(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100702
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】二次電池保護集積回路、バッテリ装置、システム及びシステムのバッテリ装置認証方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H02J7/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213192
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】P 2023003629
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 剛史
(72)【発明者】
【氏名】竹下 順司
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503GA12
5G503GA20
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
(57)【要約】
【課題】バッテリ装置の認証に使用する認証コードの解読が困難な認証手法を低コストで実現する。
【解決手段】二次電池保護集積回路は、二次電池の充放電経路に設けられるトランジスタの動作を制御することで、二次電池を保護する二次電池保護集積回路であって、温度に依存して抵抗値が変化するサーミスタに接続される温度検出端子と、温度検出端子を介してサーミスタと直列に接続され、温度検出端子と反対側の端が第1ノードに接続される第1抵抗と、第1ノードを第1制御電圧に設定することで、温度に依存する第1電圧を温度検出端子に生成し、認証要求の受信に基づいて第1ノードを第1制御電圧と異なる第2制御電圧に設定することで、第1電圧と異なる、温度に依存する第2電圧を、認証要求に対する応答として温度検出端子に生成する制御回路と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の充放電経路に設けられるトランジスタの動作を制御することで、前記二次電池を保護する二次電池保護集積回路であって、
温度に依存して抵抗値が変化するサーミスタに接続される温度検出端子と、
前記温度検出端子を介して前記サーミスタと直列に接続され、前記温度検出端子と反対側の端が第1ノードに接続される第1抵抗と、
前記第1ノードを第1制御電圧に設定することで、温度に依存する第1電圧を前記温度検出端子に生成し、認証要求の受信に基づいて前記第1ノードを前記第1制御電圧と異なる第2制御電圧に設定することで、前記第1電圧と異なる、温度に依存する第2電圧を、前記認証要求に対する応答として前記温度検出端子に生成する制御回路と、を有する二次電池保護集積回路。
【請求項2】
制御信号を受信する制御端子を有し、
前記制御回路は、
前記制御信号が第1電圧レベルから第2電圧レベルに変化したときに前記認証要求を検出し、
前記応答として、前記認証要求の検出から第1時間が経過したとき、前記第1ノードを前記第2制御電圧に設定し、さらに第2時間が経過したときに前記第1ノードを前記第1制御電圧に戻す、請求項1に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項3】
前記制御回路は、前記制御端子が前記第2電圧レベルに変化してから制御開始遅延時間が経過した場合、予め設定された動作を実施し、
前記第1時間及び前記第2時間の和は、前記制御開始遅延時間より短い、請求項2に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記温度検出端子の電圧が前記第1電圧から閾値電圧を跨いて変化したときに前記認証要求を検出し、
前記応答として、前記認証要求の検出から第1時間が経過したとき、前記第1ノードを前記第2制御電圧に設定し、さらに第2時間が経過したときに前記第1ノードを前記第1制御電圧に設定する、請求項1に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項5】
前記制御回路は、前記温度検出端子の電圧が、温度検出遅延時間以上の間、許容される電圧の範囲を超えた場合、前記トランジスタを制御して前記充放電経路を遮断し、
前記第1時間及び前記第2時間の和は、前記温度検出遅延時間より短い、請求項4に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項6】
前記充放電経路に流れる前記二次電池の充電電流の大きさを判定する電流判定回路を有し、
前記制御回路は、前記電流判定回路が判定した前記充電電流の大きさに応じて前記第1時間、前記第2時間及び前記第2制御電圧を設定する、請求項2に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項7】
前記制御回路は、
最初の前記認証要求を検出した場合、前記第1時間、前記第2時間及び前記第2制御電圧を初期値に設定し、
2番目の前記認証要求を検出した場合、前記充電電流の大きさに応じて前記第1時間、前記第2時間及び前記第2制御電圧を設定する、請求項6に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項8】
前記充電電流の大きさに応じて変化する電圧を受ける電流検出端子を有し、
前記電流判定回路は、
前記電流検出端子で受ける電圧に応じて基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、前記基準電圧を複数の抵抗で分圧して複数の判定電圧を生成する分圧回路と、を含む判定電圧生成回路と、
前記複数の判定電圧を電圧が固定の固定電圧とそれぞれ比較する複数の比較器を含み、前記複数の比較器から前記充電電流の大きさを示す複数の比較結果信号を出力する電圧比較回路と、を有し、
前記制御回路は、2番目の前記認証要求を検出した場合、前記複数の比較結果信号の論理値が示す前記充電電流の大きさに応じて前記第1時間、前記第2時間及び前記第2制御電圧を設定する、請求項7に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項9】
前記充放電経路に流れる前記二次電池の充電電流の大きさを判定する電流判定回路を有し、
前記制御回路は、前記電流判定回路が判定した前記充電電流の大きさに応じて前記第1時間、前記第2時間及び前記第2制御電圧を設定する、請求項4に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項10】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二次電池保護集積回路と、前記二次電池と、前記トランジスタと、前記サーミスタと、を有するバッテリ装置。
【請求項11】
請求項10に記載のバッテリ装置と、
前記バッテリ装置に接続され、前記二次電池からの電力を受けて動作する負荷と、前記バッテリ装置が正規品であるか否かを検出する認証制御部と、を有する電子機器と、を有し、
前記認証制御部は、前記認証要求を前記バッテリ装置に出力し、前記認証要求に応答して、前記温度検出端子が前記第1電圧から前記第2電圧に変化することを検出した場合、前記バッテリ装置が正規品であることを検出する、システム。
【請求項12】
前記認証制御部は、さらに、前記第1電圧と前記第2電圧との差が、温度に依存する期待値と一致する場合、前記バッテリ装置が正規品であることを検出する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記認証制御部は、さらに、前記第1電圧と前記第2電圧との比が、期待値と一致する場合、前記バッテリ装置が正規品であることを検出する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の二次電池保護集積回路と、前記二次電池と、前記トランジスタと、前記サーミスタと、を有するバッテリ装置。
【請求項15】
請求項14に記載のバッテリ装置と、
前記バッテリ装置に接続され、前記二次電池からの電力を受けて動作する負荷と、前記バッテリ装置が正規品であるか否かを検出する認証制御部と、を有する電子機器と、を有し、
前記認証制御部は、
最初の前記認証要求を前記バッテリ装置に出力し、最初の前記認証要求に応答して、前記第1時間、前記第2時間及び前記第2電圧と前記第1電圧との電圧差のそれぞれが前記最初の認証要求用の期待値と一致することを検出した場合、前記充放電経路を介して大きさが異なる複数の充電電流のいずれかである認証用充電電流を前記二次電池に供給し、2番目の前記認証要求を前記バッテリ装置に出力し、
2番目の前記認証要求に応答して、前記第1時間、前記第2時間及び前記第2電圧と前記第1電圧との電圧差のそれぞれが前記認証用充電電流に対応する期待値と一致することを検出した場合、前記バッテリ装置が正規品であることを検出する、システム。
【請求項16】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二次電池保護集積回路と、前記二次電池と、前記トランジスタと、前記サーミスタと、を有するバッテリ装置と、
前記バッテリ装置に接続され、前記二次電池からの電力を受けて動作する負荷と、前記バッテリ装置が正規品であるか否かを検出する認証制御部と、を有する電子機器と、を有するシステムのバッテリ装置認証方法であって、
前記認証制御部が、
前記認証要求を前記バッテリ装置に出力し、
前記認証要求に応答して、前記温度検出端子が前記第1電圧から前記第2電圧に変化することを検出した場合、前記バッテリ装置が正規品であることを検出する、システムのバッテリ装置認証方法。
【請求項17】
請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の二次電池保護集積回路と、前記二次電池と、前記トランジスタと、前記サーミスタと、を有するバッテリ装置と、
