IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エヌエイチエヌ エンターテインメント コーポレーションの特許一覧 ▶ NHN PlayArt株式会社の特許一覧

特開2024-100660ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ
<>
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図1
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図2
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図3
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図4
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図5
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図6
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図7
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図8
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図9
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図10
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図11
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図12
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図13
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図14
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図15
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図16
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図17
  • 特開-ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100660
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバ
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/63 20140101AFI20240719BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240719BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240719BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240719BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240719BHJP
【FI】
A63F13/63
A63F13/79
A63F13/53
A63F13/58
A63F13/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121828
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2023003483の分割
【原出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】313011434
【氏名又は名称】エヌエイチエヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】(Sampyeong-dong),16,Daewangpangyo-ro 645 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】516164173
【氏名又は名称】NHN PlayArt株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】溝口 達洋
(57)【要約】
【課題】NFT化されたアイテムの好適なゲーム制御方法を提供する。
【解決手段】ゲーム制御方法は、第1キャラクタに対応する第1ユーザによってNFT化
されたアイテムを所有する第2ユーザに対応する第2キャラクタが当該アイテムを使用す
る場合に、第1ユーザを特定するための情報をブロックチェーンから取得し、第1キャラ
クタの状況を示す第1状況情報と第2キャラクタの状況を示す第2状況情報とに基づいて
、ゲームにおいてアイテムの性能及び表示の少なくとも一方に関する制御を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1キャラクタに対応する第1ユーザによってNFT化されたアイテムを所有する第2
ユーザに対応する第2キャラクタが当該アイテムを使用する場合に、前記第1ユーザを特
定するための情報をブロックチェーンから取得し、
前記第1キャラクタの状況を示す第1状況情報と前記第2キャラクタの状況を示す第2
状況情報とに基づいて、ゲームにおいて前記アイテムの性能及び表示の少なくとも一方に
関する制御を実行する、ゲーム制御方法。
【請求項2】
前記第1状況情報は、前記ゲーム世界を表現する仮想空間内での前記第1キャラクタの
位置情報であり、
前記第2状況情報は、前記仮想空間内での前記第2キャラクタの位置情報である、請求
項1に記載のゲーム制御方法。
【請求項3】
前記第1状況情報は、前記第1キャラクタのゲームイベントの進行状況であり、
前記第2状況情報は、前記第2キャラクタのゲームイベントの進行状況である、請求項
1に記載のゲーム制御方法。
【請求項4】
前記第1状況情報は、前記第1キャラクタのアクション情報であり、
前記第2状況情報は、前記第2キャラクタのアクション情報である、請求項1に記載の
ゲーム制御方法。
【請求項5】
前記第1状況情報は、前記第1キャラクタのステータス情報であり、
前記第2状況情報は、前記第2キャラクタのステータス情報である、請求項1に記載の
ゲーム制御方法。
【請求項6】
前記第1状況情報は、前記第1キャラクタが属するグループ情報であり、
前記第2状況情報は、前記第2キャラクタが属するグループ情報である、請求項1に記
載のゲーム制御方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゲーム制御方法をサーバの制御部に実行させる
ためのプログラム。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゲーム制御方法を実行する制御部を含むサーバ

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一実施形態は、ゲーム制御方法、プログラム、およびサーバに関する。
【0002】
従来から、プレイヤキャラクタがゲーム世界を表現する仮想空間内において、素材を用
いてアイテムを制作することがある。制作されたアイテムのステータスは一義的に決定さ
れるものではなく、確率によって増減する場合がある。そのため、制作されたアイテムの
ステータスが高い場合、ゲーム内で高い値段で売買することもできる。
【0003】
近年、ゲーム内で制作されたアイテムに対して、唯一性や保有者を証明することができ
るNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)付与することで
、デジタル資産としての価値を高めている。ユーザは、NFTを扱うマーケットプレイス
(NFTマーケットプレイス)を利用して、自ら制作したアイテムを販売したり、購入し
たりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-13271号公報
【特許文献2】特開2022-102538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、NFT化されたアイテムをゲームに実装する場合、ブロックチェーン特有の問
題が発生していたが、近年、レイヤー2のブロックチェーン技術によって諸問題が解決で
きるようになり、NFTを利用したゲームの幅が広がった。それに伴い、ゲーム内におけ
るNFT化されたアイテムのデータの唯一性や追跡可能性を有効活用した新たなゲーム制
御が求められるようになった。
【0006】
一実施形態は、NFT化されたアイテムの好適なゲーム制御方法を提供することを目的
の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るゲーム制御方法は、第1キャラクタに対応する第1ユーザによってN
FT化されたアイテムを所有する第2ユーザに対応する第2キャラクタが当該アイテムを
使用する場合に、第1ユーザを特定するための情報をブロックチェーンから取得し、第1
キャラクタの状況を示す第1状況情報と第2キャラクタの状況を示す第2状況情報とに基
づいて、ゲームにおいてアイテムの性能及び表示の少なくとも一方に関する制御を実行す
る。
【0008】
