(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100712
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】液体食器手洗い用洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20240719BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20240719BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20240719BHJP
C11D 1/83 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/72
C11D3/37
C11D1/83
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001078
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】23151442.3
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】23151445.6
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】23202354.9
(32)【優先日】2023-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】23202375.4
(32)【優先日】2023-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】カルル・ギスラン・ブレクマン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー・パウラ・アウグスト・メルクス
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ヤン・マリア・サヴェイン
(72)【発明者】
【氏名】エヴェリン・ヨハンナ・ルートガルデ・ヴァン・ヘッケ
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB31
4H003AC08
4H003AC15
4H003BA12
4H003DA17
4H003DC02
4H003EA19
4H003EB04
4H003EB28
4H003EB30
4H003EB31
4H003EB34
4H003ED02
4H003FA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】食器手洗い後の食器類の乾燥速度が更に改善された、液体食器手洗い用洗剤を提供する。
【解決手段】液体食器手洗い用洗剤組成物は、四級化アクリルコポリマーと、前記組成物の約5.0重量%~約50重量%の界面活性剤系と、を含み、前記界面活性剤系が、
a.前記界面活性剤系の少なくとも約40重量%のアニオン性界面活性剤と、
b.前記液体食器手洗い用洗剤組成物の約3.0重量%超のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤と、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体食器手洗い用洗剤組成物であって、四級化アクリルコポリマーと、
前記液体食器手洗い用洗剤組成物の約5.0重量%~約50重量%の界面活性剤系と、を含み、前記界面活性剤系が、
a.前記界面活性剤系の少なくとも約40重量%のアニオン性界面活性剤と、
b.前記液体食器手洗い用洗剤組成物の約3.0重量%超のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の前記四級化アクリルコポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記四級化アクリルコポリマーが、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記四級化アクリルコポリマーが、0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25mEq/gの平均カチオン電荷密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記四級化アクリルコポリマーが、
a.以下から選択されるカチオン性モノマー単位であって、
i.CH2=CR1-Y-N+R2R3R4X-(a)
式中、
各R1が、独立して、水素又はメチル、好ましくはメチルから選択され、
各R2が、独立して、C1~C4アルキル(アルキレン)、好ましくはCH2CH=CH2又はメチル、より好ましくはメチルから選択され、
各R3、R4が、独立して、C1~C4アルキル、好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはメチルから選択され、
各Yが、独立して、CO-NR5-(CH2)n、CO-O-(CH2)n、又は(CH2)n、好ましくはCO-NR5-(CH2)n又は(CH2)n、より好ましくはCO-NR5-(CH2)nから選択される、連結基であり、
式中、
各R5が、独立して、水素又はメチル、好ましくは水素から選択され、
nが、1~4の平均であり、好ましくは1又は3であり、より好ましくは3であり、
X-が、好適な対イオン、好ましくはハロゲン化物対イオン、より好ましくはCl-である、カチオン性モノマー単位と、
