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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100680
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】スライドレール機構
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/49 20170101AFI20240719BHJP
【FI】
A47B88/49
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178644
(22)【出願日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】112101919
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】張 維成
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB41
3B160AB71
3B160EA03
3B160EA14
3B160EA35
3B160EA36
3B160EA44
3B160EA52
(57)【要約】
【課題】 改善されたスライドレール機構を提供すること。
【解決手段】 スライドレール機構は、スライドレールアセンブリ及び補助レール部材を含む。スライドレールアセンブリは2つのスライドレールを含む。補助レール部材は、2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールに可動に取り付けられている。2つのスライドレールのうちの第2のスライドレールが、2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールから開方向に沿って取り外されると、補助レール部材は、2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールに対して開方向に沿って引っ込め位置から所定の伸長位置に動かすことができる。2つのスライドレールのうちの第2のスライドレールは第1の保持物体を保持するように構成され、補助レール部材は第2の保持物体を保持するように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスライドレールアセンブリであって、該第1のスライドレールアセンブリは、
第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、
前記第2のレールに対して可動な第3のレールと、
を含む、第1のスライドレールアセンブリと、
前記第1のスライドレールアセンブリに対して可動な第2のスライドレールアセンブリであって、該第2のスライドレールアセンブリは、
前記第1のレールに可動に取り付けられる補助レール部材と、
前記補助レール部材に接続される第4のレールと、
前記第4のレールに対して可動な第5のレールと、
を含む第2のスライドレールアセンブリと、
を含むスライドレール機構であって、
前記第2のスライドレールアセンブリの補助レール部材は、前記第1のスライドレールアセンブリの第1のレールを少なくとも部分的に覆うように構成されている、スライドレール機構。
【請求項2】
前記第1のスライドレールアセンブリは、前記第1のレールと前記第2のレールとの間に可動に取り付けられる第1の摺動補助装置と、前記第2のレールと前記第3のレールとの間に可動に取り付けられる第2の摺動補助装置とをさらに含む、請求項1に記載のスライドレール機構。
【請求項3】
前記第1のレールは、第1の壁、第2の壁及び前記第1のレールの第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記第1のレールの第1の壁、第2の壁及び長手壁によって第1の通路が画定され、該第1の通路は前記第2のレールを収容するように構成され、
前記第2のレールは、第1の壁、第2の壁及び前記第2のレールの第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記第2のレールの第1の壁、第2の壁及び長手壁によって第2の通路が画定され、該第2の通路は前記第3のレールを収容するように構成され、
前記補助レール部材は、第1の壁、第2の壁及び前記補助レール部材の第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記補助レール部材の第1の壁、第2の壁及び長手壁によって補助通路が画定され、前記補助レール部材の第1の壁及び第2の壁は、前記第1のレールの第1の壁及び第2の壁をそれぞれ保持するように構成され、前記補助通路は、前記第1のスライドレールアセンブリの第1のレールの一部を収容するように構成されている、請求項1に記載のスライドレール機構。
【請求項4】
前記第1のレールの第1の壁及び第2の壁は、前記第1のレールの長手壁に対して第1の所定の方向に沿って延び、前記補助レール部材の第1の壁及び第2の壁は、前記補助レール部材の長手壁に対して第2の所定の方向に沿って延び、該第1の所定の方向は該第2の所定の方向と反対であり、
