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特開2024-100698永久励起同期機として設計された電動機のロータ、電動機、及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100698
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】永久励起同期機として設計された電動機のロータ、電動機、及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/276 20220101AFI20240719BHJP
【FI】
H02K1/276
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023208266
(22)【出願日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】10 2023 100 775.0
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィト バウアー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ヴェンデ
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622AA03
5H622CA02
5H622CA07
5H622CB03
5H622CB05
5H622PP03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より軽量であり、設置スペースをほとんど必要とせず、高トルク密度及び高速安定性を有する、電動機のロータを提供する。
【解決手段】永久励起同期機のロータ10において、中央凹部13に収容された内側永久磁石群26の永久磁石20の中心点31は、第1の半径を有する円形輪郭上ある。第1の横方向凹部14に収容された永久磁石21の中心点37、及び第2の横方向凹部15に収容された永久磁石22の中心点38は、第2の半径を有する円形輪郭上にある。中央凹部16に収容された外側永久磁石群27の永久磁石23の中心点32は、第3の半径を有する円形輪郭上にある。第1の横方向凹部17に収容された永久磁石24の中心点39、及び第2の横方向凹部18に収容された永久磁石25の中心点40は、第4の半径を有する円形輪郭上にある。第1の半径、第2の半径、第3の半径、第4の半径の順で半径が大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久励起同期機として設計された電動機(11)のロータ(10)であって、
前記ロータ(10)が、ポケット状凹部(13、14、15、16、17、18)と前記ポケット状凹部に位置付けられた永久磁石(20、21、22、23、24、25)とを有するロータ基体(19)を備え、
前記ロータ(10)が、極(12)を有し、前記極(12)が、円周方向に見て、互いに交互に隣り合って配置されており、極対を形成し、
各極(12)の領域において、内部に半径方向内側永久磁石(20、21、22)が配置された状態で半径方向内側ポケット状凹部(13、14、15)が、半径方向内側永久磁石群(26)を形成し、内部に半径方向外側永久磁石(23、24、25)が配置された状態で半径方向外側ポケット状凹部(16、17、18)が、半径方向外側永久磁石群(27)を形成し、
前記半径方向内側永久磁石群(26)それぞれ及び前記半径方向外側永久磁石群(27)それぞれの前記領域において、それぞれの中央ポケット状凹部(13、16)に収容された永久磁石(20、23)の第1の長手方向中心軸(28、30)が、前記ロータ(10)の半径方向に延在しており、かつ前記極(12)それぞれを円周方向に中央で分割する分割線(29)に対して垂直に延在しており、
前記半径方向内側永久磁石群(26)それぞれ及び前記半径方向外側永久磁石群(27)それぞれの前記領域において、それぞれの横方向ポケット状凹部(14、15、17、18)に収容された永久磁石(21、22、24、25)の第2の長手方向中心軸(33、34、35、36)は、横方向ポケット状凹部(14、15、17、18)に対応して、それぞれの中央ポケット状凹部(13、16)の両側に収容された前記永久磁石群(26、27)それぞれの永久磁石(21、22、24、25)の前記第2の長手方向中心軸(33、34、35、36)が外向きに分岐するように、前記極(12)それぞれの前記分割線線(29)に対して延在しており、
前記中央ポケット状凹部(13)に収容された前記極(12)の前記半径方向内側永久磁石群(26)の永久磁石(20)の中心点(31)が、第1の半径(r1.1)を有する円形輪郭上にあり、前記第1の半径(r1.1)と前記ロータの外側半径(ra)との比(r1.1/ra)が、0.6~0.8であり、
第1の横方向ポケット状凹部(14)に収容された前記極(12)の前記半径方向内側永久磁石群(26)の永久磁石(21)の中心点(37)、及び第2の横方向ポケット状凹部(15)に収容された前記極(12)の前記半径方向内側永久磁石群(26)の永久磁石(22)の中心点(38)が、第2の半径(r1.2)を有する円形輪郭上にあり、前記第2の半径(r1.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との比(r1.2/ra)が、0.65~0.9であり、
