(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100632
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】海洋面の海塩粒子発生の仕組みを応用した、装置筐体内にナノ・プラズマ粒子水(0.15~1.0nm)を発生し、その粒子を液中に加圧溶解させて機能水としてなるナノ・プラズマ粒子水生成装置。
(51)【国際特許分類】
B01F 23/213 20220101AFI20240719BHJP
B01F 25/72 20220101ALI20240719BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20240719BHJP
C02F 1/50 20230101ALI20240719BHJP
B01F 21/20 20220101ALI20240719BHJP
B01F 101/25 20220101ALN20240719BHJP
【FI】
B01F23/213
B01F25/72
B01F35/71
C02F1/50 531B
C02F1/50 540B
C02F1/50 550D
B01F21/20
B01F101:25
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023019493
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】517017481
【氏名又は名称】天羽 玲子
(72)【発明者】
【氏名】天羽 則博
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4G035AA01
4G035AB04
4G035AC40
4G035AE13
4G037AA01
4G037AA02
4G037EA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】装置筐体内において、ナノ・プラズマ粒子水(0.1~1.0nm粒径)を生成させる装置を提供する。
【解決手段】ナノ粒子水生成装置筐体1は、噴霧室兼空気加圧混合室11及びナノ粒子水貯留槽12と10~100nm粒径沈殿槽13を兼ね備えた筺体とし、該噴霧室兼空気加圧混合室は空気循環取入れ口と空気チャンバー室17を設け、両者間には空気流通制御ベンチュリー隔壁14が設けられ隔壁板及び中仕切り板により狭隘空間が形成されている。該噴霧室兼空気加圧混合室の空間においては、ナノ粒子水を墳出し加圧ファンにより、ナノ粒子水が貯留槽12に溶解溶存して行くことになる。ナノ・プラズマ粒子生成装置筐体2は、エアーコンプレッサー35とナノ・プラズマ生成室34内に特殊ノズルユニット6個を設けている。これらでナノ・プラズマ粒子水を生成する装置を構築している。筐体の下部にナノ・プラズマ粒子水を貯蔵する水槽を設けている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明装置は海洋面に浮遊している超微細粒子成分である大気中の二酸化炭素ガス、エアロゾル粒子、酸素等の物質を海洋面の海水液中内に溶存させている。その仕組みは、海洋面に風力等によって起こる波を発生させ、そのエネルギーにより、同時に海塩粒子(1.0~10.μm粒径)を生成し、その海塩粒子のエネルギーが海洋面に浮遊している超微細粒子成分を浄化する仕組みをつくっている。この自然界の摂理を組み込んだのが本発明の装置1.である。大気中のそれらの成分を水溶液中(鉄、マンガン、カルシウム、ナトリウム、マグネシウムイオン及びその他ミネラル類の電解質イオンが混入した電気伝導度が300μs/cm以上の水溶液をいう)に溶存させて、その水溶液をナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm粒径)、ナノ粒子水(1.0nm粒径)を生成することとなりそれは特殊な機能水としてなる。本発明装置の主要構成パーツは、ナノ粒子水(粒径1.0nm)生成装置筐体▲1▼.ナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm)生成装置筐体▲2▼、水貯留タンク▲3▼.ナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm粒径)貯留タンク▲32▼.高圧水ポンプ▲5▼.ナノ粒子水(1.0nm粒径)高圧ポンプ▲20▼.エアーコンプレッサー▲35▼.以上の主要パーツにて構築されている。ナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置筐体▲1▼は、噴霧室兼空気加圧混合室▲11▼.内に空気を送風する▲10▼加圧送風機ファン▲10▼.により空気を取り込み,該噴霧室兼空気加圧混合室▲11▼.