b.エチレン性不飽和モノマー単位と、に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン性モノマー単位が、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物、好ましくは(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、より好ましくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩を含み、前記C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩が、(メタ)アクリル酸又はその塩からなる群から選択され、より好ましくはアクリル酸又はその塩から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、好ましくはエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、より好ましくはエチル(メタ)アクリレート、最も好ましくはエチルアクリレートからなる群から選択されるC3~C8アルキルアクリレートを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは100重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
液体食器手洗い用洗剤組成物であって、四級化アクリルコポリマーと、
前記液体食器手洗い用洗剤組成物の7.0重量%~35重量%の界面活性剤系と、を含み、前記界面活性剤系が、
a.アニオン性界面活性剤と、
b.前記組成物の3.0重量%未満のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤と、を含み、
前記アニオン性界面活性剤及びアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、10:1未満の重量比で存在する、組成物。
【請求項12】
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の前記四級化アクリルコポリマーを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記四級化アクリルコポリマーが、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)を有する、請求項11又は12に記載の組成物。
【請求項14】
前記四級化アクリルコポリマーが、0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25mEq/gの平均カチオン電荷密度を有する、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
前記四級化アクリルコポリマーが、
a.以下から選択されるカチオン性モノマー単位であって、
i.CH2=CR1-Y-N+R2R3R4X-(a)
式中、
各R1が、独立して、水素又はメチル、好ましくはメチルから選択され、
各R2が、独立して、C1~C4アルキル(アルキレン)、好ましくはCH2CH=CH2又はメチル、より好ましくはメチルから選択され、
各R3、R4が、独立して、C1~C4アルキル、好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはメチルから選択され、
各Yが、独立して、CO-NR5-(CH2)n、CO-O-(CH2)n、又は(CH2)n、好ましくはCO-NR5-(CH2)n又は(CH2)n、より好ましくはCO-NR5-(CH2)nから選択される、連結基であり、
式中、
各R5が、独立して、水素又はメチル、好ましくは水素から選択され、
nが、1~4の平均であり、好ましくは1又は3であり、より好ましくは3であり、
X-が、好適な対イオン、好ましくはハロゲン化物対イオン、より好ましくはCl-である、カチオン性モノマー単位と、
b.エチレン性不飽和モノマー単位と、に由来する、請求項11に記載の組成物。
【請求項16】
前記カチオン性モノマー単位が、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物、好ましくは(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、より好ましくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩を含み、前記C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩が、(メタ)アクリル酸又はその塩からなる群から選択され、より好ましくはアクリル酸又はその塩から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、好ましくはエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、より好ましくはエチル(メタ)アクリレート、最も好ましくはエチルアクリレートからなる群から選択されるC3~C8アルキルアクリレートを含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
前記界面活性剤系が、前記組成物の少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%、より好ましくは少なくとも2.0重量%の前記アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体食器手洗い用洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
食器の手洗いは、時間のかかる作業であり、それを行う多くの人は、食器類を片づけることができたときに完了するものであると考える。したがって、食器洗い及びすすぎ後の食器類の迅速な乾燥が非常に望ましい。乾燥は、水の硬度によって特に影響を受け、より低い硬度を有する水で食器類からの水のシーティング(sheeting)が減少する。家庭用硬水軟化剤の普及が進むにつれて、シーティング、したがって乾燥速度を改善する必要性が依然として大きくなっている。
【0003】