前記中央ポケット状凹部(16)に収容された前記極(12)の前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(23)の中心点(32)が、第3の半径(r2.1)を有する円形輪郭上にあり、前記第3の半径(r2.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との比(r2.1/ra)が、0.78~0.95であり、
第1の横方向ポケット状凹部(17)に収容された前記極(12)の前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(24)の中心点(39)、及び第2の横方向ポケット状凹部(18)に収容された前記極(12)の前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(25)の中心点(40)が、第4の半径(r2.2)を有する円形輪郭上にあり、前記第4の半径(r2.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との比(r2.2/ra)が、0.8~0.95であり、
前記第1の半径(r1.1)が、前記第2の半径(r1.2)よりも小さく、
前記第2の半径(r1.2)が、前記第3の半径(r2.1)よりも小さく、
前記第3の半径(r2.1)が、前記第4の半径(r2.2)よりも小さいことを特徴とする、ロータ(10)。
【請求項2】
前記第1の半径(r1.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r1.1/ra)が、0.65~0.78であり、及び/又は、
前記第2の半径(r1.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r1.2/ra)が、0.71~0.83であり、及び/又は、
前記第3の半径(r2.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r2.1/ra)が、0.79~0.94であり、及び/又は、
前記第4の半径(r2.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r2.2/ra)が、0.84~0.94であることを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項3】
前記第1の半径(r1.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r1.1/ra)が、0.68~0.75であり、及び/又は、
前記第2の半径(r1.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r1.2/ra)が、0.74~0.8であり、及び/又は、
前記第3の半径(r2.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r2.1/ra)が、0.82~0.92であり、及び/又は、
前記第4の半径(r2.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r2.2/ra)が、0.87~0.94であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のロータ(10)。
【請求項4】
各半径方向内側永久磁石群(26)の半径方向外向きに分岐する前記第2の長手方向中心軸(33、34)が、105°~145°の第1の角度γ1を囲み、
各半径方向外側永久磁石群(27)の半径方向外向きに分岐する前記第2の長手方向中心軸(35、36)が、125°~160°の第2の角度γ2を含み、
前記第1の角度γ1が、前記第2の角度γ2よりも小さいことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のロータ(10)。
【請求項5】
前記第1の角度γ1が、110°~140°であり、及び/又は、
前記第2の角度γ2が、130°~155°であることを特徴とする、請求項4に記載のロータ(10)。
【請求項6】
前記第1の角度γ1が、115°~135°であり、及び/又は、
前記第2の角度γ2が、135°~150°であることを特徴とする、請求項4又は5に記載のロータ(10)。
【請求項7】
前記ロータ(10)が、3つ又は4つの極対を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のロータ(10)。
【請求項8】
前記ロータ(10)の前記中心点及び第1の横方向ポケット状凹部(14)に収容された前記極(12)それぞれの前記半径方向内側永久磁石群(26)の永久磁石(21)の円周方向外側点を通って延在する直線(41)と、前記ロータ(10)の前記中心点及び第2の横方向ポケット状凹部(15)に収容された前記極(12)それぞれの前記半径方向内側永久磁石群(21)の永久磁石(21)の円周方向外側点を通って延在する直線(42)とが、前記極対の数によって分割された125°~155°である第3の角度τ1を含み、
前記ロータ(10)の前記中心点及び第1の横方向ポケット状凹部(17)に収容された前記極(12)それぞれの前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(24)の円周方向外側点を通って延在する直線(43)と、前記ロータ(10)の前記中心点及び第2の横方向ポケット状凹部(18)に収容された前記極(12)それぞれの前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(25)の円周方向外側点を通って延在する直線(44)とが、前記極対の数によって分割された70°~105°である第4の角度τ2を含み、