前記第2のスライドレールアセンブリは、前記第5のレールに対して可動な第6のレールと、前記第4のレールと前記第5のレールとの間に可動に取り付けられる第3の摺動補助装置と、前記第5のレールと前記第6のレールとの間に可動に取り付けられる第4の摺動補助装置をさらに含む、請求項3に記載のスライドレール機構。
【請求項5】
前記第4のレールは、第1の壁、第2の壁及び前記第4のレールの第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記第4のレールの第1の壁、第2の壁及び長手方壁によって第3の通路が画定され、該第3の通路は前記第5のレールを収容するように構成され、
前記第5のレールは、第1の壁、第2の壁及び前記第5のレールの第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、第5のレールの第1の壁、第2の壁及び長手壁によって第4の通路が画定され、該第4の通路は前記第6のレールを収容するように構成され、
前記第4のレールの第1の壁及び第2の壁は、前記第4のレールの長手壁に対して前記第1の所定の方向に沿って延びている、請求項4に記載のスライドレール機構。
【請求項6】
第1のスライドレールアセンブリであって、
第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、
前記第2のレールに対して可動な第3のレールと、
を含む、第1のスライドレールアセンブリと、
前記第1のレールに可動に取り付けられる補助レール部材と、
を含むスライドレール機構であって、
前記第1のスライドレールアセンブリが伸長状態にある場合、前記第2のレールは前記第1のレールに対して第1の伸長位置に位置し、前記第3のレールは前記第2のレールに対して第2の伸長位置に位置し、
前記第3のレールが開方向に沿って前記第2のレールから前記第2の伸長位置で取り外された場合、前記補助レール部材は引っ込め位置から所定の伸長位置に前記開方向に沿って前記第1のレールに対して動かすことができる、スライドレール機構。
【請求項7】
前記第1のスライドレールアセンブリに対して可動な第2のスライドレールアセンブリをさらに含み、該第2のスライドレールアセンブリは第4のレール、第5のレール及び第6のレールを含み、該第4のレールは前記補助レール部材に接続され、該第5のレールは該第4のレールに対して可動であり、該第6のレールは該第5のレールに対して可動であり、
前記第1のレールはラックに取り付けられるように構成され、前記第3のレールは第1の保持物体を保持するように構成され、前記第6のレールは第2の保持物体を保持するように構成されている、請求項6に記載のスライドレール機構。
【請求項8】
前記第1のレールは、第1の壁、第2の壁及び前記第1のレールの第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記第1のレールの第1の壁、第2の壁及び長手壁によって第1の通路が画定され、該第1の通路は前記第2のレールを収容するように構成され、
前記第2のレールは、第1の壁、第2の壁及び前記第2のレールの第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記第2のレールの第1の壁、第2の壁及び長手壁によって第2の通路が画定され、該第2の通路は前記第3のレールを収容するように構成され、
前記補助レール部材は、第1の壁、第2の壁及び前記補助レール部材の第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記補助レール部材の第1の壁、第2の壁及び長手壁によって補助通路が画定され、前記補助レール部材の第1の壁及び第2の壁は、前記第1のレールの第1の壁及び第2の壁をそれぞれ保持するように構成され、前記補助通路は、前記第1のスライドレールアセンブリの第1のレールの一部を収容するように構成され、
前記第1のレールの第1の壁及び第2の壁は、前記第1のレールの長手壁に対して第1の所定の方向に沿って延び、前記補助レール部材の第1の壁及び第2の壁は、前記補助レール部材の長手壁に対して第2の所定の方向に沿って延び、該第1の所定の方向は該第2の所定の方向と反対であり、
前記第4のレールは、第1の壁、第2の壁及び前記第4のレールの第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記第4のレールの第1の壁、第2の壁及び長手方壁によって第3の通路が画定され、該第3の通路は前記第5のレールを収容するように構成され、
前記第5のレールは、第1の壁、第2の壁及び前記第5のレールの第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、第5のレールの第1の壁、第2の壁及び長手壁によって第4の通路が画定され、該第4の通路は前記第6のレールを収容するように構成され、
前記第4のレールの第1の壁及び第2の壁は、前記第4のレールの長手壁に対して前記第1の所定の方向に沿って延びている、請求項7に記載のスライドレール機構。
【請求項9】
2つのスライドレールを含むスライドレールアセンブリと、
前記2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールに可動に取り付けられる補助レール部材と、
を含むスライドレール機構であって、
