する出力処理を開始するようにしてもよい。
【0062】
この場合には、制御部35は、決済が行われた部数に対する出力処理と、第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済処理とを、少なくとも一部の区間において並行して実行するようにしてもよい。
【0063】
または、制御部35は、全部数の出力処理に対する料金の決済が完了後に、全部数の出力処理を開始するようにしてもよい。
【0064】
次に、本実施形態の画像形成装置10の動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0065】
本実施形態の画像形成装置10における制御部35の動作を図4のフローチャートに示す。なお、以下の説明においては、画像形成装置10を用いてある原稿のコピーを行う場合を用いて説明する。
【0066】
また、以下の説明においては、白黒コピーの料金が1枚30円であり、1枚の原稿を5部コピーして、2人のユーザが、それぞれ2部の料金と3部の料金とを分担して負担する場合を用いて説明する。
【0067】
まず、制御部35は、ステップS101において、コピーを行って印刷する全部数の入力を、操作受付部32を介してユーザから受け付ける。このような場合の操作画面例を図5に示す。図5を参照すると、1枚の原稿をコピーする全部数である5部という情報が操作画面上において入力されているのが分かる。ここで、制御部35は、入力された全部数である5部を未印刷の部数として設定する。
【0068】
なお、図5に示すように、画像形成装置10には、現金投入口41と、ICカードリーダ42とが設けられている。ユーザは、現金投入口41に現金を投入することにより現金による決済を行うことができる。また、ICカードリーダ42にICカードをタッチすることにより、予めチャージされたICカード又は交通系ICカードによる決済が可能となっている。
【0069】
また、図5に示す操作画面では、設定変更ボタン46が表示されている。この設定変更ボタン46を操作することにより、カラーモード、用紙サイズ、拡大/縮小倍率、両面/片面等の各種印刷設定を変更することが可能となっている。
【0070】
そして、ユーザが全部数の情報を入力して、原稿読み取りボタンを操作すると、制御部35は、ステップS102において、原稿画像を読み取るスキャン処理を実行する。このスキャン処理の実行中の操作画面例を図6に示す。
【0071】
スキャン処理が完了すると、制御部35は、ステップS103において、今回印刷する部数の入力をユーザから受け付ける。今回印刷する部数を受け付ける際の操作画面例を図7に示す。図7を参照すると、今回印刷する部数として2部という情報が操作画面上において入力されているのが分かる。ここで、制御部35は、現在の未印刷部数である5部の範囲内、つまり5部以下の部数を今回印刷部数として受け付ける。
【0072】
なお、制御部35は、この操作画面において設定変更ボタン46が操作された場合には、ステップS104において、印刷設定の変更を受け付ける。なお、ここでは特に印刷設定の変更が行われないものとして説明する。
【0073】
その後、ユーザは、2次元コード表示ボタン43、「現金でお支払い」と表示された操作ボタン44、又は、「ICカードでお支払い」と表示された操作ボタン45のいずれかを選択することにより、今回印刷する部数の印刷処理に対する料金の支払い方法を選択する。ここでは、ユーザが2次元コード表示ボタン43を操作して、2次元コード決済による決済方法を選択したものとして説明する。
【0074】
すると、制御部35は、ステップS105において、ユーザが選択した決済方法に基づいて、今回印刷する部数である2部の料金に対する決済処理を実行する。
【0075】
具体的には、制御部35は、図8に示すように、操作画面上に2次元コードを表示して、ユーザに対して2次元コード決済により料金を支払うよう促す。ここでは、ユーザは、全部数5部のうち、2部の料金、つまり60円を2次元コード決済により支払うことになる。
【0076】
そして、ユーザによる決済処理が完了すると、制御部35は、ステップS106において、決済が完了した2部の印刷処理を実行する。具体的には、制御部35は、図9に示すような操作画面を表示部33上に表示して、ユーザがプリントスタートボタンを操作することにより、2部の印刷処理を実行する。
【0077】
そして、制御部35は、ステップS107において、現在の未印刷の部数である5部から、今回印刷した2部を差し引いた残りの3部を未印刷の部数として設定する。
【0078】
その後、制御部35は、ステップS108において、未印刷の部数がゼロであるか否かを判定する。
【0079】
ここでは、未印刷の部数が3部であるため、制御部35は、未印刷の部数はゼロではないと判定して、ステップS103の処理に進む。
【0080】
ステップS103では、制御部35は、図10に示すような操作画面を表示して、今回印刷する部数の入力をユーザから受け付ける。図10を参照すると、現在の未印刷の部数が3部であり、制御部35は、この未印刷の部数以下の部数を今回印刷する部数として受け付ける。なお、図10では、今回印刷する部数として3部という情報が操作画面上において入力されているのが分かる。
【0081】
なお、制御部35は、この操作画面において設定変更ボタン46が操作された場合には、ステップS104において、印刷設定の変更を受け付ける。なお、ここでは特に印刷設定の変更が行われないものとして説明する。
【0082】
