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特開2024-100679中性子ビーム源生成システム、中性子ビーム源安定化制御システム、および中性子ビーム源生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100679
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】中性子ビーム源生成システム、中性子ビーム源安定化制御システム、および中性子ビーム源生成方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 3/06 20060101AFI20240719BHJP
   G21K 5/08 20060101ALI20240719BHJP
   G21K 5/04 20060101ALI20240719BHJP
   G01T 1/29 20060101ALI20240719BHJP
   G21K 5/00 20060101ALI20240719BHJP
   G21K 1/093 20060101ALI20240719BHJP
   A61N 5/10 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H05H3/06
G21K5/08 N
G21K5/04 C
G01T1/29 A
G21K5/08 C
G21K5/00 S
G21K1/093 F
A61N5/10 H
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178090
(22)【出願日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】112101492
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】518296517
【氏名又は名称】禾榮科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HERON NEUTRON MEDICAL CORP.
【住所又は居所原語表記】No.66-2, Shengyi 5th Rd., Zhubei City, Hsinchu County, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 冠諺
(72)【発明者】
【氏名】邱 顯浩
(72)【発明者】
【氏名】林 志中
(72)【発明者】
【氏名】劉 嘯青
【テーマコード(参考)】
2G085
2G188
4C082
【Fターム(参考)】
2G085BA17
2G085CA19
2G085CA26
2G085DA03
2G085EA07
2G188BB14
4C082AA01
4C082AC07
(57)【要約】
【課題】中性子ビーム源生成システム、中性子ビーム源安定化制御システム、及び中性子ビーム源生成方法を提供する。
【解決手段】陽子ビームを生成する加速器、ターゲット、及び校正モジュールを含み、中性子ビーム源は、ターゲットに陽子ビームを照射することにより生成され、校正モジュールは、一対の電磁石コンポーネント、プロファイル測定コンポーネント、電流測定コンポーネント、及びファラデーカップコンポーネントを含み、校正モジュールは、プロファイル測定コンポーネントで測定された陽子ビームのプロファイル分布に従って一対の電磁石コンポーネントを用いて陽子ビームの分布を制御し、校正モジュールは、電流測定コンポーネントで測定された第1の電流値、ファラデーカップコンポーネントで測定された第2の電流値、又はその両方に従って記陽子ビームの電流を調整する中性子ビーム源生成システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネルに沿って第1の方向に伝送される陽子ビームを生成する加速器、
前記チャネルの一端にあるターゲット、および
前記チャネル内に配置された校正モジュールを含み、
中性子ビーム源は、前記ターゲットに前記陽子ビームを照射することにより生成され、
前記校正モジュールは、
第2の方向および第3の方向での前記陽子ビームの分布を制御するように構成される一対の電磁石コンポーネント、
前記陽子ビームを測定してプロファイル分布を得るプロファイル測定コンポーネント、
前記陽子ビームを測定して第1の電流値を得る電流測定コンポーネント、および
前記陽子ビームを任意に遮蔽し、前記陽子ビームを測定して第2の電流値を得るファラデーカップコンポーネントを含み、
前記校正モジュールは、前記プロファイル分布に従って一対の電磁石コンポーネントを用いて前記第2の方向および前記第3の方向での前記陽子ビームの分布を制御し、前記校正モジュールは、前記第1の電流値、前記第2の電流値、またはその両方に従って前記陽子ビームの電流を調整する、中性子ビーム源生成システム。
【請求項2】
前記校正モジュールおよび安全モジュールを用いて、前記中性子ビーム源生成システムに安全インターロック制御を行う安全インターロックシステムをさらに含む、請求項1に記載の中性子ビーム源生成システム。
【請求項3】
前記ターゲットを冷却する冷却モジュールをさらに含み、
前記安全モジュールは、前記チャネルの真空状態、前記冷却モジュール内の冷却水の状態、および前記中性子ビーム源の強度を監視するように構成される、請求項2に記載の中性子ビーム源生成システム。
【請求項4】
前記安全モジュールは、
前記チャネルを測定して真空値を得る真空測定コンポーネント、
前記冷却モジュール内の前記冷却水を測定して、水温値、水圧値、水流量値、および水抵抗値を得る冷却水測定コンポーネント、および
前記中性子ビーム源を測定して中性子計数率を得る中性子測定コンポーネントを含む、請求項3に記載の中性子ビーム源生成システム。
【請求項5】
前記チャネルは、第1の側と、前記第1の側の反対側の第2の側とを有し、前記加速器は前記第1の側に配置され、前記ターゲットは前記第2の側に配置され、
前記一対の電磁石コンポーネントは、第1のグループの四極磁石と第2のグループの四極磁石とを含み、前記プロファイル測定コンポーネントは、第1のプロファイル測定コンポーネントおよび第2のプロファイル測定コンポーネントを含み、前記電流測定コンポーネントは、第1の電流測定コンポーネントおよび第2の電流測定コンポーネントを含み、前記ファラデーカップコンポーネントは、第1のファラデーカップと第2のファラデーカップとを含み、
前記加速器、前記第1のグループの四極磁石、前記第1のプロファイル測定コンポーネント、前記第1の電流測定コンポーネント、および第1のファラデーカップは前記チャネルの前記第1の側に隣接し、前記ターゲット、前記第2のグループの四極磁石、前記第2のプロファイル測定コンポーネント、前記第2の電流測定コンポーネント、および前記第2のファラデーカップは、前記チャネルの前記第2の側に隣接する、請求項1に記載の中性子ビーム源生成システム。
【請求項6】
前記一対の電磁石コンポーネントは、互いに離間した第1のグループの四極磁石と第2のグループの四極磁石とを含み、
前記第1のグループの四極磁石および前記第2のグループの四極磁石は、前記第2の方向および前記第3の方向での前記陽子ビームの分布を制御するように構成される、請求項1に記載の中性子ビーム源生成システム。
【請求項7】
前記第1の方向、前記第2の方向、および前記第3の方向は互いに直交する、請求項1に記載の中性子ビーム源生成システム。
【請求項8】
中性子ビーム源生成システムに適用された中性子ビーム源生成方法であって、
前記中性子ビーム源生成システムは、加速器、ターゲット、および校正モジュールを含み、
前記中性子ビーム源生成方法は、
チャネルに沿って第1の方向に伝送される陽子ビームを生成する前記加速器を用いるステップ、
前記校正モジュールの電流測定コンポーネントを用いて、前記陽子ビームを測定して第1の電流値を得るステップ、
前記校正モジュールのファラデーカップコンポーネントを用いて、前記陽子ビームを測定して第2の電流値を得るステップ、
前記第1の電流値、前記第2の電流値、またはその両方に従って前記陽子ビームの電流を調整するステップ、