前記2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールはラックに取り付けられるように構成され、前記2つのスライドレールのうちの第2のスライドレールは第1の保持物体を保持するように構成され、前記補助レール部材は第2の保持物体を保持するように構成され、
前記2つのスライドレールのうちの第2のスライドレールが前記2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールから開方向に沿って取り外れた場合、前記補助レール部材は、引っ込め位置から所定の伸長位置に開方向に沿って前記2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールに対して動かすことができる、スライドレール機構。
【請求項10】
前記2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールは、第1の壁、第2の壁及び前記2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールの第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、
前記補助レール部材は、第1の壁、第2の壁及び前記補助レール部材の第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記補助レール部材の第1の壁、第2の壁及び長手壁とによって補助通路が画定され、前記補助レール部材の第1の壁及び第2の壁は、前記2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールの第1の壁及び第2の壁をそれぞれ保持するように構成され、前記補助通路は、前記2つのスライドレールのうちの前記第1のスライドレールの一部を収容するように構成されている、請求項9に記載のスライドレール機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールに関し、より具体的には、少なくとも1つのスライドレールを追加で備えるスライドレールアセンブリを有するスライドレール機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には第1のレール、第2のレール及び第3のレールを含むスライドレールアセンブリが開示されている。第1のレールはラックに固定されている。第2のレールは、第1のレールと第3のレールとの間に可動に取り付けられている。第3のレールは保持物体を保持するように構成されているため、保持物体は第3のレールを介して第1のレール(又はラック)に対して引っ込めるか又は引き出すことができる。特許文献1には、1つの保持物体のみをラックに取り付けることが可能な3区画スライドレールアセンブリの一般的な構成が開示されている。
【0003】
特許文献2には、外側スライド区画、中間スライド区画及び内側スライド区画を含む従来のスライドアセンブリが開示されている。中間スライド区画は、背中合わせで互いに接続された2つのC字状の構造を有する。特許文献2には、特殊形状の中間スライド区画が開示されているが、特許文献2に開示されたスライドアセンブリは依然として、1つの保持物体のみをラックに取り付けることが可能な3区画スライドアセンブリである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9681749号明細書
【特許文献2】米国特許第9313914号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、異なる市場の要求のために、様々なスライドレール製品を開発することが重要である。
【0006】
本発明は、少なくとも1つのスライドレールを追加で備え、2つの保持物体をラックに適用できるように構成されたスライドレールアセンブリを有するスライドレール機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、スライドレール機構は、第1のスライドレールアセンブリ及び第2のスライドレールアセンブリを含む。第1のスライドレールアセンブリは、第1のレール、第2のレール及び第3のレールを含む。第2のレールは、第1のレールに対して可動である。第3のレールは、第2のレールに対して可動である。第2のスライドレールアセンブリは、第1のスライドレールアセンブリに対して可動である。第2のスライドレールアセンブリは、補助レール部材、第4のレール及び第5のレールを含む。補助レール部材は、第1のレールに可動に取り付けられる。第4のレールは、補助レール部材に接続されている。第5のレールは、第4のレールに対して可動である。第2のスライドレールアセンブリの補助レール部材は、第1のスライドレールアセンブリの第1のレールを少なくとも部分的に覆うように構成されている。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレール機構は、第1のスライドレールアセンブリ及び補助レール部材を含む。第1のスライドレールアセンブリは、第1のレール、第2のレール及び第3のレールを含む。第2のレールは第1のレールに対して可動である。第3のレールは第2のレールに対して可動である。補助レール部材は第1のレールに可動に取り付けられている。