ではナノ粒子水(粒径1.0nm)を噴霧し取込まれた空気中の成分とナノ粒子水と共に該空気加圧混合室▲11▼.において加圧と水蒸気分圧力の差圧により、ナノ粒子水(1.0nm)は、取込まれた空気の流れにそって、噴霧室兼空気加圧室▲11▼.内のナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置筐体▲1▼.の空気の流れの下流側の側壁である、空気・粒径制御ベンチュリー隔壁▲14▼.の下部付近から空気・粒径制御ベンチュリ―中仕切り板▲15▼.との狭隘空間に上昇した空気がナノ粒子水と共に最上部に上昇しその上部に達してからユータウンし次の、空気・粒径制御ベンチュリー隔壁▲16▼との間に設けられた狭隘空間を下部方向に流れて、空気チャンバー室▲17▼.へと流れていくこととなる。3箇所の隔壁及び中仕切り板14.15.16.の役割は、噴霧室兼空気加圧混合室▲11▼の、空間及び3面の側壁と天板において生成される2.0~100nm粒径水を上記記載の空気・粒径制御ベンチュリ―隔壁・中仕切り▲14▼▲15▼▲16▼を経由して空気チャンバーへ空気と共に送られる。そして沈殿槽▲13▼へと沈澱されることとなる。これらの装置全体が,ナノ粒子水(1.0nm)及びナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm)を個数密度100%を生成することが可能となる。また、ナノ粒子水(1.0nm)及びナノ・プラズマ粒子(0.15~0.5nm)は、機能水として、-30℃(摂氏温度)に達するまで凝結(凍結))しない特徴を有することが、本発明装置の大きな特徴である。
【請求項2】
本発明装置の、ナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm粒径)生成装置筐体▲2▼.は、該生成装置筐体内▲2▼の圧力をエア-コンプレッサー▲35▼を使用し装置筐体内の圧力を1.0Mpaに維持する。ナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置筐体▲1▼にて生成されたナノ粒子水(1.0nm)をナノ粒子水(1.0nm)高圧ポンプ▲20▼にてナノ粒子水配管▲21▼を経由してナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm)生成装置筐体▲2▼に配管内圧力7.mpaに保ったナノ粒子水(1.0nm)を該生成装置筐体▲2▼内の特殊ノズル▲22▼▲23▼▲24▼▲25▼▲26▼▲27▼から吐出されて、球玉▲28▼▲29▼▲30▼へ流速1000m/時の速度で球玉に衝突することからナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm)を生成することが可能になる。生成装置筐体▲2▼にて生成されたナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm粒径)は、減圧弁▲32▼により1.0Mpaから大気圧まで減圧される。減圧されたナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm)はナノ・プラズマ粒子配管▲31▼を経由して、ナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm粒径)貯溜タンク▲32▼に送られ蓄えることになる。ナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm)を個数密度100%生成することが可能となる、本発明装置の大きな特徴である。
【請求項3】
本発明装置のナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置筐体▲1▼の、ナノ粒子水(1.0nm粒径)の生成されるプロセスを説明する。水貯留タンク▲3▼にて水が貯えられる。給水管▲4▼にて高圧水ポンプ▲5▼からナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置筐体▲1▼の内部に構成されている特殊ノズル▲7▼▲8▼▲9▼に高圧給水管▲6▼を用いて供給される。その圧力は7.0Mpaを維持して特殊ノズル▲7▼▲8▼▲9▼を経由して特殊球玉に高速毎時500Kmの高速で衝突することによりナノ粒子水(1.0nm)が生成されることが本発明装置の大きな特徴である。
【請求項4】
本発明装置のナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置筐体▲1▼の、噴霧室兼空気加圧混合室▲11▼.内に設置する特殊ノズルユニット22.23.24.28.29.30.に使用する、特殊ノズルは、内径0.02~0.1mmの円錐形の形状をし、その特殊ノズルからの圧力(7.0~12Mpa)をもって,球玉25.26.27.に高速度の速度で衝突しナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm粒径)の生成が可能となる。本発明装置の大きな特徴である。