前記バッテリ装置に接続され、前記二次電池からの電力を受けて動作する負荷と、前記バッテリ装置が正規品であるか否かを検出する認証制御部と、を有する電子機器と、を有するシステムのバッテリ装置認証方法であって、
前記認証制御部が、
最初の前記認証要求を前記バッテリ装置に出力し、
最初の前記認証要求に応答して、前記第1時間、前記第2時間及び前記第2電圧と前記第1電圧との電圧差のそれぞれが前記最初の認証要求用の期待値と一致することを検出した場合、前記充放電経路を介して大きさが異なる複数の充電電流のいずれかである認証用充電電流を前記二次電池に供給し、
2番目の前記認証要求を前記バッテリ装置に出力し、
2番目の前記認証要求に応答して、前記第1時間、前記第2時間及び前記電圧差のそれぞれが前記認証用充電電流に対応する期待値と一致することを検出した場合、前記バッテリ装置が正規品であることを検出する、システムのバッテリ装置認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池保護集積回路、バッテリ装置、システム及びシステムのバッテリ装置認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スマートフォン、ゲーム機等の携帯型の電子機器は、電子機器に搭載される電池パック等のバッテリ装置からの電力を受けて動作する。この種の電子機器では、正規のバッテリ装置とともに正規でないバッテリ装置が流通する場合がある。正規でないバッテリ装置は、安価であるが安全性及び信頼性が正規品に比べて低いため、電子機器に搭載されて使用されることを避ける必要がある。例えば、電子機器にバッテリ装置が接続されたときに、バッテリ装置に搭載された認証回路を使用して電子機器とバッテリ装置との間で認証処理を実施することで、正規品以外のバッテリ装置の使用を制限する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ハッカー装置など処理能力の高い装置が認証コードの解読に使用されるようになってきており、認証コードが解読されるのを避けるため、より高度な認証方式が使用されるようになってきている。しかしながら、高度な認証方式を使用する場合、電子機器及び電池パックに搭載する認証回路の回路規模が大きくなり、コストが上昇してしまう。また、専用の認証端子を設けて認証を実施する場合、例えば、バッテリ装置及び電子機器の基板を作り直さなくてはならず、コストがさらに上昇してしまう。
【0005】
開示の技術は、バッテリ装置の認証に使用する認証コードの解読が困難な認証手法を低コストで実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の二次電池保護集積回路は、二次電池の充放電経路に設けられるトランジスタの動作を制御することで、前記二次電池を保護する二次電池保護集積回路であって、温度に依存して抵抗値が変化するサーミスタに接続される温度検出端子と、前記温度検出端子を介して前記サーミスタと直列に接続され、前記温度検出端子と反対側の端が第1ノードに接続される第1抵抗と、前記第1ノードを第1制御電圧に設定することで、温度に依存する第1電圧を前記温度検出端子に生成し、認証要求の受信に基づいて前記第1ノードを前記第1制御電圧と異なる第2制御電圧に設定することで、前記第1電圧と異なる、温度に依存する第2電圧を、前記認証要求に対する応答として前記温度検出端子に生成する制御回路と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
バッテリ装置の認証に使用する認証コードの解読が困難な認証手法を低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態における二次電池保護集積回路を含むシステムの一例を示す回路ブロック図である。
【
図2】
図1のシステムによるバッテリ装置の認証動作の一例を示すタイミング図である。
【
図3】
図2の認証動作において、PMIC(Power Management IC)が取得する電圧V1、V2に対応するデジタル値の期待値の例を示す特性図である。
【
図4】
図1のシステムによるバッテリ装置の認証動作の一例を示すフロー図である。
【
図5】第2の実施形態における二次電池保護集積回路を含むシステムにおける認証動作を説明する特性図である。
【
図6】第2の実施形態のシステムによるバッテリ装置の認証動作の一例を示すフロー図である。
【
図7】第3の実施形態における二次電池保護集積回路を含むシステムの一例を示す回路ブロック図である。
【
図8】
図7のシステムによるバッテリ装置の認証動作の一例を示すタイミング図である。
【
図9】
図7のシステムによるバッテリ装置の認証動作の一例を示すフロー図である。
【
図10】第4の実施形態における二次電池保護集積回路を含むシステムの一例を示す回路ブロック図である。
【
図11】
図10の電流判定回路及び制御回路の一例を示す回路ブロック図である。
【
図12】
図10のバッテリ装置の認証動作時に使用される充電電流と設定されるパラメータの例を示す説明図である。
【
図13】
図11の電流判定回路の動作の一例を示す説明図である。
【
図14】
図10のシステムによるバッテリ装置の認証動作の一例を示すフロー図である。
【
図16】充電中の任意のタイミングで認証動作を実施する一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施の形態の説明を行う。以下では、信号が伝達される信号線、端子及びノードには、信号名と同じ符号が使用される場合がある。電圧が伝達される電圧線、端子、ノード及び電圧値には、電圧名と同じ符号が使用される場合がある。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における二次電池保護集積回路を含むシステムの一例を示す回路ブロック図である。
図1に示すシステム100は、バッテリ装置200及び電子機器300を有する。例えば、電子機器300は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、イヤホンなどのポータブル機器である。なお、電子機器300は、バッテリ装置200が接続される機器であれば、ポータブル機器に限定されない。
【0011】
バッテリ装置200は、例えば、電子機器300内に着脱自在に収納される電池パックであり、電子機器300に接続された状態で電子機器300に電力を供給可能である。バッテリ装置200と電子機器300とは、
図1に丸印で示す正側の電源端子P+、負側の電源端子P-、制御端子CNT及び温度検出端子THを介して相互に接続される。例えば、電源端子P+、P-は、二次電池210を充電するときに、電子機器300の図示しないUSB(Universal Serial Bus)ポート等を介して充電器又は電源アダプタ等に接続される。
【0012】
バッテリ装置200は、二次電池210、保護IC(Integrated Circuit)220、トランジスタTR1、TR2、抵抗R21、R22、R23、コンデンサC21、C22及びサーミスタTHMを有する。保護IC220は、二次電池210を保護する二次電池保護集積回路の一例である。
【0013】
二次電池210は、充電が可能なリチウムイオン電池又はリチウムポリマ電池などである。二次電池210の正極(+)は、正側の電流経路(充放電経路)である電源線201を介して電源端子P+に接続される。二次電池210の負極(-)は、直列に接続された抵抗R22及びトランジスタTR2、TR1を介して負側の電流経路(充放電経路)である接地線202に接続される。接地線202は、電源端子P-に接続される。
【0014】
保護IC220は、スイッチSW及びタイマTMを含む制御回路221と、抵抗R1を含む温度検出回路222とを有する。抵抗R1は、第1抵抗の一例である。スイッチSWは、制御回路221による制御に基づいて、電圧線VAを電圧線VA1又は電圧線VA2に接続し、あるいは、電圧線VAをオープン状態に設定する。タイマTMは、例えば、後述する時間t1、t2を計測する。スイッチSWにおいて電圧線VAに接続される端子ノードは第1ノードの一例である。
【0015】
保護IC220は、電源端子VDD、接地端子VSS、電流検出端子CS、放電制御端子DOUT、充電制御端子COUT、監視端子VM、温度検出端子TH2及び制御端子CNT2を有する。保護IC220の電源端子VDDは、抵抗R21を介して電源線201に接続され、コンデンサC21を介して接地線VSSに接続される。保護IC220の接地端子VSSは、接地線VSSに接続される。保護IC220は、二次電池210からの電源電圧VDD又は電子機器300に接続された充電器等からの電源電圧VDDを電源端子VDDで受けることで動作する。
【0016】
電流検出端子CSは、抵抗R22とトランジスタTR2のソースとを接続する接続ノードND1に接続される。また、電流検出端子CSは、コンデンサC22を介して接地端子VSSに接続される。例えば、保護IC220は、電流検出端子CSを介して抵抗R22を流れる電流を検出することで、二次電池210に流れる充電過電流又は放電過電流を検出することができる。抵抗R22は、二次電池210に流れる電流を検出するセンス抵抗として機能する。
【0017】
監視端子VMは、抵抗R23を介して電源端子P-に接続される。例えば、保護IC220は、監視端子VMで受ける電源端子P-の電圧を監視することで、バッテリ装置200が電子機器300に接続されたことを検出することができる。
【0018】
温度検出端子TH2は、抵抗R1とサーミスタTHMとの間に設けられる。抵抗R1及びサーミスタTHMは、電圧線VAと接地線202との間に直列に接続される。抵抗R1一端は、温度検出端子TH2に接続され、抵抗R1の温度検出端子THと反対側の他端は、電圧線VAに接続される。制御端子CNT2は、制御端子CNTを介して電子機器300に接続される。
