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特開2024-100650物理層衝突回避(PLCA)デバイスおよびPLCAデバイスのノードIDを自動決定する方法
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  • 特開-物理層衝突回避(PLCA)デバイスおよびPLCAデバイスのノードIDを自動決定する方法 図1
  • 特開-物理層衝突回避(PLCA)デバイスおよびPLCAデバイスのノードIDを自動決定する方法 図2
  • 特開-物理層衝突回避(PLCA)デバイスおよびPLCAデバイスのノードIDを自動決定する方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100650
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】物理層衝突回避(PLCA)デバイスおよびPLCAデバイスのノードIDを自動決定する方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 61/50 20220101AFI20240719BHJP
【FI】
H04L61/50
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023092090
(22)【出願日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】112101586
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】509164038
【氏名又は名称】九暘電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】黄 俊穎
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物理層衝突回避(PLCA)デバイスおよびPLCAデバイスのノードIDを自動判定する物理層衝突回避デバイス及び方法を提供する。
【解決手段】方法は、PLCA装置の識別情報として乱数を生成し、PLCAデバイスが、識別情報テーブル及びデバイスカウントを維持することと、第1PLCAデバイスの第1識別情報を含む第1同期パケットを受信することと、PLCAデバイスの識別情報と第1PLCAデバイスの第1識別情報の間の第1比較結果を判定することと、第1比較結果に基づいて、識別情報テーブル及びデバイスカウントを更新することと、第1比較結果に基づいて、PLCAデバイスに対応する同期パケットを送信することと、識別情報テーブルに基づいて、PLCAネットワーク内のPLCAデバイスのノードIDを判定することと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物理層衝突回避デバイスの第1識別情報を含む第1同期パケットを受信するために使用される通信回路と、
前記通信回路に接続され、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを維持し、
前記物理層衝突回避デバイスの識別情報として乱数を生成することと、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報と前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報の間の第1比較結果を判定することと、
前記第1比較結果に基づいて、前記識別情報テーブルおよび前記デバイスカウントを更新することと、
前記第1比較結果に基づいて、前記物理層衝突回避デバイスに対応する同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
前記識別情報テーブルに基づいて、物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスのノードIDを判定することと、
を実行するように構成されたコントローラと、
を含む物理層衝突回避デバイス。
【請求項2】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報と異なることを前記第1比較結果が示していると判定したことに応じて、前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報が前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報テーブルに記録されているか否かを判断することと、
前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報が前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報テーブルに記録されていないと判定したことに応じて、前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報を前記識別情報テーブルに追加することにより前記識別情報テーブルを更新し、前記デバイスカウントをインクリメントすることにより前記デバイスカウントを更新することと、
を実行するように構成された請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項3】
前記コントローラが、さらに、
前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報が前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報テーブルに記録されていると判定したことに応じて、前記物理層衝突回避デバイスのパケット検出時間をリセットするように構成された請求項2に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項4】
前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報が前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報テーブルに記録されていないと判定したことに応じて、前記コントローラが、さらに、
前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報を含む請求項2に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項5】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報と同じであることを前記第1比較結果が示していると判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットすることにより前記識別情報テーブルを更新し、前記デバイスカウントをリセットすることにより前記デバイスカウントを更新するように構成された請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項6】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報と同じであることを前記第1比較結果が示していると判定したことに応じて、前記物理層衝突回避デバイスの新しい識別情報として別の乱数を生成することと、
再同期パケットおよび前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記新しい識別情報を含む請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項7】
前記再同期パケットが、前記対応する識別情報テーブルをリセットし、前記対応するデバイスカウントをリセットし、前記対応する第1識別情報を再生成し、前記第1識別情報を含む前記第1同期パケットを送信するように前記第1物理層衝突回避デバイスをトリガーするために少なくとも使用される請求項6に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項8】
前記コントローラが、さらに、
同期パケットを受信していないパケット検出時間を蓄積することと、
前記パケット検出時間が予め設定された時間閾値以上であると判定したことに応じて、前記識別情報テーブルに基づいて、前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDを判定することと、
を実行するように構成された請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項9】
前記物理層衝突回避ネットワークが、前記物理層衝突回避デバイスおよび少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスを少なくとも含み、前記識別情報テーブルが、前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報および前記少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスのそれぞれの識別情報を記録し、前記コントローラが、