乾燥速度を改善するために四級化アクリルコポリマーを使用することが知られている。このようなコポリマーは、食器類からの水のシーティングを改善し、水のビーディング(beading)を改善することによって、乾燥速度を増加させる。
【0004】
しかしながら、このようなコポリマーを添加しても、特に軟水中で食器類を手洗いした後の乾燥時間を更に改善する必要性が依然としてある。アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含まない液体洗剤組成物におけるこのようなコポリマーの性能は、特に軟水条件において、比較的劣っていることも見出されている。したがって、高レベルのアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を使用して配合する必要なしに、食器類の手洗い後の乾燥時間を更に改善する必要性が依然としてある。
【0005】
国際公開第201836864(A)号は、四級化アクリルコポリマーと両性変性多糖とを含む硬質表面処理組成物であって、四級化アクリルコポリマーと両性変性多糖との重量比が0.75:1~3:1であり、四級化アクリルコポリマーが両性変性多糖とは異なる、硬質表面処理組成物に関する。欧州特許第3835399(A1)号は、界面活性剤系と、第1のポリマーと、第2のポリマーと、を含み、第1のポリマーがポリエチレンイミンである、硬質表面洗浄組成物、並びにガラス表面を洗浄するためのその組成物の使用に関する。米国特許出願公開第2003/0134770(A)号は、起泡増強剤及び起泡体積増大剤であるポリマー材料を含む液体洗剤組成物に関し、当該組成物は、手洗い中の油脂の再堆積を防止するための増大した有効性を有し、ポリマー材料は、起泡体積増強剤及び起泡耐久性増強剤として好適であり、有効量の四級窒素含有モノマー単位及び/又は双性イオン性モノマー単位含有ポリマー起泡増強剤を含む。欧州特許第3835399(A1)号は、界面活性剤系と、第1のポリマーと、第2のポリマーと、を含み、第1のポリマーがポリエチレンイミンである、硬質表面洗浄組成物に関する。米国特許出願公開第2010/0197553(A)号は、カチオン性ポリマーと湿潤剤とを含む液体食器手洗い用洗剤組成物、並びにこのような組成物を使用して食器類を洗浄する方法に関する。米国特許出願公開第2010/0197553(A)号に開示されているカチオン性ポリマーは、ビニルピロリドンと四級化ビニルメチルイミダゾリウムとのコポリマーであるポリクオタニウム16などの代替のカチオン性ポリマーを含む。四級化アクリルコポリマーと異なり、このようなポリマーは、エチレン性不飽和酸及び/又はこのような酸の塩を重合することにより生じるものではない。米国特許出願公開第2012/028872(A)号は、疎水性皮膚軟化剤と結晶性構造化剤とを有する液体洗剤組成物で食器類を洗浄して、改善された手のスキンケア効果並びに優れた油脂洗浄及び/又は起泡持続性を提供する方法に関する。米国特許出願公開第2012/028872(A)号は、低レベルの界面活性剤とポリクオタニウム11とを含む組成物を開示している。ポリクオタニウム11は、ジエチルサルフェートと、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマーとの反応によって形成されるポリマー四級アンモニウム塩である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第201836864(A)号
【特許文献2】欧州特許第3835399(A1)号
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0134770(A)号
【特許文献4】米国特許出願公開第2010/0197553(A)号
【特許文献5】米国特許出願公開第2012/028872(A)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、四級化アクリルコポリマーと、液体食器手洗い用洗剤組成物の5.0重量%~50重量%の界面活性剤系とを含む液体食器手洗い用洗剤組成物であって、界面活性剤系が、界面活性剤系の少なくとも40重量%のアニオン性界面活性剤と、組成物の3.0重量%超のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤とを含む、液体食器手洗い用洗剤組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
四級化アクリルコポリマーに加えて、本明細書に記載されるような界面活性剤系を液体組成物に配合することは、食器手洗い後の食器類の乾燥速度を更に改善することが見出された。
【0009】
本明細書で使用される場合、特許請求の範囲において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求される又は記載されるもののうちの1つ以上を意味すると理解される。
【0010】
本明細書で使用される場合、用語「含む」とは、特に言及したもの以外の工程、及び成分を付加できることを意味する。この用語は、「~からなる」及び「~から本質的になる」という用語を包含する。本発明の組成物は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載されるあらゆる追加若しくは任意の成分、構成要素、工程、又は制限事項を含み、これらからなり、あるいは、これらから本質的になることができる。
【0011】
本明細書で使用する場合、用語「食器類」は、非限定的な例として、セラミック、陶磁器、金属、ガラス、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)及び木材から製造された調理器具及び食卓用食器類を含む。
【0012】
本明細書で使用する場合、「油脂」又は「油脂性の」という用語は、物質が、少なくとも部分的に(すなわち、物質中の少なくとも0.5重量%の油脂)、飽和及び不飽和の脂肪及び油、好ましくは、牛肉、豚肉、及び/又は鶏肉等の動物性原料に由来する油及び脂肪を含んでいることを意味する。