上記のゲーム制御方法において、第1状況情報は、ゲーム世界を表現する仮想空間内で
の第1キャラクタの位置情報であり、第2状況情報は、仮想空間内での第2キャラクタの
位置情報であってもよい。
【0009】
上記のゲーム制御方法において、第1状況情報は、第1キャラクタのゲームイベントの
進行状況であり、第2状況情報は、第2キャラクタのゲームイベントの進行状況であって
もよい。
【0010】
上記のゲーム制御方法において、第1キャラクタのアクション情報であり、第2状況情
報は、第2キャラクタのアクション情報であってもよい。
【0011】
上記のゲーム制御方法において、第1キャラクタのステータス情報であり、第2状況情
報は、第2キャラクタのステータス情報であってもよい。
【0012】
上記のゲーム制御方法において、第1キャラクタが属するグループ情報であり、第2状
況情報は、第2キャラクタが属するグループ情報であってもよい。
【0013】
一実施形態に係るプログラムは、一実施形態に係るゲーム制御方法をサーバの制御部に
実行させるためのプログラムであってもよい。
【0014】
一実施形態に係るサーバは、一実施形態に係るゲーム制御方法を実行する制御部を含む
サーバであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
一実施形態によれば、NFT化されたアイテムの好適なゲーム制御方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】一実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。
図4】一実施形態におけるゲーム表示機能を示すブロック図である。
図5】一実施形態におけるゲーム進行制御機能を示すブロック図である。
図6】一実施形態におけるゲーム制御機能を示すブロック図である。
図7】ユーザ情報DBの構成を説明する図である。
図8】アイテム情報DBの構成を説明する図である。
図9】ゲーム情報DBの構成を説明する図である。
図10】NFTアイテムの一覧を表示するゲーム画像の一例である。
図11】NFTアイテムの詳細情報を表示するゲーム画像の一例である。
図12】アイテムの一覧を表示するゲーム画像の一例である。
図13】アイテムの詳細情報を表示するゲーム画像の一例である。
図14】一実施形態におけるゲーム画像GIの構成を示す図である。
図15】一実施形態におけるゲーム制御方法を示すフローチャートである。
図16】NFTアイテムの詳細情報を表示するゲーム画像の一例である。
図17】NFTアイテムの詳細情報を表示するゲーム画像の一例である。
図18】一実施形態におけるゲーム画像GIの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態であるゲーム制御方法について説明する。但
し、本発明は、多くの異なる態様で実施することが可能である。すなわち、本発明は、以
下に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されない。本実施の形態で参照する図面にお
いて、同一部分または同様の機能を有する部分には、同一の符号または同一の符号の後に
アルファベットを付した符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
本明細書および特許請求の範囲において、各用語は、次のように定義される。
【0019】
「ゲーム画像」とは、ディスプレイに表示されるゲームの進行状況を表す画像である。
換言すれば、ゲーム画像は、ゲーム世界を表現する仮想空間を二次元に可視化した画像で
ある。具体的には、仮想空間の少なくとも1点に配置された仮想カメラによって撮像され
た仮想空間の一部の領域がゲーム画像として表示される。すなわち、仮想空間内において
仮想カメラの位置または向きが変更されると、ゲーム画像は、仮想カメラの位置または向
きに応じて変更される。
【0020】
「プログラム」とは、プロセッサおよびメモリを備えたコンピュータにおいてプロセッ
サより実行される命令または命令群を指す。「コンピュータ」は、プログラムの実行主体
を指す総称である。例えば、サーバ(またはクライアント)によりプログラムが実行され
る場合、「コンピュータ」は、サーバ(またはクライアント)を指す。また、サーバとク
ライアントとの間の分散処理により「プログラム」が実行される場合、「コンピュータ」
は、サーバおよびクライアントの両方を含む。この場合、「プログラム」は、「サーバで
実行されるプログラム」および「クライアントで実行されるプログラム」を含む。「プロ
グラム」が、複数のサーバ間で分散処理される場合も同様に、「コンピュータ」は、複数
のサーバを含み、「プログラム」は、各サーバで実行される各プログラムを含む。
【0021】
「アイテム」とは、例えば、ゲーム内でゲームキャラクタによって使用される武器、防
具、道具、アクセサリ等をいう。また、アイテムを使用するとは、ゲームキャラクタが当
該アイテムを所有したまま利用することであり、例えば、ゲームキャラクタが武器や防具
を装備すること等が該当する。
【0022】
<第1実施形態>
本実施形態では、一実施形態に係るゲーム制御方法について、図1乃至図18を参照し
て説明する。
【0023】
[通信システムの構成]
図1は、本実施形態における通信システム1000の構成を示すブロック図である。通
信システム1000は、通信装置10、ゲームサーバ50、ブロックチェーンネットワー
ク70によって構成される。通信装置10およびゲームサーバ50は、インターネット、
通信回線などのネットワークNWに接続される。また、ゲームサーバ50は、通信装置1
0及びブロックチェーンネットワーク70と通信可能に接続されている。
【0024】
クライアントである通信装置10は、例えば、スマートフォンであり、ネットワークN
Wに接続することによって他の装置と通信することができる。通信装置10は、スマート
フォンに限らず、タブレット型端末、携帯ゲーム機等のユーザが保持可能な携帯装置であ
ればよい。
【0025】
通信装置10は、インストールされたゲームプログラムを実行することにより、複数の
ユーザにより対戦可能なゲームを、ゲームサーバ50及びブロックチェーンネットワーク
70と連携して通信装置10のユーザに提供する。この例では、仮想空間において移動可
能なゲームキャラクタをユーザが操作することによって他のゲームキャラクタと戦闘がで
きるゲームが、ユーザに提供される。このように、複数のゲームキャラクタが対戦するゲ
ームであることから、複数のゲームキャラクタにそれぞれ対応する複数の通信装置10が
ゲームサーバ50に接続する。
【0026】
ゲームサーバ50は、通信装置10に対して、アプリケーションプログラムを提供した
り、各種のサービスを提供したりする情報処理装置の一例である。各種のサービスには、
例えば、通信装置10においてオンラインゲームを実行する際におけるログイン処理、同
期処理などのサービスが含まれる。そのほか、各種のサービスには、例えば、SNS(ソ
ーシャルネットワーキングサービス)が含まれていてもよい。図1において、ゲームサー
バ50は、単一の情報処理装置として図示されているが、複数の情報処理装置で構成され
ていてもよい。
【0027】
アプリケーションプログラムには、例えば、以下に説明するゲームを実行するためのア
プリケーションプログラム(ゲームプログラムという)が含まれる。アプリケーションプ
ログラムは、ゲームサーバ50が読み取り可能な記録媒体に記録されている。記録媒体は
、ゲームサーバ50に含まれる記憶装置であってもよいし、ゲームサーバ50に接続され
る記憶装置であってもよいし、ゲームサーバ50がネットワークNWを介して接続される
記憶装置であってもよい。
【0028】
アプリケーションプログラムは、分散型アプリケーション(Dapps:Decent
ralized Applications)であってもよい。Dappsは、「スマー
トコントラクト」と呼ばれるブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組みを応用
したものである。Dappsは、イーサリアムなどのブロックチェーン上でスマートコン
トラクトを利用することで実現できるアプリケーションの総称をいう。
【0029】
イーサリアムは、分散型アプリケーションおよびスマートコントラクトを構築するため
のプラットフォームである。スマートコントラクトは、契約などのプロトコルを自動的に
実行するようにブロックチェーンに実装されている。イーサリアムなどのブロックチェー
ンによって発行可能なトークン(イーサリアムトークン)としては、ファンジブルトーク
ンと、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible To
ken:NFT)とがある。NFTは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さ
ないトークンである。NFTは、他のNFTと区別される独自の価値を有することができ
る。
【0030】
ゲームサーバ50は、ブロックチェーンネットワーク70と連携してゲーム内のアイテ
ムに対応するNFTを発行する。以降の説明において、NFTが発行されたアイテムを、
NFT化されたアイテム又はNFTアイテムと呼ぶ。NFTはブロックチェーン上にスマ
ートコントラクトのメタ―データとして記録され、追跡可能であるため、制作者、権利者
、所有権者情報、NFTID等の詳細および履歴を含む取引情報を証明することができる
。NFTの発行は、例えば、スマートコントラクトの実行を介して実現される。ゲームサ
ーバ50のアイテムデータベースに、ユーザによって制作されたアイテムが、アイテムI