前記識別情報テーブル内の前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報および前記少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスのそれぞれの前記識別情報を降順に並べ替えることと、
前記識別情報テーブル内の前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報の順序に基づいて、前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDを判定することと、
を実行するように構成された請求項8に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項10】
前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDが、ノード番号であり、前記ノード番号が、前記識別情報テーブルにおける前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報の前記順序に対応する請求項9に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項11】
前記コントローラが、さらに、
前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDに基づいて、前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの送信機会を判定するように構成された請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項12】
前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記送信機会を判定した後、前記コントローラが、
前記通信回路が第2物理層衝突回避デバイスの第2識別情報を含む第2同期パケットを受信したと判定したことに応じて、前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報と前記第2物理層衝突回避デバイスの前記第2識別情報の間の第2比較結果を判定することと、
前記第2比較結果に基づいて、前記識別情報テーブルおよび前記デバイスカウントを更新することと、
前記第2比較結果に基づいて、前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成された請求項11に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項13】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第2物理層衝突回避デバイスの前記第2識別情報と異なることを前記第2比較結果が示しており、且つ前記第2識別情報が前記識別情報テーブルに記録されていないと判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットすることにより前記識別情報テーブルを更新し、前記デバイスカウントをリセットすることにより前記デバイスカウントを更新することと、
前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成された請求項12に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項14】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第2物理層衝突回避デバイスの前記第2識別情報と同じであることを前記第2比較結果が示していると判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットすることにより前記識別情報テーブルを更新し、前記デバイスカウントをリセットすることにより前記デバイスカウントを更新することと、
前記物理層衝突回避デバイスの新しい識別情報として別の乱数を生成することと、
再同期パケットおよび前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記新しい識別情報を含む請求項12に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項15】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスが対応する前記送信機会を実行した時にパケット衝突が検出されたと判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットし、前記デバイスカウントをリセットし、前記物理層衝突回避デバイスの新しい識別情報として別の乱数を生成することと、
再同期パケットおよび前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記新しい識別情報を含む請求項11に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項16】
前記物理層衝突回避ネットワークが、前記物理層衝突回避デバイスおよび少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスを少なくとも含み、前記少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスのそれぞれが、対応する送信機会を有し、前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスが前記物理層衝突回避ネットワークにおける主要ノードであることを前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDが示していると判定したことに応じて、前記対応する送信機会においていかなる送信操作も実行しない特定の物理層衝突回避デバイスが前記少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスの中に存在するか否かを判断することと、
前記特定の物理層衝突回避デバイスが存在すると判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットし、前記デバイスカウントをリセットし、前記物理層衝突回避デバイスの新しい識別情報として別の乱数を生成することと、
再同期パケットおよび前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記新しい識別情報を含む請求項11に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項17】
前記コントローラが、
前記同期パケットがパケット衝突を経験したと判定したことに応じて、前記同期パケットの累積衝突回数をインクリメントし、バックオフ時間を待ってから前記同期パケットを再送信するように構成され、前記バックオフ時間が、前記累積衝突回数に関連する請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項18】
前記バックオフ時間が、D*kによって特徴付けられ、Dが、特定のビット時間であり、kが、2-1であり、nが、前記累積衝突回数である請求項17に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項19】
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報として前記乱数を生成するために使用される乱数生成器と、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報と前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報の間の前記第1比較結果を判定するために使用される比較器と、
をさらに含む請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項20】
物理層衝突回避デバイスのノードIDを自動判定する方法であって、前記物理層衝突回避デバイスに適用され、
前記物理層衝突回避デバイスの識別情報として乱数を生成し、前記物理層衝突回避デバイスが、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを維持することと、
第1物理層衝突回避デバイスの第1識別情報を含む第1同期パケットを受信することと、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報と前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報の間の第1比較結果を判定することと、
前記第1比較結果に基づいて、前記識別情報テーブルおよび前記デバイスカウントを更新することと、
前記第1比較結果に基づいて、前記物理層衝突回避デバイスに対応する同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