前記校正モジュールのプロファイル測定コンポーネントを用いて、前記陽子ビームを測定してプロファイル分布を得るステップ、
前記校正モジュールの一対の電磁石コンポーネントを用いて、前記プロファイル分布に従って第2の方向および第3の方向での前記陽子ビームの分布を調整するステップ、および
前記第1の電流値、前記第2の電流値、および前記プロファイル分布が全てプリセット値を満たすとき、前記ファラデーカップコンポーネントを除去し、前記陽子ビームが前記ターゲットを照射し、中性子ビーム源を生成するようにするステップを含む、中性子ビーム源生成方法。
【請求項9】
前記ファラデーカップコンポーネントを除去した後、
前記電流測定コンポーネントを用いて、前記陽子ビームを測定して前記第1の電流値を得るステップ、
前記第1の電流値に従って前記陽子ビームの電流を調整するステップ、
前記プロファイル測定コンポーネントを用いて、前記陽子ビームを測定して前記プロファイル分布を得るステップ、および
一対の電磁石コンポーネントを用いて、前記プロファイル分布に従って前記第2の方向および前記第3の方向での前記陽子ビームの分布を調整するステップをさらに含む、請求項8に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項10】
前記校正モジュールの前記一対の電磁石コンポーネントを用いて、前記第2の方向および前記第3の方向での前記陽子ビームの分布を調整するステップは、
プリセットプロファイル分布と前記プロファイル分布を比較するステップ、および
前記プリセットプロファイル分布と前記プロファイル分布との差がプロファイル閾値より大きいとき、第2の方向、第3の方向、または両方の方向での前記陽子ビームの前記分布を調整するステップを含む、請求項8に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項11】
前記第1の電流値、前記第2の電流値、またはその両方に従って前記陽子ビームの電流を調整するステップは、
第1のプリセット電流値と前記第1の電流値を比較するステップ、および
前記第1のプリセット電流値と前記第1の電流値との差が第1の電流閾値より大きいとき、前記陽子ビームの電流を調整するステップを含む、請求項8に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項12】
前記第1の電流値、前記第2の電流値、またはその両方に従って前記陽子ビームの電流を調整するステップは、
第2のプリセット電流値と前記第2の電流値を比較するステップ、および
前記第2のプリセット電流値と前記第2の電流値との差が第2の電流閾値より大きいとき、前記陽子ビームの電流を調整するステップを含む、請求項8に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項13】
前記中性子ビーム源生成システムは、前記ターゲットを冷却する冷却モジュールをさらに含み、
前記中性子ビーム源生成方法は、
安全モジュールを用いて、前記チャネルの真空状態、前記冷却モジュール内の冷却水の状態、および前記中性子ビーム源の強度を監視するステップ、および
前記校正モジュールによって測定された前記陽子ビームの電流と前記安全モジュールによって測定された前記チャネルの真空状態、前記冷却水の状態、および前記中性子ビーム源の強度に応じて、安全インターロックシステムを用いて、前記中性子ビーム源生成システムに安全インターロック制御を行うステップをさらに含む、請求項8に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項14】
前記安全モジュールを用いて前記チャネルの前記真空状態を監視するステップは、
前記安全モジュールの真空測定コンポーネントを用いてチャネルを測定し、真空値を得るステップを含む、請求項13に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項15】
前記真空測定コンポーネントを用いて前記チャネルの前記真空値を測定するステップの後、前記中性子ビーム源生成方法は、
プリセット真空値と前記真空値を比較するステップ、および
前記プリセット真空値と前記真空値の差が真空閾値より大きいとき、前記安全インターロックシステムを用いて加速器を停止するステップをさらに含む、請求項14に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項16】
前記安全モジュールを用いて、前記冷却モジュール内の前記冷却水の状態を監視するステップは、
前記安全モジュールの冷却水測定コンポーネントを用いて、前記冷却モジュール内の冷却水を測定して、水温値、水圧値、水流量値、および水抵抗値を得るステップを含む、請求項13に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項17】
前記冷却水測定コンポーネントを用いて、前記冷却モジュール内の前記冷却水の前記水温値、前記水圧値、前記水流量値、および前記水抵抗値を測定した後、前記中性子ビーム源生成方法は、
プリセット水温値と前記水温値、プリセット水圧値と前記水圧値、プリセット水流値と前記水流量、およびプリセット水抵抗値と前記水抵抗値を比較するステップ、および
前記プリセット水温値と前記水温値との差が水温閾値より大きく、前記プリセット水圧値と前記水圧値との差が水圧閾値より大きく、前記プリセット水流量値と前記水流量値との差が水流量閾値より大きいか、または前記プリセット水抵抗値と前記水抵抗値との差が水抵抗閾値より大きいとき、前記加速器は前記安全インターロックシステムを用いて停止するステップをさらに含む、請求項16に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項18】
前記安全モジュールを用いて前記中性子ビーム源の強度を監視するステップは、
前記安全モジュールの中性子測定コンポーネントにより前記中性子ビーム源を測定して、中性子計数率を得るステップを含む、請求項13に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項19】
前記中性子計数率を得るステップの後、前記中性子ビーム源生成方法は、
前記中性子計数率を前記第1の電流値で除算して第1の中性子収率係数を得るステップ、
第1のプリセット中性子収率係数と前記第1の中性子収率係数を比較するステップ、および
前記第1のプリセット中性子収率係数と前記第1の中性子収率係数との差が第1の中性子収率係数閾値より大きいとき、前記加速器は前記安全インターロックシステムを用いて停止するステップをさらに含む、請求項18に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項20】
前記ファラデーカップコンポーネントを除去する前、前記中性子ビーム源生成方法は、
前記第1の電流値と前記第2の電流値を比較して電流値対応表を得るステップをさらに含み、且つ
前記中性子計数率を得た後、前記中性子ビーム源生成方法は、
前記電流値対応表に従って前記電流測定コンポーネントによって測定された前記第1の電流値から前記第2の電流値を推定するステップ、
前記中性子計数率を前記第2の電流値で除算して第2の中性子収率係数を得るステップ、
第2のプリセット中性子収率係数と前記第2の中性子収率係数を比較するステップ、および
前記第2のプリセット中性子収率係数と前記第2の中性子収率係数との差が第2の中性子収率係数閾値より大きいとき、前記加速器は前記安全インターロックシステムを用いて停止するステップをさらに含む、請求項18に記載の中性子ビーム源生成方法。
【請求項21】
加速器とターゲットとの間に配置された中性子ビーム源安定化制御システムであって、
前記加速器は、チャネルに沿って第1の方向に伝送される陽子ビームを生成するように構成され、前記ターゲットは前記チャネルの一端にあり、前記陽子ビームを照射することにより中性子ビーム源を生成し、
前記加速器と前記ターゲットとの間に配置された校正モジュールを含み、
前記校正モジュールは、
第2の方向および第3の方向での前記陽子ビームの分布を制御するように構成される一対の電磁石コンポーネント、
前記陽子ビームを測定してプロファイル分布を得るプロファイル測定コンポーネント、