【0013】
用語「含む(include/includes/including)」は、非限定的であることを意味する。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「粒子状汚れ」は、無機及びとりわけ有機の固体汚れ粒子、とりわけ食品粒子、非限定的な例としては、超微粒子状元素状炭素、焼成された油脂粒子、及び肉粒子を意味する。
【0015】
本明細書で使用する場合、用語「起泡プロファイル」は、食器洗いプロセスの間の起泡の特徴に関する組成物の特性を指す。組成物の「起泡プロファイル」という用語は、水性洗浄溶液中の組成物の溶解及び撹拌、典型的には手動撹拌の際に生成される初期起泡体積、並びに食器洗いプロセス中の起泡の保持を含む。好ましくは、「良好な起泡プロファイル」を有することを特徴とする食器手洗い用組成物は、特に食器手洗いプロセスのかなりの部分又は全体にわたって、大きな初期起泡体積及び/又は持続性の起泡体積を有する傾向がある。これは、消費者が起泡の大きさを十分な組成物が投入されたことの指標として使用することから、重要である。更に、消費者はまた、食器洗いプロセスの終盤に向かっていても、起泡体積が持続していることを、十分な活性洗浄成分(例えば、界面活性剤)が存在していることの指標として使用する。消費者は、通常、起泡が少なくなったときに洗浄溶液を新しくする。したがって、低起泡組成物は、起泡レベルが低いことから、消費者によって必要以上に頻繁に取り換えられる傾向がある。
【0016】
本明細書に記載され、かつ特許請求される、出願人らによる発明のパラメータのそれぞれの値を判定するには、本出願の試験方法の項に開示される試験方法が使用されなければならない点は理解されよう。
【0017】
特にそうでない旨が具体的に述べられない限り、文脈より明らかであるように、全ての割合は、組成物全体の重量に基づくものである。特にそうでない旨が具体的に述べられない限り、全ての比は重量比であり、全ての測定は、特に指定しない限り25℃で行われる。
【0018】
液体食器手洗い用洗剤組成物
本組成物は、液体食器手洗い用組成物である液体組成物であって、したがって液体形態である。液体食器手洗い用組成物は、好ましくは、水性組成物である。したがって、本組成物は、本組成物全体の50重量%~85重量%、好ましくは50重量%~75重量%の水を含むことができる。
【0019】
液体組成物は、20度℃の脱塩水中の10%水溶液として測定して、6.0超のpH、又は6.0~12.0、好ましくは7.0~11.0、より好ましくは7.5~10.0のpHを有する。
【0020】
本発明の組成物は、典型的には0.1s-1~100s-1である使用剪断速度範囲にわたって、ニュートン性又は非ニュートン性、好ましくはニュートン性であり得る。好ましくは、組成物は、典型的な使用剪断速度範囲にわたって、10mPa・s~10,000mPa・s、好ましくは100mPa・s~5,000mPa・s、より好ましくは300mPa・s~2,000mPa・s、又は最も好ましくは500mPa・s~1,500mPa・s、あるいはこれらの組み合わせの粘度を有する。
【0021】
四級化アクリルコポリマー
液体食器手洗い用洗剤は、四級化アクリルコポリマーを含む。本明細書で使用される「コポリマー」は、少なくとも2種の異なるモノマー組成物を含むポリマーを指す。四級化ポリマーは、構造NR4
+の正に荷電した多原子イオンである四級アンモニウム基を含み、Rはアルキル基又はアリール基である。アンモニウムイオン(NH4
+)及び一級、二級、又は三級アンモニウムカチオンとは異なり、四級アンモニウムカチオンは、それらの溶液のpHとは無関係に永久的に荷電している。
【0022】
組成物は、好ましくは、組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の四級化アクリルコポリマーを含む。
【0023】
四級化アクリルコポリマーは、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)を有することができる。
【0024】
四級化アクリルコポリマーは、カチオン電荷密度によって特徴付けられ得る。カチオン電荷密度は、化合物1グラム当たりの電荷のミリ当量(mEq/g)として典型的に表される。四級化アクリルコポリマーは、0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25mEq/gの平均カチオン電荷密度を有することができる。
【0025】
好ましくは、異なるタイプのモノマー単位は、四級化アクリルコポリマーにわたってランダムに分布している。
【0026】
四級化アクリルコポリマーは、好ましくは、カチオン性モノマー単位及びエチレン性不飽和モノマー単位に由来する。
【0027】
カチオン性モノマー単位は、以下から選択することができ、
CH2=CR1-Y-(CH2)n-N+R2R3R4X- (a)
式中、
各R1は、独立して、水素又はメチル、好ましくはメチルから選択され、
各R2は、独立して、C1~C4アルキル(アルキレン)、好ましくはCH2CH=CH2又はメチル、より好ましくはメチルから選択され、
各R3、R4は、独立して、C1~C4アルキル、好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはメチルから選択され、
各Yは、独立して、CO-NR5-(CH2)n、CO-O-(CH2)n、又は(CH2)n、好ましくはCO-NR5-(CH2)n又は(CH2)n、より好ましくはCO-NR5-(CH2)nから選択される、連結基であり、
式中、
各R5は、独立して、水素又はメチル、好ましくは水素から選択され、
nは、1~4の平均であり、好ましくは1又は3であり、より好ましくは3であり、
X-は、好適な対イオンであり、好ましくは、X-は、独立して、ハロゲン化物対イオン、より好ましくはCl-から選択される。
【0028】
連結基Yの選択は、四級化アクリルコポリマーを作製するのに使用される反応スキームに依存する。好ましくは、全てのYは同じである。好ましくは、全てのR5は同じである。