【0019】
制御回路221は、バッテリ装置200が正規品か否かを判定するための認証要求REQを制御端子CNT、CNT2を介して電子機器300から受ける。制御回路221は、認証要求REQを受信した場合、タイマTMにより時間t1を計測し、時間t1の計測後にスイッチSWを制御して、電圧線VAと電圧線VA1との接続を解除し、電圧線VAを電圧線VA2に接続する。制御回路221は、電圧線VAを電圧線VA2に接続した後、タイマTMにより時間t2を計測し、時間t2の計測後に電圧線VAと電圧線VA2との接続を解除し、電圧線VAを電圧線VA1に接続する。時間t1は、第1時間の一例であり、時間t2は、第2時間の一例である。
【0020】
電圧線VAの電圧VAは、抵抗R1及びサーミスタTHMにより分圧され、温度検出端子THには、温度に依存する電圧THが生成される。電圧線VAが電圧線VA1に接続されている間、温度検出端子TH2、THは、電圧VA1を抵抗R1及びサーミスタTHMにより分圧した電圧V1(
図2で説明)に設定される。電圧VA1は、第1制御電圧の一例である。電圧V1は、温度に依存する第1電圧の一例である。
【0021】
制御回路221は、電圧線VAを電圧線VA1に接続している間、温度検出端子TH2の電圧TH2に基づいて、バッテリ装置200の温度を検出することができる。同様に、電子機器300のPMIC310は、電圧線VAが電圧線VA1に接続されている間、温度検出端子THの電圧THに基づいて、バッテリ装置200及び電子機器300の温度を検出することができる。
【0022】
電圧線VAが電圧線VA2に接続されている間、温度検出端子TH2、THは、電圧VA2を抵抗R1及びサーミスタTHMにより分圧した電圧V2(
図2で説明)に設定される。電圧VA2は、第2制御電圧の一例である。電圧V2は、温度に依存する第2電圧の一例である。電圧V2は、電圧V2の出力タイミングを含めて、認証要求REQに対応する応答RPLYとしてPMIC310に出力される。以下では、認証要求REQが出力されてから応答RPLYが出力されている期間は、認証期間とも称される。
【0023】
トランジスタTR1、TR2は、例えば、Nチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、スイッチとして機能する。トランジスタTR1は、アノードがトランジスタTR1のソースに接続され、カソードがトランジスタTR1のドレインに接続された寄生ダイオードD1を有する。トランジスタTR2は、アノードがトランジスタTR2のソースに接続され、カソードがトランジスタTR2のドレインに接続された寄生ダイオードD2を有する。
【0024】
充電制御端子COUTは、トランジスタTR1のゲートに接続される。保護IC220は、トランジスタTR1のオン/オフを制御する充電制御信号COUTをトランジスタTR1のゲートに出力する。トランジスタTR1は、ハイレベルの充電制御信号COUTを受けている間にオンし、ロウレベルの充電制御信号COUTを受けている間にオフする。トランジスタTR1がオフしている期間、寄生ダイオードD1により電源端子P-側から二次電池210の負極側に向かう放電経路がトランジスタTR1内に形成される。トランジスタTR1は、二次電池210への充電を制御する充電制御トランジスタとして機能する。
【0025】
放電制御端子DOUTは、トランジスタTR2のゲートに接続される。保護IC220は、トランジスタTR2のオン/オフを制御する放電制御信号DOUTをトランジスタTR2のゲートに出力する。トランジスタTR2は、ハイレベルの放電制御信号DOUTを受けている間にオンし、ロウレベルの放電制御信号DOUTを受けている間にオフする。トランジスタTR2がオフしている期間、寄生ダイオードD2により二次電池210の負極(-)側から電源端子P-側に向かう充電経路がトランジスタTR2内に形成される。トランジスタTR2は、二次電池210からの放電を制御する放電制御トランジスタとして機能する。
【0026】
例えば、制御回路221は、二次電池210に蓄積された電力を電子機器300で使用する通常モード中、又は、二次電池210を充電する充電モード中、トランジスタTR1、TR2をオンする。例えば、制御回路221は、二次電池210に蓄積された電力を電子機器300で使用しないスタンバイモード中、トランジスタTR2をオフする。なお、制御回路221は、充電モード中、トランジスタTR1をオンし、トランジスタTR2をオフしてもよい。
【0027】
制御回路221は、温度検出端子TH2の電圧値により示される温度が、所定時間以上正常な温度範囲を超えるとき(高温異常時又は低温異常時)、トランジスタTR1、TR2の一方又は両方を遮断することでバッテリ装置200を保護する。
【0028】
制御回路221は、電源端子VDDに供給される電源電圧VDDを監視し、電源電圧VDDが過充電検出電圧よりも高いことを検出した場合、トランジスタTR1をオフすることで、二次電池210を過充電等の充電異常から保護する。また、制御回路221は、電源電圧VDDが過放電検出電圧よりも低いことを検出した場合、トランジスタTR2をオフすることで、二次電池210を過放電等の放電異常から保護する。
【0029】
電子機器300は、ADC(Analog-to-Digital Converter)311、ドライバ312、バッファBUF及び汎用入出力端子GPIO1、GPIO2を含むPMIC310と、電子機器300の機能を実現する機能部320とを有する。また、電子機器300は、トランジスタTR3と、端子VBUS、D+、D-、GNDが設けられたUSBポートとを有する。機能部320は、二次電池からの電力を受けて動作する負荷の一例である。トランジスタTR3は、Nチャネル型のMOSFETであり、ソース・ドレインの一方が電源線301に接続され、ソース・ドレインの他方がUSBポートの端子VBUSに接続される。USBポートの端子GNDは、接地線302に接続される。
【0030】
PMIC310は、電源端子P+に接続された電源線301及び電源端子P-に接続された接地線302に接続される。PMIC310及び機能部320は、電源線301を介して二次電池210から供給される電源電圧VDD、又は、端子VBUSおよびトランジスタTR3を介して充電器等から供給される電源電圧VDDを受けて動作する。
【0031】
例えば、PMIC310は、USBポートに接続された充電器等により二次電池210を充電する場合、ドライバ312からトランジスタTR3のゲートにハイレベルを出力し、トランジスタTR3をオンする。PMIC310は、二次電池210を充電しない場合、ドライバ312からトランジスタTR3のゲートにロウレベルを出力し、トランジスタTR3をオフする。ドライバ312によりトランジスタTR3のオン抵抗を調整することにより、二次電池210に供給する充電電流量を調整することができ、二次電池210を急速充電、通常充電又は予備充電することができる。
【0032】
PMIC310は、バッテリ装置200の温度をモニタする場合、GPIO1端子をロウレベルに設定する。例えば、バッテリ装置200の温度のモニタは、通常モード中、充電モード中又はスタンバイモード中に実施される。GPIO1端子から出力されるレベルは、制御端子CNTを介して保護IC220の制御端子CNT2に供給される。
【0033】
PMIC310は、電子機器300に接続されたバッテリ装置200が正規品か否かを判定する認証期間に、GPIO1端子をロウレベルからハイレベルに設定する。バッテリ装置200は、GPIO1端子のロウレベルからハイレベルへの変化を認証要求REQとして検出する。PMIC310は、バッテリ装置200が正規品であるか否かを検出する認証制御部の一例である。
【0034】
バッファBUFは、保護IC220の制御端子CNT2のインタフェース仕様に応じた制御電圧を汎用入出力端子GPIO1に出力する。例えば、バッファBUFは、入力でハイレベルを受けたとき、汎用入出力端子GPIO1にハイレベルを出力し、入力でロウレベルを受けたとき、汎用入出力端子GPIO1にロウレベルを出力する。なお、バッファBUFは、イネーブル端子ENAで有効レベルを受けている間にハイレベルまたはロウレベルを出力し、イネーブル端子ENAで無効レベルを受けている間、出力を停止し、出力端子をハイインピーダンス状態に設定してもよい。
【0035】
ADC311は、電源電圧VADCを使用して、汎用入出力端子GPIO2で受ける温度検出端子THの電圧をデジタル値に変換する。PMIC310は、GPIO1端子をロウレベルに設定している期間に、温度検出端子THの電圧値に対応してADC311が出力するデジタル値に基づいて、バッテリ装置200及び電子機器300の温度を検出する。PMIC310は、認証期間に、温度検出端子THの電圧値に対応してADC311が出力するデジタル値と、温度検出端子THの電圧値の変化タイミングとに基づいて、バッテリ装置200が正規品か否かの判定を実施する。
【0036】
図2は、
図1のシステム100によるバッテリ装置200の認証動作の一例を示すタイミング図である。
図2に示す認証動作は、バッテリ装置200が電子機器300に接続されたときに実施され、又は、バッテリ装置200が電子機器300に接続されている間の任意のタイミングで実施される。なお、
図2に示す認証動作は、充電器又は電源アダプタ等が電子機器300のUSBポートに接続されたことに基づいて開始されてもよい。
【0037】
まず、PMIC310は、汎用入出力端子GPIO1(制御端子CNT)からロウレベルを出力する(
図2(a))。汎用入出力端子GPIO1からロウレベルが出力されている間、保護IC220は、電圧線VAに電圧VA1を供給する(
図2(b))。電圧VA1は、抵抗R1とサーミスタTHMとにより分圧され、温度検出端子THは、温度に依存する電圧V1に設定される。バッテリ装置200が正規品でない場合、電圧V1が温度に依存する期待値を示すか否かは不明である。
【0038】