前記第3の角度τ1が、前記第4の角度τ2よりも大きいことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のロータ(10)。
【請求項9】
前記第3の角度τ1が、前記極対の数によって分割された130°~150°であり、及び/又は、
前記第4の角度τ2が、前記極対の数によって分割された75°~100°であることを特徴とする、請求項8に記載のロータ(10)。
【請求項10】
前記第3の角度τ1が、前記極対の数で分割された135°~145°であり、及び/又は、
前記第4の角度τ2が、前記極対の数で分割された80°~95°であることを特徴とする、請求項8又は9に記載のロータ(10)。
【請求項11】
前記ロータの前記外側半径(ra)が、50mm~80mmであることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のロータ(10)。
【請求項12】
前記ポケット状凹部(13、14、15、16、17、18)が、前記永久磁石(20、21、22、23、24、25)を受容し、空気で部分的に充填されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のロータ(10)。
【請求項13】
永久磁石群(26、27)の直に隣接するポケット状凹部(13、14、15、16、17、18)間の距離が、0.4mm~2.5mmであることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のロータ(10)。
【請求項14】
前記ロータ(10)の外壁からの前記横方向ポケット状凹部(14、15、17、18)の距離が、0.4mm~2.5mmであることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のロータ(10)。
【請求項15】
自動車、すなわちハイブリッド車両又は電気車両の駆動ユニットとして設計されている、請求項1~14のいずれか一項に記載のロータ(10)を有する電動機(11)。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項に記載のロータ(10)を備える、駆動ユニットとして機能する電動機(11)を有する自動車、すなわちハイブリッド車両又は電気車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久励起同期機として設計された電動機のロータに関する。更に、本発明は、電動機及び自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機の基本的な構造は、実際によく知られている。電動機は、ハウジング及びステータを有する。ステータは固定子とも称される。更に、電動機は、ロータを有する。ロータは回転子とも称される。ロータは、ハウジング内に回転可能に取り付けられる。
【0003】
独国特許出願公開第10 2018 219 244A1号明細書は、ポケット状凹部及びポケット状凹部内に位置付けられた磁石を備えるロータ基体を有する電動機のロータを開示している。ロータは、極対を形成する極(磁極)を有する。各極の領域では、その中に半径方内側磁石を配置して有する半径方向内側ポケット状凹部は、半径方向内側磁石群を形成しており、かつその中に半径方向外側磁石を配置して有する半径方向外側ポケット状凹部は、半径方向外側磁石群を形成しており、それぞれの内側及びそれぞれの外側磁石群の領域では、中央ポケット状凹部に収容された磁石の第1の長手方向中心軸が、ロータの半径方向に対して垂直に走り、それぞれの内側及びそれぞれの外側磁石群の領域では、横方向ポケット状凹部に収容された磁石の第2の長手方向中心軸が、ロータの半径方向に対して斜めに延在しており、それによって、横方向ポケット状凹部に対応して、中央ポケット状凹部の両側に収容されたそれぞれの磁石群の磁石の第2の長手方向中心軸が、半径方向外向きに分岐する。それぞれの磁石群の磁石は、相互にC字形状又はV字形状で配置されている。
【0004】
独国特許出願公開第10 2106 125 708A1号明細書、中国実用新案第204 205 765U号明細書、中国実用新案第206 149 045U号明細書、及び中国実用新案第203 251 159U号明細書は、電動機の更なるロータを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2018 219 244A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2106 125 708A1号明細書
【特許文献3】中国実用新案第204 205 765U号明細書
【特許文献4】中国実用新案第206 149 045U号明細書
【特許文献5】中国実用新案第203 251 159U号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、より軽量であり、設置スペースをほとんど必要とせず、高トルク密度及び高速安定性を有する、永久励起同期機として設計された電動機のロータを提供することである。
【0007】
更に、このようなロータを有する電動機、及びこのようなロータを備える電動機を有する自動車が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、特許請求項1に記載のロータ、特許請求項15に記載の電動機、及び特許請求項16に記載の自動車によって解決される。