【請求項5】
本発明装置のナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm粒径)生成装置筐体▲2▼に使用する、特殊ノズル▲7▼▲8▼▲9▼は、内径0.05~0.1mmの円錐形の形状をし、その特殊ノズルからの圧力(7.0~12Mpa)をもって,球玉▲7▼-4.▲8▼-5.▲9▼-6.に高速度の速度で衝突しナノ粒子水(1.0nm粒径)生成が可能となる。本発明装置の大きな特徴である。
【請求項6】
本発明装置のナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置▲1▼の形状は、直方体の形状(平面と立面の比率は2:4)及び平面は正四角形である。底面は角錐とし中心にナノ粒子水が排出し易い出口配管用取りだし口を設ける。材質はステンレス製が防食性、ロングライフ性能、点検性から総合的な観点から本発明装置の材質及び形状の特徴である。
【請求項7】
本発明装置の、ナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm粒径)生成装置筐体▲2▼の形状は、円筒横型の形状(断面と横寸法の比率は1:3)が有効である。底面にナノ粒子水が貯留を有効にするのに一部底を50mm程度団落ちする形状とする。その底部にナノ・プラズマ粒子水が排出し易い出口配管用取りだし口を設ける。材質はステンレス製が防食性、ロングライフ性能、点検性から総合的な観点から本発明装置の材質及び形状の特徴である。
【請求項8】
本発明装置にて生成される、ナノ粒子水(1.0nm粒子)は、その粒子個数は1ml当たり約
10μs/cmの値を示すこと。上記の性能数値は機能水として、ナノ粒子水(1.0nm)発生することができることが本発明装置の大きな特徴である。
【請求項9】
本発明の装置で生成される、ナノ粒子水(1.0nm粒径)及びナノ・プラズマ粒子水(0.15~0.5nm粒径)の大きな特徴は、例えば、生成する粒度分布を0.1~0.3nm、0.3~0.5nm、1.0~2.0nm2.0~5.0nmに任意に生成することが出来ることが本発明装置の大きな特徴である。また、本装置によって生成される、例えば、粒子口径1.0nmの大きさでは気泡粒子が消滅時に発生する圧力破壊エネルギーは強大な力が生ずる。その力は300気圧と同じエネルギーが生ずると言われている。例えば一つの応用として、このエネルギーの特徴による大きな効果は例として、排水浄化槽に流入している、大腸菌、カビ,胞子、一般細菌、無機物、有機物等の殺菌分解、凝集沈殿能力が格段と向上することになる。その効果は計り知れない。これらの効果により凝集剤、分離化成品、ブロアエネルギー等の減少により、ランニングコストの大幅な削減となる。また本装置の応用先分野は、消毒剤・農薬・食品等の代替品となりそして薬品等が一切含有しない安心安全な製品となることが可能になることが本発明装置の大きな特徴である。
【請求項10】
本発明装置はナノ粒子水(粒径1.0nm)、個数密度(100%),及びナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm)個数密度(100%)の粒子水を安定して生成することが、本発明装置の大きな特徴である。個数密度(%)とは、容積あたり生成される粒子個数の数量を%で示す値のこと。
【請求項11】
本発明のナノ粒子水(粒径0.1~1.0nm)の生成技術は給水管、高圧ポンプ、特殊ノズル、球体を装置に構築することにより、ナノ粒子水(粒径0.28~1.0nm)が生成されることが本発明装置の大きな特徴である。
【請求項12】
本発明装置の、ナノ粒子水(1.0nm粒子)生成装置筐体▲1▼の、低温高湿度空気を含んだ吸込み室チャンバー▲17▼から空気供給管▲18▼を経由して運ばれた空気を、空気供給送風機▲10▼、を用いて噴霧室兼空気加圧室混合室▲11▼へ加圧及び整流を目的に供給されることが本発明装置の特徴である。
【請求項13】
本発明装置にてされるナノ粒子水(粒径1.0nm)の該噴霧室兼空気加圧混合室▲11▼.は底部に機能水を貯えるその深さを任意に設定することが出来る。その技術は1.0nm粒径(個数密度100%)の水溶液をナノ粒子水(1.0nm粒径)貯留槽へ貯留することが本発明装置の特徴である。
【請求項14】
本装置の噴霧室兼空気加圧混合室▲11▼.を複数個連結することにより、機能水の性能を示す粒度分布装置から測定解析される、機能水のナノ粒子水(粒径1.0nm)とナノ・プラズマ粒子水(0.15~0.5nm粒径)のそれぞれ分布に制御可能とする生成装置である。又粒子個数も測