PMIC310は、温度検出端子THの電圧V1を取得し、取得した電圧V1と、電圧V1が示す温度とをADC311によりデジタル値に変換して保持する(
図2(c))。次に、PMIC310は、汎用入出力端子GPIO1(制御端子CNT)をロウレベルからハイレベルに設定することで、保護IC220に認証要求REQを出力する(
図2(d))。制御端子CNTのロウレベルは、第1電圧レベルの一例であり、制御端子CNTのハイレベルは、第2電圧レベルの一例である。
【0039】
保護IC220は、制御端子CNTのロウレベルからハイレベルへの変化に基づいて認証要求REQを検出する。保護IC220は、認証要求REQを受信してから時間t1後にスイッチSWを切り替え、時間t2の間、電圧線VAに電圧VA2を供給する(
図2(e))。また、保護IC220は、時間t2後にスイッチSWを切り替え、電圧線VAに電圧VA1を供給する(
図2(f))。これにより、温度検出端子THは、時間t2の間、電圧VA2に応じた、温度に依存する電圧V2に設定され、その後、温度に依存する電圧V1に戻る(
図2(g))。時間t1、t2は、アナログの認証コードとして使用され、電圧V1、V2は、温度に依存して変化するアナログの認証コードとして使用される。
【0040】
PMIC310は、認証要求REQを出力してから時間t1+t2の期間である応答RPLYの期間に認証を実施する(
図2(h))。PMIC310は、認証要求REQを出力してから時間t1後に取得する電圧V2をADC311によりデジタル値に変換する。PMIC310は、電圧V1、V2の電圧差V2-V1に対応するデジタル値である認証コードが、電圧V1により示される温度での電圧差V2-V1の期待値と一致するか否かを判定する。
【0041】
例えば、PMIC310は、時間t2の間、電圧差V2-V1のデジタル値が期待値と一致し続けるか否かを判定してもよい。そして、PMIC310は、時間t1、t2がそれぞれ期待値と一致し、かつ、温度に依存する電圧差V2-V1のデジタル値が期待値と一致する場合、認証が成功したと判定する。なお、正規品でないバッテリ装置200が電子機器300に接続され、電圧V1が示す温度が実際の温度を示さない場合、電圧差V2-V1の期待値は、実際の温度での期待値と一致しない。このため、PMIC310は、不一致(認証の失敗)を判定する。
【0042】
この実施形態では、時間t1、t2と電圧V1、V2とが認証コードとして保護IC220からPMIC310に出力される。換言すれば、保護IC220からPMIC310に出力される認証コードは、デジタル値でなく、温度に依存するアナログ値を含む。これにより、デジタル値による認証コードに比べて、解読が困難な秘匿性の高い認証コードを生成することができる。
【0043】
PMIC310は、電圧差V2-V1を期待値と比較することで、電圧V1、V2のそれぞれを期待値と比較しなくてよいため、認証動作を簡易にすることができる。なお、PMIC310は、電圧V1、V2のそれぞれを期待値と比較してもよく、その場合、比較する電圧の数が多くなるため、電圧差V2-V1で判定する場合に比べて認証の精度を向上することができる。
【0044】
PMIC310は、認証の失敗を判定した場合、バッテリ装置200が模造品であると判定し、認証動作を終了する。
図2に示す一点鎖線は、温度検出端子THが時間t2の間に電圧差V2-V1の期待値と異なる電圧V1に維持されたことをPMIC310により検出され、認証の失敗が判定される例を示す(
図2(i))。例えば、バッテリ装置200の模造品が、直列に接続された抵抗R1とサーミスタTHMとを有するが、電圧VAを電圧VA2に切り替えるスイッチSW等を持たない場合、温度検出端子THは、時間t1、t2の間、電圧V1に維持される。
【0045】
なお、認証は、複数回実施されることで、認証を1回のみ実施する場合に比べて認証の信頼性を向上することができる。
図2では、認証動作が2回実施される例が示される。例えば、PMIC310は、2回の認証が全て成功した場合、バッテリ装置200が正規品であると判定する。PMIC310は、2回の認証の1つ又は両方が失敗した場合、バッテリ装置200が模造品であると判定する。
【0046】
なお、
図2は、制御端子CNTが、認証要求REQの供給端子と、電子機器300によるバッテリ装置200の内蔵機能を制御する制御信号の供給端子とを兼ねている場合の例を示す。特に限定されないが、制御端子CNTに供給される制御信号により保護IC220の動作モードが切り替えられてもよい。なお、制御端子CNTは、認証要求REQをPMIC310から保護IC220に出力する専用端子として使用されてもよい。
【0047】
保護IC220の制御回路221は、制御端子CNTのハイレベルが制御開始遅延時間tCNT以上維持されたことに基づいてバッテリ装置200の内蔵機能の制御を開始する。例えば、通常モードおよびスタンバイモードを含む動作モードを制御する信号が制御端子CNTに供給される場合、制御端子CNTのハイレベルが制御開始遅延時間tCNT以上維持された場合、バッテリ装置200は、動作モードを通常モードからスタンバイモードに切り替える。なお、制御端子CNTによるバッテリ装置200の内蔵機能の切り替え制御の例は、上記の動作モードの切り替え制御に限定されない。例えば、制御端子CNTにより、バッテリ装置200の試験モードへの切り替えが制御されてもよい。
【0048】
例えば、バッテリ装置200は、スタンバイモード中、トランジスタTR2又はトランジスタTR2、TR1をオフすることで、二次電池210の充放電経路を遮断する。PMIC310は、認証要求REQを出力してから制御開始遅延時間tCNTが経過する前に制御端子CNTをロウレベルに戻す。これにより、認証動作の実施中にバッテリ装置200がスタンバイモードに切り替わることを抑止することができ、バッテリ装置200が誤動作することを抑止することができる。
【0049】
なお、
図2では、制御端子CNTのハイレベルが制御開始遅延時間tCNT以上維持されたことに基づいて内蔵機能の制御が開始されるが、制御端子CNTのロウレベルが制御開始遅延時間tCNT以上維持されたことに基づいて内蔵機能の制御が開始されてもよい。この場合、PMIC310は、汎用入出力端子GPIO1をハイレベルからロウレベルに設定することで、保護IC220に認証要求REQを出力する。
【0050】
図3は、
図2の認証動作において、PMIC310が取得する電圧V1、V2に対応するデジタル値の期待値の例を示す特性図である。以下では、電圧V1、V2に対応するデジタル値は、電圧V1、V2とも称される。
【0051】
温度検出端子THに生成される電圧は、温度に依存して変化するサーミスタTHMの抵抗値に応じて変化する。PMIC310は、
図2に示す電圧V1、V2の温度依存性及び電圧差V2-V1の温度依存性を、予め図示しないメモリ等に記憶しておく。温度依存性は、テーブルとしてメモリ等に記憶されてもよく、数式としてメモリ等に記憶されてもよい。
【0052】
PMIC310は、時間t2で取得した電圧V2と時間t1で取得した電圧V1との電圧差V2-V1を算出する。PMIC310は、算出した電圧差V2-V1が、電圧V1で示される現在の温度での電圧差V2-V1の期待値と一致し、かつ、時間t1、t2がそれぞれ期待値と一致する場合、認証の成功を判定する。
【0053】
図4は、
図1のシステム100によるバッテリ装置200の認証動作の一例を示すフロー図である。すなわち、
図4は、システム100のバッテリ装置認証方法の一例を示す。なお、
図4では、説明の簡単化のため、
図2における認証が1回のみ実施される例が示される。
【0054】
図4に示すPMIC310の動作は、PMIC310のハードウェアにより実現されてもよく、PMIC310の機能を制御するソフトウェアにより実現されてもよい。同様に、
図4に示す保護IC220の動作は、保護IC220のハードウェアにより実現されてもよく、保護IC220の機能を制御するソフトウェアにより実現されてもよい。
【0055】
図4に示すPMIC310の動作は、認証動作の開始とともに開始される。まず、ステップS310において、PMIC310は、制御端子CNTをロウレベルに設定している状態で、温度検出端子THの電圧V1を取得する。次に、ステップS320において、PMIC310は、
図3に示した電圧V1の温度依存性に基づいて、電圧V1に対応する温度を求める。なお、正規品でないバッテリ装置200が電子機器300に接続された場合、電圧V1は温度を示していない場合がある。
【0056】
次に、ステップS330において、PMIC310は、制御端子CNTをハイレベルHに設定することで、認証要求REQを保護IC220に出力する。次に、ステップS340において、PMIC310は、温度検出端子THの電圧V2と時間t1、t2とを取得する。次に、ステップS350において、PMIC310は、電圧V1、V2の電圧差V2-V1を求める。
【0057】
次に、ステップS360において、PMIC310は、時間t1及び時間t2のそれぞれが期待値と一致するか否かを判定する。また、PMIC310は、電圧差V2-V1が、電圧V1により示される温度での電圧差V2-V1の期待値と一致するか否かを判定する。PMIC310は、時間t1、時間t2及び電圧差V2-V1のそれぞれが期待値と一致する場合、認証が成功したため、ステップS370を実施する。PMIC310は、時間t1、時間t2及び電圧差V2-V1の1つ又は複数が期待値と一致しない場合、認証が失敗したため、ステップS380を実施する。
【0058】
なお、正規品でないバッテリ装置200が電子機器300に接続され、電圧V1が温度を示さない場合、保護IC220から受けた電圧V1、V2の電圧差V2-V1は、実際の温度での電圧差V2-V1の期待値と異なる。また、正規品でないバッテリ装置200では、時間t1、t2のそれぞれも期待値と一致しない。このため、バッテリ装置200が正規品でない場合、ステップS360での認証は失敗する。
【0059】