【0009】
本発明によるロータでは、中央ポケット状凹部に収容される極の半径方向内側永久磁石群の永久磁石の中心点は、第1の半径を有する円形輪郭上にあり、第1の半径とロータの外側半径との比は、0.6~0.8である。
【0010】
本発明のロータでは、第1の横方向ポケット状凹部に収容された半径方向内側永久磁石群の永久磁石の中心点と、第2の横方向ポケット状凹部に収容された半径方向内側永久磁石群の永久磁石の中心点とはまた、第2の半径を有する円形輪郭上にあり、第2の半径とロータの外側半径との比は、0.65~0.9である。それぞれの第1及び第2の横方向ポケット状凹部は、円周方向で見ると、それぞれの中央ポケット状凹部の反対側に配設される。
【0011】
本発明によるロータでは、中央ポケット状凹部に収容された半径方向外側永久磁石群の永久磁石の中心点はまた、第3の半径を有する円形輪郭上にあり、第3の半径とロータの外側半径との比は、0.78~0.95である。
【0012】
本発明によるロータでは、第1の横方向ポケット状凹部に収容された半径方向外側永久磁石群の永久磁石の中心点と、第2の横方向ポケット状凹部に収容された半径方向外側永久磁石群の永久磁石の中心点とはまた、第4の半径を有する円形輪郭上にあり、第4の半径とロータの外側半径との比は、0.8~0.95である。それぞれの第1及び第2の横方向ポケット状凹部は、円周方向で見ると、それぞれの中央ポケット状凹部の反対側に配設される。
【0013】
本発明によるロータでは、第1の半径は第2の半径よりも小さく、第2の半径は第3の半径よりも小さく、第3の半径は第4の半径よりも小さい。
【0014】
本発明によるロータは、第1の半径、第2の半径、第3の半径、及び第4の半径が上述の設計パラメータを満たし、軽い重量を有し、設置スペースをほとんど必要とせず、高トルク密度及び高速安定性を有する。
【0015】
各半径方向内側永久磁石群の半径方向外向きに分岐する第2の長手方向中心軸は、105°~145°の第1の角度γ1を含み、各半径方向外側永久磁石群の半径方向外向きに分岐する第2の長手方向中心軸は、125°~160°の第2の角度γ2を含むことが好ましい。
【0016】
第1の角度γ1は、第2の角度γ2よりも小さい。第1及び第2の角度はまた、ロータの重量及びスペース要件を低減し、ロータのトルク密度及び速度安定性を増加させる役割を果たす。
【0017】
好ましくは、ロータの中心点及び第1の横方向ポケット状凹部に収容されたそれぞれの極の半径方向内側永久磁石群の永久磁石の円周方向外側点を通って延在する直線及びロータの中心点及び第2の横方向ポケット状凹部に収容されたそれぞれの極の半径方向内側永久磁石群の永久磁石の円周方向外側点を通って延在する直線は、125°~155°を極対の数によって分割した第3の角度γ1を含み、ロータの中心点及び第1の横方向ポケット状凹部に収容されたそれぞれの極の半径方向外側永久磁石群の永久磁石の円周方向外側点を通って延在する直線及びロータの中心点及び第2の横方向ポケット状凹部に収容されたそれぞれの極の半径方向外側永久磁石群の永久磁石の円周方向外側点を通って延在する直線は、70°~105°を極対の数によって分割した第4の角度γ2を含む。
【0018】
第3の角度τ1は、第4の角度τ2よりも大きい。第3の角度及び第4の角度はまた、ロータの設置スペースの要件及び重量を低減し、そのトルク密度及び速度安定性を増加させる役割を果たす。
【0019】
ロータの外側半径は、50mm~80mmであることが好ましい。次に、ロータの外側半径が50mm~80mmであり、したがってその直径が100mm~160mmである場合、特に有利には自動車の駆動ユニットとして一体化され得る電動機が提供され得る。
【0020】
ポケット状凹部は、永久磁石を受容し、空気で部分的に充填されることが好ましい。これにより、重量及び設置スペースを最小に保ちながら、トルク密度及び速度安定性を更に増加させることができる。
【0021】
それぞれの永久磁石群のすぐ隣接するポケット状凹部間の距離は、0.4mm~2.5mmであり、ロータの外壁からのそれぞれの永久磁石群の横方向ポケット状凹部の距離も、0.4mm~2.5mmであることが好ましい。これにより、それぞれのポケット状凹部間、及びポケット状凹部とロータの外壁との間に十分な材料の厚さが提供され、ロータの高回転速度が10,000rpm超又は更に15,000rpm超であっても、十分な回転速度強度を提供する。
【0022】
本発明の好ましい更なる展開は、従属請求項及び以下の説明に従う。
【0023】
以下を示す図面を参照することによって、本発明の実施形態例は、限定されることなく、詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】自動車の駆動ユニットとして機能する、永久励起同期機の形態の電動機のロータの概略断面図である。
図2】本発明による図1のロータの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、永久励起同期機として設計された電動機11のロータ10の断面を示す。
【0026】
電動機11は、自動車、すなわちハイブリッド車両又は電気車両の駆動ユニットとして設計されることが好ましい。
【0027】
図示されていない電動機11のステータは、ロータ10の半径方向外向きに隣接する。ロータ10及び図示されていないステータは、電動機11の図示されていないハウジング内に収容され、ロータ10は電動機11のハウジング内に回転可能に取り付けられる。