第1のスライドレールアセンブリが伸長状態にある場合、第2のレールは第1のレールに対して第1の伸長位置に位置し、第3のレールは、第2のレールに対して第2の伸長位置に位置する。第3のレールが第2のレールから第2の伸長位置で開方向に沿って取り外されている場合、補助レール部材は、引っ込め位置から所定の伸長位置に第1のレールに対して開方向に沿って動かすことができる。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレール機構はスライドレールアセンブリ及び補助レール部材を含む。スライドレールアセンブリは2つのスライドレールを含む。補助レール部材は2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールに可動に取り付けられる。2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールはラックに取り付けられるように構成され、2つのスライドレールのうちの第2のスライドレールは第1の保持物体を保持するように構成され、補助レール部材は第2の保持物体を保持するように構成されている。2つのスライドレールのうちの第2のスライドレールが、2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールから開方向に沿って取り外された場合、補助レール部材は、引っ込め位置から所定の伸長位置に開方向に沿って2つのスライドレールのうちの第1のスライドレールに対して動かすことができる。
【0010】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に当業者に間違いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係るスライドレール機構を示す図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係るスライドレール機構の分解図である。
図3図3は、図1のA-A線に沿った断面図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態に係る、スライドレール機構の第1のスライドレールアセンブリが伸長状態にあり、スライドレール機構の第2のスライドレールアセンブリが引っ込められた状態にあることを示す図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態に係る、スライドレール機構の第1のスライドレールアセンブリの第3のレールが第1のレールに対して取り外され、スライドレール機構の第2のスライドレールアセンブリが第1のレールに対して引っ込められた状態にあることを示す図である。
図6図6は、本発明の第1の実施形態に係る、スライドレール機構の第2のスライドレールアセンブリが第1のレールに対して伸長状態にあることを示す図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態に係る、スライドレール機構の第1のスライドレールアセンブリ及び第2のスライドレールアセンブリが共に引っ込められた状態にあり、それぞれ第1の保持物体及び第2の保持物体を保持するように構成されている、ラックに取り付けられたスライドレール機構を示す図である。
図8図8は、本発明の第1の実施の形態に係る、第1のスライドレールアセンブリが伸長状態にあり、第2のスライドレールアセンブリが引っ込められた状態にある、ラックに取り付けられたスライドレール機構を示す図である。
図9図9は、本発明の第1の実施の形態に係る、第1の保持物体が取り外され、第2のスライドレールアセンブリが引っ込められた状態にある、ラックに取り付けられたスライドレール機構を示す図である。
図10図10は、本発明の第1の実施の形態に係る、第2のスライドレールアセンブリが伸長状態にある、ラックに取り付けたスライドレール機構を示す図である。
図11図11は、本発明の第2の実施の形態に係るスライドレール機構を示す図である。
図12図12は、本発明の第2の実施形態に係る、第1のスライドレールアセンブリが第1の保持物体を保持するように構成され、スライドレールが第2の保持物体を保持するように構成されている、ラックに取り付けられたスライドレール機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態によれば、スライドレール機構20は、第1のスライドレールアセンブリ22及び第2のスライドレールアセンブリ24を含む。第1のスライドレールアセンブリ22は、互いに長手方向に可能な第1のレール26、第2のレール28及び第3のレール30を含む。第2のレール28は、第1のレール26と第3のレール30との間に可動に取り付けられることが好ましい。
【0013】