前記識別情報テーブルに基づいて、物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDを判定することと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理層衝突回避(physical layer collision avoidance, PLCA)技術に関するものであり、特に、PLCAデバイスおよびPLCAデバイスのノードIDを自動判定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.3cgで定義されたPLCAは、マルチドロップ(multi-drop)ネットワークを効率的に動かすことができるが、実用的な応用では無視できない問題が存在する。すなわち、ユーザーは、PLCAメカニズムが起動される前に、ノードIDとノード数を設定する必要があり、そうでなければ、PLCAが正常に動作しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この問題を解決するために、いくつかの方法が提案されている。しかしながら、ほとんどの方法には、システムが不安定になりやすいという問題や、バックオフ時間が長すぎるためにデータパケットが送信できなかったり、破棄されたりするといった問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の技術的課題を解決するために使用することのできる物理層衝突回避デバイスおよび物理層衝突回避デバイスのノードIDを自動判定する方法を提供する。
【0005】
本発明の1つの実施形態は、通信回路およびコントローラを含む物理層衝突回避デバイスを提供する。通信回路は、第1同期パケットを受信するために使用される。第1同期パケットは、第1物理層衝突回避デバイスの第1識別情報を含む。コントローラは、通信回路に結合され、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを維持する。コントローラは、以下を実行するように構成される。物理層衝突回避デバイスの識別情報として乱数を生成する。物理層衝突回避デバイスの識別情報と第1物理層衝突回避デバイスの第1識別情報の間の第1比較結果を決定する。第1比較結果に基づいて、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを更新する。第1比較結果に基づいて、物理層衝突回避デバイスに対応する同期パケットを送信するように通信回路を制御する。識別情報テーブルに基づいて、物理層衝突回避ネットワーク内の物理層衝突回避デバイスのノードIDを決定する。
【0006】
本発明の1つの実施形態は、物理層衝突回避デバイスのノードIDを自動判定する方法を提供する。この方法は、物理層衝突回避デバイスに適用可能であり、以下のステップを含む。物理層衝突回避デバイスの識別情報として乱数を生成する。物理層衝突回避デバイスは、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを維持する。第1同期パケットを受信する。第1同期パケットは、第1物理層衝突回避デバイスの第1識別情報を含む。物理層衝突回避デバイスの識別情報と第1物理層衝突回避デバイスの第1識別情報の間の第1比較結果を決定する。第1比較結果に基づいて、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを更新する。第1比較結果に基づいて、物理層衝突回避デバイスに対応する同期パケットを送信するように通信回路を制御する。識別情報テーブルに基づいて、物理層衝突回避ネットワーク内の物理層衝突回避デバイスのノードIDを決定する。
【発明の効果】
【0007】
物理層衝突回避デバイスおよび物理層衝突回避デバイスのノードIDを自動判定する方法は、上記の技術的課題を解決するために使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の1つの実施形態に係る物理層衝突回避(PLCA)ネットワークの概略図である。
図2】本発明の1つの実施形態に係るPLCAデバイスのノードIDを自動判定する方法のフローチャートである。
図3】本発明の1つの実施形態に係るパケットフォーマットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、図1は、本発明の1つの実施形態に係る物理層衝突回避(PLCA)ネットワークの概略図である。図1において、PLCAネットワーク100は、PLCAデバイス10~1Nを含み、PLCAデバイス10~1Nは、同じ、または類似する構造を有することができる。PLCAデバイス10を例に挙げると、PLCAデバイス10は、通信回路101、乱数生成器102、比較器103、およびコントローラ104を含む。
【0010】
1つの実施形態において、通信回路101は、例えば、PLCAデバイス10とPLCAネットワーク100内の他のPLCAデバイスの間で通信を実現するために使用することができ、通信回路101は、PLCAデバイス10~1Nの間でパケット交換を行うために使用される通信プロトコルによって、対応する通信機能を有する通信モジュールとして実施することができる。
【0011】
1つの実施形態において、PLCAデバイス10~1Nは、例えば、パケット交換を行うための衝突検出付きキャリア検知多重アクセス(carrier sense multiple access with collision detection, CSMA/CD)プロトコルを使用することができる。この場合、通信回路101は、CSMA/CD機能を備えた通信モジュールとして実施することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0012】
1つの実施形態において、乱数生成器102は、例えば、PLCAデバイス10の識別情報ID0として乱数を生成するために使用することができる。また、比較器103は、例えば、PLCAデバイス10の識別情報ID0と他のPLCAデバイスの識別情報を比較するために使用することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0013】
コントローラ104は、通信回路101、乱数生成器102、および比較器103に結合され、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、複数のマイクロプロセッサ(microprocessor)、デジタル信号プロセッサコアと組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)、任意の他の種類の集積回路、状態機械、ARM(advanced RISC machines)ベースのプロセッサ等であってもよい。
【0014】
1つの実施形態において、乱数生成器102および比較器103は、上記の機能を実施するためにコントローラ104によって制御することができる。別の実施形態において、乱数生成器102および比較器103は、上記の機能を実施するためにコントローラ104に組み込まれたモジュールとして実施することできるが、本発明はこれに限定されない。
【0015】
図1において、PLCAデバイス11~1Nの構造については、PLCAデバイス10の関連説明を参照することができるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0016】
本発明の実施形態において、コントローラ104は、本発明が提案するPLCAデバイスのノードIDを自動判定する方法を実施するために特定のモジュールおよびプログラムコードにアクセスすることができる。以下、その詳細について説明する。
【0017】
図2を参照すると、図2は、本発明の実施形態に係るPLCAデバイスのノードIDを自動判定する方法のフローチャートである。本実施形態の方法は、図1のPLCAデバイス10によって実行することができ、以下、図2の各ステップの詳細について、図1に示した素子と関連させて説明する。
【0018】
一般的に、PLCAネットワーク100が実際にPLCAメカニズムを実行する前に、本発明の実施形態は、まず、図2に示した方法により、PLCAデバイス10のノードIDを自動判定することができ、他のPLCAデバイス11~1Nも、同じメカニズムに基づいてそれらのノードIDを判定することができる。PLCAデバイス10~1Nの個々のノードIDを判定した後、PLCAネットワーク100は、それに基づいて、PLCAデバイス10~1Nの間でPLCAメカニズムを実際に実行することができる。
【0019】
まず、ステップS210において、通信回路101は、第1同期パケットを受信し、第1同期パケットは、PLCAネットワーク100内の第1PLCAデバイスの第1識別情報を含む。異なる実施形態において、考慮される第1PLCAデバイスは、PLCAデバイス11~1Nのうちのいずれか1つであってもよい。
【0020】
例えば、第1同期パケットPA1がPLCAデバイス11から来ると仮定すると、PLCAデバイス11が考慮される第1PLCAデバイスとみなされる。この場合、第1同期パケットは、例えば、PLCAデバイス11からの第1同期パケットPA1であり、その中の第1識別情報は、例えば、PLCAデバイス11の識別情報ID1である。説明を容易にするために、図1では、考慮される第1PLCAデバイスをPLCAデバイス11と仮定したが、これは、単なる例として使用しただけであり、本発明の実施可能性を限定する意図はない。