Dによって管理されている。ゲームサーバ50は、ユーザ又はプログラムからNFT化を
行う指示を受信すると、アイテムIDに紐づくNFTIDを生成し、アイテムデータベー
スに格納する。また、NFTIDを含むメタデータを有するコード(バイトコード)を生
成し、ブロックチェーン(ゼロアドレス)に送信する。ブロックチェーンでは、ゼロアド
レスに宛先にした入力を受信すると、新規のコントラクトの開始の合図となり、NFTI
Dを含むコードが記載されたスマートコントラクトを開始させる。トークンとは、スマー
トコントラクトによる所有権の管理なので、スマートコントラクトの開始が、NFTの開
始ともいえる。このようにして発行されたNFTは、スマートコントラクト上で、ユーザ
のウォレットアドレスに関連付けられる。これによって、ユーザはNFT化されたアイテ
ムをNFTの取引所であるマーケットプレイスで売買したり、あるいは他のNFT化され
たアイテムと交換したりすることが可能となる。アイテムに対応するNFTを発行したユ
ーザを、NFTアイテムの制作者と呼ぶ。また、NFT化されたアイテムを、マーケット
プレイスにて購入し所有しているユーザを、NFTアイテムの所有者と呼ぶ。
【0031】
ブロックチェーンネットワーク70は、ファーストレイヤー70-1及びセカンドレイ
ヤー70-2の2つの階層で構成される。なお、ファーストレイヤー70-1及びセカン
ドレイヤー70-2は、それぞれレイヤー1(またはL1)及びレイヤー2(またはL2
)とも言う。ファーストレイヤー70-1は、ブロックチェーンネットワーク70の基幹
となるブロックチェーンである。セカンドレイヤー70-2は、ファーストレイヤー70
-1のブロックチェーンで発生するスケーラビリティ問題を解消するために設けられる補
完プログラムである。現在、セカンドレイヤー70-2には、複数タイプのプログラムが
考案されており、機能としてもファーストレイヤー70-1の一部を補完するものから、
大部分の役割を担うものまで様々である。例えば、イーサリアムの「Plasma」は、
レイヤー1のブロックチェーンに階層を別にして接続される(いわゆる「オンチェーン」
)タイプのレイヤー2であり、データ構造としてもチェーンの構造を形成している。その
ため、イーサリアムにおいては、レイヤー1だけでなくレイヤー2においてもスマートコ
ントラクトを実装することが可能となる。本実施形態におけるセカンドレイヤー70-2
は、イーサリアムと同様のレイヤー2を前提に記述される。なお、スケーラビリティ問題
とは、ブロックチェーンにおいて大量の取引が実行されると、処理時間が遅延したり、手
数料(いわゆるガス代)が増加してしまう問題のことを指す。セカンドレイヤー70-2
の各種プログラムは、ファーストレイヤー70-1のブロックチェーンのトランザクショ
ンを一部代わりに処理し、最終的な結果をブロックチェーンに戻すことで、ファーストレ
イヤー70-1の負担を軽減することができる。
【0032】
本発明の一実施形態に係るゲーム制御方法として、ゲームに特化したブロックチェーン
にて実現されてもよい。検討されているゲーム特化型のブロックチェーンプロジェクトと
して、レイヤー1をプロジェクトの基幹のブロックチェーンとし、プロジェクトに参加す
る各ゲームパブリッシャーが自社のシステムとしてレイヤー2を運営し、そのレイヤー2
で実装できるスマートコントラクトから作られるトークンを利用したゲームを作るものが
ある。例えるなら、レイヤー1のブロックチェーンをプラットフォームとして、そこに各
社が自社の店舗(レイヤー2のオンチェーンシステム)を出店し、そこで各社独自の通貨
(各々のレイヤー2で実装される各社のトークン)を使った商品(各ゲームタイトル)を
展開するといったようなビジネスモデルを実現することもできる。なお、各ゲームパブリ
ッシャーは、レイヤー1のブロックチェーンに実装されるスマートコントラクトを利用し
たトークン(ゲーム特化型のブロックチェーンで利用される仮想通貨)を利用したゲーム
を制作することも可能である。各社のトークンと、ゲーム特化型のブロックチェーンで利
用される仮想通貨とは、高い互換性がある。そのため、両替コストを極めて低くすること
ができるという利点を有する。NFTアイテムは、異なるゲームパブリッシャーのゲーム
間で利用することができる。
【0033】
[通信装置の構成]
図2は、一実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。一実施形態にお
ける通信装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、センサ部15
、撮像部16、位置検出部17および通信部18を含む。通信装置10は、これらの構成
のすべてを含むものに限定されない。また、通信装置10は、マイクロフォン、スピーカ
など他の構成を含んでもよい。
【0034】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などのプ
ロセッサ(演算処理回路)およびRAM等の記憶装置を備えるコンピュータの一例である
。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種
機能を通信装置10において実現させる。通信装置10の各要素から出力される信号は、
通信装置10において実現される各種機能によって使用される。制御部11は、ゲームプ
ログラムを実行することによって、ゲームをユーザに提供するときに用いるゲーム表示機
能を実現する。
【0035】
記憶部12は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置である。記憶
部12は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の各種デー
タを記憶する。上述したゲームプログラムは、ゲームサーバ50または他のサーバからネ
ットワークNW経由でダウンロードされ、記憶部12に記憶されることによって、通信装
置10にインストールされる。ゲームプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気
記録媒体、半導体メモリ等の記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、通
信装置10は、この記録媒体を読み取る装置を備えていればよい。記憶部12も記録媒体
の一例である。
【0036】
表示部13は、制御部11の制御に応じて、各種の画面(例えば、ゲーム画像等)を表
示する表示領域を有するディスプレイである。表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ
または有機ELディスプレイ等の表示装置である。
【0037】
操作部14は、ユーザの操作に応じた信号を制御部11に出力する操作装置である。操
作部14は、表示部13の表面に配置されたタッチセンサである。操作部14は、表示部
13と組み合わせることによってタッチパネルを構成する。ユーザの指またはスタイラス
ペン等で操作部14に接触することによって、ユーザの操作に応じた命令または情報が通
信装置10へ入力される。操作部14は、通信装置10の筐体に配置されたスイッチを含
んでもよい。
【0038】
センサ部15は、通信装置10の動き、通信装置10の周囲の環境などに関する情報を
収集して信号に変換する機能を備える装置である。センサ部15は、例えば、加速度セン
サ、ジャイロセンサ等を含む。制御部11は、センサ部15の出力信号に基づいて、通信
装置10の挙動(例えば、傾き、振動など)に関する情報を取得する。センサ部15は、
照度センサ、温度センサ、磁気センサその他のセンサを含んでもよい。
【0039】
[サーバの構成]
図3は、一実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。一実施形態におけ
るゲームサーバ50は、制御部51、記憶部52および通信部53を含む。
【0040】
制御部51は、CPUなどのプロセッサ(演算処理回路)およびRAM等の記憶装置を
備えるコンピュータの一例である。制御部51は、記憶部52に記憶されたプログラムを
プロセッサにより実行して、各種機能をゲームサーバ50において実現させる。ゲームサ
ーバ50の各要素から出力される信号は、ゲームサーバ50において実現される各種機能
によって使用される。制御部51は、ゲーム提供プログラムを実行することによって、通
信装置10に提供するゲームを進行させるためのゲーム進行制御機能を実現する。
【0041】
記憶部52は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置である。記憶
部52は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を記
憶する。プログラムにはゲーム提供プログラムも含まれる。ゲーム提供プログラムも、記
憶部52に記憶される。ゲームを提供中に通信装置10から受信した各種データについて
も記憶部52に記憶される。記憶部52は、通信装置10に提供されるゲームプログラム
を記憶してもよい。
【0042】
ゲーム提供プログラムは、他のサーバからネットワークNW経由でダウンロードされ、
記憶部52に記憶されることによって、ゲームサーバ50にインストールされてもよい。
ゲーム提供プログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリな
どのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合
、ゲームサーバ50は、この記録媒体を読み取る装置を備えていればよい。記憶部52も