その後、ユーザが2次元コード表示ボタン43を操作して、2次元コード決済による決済方法を選択したものとして説明する。すると、制御部35は、ステップS105において、ユーザが選択した決済方法に基づいて、今回印刷する部数である3部の料金に対する決済処理を実行する。
【0083】
そして、ユーザによる決済処理が完了すると、制御部35は、ステップS106において、決済が完了した3部の印刷処理を実行する。
【0084】
そして、制御部35は、ステップS107において、現在の未印刷の部数である3部から、今回印刷した3部を差し引いて0部という値を未印刷の部数として設定する。
【0085】
その後、制御部35は、ステップS108において、未印刷の部数がゼロであるか否かを判定する。ここでは、未印刷の部数が0部、つまりゼロであるため、制御部35は、印刷処理を完了する。
【0086】
なお、上記では印刷処理の途中で印刷設定を変更しない場合を用いて説明したが、ユーザが図7、又は図10の操作画面において設定変更ボタン46を操作することにより印刷設定の変更を行うようにしてもよい。
【0087】
この場合、制御部35は、図11に示すような操作画面を表示部33上に表示し、ユーザによる印刷設定の変更を受け付ける。このように、制御部35は、全部数のうちの一部の部数の入力後に印刷設定が変更された場合には、変更された印刷設定に基づく料金を、一部の部数に対する料金として決済する。
【0088】
なお、図4のフローチャートでは、印刷する全部数のうちの一部の部数の入力を受け付けて、受け付けた一部の部数の出力処理に対する料金を決済する毎に、その一部の部数の出力処理を実行するものとして説明した。しかし、全部数の決済完了後に、全部数の印刷処理をまとめて実行するようにしてもよい。
【0089】
このような場合の処理を行う際の制御部35の動作について図12のフローチャートを参照して説明する。
【0090】
まず、制御部35は、ステップS101において、コピーを行って印刷する全部数の入力を、操作受付部32を介してユーザから受け付け、ステップS102において、原稿画像を読み取るスキャン処理を実行する。
【0091】
そして、スキャン処理が完了すると、制御部35は、ステップS103Aにおいて、今回決済する部数の入力をユーザから受け付ける。ここで、制御部35は、現在の未決済部数の範囲内で今回決済する部数を受け付ける。
【0092】
すると、制御部35は、ステップS105Aにおいて、ユーザが選択した決済方法に基づいて、今回決済する部数の出力処理の料金に対する決済処理を実行する。
【0093】
そして、ユーザによる決済処理が完了すると、制御部35は、ステップS107Aにおいて、現在の未決済の部数から、今回決済した部数を差し引いた残りの部数を未決済の部数として設定する。
【0094】
その後、制御部35は、ステップS108Aにおいて、未決済の部数がゼロであるか否かを判定する。
【0095】
このステップS108Aの処理において、未決済の部数がゼロではないと判定した場合、制御部35は、ステップS103A~S107Aの処理を繰り返す。そして、ステップS108Aの所定において、未決済の部数がゼロである、つまり全部数の出力処理に対する料金の決済が完了していると判定した場合、制御部35は、ステップS109において、全部数の印刷処理を実行する。
【0096】
[第2の実施形態]
次に、本開示の第2の実施形態における画像形成装置10について説明する。
【0097】
なお、本実施形態においては、制御部35における処理が第1の実施形態とは一部異なるのみであり、その他の構成要素については同じであるため、異なる部分のみについて説明する。
【0098】
本実施形態における制御部35は、出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付け、1人の利用者が料金を負担する部数である第2の出力部数の入力を受け付けると、全部数に対する料金に達するまで、受け付けた第2の出力部数毎に料金の決済を行う。
【0099】
このような処理を行う場合には、制御部35は、料金の決済毎の設定変更が不要の旨が入力された場合、第2の出力部数毎の料金の決済を利用者による操作を必要とすることなく連続して行うようにしてもよい。
【0100】
本実施形態における制御部35の動作について図13のフローチャートを参照して説明する。
【0101】
なお、以下の説明においては、白黒コピーの料金が1枚30円であり、4枚からなる原稿を6部コピーして、6人のユーザが、それぞれ1部の料金を負担する場合を用いて説明する。
【0102】
まず、制御部35は、ステップS201において、コピーを行って印刷する全部数である6部という情報の入力を、操作受付部32を介してユーザから受け付け、ステップS202において、原稿画像を読み取るスキャン処理を実行する。
【0103】
そして、スキャン処理が完了すると、制御部35は、ステップS203において、1人の利用者が料金を負担する部数の入力をユーザから受け付ける。このように1人の利用者が料金を負担する部数を入力する際の操作画面例を図14に示す。この図14に示したような操作画面では、例えば、1部という値が初期値として入力されている。つまり、利用者が何も操作しない場合には、原則1人の利用者が負担する部数は1部に設定されることになる。そして、図14に示した操作画面では、設定変更不要ボタン47が表示されている。この設定変更不要ボタン47をオン状態とすることにより、部数毎に料金の決済を行う際に設定変更が不要、つまり同じ印刷設定による料金の決済が連続して行われることになる。