ることが可能になる装置であることが本発明装置の大きな特徴である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明装置のナノ・プラズマ粒子水(粒径0.1~1.0nm)は海洋面に浮遊している、大気中の超微細水粒子水、二酸化炭素ガス、エアロゾル粒子粉塵等の超微細粒子が水蒸気分圧の圧力差により、海水に溶解されている仕組みを応用し、大気中の成分を圧力差等により水用液中に取り込み該装置にナノ微細粒子水等を混入して機能水としてなるナノ・プラズマ粒子水発生装置をなしたものである。その仕組みは地球の海水温度に大きく影響される、海水温度の高い、赤道直下付近では二酸化炭素等の超微細粒子は海水から大気に移動する、海水温度の低い北南半球では、それぞれの二酸化炭素ガス等のその成分の分圧力の差により又加圧圧力によりそれらの超微細粒子成分等が海水に溶解されている。その仕組みは海洋面に浮遊している超微細粒子成分が膜状の海塩フィルム粒子と凝集吸着する特性をもっている。これは風が吹き渡る海面においては常に波が生成され砕け散って波しぶきが上がる。しかしこれはすぐに重力落下してしまう。ここで発生する海塩粒子の生成は波頭の破砕の際に海中に巻き込まれた空気により生じた泡が海面で破裂することにより引き起こされる。ここで生成された膜状のフィルム粒子の口径は0.1~10μm程度であると言われている.海塩粒子の生成機構によりフィルム粒子及びユニット液層が生成・構築することが出来る.wood cockをはじめとする多くの科学研究者による実験から海塩粒子の生成機構及びその効果が明らかになってきた。現在では世界中で大気に発生する二酸化炭素の約40%が海水に溶解されている事が、明らかになって来た。
【背景技術】
【0002】
現在日本及び世界に存在する水の細粒化技術は、液中ナノバブル技術である。現在経済産業省、企業、大学、研究機関等あげて、独自の技術蓄積と国際標準化に向けて取り組んでいるところであり。この革新技術商品の利用範囲は農業分野、医療分野、食品分野、インフラ分野等非常に広範にわたる裾野の広い技術である。この技術関連産業は供給側では、製造装置メーカー、製造部品メーカー、計測器メーカー、エンジニアリング会社等多くの企業が関係し、需要側でも、土木関連、医療関連、薬品関連、化粧品関連、半導体関連、食品関連、更には農林水産関連まで多くのアプリケーションが関係する分野横断的特徴を有しており、技術の供給、需要双方の産業(ファインバブル産業)は、今後、自動車、家電等と同様に日本を代表する基幹産業となり、更には、世界的にも大きな市場を有する将来型産業となる可能性まで秘めていると考えられている。現在の粒子口径の極小生成技術、極限密度個数、溶存酸素高濃度等の技術の値は低く大きな効果がないことから広がっていない。これから更なる安定生成技術等の確立が急務である。
【先行技術文献】
【0003】
日本発のナノバブルの技術の開発経緯から考えると、マイクロバブルとは発生時の気泡直径が50μm以下の気泡であり通常の気泡が水中を急速に上昇して表面で破裂して消えるのに対して、水中で縮小していき、ついには消滅「完全溶解」してしまう。その中でも水中での消滅時におけるフリーラジカルの発生とナノバブルとしての残存が重要である。フリーラジカルは化学物質の分解性に優れているため、例えば水処理に使える。一方では1μm以下の極小気泡であり、ある程度の長時間、水中に存在している。このようなナノバブルを効率的に発生させる為にはある程度の電解質を含んだ水中でマイクロバブルを発生させ、これを自然な状態で浮遊させたり、簡単な物理的刺激を加えたりする必要がある。これにより縮小過程におけるマイクロバブルの周囲に電界質イオン類が高濃度に集積し、気泡内部の溶解を抑制する作用が生まれるため、結果的に極微小な気泡として長期に安定化する。ナノバブルは、気泡としての特性を失いかけている存在として認識できるが、一方において極めて興味深い特性を水に与える。いわゆる機能水としての作用である
【0004】
現在日本におけるナノバブルの生成する方法とび特性について下記に記載する。
溶解型マイクロバブル発生装置。酸素等の気体は水中に溶解する。気体の種類によって溶解量には違いがあるが、基本的に特性として圧力に比例して気体の溶解量も増加する、加圧溶解型のマイクロバブル生成方法はこの特性を利用したものであり、ある程度の高圧で十分な量の気体を水中に溶解させた後、その圧力を開放してやることで溶解した気体の過飽和条件を作り出す。これにより過剰に溶解した気体は不安定な状態になり、過飽和部分の気体分子は水から飛び出そうとする。その結果水中に大量の気泡を発生させる。基本的なシステム構成は加圧駆動が可能なポンプを利用して水槽内の水を循環させる。この時に吸引側からは水と気体を取り込む。これらは押出し側から水槽内に排出されるが、先端にノズルが取り付けてあり、水流の流動抵抗と成るなるため押出し側の圧力が上昇する。一般的には3~4気圧程度の圧力に調整されている。押出し側の経路内には溶解槽が設けられており、吸引時に取り込んだ気体を水中に効果的に溶解させる。これにより生成された、一つの気泡の粒子径は10μmを中心粒径とし、二つ目はややブロードな分布を示すピークである。加圧溶解型のマイクロバブル発生装置の場合、50μm以下の気泡個数は1mlあたり数千個となる。下記に溶解型マイクロナノバブル発生装置の概念図を示す。