【0021】
1つの実施形態において、コントローラ104は、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを維持し、識別情報テーブルは、例えば、受信した全ての同期パケットに識別情報を記録することができ、デバイスカウントは、例えば、受信した全ての同期パケットに基づいてコントローラ104が判定したPLCAネットワーク100内のPLCAデバイスの総数である。
【0022】
これに基づいて、ステップS220において、コントローラ104は、PLCAデバイス10の識別情報ID0として乱数を生成し、ステップS230において、PLCAデバイス10の識別情報ID0と第1PLCAデバイスの第1識別情報(例えば、識別情報ID1)の間の第1比較結果を判定する。
【0023】
1つの実施形態において、コントローラ104は、識別情報ID0として乱数を生成するように乱数生成器102に要求し、識別情報ID0と第1識別情報(例えば、識別情報ID1)の間の第1比較結果を判定するように比較器103に要求することができる。1つの実施形態において、第1識別情報(例えば、識別情報ID1)は、第1PLCAデバイス(例えば、PLCAデバイス11)内の乱数生成器によって生成された別の乱数である。
【0024】
1つの実施形態において、第1比較結果は、例えば、識別情報ID0が第1識別情報と同じであるか、または異なるかを示すことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0025】
ステップS240において、コントローラ104は、第1比較結果に基づいて、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを更新する。ステップS250において、コントローラ104は、第1比較結果に基づいて、PLCAデバイス10に対応する同期パケットPA0を送信するように通信回路101を制御する。
【0026】
1つの実施形態において、PLCAデバイス10の識別情報ID0が第1PLCAデバイスの第1識別情報(例えば、識別情報ID1)と異なることを第1比較結果が示している場合、PLCAデバイス10と第1PLCAデバイスが重複した識別情報を使用していないことを意味する。この場合、コントローラ104は、第1PLCAデバイスの第1識別情報がPLCAデバイス10の識別情報テーブルに記録されている否かを判断することができる。
【0027】
第1実施形態において、第1PLCAデバイスの第1識別情報(例えば、識別情報ID1)がPLCAデバイス10の識別情報テーブルに記録されていないと判定した場合、第1PLCAデバイスが現在PLCAデバイス10にとって未知のPLCAデバイスであることを意味する。この場合、コントローラ104は、第1PLCAデバイスの第1識別情報(例えば、識別情報ID1)を識別情報テーブルに追加することにより識別情報テーブルを更新し、デバイスカウントをインクリメント(increment)することによりデバイスカウントを更新する。
【0028】
その後、コントローラ104は、PLCAデバイスに対応する同期パケットPA0を送信するように通信回路101を制御し、同期パケットPA0は、PLCAデバイスの識別情報ID0を含む。つまり、PLCAデバイス10が未知の第1PLCAデバイスから同期パケットを受信した時、PLCAデバイス10は、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを更新するだけでなく、それ自身の識別情報ID0を含む同期パケットPA0も送信(例えば、ブロードキャスト)する。この場合、第1PLCAデバイスが同期パケットPA0を受信した場合、第1PLCAデバイスは、上述したメカニズムを基礎として、同期パケットPA0に基づいて第1PLCAデバイスが維持した識別情報テーブルおよびデバイスカウントを更新するか否かを判断することもできる。同様に、他のPLCAデバイスが第1同期パケットPA1および/または同期パケットPA0を受信した時、他のPLCAデバイスも、第1同期パケットPA1および/または同期パケットPA0に基づいてそれら自身が維持した識別情報テーブルおよびデバイスカウントを更新するか否かを判断することができる。
【0029】
第2実施形態において、第1PLCAデバイスの第1識別情報(例えば、識別情報ID1)がPLCAデバイス10の識別情報テーブルに記録されていると判定した場合、PLCAデバイス10が以前に第1PLCAデバイスから他の同期パケットを受信し、対応する第1識別情報ID1を識別情報テーブルに記録したことを意味する。つまり、第1PLCAデバイスは、現在PLCAデバイス10にとって未知のPLCAデバイスではない。この場合、コントローラ104は、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを更新せずに、PLCAデバイスのパケット検出時間をリセットすることができる。
【0030】
1つの実施形態において、パケット検出時間は、例えば、PLCAデバイス10が他のPLCAデバイスから同期パケットを受信していない時の累積時間である。本発明の実施形態において、PLCAデバイス10の累積パケット検出時間が予め設定された時間閾値(必要に応じて設計者によって決定される)以上である場合、PLCAデバイス10~1N(例えば、PLCAデバイス10~1Nが個別に維持した識別情報テーブルおよびデバイスカウント)が所有する情報は、各PLCAデバイス10~1NのノードIDを判定するために使用するのに十分であることを意味するが、本発明はこれに限定されない。
【0031】
第3実施形態において、PLCAデバイス10の識別情報ID0が第1PLCAデバイスの第1識別情報(例えば、識別情報ID1)と同じであることを示していると第1比較結果が判定した場合、PLCAデバイス10と第1PLCAデバイスが重複した識別情報を使用していることを意味する(識別情報コンフリクトとも称される)。この場合、コントローラ104は、識別情報テーブルをリセット(例えば、消去)することにより識別情報テーブルを更新し、デバイスカウントをリセット(例えば、消去)することによりデバイスカウントを更新する。
【0032】
さらに、コントローラ104は、PLCAデバイスの新しい識別情報ID0として別の乱数を生成(するように乱数発生器102を制御)して、再同期パケットRSおよびPLCAデバイス10に対応する同期パケットPA0を送信するように通信回路101を制御することができ、同期パケットPA0は、PLCAデバイス10の新しい識別情報ID0を含む。この時の新しい識別情報ID0は、別の乱数に対応するため、新しい識別情報ID0は、第1実施形態における同期パケットPA0に含まれる(古い)識別情報ID0とは異なるはずである。
【0033】
第3実施形態において、再同期パケットRSは、対応する識別情報テーブルをリセットし、少なくとも対応するデバイスカウントをリセットし、対応する第1識別情報ID1を再生成し、新しい第1識別情報ID1を含む第1同期パケットPA1を送信するように第1PLCAデバイスをトリガーするために使用される。同様に、他のPLCAデバイスが再同期パケットを受信した場合、他のPLCAデバイスも、対応する識別情報テーブルをリセットし、対応するデバイスカウントをリセットし、対応する識別情報を再生成し、新しく生成された識別情報を含む同期パケットを送信する。
【0034】
言い換えると、識別情報コンフリクトが発生したことをPLCAデバイス10が検出した場合、PLCAデバイス10は、再同期パケットRSを介して、対応する識別情報テーブルをリセットし、対応するデバイスカウントをリセットし、対応する識別情報を再生成し、新しく生成された識別情報を含む同期パケットを送信するように他のPLCAデバイス11~1Nに要求することができる。
【0035】
例えば、PLCAデバイス12が再同期パケットRSを受信した時、PLCAデバイス12は、識別情報テーブルをリセットし、デバイスカウントをリセットし、対応する識別情報ID2(例えば、乱数)を再生成し、新しく生成された識別情報ID2を含む同期パケットPA2を送信する(例えば、ブロードキャストする)。別の例として、PLCAデバイス1Nが再同期パケットRSを受信した時、PLCAデバイス1Nは、識別情報テーブルをリセットし、デバイスカウントをリセットし、対応する識別情報IDN(例えば、乱数)を再生成し、新しく生成された識別情報IDNを含む同期パケットPANを送信する(例えば、ブロードキャストする)。
【0036】
この場合、PLCAデバイス10は、各PLCAデバイス11~1Nから対応する同期パケットPA1~PANを受信し、同期パケットPA1~PANは、対応するPLCAデバイスの新しく生成された識別情報を個別に含む。
【0037】
第3実施形態において、PLCAデバイス10が識別情報テーブルをリセット(例えば、消去)し、デバイスカウントをリセット(例えば、消去)したため、PLCAデバイス11~1NのPLCAデバイスは、いずれもPLCAデバイス10にとって未知である。したがって、同期パケットPA1~PANのいずれかが受信されるたびに、PLCAデバイス10は、その中の識別情報をPLCAデバイス10が維持する識別情報テーブルに記録し、デバイスカウントをインクリメントする。