第2のスライドレールアセンブリ24は第1のスライドレールアセンブリ22に対して可動である。第2のスライドレールアセンブリ24は、補助レール部材32(又は補助スライドレール)、第4のレール34及び第5のレール36を含む。第2のスライドレールアセンブリ24は第6のレール38をさらに含むことが好ましい。補助レール部材32は、第1のスライドレールアセンブリ22の第1のレール26に可動に取り付けられる。第4のレール34は補助レール部材32に接続される。本実施形態では、第4のレール34は補助レール部材32に固定接続されているが、本発明はこのような構成に限定されない。具体的には、第4のレール34、第5のレール36及び第6のレール38は、互いに対して長手方向に可動である。第2のスライドレールアセンブリ24の補助レール部材32は、第1のスライドレールアセンブリ22の第1のレール26を少なくとも部分的に覆う。さらに、本実施形態では、X軸は長手方向(又はスライドレールの長さ方向又は移動方向)であり、Y軸が横方向(又はスライドレールの横方向)であり、Z軸は垂直方向(又はスライドレールの高さ方向)である。
【0014】
図3に示すように、第1のスライドレールアセンブリ22は、第1のレール26と第2のレール28との間に可動に取り付けられる第1の摺動補助装置40と、第2のレール28と第3のレール30との間に可動に取り付けられる第2の摺動補助装置42とをさらに含む。例えば、第1の摺動補助装置40は、第1のレール26と第2のレール28との間の相対移動の円滑性を改善するように構成された少なくとも1つの第1の回転ボールB1を含み、第2の摺動補助装置42は、第2のレール28と第3のレール30との間の相対移動の円滑性を改善するように構成された少なくとも1つの第2の回転ボールB2を含む。
【0015】
第1のレール26は、第1の壁44a、第2の壁44b及び第1のレール26の第1の壁44aと第2の壁44bとの間に接続される長手壁46を含むことが好ましい。第1の通路48は、第1のレール26の第1の壁44a、第2の壁44b及び長手壁46によって画定され、第2のレール28を収容するように構成されている。
【0016】
第1のスライドレールアセンブリ22は、第2のレール28と反対の第1のレール26の長手壁46の一方側に接続される(固定接続される)ブラケット50をさらに含むことが好ましい。例えば、ブラケット50は、第1のレール26の長手壁46の裏面に接続される。
【0017】
第2のレール28は、第1の壁52a、第2の壁52b及び第2のレール28の第1の壁52aと第2の壁52bとの間に接続される長手壁54を含むことが好ましい。第2の通路56は、第2のレール28の第1の壁52a、第2の壁52b及び長手方向の壁54によって画定され、第3のレール30を収容するように構成されている。
【0018】
補助レール部材32は、第1の壁58a、第2の壁58b、補助レール部材32の第1の壁58aと第2の壁58bとの間に接続される長手壁60とを含むことが好ましい。補助通路62は、補助レール部材32の第1の壁58a、第2の壁58b及び長手壁60によって画定される。補助レール部材32の第1の壁58a及び第2の壁58bは、それぞれ第1のレール26の第1の壁44a及び第2の壁44bを保持するように構成され、補助通路62は、第1のスライドレールアセンブリ22の第1のレール26の一部を収容するように構成されている。
【0019】
第1のレール26の第1の壁44a及び第2の壁44bは、第1のレール26の長手壁46に対して第1の所定の方向K1に沿って延びていることが好ましい。補助レール部材32の第1の壁58a及び第2の壁58bは、補助レール部材32の長手壁60に対して第2の所定の方向K2に沿って延びている。第1の所定の方向K1は、第2の所定の方向K2と反対である。
【0020】
第2のスライドレールアセンブリ24は、第4のレール34と第5のレール36との間に可動に取り付けられる第3の摺動補助装置64と、第5のレール36と第6のレール38との間に可動に取り付けられる第4の摺動補助装置66とをさらに含むことが好ましい。例えば、第3の摺動補助装置64は、第4のレール34と第5のレール36との間の相対移動の円滑性を改善するように構成された少なくとも1つの第3の回転ボールB3を含み、第4の摺動補助装置66は、第5のレール36と第6のレール38との間の相対移動の円滑性を改善するように構成された少なくとも1つの第4の回転ボールB4を含む。
【0021】
第4のレール34は、第1の壁68a、第2の壁68b及び第4のレール34の第1の壁68aと第2の壁68bとの間に接続される長手壁70を含むことが好ましい。第3の通路72は、第4のレール34の第1の壁68a、第2の壁68b及び長手壁70によって画定され、第5のレール36を収容するように構成されている。
【0022】
補助レール部材32の長手壁60及び第4のレール34の長手壁70は、互いに接続されている(例えば、互いに固定接続されている)ことが好ましい。
【0023】
第4のレール34の第1の壁68a及び第2の壁68bは、第4のレール34の長手壁70に対して第1の所定の方向K1に沿って延びていることが好ましい。
【0024】
第5のレール36は、第1の壁74a、第2の壁74b及び第5のレール36の第1の壁74a及び第2の壁74bの間に接続される長手壁76を含むことが好ましい。第4の通路78は、第5のレール36の第1の壁74a、第2の壁74b及び長手壁76によって画定され、第6のレール38を収容するように構成されている。
【0025】