気液二相流旋回型マイクロバブル発生装置
一般的に利用されているマイクロバブルの発生手法であり、水流を起こして渦を発生させ、渦内に気体を巻き込み、この渦を崩壊させた時に気泡がバラバラに細分化する現象を利用している。渦の発生方法には多くの手法があり、多種類のマイクロバブル発生装置として市販されている。下記に示すのはその概念図である。これは配管の出口付近に傾斜のついた羽根を装着し、水流が通過するときに旋回流を発生させる。水流は気体を含んでおり、この渦流を崩壊させることでマイクロバブルを発生させる。渦流を崩壊させる方法としては、配管中の障害物を利用する場合もあるが一般的にはバルク水中に渦を放出する方法が利用されている。水槽内の水は止まった状態に相当するので、ノズル部から水槽内に吐き出された渦は瞬間的に崩壊する。これにより渦中の気泡は細分化されマイクロバブルになる。渦を作る方法としては、シャフトにプロペラを取り付けて管内で回転させる方法や、円筒もしくは卵状の容器内に水流を送り込み容器内での水流の回転半径を小さくすることで、強い渦流を発生させる方法などがある。ここで発生された気泡の粒径分布は30μm前後を中心に最少4μmと最大55μmに分布している。気泡個数は1mlあたり3000~5000個位である。
下記に気液二相流旋回型マイクロバブル発生装置の粒径分布と概念図を示す。
【0005】
現在ナノバブルの応用として、これは酸素ナノバブルとかオゾンナノバブルと呼ばれている物があり、直径が100μm以下で半減期が数か月と非常に長い。酸素ナノバブル水には生物に対する活性効果をオゾンナノバブル水には強力な殺菌効果を認めている。これらのナノバブルを利用して医療や食品、バイオなどを始めとする分野で応用に向けた取り組みが進められている。
【0006】
マイクロバブルの大きな特性として、まず一つ目に、自己加圧効果がある。マイクロバブルは水中で縮小し、ついには消滅する特性を有している。この水中での消滅という現象が、マイクロバブルに非常に面白い特性を与えている。その一つが内部圧力の上昇である。計算上の話ではあるが、消滅の瞬間には無限大の圧力を形成させる。また、この特性は水中への気体の溶解に大きな影響を与えており,飽和濃度以上の気体の溶解を可能にする。これは工学的にも重要な意味をもつ。ここでは内部圧力の増加に関連した事象について紹介する。
【0007】
マイクロバブルが自己加圧するときにおきる、気泡の上昇速度は、その工学的な応用について検討する上で非常に重要な要素である。そこで透明な希少セルに導いたマイクロバブルを、内部対流が無い状態でマイクロスコープにより観測した。得られた画像データはパソコンに取り込み画像解析を」行って気泡径と上昇速度の関係を求めた。室温、大気圧環境の測定条件で、蒸留水中における空気のマイクロバブルの測定データを下記に示す。ここにはマイクロバブル
ノ上昇速度入れる。
【0008】
マイクバブルの二つ目の特性について、内部圧力の上昇について、気泡は気液界面により取り込まれた存在であり、その界面には水の表面張力が作用する。表面張力はその表面を小さくするように作用するため,球形の界面を持つ気泡によって、表面張力はその内部の気体を圧縮する力として機能する。環境圧に対しての気泡内部の圧力上昇は理論的にyong-laplaceの次の式により求められる。△p-=4σ/D △pは圧力上昇程度,σは表面張力,Dは気泡直径、である。直径が10μmの微小気泡では約0.3気圧、直径1μmでは約3気圧の圧力上昇となる。気体はヘンリーの法則に従って溶解するため、加圧された気体は効率的に周囲の水に溶解していく。
図9にはマイクロバブルの水中での縮小を実測したデータを示す。圧力の上昇は気体の溶解速度を増加させるため,非表面積の増加と相まって、気泡が小さくなるほど縮小速度も大きくなる。そして最終的には水中で消滅する。
【0009】
マイクロバブルの溶解ガス濃度の増加について気体を溶解させるという目的において、マイクロバブルの内部気圧の上昇「自己加圧効果」は重要である。通常のバブリングにおいては、気体の溶解には環境圧に関連した飽和圧が存在する。大気圧環境下では、一気圧に対応する溶解量以上に気体が溶け込むことはない。ところがマイクロバブルの場合、気泡内の圧力が環境圧力より高いため、水に溶け込む気体の溶解量は大気圧から想定されるよりも若干の過飽和条件まで踏み越す現象が認められる。これは水槽内において、表面における気体のやり取りは大気圧に規定されるが、内部における気体の溶解はマイクロバブルの状況に左右されるためである。なおこの飽和度は極端に大きなものではなく、気泡の粒径分布とのバランスで値が決定される。すなわち、水中に浮遊するマイクロバブルは大きさにバラツキを持つため、あるレベルよりも小さなマイクロバブルは縮小しながら気体を水中に溶解させるがそれよりも大きな気泡は、逆に水中に溶解した気体を取り込み、大きな気泡へと成長を始める。溶解気体量はこれらのバランスにより一