【0038】
1つの実施形態において、識別情報ID0~IDNが互いに異なる(すなわち、識別情報コンフリクトがない)場合、PLCAデバイス10は、同期パケットPA1~PANによって、対応する識別情報ID1~IDNをPLCAデバイス10が維持する識別情報テーブルに記録し、デバイスカウントを徐々にインクリメントする。
【0039】
第1実施形態において言及したように、PLCAデバイス10が未知のPLCAデバイスから同期パケットを受信した時、それに基づいて、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを更新するだけでなく、PLCAデバイス10は、同期パケットPA0も送信する。つまり、PLCAデバイス10は、同期パケットPA0を繰り返し送信することができる。
【0040】
同様の原理に基づいて、他のPLCAデバイスも対応する同期パケットを繰り返し送信することができるため、PLCAデバイス10は、同じ同期パケットを繰り返し受信する。この場合、PLCAデバイス10は、第2実施形態の教示に基づいてパケット検出時間を更新することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0041】
図1のシナリオにおいて、識別情報コンフリクトがないと仮定すると、PLCAデバイス10が維持する識別情報テーブルは、最終的に少なくともPLCAデバイス11~1Nの識別情報ID1~IDNを記録し、記録されたデバイスカウントは、PLCAデバイス11~1Nの総数以上である。
【0042】
1つの実施形態において、識別情報テーブルおよびデバイスカウントをリセットした後、コントローラ104は、任意の時点で新しい識別情報ID0を識別情報テーブルに追加し、PLCAデバイス10自身によってデバイスカウントをインクリメントすることもできる。この場合、PLCAデバイス10が維持する識別情報テーブルは、最終的にPLCAデバイス10~1Nの識別情報ID0~IDNを記録し、記録されたデバイスカウントはPLCAデバイス10~1Nの総数に等しくなるが、本発明はこれに限定されない。
【0043】
同様に、識別情報コンフリクトがない場合、他のPLCAデバイス11~1Nが個別に維持する識別情報テーブルも、最終的にPLCAデバイス10~1Nの識別情報ID0~IDNを記録し、記録されたデバイスカウントもPLCAデバイス10~1Nの総数に等しくなる。
【0044】
しかしながら、PLCAデバイス10~1Nのいずれか1つが再び識別情報コンフリクトがあると判定した場合、識別情報コンフリクトがなくなるまで、第3実施形態のメカニズムを再度実行するが、本発明はこれに限定されない。
【0045】
1つの実施形態において、同期パケットPA0がパケット衝突(例えば、同期パケットPA0が他の同期パケットと衝突する)を経験したと判定した場合、コントローラ104は、同期パケットPA0の累積衝突回数をインクリメントして、バックオフ時間を待ってから同期パケットPA0を再送信することができ、バックオフ時間は、累積衝突回数に関連する。
【0046】
1つの実施形態において、バックオフ時間は、D*kによって特徴付けられ、Dは、特定のビット時間であり、kは、2-1であり、nは、累積衝突回数である。
【0047】
1つの実施形態において、特定のビット時間は、考慮される通信環境によって変動してもよい。例えば、10BASE-T1S通信仕様では、対応する特定のビット時間は、192BT(ビット時間)として選択することができ、19.2μsに相当する。さらに、異なる実施形態において、nが対応する上限値(pで表される)よりも大きい場合、kは、固定値(例えば、2^p-1)に設定することができる。
【0048】
1つの実施形態において、nに対応する上限値が6であり、特定のビット時間が192BTであると仮定すると、対応するバックオフ時間を下記の表1に示すことができる。
【0049】
【表1】
【0050】
次に、ステップS260において、コントローラ104は、識別情報テーブルに基づいて、PLCAネットワーク100内のPLCAデバイス10のノードIDを判定する。
【0051】
1つの実施形態において、コントローラ104は、累積パケット検出時間が予め設定された時間閾値以上であると判定した後に、ステップS260を実行することができる。具体的に説明すると、累積パケット検出時間が予め設定された時間閾値以上であるとコントローラ104が判定した時、未知のPLCAデバイスからの同期パケットによって自身の同期パケットを送信するPLCAデバイスがないことを意味する。つまり、PLCAデバイス10~1Nのうち互いに未知のものは1つもない。この場合、コントローラ104は、維持された識別情報テーブルに基づいてPLCAデバイス10のノードIDを判定することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0052】
1つの実施形態において、コントローラ104は、維持された識別情報テーブル内のPLCAデバイス10~1Nの識別情報ID0~IDNを降順または昇順に並べ替え、PLCAデバイス10の識別情報ID0の順序に基づいて、PLCAネットワーク100内のPLCAデバイス10のノードIDを判定する。
【0053】
1つの実施形態において、PLCAデバイス10のノードIDは、例えば、ノード番号であり、ノード番号は、識別情報テーブル内のPLCAデバイス10の識別情報ID0の順序に対応する。例えば、降順ソートを例に挙げると、識別情報テーブル内のPLCAデバイス10の識別情報ID0の順序が9である場合、PLCAデバイス10のノード番号は、例えば、9であり、このノード番号をPLCAデバイス10のノードIDとして使用することができる。別の例として、識別情報テーブル内のPLCAデバイス10の識別情報ID0の順序が21である場合、PLCAデバイス10のノード番号は、例えば、21であり、このノード番号をPLCAデバイス10のノードIDとして使用することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0054】
また、他のPLCAデバイス11~1Nも、同じ原理に基づいて自身のノード番号および/またはノードIDを判定することができる。
【0055】
上記から分かるように、本発明の実施形態が提供する方法により、PLCAネットワーク100内のPLCAデバイス10~1Nは、PLCAネットワーク100内のノードIDを自動判定することができる。
【0056】
PLCAデバイス10のノードIDを判定した後、コントローラ104は、それに基づいて、PLCAネットワーク100内のPLCAデバイス10の送信機会(transmission opportunity, TO)を判定することもできる。
【0057】
1つの実施形態において、PLCAネットワーク100内のPLCAデバイス10の送信機会は、PLCAデバイス10のノード番号に対応することができる。例えば、PLCAデバイス10のノード番号が9である場合、コントローラ104は、PLCAデバイス10~1Nのうち、送信用のPLCAデバイス10の順序が9番目であると判定することができる。別の例として、PLCAデバイス10のノード番号が21である場合、コントローラ104は、PLCAデバイス10~1Nのうち、送信用のPLCAデバイス10の順序が21番目であると判定することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0058】
上述したように、PLCAデバイス10~1Nの個々のノードIDを判定した後、PLCAネットワーク100は、それに応じて、PLCAデバイス10~1Nの間でPLCAメカニズムを実際に実行することができる。
【0059】
PLCAメカニズムにおいて、PLCAデバイス10~1Nは、対応する送信機会に基づいて送信する。例えば、PLCAデバイス10~1Nがそれぞれノード番号0~Nに対応すると仮定すると、PLCAデバイス10~1Nが順番に送信する。PLCAデバイス1Nの送信機会が終了した後、再びPLCAデバイス10の送信機会の順番となる。
【0060】
1つの実施形態において、本発明は、さらに、PLCAメカニズムの実行後に新しいPLCAデバイスがPLCAネットワーク100に参加するための方法を提案する。具体的に説明すると、新しく追加されたPLCAデバイス(以下、第2PLCAデバイスと称す)について、第2PLCAデバイスは、自身の識別情報(以下、第2識別情報と称す)として乱数を生成した後、第2の識別情報を含む第2同期パケットをPLCAネットワーク100に送信(例えば、ブロードキャスト)することができる。
【0061】
この場合、PLCAデバイス10は、通信回路101が第2同期パケットを受信した後、比較器103によってPLCAデバイス10の識別情報ID0と第2PLCAデバイスの第2識別情報の間の第2比較結果を判定することができる。その後、コントローラ104は、第2比較結果に基づいて、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを更新し、第2比較結果に基づいて、PLCAデバイス10に対応する同期パケットPA0を送信するように通信回路101を制御することができる。