前記陽子ビームを測定して第1の電流値を得る電流測定コンポーネント、および
前記陽子ビームを任意に遮蔽し、前記陽子ビームを測定して第2の電流値を得るファラデーカップコンポーネントを含み、
前記校正モジュールは、前記プロファイル分布に従って一対の電磁石コンポーネントを用いて前記第2の方向および前記第3の方向の前記陽子ビームの分布を制御し、前記校正モジュールは、前記第1の電流値、前記第2の電流値、またはその両方に従って前記陽子ビームの電流を調整する、中性子ビーム源安定化制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2023年1月13日に出願された台湾特許出願番号第112101492号についての優先権を主張するものであり、この全ては引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、中性子ビーム源生成システム、中性子ビーム源安定化制御システムおよび中性子ビーム源生成方法に関するものであり、特に、安定した陽子ビームを有する中性子ビーム源生成システム、中性子ビーム源安定化制御システム、および中性子ビーム源生成方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
中性子捕捉療法(NCT)は、中性子の吸収がより良い元素を特定の場所に送ることで行われ、次いで、異なる元素の中性子の吸収の程度の違いを用いて選択的処理を行い、これにより、他の正常な組織を破壊することなく、がん細胞を正確に破壊する放射線療法の一種である。
【0004】
具体的には、治療用の中性子ビーム源は、粒子加速器により陽子ビームを生成し、次いでその陽子ビームをターゲットに照射することにより形成されることができる。しかしながら、既存の中性子捕捉療法装置は、陽子ビームをリアルタイムで監視していないため、中性子ビーム源の安定性を確保することが困難である。既存の中性子捕捉療法装置は、その意図された目的を徐々に満たしてきているものの、全ての面において完全に満足できるものではない。従って、中性子捕捉療法装置には依然として解決すべき問題がいくつかある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、安定化された中性子ビーム源生成システム、中性子ビーム源安定化制御システム、および中性子ビーム源生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のいくつかの実施形態に従って、中性子ビーム源生成システムが提供される。中性子ビーム源生成システムは、加速器、ターゲット、および校正モジュールを含む。加速器は、チャネルに沿って第1の方向に伝送される陽子ビームを生成するように構成される。ターゲットはチャネルの一端にあり、中性子ビーム源はターゲットに陽子ビームを照射することにより生成される。校正モジュールはチャネル内に配置され、一対の電磁石コンポーネント、プロファイル測定コンポーネント、電流測定コンポーネント、およびファラデーカップコンポーネントを含む。一対の電磁石コンポーネントは、第2の方向および第3の方向での陽子ビームの分布を制御するように構成される。プロファイル測定コンポーネントは、陽子ビームを測定してプロファイル分布を得るように構成される。電流測定コンポーネントは、陽子ビームを測定して第1の電流値を得るように構成される。ファラデーカップコンポーネントは、陽子ビームを任意に遮蔽し、陽子ビームを測定して第2の電流値を得るように構成される。校正モジュールは、プロファイル分布に従って一対の電磁石コンポーネントにより第2の方向および第3の方向の陽子ビームの分布を制御し、第1の電流値、第2の電流値、またはその両方に従って陽子ビームの電流を調整する。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、中性子ビーム源生成方法が提供される。中性子ビーム源生成方法は中性子ビーム源生成システムに適用され、中性子ビーム源生成システムは加速器、ターゲット、および校正モジュールを含む。中性子ビーム源生成方法は以下のステップを含む。加速器は、チャネルに沿って第1の方向に伝送される陽子ビームを生成する。校正モジュールの電流測定コンポーネントは、陽子ビームを測定して第1の電流値を得る。校正モジュールのファラデーカップコンポーネントは、陽子ビームを測定して第2の電流値を得る。陽子ビームの電流は、第1の電流値、第2の電流値、またはその両方に従って調整される。校正モジュールのプロファイル測定コンポーネントは、陽子ビームを測定してプロファイル分布を得る。校正モジュールの一対の電磁石コンポーネントは、プロファイル分布に従って第2の方向および第3の方向での陽子ビームの分布を調整する。第1の電流値、第2の電流値、およびプロファイル分布が全てそれらのプリセット値を満たすとき、ファラデーカップコンポーネントが除去され、陽子ビームがターゲットを照射し、中性子ビーム源を生成するようにする。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、中性子ビーム源安定化制御システムが提供される。中性子ビーム源安定化制御システムは、加速器とターゲットとの間に配置される。加速器は、チャネルに沿って第1の方向に伝送される陽子ビームを生成するように構成され、ターゲットはチャネルの一端にある。中性子ビーム源は、陽子ビームをターゲットに照射することにより生成される。中性子ビーム源安定化制御システムは、加速器とターゲットとの間に配置された校正モジュールを含む。校正モジュールは、一対の電磁石コンポーネント、プロファイル測定コンポーネント、電流測定コンポーネント、およびファラデーカップコンポーネントを含む。一対の電磁石コンポーネントは、第2の方向および第3の方向での陽子ビームの分布を制御するように構成される。プロファイル測定コンポーネントは、陽子ビームを測定してプロファイル分布を得るように構成される。電流測定コンポーネントは、陽子ビームを測定して第1の電流値を得るように構成される。ファラデーカップコンポーネントは、陽子ビームを任意に遮蔽し、陽子ビームを測定して第2の電流値を得るように構成される。校正モジュールは、一対の電磁石コンポーネントを用いて、プロファイル分布に従って第2の方向および第3の方向の陽子ビームの分布を制御し、第1の電流値、第2の電流値、またはその両方に従って陽子ビームの電流を調整する。
【0009】
本明細書に開示される中性子ビーム源生成システム、中性子ビーム源安定化制御システム、および中性子ビーム源生成方法は、さまざまなタイプの中性子捕捉療法システムに適用されることができる。本開示の特徴または利点をより理解しやすくするために、以下、いくつかの実施形態を図示し、図面を参照しながら詳細な説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の態様は、添付の図面とともに以下の詳細な説明より最もよく理解される。本開示の実施形態の態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を通じて明確に理解することができる。図面は、業界の標準的な慣行に従って、さまざまな特徴が縮尺通りに描かれていない。実際、さまざまな特徴の寸法は、明確に説明できるようにするために、任意に拡大または縮小されることがある。
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態による中性子ビーム源生成システムのブロック図である。
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態による加速器、校正モジュール、およびターゲットの概略図である。
図3図3は、本開示の他の実施形態による加速器、校正モジュール、およびターゲットの概略図である。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による中性子ビーム源生成方法のフローチャートである。
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態による電流値品質制御方法のフローチャートである。