ステップS370において、PMIC310は、認証が成功したため、電子機器300に接続されたバッテリ装置200が正規品であると判定し、
図4に示す動作を終了する。ステップS380において、PMIC310は、認証が失敗したため、電子機器300に接続されたバッテリ装置200が模造品であると判定し、
図4に示す動作を終了する。
【0060】
一方、保護IC220は、ステップS210において、制御端子CNTがハイレベルHになるのを待つ。保護IC220は、制御端子CNTのハイレベルH(認証要求REQ)を検出した場合、ステップS220を実施する。ステップS220において、保護IC220は、認証要求REQの検出から時間t1後に電圧線VAを電圧VA1から電圧VA2に設定する。保護IC220は、電圧線VAを電圧VA2に設定してから時間t2後に電圧線VAを電圧VA1に戻し、
図4に示す動作を終了する。
【0061】
以上、この実施形態では、保護IC220は、制御端子CNTを介してPMIC310から認証要求REQを受けた場合、温度検出端子THの電圧を、温度に依存した電圧V1から温度に依存した電圧V2に変更する。このため、PMIC310は、温度検出端子THから取得する電圧V1、V2の電圧差V2-V1を温度に依存した期待値と比較することで、バッテリ装置200が正規品か否かを判定することができる。
【0062】
認証コードをデジタル値でなく温度に依存するアナログ値で保護IC220からPMIC310に出力するため、例えば、ハッカー等の悪意のある第三者がデジタル値を解析する手法を使用する場合にも、認証コードが解読されることを抑止することができる。すなわち、温度に依存して変化するアナログ値を認証コードとすることで、認証コードの秘匿性を高めることができる。
【0063】
デジタル値による複雑な認証コードを使用しないため、認証コードを生成する保護IC220の回路規模を増大することなく、秘匿性の高い認証コードを生成することができる。また、PMIC310の回路規模を増大することなく、認証コードに基づいてバッテリ装置200が正規品であるか否かを判定することができる。この結果、認証コードの解読が困難な認証手法を低コストで実現することができる。
【0064】
電圧V1、V2だけでなく、時間t1、t2を認証コードとして使用することで、さらに秘匿性の高い認証コードを生成することができ、認証コードの解読を困難にすることができる。
【0065】
バッテリ装置200の内蔵機能の制御に使用している制御端子CNTを使用して、PMIC310から保護IC220に認証要求REQを出力するため、新たな端子を設けることなく、認証動作を実施することができる。この結果、例えば、バッテリ装置200が搭載される基板と、電子機器300が搭載される基板とを既存のシステムからそれぞれ流用することができる。したがって、保護IC220及びPMIC310の小規模な回路変更で、秘匿性の高い認証コードを用いた正規品の判定を実施することができる。
【0066】
バッテリ装置200の内蔵機能の制御が開始されない期間に、制御端子CNTを使用して保護IC220に認証要求REQを出力することで、バッテリ装置200が内蔵機能の制御を誤って開始することを抑止することができる。この結果、バッテリ装置200が誤動作することを抑止することができる。
【0067】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態における二次電池保護集積回路を含むシステムにおける認証動作を説明する特性図である。電圧V1、V2の温度依存性は、
図3と同様である。電圧V1、V2の電圧比V2/V1は、電圧VA1、VA2の電圧比VA2/VA1に依存して決まり、温度に依存せずに一定である。このため、この実施形態では、電圧比V2/V1が期待値と一致するか否かの判定を使用して、バッテリ装置200が正規品であるか否かを判定する。
【0068】
図6は、第2の実施形態のシステムによるバッテリ装置の認証動作の一例を示すフロー図である。すなわち、
図6は、システム100のバッテリ装置認証方法の別の例を示す。
図4と同様の動作については、同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。この実施形態では、
図4のステップS350、S360の代わりにステップS352、S362が実施される。その他の動作は、
図4の動作と同様である。この実施形態のシステム100の構成は、
図1と同様である。
【0069】
図6に示すPMIC310の動作は、PMIC310のハードウェアにより実現されてもよく、PMIC310の機能を制御するソフトウェアにより実現されてもよい。同様に、
図6に示す保護IC220の動作は、保護IC220のハードウェアにより実現されてもよく、保護IC220の機能を制御するソフトウェアにより実現されてもよい。
【0070】
ステップS352において、PMIC310は、電圧V1、V2の電圧比V2/V1を求める。次に、ステップS362において、PMIC310は、時間t1、t2と電圧比V2/V1とのそれぞれが期待値と一致するか否かを判定する。PMIC310は、時間t1、時間t2及び電圧比V2/V1のそれぞれが期待値と一致する場合、認証が成功したため、ステップS370を実施する。PMIC310は、時間t1、時間t2及び電圧比V2/V1の1つ又は複数が期待値と一致しない場合、認証が失敗したため、ステップS380を実施する。
【0071】
以上、この実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、保護IC220は、温度検出端子THを介してPMIC310から認証要求REQを受けた場合、温度検出端子THの電圧を、温度に依存した電圧V1から温度に依存した電圧V2に変更する。このため、PMIC310は、温度検出端子THから取得する電圧V1、V2の電圧比V2/V1を期待値と比較することで、バッテリ装置200が正規品か否かを判定することができる。
【0072】
電圧比V2/V1は、温度に依存しない一定値になるため、PMIC310は、温度にかかわらず1つの電圧比V2/V1を期待値として判定を実施することができる。したがって、PMIC310は、温度を検出することなくバッテリ装置200が正規品か否かを判定することができる。
【0073】
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態における二次電池保護集積回路を含むシステムの一例を示す回路ブロック図である。
図1と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7に示すシステム100Aは、バッテリ装置200A及び電子機器300Aを有する。
図1と同様に、電子機器300Aは、携帯電話、スマートフォン、タブレット、イヤホンなどのポータブル機器である。
【0074】
システム100Aは、
図1の制御端子CNTを持たない。PMIC310は、温度検出端子THを利用してバッテリ装置200Aに認証要求REQを出力する。このため、PMIC310の汎用入出力端子GPIO1は、温度検出端子THに接続されている。バッテリ装置200Aは、温度検出端子THで認証要求REQを受ける。なお、システム100Aは、バッテリ装置200Aの内蔵機能の制御に使用する、認証要求REQが供給されない制御端子CNTを有してもよい。
【0075】
バッテリ装置200Aは、
図1の保護IC220の代わりに保護IC220Aを有することを除き、
図1のバッテリ装置200と同様の構成及び機能を有する。保護IC220Aは、
図1の制御端子CNT2を持たず、制御回路221の代わりに制御回路221Aを有することを除き、
図1の保護IC220と同様の構成及び機能を有する。制御回路221Aは、
図1の制御端子CNT2の代わりに温度検出端子TH2から認証要求REQを受けることを除き、
図1の制御回路221と同様の構成及び機能を有する。
【0076】
図8は、
図7のシステム100Aによるバッテリ装置200Aの認証動作の一例を示すタイミング図である。
図2と同様の動作については、詳細な説明は省略する。
図8に示す認証動作は、
図2と同様に、バッテリ装置200Aが電子機器300Aに接続されたとき、又は、バッテリ装置200Aが電子機器300Aに接続されている間の任意のタイミングで実施される。なお、
図8に示す認証動作は、充電器又は電源アダプタ等が電子機器300AのUSBポートに接続されたことに基づいて開始されてもよい。
【0077】
PMIC310は、認証要求REQを保護IC220Aに出力する場合、時間t1以上の間、汎用入出力端子GPIO1をロウレベルに設定する。汎用入出力端子GPIO1の信号波形に示す破線は、バッファBUFが出力を停止し、出力端子をハイインピーダンス状態Hi-Zに設定していることを示す。保護IC220Aは、汎用入出力端子GPIO1(すなわち、温度検出端子TH)のロウレベル期間が時間t1未満の場合、認証要求REQを検出しない(
図8(a))。
【0078】
図2と同様に、保護IC220Aは、認証要求REQを受ける前、電圧線VAに電圧VA1を供給している(
図8(b))。電圧VA1は、抵抗R1とサーミスタTHMとにより分圧され、温度検出端子THは電圧V1に設定される(
図8(c))。PMIC310は、温度検出端子THから取得した電圧V1をADC311によりデジタル値に変換して保持する。なお、PMIC310は、電圧V1が示す温度を保持しなくてよい。正規のバッテリ装置200Aが電子機器300Aに接続されている場合、電圧V1は、温度に依存した値になる。バッテリ装置200が正規品でない場合、電圧V1が温度に依存する期待値を示すか否かは不明である。
【0079】
この後、PMIC310は、汎用入出力端子GPIO1を時間t1以上の間、ロウレベルに設定する(
図8(d))。これにより、温度検出端子THは、時間t1以上の間、ロウレベル(例えば、接地電圧VSS)に設定される(
図8(e))。
【0080】