【0029】
カチオン性モノマー単位は、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。特に好ましいカチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)であり、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)が最も好ましい。DADMACを重合する場合、2つのポリマー構造(N-置換ピペリジン構造又はN-置換ピロリジン構造)が可能である。ピロリジン構造が好ましい(John,Wilson;et al.(2002),Synthesis and Use of PolyDADMAC for Water Purificationを参照のこと)。
【0030】
エチレン性不飽和モノマーは、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。C3~C8とは、エチレン性不飽和酸及び/若しくはその塩、又はC3~C8ヒドロキシアルキルアクリレートが、3~8個の炭素原子を含むことを意味する。
【0031】
好適なC3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩としては、(メタ)アクリル酸及びその混合物が挙げられ、アクリル酸が好ましい。好適な塩としては、アルカリ金属及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0032】
好適なC3~C8ヒドロキシアルキルアクリレートは、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、好ましくはエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、より好ましくはエチル(メタ)アクリレートからなる群から選択することができ、エチルアクリレートが最も好ましい。
【0033】
四級化アクリルコポリマーは、重合モノマーとして、エチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパン-スルホン酸、N-イソプロピルアミド、ビニルピロリドン、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加のモノマーを更に含むことができ、エチルアクリレート及び/又はビニルピロリドンが好ましく、エチルアクリレートが特に好ましい。
【0034】
追加のモノマーは、好ましくは、四級化アクリル中に存在する全モノマーの20モル%未満、好ましくは15モル%未満、より好ましくは10%未満のレベルで存在する。
【0035】
四級化アクリルコポリマーは、カチオン性モノマーとしてジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)を、エチレン性不飽和モノマーとしてのヒドロキシエチルアクリレートと共に含むことができる。このような四級化アクリルコポリマーは、追加のモノマーとしてビニルピロリドンを含むことができる。このような四級化アクリルコポリマーとしては、SolvayによってMirapol(登録商標)SURF-S FAST DRYの商品名で販売されているものが挙げられる。
【0036】
より好ましくは、四級化アクリルコポリマーは、カチオン性モノマーとして(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC又はMAPTAC)を、エチレン性不飽和モノマーとしてのアクリレート及び/又はエチルアクリレートと共に含むことができる。このような四級化アクリルコポリマーは、追加のモノマーとしてエチルアクリレートを含むことができる。このような四級化アクリルコポリマーとしては、BASFによってPolyquart(登録商標)の商品名で販売されているものが挙げられ、Polyquart149A(登録商標)が特に好ましい。
【0037】
界面活性剤系
液体組成物は、組成物全体の重量に基づいて、5.0重量%~50重量%、好ましくは6.0重量%~40重量%、最も好ましくは15重量%~35重量%の界面活性剤系を含む。
【0038】
アニオン性界面活性剤
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含む。界面活性剤系は、界面活性剤系の、少なくとも40重量%、好ましくは50重量%~80重量%、より好ましくは55重量%~70重量%のアニオン性界面活性剤を含む。このような脂肪酸は起泡の生成を妨げるため、界面活性剤系は、好ましくは脂肪酸又はその塩を含まない。
【0039】
好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸化界面活性剤、アルキルスルホネート界面活性剤、アルキルスルホサクシネート及びジアルキルスルホサクシネートエステル界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0040】
アニオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは100重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含むことができる。
【0041】
改善された油脂除去と向上された洗浄速度との組み合わせを提供するために、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤のモル平均アルキル鎖長は、8~18個、好ましくは10~14個、より好ましくは12~14個、最も好ましくは12~13個の炭素原子であり得る。
【0042】
アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤のアルキル鎖は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%のC12及びC13鎖のモル分率を有することができる。アルキル鎖のC13/C12モル比が少なくとも57/43、好ましくは60/40~90/10、より好ましくは60/40~80/20、最も好ましくは60/40~70/30であるとき、特に油脂汚れの存在下において、起泡持続性が特に改善されると同時に、粒子状汚れの存在における起泡持続性が損なわれることはない。
【0043】
アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤中のC13及びC12アルキル鎖の相対モル量は、アニオン性界面活性剤の炭素鎖長分布から導き出すことができる。アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤のアルキル鎖の炭素鎖長分布は、界面活性剤又はそれを構成するアルキルアルコールの供給元の技術データシートから入手することができる。代替的に、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を作製するために使用される脂肪族アルコールの鎖長分布及び平均分子量は、当該技術分野において既知の方法によって決定することもできる。このような方法としては、溶媒としてヘキサンを使用する、中極性キャピラリーカラム上での水素炎イオン化型検出器を備えたキャピラリーガスクロマトグラフィーが挙げられる。鎖長分布は、出発アルコール及びアルコキシル化アルコールに基づく。したがって、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、例えば塩酸を使用して、分析する前に加水分解して対応するアルキルアルコール及びアルキルアルコキシル化アルコールに戻さなければならない。
【0044】
アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、アルコキシル化されているか、又はアルコキシル化されていなくてもよい。アルコキシル化された場合、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、本発明の組成物の、低温下での物理的安定性を改善し、起泡持続性を改善するために、3.5未満、好ましくは0.3~2.0、より好ましくは0.5~0.9の平均アルコキシル化度を有することができる。アルコキシル化された場合、エトキシ化が好ましい。
【0045】
平均アルコキシル化度は、全てのアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤のアルコキシル化度のモル平均(すなわち、モル平均アルコキシル化度)である。したがって、モル平均アルコキシル化度を計算する場合、非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のモルが含まれ、
モル平均アルコキシル化度=(x1*界面活性剤1のアルコキシル化度+x2*界面活性剤2のアルコキシル化度+....)/(x1+x2+....)
式中、x1、x2、...は、混合物の各アルキル(又はアルコキシ)サルフェートアニオン性界面活性剤のモル数であり、アルコキシル化度は、各アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤中のアルコキシ基の数である。
【0046】
好ましいアルキルアルコキシサルフェートは、アルキルエトキシサルフェートである。
【0047】
アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、少なくとも10%、好ましくは20%~60%、より好ましくは25%~45%の重量平均分岐度を有し得る。
【0048】
アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、最も好ましくは少なくとも25重量%のC2位における分岐を含み得る(非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のサルフェート基から炭素原子をカウントし、アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のサルフェート基から最も遠いアルコキシ基からカウントして測定したとき)。より好ましくは、分岐鎖アルキル全量の75重量%超、更により好ましくは90重量%超が、C1~C5アルキル部分、好ましくはC1~C2アルキル部分からなる。前述の分岐度を有するアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を使用して本発明の組成物を配合した結果、低温下での安定性が改善されることが判明した。このような組成物は、低温における良好な物理的安定性を達成するために必要な溶媒がより少ない。したがって、組成物は、依然として改善された低温安定性を有しながら、液体組成物の重量の5.0重量%未満という、より低いレベルの有機溶媒を含み得る。界面活性剤の分岐がより多いことによっても、初期起泡生成がより速くなるが、典型的には、起泡持続性が低くなる。本明細書に記載される重量平均分岐は、改善された低温安定性、初期泡生成、及び起泡持続性を提供することが判明している。
【0049】
アニオン性界面活性剤混合物の重量平均分岐度は、以下の式を使用して計算することができ、
重量平均分岐度(%)=[(x1*アルコール1中の分岐鎖アルコール1の重量%+x2*アルコール2中の分岐鎖アルコール2の重量%+....)/(x1+x2+....)]*100
式中、x1、x2、...は、アルキル(アルコキシ)サルフェートアニオン性界面活性剤を生成するために(アルコキシル化及び)硫酸化の前に出発物質として用いたアルコールの全アルコール混合物中の各アルコールの重量(グラム)である。重量平均分岐度の計算では、分岐していないアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を形成するために使用されたアルキルアルコールの重量が含まれる。
【0050】