記録媒体の一例である。図2において、記憶部52は、単一の記憶装置として図示されて
いるが、複数の記憶装置で構成されていてもよい。
【0043】
記憶部52の一領域には、ゲームプログラムに関連するデータベースを含む。データベ
ースとして、例えば、ユーザ情報データベース(以下、ユーザ情報DBという)、アイテ
ム情報データベース(以下、アイテム情報DBという)、状況情報データベース(以下、
ゲーム情報DBという)を含んでいる。各種データベースについては、後に詳細に説明す
る。
【0044】
通信部53は、制御部51の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワーク
NWに接続された通信装置10、ブロックチェーンネットワーク70、他のサーバなど、
他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。他のサーバとしては
、例えば、ゲームサーバ、SNSサーバ、メールサーバなどである。
【0045】
[ゲーム表示機能]
ゲームは、ゲーム表示機能およびゲーム進行制御機能によって、ユーザに提供される。
まず、ゲーム表示機能について説明する。ゲーム表示機能は、通信装置10の制御部11
がゲームプログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム表示機能
を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
【0046】
図4は、一実施形態におけるゲーム表示機能を示すブロック図である。一実施形態にお
けるゲーム表示機能100は、ゲーム操作取得部101、操作データ送信部103、制御
データ受信部105、ゲームデータ記憶領域107、および表示データ生成部109を含
む。
【0047】
ゲーム操作取得部101は、ユーザによって操作部14に入力された操作のうち、ゲー
ム操作を取得する。ゲーム操作は、ユーザによって操作部14に入力された操作のうち、
ゲームに関する操作であって、例えば、ゲームキャラクタの移動、パラメータの指定等を
含む。
【0048】
操作データ送信部103は、ゲーム操作取得部101によって取得されたゲーム操作を
示す操作データを生成して、通信部18を介してゲームサーバ50に送信する。
【0049】
制御データ受信部105は、制御データをゲームサーバ50から通信部18を介して受
信する。制御データは、各通信装置10から送信された操作データに基づいてゲームサー
バ50が生成するデータである。
【0050】
ゲームデータ記憶領域107は、ゲーム画像を表示するために必要なデータ(例えば、
画像データ等)を記憶する領域である。
【0051】
表示データ生成部109は、ゲーム操作取得部101によって取得されたゲーム操作お
よび制御データ受信部105によって受信された制御データに基づいて、ゲーム画像を表
示部13に表示するための表示データを生成する。このとき、表示データ生成部109は
、必要に応じてゲームデータ記憶領域107に記憶されたデータを用いる。ゲーム操作に
基づくゲーム画像への処理は、例えば、後述するゲーム制御機能を含む。
【0052】
ゲーム操作がゲーム画像上に表示される設定画面等における操作のように、ゲームキャ
ラクタを移動させる操作とは別の操作を示す場合などにおいて、表示データ生成部109
は、ゲーム操作に基づく表示データを制御データとは関係なく生成する場合もある。
【0053】
[ゲーム進行制御機能]
続いて、ゲーム進行制御機能について説明する。ゲーム進行制御機能は、ゲームサーバ
50の制御部51がゲーム提供プログラムを実行することによって実現される。以下に説
明するゲーム進行制御機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによっ
て実現されてもよい。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態におけるゲーム進行制御機能を示すブロック図である。一
実施形態におけるゲーム進行制御機能500は、操作データ受信部501、処理実行部5
03および制御データ送信部505を含む。
【0055】
操作データ受信部501は、複数の通信装置10から送信された操作データを受信する
。これらの操作データは、送信元の通信装置10に対応するゲームキャラクタに関連付け
られる。通信装置10に対応するゲームキャラクタは、通信装置10を介してログインし
たユーザに割り当てられ、ユーザによって操作可能なゲームキャラクタである。
【0056】
処理実行部503は、操作データ受信部501が受信した操作データに基づいて、この
操作データに対応するゲームキャラクタの動作を、仮想空間において制御するためのステ
ータスデータを生成する。
【0057】
ステータスデータは、例えば、ゲームキャラクタに関して、仮想空間における座標、向
き、動き、その他様々な状態を規定する。ゲームキャラクタの動作は、ステータスデータ
に規定される状態になるように制御される。ステータスデータは、ユーザが操作するゲー
ムキャラクタの状態を規定する場合に限らず、仮想空間における様々なオブジェクトの状
態を規定する場合もある。ここでいうオブジェクトとは、例えば、ゲームの進行(時間経
過またはゲームキャラクタの動作の結果)に伴って状態が変化するものを含み、ゲームの
進行において状態が全く変化しないものは含まれなくてもよい。以下の説明では、ゲーム
キャラクタとオブジェクトとを総称して単にキャラクタという場合がある。
【0058】
処理実行部503は、各キャラクタに対応して生成したステータスデータ(状況情報と
もいう)を制御データ送信部505に提供する。
【0059】
制御データ送信部505は、複数の通信装置10のそれぞれに対して、通信部53を介
して、所定時間毎にステータスデータを含む制御データを送信する。
【0060】
このように、ゲーム表示機能100およびゲーム進行制御機能500によって、ゲーム
がユーザに提供される。
【0061】
[処理実行部の構成]
次に、NFTアイテムとその制作者とを関連付ける制御をゲーム内に反映させるゲーム
制御機能(以下「共鳴機能」と呼ぶ)について説明する。共鳴機能とは、例えば、NFT
アイテムの所有者に対応するゲームキャラクタがNFTアイテムを使用(例えば、キャラ
クタが身に着ける)すると、使用したNFTアイテムの情報に基づいて、セカンドレイヤ
ー70-2からNFTアイテムの制作者の情報を抽出する。NFTアイテムの制作者(ユ
ーザともいう)の情報に基づくNFTアイテムの制作者が利用するゲームキャラクタの状
況情報と、NFTアイテムを使用した所有者が利用するゲームキャラクタとの状況情報と
が、所定の条件を満たすときに、アイテムの設定情報を制御して、ゲーム内において反映
させる処理である。以降の説明において、具体的に説明する。
【0062】
共鳴機能は、処理実行部503によって実行される。図6は、処理実行部503を示す
ブロック図である。処理実行部503は、アイテム使用情報取得部5031、抽出部50
32、状況情報取得部5033、比較部5034、アイテム設定情報変更部5035、ア
イテム設定情報実行部5036、およびアイテム使用状況判定部5037を有する。また
、処理実行部503は、記憶部22が有するユーザ情報DB221、アイテム情報DB2
22、ゲーム情報DB223に格納されたデータを適宜参照する。また、処理実行部50
3は、セカンドレイヤー70-2のスマートコントラクトから、例えば、NFTアイテム
の制作者の情報を抽出する。なお、本実施形態においてゲームは、セカンドレイヤー70
-2に実装されるスマートコントラクトを利用するが、それに限られず、ファーストレイ
ヤー70-1に実装されるスマートコントラクトを利用する事も可能である。
【0063】
アイテム使用情報取得部5031は、NFTアイテムの所有者に対応するゲームキャラ
クタがNFTアイテムを使用することを示す操作データを、通信装置10から取得する。
アイテム使用情報取得部5031は、操作データとして、NFTアイテムの所有者のユー
ザID、使用されたNFTアイテムのアイテムID等を取得する。
【0064】
抽出部5032は、アイテムIDに基づいて、セカンドレイヤー70-2から、NFT
アイテムの制作者の情報を抽出する。具体的には、抽出部5032は、アイテムIDに基
づいてアイテム情報DBを参照し、アイテムIDに対応するNFTIDを取得し、NFT
IDに基づいて、セカンドレイヤー70-2のスマートコントラクトのメタデータから、
NFTアイテムの制作者の情報を抽出する。このとき、抽出部5032は、スマートコン
トラクトから、NFTアイテムの所有権の移動の履歴を含む取引情報を抽出してもよい。
【0065】
状況情報取得部5033は、NFTアイテムの所有者の状況情報と、NFTアイテムの
制作者の状況情報を取得する。具体的には、状況情報取得部5033は、NFTアイテム
の所有者のユーザIDに基づいて、ユーザ情報DB221およびゲーム情報DB223か
ら、ユーザIDに関するキャラクタのイベントの進行状況、仮想空間内における位置情報
、アクション情報、ステータス情報、およびグループ情報等を取得する。また、状況情報
取得部5033は、抽出部5032によってセカンドレイヤー70-2から抽出したNF
Tアイテムの制作者の情報に基づいて、ユーザ情報DB221およびゲーム情報DB22
3から、NFTアイテムの制作者のユーザID、ユーザIDに関するキャラクタのイベン
トの進行状況、仮想空間内における位置情報、アクション情報、ステータス情報、および
グループ情報等を取得する。
【0066】
比較部5034は、NFTアイテムの所有者の状況情報と、NFTアイテムの制作者の