【0104】
次に、ユーザが料金の決済方法を選択すると、制御部35は、ステップS204において、ユーザが選択した決済方法により、1人の利用者が料金を負担する部数毎に料金の決済処理を実行する。このような決済処理が行われる際の操作画面例を図15に示す。
【0105】
図15を参照すると、1部の印刷に対する料金を決済するための2次元コードが操作画面上に表示されているのが分かる。ユーザが、この2次元コードをスマートフォン等により撮影することにより、1部の印刷処理に対する料金の決済が行われる。制御部35は、ステップS205において、全部数の決済が完了することが確認できるまでステップS204の処理を繰り返す。
【0106】
そのため、図14に示した操作画面において設定変更不要ボタン47がオン状態となっていれば、1部の印刷処理に対する決済が完了すると、次の1部の印刷処理に対する料金の決済のための2次元コードが操作画面上に表示されることになる。つまり、6人がそれぞれ1部ずつの料金を負担する場合には、順次表示される2次元コードを利用した決済処理を順次行えばよい。また、現金による決済を行う場合には、6人のユーザが順次、現金を現金投入口41に投入すればよい。
【0107】
そして、ステップS205において全部数の決済が完了したと判定した場合、制御部35は、ステップS206において、全部数の印刷処理を実行する。具体的には、図16に示すように、全部数である6部の決済が完了した状態になるとプリントスタートボタンが有効になり、ユーザがこのプリントスタートボタンを操作することにより全部数である6部の印刷処理が実行される。
【0108】
なお、本実施形態においても、制御部35は、全部数の出力処理に対する料金の決済が完了後に、全部数の出力処理を開始するようにしてもよいし、全部数の出力処理に対する料金の決済が行われる前であっても、決済が行われた部数に対する出力処理を開始するようにしてもよい。
【0109】
具体的には、全部数の決済が完了する前に、決済が完了した部数に対する印刷処理を開始して、決済が行われた部数に対する出力処理と、未決済の部数に対する料金の決済処理とを並行して実行するようにしてもよい。
【0110】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態における画像形成装置10について説明する。
【0111】
なお、本実施形態においては、制御部35における処理が第1及び第2の実施形態とは一部異なるのみであり、その他の構成要素については同じであるため、異なる部分のみについて説明する。
【0112】
本実施形態における制御部35は、出力する全部数の入力を受け付け、出力処理に対する料金を分担する利用者の数の入力を受け付けると、全部数を利用者の数により除算して割り切れた場合、その除算結果における商の出力部数毎に、出力処理に対する料金の決済を行う。
【0113】
なお、本実施形態においては、全部数を利用者の数により除算して割り切れなかった場合、制御部35は、出力する全部数、出力処理に対する料金を分担する利用者の数、又は、利用者と料金を負担する部数との関係のいずれかを修正するよう利用者に通知するようにしてもよい。
【0114】
本実施形態における制御部35の動作について図17のフローチャートを参照して説明する。
【0115】
なお、以下の説明においては、白黒コピーの料金が1枚30円であり、4枚からなる原稿を6部コピーして、3人のユーザが、それぞれ2部の料金を負担する場合を用いて説明する。
【0116】
まず、制御部35は、ステップS301において、コピーを行って印刷する全部数である6部という情報の入力を、操作受付部32を介してユーザから受け付け、ステップS302において、原稿画像を読み取るスキャン処理を実行する。
【0117】
そして、スキャン処理が完了すると、制御部35は、ステップS303において、料金を負担する人数である割り勘人数をユーザから受け付ける。このように料金を負担する人数を入力する際の操作画面例を図18に示す。この図18に示したような操作画面では、料金を負担する人数として3人という情報が入力されている場合が示されている。
【0118】
次に、制御部35は、ステップS304において、全部数が料金を負担する人数で割り切れるか否かを判定する。
【0119】
ステップS304において全部数が料金を負担する人数で割り切れると判定した場合、制御部35は、ステップS305において、1人の利用者が料金を負担する部数毎に料金の決済処理を実行する。このような決済処理が行われる際の操作画面例を図19に示す。
【0120】
図19を参照すると、2部の印刷に対する料金を決済するための2次元コードが操作画面上に表示されているのが分かる。ユーザが、この2次元コードをスマートフォン等により撮影することにより、2部の印刷処理に対する料金の決済が行われる。制御部35は、ステップS306において、全部数の決済が完了することが確認できるまでステップS305の処理を繰り返す。
【0121】
そのため、図18に示した操作画面において設定変更不要ボタン47がオン状態となっていれば、2部の印刷処理に対する決済が完了すると、次の2部の印刷処理に対する料金の決済のための2次元コードが操作画面上に表示されることになる。つまり、3人がそれぞれ2部ずつの料金を負担する場合には、順次表示される2次元コードを利用した決済処理を順次行えばよい。また、現金による決済を行う場合には、3人のユーザが順次、現金を現金投入口41に投入すればよい。