図6図6は、本開示のいくつかの実施形態によるプロファイル品質制御方法のフローチャートである。
図7A図7Aは、本開示のいくつかの実施形態による中性子ビーム源安定化制御方法のフローチャートである。
図7B図7Bは、本開示のいくつかの実施形態による中性子ビーム源安定化制御方法のフローチャートである。
図8図8は、本開示のいくつかの実施形態による安全インターロック方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の開示は、提供される中性子ビーム源生成システム、中性子ビーム源安定化制御システム、および中性子ビーム源生成方法の異なる特徴を実装するための多くの異なる実施形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示において、第1の特徴が第2の特徴の上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴の間に形成される複数の実施形態を含むこともできる。また、本開示は、複数の実施形態において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、説明される様々な実施形態および/または構成の関係を限定するものではない。
【0012】
本明細書で言及される「上」、「下」、「左」、「右」などの方向の用語および同様の用語は、図面内の方向を指すものである。従って、本明細書で用いられる方向性に関する用語は、本開示を説明するためのものであり、限定するためのものではない。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態では、「配置する」、「接続する」、および同様の用語など、配置および接続に関する用語は、特に指定しない限り、2つの特徴が互いに直接接触していることを指すことができ、または2つの特徴が互いに直接接触していないことを指すこともでき、2つの特徴間に更なる接続の特徴があることもある。配置と接続に関する用語は、両方の特徴が可動である場合、または両方の特徴が固定されている場合も含まれることができる。
【0014】
さらに、明細書および特許請求の範囲で用いられる「第1」、「第2」などの序数は、異なる特徴を修正するため、または異なる実施形態もしくは範囲を区別するために用いられるものであり、特徴の数、上限または下限を制限するものではなく、特徴の製造順序または配置順序を制限するものではない。
【0015】
ここで用いられる用語「約」は、一般に、所定の値または所定の範囲の10%以内、5%以内、3%以内、2%以内、1%以内、または0.5%以内を意味する。ここでの所定の値は近似値であり、即ち、「約」の意味は、「約」の具体的な説明がなくても暗示され得る。
【0016】
特に定義されない限り、本明細書で用いられる技術的および科学的用語を含む全ての用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。理解されることであろうが、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、本開示の関連技術と、背景または文脈に適合する意味を有するものとして解釈されるべきであり、特に定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な方法で解釈されるべきではない。
【0017】
実施形態のいくつかの変化例を以下に説明する。異なる図および説明された実施形態では、同一または類似の参照番号が同一または類似の特徴を指すのに用いられる。追加のステップが方法の前、間、および後に提供されてもよく、いくつかの説明されたステップは、他の方法の実施形態では置き換えられて、または削除されてもよいことを理解されたい。
【0018】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による中性子ビーム源生成システムのブロック図であり、図2は、本開示のいくつかの実施形態による加速器、校正モジュール、およびターゲットの概略図である。図1および図2に示すように、いくつかの実施形態では、中性子ビーム源生成システム1は、加速器10、ターゲット20、および中性子ビーム源安定化制御システム2を含み、安定した中性子ビーム源を生成するのに用いられることができる。いくつかの実施形態では、中性子ビームは、上述の要素により生成された中性子ビーム源を集束させることによって形成されることができ、次いで中性子ビームによって中性子捕捉療法が実行されることができる。即ち、本開示の中性子ビーム源生成システム1は、中性子捕捉療法装置に適用され得る。しかしながら、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、上述の要素により生成された中性子ビーム源は、中性子ビームを用いる必要がある他の装置にも適用されることができる。中性子ビーム源生成システム1の詳細な構成については後述する。
【0019】
図2に示されるように、いくつかの実施形態では、加速器10は、チャネル30に沿ってターゲット20に向かって第1の方向D1に伝送される陽子ビームを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、加速器10は、サイクロトロン、線形加速器、別の適切な加速器、またはそれらの組み合わせであってもよいが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、チャネル30の内部は真空状態であってもよい。いくつかの実施形態では、ターゲット20はチャネル30の一端にある。中性子ビーム源は、ターゲット20に陽子ビームを照射することにより生成され得る。例えば、ターゲット20は、チャネル30内に配置されても、チャネル30の外部に配置されてもよいが、チャネル30に接続されてチャネル30と接触している。いくつかの実施形態では、ターゲット20の材料は、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、他の適切な材料、またはそれらの組み合わせであってもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0020】
いくつかの実施形態では、中性子ビーム源安定化制御システム2は、校正モジュール40を含むことができる。いくつかの実施形態では、校正モジュール40は、チャネル30の2つの端部の間に配置される。陽子ビームは、校正モジュール40により測定および校正され、陽子ビームがターゲット20に安定して照射され、それによって安定した中性子ビーム源を生成することができるようにすることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、校正モジュール40は、第2の方向D2および第3の方向D3での陽子ビームの分布を制御する一対の電磁石コンポーネント400を含むことができる。いくつかの実施形態では、一対の電磁石コンポーネント400は、一対の四極磁石、他の適切な電磁石、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれらを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。四極磁石への電流入力を調整することにより、四極磁石の磁場が変えられ、陽子ビームをフォーカスまたはデフォーカスすることができる。図2を例にとると、一対の電磁石コンポーネント400は、四極磁石401および四極磁石402を含むことができる。四極磁石401は、第2の方向D2での陽子ビームの分布を制御するように構成され、四極磁石402は、第3の方向D3での陽子ビームの分布を制御するように構成される。本明細書における「分布」という用語は、ガウス分布を指す場合があるが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、第1の方向D1、第2の方向D2、および第3の方向D3は互いに直交するが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、第1の方向D1は、第2の方向D2および第3の方向D3に対して垂直であるが、第2の方向D2は、第3の方向D3に対して垂直でない。