状況情報とを比較し、所定の条件を満たすか否かを判定する。状況情報及び所定の条件に
ついては、後に詳細に説明する。
【0067】
アイテム設定情報変更部5035は、所定の条件を満たす場合に、アイテム情報DB2
22に格納されたアイテム設定情報を変更する。
【0068】
アイテム設定情報実行部5036は、変更されたアイテム設定情報を、制御データとし
て、制御データ送信部に出力する。
【0069】
アイテム使用状況判定部5037は、NFTアイテムの所有者に対応するゲームキャラ
クタがNFTアイテムを使用しているか否かを判定する。
【0070】
図5において、通信装置10から操作データを受信すると、処理実行部503は、ユー
ザがNFTアイテムを使用することを示す操作データに基づいて、アイテム使用情報取得
部5031によりアイテムID等を受信する。また、アイテム設定情報変更部5035に
よりアイテム設定情報が変更されると、制御データ送信部505から変更したアイテム設
定情報を制御データとして、通信装置10に送信する。
【0071】
次に、ユーザ情報DB221、アイテム情報DB222、及びゲーム情報DB223に
ついて、図7図9を参照して詳細に説明する。ユーザ情報DB221、アイテム情報D
B222、及びゲーム情報DB223は、互いに関連付けられている。
【0072】
図7は、ユーザ情報DB221の構成を説明する図である。ユーザ情報DB221には
、ユーザID、ユーザ名、キャラクタ名、キャラクタに関連付けられたステータス、グル
ープ、アイテムID、NFTID、画像、公開情報などが格納されている。ステータスと
しては、レベル、ランク、勲章などを含む。図示しないが、ステータスとして、攻撃力、
守備力、魔力が含まれていてもよい。レベル、ランク、勲章などのパラメータ値の総称を
、ユーザ又はゲームキャラクタのステータス情報という。また、グループとは、ユーザ又
はゲームキャラクタが所属するグループをいう。グループの数は2つ以上であればよい。
アイテムIDは、ユーザ又はゲームキャラクタが所有するアイテムのIDである。図7
は、ユーザ又はゲームキャラクタが所有するアイテムの個数を1つとして示しているが、
所有するアイテムの個数は特に限定されない。また、アイテムIDに対してNFTが発行
されている場合には、アイテムIDにNFTIDが関連付けられている。NFTIDは、
ユーザ又はゲームキャラクタがアイテムをNFT化した場合、マーケットプレイスでNF
T化されたアイテムを購入した場合の双方を含む。画像は、ユーザ又はゲームキャラクタ
の見た目を表す画像である。公開情報とは、ユーザ又はゲームキャラクタのステータス情
報を公開するか非公開にするかを示す情報である。公開情報としては、全部公開するか、
ステータス情報及び画像の少なくとも一つを公開するか、全部非公開とするかなどが、ユ
ーザによって設定されている。
【0073】
図8は、アイテム情報DB222の構成を説明する図である。アイテム情報DB222
は、アイテムID、アイテム名、ステータス、NFTID、画像などが格納されている。
ステータスとしては、攻撃力、守備力、魔力を含む。攻撃力、守備力、魔力などのパラメ
ータ値の総称を、アイテムのステータス情報、またはアイテムの性能という。アイテムの
ステータス情報は、ゲームキャラクタに作用するパラメータ値である。アイテムのステー
タス情報は、通信装置10で操作されるゲームキャラクタに作用してもよいし、他の通信
装置で操作される他のゲームキャラクタに作用してもよい。例えば、守備力や魔力のパラ
メータ値は、自分のゲームキャラクタに作用するパラメータ値であり、攻撃力のパラメー
タ値は、他のゲームキャラクタに作用するパラメータ値である。また、ゲームキャラクタ
がアイテム又はNFTアイテムを使用することで、アイテムのステータス情報を、ユーザ
又はゲームキャラクタのステータス情報に作用させてもよい。アイテムのステータス情報
(パラメータ値)は、アイテムIDに固有の情報(パラメータ値)である。NFTIDは
、当該アイテムがNFT化されていれば付与される。画像は、アイテムに対応する画像が
設定されている。アイテム設定情報変更部5035によって、アイテムの設定情報のうち
ステータス情報及び画像が変更される。アイテム情報DB222において、全てのアイテ
ムが同じデータベースに格納されていてもよいし、アイテムの種別(武器、防具、道具、
アクセサリなど)ごとに、異なるデータベースに格納されていてもよい。
【0074】
通信装置10のそれぞれでは、各種情報(以下、「ゲーム情報」と呼ぶ)が取得または
生成されて、そのゲーム情報は、通信装置10からゲームサーバ50へと送信される。ゲ
ーム情報DB223は、通信装置10のそれぞれから送られてくるゲームの進行状況を取
得して、格納する。ゲーム情報には、ゲームに関する画像や音声などの情報に加えて、各
キャラクタのイベントの進行状況、仮想空間内での位置情報、およびアクション情報等が
含まれる。
【0075】
図9は、ゲーム情報DB223の構成を説明する図である。具体的には、ゲーム情報D
B223は、ユーザID、キャラクタ名、位置情報、進行状況、アクション、アイテムI
Dを含む。位置情報は、ゲームキャラクタの仮想空間内に位置する座標である。図9では
、説明のため、仮想空間内での具体的な場所を示している。進行状況は、ゲームイベント
の進行状況である。ゲームキャラクタが現在到達したゲームイベントである。アクション
とは、ゲームキャラクタの行動を示している。アイテムIDは、ゲームキャラクタが使用
しているアイテムのIDである。なお、図7に示されるアイテム情報DBに格納されてい
るアイテムIDは、ゲームキャラクタが所有するアイテムのアイテムIDである。
【0076】
ユーザ情報DB221、アイテム情報DB222、及びゲーム情報DB223には、N
FTIDと制作者のユーザIDとが紐づいていない。なお、ユーザ情報DB221、及び
ゲーム情報DB223に含まれるユーザIDとは、アイテム所有者のユーザIDであり、
制作者のユーザIDではない。例えば、各情報DBにて、制作者のユーザIDをテーブル
に含んでいても、当該ユーザIDは、アイテムを制作したゲーム内のみで利用可能になる
だけである。NFTアイテムは、他のゲームにおいても使用可能である。ゲームが変わっ
ても資産として保有できるというデータの唯一性や追跡可能性というNFTの利点を反映
させるために、ゲームサーバ50の各情報DBにて、NFTIDと制作者のユーザIDと
を紐づけるのではなく、ブロックチェーンを利用してNFTIDと制作者のユーザIDと
を紐づける事が好適である。
【0077】
NFTアイテムの制作者は、自身又は自身のゲームキャラクタが所有するNFTアイテ
ム及び過去にNFT化したアイテムを適宜参照することができる。過去にNFT化したア
イテムは、NFTアイテムの制作者又はそのゲームキャラクタが既に所有していなくても
よい。ここでは、図7に示すゲームキャラクタCH1とゲームキャラクタCH2に対応す
るゲーム画像GIを参照して説明する。
【0078】
図10は、通信装置10におけるゲーム画像GIの一例である。図10に示すように、
ゲーム画像GIには、NFTアイテムの制作者が制作したNFT化されたアイテムの一覧
が表示されている。NFTアイテムの一覧を表示させるためには、処理実行部503はユ
ーザIDを取得して、ユーザIDに基づいてブロックチェーンからユーザIDに関連付け
られたNFTIDを抽出する。その後、アイテム情報DB222を参照して、NFTID
に関連するアイテムIDに対応する情報を抽出して、通信装置10の表示させてもよい。
または、ユーザIDとNFTIDとが関連付けられたデータベースを別途用意しておき、
当該データベースから情報を抽出して、通信装置10に表示させてもよい。図10は、『
光の剣1』を制作したユーザの通信装置10のゲーム画像GIである。NFTアイテムの
一覧において、例えば、『光の剣1』を選択すると、次のゲーム画像GIで、『光の剣1
』の詳細な情報を表示する。
【0079】
図11は、『光の剣1』を制作したユーザ(ゲームキャラクタCH1)が、『光の剣1
』を選択した場合の表示画面である。ゲーム画像GIには、アイテム名41、アイテムの
ステータス情報42、NFT情報43、現所有者情報44が表示される。また、ゲーム画
像GIには、アイテムの画像46および現所有者の画像45が表示される。現所有者情報
44及び現所有者の画像45は、ユーザ情報DB221に格納された公開情報にしたがっ
て表示される。図10及び図11において、ゲーム画像GIは、特定のゲームの画像であ
ってもよいし、複数のゲームを管理する管理画面の画像であってもよい。
【0080】
NFTアイテムの制作者から直接または間接的にNFTアイテムを購入したユーザが所
有するアイテムの一覧を図12に示す。図12に示すように、表示画面には、ユーザが所
有するアイテムの一覧が表示されている。図12は、『光の剣1』を購入したユーザの通
信装置10の画面である。図12に示すアイテムの一覧では、列挙されている複数のアイ
テムは、NFT化されたアイテムと、NFT化されていないアイテムの双方を含んでいて
もよい。アイテムの一覧において、例えば、『光の剣1』を選択すると、次の表示画面で
、『光の剣1』の詳細な情報を表示する。
【0081】
図13は、『光の剣1』を所有するユーザ(ゲームキャラクタCH2)が、『光の剣1
』を選択した場合のゲーム画像GIである。ゲーム画像GIには、アイテム名41、アイ
テムのステータス情報42、NFT情報43、制作者情報49が表示される。また、ゲー
ム画像GIには、アイテムの画像46および制作者の画像47が表示される。制作者情報
49及び制作者の画像47は、ユーザ情報DB221に格納された公開情報にしたがって
表示される。
【0082】