重量平均分岐度及び分岐分布は、通常、界面活性剤又はそれを構成するアルキルアルコールの技術データシートから得ることができる。代替的に、分岐は、溶媒としてヘキサンを使用する、中極性キャピラリーカラム上での水素炎イオン化型検出器を備えたキャピラリーガスクロマトグラフィーを含む、当該技術分野において既知の分析方法を通して判定することもできる。重量平均分岐度及び分岐分布は、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を生成するために使用した出発アルコールに基づく。
【0051】
好適な対イオンとしては、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アルカノールアンモニウム、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。
【0052】
市販のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の好適な例としては、Shellによって商品名Neodol(登録商標)で、若しくはSasolによって商品名Lial(登録商標)、Isalchem(登録商標)、及びSafol(登録商標)で販売されているアルコールに由来するもの、又はProcter&Gamble Chemicals社によって生成された天然アルコールのうちのいくつかが挙げられる。供給元からの技術データシートから又は当該技術分野において既知の方法を使用した分析から得られた、出発アルコール内のC13及びC12の相対分率に基づいて、C12及びC13鎖の所望のモル分率及び所望のC13/C12比を実現するためにアルコールをブレンドすることができる。
【0053】
最終製品の油脂洗浄、起泡、低温安定性、及び粘度を含む性能は、アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルコキシル化分布の幅によって影響され得る。アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を作製するときの触媒及びプロセス条件の選択を通して、アルコキシル化分布を、その幅の広さを含めて変化させることができる。
【0054】
理論によって拘束されることを望まないが、エトキシ化アルキルサルフェートが存在する場合、アルコキシル化、とりわけエトキシ化工程及び硫酸化工程の両方の間に、処理条件及び原料物質の組成を厳密に管理することにより、アルコキシル化、とりわけエトキシ化アルキルサルフェート内の1,4-ジオキサン副生物の量を低減させることができる。近年の技術進歩に基づいて、1,4-ジオキサン副生物の更なる低減は、その後のストリッピング、蒸留、溶媒蒸発、遠心分離、マイクロ波照射、分子ふるいがけ、又は接触分解工程若しくは酵素分解酵素工程により実現することができる。アルコキシル化/エトキシ化アルキルサルフェート内の1,4-ジオキサン含量を管理するプロセスは、当該技術分野において広く記載されている。代替として、5,6-ジヒドロ-3-(4-モルホリニル)-1-[4-(2-オキソ-1-ピペリジニル)-フェニル]-2-(1-H)-ピリドン、コラン酸の3-アルファ-ヒドロキシ-7-オキソ立体異性体混合物、3-(N-メチルアミノ)-L-アラニン及びこれらの混合物等の1,4-ジオキサン阻害剤を、1,4-ジオキサンを含む配合物に添加することによる、洗剤配合物内の1,4-ジオキサンレベルの管理もまた、当該技術分野において記載されている。
【0055】
本明細書での使用に好適なアニオン性アルキルスルホネート又はスルホン酸界面活性剤としては、酸及び塩形態の、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエステルスルホネート、一級及び二級アルカンスルホネート(パラフィンスルホネートなど)、アルファ又は内部オレフィンスルホネート、アルキルスルホン化(ポリ)カルボン酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適なアニオン性スルホネート又はスルホン酸界面活性剤としては、C5~C20アルキルベンゼンスルホネート、より好ましくはC10~C16アルキルベンゼンスルホネート、より好ましくはC11~C13アルキルベンゼンスルホネート、C5~C20アルキルエステルスルホネート、特にC5~C20メチルエステルスルホネート、C6~C22一級若しくは二級アルカンスルホネート、C5~C20スルホン化(ポリ)カルボン酸、及びこれらの任意の混合物を含むが、好ましくはC11~C13アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。上記界面活性剤は、その2-フェニル異性体含有率が幅広く異なり得る。アルファオレフィンのスルホン化と比較して、内部オレフィンのスルホン化は、二重結合がランダムに位置付けられるためいずれの位置でも起こることができ、これにより、IOSの親水性スルホネート及びヒドロキシル基の位置がアルキル鎖の中央になることで、様々なツインテイル分岐構造が得られる。アルカンスルホネートとしては、パラフィンスルホネート及び他の二級アルカンスルホネート(ClariantからのHostapur SAS60など)が挙げられる。
【0056】
アルキルスルホサクシネート及びジアルキルスルホサクシネートエステルは、式MO3SCH(CO2R’)CH2CO2Rを有する有機化合物であり、R及びR’は、H又はアルキル基であり得、Mは、ナトリウム(Na)などの対イオンである。アルキルスルホサクシネート及びジアルキルスルホサクシネートエステル界面活性剤は、アルコキシル化又は非アルコキシル化、好ましくは非アルコキシル化であり得る。この界面活性剤系は、更なるアニオン性界面活性剤を含み得る。しかしながら、本組成物は、好ましくは、界面活性剤系の30重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の更なるアニオン性界面活性剤を含む。最も好ましくは、界面活性剤系は、更なるアニオン性界面活性剤を含まず、好ましくはアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤以外のアニオン性界面活性剤を含まない。