【0022】
いくつかの実施形態では、校正モジュール40は、陽子ビームを測定してプロファイル分布を得るプロファイル測定コンポーネント410をさらに含む。いくつかの実施形態では、プロファイル測定コンポーネント410は、ビームプロファイラーモニタ(BPM)、他の適切な測定装置、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれらを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、校正モジュール40は、プロファイル測定コンポーネント410で測定されたプロファイル分布に従って、一対の電磁石コンポーネント400により第2の方向D2および第3の方向D3での陽子ビームの分布を制御することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、校正モジュール40は、陽子ビームを測定して第1の電流値を得る電流測定コンポーネント420をさらに含む。いくつかの実施形態では、電流測定コンポーネント420は、連続波変流器(CWCT)、他の適切な測定装置、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれらを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、校正モジュール40は、電流測定コンポーネント420で測定された第1の電流値に従って加速器10を制御することにより、陽子ビームの電流を調整することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、校正モジュール40は、ファラデーカップ(FC)コンポーネント430をさらに含む。ファラデーカップコンポーネント430は、任意に陽子ビームを遮蔽し、陽子ビームを測定して第2の電流値を得る。例えば、ファラデーカップコンポーネント430を陽子ビームラインまで降下する(即ち、ファラデーカップコンポーネント430を陽子ビームの経路上に位置させる)ことにより、陽子ビームが遮蔽され、陽子ビームが測定されて第2の電流値を得ることができる。反対に、ファラデーカップコンポーネント430を陽子ビームラインから上がる(即ち、ファラデーカップコンポーネント430を陽子ビームの経路から遠ざける)ことにより、陽子ビームを通過させることができる。いくつかの実施形態では、校正モジュール40は、ファラデーカップコンポーネント430で測定された第2の電流値に従って加速器10を制御することにより、陽子ビームの電流を調整することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、ファラデーカップコンポーネント430で測定された第2の電流値は、電流測定コンポーネント420で測定された第1の電流値よりも正確である。換言すれば、第2の電流値で加速器10を校正することは、第1の電流値で加速器10を校正するよりも正確である。例えば、複数の測定が行なわれて、第1の電流値と第2の電流値の間の対応表を得ることができる。次いで、ファラデーカップコンポーネント430が陽子ビームラインから上昇したとき、第2の電流値は対応表により第1の電流値から推定され、第2の電流値に従って加速器10を正確に校正するようにすることができる。
【0026】
図3は、本開示の他の実施形態による加速器、校正モジュール、およびターゲットの概略図である。図3に示されるように、チャネル30は、第1の側300と、第1の側300の反対側の第2の側301とを有する。加速器10は第1の側300に配置され、ターゲット20は第2の側301に配置される。換言すれば、加速器10およびターゲット20は、それぞれチャネル30の両端に位置している。いくつかの実施形態では、チャネル30の第1の側300およびチャネル30の第2の側301に校正モジュール40の同じコンポーネントを配置することにより、加速器10を出たばかりの陽子ビームと、ターゲット20に照射しようとしている陽子ビームがそれぞれ校正されることができる。図3を例にとると、詳細は以下の通りである。
【0027】
いくつかの実施形態では、一対の電磁石コンポーネント400は、互いに離間した第1のグループの四極磁石400aと第2のグループの四極磁石400bとを含むことができる。第1のグループの四極磁石400aおよび第2のグループの四極磁石400bは、第2の方向D2および第3の方向D3での陽子ビームの分布を制御するように構成される。例えば、第1のグループの四極磁石400aは、チャネル30の第1の側300(即ち、加速器10に隣接する端部)に配置され、四極磁石401aおよび四極磁石402aを含むことができる。第2のグループの四極磁石400bは、チャネル30の第2の側301(即ち、ターゲット20に隣接する端部)に配置され、四極磁石401bおよび四極磁石402bを含むことができる。四極磁石401aおよび四極磁石401bは、第2の方向D2での陽子線の分布を制御するように構成され、四極磁石402aおよび四極磁石402bは、第3の方向D3での陽子線の分布を制御するように構成される。従って、陽子ビームのプロファイル分布は、チャネル30の第1の側300および第2の側301でそれぞれ校正されることができる。
【0028】
一対の電磁石コンポーネント400の構成と同様に、いくつかの実施形態では、プロファイル測定コンポーネント410は、第1のプロファイル測定コンポーネント410aおよび第2のプロファイル測定コンポーネント410bを含むことができる。電流測定コンポーネント420は、第1の電流測定コンポーネント420aおよび第2の電流測定コンポーネント420bを含む。ファラデーカップコンポーネント430は、第1のファラデーカップ430aと第2のファラデーカップ430bとを含む。例えば、第1のプロファイル測定コンポーネント410a、第1の電流測定コンポーネント420a、および第1のファラデーカップ430aは、チャネル30の第1の側300(即ち、加速器10に隣接する端部)に配置される。第2のプロファイル測定コンポーネント410b、第2の電流測定コンポーネント420b、および第2のファラデーカップ430bは、チャネル30の第2の側301(即ち、ターゲット20に隣接する端部)に配置される。従って、チャネル30の第1の側300上の感知デバイスでの陽子ビームの電流およびプロファイル分布、ならびにチャネル30の第2の側301の感知デバイスでの陽子ビームの電流およびプロファイル分布は、それぞれ測定されることができる。本開示は、図2および図3に示されるように一対の電磁石コンポーネント400、プロファイル測定コンポーネント410、電流測定コンポーネント420、およびファラデーカップコンポーネント430の取り付け位置および数に限定されない。いくつかの実施形態では、本開示の校正モジュール40の各コンポーネントの数は任意の正の整数であってもよく、要件に応じてチャネル30内の異なる位置に配置されてもよい。
【0029】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、中性子ビーム源生成システム1は、安全モジュール50および安全インターロックシステム3をさらに含む。具体的には、安全モジュール50は、中性子ビーム源生成システム1の動作プロセスを監視するように構成され、安全インターロックシステム3は、中性子ビーム源安定化制御システム2内の校正モジュール40によって測定されたデータおよび安全モジュール50によって測定されたデータに従って、中性子ビーム源生成システム1の動作を停止するか、または警報を発することができる。安全インターロックシステム3および安全モジュール50を配置することにより、中性子ビーム源生成システム1の安全性が効果的に確保されることができる。いくつかの実施形態では、安全インターロックシステム3は、加速器10または他の警報装置に指示を送信するプロセッサを含むことができる。例えば、プロセッサは、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)、他の適切なプロセッサ、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、本開示はそれらに限定されない。