【0028】
図1は、ロータ10の極12の領域におけるロータ10の断面を示し、複数の極(磁極)12は、円周方向に見たときに互いに隣接して配置され、極対を形成する。
【0029】
2つの極は各極対を形成する。pは、ロータ10の極対の数に対応する。
【0030】
極12の円周方向範囲τpは、360°/2pである。
【0031】
すでに説明したように、ロータ10は複数の極12を有する。極12は、円周方向に互いに隣接して配置され、極対を形成する。この場合、極12は、ロータ基体19のポケット状凹部13、14、15、16、17、18に収容された永久磁石20、21、22、23、24、25によって形成され、ロータ基体19は、好ましくは、ロータシャフト(図示せず)上に配置される。
【0032】
各極12の領域では、その中に半径方向内側磁石20、21、22を配置して有する半径方向内側ポケット状凹部13、14、15は、半径方向内側永久磁石群26を形成しており、各極20の領域では、その中に半径方向外側永久磁石23、24、25を収容して有する半径方向外側ポケット状凹部16、17、18は、それぞれの半径方向外側永久磁石群27を形成する。
【0033】
ロータ10のそれぞれの極の半径方向内側永久磁石群26の領域では、中央ポケット状凹部13に収容された永久磁石20の第1の長手方向中心軸28は、ロータ10の半径方向に延在する分割線29に対して垂直に延びており、この分割線29は、それぞれの極12を円周方向に中央で分割する。外側永久磁石群27の領域でも、半径方向外側永久磁石群27の中央凹部16に収容された永久磁石23の第1の長手方向中心軸30は、この分割線29に対して垂直に延びており、中央ポケット状凹部13、16に位置付けされたそれぞれの極12の2つの永久磁石群26、27のこれら永久磁石20、23の中心点31、32は、半径方向に走り、円周方向に見て、それぞれの極12を中央で分割する分割線29上に位置する。
【0034】
中央ポケット状凹部13に収容された極12の半径方向内側永久磁石群26の永久磁石20の中心点31は、第1の半径r1.1を有する円形輪郭上にあり、第1の半径r1.1とロータの外側半径raとの比r1.1/raは、0.6~0.8である。
【0035】
中央ポケット状凹部16に収容された極12の半径方向外側永久磁石群27の永久磁石23の中心点32は、第3の半径r2.1を有する円形輪郭上にあり、第3の半径r2.1とロータ10の外側半径raとの比r2.1/raは、0.78~0.95である。
【0036】
それぞれの極12の半径方向内側永久磁石群26の領域では、円周方向に見て、中央ポケット状凹部13の両側に位置付けられた横方向ポケット状凹部14、15内に収容された永久磁石21、22の第2の長手方向中心軸33、34は、これらの第2の長手方向中心軸33、34が半径方向外向きに分岐するように、それぞれの極12の分割線29に対して斜めに延在する。
【0037】
これはまた、円周方向で見たときに、2つの横方向ポケット状凹部17、18内に配置されたそれぞれの極12の半径方向外側永久磁石群27の永久磁石24、25の第2の長手方向中心軸35、36にも当てはまる。これらの第2の長手方向中心軸35、36はまた、それぞれの極12の分割線29に対してある角度で、すなわち半径方向外向きに分岐するように延びている。
【0038】
円周方向で見ると、中央凹部13の異なる側面上に配置された横方向凹部14、15に収容された半径方向内側永久磁石群26の永久磁石21、22の中心点37、38は、第2の半径r1.2を有する円形輪郭上にあり、この第2の半径r1.2とロータ10の外側半径raとの比r1.2/raは、0.65~0.9である。
【0039】
円周方向で見ると、中央ポケット状凹部16の異なる側面上に配置された横方向ポケット状凹部17、18内に配置された極12の半径方向外側永久磁石群27の永久磁石24、25の中心点39、40は、第4の半径r2.2を有する円形輪郭上にあり、第4の半径r2.2とロータ10の外側半径raとの比r2.2/raは、0.8~0.95である。
【0040】
第1の半径r1.1は、第2の半径r1.2よりも小さい。第2の半径r1.2は、第3の半径r2.1よりも小さい。第3の半径r2.1は、第4の半径r2.2よりも小さい。
【0041】
半径r1.1、r1.2、r2.1、及びr2.2が上述の設計パラメータを満たす永久励起同期機のロータ10は、軽い重量、高トルク密度、及び高速安定性で特に省スペース様式で提供され得る。
【0042】
このようなロータ10は、ハイブリッド車両又は全電気車両などの自動車の駆動ユニットとして使用される永久励起同期機のロータとして特に好適である。
【0043】
好ましくは、以下の比は、ロータ10の外側半径raに対して、上述の4つの半径r1.1、r1.2、r2.1、及びr2.2に適用される。第1の半径r1.1とロータの外側半径raとの比r1.1/raは、0.65~0.78、特に0.68~0.75である。第2の半径r1.2とロータの外側半径raとの比r1.2/raは、0.71~0.83、特に0.74~0.8である。第3の半径r2.1とロータの外側半径raとの比r2.1/raは、0.79~0.94、特に0.82~0.92である。第4の半径r2.2とロータの外側半径raとの比r2.2/raは、0.84~0.94、特に0.87~0.94である。
【0044】
上述のように、各極12の領域では、半径方向内側永久磁石群26の半径方向外向きに分岐する第2の長手方向中心軸33、34は、第1の角度γ1を含み、外側永久磁石群27の第2の長手方向中心軸35、36は、第2の角度γ2を含む。第1の角度γ1は105°~145°であり、第2の角度γ2は125°~160°である。第1の角度γ1は、第2の角度γ2よりも小さい。