【0122】
そして、ステップS306において全部数の決済が完了したと判定した場合、制御部35は、ステップS307において、全部数の印刷処理を実行する。
【0123】
なお、本実施形態においても、制御部35は、全部数の出力処理に対する料金の決済が完了後に、全部数の出力処理を開始するようにしてもよいし、全部数の出力処理に対する料金の決済が行われる前であっても、決済が行われた部数に対する出力処理を開始するようにしてもよい。
【0124】
具体的には、全部数の決済が完了する前に、決済が完了した部数に対する印刷処理を開始して、決済が行われた部数に対する出力処理と、未決済の部数に対する料金の決済処理とを並行して実行するようにしてもよい。
【0125】
次に、ステップS304において全部数が料金を負担する人数で割り切れないと判定した場合、制御部35は、ステップS308において、図20に示すような警告表示画面を表示して、全部数又は料金を負担する人数等の変更を受け付ける。
【0126】
図20に示す警告表示画面を参照すると、「全部数が割り勘人数で割り切れません。以下のいずれかの方法で修正をしてください。」という文章が表示されているのが分かる。そして、図20に示した警告表示画面には、「全部数を変更」と表示された操作ボタン51、「割り勘人数を変更」と表示された操作ボタン52、「その他」と表示された操作ボタン53が表示されているのが分かる。
【0127】
ここで、ユーザが、操作ボタン51を操作すると、印刷する全部数の変更が可能となる。また、ユーザが、操作ボタン52を操作すると、割り勘人数の変更が可能となる。さらに、操作ボタン53を操作すると、図21に示すような操作画面が表示されて、各利用者と料金を負担する部数との対応関係を設定することが可能となる。図21に示した操作画面例では、1人目から3人目のユーザがそれぞれ1部の料金を負担し、4人目のユーザが3部の料金を負担するように設定されているのが分かる。
【0128】
このような修正が行われることにより、ステップS304において、制御部35は、全部数が料金を負担する人数により割り切れると判定されることになり、ステップS305において、利用者毎の料金の決済処理が実行される。
【0129】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0130】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0131】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0132】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付け、
決済を行う第2の出力部数の入力を受け付け、受け付けた前記第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済を行い、
前記第2の出力部数が前記第1の出力部数よりも少ない場合、前記第1の出力部数のうちの未決済の部数に対する料金を決済するための決済画面を表示する、
画像形成装置。
【0133】
(((2)))
前記プロセッサは、前記第2の出力部数が前記第1の出力部数よりも少ない場合、前記第1の出力部数から前記第2の出力部数を減算した部数を未決済の部数として、当該未決済の部数以下の部数を前記第2の出力部数として受け付ける、
(((1)))記載の画像形成装置。
【0134】
(((3)))
前記プロセッサは、前記第2の出力部数の出力処理に対する決済処理後に前記未決済の部数から前記第2の出力部数を減算して未決済の部数がゼロとなった場合、決済処理を完了する、
(((2)))記載の画像形成装置。
【0135】
(((4)))
前記プロセッサは、前記第2の出力部数の入力後に出力設定が変更された場合には、変更された出力設定に基づく料金を、前記第2の出力部数に対する料金として決済する、
(((1)))から(((3)))のいずれか1つ記載の画像形成装置。
【0136】
(((5)))
前記プロセッサは、全部数の出力処理に対する料金の決済が行われる前であっても、決済が行われた部数に対する出力処理を開始する、
(((1)))から(((4)))のいずれか1つ記載の画像形成装置。
【0137】
(((6)))
前記プロセッサは、決済が行われた部数に対する出力処理と、前記第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済処理とを、少なくとも一部の区間において並行して実行する、
(((5)))記載の画像形成装置。
【0138】
(((7)))
前記プロセッサは、全部数の出力処理に対する料金の決済が完了後に、全部数の出力処理を開始する、
(((1)))から(((3)))のいずれか1つ記載の画像形成装置。
【0139】
(((8)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付け、
1人の利用者が料金を負担する部数である第2の出力部数の入力を受け付けると、前記全部数に対する料金に達するまで、受け付けた前記第2の出力部数毎に料金の決済を行う、
画像形成装置。
【0140】
(((9)))
前記プロセッサは、料金の決済毎の設定変更が不要の旨が入力された場合、前記第2の出力部数毎の料金の決済を利用者による操作を必要とすることなく連続して行う(((8)))記載の画像形成装置。
【0141】