件を実現している。湖や港などの閉鎖性水域の環境汚染の最大の要因の一つは低層部の酸素欠乏である。特に夏場においては温度成層が形成されて表層の酸素を含んだ水が低層部にまで循環しないため、低酸素や無酸素状態になる.このような環境下では好気的な生物が死滅すると共に還元的な状況になって底泥などから栄養塩や重金属類の溶出が始まる。マイクロバブルは効率的に気体を溶解させるため、水環境の改善や化学工学などの分野において有効な手法となる。
【0010】
また、マイクロバブルを工学的に応用することを考えたとき,もっとも興味深い現象は消滅時におけるフリーラジカルの発生であり、極微小気泡としての残存である。これら相反する現象であるが、作用機序として表面電荷の濃縮が関与している。
【0011】
溶液内の気泡が帯電していることは50年以上もまえから知られているが、その詳細は不明であり、系統的な研究もなされていない。その最大の理由は測定の困難さにあった。しかし今日では電気永動法を利用することで正確な解析が可能となった。その結果気泡が帯電していることの工学的な意味合いは重要である。極めて濃厚なマイクロバブルを発生させても、静電気的な反発力が作用する為、気泡同士が合体して気泡濃度を低下させることはない。また汚染物質や金属イオンなどを静電気的な引力により表面に引き付ける効果も期待できる。
【0012】
現在の日本における、マイクロバブルの発生する装置は上記に記載の通り、多くの種類があり市販もされている。しかし何れも液中における装置である。その結果気泡粒子口径は0.15μm前後であり、1ml当りの個数は約8億個といわれている。これらの得られた数値からは、水の特性と性質及びナノ水技術はまだまだ把握されていないのが実情であることから、本技術の可能性が非常に高いと考える。上記のことから現状技術にて得られた数値を踏まえると、大気中の流体抵抗値の差は約19倍と非常に大きいと言われていることから、実状の方法ではこれ以上の数値向上技術に限界があると考える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】国際公開第2005/030649(WO,A1) 特開2005-246294(JP,A) 特開2005-246293(JP,A) 特開2004-121962(JP,A) 特開2003-334548(JP,A) 特開2003-245662(JP,A) 特開2001-225060(JP,A) 特開2001-009463(JP,A) 特開平09-276675(JP,A) 特開平07-060088(JP,A)
【非特許文献1】大成博文,第1部マイクロバブルの魅力と技術的可能性を探る、混相流レクチャーシリーズ第28回マイクロバブルの魅力とその利用技術、日本、日本混相流学会、2003年6月。
【非特許文献2】産業技術総合研究所 高橋正好 マイクロバブルおよびナノバブルに関する研究。
【非特許物件3】
天羽 則博 ナノ細粒子水の大気中における空気浄化の技術。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来の日本国内にて現在開発製造されている、ナノバブル発生装置にて生成される粒子径は0.15ミクロン(150nm)個数密度が0.14%と非常に低い値であり現状の技術での応用範囲が限定される。また、日本の科学者達は過去の技術から更なる新技術を追求することが生まれない。現状からの変化を求めない且つ現状維持を打破しようとしない。本技術は、これらのことから打破するために開発したものである。
【0014】
従来のナノバブル発生装置の性能数値は、粒子口径を測定する粒度分布装置の最小少値は平均粒径が0.15μmといわれている。密度個数は1mlあたり約4~8億個の値がしめされている。
【0015】
また、ナノバブルの発生による大きな特性は自己加圧効果がある。これは球形の界面を持つ気泡によって表面張力によって内部の気体の圧縮する力として機能する。例えば気泡の口径が1μmの自己加圧力は計算上約3気圧の圧力破壊が働くといわれている。
【0016】
上記の[0007]記載による自己加圧力は液中内における、超微細水の運動が天文学的な挙動が発生すると言われている。実際に使われている実施例から例えば水の浄化処理に有効的に効果がある例が報告されている。この作用は自己加圧力時に発生する破壊圧力よる大腸菌、カビ、一般細菌の殺菌効果が得られていると考えられている。