保護IC220Aは、温度検出端子THの電圧が閾値電圧VTを跨いで電圧V1からロウレベルに変化し、ロウレベルが時間t1以上維持されたことを検出した場合、認証要求REQを検出する(
図8(f))。保護IC220Aは、認証要求REQの検出に基づいて、時間t2の間、電圧線VAに電圧VA2を供給することで、応答RPLYをPMIC310に出力する(
図8(g))。温度検出端子THは、時間t2の間、電圧VA2に応じて、温度に依存する電圧V2に設定される(
図8(h))。この実施形態においても、電圧V2は、温度に依存するアナログの認証コードとして使用される。
【0081】
PMIC310は、汎用入出力端子GPIO1を時間t1以上の間、ロウレベルに設定した後、保護IC220Aからの応答RPLYを待つ。PMIC310は、認証要求REQを出力した後、温度検出端子THが時間t2の間、電圧V2が維持されたことを検出した場合、認証が成功したと判定する。例えば、PMIC310は、
図2と同様に、電圧差V2-V1を認証コードとして温度に依存した期待値と比較することで、認証が成功したか否かを判定する。
【0082】
なお、PMIC310は、時間t1以上の経過後、電圧V2が時間t2の間、維持されない場合、認証の失敗を判定する。この場合、PMIC310は、バッテリ装置200Aが模造品であると判定し、認証動作を終了する。
図8に示す一点鎖線は、温度検出端子THが時間t2の間に電圧差V2-V1の期待値と異なる電圧V1に維持されたことをPMIC310により検出され、認証の失敗が判定される例を示す(
図8(i))。
【0083】
図8では、認証動作が1回のみ実施される例が示される。例えば、PMIC310は、複数回の認証を実施し、複数回の認証が全て成功した場合、バッテリ装置200Aが正規品であると判定してもよい。認証を複数回実施することで、認証を1回のみ実施する場合に比べて認証の信頼性を向上することができる。
【0084】
なお、制御回路221Aは、温度検出端子TH2の電圧値により示される温度が、所定時間以上正常な温度範囲を超えるとき(高温異常時又は低温異常時)、トランジスタTR1、TR2の一方又は両方を遮断することでバッテリ装置200を保護する。制御回路221Aは、温度検出端子THの電圧が正常範囲を外れる時間が温度検出遅延時間tTH未満の場合、温度の異常を検出せず、トランジスタTR1、TR2を遮断しない。正常範囲は、システム100Aに許容される電圧の範囲の一例である。
【0085】
これにより、例えば、ノイズにより温度検出端子THの電圧が一時的に異常値になった場合に、保護IC220が誤動作することを抑止することができる。認証の判定時間(時間t1+t2)は、温度検出遅延時間tTHより短くなるように設定される。このため、認証のために温度検出端子THの電圧が正常範囲を超える値に設定された場合に保護IC220Aが温度の異常を検出することを抑止することができる。これにより、バッテリ装置200Aが誤動作することを抑止することができる。
【0086】
図9は、
図7のシステム100Aによるバッテリ装置200Aの認証動作の一例を示すフロー図である。すなわち、
図9は、システム100Aのバッテリ装置認証方法の一例を示す。
図4と同様の動作については、
図4と同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。PMIC310の動作では、
図4のステップS330、S340、S360の代わりにステップS330A、S340A、S360Aが実施され、
図4のS320は実施されない。保護IC220Aの動作では、
図4のステップS210、S220の代わりにステップS210A、S220Aが実施される。
【0087】
図9に示すPMIC310の動作は、PMIC310のハードウェアにより実現されてもよく、PMIC310の機能を制御するソフトウェアにより実現されてもよい。同様に、
図9に示す保護IC220Aの動作は、保護IC220Aのハードウェアにより実現されてもよく、保護IC220Aの機能を制御するソフトウェアにより実現されてもよい。
【0088】
ステップS330Aにおいて、PMIC310は、汎用入出力端子GPIO1を時間t1の間、ロウレベルLに設定することで、認証要求REQを保護IC220Aに出力する。次に、ステップS340Aにおいて、PMIC310は、温度検出端子THの電圧V2と時間t2とを取得する。
【0089】
次に、ステップS350で電圧差V2-V1を求めた後、ステップS360Aにおいて、PMIC310は、時間t2と電圧差V2-V1とのそれぞれが期待値と一致するか否かを判定する。PMIC310は、時間t2及び電圧差V2-V1のそれぞれが期待値と一致する場合、認証が成功したため、ステップS370を実施する。PMIC310は、時間t2及び電圧差V2-V1の1つ又は複数が一致しない場合、認証が失敗したため、ステップS380を実施する。
【0090】
なお、ステップS360Aにおいて、PMIC310は、
図6に示したステップS362と同様に、時間t2と電圧比V2/V1とのそれぞれが期待値と一致する場合、認証が成功したと判定してもよい。
【0091】
一方、保護IC220Aは、ステップS210Aにおいて、温度検出端子THが時間t1以上の間、閾値電圧VT以下に維持されるまで待つ。保護IC220Aは、温度検出端子THが、時間t1以上の間に閾値電圧VT以下に維持されたことを検出した場合、認証要求REQを検出し、ステップS220Aを実施する。ステップS220Aにおいて、保護IC220Aは、電圧線VAを電圧VA1から電圧VA2に設定し、時間t2後に電圧線VAを電圧VA1に戻し、
図9に示す動作を終了する。
【0092】
以上、この実施形態においても、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、保護IC220Aは、温度検出端子THを介してPMIC310から認証要求REQを受けた場合、温度検出端子THの電圧を、温度に依存した電圧V1から温度に依存した電圧V2に変更する。このため、PMIC310は、温度検出端子THから取得する電圧V1、V2の電圧差V2-V1を期待値と比較することで、バッテリ装置200Aが正規品か否かを判定することができる。
【0093】
認証コードをデジタル値でなく温度に依存するアナログ値で保護IC220AからPMIC310に出力するため、認証コードの秘匿性を高めることができる。認証コードを生成する保護IC220Aの回路規模を増大することなく、秘匿性の高い認証コードを生成することができる。また、PMIC310の回路規模を増大することなく、認証コードに基づいてバッテリ装置200Aが正規品であるか否かを判定することができる。この結果、認証コードの解読が困難な認証手法を低コストで実現することができる。
【0094】
電圧V1、V2だけでなく、時間t2を認証コードとして使用することで、さらに秘匿性の高い認証コードを生成することができ、認証コードの解読を困難にすることができる。
【0095】
バッテリ装置200Aと電子機器300Aとの接続に使用している温度検出端子THを使用して、PMIC310から保護IC220Aに認証要求REQを出力するため、新たな端子を設けることなく、認証動作を実施することができる。この結果、例えば、バッテリ装置200Aが搭載される基板と、電子機器300Aが搭載される基板とを既存のシステムからそれぞれ流用することができる。したがって、保護IC220A及びPMIC310の小規模な回路変更で、秘匿性の高い認証コードを用いた正規品の判定を実施することができる。
【0096】
認証の判定時間(時間t1+t2)を温度検出遅延時間tTHより短く設定することで、認証のために温度検出端子THの電圧が正常範囲を超える値に設定された場合に保護IC220Aが温度の異常を検出することを抑止することができる。これにより、バッテリ装置200Aが誤動作することを抑止することができる。
【0097】
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態における二次電池保護集積回路を含むシステムの一例を示す回路ブロック図である。
図1と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10に示すシステム100Bは、バッテリ装置200B及び電子機器300Bを有する。
図1と同様に、電子機器300Bは、携帯電話、スマートフォン、タブレット、イヤホンなどのポータブル機器である。
【0098】
バッテリ装置200Bは、
図1の保護IC220の代わりに保護IC220Bを有することを除き、
図1のバッテリ装置200と同様の構成及び機能を有する。保護IC220Bは、
図1の制御回路221の代わりに制御回路221Bを有し、新たに電流判定回路223Bを有することを除き、
図1の保護IC220と同様の構成及び機能を有する。
【0099】
電子機器300Bは、
図1のPMIC310の代わりにPMIC310Bを有することを除き、
図1の電子機器300と同様の構成及び機能を有する。PMIC310Bは、
図1のPMIC310にパラメータ保持部313Bを追加していることを除き、
図1のPMIC310と同様の構成および機能を有する。
【0100】
保護IC220Bにおいて電流判定回路223Bは、バッテリ装置200Bの認証動作時に、抵抗R22(センス抵抗)を介して接地端子VSSと電流検出端子CSとの間を流れる充電電流の大きさを判定する。電流判定回路223Bは、判定結果である充電電流の大きさに応じた論理値の電流検出信号ID60、ID10、ID05を制御回路221Bに出力する。以下では、電流検出信号ID60、ID10、ID05を区別なく説明する場合、電流検出信号IDとも称される。電流判定回路223Bの回路構成例については、
図11で説明される。
【0101】
制御回路221Bは、
図1の制御回路221の機能に加えて、電流検出信号IDの論理値に応じて
図2に示した時間t1、t2及び電圧VA2の値を設定する機能を有する。これにより、保護IC220Bは、バッテリ装置200Bの認証動作時に、電流判定回路223Bにより判定される充電電流の大きさに応じて時間t1、t2及び電圧VA2の値を変更可能である。