【0030】
いくつかの実施形態では、安全モジュール50は、チャネル30を測定して真空値を得る真空測定コンポーネント500を含むことができる。いくつかの実施形態では、真空測定コンポーネント500は、抵抗ゲージ、容量ゲージ、他の適切なゲージ、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれらを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、真空測定コンポーネント500により測定された真空値が安全値から逸脱したとき(例えば、真空値が安全値より低い)、加速器10の動作は、安全インターロックシステム3によって停止されることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、中性子ビーム源生成システム1は、ターゲット20を冷却する冷却モジュール60をさらに含む。中性子ビーム源生成システム1が冷却モジュール60を含むいくつかの実施形態では、安全モジュール50は、冷却水測定コンポーネント510を含むことができる。冷却水測定コンポーネント510は、冷却モジュール60内の冷却水を測定して、水温値、水圧値、水流量値、および水抵抗値を得るように構成されている。いくつかの実施形態では、冷却水測定コンポーネント510で測定された水温値、水圧値、水流量値、または水抵抗値が安全値から逸脱したとき(例えば、水温値が安全値より高い)、加速器10の動作は、安全インターロックシステム3によって停止されることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、安全モジュール50は、中性子測定コンポーネント520を含み、中性子ビーム源を測定して中性子計数率を得ることができる。いくつかの実施形態では、中性子測定コンポーネント520は、ヘリウム-3(He)中性子比例計数器、三フッ化ホウ素(BF)中性子比例計数器、他の適切な測定装置、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれらを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、中性子測定コンポーネント520により測定された中性子計数率が安全値から逸脱したとき(例えば、中性子計数率が安全値より高い)、加速器10の動作は、安全インターロックシステム3によって停止されることができる。
【0033】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による中性子ビーム源生成方法のフローチャートである。図4に示すように、いくつかの実施形態では、中性子ビーム源は、上述の中性子ビーム源生成システム1内での中性子ビーム源生成方法を実施することにより、安定的に生成することができる。いくつかの実施形態では、中性子ビーム源生成方法は、中性子ビーム源を生成する前に陽子ビームを校正する中性子ビーム源安定化制御方法を含むことができる。例えば、中性子ビーム源安定化制御方法は、ステップS10~ステップS22を含むことができる。ステップS10では、チャネルに沿って第1の方向に伝送される陽子ビームは、加速器により生成されることができる。ステップS12では、陽子ビームは、校正モジュールの電流測定コンポーネントによって測定され、第1の電流値を得ることができる。ステップS14では、陽子ビームは、校正モジュールのファラデーカップコンポーネントによって測定され、第2の電流値を得ることができる。いくつかの実施形態では、ステップS12およびステップS14の後、中性子ビーム源生成方法は、第1の電流値と第2の電流値を比較して電流値対応表を得るステップをさらに含む。第2の電流値の精度は第1の電流値よりも高いことができるため、第2の電流値は、中性子ビーム源を生成するプロセス中(ファラデーカップコンポーネントはオフビームラインモードにある)に電流値対応表に従って第1の電流値から推定されることができ、陽子ビームの電流の大きさをより正確に判定することができる。ステップS16では、陽子ビームの電流は、第1の電流値、第2の電流値、またはその両方に従って調整されることができる。例えば、陽子ビームの電流は、第1の電流値または第2の電流値に従って決定されることができる。あるいは、陽子ビームの電流は、第1の電流値および第2の電流値に応じてそれぞれ決定されてもよい。ステップS18では、陽子ビームが校正モジュールのプロファイル測定コンポーネントによって測定され、プロファイル分布を得る。ステップS20では、第2の方向および第3の方向での陽子ビームの分布は、プロファイル分布に従って決定され、校正モジュールの一対の電磁石コンポーネントによって校正される。ステップS22では、第1の電流値、第2の電流値、およびプロファイル分布が全てプリセット値を満たすとき、ファラデーカップコンポーネントを除去(即ち、上昇)し、陽子ビームがターゲットを照射し、中性子ビーム源を生成するようにする。
【0034】
いくつかの実施形態では、上述のステップS10~ステップS16は総称して電流値品質制御方法と呼ぶことがある。いくつかの実施形態では、ステップS18~ステップS20は総称してプロファイル品質制御方法と呼ぶことがある。いくつかの実施形態では、電流値品質制御方法が最初に実行され、その後、プロファイル品質制御方法が実行されることができる。具体的には、陽子ビームの電流が増加したとき、陽子ビーム内部の空間電荷力が増加し、陽子ビームが拡散する(例えば、分布面積が増加する)ようになる。逆に、陽子ビームの電流が減少したとき、陽子ビーム内部の空間電荷力が減少し、陽子ビームが集束する(例えば、分布面積が減少する)ようになる。つまり、陽子ビームのプロファイル分布は電流の大きさに影響されることになる。従って、電流値品質制御方法を最初に実行することは、校正されたプロファイル分布が電流の大きさを変えることで影響を受けることから防ぐことができる。
【0035】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による電流値品質制御方法のフローチャートである。図5に示すように、いくつかの実施形態では、電流値品質制御方法は、ステップS100~ステップS106に置き換えて実行されることができる。ステップS100では、陽子ビームが加速器により生成され、陽子ビームの電流が第1のプリセット電流値に従って対応して調整される。ステップS102では、陽子ビームが電流測定コンポーネントにより測定され、第1の電流値を得る。ステップS104では、第1の電流値と第1のプリセット電流値との差が第1の電流閾値より小さいかどうかが判定される。第1の電流値と第1のプリセット電流値との差が第1の電流閾値より小さいとき、陽子ビームの第1の電流値は品質管理にパスしたと判定される。反対に、第1の電流値と第1のプリセット電流値との差が第1の電流閾値以上であるとき、陽子ビームの第1の電流値は品質管理にパスできないと判定され、ステップS100が再実行される。いくつかの実施形態では、第1の電流閾値は第1のプリセット電流値の5%であるが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、第1の電流閾値は、第1のプリセット電流値の3%、10%、15%などの任意の値であることができる。ステップS106では、陽子ビームの電流値品質制御が終了する。
【0036】
いくつかの実施形態では、ステップS102では、ファラデーカップコンポーネントが電流測定コンポーネントの代わりに用いられてもよい。例えば、陽子ビームは、ファラデーカップコンポーネントによって測定され、第2の電流値を得ることができる。次に、第2の電流値と第2のプリセット電流値との差が第2の電流閾値より小さいかどうかが判定される。第2の電流値と第2のプリセット電流値との差が第2の電流閾値より小さいとき、陽子ビームの第2の電流値は品質管理にパスしたと判定される。反対に、第2の電流値と第2のプリセット電流値との差が第2の電流閾値以上であるとき、陽子ビームの第2の電流値は品質管理にパスできないと判定され、ステップS100が再実行される。
【0037】