【0062】
1つの実施形態において、第2比較結果は、例えば、識別情報ID0が第2識別情報と同じであるか、または異なるかを指定することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0063】
同様にして、他のPLCAデバイスも、第2同期パケットによって上記の操作を実行することができる。
【0064】
第4実施形態において、識別情報ID0が第2識別情報と異なることを第2比較結果が示しており、且つ第2識別情報が識別情報テーブルに記録されていないと判定した場合、第2PLCAデバイスがPLCAデバイス10にとって未知のPLCAデバイスであることを意味する。これに基づいて、コントローラ104は、識別情報テーブルをリセットすることにより識別情報テーブルを更新し、デバイスカウントをリセットすることによりデバイスカウントを更新することができる。その後、コントローラ104は、PLCAデバイス10に対応する同期パケットPA0を送信するように通信回路101を制御することができる。
【0065】
この場合、第2PLCAデバイスは、同期パケットPA0によって識別情報ID0を第2PLCAデバイスが維持する識別情報テーブルに追加し、デバイスカウントをインクリメントする。その後、第2PLCAデバイスは、第2同期パケットを再送信することができる。
【0066】
同様にして、他のPLCAデバイス11~1Nも第2同期パケットによって個別に識別情報テーブルをリセットし、デバイスカウントをリセットし、対応する同期パケットPA1~PANを送信する。
【0067】
識別情報テーブルおよびPLCAデバイス10のデバイスカウントがリセットされたため、他の全てのPLCAデバイスは、PLCAデバイス10にとって未知である。これに基づき、PLCAデバイス10は、同期パケットPA1~PANおよび第2同期パケットによって識別情報テーブルおよびデバイスカウントを継続して更新する。同様にして、他のPLCAデバイス11~1Nおよび第2PLCAデバイスも、同期パケットPA1~PANおよび/または第2同期パケットによって維持された識別情報テーブルおよびデバイスカウントを継続して更新する。
【0068】
この場合、PLCAデバイス10が維持する識別情報テーブルは、最終的に識別情報ID0~IDNおよび第2識別情報を記録し、記録されたデバイスカウントは、PLCAデバイス10~1Nおよび第2PLCAデバイスの総数に等しくなるが、本発明はこれに限定されない。同様にして、他のPLCAデバイス11~1Nおよび第2PLCAデバイスが個別に維持さする識別情報テーブルも、最終的に識別情報ID0~IDNおよび第2識別情報を記録し、記録されたデバイスカウントは、PLCAデバイス10~1Nおよび第2PLCAデバイスの総数に等しくなる。
【0069】
その後、PLCAデバイス10(およびPLCAネットワーク100内の他のPLCAデバイス)は、上述した実施形態の教示に基づいて、自身のノードIDおよび/またはノード番号を判定し、対応する送信機会に基づいて、PLCAメカニズムを再度実行することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0070】
第5実施形態において、識別情報ID0が第2識別情報と同じであることを第2比較結果が示していると判定した場合、PLCAデバイス10と第2PLCAデバイスが重複した識別情報を使用している(すなわち、識別情報コンフリクトが発生する)ことを意味する。この場合、コントローラ104は、識別情報テーブルをリセット(例えば、消去)することにより識別情報テーブルを更新し、デバイスカウントをリセット(例えば、消去)することによりデバイスカウントを更新する。
【0071】
さらに、コントローラ104は、PLCAデバイスの新しい識別情報ID0として別の乱数を生成(するように乱数生成器102を制御)して、再同期パケットRSおよびPLCAデバイス10に対応する同期パケットPA0を送信するように通信回路101を制御することができ、同期パケットPA0は、PLCAデバイス10の新しい識別情報ID0を含む。
【0072】
別の観点から見ると、PLCAデバイス10と第2PLCAデバイスが重複した識別情報を使用しているとPLCAデバイス10が判定した場合、PLCAデバイス10は、それに対応して、第3実施形態の内容を実行することができる。関連する詳細については、第3実施形態の説明を参照することができるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0073】
第6実施形態において、PLCAデバイス10が対応する送信機会を実行した時にパケット衝突が検出されたと判定した場合、未知のPLCAデバイスがパケットを送信していることを意味する。具体的に説明すると、PLCAデバイス10~1Nのいずれか1つが自身の送信機会を判定した時、他のPLCAデバイスに対応する送信機会も同時にわかる。したがって、他のPLCAデバイスが対応する送信機会を実行した時にあるPLCAデバイスがパケットを送信した場合、そのPLCAデバイスは、PLCAネットワーク100の元の構成要素ではない(すなわち、新しいPLCAデバイスである)ことを意味する。
【0074】
したがって、PLCAデバイス10が対応する送信機会を実行している時にパケット衝突を検出した場合、コントローラ104は、それに対応して、識別情報テーブルをリセットし、デバイスカウントをリセットし、PLCAデバイス10の新しい識別情報ID0として別の乱数を生成することができる。その後、コントローラ104は、再同期パケットRSおよびPLCAデバイス10に対応する同期パケットPA0を送信するように通信回路101を制御することができ、同期パケットPA0は、PLCAデバイスの新しい識別情報ID0を含む。
【0075】
別の観点から見ると、PLCAデバイス10が送信機会を実行している時にパケット衝突が検出されたと判定した場合、PLCAデバイス10は、それに対応して、第3実施形態の内容を実行することができる。関連する詳細については、第3実施形態の説明を参照することができるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0076】
1つの実施形態において、PLCAデバイス10~1Nが自身のノードIDおよび/またはノード番号を判定した後、PLCAデバイス10~1Nは、それに基づいて、それらがPLCAネットワーク100内の主要ノードであるか否かを判断することもできる。
【0077】
本発明の実施形態において、特定のノードIDおよび/または特定のノード番号を有するPLCAデバイスは、主要ノードと称される。説明を容易にするため、ノード番号0を有するPLCAデバイスがPLCAネットワーク100内の主要ノードであると仮定するが、本発明はこれに限定されない。
【0078】
第7実施形態において、PLCAデバイス10が主要ノードであると仮定すると、コントローラ104は、他のPLCAデバイス11~1Nの中に特定のPLCAデバイスが存在するか否かを判断することができ、特定のPLCAデバイスは、対応する送信機会中のどの送信操作も実行しない。
【0079】
PLCAデバイスが存在すると判定した場合、PLCAネットワーク100において実際に送信されていないアイドル状態のPLCAデバイスまたは削除されたPLCAデバイスが存在することを意味する。この場合、コントローラ104は、識別情報テーブルをリセットし、デバイスカウントをリセットし、PLCAデバイス10の新しい識別情報ID0として別の乱数を生成することができる。その後、コントローラ104は、再同期パケットRSおよびPLCAデバイス10に対応する同期パケットPA0を送信するように通信回路101を制御することができ、同期パケットPA0は、PLCAデバイス10の新しい識別情報ID0を含む。
【0080】
別の観点から見ると、アイドル状態のPLCAデバイスまたは削除されたPLCAデバイスが存在するとPLCAデバイス10が判定した時、PLCAデバイス10は、それに対応して、第3実施形態の内容を実行することができる。関連する詳細については、第3実施形態の説明を参照することができるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0081】
図3を参照すると、図3は、本発明の1つの実施形態に係るパケットフォーマットの概略図である。図3において、パケットフォーマット300は、例えば、プリアンブル(preamble)311、フレーム開始デリミター(start of frame delimiter, SFD)312、宛先アドレス(destination addres, DA)313、送信元アドレス(source address, SA)314、サイズ315、ペイロード(payload)316、およびフレームチェックシーケンス(frame check sequence, FCS)317を含む。
【0082】
異なる実施形態において、同期パケットおよび再同期パケットは、いずれも図3に示したフォーマットを有することができるが、同期パケットと再同期パケットの間の相違点は、ペイロード316の内容にある。
【0083】