このように、NFT化されたアイテムの光の剣1に対して、NFTアイテムの制作者と
、NFTアイテムの所有者とが互いの情報を確認することができる。
【0083】
[ゲーム画像の説明]
図14は、一実施形態におけるゲーム画像GIの構成を示す図である。通信装置10は
、スマートフォン等の携帯端末である。本実施形態では、携帯端末を片手(具体的には、
右手)で持ち、片手でゲーム操作を行う場合を想定している。通信装置10の表示部13
には、ゲーム画像GIが表示されている。なお、表示部13とほぼ同じ領域に操作部14
としてタッチセンサが配置される。
【0084】
ゲームキャラクタCH1は、通信装置10のユーザによって操作されるゲームキャラク
タである。ゲームキャラクタCH2は、このユーザ以外のユーザによって操作されるゲー
ムキャラクタである。また、背景画像BGは、地面、建物、空などの背景を表現する画像
である。図14に示すゲーム画像GIは、アイテムSWをNFT化したユーザの通信装置
10に対応する。ゲームキャラクタCH1は、アイテムSWを制作し、アイテムSWをN
FT化したユーザが操作するキャラクタである。ゲームキャラクタCH2は、NFT化さ
れたアイテムSWを、NFTマーケットプレイスにて購入したユーザによって操作される
キャラクタである。ゲームキャラクタCH2は、アイテムSWを装備(使用)している。
また、ゲームキャラクタCH2がアイテムSWを装備することで、ゲーム画像においても
、ゲームキャラクタCH2に反映される。また、ゲームキャラクタCH2がアイテムSW
を装備することで、アイテムが使用されたことを示す操作データが、通信装置10からゲ
ームサーバ50に送信される。ただし、ゲームキャラクタCH1を操作するユーザは、ゲ
ームキャラクタCH2が、自分がNFT化したアイテムSWの所有者が操作するゲームキ
ャラクタであることには気づいていない。また、ゲームキャラクタCH2を操作するユー
ザも、ゲームキャラクタCH1がアイテムSWをNFT化したユーザが操作するゲームキ
ャラクタであることには気づいていない。本実施形態では、ゲームキャラクタCH1は、
仮想空間内において、ゲームキャラクタCH2と同じ街にいる場合について説明する。
【0085】
[ゲーム制御方法の説明]
続いて、ゲーム進行制御機能500により実行される制御処理について説明する。ゲー
ムサーバ50(ゲーム進行制御機能500)は、キャラクタがNFTアイテムを使用する
アイテム使用情報を取得すると、ゲーム制御機能(共鳴機能)を開始する。
【0086】
図15は、一実施形態におけるゲーム制御方法を示すフローチャートである。通信装置
10は、ゲーム画像GIを表示し、ゲーム操作および制御データに基づいてゲーム画像を
制御する。ゲーム画像は、仮想空間の一部となる領域(視野)を含む。視野は、仮想空間
に設定された視点と視線方向によって定義される。
【0087】
通信装置10において、ゲームキャラクタCH2がNFTアイテムを使用する操作を検
知すると、通信装置10は、ゲームサーバ50に操作データを送信する。操作データには
、アイテム使用情報が含まれる。アイテム使用情報とは、例えば、ゲームキャラクタCH
2に対応するユーザIDおよび使用されたアイテムIDである。
【0088】
ゲームサーバ50は、アイテム使用情報取得部5031において、アイテム使用情報を
受信する(ステップS101)。
【0089】
アイテム使用状況判定部5037は、ゲームキャラクタCH2がNFTアイテムを使用
中か否かを判定する(ステップS102)。アイテム使用状況判定部5037は、所定時
間ごとに通信装置10からNFTアイテムを使用する操作データを取得することによって
NFTアイテムの所有者のゲームキャラクタCH2がNFTアイテムを使用しているか否
かを判定してもよい。または、アイテム使用状況判定部5037は、通信装置10からN
FTアイテムの使用を終了する操作データを取得することによって、NFTアイテムの所
有者のキャラクタがNFTアイテムを使用しているか否かを判定してもよい。NFTアイ
テムの使用を終了するとは、例えば、キャラクタが装備していたNFTアイテムを外す操
作をいう。
【0090】
ゲームキャラクタCH2がNFTアイテムを使用中であると判定する場合(ステップS
102;YES)、抽出部5032は、当該NFTアイテムの制作者を特定するために、
アイテムIDに関連付けられているNFTIDに基づいて、ブロックチェーンネットワー
ク70のセカンドレイヤー70-2に登録されている情報を抽出する(ステップS103
)。NFTアイテムの制作者の情報は、セカンドレイヤー70-2のスマートコントラク
トに記録されている。スマートコントラクトからNFTアイテムを制作したユーザの情報
を抽出する。
【0091】
状況情報取得部5033は、セカンドレイヤー70-2から取得したユーザの情報(例
えば、ユーザID)に基づいて、ユーザ情報DB221からユーザIDに対応するゲーム
キャラクタCH1の情報を抽出し、ゲーム情報DB223からゲームキャラクタCH1の
状況情報を取得する。また、アイテム使用情報に含まれるユーザIDの情報に基づいて、
ユーザ情報DB221およびゲーム情報DB223からゲームキャラクタCH2の状況情
報を取得する(ステップS104)。
【0092】
比較部5034は、ゲームキャラクタCH1の状況情報と、ゲームキャラクタCH2の
状況情報とを比較する(ステップS105)。比較する状況情報とは、例えば、仮想空間
内での位置情報、ゲームイベントの進行状況、アクション情報、キャラクタのステータス
情報、およびグループ情報の少なくとも一つである。図11では、状況情報として、ゲー
ムキャラクタCH1の位置情報と、ゲームキャラクタCH2の位置情報とを比較する場合
について説明する。
【0093】
比較部5034は、比較した状況情報が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステッ
プS106)。状況情報として、仮想空間内での位置情報を用いる場合、所定の条件とは
、例えば、ゲームキャラクタCH1の位置情報とゲームキャラクタCH2の位置情報との
間の距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。ここでは、ゲームキャラクタCH1
の位置情報とゲームキャラクタCH2の位置情報が所定の距離以下である場合に、所定の
条件を満たすと判定する。ステップS105において、比較したゲームキャラクタCH1
の状況情報とゲームキャラクタCH2の状況情報とが、所定の条件を満たさないと判定す
る場合(ステップS105;NO)は、ステップS101の処理に戻り、ステップS10
1の処理を実行する。
【0094】
比較部5034が、所定の条件を満たすと判定する場合(ステップS106;YES)
、アイテム設定情報変更部5035は、アイテム情報DB222のアイテムのステータス
情報又はゲーム画像の表示態様を変更する(ステップS107)。比較部5034が、所
定の条件を満たすと判定する場合、アイテム情報DBに格納されたアイテムのステータス
情報において、アイテム固有のパラメータ値に、所定のパラメータ値を加算または減算す
る処理を実行してもよい。または、アイテムSWの画像に対して、ゲーム画像の表示態様
を変更する処理を実行してもよい。例えば、アイテムSWの画像に対してエフェクトを追
加してもよい。エフェクトの種類については特に限定されない。ここでは、アイテム設定
情報として、アイテムのステータス情報において、アイテム固有のパラメータ値に、所定
のパラメータ値を加算し、アイテムSWの画像に対して、エフェクトを追加する場合につ
いて説明する。
【0095】
アイテム設定情報実行部5036は、ゲームキャラクタCH2が、NFTアイテムを使
用するための制御を実行する(ステップS108)。つまり、制御データ送信部から、ア
イテム設定情報を、制御データとして通信装置10に送信する指示を出力する。つまり、
ゲームキャラクタCH1を操作する通信装置10と、ゲームキャラクタCH2を操作する
通信装置10にアイテムの設定情報を送信する。
【0096】
図16は、通信装置10におけるゲーム画像GIの一例である。図16では、『光の剣
1』をNFT化したユーザが、自身が過去にNFT化したアイテムのリストから光の剣1
を選択した場合の表示画面である。図11に示すアイテムのステータス情報42と、図1
6に示すアイテムのステータス情報42とを比較すると、アイテム設定情報が変更されて
いる。具体的には、攻撃力の固有のパラメータ値100に対して20が加算され、魔力の
固有のパラメータ値100に対して、10が加算されている。また、図11に示すアイテ
ムSWの画像46と、図16に示すアイテムSWの画像46とを比較すると、アイテムS
Wの画像に対して光るエフェクト48が追加されている。
【0097】
図17は、通信装置10におけるゲーム画像GIの一例である。図17では、『光の剣
1』を所有するユーザが、自身の所持アイテムのリストから光の剣1を選択した場合の表
示画面である。図13に示すアイテムのステータス情報42と、図17に示すアイテムの
ステータス情報42とを比較すると、アイテム設定情報が変更されている。具体的には、
攻撃力の固有のパラメータ値100に対して20が加算され、魔力の固有のパラメータ値
100に対して、10が加算されている。また、図13に示すアイテムSWの画像46と
図17に示すアイテムSWの画像とを比較すると、アイテムSWの画像46に対して光
るエフェクト48が追加されている。
【0098】
図18は、一実施形態におけるゲーム画像GIの構成を示す図である。図18に示すゲ
ーム画像GIは、アイテムSWをNFT化したユーザの通信装置10に対応する。図18
に示すように、ゲーム画像GIにおいて、ゲームキャラクタCH2が装備する(使用する