図6は、本開示のいくつかの実施形態によるプロファイル品質制御方法のフローチャートである。図6に示すように、いくつかの実施形態では、プロファイル品質制御方法は、ステップS200~ステップS206によって置き換えられて実行されることができる。ステップS200では、第2の方向および第3の方向での陽子ビームの分布は、一対の電磁石コンポーネントによって調整される。ステップS202では、陽子ビームは、プロファイル測定コンポーネントにより測定され、プロファイル分布を得る。ステップS204では、プロファイル分布とプリセットプロファイル分布との差が第1のプロファイル閾値より小さいかどうかが判定される。プロファイル分布とプリセットプロファイル分布との差がプロファイル閾値より小さいとき、陽子ビームのプロファイル分布は品質管理にパスしたと判定される。反対に、プロファイル分布とプリセットプロファイル分布との差がプロファイル閾値以上であるとき、陽子ビームのプロファイル分布は品質管理にパスできないと判定され、ステップS200が再実行される。本明細書における「プロファイル分布とプリセットプロファイル分布との差」は、陽子ビームの分布面積とプリセット面積との面積の差を指すことができるが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、プロファイル閾値は、プリセットプロファイル分布の5%であることができる。ステップS206では、陽子ビームのプロファイル品質制御が終了する。
【0038】
図7Aおよび図7Bは、本開示のいくつかの実施形態による中性子ビーム源安定化制御方法のフローチャートである。図7Aおよび図7Bに示すように、いくつかの実施形態では、中性子ビーム源生成システムのチャネルの両側は、一対の電磁石コンポーネント、プロファイル測定コンポーネント、電流測定コンポーネント、およびファラデーカップコンポーネントが提供される(例えば、中性子ビーム源生成システムは図3に示す構成を有する)。この場合、中性子ビーム源安定化制御方法をステップS300~ステップS332によって置き換えられて実行されることができ、このステップは2段階に分けられてもよい。
【0039】
ステップS300では、陽子ビームの品質管理が開始され、第1の段階の品質管理プロセスが行われる。ステップS302では、加速器が陽子ビームを生成していないことを確認し、ファラデーカップの損傷を防ぐ。加速器が陽子ビームを生成したとき、ステップS301が実行され、ステップS300が再度実行される。ステップS301では、加速器の状態が調整され(例えば、加速器がオフにされ)、陽子ビームの生成を停止し、スピーカーや警告灯等の装置により警報が発されるが、本開示はこれに限定されない。ステップS304では、第1のファラデーカップおよび第2のファラデーカップが陽子ビームラインまで降下される。ステップS306では、陽子ビームが加速器により生成される。ステップS308~ステップS312では、陽子ビームの電流が第1の電流値品質管理にパスし、陽子ビームのプロファイル分布が第1のプロファイル品質管理にパスするかどうかがそれぞれ確認される。陽子ビームの電流および/またはプロファイル分布が第1の電流値品質管理または第1のプロファイル品質管理にパスできなかったとき、ステップS307が実行され、ステップS308が再度実行される。いくつかの実施形態では、ステップS307およびステップS308は、上述の電流値品質制御方法(例えば、ステップS10~ステップS16、またはステップS100~ステップS106)およびプロファイル品質制御方法(例えば、ステップS18~ステップS20、またはステップS200~ステップS206)と同様または同一の方法で実行されることができる。ステップS314では、加速器から生成された陽子ビームが停止される。
【0040】
ステップS316では、第2の段階の品質管理プロセスが実行される。具体的には、ステップS316~ステップS332では、ステップS300~ステップS314と同様または同一の品質管理プロセスが再度実行されることができるため、その説明を省略する。第1の段階の品質管理プロセス(ステップS300~ステップS314)では、陽子ビームは第1のファラデーカップにより遮蔽される(例えば、ステップS304)ことに留意されたい。換言すれば、第1の段階の品質管理プロセスでは、主な目的は、加速器と第1のファラデーカップ間の陽子ビームのプロファイルと電流を測定して制御することである。一方、第2の段階の品質管理プロセス(ステップS316~ステップS332)では、第1のファラデーカップが上昇するため、陽子ビームは第2のファラデーカップによって遮蔽される(例えば、ステップS320)。換言すれば、第2の段階の品質管理プロセスでは、主な目的は、第1のファラデーカップと第2のファラデーカップ間の陽子ビームのプロファイルと電流を測定して制御することである。2回の電流値品質管理と2回のプロファイル品質管理により、より安定した陽子ビームが生成されることができる。ステップS332では、陽子ビームが2段階の品質管理プロセスにパスした後、陽子ビームの品質管理が終了する。
【0041】
いくつかの実施形態では、中性子ビーム源生成方法は、中性子ビーム源を生成するプロセス中に陽子ビームを校正する中性子ビーム源安定生成方法をさらに含む。例えば、ファラデーカップコンポーネントが除去された後、中性子ビーム源生成方法は以下のステップをさらに含む。陽子ビームを電流測定コンポーネントで測定して第1の電流値を得る。第1の電流値に従って陽子ビームの電流値を調整する。陽子ビームをプロファイル測定コンポーネントで測定してプロファイル分布を得る。一対の電磁石コンポーネントを用いて、プロファイル分布に従って第2の方向および第3の方向での陽子ビームのプロファイル分布を調整する。換言すれば、校正モジュールの一部のコンポーネントは、中性子ビーム源を生成する前に陽子ビームを校正するのに用いられることができ、中性子ビーム源を生成するプロセス中に陽子ビームを校正するのに用いられることもできる。
【0042】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による安全インターロック方法のフローチャートである。図8に示すように、いくつかの実施形態では、中性子ビーム源生成方法は、中性子ビーム源を生成するプロセス中にシステムの安全性を確認する安全インターロック方法をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、安全インターロック方法は、ステップS400~ステップS402、ステップS410~ステップS416、ステップS420~ステップS426、およびステップS430~ステップS436を含むことができる。各ステップの詳細な説明は以下の通りである。ステップS400およびステップS402では、陽子ビームは加速器により生成され、中性子ビーム源はターゲットを陽子ビームで照射することにより生成されることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ステップS410~ステップS416は、中性子ビーム源の収率(yield)が品質管理にパスするかどうかを確認するのに用いられる。具体的には、ステップS410では、陽子ビームは、校正モジュールの電流測定コンポーネントにより測定され、第1の電流値を得ることができる。ステップS412では、中性子ビーム源が安全モジュールの中性子測定コンポーネントにより測定され、中性子計数率を得ることができる。本明細書で用いられる、「中性子計数率」という用語は、比例計数器などの装置により測定された中性子の数を指す。いくつかの実施形態では、中性子の数は、比例計数器により測定されたパルスの数から推定されることができる。ステップS414では、中性子計数率が第1の電流値で除算され、第1の中性子収率係数(neutron yield factor)を得ることができ、第1の中性子収率係数は、第1のプリセット中性子収率係数と比較される。第1の中性子収率係数と第1のプリセット中性子収率係数との差が第1の中性子収率係数閾値以上であるとき、安全インターロック制御が実行される。いくつかの実施形態では、第1の中性子収率係数閾値は、第1のプリセット中性子収率係数の5%であることができるが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、安全インターロック制御は、ステップS411の実行(即ち、警報が発される)およびステップS410の再実行を含むことができる。あるいは、ステップS414では、中性子計数率は中性子束にまず変換され、中性子束は第1の電流値で除算され、第1の中性子収率を得ることができる。本明細書で用いられる「中性子束」という用語は、単位時間当たりに単位面積を通過する中性子の数を指す。いくつかの実施形態では、「中性子束」という用語は、中性子密度とその平均速度の積に等しい。次に、第1の中性子収率が第1のプリセット中性子収率と比較されることができる。第1の中性子収率と第1のプリセット中性子収率との差が第1の中性子収率閾値以上であるとき、安全インターロック制御が実行される。