図1及び図2に示すように、第1のスライドレールアセンブリ22及び第2のスライドレールアセンブリ24は共に引っ込められた状態にある。加えて、第1のレール26、第2のレール28及び第3のレール30のそれぞれは前部及び後部を有する。例えば、第1のレール26は前部26a及び後部26bを有し、第2のレール28は前部28a及び後部28bを有し、第3のレール30は前部30a及び後部30bを有する。他方、補助レール部材32、第4のレール34、第5のレール36及び第6のレール38は前部及び後部を有する。例えば、補助レール部材32は前部32a及び後部32bを有し、第4のレール34は前部34a及び後部34bを有し、第5のレール36は前部36a及び後部36bを有し、第6のレール38は前部38a及び後部38bを有する。
【0026】
第1のスライドレールアセンブリ22が引っ込められた状態にある場合、第2のレール28は第1のレール26に対して引っ込められ、第3のレール30は第2のレール28に対して引っ込められている。他方、第2のスライドレールアセンブリ24が引っ込められ状態にある場合、補助レール部材32及び第4のレール34は、第1のレール26の後ろ側レール区画に接するように第1のレール26に対して引っ込め位置Rに位置し、第5のレール36は第4のレール34に対して引っ込められ、第6のレール38は第5のレール36に対して引っ込められている。
【0027】
図4及び図5に示すように、第1のスライドレールアセンブリ22は伸長状態にある。具体的には、(図4に示すように)第2のレール28は第1のレール26に対して開方向Dに沿って第1の伸長位置E1に動かすことができ、第3のレール30は第2のレール28に対して開方向Dに沿って第2の伸長位置E2に動かすことができる。さらに、第3のレール30は、(図5に示すように)第2のレール28から開方向Dに沿って動かし、第2の伸長位置E2で取り外すことができる。
【0028】
図6に示すように、第3のレール30が第2のレール28から取り外されると、補助レール部材32及び第4のレール34を第1のレール26に対して引っ込め位置Rから開方向Dに沿って所定の伸長位置Xに動かすことができ、第5のレール36は第4のレール34に対して開方向Dに沿って第3の伸長位置E3に動かすことができ、第6のレール38は第5のレール36に対して開方向Dに沿って第4の伸長位置E4に動かすことができる。第6のレール38は、第5のレール36から開方向Dに沿って動かし、第4の伸長位置E2で取り外すことができる(図示せず)。
【0029】
図7に示すように、第1のレール26は、ラック80(又はポスト)に取り付けられている(例えば、ラック80の前部80a及び後部80b等に取り付けられている)。本実施形態では、第1のレール26は、ブラケット50を介してラック80の前部80a及び後部80bに取り付けられている。ラック80は、ブラケット50を取り付けるための複数の取り付け部82を有する。他方、第3のレール30は第1の保持物体84を保持するように構成され、第6のレール38は、第2の保持物体86を保持するように構成されている。例えば、第3のレール30は、第1の保持物体84を取り付けるように構成された少なくとも1つの第1の接続部88を含み、第6のレール38は、第2の保持物体86を取り付けるように構成された少なくとも1つの第2の接続部90を含む。第1の保持物体84及び第2の保持物体86のそれぞれは、シャーシ、電子機器又は引き出しであり得るが、本発明はこれらに限定されない。
【0030】
さらに、第1のスライドレールアセンブリ22及び第2のスライドレールアセンブリ24が共に引っ込められた状態にある場合、第3のレール30(及び第1の保持物体84)がラック80の内部に位置するように第2のレール28は第1のレール26に対して引っ込められ、第3のレール30は第2のレール28に対して引っ込められている。例えば、第3のレール30(及び第1の保持物体84)はラック80の前部80aの前端fを越えて延在しておらず、第6のレール38(及び第2の保持物体86)もラック80内部に位置し、第2の保持物体86は第1の保持物体84の後方に位置している。
【0031】
図8及び図9に示すように、第1のスライドレールアセンブリ22は伸長状態にある。具体的には、(図8に示すように)第2のレール28は第1のレール26に対して開方向Dに沿って第1の伸長位置E1に移動するように構成され、第3のレール30は第2のレール28に対して開方向Dに沿って第2の伸長位置E2に移動するように構成されている。そのような状態では、ユーザが第1の保持物体84に対するメンテナンスを行うのに便利なように、第3のレール30(及び第1の保持物体84)はラック80の外側に位置する。第3のレール30の前部30aはラック80の前部80aの前端fを越えて延在している。さらに、第3のレール30及び第1の保持物体84は、(図9に示すように)第2のレール28から開方向Dに沿って動かし、第2の伸長位置E2で取り外すことができる。
【0032】
図10に示すように、第3のレール30及び第1の保持物体84が第2のレール28から取り外された後、補助レール部材32及び第4のレール34を第1のレール26に対して引っ込め位置Rから開方向Dに沿ってから所定の伸長位置Xに動かすことができ、第5のレール36を第4のレール34に対して開方向Dに沿って第3の伸長位置E3に動かすことができ、第6のレール38を第5のレール36に対して開方向Dに沿って第4の伸長位置E4に動かすことができる。そのような状態では、ユーザが第2の保持物体86に対してメンテナンスを行うのに便利なように、第6のレール38(及び第2の保持物体86)はラック80の外側に位置している。第6のレール38の前部38aは、ラック80の前部80aの前端fを越えて延在している。第6のレール38は、第5のレール28から開方向Dに沿って動かし、第4の伸長位置E4で取り外すことができる(図示せず)。