)アイテムSWの画像には、光るエフェクト48が追加されている。これにより、ゲーム
キャラクタCH1を操作するユーザは、ゲームキャラクタCH2は、自分が過去にNFT
化したアイテムSWを所有していることに気づくことができる。図示しないが、アイテム
SWを所有するユーザの通信装置10においても、ゲーム画像GIにおいて、ゲームキャ
ラクタCH2が所有するアイテムSWの画像にエフェクトが追加される。これにより、ゲ
ームキャラクタCH2を操作するユーザは、アイテムSWの制作者に対応するゲームキャ
ラクタCH1が、仮想空間内において近くにいることを認識することができる。
【0099】
ステップS108の処理を実行後は、ステップS101の処理に戻って、ステップS1
01の処理を実行する。
【0100】
アイテムが使用中でない場合(ステップS102;No)の場合、アイテム情報DB2
22のアイテム設定情報を初期化する。ステップS107において、アイテム設定情報が
変更されている場合には、変更前の状態に戻す。つまり、加算または減算したパラメータ
値を削除する。また、アイテムSWの画像に追加されたエフェクトを削除する。なお、ア
イテムの設定情報が変更されていない場合には、初期状態である。その後、ゲーム制御機
能を終了する。
【0101】
従来は、NFTアイテムの所有権が移転した場合、ブロックチェーンに反映するまでの
処理の時間が遅延したり、ガス代が増加していた(スケーラビリティ問題)。そのため、
NTFアイテムをゲーム内で使用できるまでに時間を要していた。レイヤー2のブロック
チェーンを用いることで、レイヤー1のブロックチェーンのトランザクションを一部代わ
りに処理し、最終的な結果をレイヤー1のブロックチェーンに戻すことで、処理速度を向
上させ、ガス代を低減することができるようになった。つまり、レイヤー2のブロックチ
ェーンによって、NFTアイテムの所有権の移転を時差なく反映させることができるよう
になり、NFTを利用したゲームの幅が広がった。それに伴い、ゲーム内におけるNFT
アイテムのデータの唯一性や追跡可能性を有効活用した新たなゲーム制御が求められるよ
うになった。NFTアイテムのデータの唯一性や追跡可能性を活用した情報としては、例
えば、NFTアイテムの制作者や所有者に関する情報がある。
【0102】
本発明の一実施形態のゲーム制御方法によれば、NFT化されたアイテムの好適なゲー
ム制御方法により、新たな価値を提供することができる。例えば、制作したアイテムをN
FT化したユーザと、当該NFT化されたアイテムを購入したユーザとの関連性を利用し
て、ゲーム内においてリアルタイムでNFTアイテムの性能及び表示の少なくとも一方を
変更することができる。これにより、ゲーム内においてNFTアイテムの性能を一時的に
向上させたり、低下させることができる。また、ゲーム空間内においてアイテムの表示が
変更されることで、NFTアイテムの制作者と現所有者とが互いを識別できるようになる
。このように、NFTアイテムを単なる流通品としての価値だけではなく、制作者と所持
者との関連性によって、NFTアイテムに新しい価値を提供することができる。
【0103】
<変形例>
以上、一実施形態について説明したが、一実施形態は、以下のように様々な形態に変形
することもできる。また、上述した実施形態および以下に説明する変形例とは、矛盾を生
じない限り、それぞれ互いに組み合わせて適用することもできる。さらに、各実施形態の
構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0104】
(1)本実施形態では、仮想空間内でのゲームキャラクタCH1の位置情報と、ゲームキ
ャラクタCH2の位置情報とを比較する場合、所定の条件は特に限定されない。比較部5
034は、所定の条件として、ゲームキャラクタCH1の位置情報が、所定のフィールド
(例えば、街、ダンジョンなど)に位置するか否かを判定してもよい。または、比較部5
034は、ゲームキャラクタCH1の位置情報が所定のフィールドに位置すること、およ
びゲームキャラクタCH1の位置情報が所定のフィールドに位置することの双方を満たす
か否かを判定してもよい。または、比較部5034は、ゲームキャラクタCH1とゲーム
キャラクタCH2とが、同じフィールドに位置するおよび所定の距離以下であることを満
たすか否かを判定してもよい。
【0105】
(2)本実施形態では、ゲームキャラクタCH1の位置情報と、ゲームキャラクタCH2
の位置情報と、を用いて比較する例について説明したが、その他の状況情報を用いて比較
する場合について説明する。比較部5034は、状況情報として、ゲームイベントの進行
状況を用いて比較する場合、ゲームキャラクタCH1と、ゲームキャラクタCH2とのゲ
ーム内でのイベントの到達度によって判定してもよい。例えば、比較部5034は、ゲー
ムキャラクタCH1が所定のイベントに到達しており、ゲームキャラクタCH2所定のイ
ベントに到達している場合には、所定の条件を満たすと判定してもよい。比較部5034
は、ゲームキャラクタCH1またはゲームキャラクタCH2のいずれかが所定のイベント
に到達している場合には、所定の条件を満たすと判定してもよい。
【0106】
アイテム設定情報変更部5035がイベントの進行状況を比較して、アイテムの設定情
報を変更する場合、アイテム設定情報変更部5035は、アイテムのステータス情報にお
いて、アイテム固有のパラメータ値に、ゲームイベントの進行状況に応じて、パラメータ
値を増加または減算する処理を実行してもよい。例えば、アイテム設定情報変更部503
5は、ゲームキャラクタCH1のゲームイベントの到達度に応じて、パラメータ値を増加
する処理を実行してもよいし、パラメータ値を減算する処理を実行してもよい。また、ア
イテム設定情報変更部5035は、ゲームキャラクタCH2のゲームイベントの到達度に
応じて、パラメータ値を増加する処理を実行してもよいし、パラメータ値を減算する処理
を実行してもよい。
【0107】
アイテム設定情報変更部5035がアイテムの設定情報を変更する場合、アイテムのス
テータス情報において、ゲームキャラクタCH1のゲームイベントの進行状況に応じて、
ゲーム画像におけるNFTアイテムの表示態様を変更する処理を実行してもよい。例えば
、ゲームキャラクタCH1のゲームイベントの進行状況に応じて、変更されるエフェクト
の種類が異なっていてもよい。
【0108】
(3)比較部5034は、状況情報として、アクション情報を用いて比較する場合、ゲー
ムキャラクタCH1のアクション情報と、ゲームキャラクタCH2のアクション情報とが
、同じであるか否かを判定してもよい。また、比較部5034は、ゲームキャラクタCH
1またはゲームキャラクタCH2が特定のアクションをしているか否かを判定してもよい
。例えば、比較部5034は、ゲームキャラクタCH1が戦闘中であり、ゲームキャラク
タCH2が戦闘中である場合に、所定の条件を満たすと判定してもよい。また、比較部5
034は、ゲームキャラクタCH1が移動中であり、ゲームキャラクタCH2が移動中で
ある場合に、所定の条件を満たすと判定してもよい。
【0109】
アイテム設定情報変更部5035がアイテムの設定情報を変更する場合、アイテムのス
テータス情報において、ゲームキャラクタのアクション情報に応じて、ゲーム画像におけ
るNFTアイテムの表示態様を変更する処理を実行してもよい。例えば、ゲームキャラク
タCH1のアクション情報に応じて、変更されるエフェクトの種類が異なっていてもよい
【0110】
(4)比較部5034は、状況情報として、ゲームキャラクタCH1のステータス情報と
、ゲームキャラクタCH2のステータス情報とを比較する場合、レベル、ランク、所有す
る勲章の数などを用いて所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。比較部5034は
、ゲームキャラクタCH1のレベルと、ゲームキャラクタCH2のレベルとを比較する場
合、ゲームキャラクタCH1のレベルが所定の値を超えており、ゲームキャラクタCH1
のレベルが所定の値を超えている場合に、所定の条件を満たすと判定してもよい。または
、比較部5034は、ゲームキャラクタCH1のレベルが、ゲームキャラクタCH2のレ
ベルよりも高い場合に、所定の条件を満たすと判定してもよい。
【0111】
アイテム設定情報変更部5035がステータス情報を比較して、アイテムの設定情報を
変更する場合、アイテムのステータス情報において、アイテム固有のパラメータ値に、ゲ
ームキャラクタのステータス情報に応じて、パラメータ値を増加または減算する処理を実
行してもよい。例えば、ゲームキャラクタCH1のレベルまたはランクに応じてパラメー
タ値を増加する処理を実行してもよいし、パラメータ値を減算する処理を実行してもよい
。また、ゲームキャラクタCH2のレベルまたはランクに応じてパラメータ値を増加する
処理を実行してもよいし、パラメータ値を減算する処理を実行してもよい。
【0112】
アイテム設定情報変更部5035がアイテムの設定情報を変更する場合、アイテムのス
テータス情報において、ゲームキャラクタのステータス情報に応じて、ゲーム画像におけ
るNFTアイテムの表示態様を変更する処理を実行してもよい。例えば、ゲームキャラク
タCH1のステータス情報に応じて、変更されるエフェクトの種類が異なっていてもよい
【0113】
(5)比較部5034は、状況情報として、ゲームキャラクタCH1のグループ情報と、
ゲームキャラクタCH2のグループ情報とを比較する場合、例えば、ゲームキャラクタC
H1のグループと、ゲームキャラクタCH2のグループとが同じであるか否かを判定して
もよい。比較部5034は、ゲームキャラクタCH1のグループと、ゲームキャラクタC