【0044】
いくつかの実施形態では、第2の電流値は、ステップS410の後、第1の電流値と第2の電流値の間の対応表に従って第1の電流値から推定されることができる。次いで、ステップS414では、中性子計数率が第2の電流値で除算され、第2の中性子収率係数を得ることができ、第2の中性子収率係数は、第2のプリセット中性子収率係数と比較される。第2の中性子収率係数と第2のプリセット中性子収率係数との差が第2の中性子収率係数閾値以上であるとき、安全インターロック制御が実行される。精度がより高い第2の電流値を用いることにより、中性子ビームの収率はより正確に推定されることができる。あるいは、いくつかの実施形態では、中性子計数率は中性子束にまず変換され、中性子束は第2の電流値で除算され、第2の中性子収率を得ることができる。次いで、第2の中性子収率が第2のプリセット中性子収率と比較されることができる。第2の中性子収率と第2のプリセット中性子収率との差が第2の中性子収率閾値以上であるとき、安全インターロック制御が実行される。いくつかの実施形態では、第2の中性子収率と第2のプリセット中性子収率との差が5%以上であるとき、安全インターロック制御は、ステップS411の実行(即ち、警報が発される)およびステップS410の再実行を含むことができる。この場合、どう対処するかは専門家が判断することになる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ステップS420~ステップS426は、ターゲットの状態が品質管理にパスするかどうかを確認するのに用いられる。具体的には、ステップS420では、冷却モジュール内の冷却水が校正モジュールの冷却水測定コンポーネントによって測定され、水温値、水圧値、水流量値、および水抵抗値を得ることができる。ステップS422では、水温値、水圧値、水流量値、および水抵抗値がプリセット水温値、プリセット水圧値、プリセット水流量値、およびプリセット水抵抗値とそれぞれ比較されることができる。水温値とプリセット水温値との差が水温閾値以上であり、水圧値とプリセット水圧値との差が水圧閾値以上であり、水流量値とプリセット水流量値との差が水流量閾値以上であるか、または水抵抗値とプリセット水抵抗値との差が水抵抗閾値以上であるとき、安全インターロック制御が実行される。いくつかの実施形態では、上述のパラメータのいずれかと、対応するプリセットパラメータとの差が5%以上であるとき、安全インターロック制御は、ステップS423の実行(即ち、警報が発される)と、次いで、ステップS420の再実行とを含むことができる。この場合、どう対処するかは専門家が判断することになる。いくつかの実施形態では、上述のパラメータのいずれかと、対応するプリセットパラメータとの差が10%以上であるとき、安全インターロック制御は、ステップS424を実行し、安全インターロックシステムで加速器を停止することを含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ステップS430~ステップS436は、中性子ビーム源の環境が品質管理にパスするかどうかを確認するのに用いられる。具体的には、ステップS430では、チャネルが校正モジュールの真空測定コンポーネントにより測定され、真空値を得るようにすることができる。ステップS432では、真空値がプリセット真空値と比較されることができる。真空値とプリセット真空値との差が真空閾値以上であるとき、安全インターロック制御が実行される。いくつかの実施形態では、真空値とプリセット真空値との差が5%以上であるとき、安全インターロック制御は、ステップS433の実行(即ち、警報が発される)と、ステップS430の再実行とを含むことができる。この場合、どう対処するかは専門家が判断することになる。いくつかの実施形態では、真空値とプリセット真空値との差が10%以上であるとき、安全インターロック制御は、ステップS434を実行し、安全インターロックシステムで加速器を停止することを含むことができる。
【0047】
本明細書では、5%または10%の差が用いられて、加速器を調整する、警報を発する、安全インターロックシステムによる加速器を停止するなどのステップを行うかどうかを判定しているが、本開示はこれらに限定されない。例えば、ステップS104、S204、S411、S416、S423、およびS433のいずれか1つにおいて判定に用いられる差が、2%、3%、4%、6%、7%、8%、上述の値の任意の範囲、またはその他の適切な値など、他の値に置き換えられてもよい。あるいは、ステップS424およびS434のいずれか1つにおいて判定に用いられる差が、7%、8%、9%、11%、12%、13%、上述の値の任意の範囲、または他の適切な値に変えられてもよい。換言すれば、ここで用いられる差は例であり、実際のニーズに応じて調整されることができる。
【0048】
本発明の実施形態間の特徴は、本発明の趣旨に反しない限り、任意に組み合わせることができる。また、本開示の範囲は、本明細書に記載された特定の実施形態におけるプロセス、機械、製造、材料組成、装置、方法、およびステップに限定されない。当業者は、現在または将来のプロセス、機械、製造、材料組成、装置、方法、およびステップが、本開示と実質的に同じ機能を実行するか、または実質的に同じ結果を得る限り、本開示に開示された内容から、現在および将来のプロセス、機械、製造、材料組成、装置、方法、およびステップを理解するであろう。従って、本開示の範囲は、上述のプロセス、機械、製造、材料組成、装置、方法、およびステップを含む。本発明の範囲は特許請求の範囲によって決定されるべきものである。本開示の任意の実施形態または請求項が、本明細書に開示された目的、利点、および/または特徴の全てを達成する必要はない。
【0049】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できる。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の趣旨および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。
【符号の説明】
【0050】
1 中性子ビーム源生成システム
2 中性子ビーム源安定化制御システム
3 安全インターロックシステム
10 加速器
20 ターゲット
30 チャネル
300 第1の側
301 第2の側
40 校正モジュール
400 電磁石コンポーネント
400a 第1のグループの四極磁石
400b 第2のグループの四極磁石
401、401a、401b、402、402a、402b 四極磁石
410 プロファイル測定コンポーネント
410a 第1のプロファイル測定コンポーネント
410b 第2のプロファイル測定コンポーネント
420 電流測定コンポーネント
420a 第1の電流測定コンポーネント
420b 第2の電流測定コンポーネント
430 ファラデーカップコンポーネント
430a 第1のファラデーカップ
430b 第2のファラデーカップ
50 安全モジュール
500 真空測定コンポーネント
510 冷却水測定コンポーネント
520 中性子測定コンポーネント
60 冷却モジュール
S10-S22、S100-S106、S200-S206、S300-S332、S400-S402、S410-S416、S420-S426、S430-S436 ステップ
D1 第1の方向
D2 第2の方向
D3 第3の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8