【0102】
例えば、時間t1、t2は、タイマTMの計測時間を変更により設定され、電圧VA2の値は、電圧VA2を生成する図示しない電圧生成回路により変更される。例えば、電圧生成回路は、電圧を分圧する直列に接続された複数の抵抗を有し、抵抗間から分圧電圧を出力する抵抗分割回路と、複数の分圧電圧のいずれかを電圧VA2として選択する電圧選択回路とを有する。
【0103】
PMIC310Bのパラメータ保持部313Bは、バッテリ装置200Bの認証動作を実施するときに使用する充電電流の大きさと、充電電流の大きさ毎の時間t1、t2及び電圧差V2-V1の期待値をパラメータとして保持する。PMIC310Bは、バッテリ装置200Bの認証動作時に、ドライバ312を制御して選択したパラメータに対応する充電電流をバッテリ装置200Bに供給する。そして、PMIC310Bは、認証要求に応じたバッテリ装置200Bからの応答である時間t1、t2及び電圧差V2-V1をパラメータ毎の期待値と比較することでバッテリ装置200Bが正規品であるか否かを判定する。
【0104】
電子機器300B及びバッテリ装置200Bにおいて、充電電流は閉回路を流れるため、電子機器300Bから出力する充電電流は、バッテリ装置200Bで検出可能である。このように、充電電流は、電子機器300B及びバッテリ装置200Bの共通のパラメータであるため、充電電流を電子機器300Bとバッテリ装置200Bとの間での認証動作に使用することができる。
【0105】
図11は、
図10の電流判定回路223B及び制御回路221Bの一例を示す回路ブロック図である。電流判定回路223Bは、判定電圧生成回路2231及び電圧比較回路2232を有する。
【0106】
判定電圧生成回路2231は、基準ノードが電流検出端子CSに接続されたバンドギャップリファレンス回路BGRと、バンドギャップリファレンス回路BGRの電圧生成ノードと電流検出端子CSとの間に直列に接続された抵抗R31、R32、R33、R34とを有する。バンドギャップリファレンス回路BGRは、電流検出端子CSの電圧に対して所定電圧(例えば、1.2V)高い電圧を生成する。
【0107】
判定電圧生成回路2231は、電流検出端子CSの電圧に応じてバンドギャップリファレンス回路BGRが生成する電圧を抵抗R31、R32、R33、R34により分圧することで、判定電圧V60A、V10A、V05Aを生成する。例えば、判定電圧V60A、V10A、V05Aの値は、V60A>V10A>V05Aの順に大きい。このように、バンドギャップリファレンス回路BGRと、直列に接続された複数の抵抗R31-R34とにより、電流検出端子CSの電圧に応じて複数の判定電圧を生成する回路を簡易に構成することができる。
【0108】
電圧比較回路2232は、判定電圧V60A、V10A、V05Aと接地電圧VSSとをそれぞれ比較するコンパレータCMP1、CMP2、CMP3を有する。コンパレータCMP1は、判定電圧V60Aに応じて電流検出信号ID60を出力する。コンパレータCMP2は、判定電圧V10Aに応じて電流検出信号ID10を出力する。コンパレータCMP3は、判定電圧V05Aに応じて電流検出信号ID05を出力する。そして、電流判定回路223Bは、充電電流の大きさを電流検出信号ID60、ID10、ID05の論理値として出力する。
【0109】
制御回路221Bは、デコーダ2211及びパラメータ保持部2212を有する。デコーダ2211は、真理値表に示すように、電流検出信号ID60、ID10、ID05の論理値に応じた値の選択信号SELを出力する。例えば、選択信号SELは、2ビットである。
【0110】
選択信号SEL="0"は、充電電流が規定の最大電流より大きいことを示す(充電過電流)。選択信号SEL="3"は、充電電流が急速充電時の電流範囲に含まれることを示す。選択信号SEL="2"は、充電電流が急速充電時より小さい通常充電時の電流範囲に含まれることを示す。選択信号SEL="0"は、充電電流が通常充電時より小さい予備充電時の電流範囲に含まれることを示す。
【0111】
パラメータ保持部2212は、パラメータPARAM1、PARAM2、PARAM3、PARAM4を保持する記憶領域を有する。以下では、パラメータPARAM1-PARAM4を区別なく説明する場合、パラメータPARAMとも称される。
【0112】
パラメータPARAM1は、後述する一次認証時に使用され、時間t1、t2及び電圧VA2の初期値を含む。パラメータPARAM2-PARAM4は、後述する二次認証時に使用され、電流判定回路223Bにより判定された充電電流の大きさに応じて変更される時間t1、t2及び電圧VA2を示す値を含む。時間t1、t2及び電圧VA2を示す値は、パラメータPARAM1-PARAM4毎に異なる。
【0113】
なお、各パラメータPARAM1-PARAM4は、時間t1、t2及び電圧VA2を示す値に加えて電圧VA1を示す値を含んでもよい。この場合、電子機器300B及びバッテリ装置200Bは、時間t1、t2及び電圧VA2だけでなく、電圧VA1も使用して認証動作を実施することができる。
【0114】
制御回路221Bは、選択信号SELが"1"、"2"、"3"のいずれかの場合、選択信号SELの値に対応するパラメータPARAMをパラメータ保持部2212から読み出し、読み出したパラメータPARAMに応じた波形の電圧VAを電圧線VAに出力する。また、制御回路221Bは、選択信号SELが"0"の場合、過充電を判定し、トランジスタTR1、TR2をオフして充電を停止する。
【0115】
図12は、
図10のバッテリ装置200Bの認証動作時に使用される充電電流と設定されるパラメータPARAMの例を示す説明図である。PMIC310Bは、認証動作時に充電電流を予備充電、通常充電又は急速充電に対応する電流のいずれかに設定する。なお、認証動作時に充電電流が充電過電流を示す場合、バッテリ装置200Bを過充電から保護するために充電が遮断される。
【0116】
PMIC310Bは、一次認証時に充電電流を出力しない。このため、一次認証において正規品かどうか分からないバッテリ装置200Bが充電されることを避けることができ、認証動作を安全に実行することができる。保護IC220Bは、監視端子VMで受ける電圧に基づいて、電子機器300が接続されたことを検出した場合(一次認証時)、電圧線VAに出力する電圧VA2をパラメータPARAM1に含まれる電圧VA2の値に決定し、パラメータPARAM1に含まれる時間t1、t2の値に応じたタイミングでスイッチSWを動作させる。これにより、パラメータPARAM1に応じて、
図2に示す波形を有する電圧VAが電圧線VAに出力される。
【0117】
保護IC220Bは、一次認証後、充電電流が予備充電の範囲にある場合、電圧線VAに出力する電圧VA2をパラメータPARAM2に含まれる電圧VA2の値に決定し、パラメータPARAM2に含まれる時間t1、t2の値に応じたタイミングでスイッチSWを動作させる。保護IC220Bは、一次認証後、充電電流が通常充電の範囲にある場合、電圧線VAに出力する電圧VA2をパラメータPARAM3に含まれる電圧VA2の値に決定し、パラメータPARAM3に含まれる時間t1、t2の値に応じたタイミングでスイッチSWを動作させる。保護IC220Bは、一次認証後、充電電流が急速充電の範囲にある場合、電圧線VAに出力する電圧VA2をパラメータPARAM4に含まれる電圧VA2の値に決定し、パラメータPARAM4に含まれる時間t1、t2の値に応じたタイミングでスイッチSWを動作させる。
【0118】
なお、PMIC310Bに搭載されるパラメータ保持部313B(
図10)は、パラメータPARAM1-PARAM4の各々に対応して、時間t1、t2及び電圧差V2-V1の期待値を保持する。時間t1、t2及び電圧差V2-V1の期待値は、パラメータPARAM1-PARAM4毎に異なる。また、パラメータ保持部313Bは、パラメータPARAM2-PARAM4の各々に対応して、後述する二次認証時にバッテリ装置200Bに供給する充電電流の大きさを示す値を保持する。さらに、PMIC310Bは、パラメータPARAM1-PARAM4にそれぞれ対応して
図3に示す特性図を持っている。以下では、パラメータPARAM1-PARAM4に対応してパラメータ保持部313Bが保持するパラメータも、パラメータPARAM1-PARAM4として説明する。
【0119】
図13は、
図11の電流判定回路223Bの動作の一例を示す説明図である。判定電圧生成回路2231は、充電電流の増加とともに低下する電流検出端子CSの電圧VCSに追従して判定電圧V60A、V10A、V05Aを低下させる。電圧比較回路2232は、充電電流の増加により判定電圧V05Aが接地電圧VSSより低くなったとき、電流検出信号ID05をロウレベルからハイレベルに変化させる。電圧比較回路2232は、充電電流の増加により判定電圧V10Aが接地電圧VSSより低くなったとき、電流検出信号ID10をロウレベルからハイレベルに変化させる。電圧比較回路2232は、充電電流の増加により判定電圧V60Aが接地電圧VSSより低くなったとき、電流検出信号ID60をロウレベルからハイレベルに変化させる。
【0120】
図14及び
図15は、
図10のシステム100Bによるバッテリ装置200Bの認証動作の一例を示すフロー図である。すなわち、
図14及び
図15は、システム100Bのバッテリ装置認証方法の一例を示す。
図4と同様の動作については、
図4と同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。
図14は、バッテリ装置200Bの認証動作における一次認証の動作の例を示し、
図15は、認証動作において一次認証が成功したときに実施される二次認証の動作の例を示す。
【0121】
図14及び
図15に示す認証動作は、バッテリ装置200Bが電子機器300Bに接続されたときに実施され、又は、バッテリ装置200Bが電子機器300Bに接続されている間の任意のタイミング(例えば、充電中)で実施される。なお、