【0045】
繰り返しになるが、これらの設計パラメータは、軽い重量、低設置スペース要件、高トルク密度、及び高速安定性を有するロータ10を提供する役割を果たす。
【0046】
以下の角度範囲は、第1の角度γ1及び第2の角度γ2に適用されることが好ましい。第1の角度γ1は、110°~140°、特に115°~135°である。第2の角度γ2は、130°~155°、特に135°~150°である。
【0047】
以下の第3及び第4の角度が、ロータ10の中心点及び横方向ポケット状凹部14、16、17、18に収容された永久磁石21、22、24、25の円周方向外側点を通って延在する直線の設計パラメータとして設定される場合、本発明によるロータ10の重量を更に低減させることができ、その速度強度及びトルク密度を更に増加させることができる。
【0048】
図1図2はまた、ロータ10の中心点及び第1の横方向ポケット状凹部14内に収容された内側永久磁石群26の永久磁石21の円周方向外側点を通って延在する直線41と、ロータ10の中心点及び内側永久磁石群26の第2の横方向ポケット状凹部15に配置された永久磁石22の円周方向外側点を通って同じ様に延在する直線42とを示す。
【0049】
これらの2つの直線41、42は、125°~155°を極対の数pで分割した第3の角度τ1を囲む。この角度τ1は機械的角度であり、125°~155°の範囲については、対応する電気角度であり、機械的角度は、電気角度を極対の数で分割したものである。
【0050】
図1、2は、ロータ10の中心点及び第1の横方向ポケット状凹部17内に収容された半径方向外側永久磁石群27の永久磁石24の円周方向外側点を通って再度延在する直線43と、ロータ10の中心点及び、第2の横方向ポケット状凹部内に収容されている、示される極12の外側永久磁石群27の永久磁石25の円周方向外側点を通って延在する直線44とを更に示す。
【0051】
各極12の領域では、これらの直線は、70°~105°を極対の数で分割した第4の角度τ2を含む。したがって、角度τ2は、繰り返しになるが、機械的角度であり、これは、それぞれの電気角度を極対の数で分割した値から生じる。
【0052】
第3の角度及び第4の角度はまた、高トルク密度及び高速安定性を有する軽量の省スペースロータ10を提供する役割を果たす。
【0053】
特に好ましくは、以下の角度範囲は、第3の角度及び第4の角度に適用される。第3の角度τ1は、130°~150°を極対の数で分割したものであり、特に135°~145°を極対の数で分割したものである。第4の角度τ2は、75°~100°を極対の数で分割したものであり、80°~95°を極対の数で分割したものである。
【0054】
第3の角度τ1は、第4の角度τ2よりも大きい。
【0055】
すでに説明したように、ロータ10は、永久励起同期機のロータであり、ハイブリッド車両又は全電気車両における駆動ユニットとして使用されることが好ましい。このような電動機は、特に、一次軸に提供される牽引力を支持する、いわゆる二次軸の領域における全ホイール駆動車両で使用される。
【0056】
ロータ10の外径raは、50mm~80mmであることが好ましい。ロータ10の極対の数は、好ましくは3つ又は4つであり、したがって、ロータ10は、好ましくは6極又は8極を有する。
【0057】
極12の内側永久磁石群26の全ての永久磁石20、21、22は、同一の設計であり、すなわち同一の寸法を有することが好ましい。これは、可能な限り多くの共通部品を使用することが好ましい。
【0058】
同様に、極12の外側永久磁石群27の全ての永久磁石23、24、25は、同一の設計、すなわち同一の寸法を有することが特に提供される。これは、可能な限り多くの共通部品を使用することが好ましい。
【0059】
本発明によるロータ10は、低質量及び小さな設置スペース要件によって特徴付けられる。本発明によるロータ10は、高いトルク密度及び高速安定性を有する。更に、本発明によるロータ10は、低トルクリップル(低トルク変動量)を有する。高速安定性の結果として、本発明によるロータ10を有する電動機を高速で動作させることができる。低トルクリップルの結果として、本発明によるロータ10を備える電動機は、特に静音である。
【0060】
特に好ましいのは、半径r1.1、r1.2、r2.1、r2.2の外側半径raに対する比に対する全ての設計パラメータ、及び4つの角度γ1、γ2、τ1、及びτ2に対する全ての条件が組み合わせて満たされている、本発明によるロータ10の実施形態である。
【0061】
図1に示す本発明によるロータ10の好ましい実施形態では、ポケット状凹部13、14、15、16、17、18は、それぞれの永久磁石20、21、22、23、24、25を収容し、更に、円周方向に見たとき、それぞれの永久磁石20~25に横方向に隣接した空気で充填される。永久磁石20~25の各々は、いくつかの部分磁石から構成され得る。
【0062】
直接隣接するポケット状凹部13及び14、又は13及び15、又は16及び17、又は16及び18の間の距離は、特に0.4mm~2.5mmである。
【0063】
また、横方向ポケット状凹部14、15、17、18とロータ10の外壁との間の距離は、0.4mm~2.5mmである。
【0064】
隣接するポケット状凹部間、及び横方向ポケット状凹部とロータの外壁との間のこのような間隔は、特に、10,000回転超/分又は15,000回転超/分の高速でさえ、ロータ10に所望の速度安定性を提供する。