1つの実施形態において、パケットフォーマット300が同期パケットを実施するために使用された時、ペイロード316の内容は、例えば、「0x0000_0000_nodeID_0000」であり、nodeIDは、例えば、同期パケットを送信するPLCAデバイスの識別情報である。また、パケットフォーマット300が再同期パケットを実施するために使用された時、ペイロード316の内容は、例えば、「0x0000_0000_nodeID_00FF」であり、nodeIDは、例えば、再同期パケットを送信するPLCAデバイスの識別情報である。
【0084】
また、宛先アドレス313は、例えば、同期パケットおよび/または再同期パケットを受信すべきPLCAデバイスのアドレスを記録する。図3において、宛先アドレス313が示されたフォームに設定された時、パケットをブロードキャストするものと理解されるが、本発明はこれに限定されない。
【0085】
また、送信元アドレス314は、例えば、同期パケットおよび/または再同期パケットを送信するPLCAデバイスのアドレスを記録する。図3において、同期パケットおよび/または再同期パケットを送信するPLCAデバイスのアドレスは、「0x0000_0000_nodeID」で表すことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0086】
以上のように、本発明の実施形態の方法により、PLCAネットワーク内の各PLCAデバイスは、PLCAメカニズムを実行する前に対応するノードIDを自動判定することができるため、それに基づいて、後続のPLCAメカニズムをスムーズに実行することができる。また、本発明の実施形態は、さらに、PLCAメカニズムの実行後に新しく追加されたPLCAデバイス、アイドル状態のPLCAデバイス、および/または削除されたPLCAデバイスによって各PLCAデバイスのノードIDを自動的に再判定するメカニズムを提案する。このようにして、各PLCAデバイスのノードIDを誤って設定し、PLCAメカニズムが正しく実行できなくなることを回避することができる。
【0087】
上記の実施形態において本発明を開示したが、これらの実施形態は、本発明を限定する意図はない。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、いくつかの変更および修正を行うことができる。本発明の保護範囲は、添付された特許請求の範囲によって定義されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0088】
物理層衝突回避デバイスおよび物理層衝突回避デバイスのノードIDを自動判定する方法は、マルチドロップネットワークに応用することができる。
【符号の説明】
【0089】
100 PLCAネットワーク
10~1N PLCAデバイス
101 通信回路
102 乱数生成器
103 比較器
104 コントローラ
300 パケットフォーマット
311 プリアンブル
312 フレーム開始デリミター
313 宛先アドレス
314 送信元アドレス
315 サイズ
316 ペイロード
317 フレームチェックシーケンス
ID0~IDN 識別情報
PA0~PAN 同期パケット
RS 再同期パケット
S210~S260 ステップ
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物理層衝突回避デバイスの第1識別情報を含む第1同期パケットを受信するために使用される通信回路と、
前記通信回路に接続され、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを維持し、
理層衝突回避デバイスの識別情報として乱数を生成することと、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報と前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報の間の第1比較結果を判定することと、
前記第1比較結果に基づいて、前記識別情報テーブルおよび前記デバイスカウントを更新することと、
前記第1比較結果に基づいて、前記物理層衝突回避デバイスに対応する同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
前記識別情報テーブルに基づいて、物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスのノードIDを決定することと、
を実行するように構成されたコントローラと、
を含む物理層衝突回避デバイス。
【請求項2】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報と異なることを前記第1比較結果が示していると判定したことに応じて、前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報が前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報テーブルに記録されているか否かを判断することと、
前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報が前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報テーブルに記録されていないと判定したことに応じて、前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報を前記識別情報テーブルに追加することにより前記識別情報テーブルを更新し、前記デバイスカウントをインクリメントすることにより前記デバイスカウントを更新することと、
を実行するように構成された請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項3】
前記コントローラが、さらに、
前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報が前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報テーブルに記録されていると判定したことに応じて、前記物理層衝突回避デバイスのパケット検出時間をリセットするように構成された請求項2に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項4】
前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報が前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報テーブルに記録されていないと判定したことに応じて、前記コントローラが、さらに、
前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報を含む請求項2に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項5】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報と同じであることを前記第1比較結果が示していると判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットすることにより前記識別情報テーブルを更新し、前記デバイスカウントをリセットすることにより前記デバイスカウントを更新するように構成された請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項6】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報と同じであることを前記第1比較結果が示していると判定したことに応じて、前記物理層衝突回避デバイスの新しい識別情報として別の乱数を生成することと、
再同期パケットおよび前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記新しい識別情報を含む請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項7】
前記再同期パケットが、前記対応する識別情報テーブルをリセットし、前記対応するデバイスカウントをリセットし、前記対応する第1識別情報を再生成し、前記第1識別情報を含む前記第1同期パケットを送信するように前記第1物理層衝突回避デバイスをトリガーするために少なくとも使用される請求項6に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項8】
前記コントローラが、さらに、
同期パケットを受信していないパケット検出時間を蓄積することと、
前記パケット検出時間が予め設定された時間閾値以上であると判定したことに応じて、前記識別情報テーブルに基づいて、前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDを決定することと、
を実行するように構成された請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項9】