【0017】
従来のナノバブル発生装置による性能値は、粒子口径を0.15μm以下にすることは液中内の損失抵抗を考慮すると技術的に厳しいと考える。
【0018】
従来のナノバブイル発生装置は酸素濃度を液中内に溶存させるために、大気からの空気をポンプ経由若しくはその装置に加圧し引き込む方法が多く見受けられる。従来の方式では溶存酸素濃度を高い値で維持する事は難しいと考える。
【0019】
本発明は,以上のような従来の欠点に鑑み、大気中にナノ粒子水を発生させ、そのナノ粒子水を含んだ空気と共に液中に溶解溶存させることにより、ナノ微細粒子水の最小縮小化及び密度個数の大幅増加及び溶存酸素濃度を高い濃度に維持することが可能となる、生成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は海洋面の大気エアロゾル粒子群等の成分を波のメカニズムにより海洋水中に溶解溶存する自然界の仕組みを応用することがより革命的な装置を合理的に構築することが可能となる。それは、大気中空間においてナノ・プラズマ粒子水(0.1~1.0nm粒径)を噴霧し、大気中に存在するエアロゾル粒子群をナノ粒子水が吸着固定化を行い、そのナノ・プラズマ粒子水(0.1~1.0nm粒径)に固定化された微細粒子水を汚染水として水溶液中内に溶解溶存させる事により、一つの応用例として大気空間を浄化することが可能となる。その、ナノ粒子水(1.0nm粒径)及びナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm粒径)を急速に且つ大量に生成すること及び高濃度の溶存酸素を長期間維持出来ること等が可能になることが本発明装置の大きな特徴である。
【0021】
本発明装置筐体▲1▼は、噴霧室兼空気加圧混合室及びナノ粒子水貯留槽と10~100nm粒径沈殿槽を兼ね備えた筺体とし、該噴霧室兼空気加圧混合室は空気循環取入れ口と空気チャンバー室を設け、両者間には空気流通制御ベンチュリー隔壁が設けられ隔壁板及び中仕切り板により狭隘空間が形成されている。該噴霧室兼空気加圧混合室の空間においては、ナノ粒子水を墳出し加圧ファンにより、ナノ粒子水が貯留槽に溶解溶存して行くことになる。
【0022】
本発明装置筐体▲2▼は、エアーコンプレッサーとナノ・プラズマ生成室内に特殊ノズルユニット6個を設けている。これらでナノ・プラズマ粒子水を生成する装置を構築している。筐体の下部にナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm粒径)を貯蔵する水槽を下部に設けている。
【0023】
更に、噴霧室兼空気加圧混合室にナノ粒子水生成(1.0nm粒径)の噴霧用ノズルを生成量により、7.8.9.と設けられることが特徴である。また上記ノズルは噴霧室兼空気加圧混合室に設けた金具に固定され、該ノズルの先端から離れた位置に該ノズルからの噴射水の衝突によりナノ粒子水(1.0nm粒径)を生成する球体を設けたナノ粒子水を生成する装置システムを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明装置から得られたの効果は、以上の説明から明らかなように、本発明装置によって生成された値は、次に列挙する効果が得られる。
(1)ナノ粒子水の大きさを解析する粒度分布装置計測から、従来技術と比較し約1500分の1以下の、0.1~0.5nm,1.0nm,1~5nm.の各粒径分布毎の粒径を生成することが出来た。(nmは単位、ナノメートルの略称)
(2)超微細水の密度個数を解析する装置計測により、従来技術の約1500万倍にあたる、1mlあたり10000兆個の値が得られた。
れ、且つ長時間維持していることが計測できた。この値は従来技術の約2~3倍にあたる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明を実施するための最良の装置概要図 図-1 ナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm粒径)・ナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置
【
図2】本発明のナノ・プラズマ粒子水装置にて生成された粒度分布図。 図-2
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき実施例に沿って説明する。
【実施例0027】
図-1は、本発明のナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置▲1▼及びナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm粒径)生成装置▲2▼の全体を示している。該、ナノ粒子水生成装置1.は、底板52.前後の側板50.左右の側板51.天板53.から成りたちほぼ直方体の形状(平面と立面の比率は2:4)及び平面は正四角形である。底面は角錐とし中心にナノ粒子水が排出し易い出口配管用取りだし口を設ける。これらの形状にて外形が構成される。