【0065】
特に、本発明によるロータ10を備える電動機が一体化されると、ロータ10の回転軸は、それぞれの電動機が関連付けられる車両駆動軸と同軸であることが提供される。
【符号の説明】
【0066】
10:ロータ
12:極(磁極)
13、14、15、16、17、18:ポケット状凹部
20、21、22、23、24、15:永久磁石
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久励起同期機として設計された電動機(11)のロータ(10)であって、
前記ロータ(10)が、ポケット状凹部(13、14、15、16、17、18)と前記ポケット状凹部に位置付けられた永久磁石(20、21、22、23、24、25)とを有するロータ基体(19)を備え、
前記ロータ(10)が、極(12)を有し、前記極(12)が、円周方向に見て、互いに交互に隣り合って配置されており、極対を形成し、
各極(12)の領域において、内部に半径方向内側永久磁石(20、21、22)が配置された状態で半径方向内側ポケット状凹部(13、14、15)が、半径方向内側永久磁石群(26)を形成し、内部に半径方向外側永久磁石(23、24、25)が配置された状態で半径方向外側ポケット状凹部(16、17、18)が、半径方向外側永久磁石群(27)を形成し、
前記半径方向内側永久磁石群(26)それぞれ及び前記半径方向外側永久磁石群(27)それぞれの前記領域において、それぞれの中央ポケット状凹部(13、16)に収容された永久磁石(20、23)の第1の長手方向中心軸(28、30)が、前記ロータ(10)の半径方向に延在しており、かつ前記極(12)それぞれを円周方向に中央で分割する分割線(29)に対して垂直に延在しており、
前記半径方向内側永久磁石群(26)それぞれ及び前記半径方向外側永久磁石群(27)それぞれの前記領域において、それぞれの横方向ポケット状凹部(14、15、17、18)に収容された永久磁石(21、22、24、25)の第2の長手方向中心軸(33、34、35、36)は、横方向ポケット状凹部(14、15、17、18)に対応して、それぞれの中央ポケット状凹部(13、16)の両側に収容された前記永久磁石群(26、27)それぞれの永久磁石(21、22、24、25)の前記第2の長手方向中心軸(33、34、35、36)が外向きに分岐するように、前記極(12)それぞれの前記分割線線(29)に対して延在しており、
前記中央ポケット状凹部(13)に収容された前記極(12)の前記半径方向内側永久磁石群(26)の永久磁石(20)の中心点(31)が、第1の半径(r1.1)を有する円形輪郭上にあり、前記第1の半径(r1.1)と前記ロータの外側半径(ra)との比(r1.1/ra)が、0.6~0.8であり、
第1の横方向ポケット状凹部(14)に収容された前記極(12)の前記半径方向内側永久磁石群(26)の永久磁石(21)の中心点(37)、及び第2の横方向ポケット状凹部(15)に収容された前記極(12)の前記半径方向内側永久磁石群(26)の永久磁石(22)の中心点(38)が、第2の半径(r1.2)を有する円形輪郭上にあり、前記第2の半径(r1.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との比(r1.2/ra)が、0.65~0.9であり、
前記中央ポケット状凹部(16)に収容された前記極(12)の前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(23)の中心点(32)が、第3の半径(r2.1)を有する円形輪郭上にあり、前記第3の半径(r2.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との比(r2.1/ra)が、0.78~0.95であり、
第1の横方向ポケット状凹部(17)に収容された前記極(12)の前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(24)の中心点(39)、及び第2の横方向ポケット状凹部(18)に収容された前記極(12)の前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(25)の中心点(40)が、第4の半径(r2.2)を有する円形輪郭上にあり、前記第4の半径(r2.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との比(r2.2/ra)が、0.8~0.95であり、
前記第1の半径(r1.1)が、前記第2の半径(r1.2)よりも小さく、
前記第2の半径(r1.2)が、前記第3の半径(r2.1)よりも小さく、
前記第3の半径(r2.1)が、前記第4の半径(r2.2)よりも小さいことを特徴とする、ロータ(10)。
【請求項2】
前記第1の半径(r1.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r1.1/ra)が、0.65~0.78であり、及び/又は、
前記第2の半径(r1.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r1.2/ra)が、0.71~0.83であり、及び/又は、
前記第3の半径(r2.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r2.1/ra)が、0.79~0.94であり、及び/又は、