【0033】
図11及び図12は、本発明の第2の実施形態に係るスライドレール機構200を示す。具体的には、複数のスライドレールで構成される第2のスライドレールアセンブリ24を含む第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態では、第2のスライドレールアセンブリ24がスライドレール(補助レール部材204等)に置き換えられる。
【0034】
具体的には、スライドレール機構200は、第1のスライドレールアセンブリ202(スライドレールアセンブリともいう)及び補助レール部材204を含む。第1のスライドレールアセンブリ202は、互いに対して長手方向に可動な第1のレール206、第2のレール208及び第3のレール210を含む。補助レール部材204は、第1のレール206に可動に取り付けられる。補助レール部材204の第1の壁205a及び第2の壁205bは、第1のレール206の第1の壁207a及び第2の壁207bをそれぞれ保持するように構成されている(補助レール部材204と第1のレール206との間の構造構成については第1の実施形態を参照でき、簡略化のため、これ以上の説明は省略する)。第1のレール206はラック212に(ラック212の前部212a及び後部212b等に)取り付けられるように構成されている。第3のレール210は、第1の保持物体214を保持するように構成されている。補助レール部材204は、第2の保持物体216を保持するように構成されている。例えば、第3のレール210は、第1の保持物体214を取り付けるように構成された少なくとも1つの第1の接続部218を含み、補助レール部材204は、第2の保持物体216を取り付けるように構成された少なくとも1つの第2の接続部220を含む。
【0035】
第1の保持物体214が、取り外しのために、第2のレール208又は第1のレール206に対して、第3のレール210を介し開方向Dに沿って動かされると、第2の保持物体216は、第1のレール206に対して、補助レール部材204を介し引っ込め位置R’から開方向Dに沿ってから所定の伸長位置に動かすことができる。そのため、ユーザが、第2の保持物体216に対してメンテナンスを行うのに容易に便利である。そのような構成は第1の実施形態で開示されており、簡略化のため、これ以上の説明は省略する。
【0036】
したがって、本発明の実施形態に係るスライドレール機構(20、200)は以下の技術的特徴を有する。
【0037】
1)スライドレール機構(20、200)は、第1のスライドレールアセンブリ(22、202)及び第2のスライドレールアセンブリ24(又は補助レール部材204)を含む。
【0038】
2)ラック(80、212)に取り付けられた場合、第1のスライドレールアセンブリ(22、202)は第1の保持物体(84、214)を保持するように構成され、ユーザが第1の保持物体(84、214)に対してメンテナンスを行うのに便利なように第1の保持物体(84、214)をラックの前部に近くに動かすことができるか又はユーザが第2の保持物体(86、216)に対してメンテナンスを行うのに便利なように第1の保持物体(84、214)を取り外して、第2のスライドレールアセンブリ24(又は補助レール部材204)によって保持される第2の保持物体(86、216)をラックの前部に近くに動かすことができる。
【0039】
3)第1のスライドレールアセンブリ(22、202)と第2のスライドレールアセンブリ24(又は補助レール部材204)との間の(図3に示す)構造又は接続構成は、従来の3区画スライドレールアセンブリよりも革新的であり、少なくとも2つの保持物体を保持するのに有用である。
【0040】
4)第1のレール26の第1の壁44a及び第2の壁44bは、第1のレール26の長手壁46に対して第1の所定の方向K1に沿って延びている。補助レール部材32の第1の壁58a及び第2の壁58bは、補助レール部材32の長手壁60に対して第2の所定の方向K2に沿って延びている。第1の所定の方向K1は、第2の所定の方向K2と反対である。
【0041】
5)第4のレール34の第1の壁68a及び第2の壁68bは、第4のレール34の長手壁70に対して第1の所定の方向K1に沿って延びている。
【0042】
6)補助レール部材32の長手壁60と第4のレール34の長手壁70とは互いに接続(例えば、互いに固定接続)されている。
【0043】
7)第2のスライドレールアセンブリ24は第1のスライドレールアセンブリ22に取り付けられているため、スライドレール機構20は、第1の保持物体84及び第2の保持物体86等の2つの保持物体を、ユーザのメンテナンス作業を容易にするために、第1の保持物体84及び第2の保持物体86をそれぞれラック80に対して開方向に沿って動かし開くことができるように、高さ制限のある空間に取り付けることができる。
【0044】
当業者であれば、本発明の教示を保持したまま、装置及び方法に多数の修正及び変更が行われ得ることを容易に理解できるであろう。したがって、上記開示は、添付の特許請求の範囲の制限によってのみ限定されると解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12