(((10)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
出力する全部数の入力を受け付け、
出力処理に対する料金を分担する利用者の数の入力を受け付け、前記全部数を前記利用者の数により除算して割り切れた場合、その除算結果における商の出力部数毎に、出力処理に対する料金の決済を行う、
画像形成装置。
【0142】
(((11)))
前記プロセッサは、前記全部数を前記利用者の数により除算して割り切れなかった場合、出力する全部数、出力処理に対する料金を分担する利用者の数、又は、利用者と料金を負担する部数との関係のいずれかを修正するよう利用者に通知する(((10)))記載の画像形成装置。
【0143】
(((12)))
出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付けるステップと、
決済を行う第2の出力部数の入力を受け付け、受け付けた前記第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済を行うステップと、
前記第2の出力部数が前記第1の出力部数よりも少ない場合、前記第1の出力部数のうちの未決済の部数に対する料金を決済するための決済画面を表示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0144】
(((13)))
出力する全部数である第1の出力部数の入力を受け付けるステップと、
1人の利用者が料金を負担する部数である第2の出力部数の入力を受け付けると、前記全部数に対する料金に達するまで、受け付けた前記第2の出力部数毎に料金の決済を行うステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0145】
(((14)))
出力する全部数の入力を受け付けるステップと、
出力処理に対する料金を分担する利用者の数の入力を受け付け、前記全部数を前記利用者の数により除算して割り切れた場合、その除算結果における商の出力部数毎に、出力処理に対する料金の決済を行うステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0146】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0147】
(((1)))の画像形成装置によれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0148】
(((2)))の画像形成装置によれば、料金の決済を行う部数の合計が第1の出力部数を超えることを防ぐことができる。
【0149】
(((3)))の画像形成装置によれば、出力する全部数の出力処理が完了するまで処理を継続させることができる。
【0150】
(((4)))の画像形成装置によれば、出力処理に対する決済を行う毎に出力設定を変更することが可能となる。
【0151】
(((5)))の画像形成装置によれば、全部数に対する料金の決済が完了してから全部数に対する出力処理を開始する場合と比較して、出力処理が完了するまでの時間を短縮することができる。
【0152】
(((6)))の画像形成装置によれば、決済が行われた部数に対する出力処理と、第2の出力部数の出力処理に対する料金の決済処理とを、それぞれ独立して実行する場合と比較して、出力処理が完了するまでの時間を短縮することができる。
【0153】
(((7)))の画像形成装置によれば、決済が行われた部数毎の出力処理を実行する場合と比較して、出力処理の実行回数を削減することができる。
【0154】
(((8)))の画像形成装置によれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0155】
(((9)))の画像形成装置によれば、料金の決済毎に利用者が操作を行う手間を省くことが可能となる。
【0156】
(((10)))の画像形成装置によれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0157】
(((11)))の画像形成装置によれば、利用者が全部数を割り切ることができないような利用者の数を入力した場合でも、出力処理を行うことが可能となる。
【0158】
(((12)))のプログラムによれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0159】
(((13)))のプログラムによれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【0160】
(((14)))のプログラムによれば、1回の出力処理に対する料金を複数の利用者により分担して決済することが可能となる。
【符号の説明】
【0161】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 スキャンユニット
17 画像形成ユニット
18 現金自動精算機
19 制御バス
20 課金サーバ
30 インターネット
31 決済処理部
32 操作受付部
33 表示部
34 データ送受信部
35 制御部
36 画像読取部
37 データ記憶部
38 画像出力部
41 現金投入口
42 ICカードリーダ
43 2次元コード表示ボタン
44、45 操作ボタン
46 設定変更ボタン
47 設定変更不要ボタン
51~53 操作ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21