前記第4の半径(r2.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r2.2/ra)が、0.84~0.94であることを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項3】
前記第1の半径(r1.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r1.1/ra)が、0.68~0.75であり、及び/又は、
前記第2の半径(r1.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r1.2/ra)が、0.74~0.8であり、及び/又は、
前記第3の半径(r2.1)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r2.1/ra)が、0.82~0.92であり、及び/又は、
前記第4の半径(r2.2)と前記ロータの前記外側半径(ra)との前記比(r2.2/ra)が、0.87~0.94であることを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項4】
各半径方向内側永久磁石群(26)の半径方向外向きに分岐する前記第2の長手方向中心軸(33、34)が、105°~145°の第1の角度γ1を囲み、
各半径方向外側永久磁石群(27)の半径方向外向きに分岐する前記第2の長手方向中心軸(35、36)が、125°~160°の第2の角度γ2を含み、
前記第1の角度γ1が、前記第2の角度γ2よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項5】
前記第1の角度γ1が、110°~140°であり、及び/又は、
前記第2の角度γ2が、130°~155°であることを特徴とする、請求項4に記載のロータ(10)。
【請求項6】
前記第1の角度γ1が、115°~135°であり、及び/又は、
前記第2の角度γ2が、135°~150°であることを特徴とする、請求項4に記載のロータ(10)。
【請求項7】
前記ロータ(10)が、3つ又は4つの極対を有することを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項8】
前記ロータ(10)の前記中心点及び第1の横方向ポケット状凹部(14)に収容された前記極(12)それぞれの前記半径方向内側永久磁石群(26)の永久磁石(21)の円周方向外側点を通って延在する直線(41)と、前記ロータ(10)の前記中心点及び第2の横方向ポケット状凹部(15)に収容された前記極(12)それぞれの前記半径方向内側永久磁石群(26)の永久磁石(21)の円周方向外側点を通って延在する直線(42)とが、前記極対の数によって分割された125°~155°である第3の角度τ1を含み、
前記ロータ(10)の前記中心点及び第1の横方向ポケット状凹部(17)に収容された前記極(12)それぞれの前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(24)の円周方向外側点を通って延在する直線(43)と、前記ロータ(10)の前記中心点及び第2の横方向ポケット状凹部(18)に収容された前記極(12)それぞれの前記半径方向外側永久磁石群(27)の永久磁石(25)の円周方向外側点を通って延在する直線(44)とが、前記極対の数によって分割された70°~105°である第4の角度τ2を含み、
前記第3の角度τ1が、前記第4の角度τ2よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項9】
前記第3の角度τ1が、前記極対の数によって分割された130°~150°であり、及び/又は、
前記第4の角度τ2が、前記極対の数によって分割された75°~100°であることを特徴とする、請求項8に記載のロータ(10)。
【請求項10】
前記第3の角度τ1が、前記極対の数で分割された135°~145°であり、及び/又は、
前記第4の角度τ2が、前記極対の数で分割された80°~95°であることを特徴とする、請求項8に記載のロータ(10)。
【請求項11】
前記ロータの前記外側半径(ra)が、50mm~80mmであることを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項12】
前記ポケット状凹部(13、14、15、16、17、18)が、前記永久磁石(20、21、22、23、24、25)を受容し、空気で部分的に充填されることを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項13】
永久磁石群(26、27)の直に隣接するポケット状凹部(13、14、15、16、17、18)間の距離が、0.4mm~2.5mmであることを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項14】
前記ロータ(10)の外壁からの前記横方向ポケット状凹部(14、15、17、18)の距離が、0.4mm~2.5mmであることを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。
【請求項15】
自動車、すなわちハイブリッド車両又は電気車両の駆動ユニットとして設計されている、請求項1~14のいずれか一項に記載のロータ(10)を有する電動機(11)。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項に記載のロータ(10)を備える、駆動ユニットとして機能する電動機(11)を有する自動車、すなわちハイブリッド車両又は電気車両。
【外国語明細書】