前記物理層衝突回避ネットワークが、前記物理層衝突回避デバイスおよび少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスを少なくとも含み、前記識別情報テーブルが、前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報および前記少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスのそれぞれの識別情報を記録し、前記コントローラが、
前記識別情報テーブル内の前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報および前記少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスのそれぞれの前記識別情報を降順に並べ替えることと、
前記識別情報テーブル内の前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報の順序に基づいて、前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDを決定することと、
を実行するように構成された請求項8に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項10】
前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDが、ノード番号であり、前記ノード番号が、前記識別情報テーブルにおける前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報の前記順序に対応する請求項9に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項11】
前記コントローラが、さらに、
前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDに基づいて、前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの送信機会を決定するように構成された請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項12】
前記物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記送信機会を決定した後、前記コントローラが、
前記通信回路が第2物理層衝突回避デバイスの第2識別情報を含む第2同期パケットを受信したと判定したことに応じて、前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報と前記第2物理層衝突回避デバイスの前記第2識別情報の間の第2比較結果を判定することと、
前記第2比較結果に基づいて、前記識別情報テーブルおよび前記デバイスカウントを更新することと、
前記第2比較結果に基づいて、前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成された請求項11に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項13】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第2物理層衝突回避デバイスの前記第2識別情報と異なることを前記第2比較結果が示しており、且つ前記第2識別情報が前記識別情報テーブルに記録されていないと判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットすることにより前記識別情報テーブルを更新し、前記デバイスカウントをリセットすることにより前記デバイスカウントを更新することと、
前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成された請求項12に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項14】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報が前記第2物理層衝突回避デバイスの前記第2識別情報と同じであることを前記第2比較結果が示していると判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットすることにより前記識別情報テーブルを更新し、前記デバイスカウントをリセットすることにより前記デバイスカウントを更新することと、
前記物理層衝突回避デバイスの新しい識別情報として別の乱数を生成することと、
再同期パケットおよび前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記新しい識別情報を含む請求項12に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項15】
前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスが対応する前記送信機会を実行した時にパケット衝突が検出されたと判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットし、前記デバイスカウントをリセットし、前記物理層衝突回避デバイスの新しい識別情報として別の乱数を生成することと、
再同期パケットおよび前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記新しい識別情報を含む請求項11に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項16】
前記物理層衝突回避ネットワークが、前記物理層衝突回避デバイスおよび少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスを少なくとも含み、前記少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスのそれぞれが、対応する送信機会を有し、前記コントローラが、
前記物理層衝突回避デバイスが前記物理層衝突回避ネットワークにおける主要ノードであることを前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDが示していると判定したことに応じて、前記対応する送信機会においていかなる送信操作も実行しない特定の物理層衝突回避デバイスが前記少なくとも1つの他の物理層衝突回避デバイスの中に存在するか否かを判断することと、
前記特定の物理層衝突回避デバイスが存在すると判定したことに応じて、前記識別情報テーブルをリセットし、前記デバイスカウントをリセットし、前記物理層衝突回避デバイスの新しい識別情報として別の乱数を生成することと、
再同期パケットおよび前記物理層衝突回避デバイスに対応する前記同期パケットを送信するように前記通信回路を制御することと、
を実行するように構成され、前記同期パケットが、前記物理層衝突回避デバイスの前記新しい識別情報を含む請求項11に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項17】
前記コントローラが、
前記同期パケットがパケット衝突を経験したと判定したことに応じて、前記同期パケットの累積衝突回数をインクリメントし、バックオフ時間を待ってから前記同期パケットを再送信するように構成され、前記バックオフ時間が、前記累積衝突回数に関連する請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項18】
前記バックオフ時間が、D*kによって特徴付けられ、Dが、特定のビット時間であり、kが、2-1であり、nが、前記累積衝突回数である請求項17に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項19】
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報として前記乱数を生成するために使用される乱数生成器と、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報と前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報の間の前記第1比較結果を判定するために使用される比較器と、
をさらに含む請求項1に記載の物理層衝突回避デバイス。
【請求項20】
物理層衝突回避デバイスのノードIDを自動決定する方法であって、前記物理層衝突回避デバイスに適用され、
前記物理層衝突回避デバイスの識別情報として乱数を生成し、前記物理層衝突回避デバイスが、識別情報テーブルおよびデバイスカウントを維持することと、
第1物理層衝突回避デバイスの第1識別情報を含む第1同期パケットを受信することと、
前記物理層衝突回避デバイスの前記識別情報と前記第1物理層衝突回避デバイスの前記第1識別情報の間の第1比較結果を判定することと、
前記第1比較結果に基づいて、前記識別情報テーブルおよび前記デバイスカウントを更新することと、
前記第1比較結果に基づいて、前記物理層衝突回避デバイスに対応する同期パケットを送信するように信回路を制御することと、
前記識別情報テーブルに基づいて、物理層衝突回避ネットワーク内の前記物理層衝突回避デバイスの前記ノードIDを決定することと、
を含む方法。
【外国語明細書】