H2のグループとが同じ場合に、所定の条件を満たすと判定してもよい。ゲームキャラク
タCH1のグループと、ゲームキャラクタCH2のグループとが異なる場合に、所定の条
件を満たすと判定してもよい。
【0114】
アイテム設定情報変更部5035は、グループ情報を比較して、アイテムの設定情報を
変更する場合、ゲームキャラクタCH1のグループと、ゲームキャラクタCH2のグルー
プとが同じである場合に、アイテムのステータス情報において、アイテム固有のパラメー
タ値に、所定のパラメータ値を増加または減算する処理を実行してもよい。例えば、アイ
テム設定情報変更部5035は、ゲームキャラクタCH1のグループと、ゲームキャラク
タCH2のグループとが同じである場合に、アイテムのステータス情報において、アイテ
ム固有のパラメータ値に、所定のパラメータ値を増加する処理を実行してもよい。アイテ
ム設定情報変更部5035は、ゲームキャラクタCH2のグループとが同じではない場合
に、アイテムのステータス情報において、アイテム固有のパラメータ値に、所定のパラメ
ータ値を減算する処理を実行してもよい。
【0115】
アイテム設定情報変更部5035は、アイテムの設定情報を変更する場合、アイテムの
ステータス情報において、グループ情報に応じて、ゲーム画像におけるアイテムの表示態
様を変更する処理を実行してもよい。例えば、ゲームキャラクタCH1とゲームキャラク
タCH2のグループ情報が同じ場合と、ゲームキャラクタCH1とゲームキャラクタCH
2のグループ情報が異なる場合で、変更されるエフェクトの種類が異なっていてもよい。
【0116】
(6)所定の条件を満たす場合、アイテム設定情報変更部5035は、アイテムのステー
タス情報において、アイテム固有のパラメータ値に、アイテムの種類ごとに所定のパラメ
ータ値を増加または減算する処理を実行してもよい。例えば、アイテム設定情報変更部5
035は、武器の種類ごとに、増加または減算される攻撃力のパラメータ値が異なってい
てもよいし、防具の種類ごとに、増加または減算される守備力のパラメータ値が異なって
いてもよい。
【0117】
(7)以上、複数の所定の条件について例示したが、本発明の一実施形態に係るゲーム制
御機能において、比較部5034は、複数の所定の条件のうち、少なくとも一つについて
判定すればよい。したがって、複数の所定の条件を適宜組み合わせてもよい。例えば、比
較部5034は、ゲームキャラクタCH1とゲームキャラクタCH2の位置情報が所定の
条件を満たす場合、およびステータス情報が所定の条件を満たす場合に、アイテム設定情
報変更部5035は、アイテムの設定情報を変更する処理を実行してもよい。または、比
較部5034は、ゲームキャラクタCH1とゲームキャラクタCH2の位置情報が所定の
条件を満たす場合、およびゲームイベントの進行状況が所定の条件を満たす場合に、アイ
テム設定情報変更部5035は、アイテムの設定情報を変更する処理を実行してもよい。
上記に例示した組み合わせに限定されず、3つ以上の所定の条件を組み合わせてもよい。
【0118】
(8)図10図13に示すように、NFTアイテムの制作者とNFTアイテムの所有者
とは互いの情報を取得して、表示部にゲーム画像GIとして表示することができる。ゲー
ムの進行中において、NFTアイテムの制作者が、NFTアイテムの所有者の情報を取得
する場合には、通信装置10において、図10におけるNFTアイテム一覧からNFTア
イテムを選択することにより、ユーザID及びアイテムIDを含む操作データをゲームサ
ーバ50に送信する。アイテムIDに関連するNFTIDに基づいて、セカンドレイヤー
70-2のスマートコントラクトから、NFT情報及び現所有者のユーザIDを取得する
。現所有者のユーザIDに基づいて、ユーザ情報DB221を参照することで、現所有者
情報44及び画像45を取得する。また、アイテムIDに基づいてアイテム情報DB22
2を参照することで、アイテムのステータス情報42及びアイテムの画像46を取得する
。これらの情報を、通信装置10に送信することで、図11に示すように、アイテムに対
応する詳細な情報を、表示部に表示することができる。このとき、ユーザ情報DB221
に格納された公開情報に基づいて、現所有者情報の全部が公開されてもよいし、現所有者
情報の一部を非公開にしてもよい。
【0119】
また、ゲームの進行中において、NFTアイテムの所有者が、NFTアイテムの制作者
の情報を取得する場合には、通信装置10において、図12におけるアイテム一覧からN
FTアイテムを選択することにより、ユーザID及びアイテムIDを含む操作データをゲ
ームサーバ50に送信する。アイテムIDに関連するNFTIDに基づいて、セカンドレ
イヤー70-2のスマートコントラクトから、NFT情報及び制作者のユーザIDを取得
する。制作者のユーザIDに基づいて、ユーザ情報DB221を参照することで、制作者
情報49及び画像47を取得する。また、アイテムIDに基づいてアイテム情報DB22
2を参照することで、アイテムのステータス情報42及びアイテムの画像46を取得する
。これらの情報を、通信装置10に送信することで、図13に示すように、アイテムに対
応する詳細な情報を、表示部に表示することができる。このとき、ユーザ情報DB221
に格納された公開情報に基づいて、制作者情報の全部が公開されてもよいし、制作者情報
の一部を非公開にしてもよい。
【0120】
(9)本実施形態では、NFT化されたアイテムとその制作者とを関連付ける制御をゲー
ム内に反映させる共鳴機能について説明したが、本発明の一実施形態はこれに限定されな
い。NFTアイテムと当該NFTアイテムの歴代の所有者とを関連付ける制御をゲームに
内に反映させてもよい。この場合、図15に示すフローチャートのステップS103にお
いて、抽出部5032は、NFTIDに基づいて、セカンドレイヤー70-2のスマート
コントラクトの記録(トークンの所有権の移動履歴)から、NFTアイテムの歴代の所有
者を特定するためのユーザの情報を抽出してもよい。その後、ステップS104において
、状況情報取得部5033は、セカンドレイヤー70-2から取得したユーザの情報に基
づいて、ユーザ情報DB221からユーザIDに対応するゲームキャラクタCH1の状況
情報を取得する。ステップS105以降の処理については同様であるため、詳細な説明は
省略する。これにより、NFTアイテムの歴代の所有者と、当該NFTアイテムとを関連
付ける制御をゲーム内に反映させることができる。例えば、NFTアイテムの制作者では
ないが、NFTアイテムの歴代の所有者が近くにいる場合に、NFTアイテムに光るなど
のエフェクトを追加するように制御することができる。
【0121】
(10)通信装置10において実現されるゲーム表示機能およびゲームサーバ50におい
て実現されるゲーム進行制御機能によって、ゲームがユーザに提供される。ゲーム表示機
能の一部がゲームサーバ50において実現されてもよい。例えば、ゲーム表示機能のうち
、制御データ受信部105、ゲームデータ記憶領域107および表示データ生成部109
がゲームサーバ50において実現されてもよい。この場合、通信装置10は、ゲームサー
バ50から表示データを受信して、表示データに基づいて表示部13に表示すればよい。
【0122】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は前述の各実施形態に限
られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、
各実施形態(変形例を含む)を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設
計変更を行ったものも、要旨を備えている限り、範囲に含まれる。さらに、前述した各実
施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技
術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0123】
前述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっ
ても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るもの
については、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0124】
10…通信装置、11…制御部、12…記憶部、13…表示部、14…操作部、15…セ
ンサ部、16…撮像部、17…位置検出部、18…通信部、22…記憶部、50…ゲーム
サーバ、51…制御部、52…記憶部、53…通信部、70…ブロックチェーンネットワ
ーク、70-1…ファーストレイヤー、70-2…セカンドレイヤー、100…ゲーム表
示機能、101…ゲーム操作取得部、103…操作データ送信部、105…制御データ受
信部、107…ゲームデータ記憶領域、109…表示データ生成部、221…ユーザ情報
DB、222…アイテム情報DB、223…ゲーム情報DB、500…ゲーム進行制御機
能、501…操作データ受信部、503…処理実行部、505…制御データ送信部、10
00…通信システム、5031…アイテム使用情報取得部、5032…抽出部、5033
…状況情報取得部、5034…比較部、5035…アイテム設定情報変更部、5036…
アイテム設定情報実行部、5037…アイテム使用状況判定部、5302…抽出部、BG
…背景画像、CH1…ゲームキャラクタ、CH2…ゲームキャラクタ、GI…ゲーム画像
、NW…ネットワーク、SW…アイテム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18