【0028】
ナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm粒径)生成装置筐体▲2▼.の形状は、円筒横型の形状(断面と横寸法の比率は1:3)が有効である。底面にナノ粒子水が貯留を有効にするのに一部底を50mm程度団落する形状とする。該、生成装置筐体内▲2▼の圧力をエア-コンプレッサー▲35▼を使用し装置筐体内の圧力を1.0Mpaに維持する。ナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置筐体▲1▼にて生成されたナノ粒子水(1.0nm)をナノ粒子水(1.0nm)高圧ポンプにてナノ粒子水配管を経由してナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm)生成装置筐体▲2▼に配管内圧力7.mpaに保ったナノ粒子水(1.0nm)を該生成装置筐体▲2▼内の特殊ノズル6個から吐出されて、球体3個へ高速度にて球体に衝突させる。ナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm粒径)は、減圧弁にり1.0Mpaから大気圧まで減圧される。減圧されたナノ・プラズマ粒子水(0.1~0.5nm)はナノ・プラズマ粒子配管を経由して、ナノ・プラズマ粒子水の貯溜タンクに送られ蓄えることになる。ナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm)の個数密度100%生成することが可能となる。
【0029】
ナノ粒子水(1.0nm粒径)生成装置筐体▲1▼は、噴霧室兼空気加圧混合室▲11▼.内に加圧送風機ファン▲10▼.により空気を取り込み,該噴霧室兼空気加圧混合室▲11▼.ではナノ粒子水(粒径1.0nm)空気中の成分と共に該空気加圧混合室▲11▼.において取込まれた空気の流れにそって、噴霧室兼空気加圧室▲11▼.内の側壁である、空気・粒径制御ベンチュリー隔壁▲14▼.の下部付近から空気・粒径制御ベンチュリ―中仕切り板▲15▼.との狭隘空間に上昇した空気がナノ粒子水と共に最上部に蛇行上昇しその上部に達してからユータウンし次の、空気・粒径制御ベンチュリー隔壁▲16▼.との間に設けられた狭隘空間を下部方向に流れて、空気チャンバー室▲17▼.へと流れていくこととなる。3箇所の隔壁及び中仕切り板3枚の役割は、噴霧室兼空気加圧混合室▲11▼の、空間及び3面の側壁と天板において生成される2.0~100nm粒径水を上記記載の空気・粒径制御ベンチュリ―隔壁・中仕切り▲14▼▲15▼▲16▼を経由して空気チャンバーへ空気と共に送られる。そして沈殿槽▲13▼へと沈澱されることとなる。これらの装置全体が,ナノ粒子水(1.0nm)及びナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm)を個数密度100%を生成することが可能となる、本発明装置の大きな特徴である。
【0030】
本装置筐体▲1▼内の側板に固定された特殊ノズル7.8.9..から墳出した高圧水を該衝突物体3個に.に衝突させることによりナノ粒子水を生成する。ナノ粒子水貯留槽12.に、加圧溶解と水蒸気分圧力の差によって、ナノ粒子水と溶存酸素が該、貯留槽に溶存溶解されてナノ粒子水が生成されていくこととなる。
【0031】
図1のナノ粒子水生成装置筐体▲1▼の噴霧室兼空気加圧混合室11.の中間部上方には側壁より、給水管6.はその先端に特殊ノズル7.8.9.を形成している。
【0032】
図1の、ナノ・プラズマ粒子(0.1~0.5nm粒径)生成装置筐体▲2▼.の円筒長手側板中間部側壁より、高圧ナノ粒子水配管21.は、その先端に特殊ノズルユニット6個を形成している。
現在のナノ粒子水技術は国内の産官学挙げて取り組んでいる、日本発の技術である。本発明技術の利用範囲は、脱炭素に大きく貢献できる、油との合成技術は特に期待がされる。また、農業分野おいては、酸素濃度の向上と野菜等の成長促進が確認されている、医療分野においては、目薬、薬品、皮膚薬、臓器医療再生技術に使われる、食品分野では飲料抽櫃、排水浄化、食品洗浄、食品乳化品、に既に一部が実用化されている。他に土木分野の汚泥処理装置、化粧品関連、半導体関連、水産関連等々に利用範囲が多岐に亘っており、それぞれに研究開発が進み、そして製品化が一部実用化されている。本発明装置から、生成が可能である粒子口径は、0.1~10nm(生成個数密度100%)となり従来の性能を大きく異なる装置を提供できることが可能になってきたのである。産業上広範囲に亘り、応用が可能となる装置である。