図14及び
図15に示す認証動作は、充電器又は電源アダプタ等が電子機器300のUSBポートに接続されたことに基づいて開始されてもよい。
【0122】
図14のPMIC310Bの動作は、
図4のステップS360の代わりにステップS360Bが実施され、
図4のS370が実施されないことを除き、
図4の動作と同様である。
図14の保護IC220Bの動作は、
図4のステップS220の代わりにステップS220Bが実施されることを除き、
図4の動作と同様である。但し、保護IC220Bのパラメータ保持部2212が保持する各パラメータPARAMに電圧VA1の値が含まれる場合、PMIC310Bは、ステップS320において、パラメータPARAMに対応する特性図(
図3)を使用して電圧V1に対応する温度を求める。
【0123】
保護IC220Bは、ステップS210において、
図4と同様に認証要求REQを検出した場合、ステップS220Bを実施する。ステップS210で検出する認証要求REQは、最初の認証要求の一例である。ステップS220Bにおいて、保護IC220Bは、パラメータPARAM1に含まれる時間t1、t2と電圧VA2とを示す値に基づいて電圧線VAの電圧を設定する。時間t1、t2及び電圧VA2は、
図4の時間t1、t2及び電圧VA2と同じでもよい。保護IC220Bは、ステップS220Bの後、
図15のステップS230Bを実施する。
【0124】
一方、PMIC310Bは、ステップS360Bにおいて、ステップS340で取得した時間t1、t2と、ステップS350で求めた電圧差V2-V1とのそれぞれがパラメータPARAM1に対応する期待値と一致するか否かを判定する。PMIC310Bは、時間t1、時間t2及び電圧差V2-V1のそれぞれが期待値と一致する場合、一次認証が成功したため、二次認証を実施するために
図15のステップS410Bを実施する。PMIC310Bは、時間t1、時間t2及び電圧差V2-V1の1つ又は複数が期待値と一致しない場合、一次認証が失敗したため、ステップS380においてバッテリ装置200Bが模造品であると判定し、認証動作を終了する。
【0125】
図15のステップ410Bにおいて、PMIC310Bは、パラメータPARAM2-PARAM4のいずれかを選択し、選択したパラメータPARAMに対応する充電電流をバッテリ装置200Bに出力する。選択したパラメータPARAMに対応する充電電流は、認証用充電電流の一例である。次に、ステップ420Bにおいて、PMIC310Bは、
図14のステップS330と同様に、認証要求REQを保護IC220Bに出力する。
【0126】
保護IC220Bは、ステップS230Bにおいて認証要求REQを検出した場合、ステップS240Bを実施する。ステップS230Bで検出する認証要求REQは、2番目の認証要求の一例である。ステップS240Bにおいて、保護IC220Bは、充電電流を検出し、検出した充電電流に応じてパラメータPARAM2-PARAM4のいずれかを選択する。次に、ステップS250Bにおいて、保護IC220Bは、選択したパラメータPARAMに含まれる時間t1、t2と電圧VA2とを示す値に基づいて電圧線VAの電圧波形を設定し、
図14及び
図15に示す動作を終了する。
【0127】
PMIC310Bは、ステップS420Bの後、ステップ430Bにおいて、
図14のステップS340と同様に、温度検出端子THの電圧V2と時間t1、t2とを取得する。次に、ステップ440Bにおいて、PMIC310Bは、
図14のステップS350と同様に、電圧V1、V2の電圧差V2-V1を求める。
【0128】
次に、ステップ450Bにおいて、PMIC310Bは、ステップS430Bで取得した時間t1、t2と、ステップS440Bで求めた電圧差V2-V1とが、ステップ410Bで選択したパラメータPARAMに対応する期待値と一致するか否かを判定する。
【0129】
PMIC310Bは、時間t1、時間t2及び電圧差V2-V1のそれぞれが期待値と一致する場合、二次認証が成功したため、ステップS460Bにおいてバッテリ装置200が正規品であると判定し、
図14及び
図15に示す動作を終了する。一方、PMIC310Bは、時間t1、時間t2及び電圧差V2-V1の1つ又は複数が期待値と一致しない場合、二次認証が失敗したため、ステップS470Bにおいてバッテリ装置200Bが模造品であると判定し、
図14及び
図15に示す動作を終了する。
【0130】
図14及び
図15に示すように、
図10のシステム100Bによるバッテリ装置200Bの認証動作では、一次認証と二次認証とが順次実施される。二次認証時の時間t1、時間t2及び電圧VA2は、充電電流の大きさに応じて一次認証の設定値に対して変更される。例えば、バッテリ装置200Bの認証動作のタイミングは、
図2の最初の認証を一次認証とし、
図2の2番目の認証を二次認証とすることで表すことが可能である。
【0131】
なお、
図14及び
図15では、各パラメータPARAMが時間t1、t2及び電圧VA2を示す値を含む例について説明したが、各パラメータPARAMは、時間t1、t2及び電圧VA2の1つ又は複数を示す値を含んでいればよい。この場合、PMIC310Bのパラメータ保持部313Bには、各パラメータPARAMに含まれる要素に対応する要素(例えば、時間t1、時間t2及び電圧差V2-V1の1つ又は複数)が保持される。そして、PMIC310は、パラメータ保持部313Bに保持される要素を期待値として認証の成否を判定する。
【0132】
以上、この実施形態においても、第1から第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、保護IC220Bは、温度検出端子THを介してPMIC310Bから認証要求REQを受けた場合、温度検出端子THの電圧を、温度に依存した電圧V1から温度に依存した電圧V2に変更する。このため、PMIC310Bは、温度検出端子THから取得する電圧V1、V2の電圧差V2-V1を期待値と比較することで、バッテリ装置200Bが正規品か否かを判定することができる。
【0133】
さらに、第4の実施形態では、バッテリ装置200Bの二次認証において、充電電流の大きさに応じて時間t1、時間t2及び電圧VA2を一次認証の設定値に対して変更することで、第1から第3の実施形態に比べて認証コードの秘匿性を高めることができ、認証コードの解読を困難にすることができる。また、一次認証時には充電電流を流さないため、一次認証時に正規品かどうか分からないバッテリ装置200Bが充電されることを避けることができ、認証動作を安全に実行することができる。
【0134】
なお、第4の実施形態では、第1の実施形態と同様に、PMIC310Bは、時間t1、t2及び電圧V1により示される温度での電圧差V2-V1が期待値と一致するか否かに応じてバッテリ装置200Bが正規品であるか否かを判定する。しかしながら、第2の実施形態と同様に、PMIC310Bは、時間t1、t2及び電圧V1により示される温度での電圧比V2/V1が期待値と一致するか否かに応じてバッテリ装置200が正規品であるか否かを判定してもよい。さらに、第4の実施形態は、温度検出端子THを利用して電子機器300Aからバッテリ装置200Aに認証要求REQを出力する第3の実施形態に適用されてもよい。
【0135】
図16は、充電中の任意のタイミングで認証動作を実施する一例を示すフロー図である。
図4と同様の動作については、
図4と同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。
図16では、
図1のシステム100によるバッテリ装置200の認証動作の例を示すが、
図7のシステム100A及び
図10のシステム100Bにおいても、
図16と同様に充電中の任意のタイミングで認証動作が実施されてもよい。
【0136】
図16では、PMIC310は、ステップS370において、認証の成功によりバッテリ装置200が正規品であると判定した場合、充電を継続する。また、PMIC310は、ステップS362において、認証が失敗した場合、ステップS390を実施する。ステップS390において、PMIC310は、充電を停止し、
図16に示す認証動作を終了する。
【0137】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0138】
100、100A、100B システム
200、200A、200B バッテリ装置
201 電源線
202 接地線
210 二次電池
220、220A、220B 保護IC
221、221A、221B 制御回路
2211 デコーダ
2212 パラメータ保持部
222 温度検出回路
223B 電流判定回路
2231 判定電圧生成回路
2232 電圧比較回路
300、300A、300B 電子機器
301 電源線
302 接地線
310、310B PMIC
311 ADC
312 ドライバ
313B パラメータ保持部
320 機能部 BGR バンドギャップリファレンス回路
BUF バッファ
C21、C22 コンデンサ
CMP1、CMP2、CMP3 コンパレータ
CNT、CNT2 制御端子
COUT 充電制御端子
CS 電流検出端子
D1、D2 寄生ダイオード
DOUT 放電制御端子
ENA イネーブル信号
GPIO1、GPIO2 汎用入出力端子
ID05、ID10、ID60 電流検出信号
ND1 接続ノード
P+、P- 電源端子
PARAM1-PARAM4 パラメータ
R1、R21、R22、R23 抵抗
R31、R32、R33、R34 抵抗
REQ 認証要求
RPLY 応答
SEL 選択信号
SW スイッチ
tCNT 制御開始遅延時間
TH、TH2 温度検出端子
THM サーミスタ
TM タイマ
TR1、TR2、TR3 トランジスタ
tTH 温度検出遅延時間
V05A、V10A、V60A 判定電圧
VA、VA1、VA2 電圧線
VADC 電源電圧
VDD 電源端子
VM 監視端子
VSS 接地端子
VT 閾値電圧