【0057】
補助界面活性剤
希釈後の界面活性剤の充填を改善し、ひいては起泡持続性を改善するために、界面活性剤系は、補助界面活性剤を含み得る。補助界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0058】
アニオン性界面活性剤対補助界面活性剤の重量比は、1:1~8:1、好ましくは2:1~5:1、より好ましくは2.5:1~4:1であり得る。
【0059】
組成物は、好ましくは、組成物の0.1重量%~20重量%、より好ましくは0.5重量%~15重量%、特に2重量%~10重量%の補助界面活性剤を含む。本発明の組成物の界面活性剤系は、好ましくは、界面活性剤系の最大50重量%、好ましくは5重量%~40重量%、より好ましくは10重量%~30重量%の補助界面活性剤を含む。
【0060】
補助界面活性剤は、好ましくは両性界面活性剤、より好ましくはアミンオキシド界面活性剤である。
【0061】
アミンオキシド界面活性剤は、直鎖であっても分岐鎖であってもよいが、直鎖が好ましい。好適な直鎖状アミンオキシドは、典型的には、水溶性であり、式R1-N(R2)(R3)O(式中、R1は、C8~18アルキルであり、R2及びR3部分は、C1~3アルキル基、C1~3ヒドロキシアルキル基、及びこれらの混合物からなる群から選択される)によって特徴付けられる。例えば、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピル、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができるが、R2及びR3の一方又は両方がメチルであることが好ましい。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖状C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0062】
好ましくは、アミンオキシド界面活性剤は、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。C8~18アルキルジメチルアミンオキシド、又はC10~16アルキルジメチルアミンオキシド(ココジメチルアミンオキシドなど)などのアルキルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。好適なアルキルジメチルアミンオキシドとしては、C10アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C10~12アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C12~C14アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。
【0063】
代替的な好適なアミンオキシド界面活性剤としては、中分岐鎖アミンオキシド界面活性剤が挙げられる。本明細書で使用する場合、「中分岐鎖状」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、アルキル部分における1つのアルキル分岐は、n2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分岐は、アルキル部分上の窒素からアルファ炭素上に位置する。アミンオキシドのこの種の分岐は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても既知である。n1とn2との合計は、10~24個、好ましくは12~20個、より好ましくは10~16個の炭素原子であってもよい。1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、好ましくは、1つのアルキル分岐(n2)と炭素原子数が同じか又は類似しており、それによりその1つのアルキル部分とその1つのアルキル分岐とが対称となるようになっている。本明細書で使用する場合、「対称」とは、本明細書で使用される中分岐鎖状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%~100重量%において、|n1-n2|が5個以下、好ましくは4個、最も好ましくは0~4個の炭素原子であることを意味する。アミンオキシドは、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル基、又は平均で約1~約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、それらの2つの部分は、C1~3アルキルから選択され、より好ましくは、いずれもがC1アルキルとして選択される。
【0064】
代替的に、アミンオキシド界面活性剤は、ローカットアミンオキシド及びミッドカットアミンオキシドの混合物を含む、アミンオキシドの混合物であってもよい。それゆえ、本発明の組成物のアミンオキシドは、
a)アミンオキシドの重量に基づいて、約10重量%~約45重量%の式R1R2R3AO(式中、R1及びR2は、独立して、水素、C1~C4アルキル、又はこれらの混合物から選択され、R3は、C10アルキル及びこれらの混合物から選択される)のローカットアミンオキシドと、
b)アミンオキシドの55重量%~90重量%の式R4R5R6AO(式中、R4及びR5は、独立して、水素、C1~C4のアルキル、又はこれらの混合物から選択され、R6は、C12~C16のアルキル又はこれらの混合物から選択される)であるミッドカットアミンオキシドと、を含むことができる。
【0065】
本明細書での使用に好ましいローカットアミンオキシドでは、R3はn-デシルであり、好ましくはR1及びR2の両方がメチルである。式R4R5R6AOのミッドカットアミンオキシドでは、好ましくはR4及びR5の両方がメチルである。
【0066】
好ましくは、アミンオキシドは、アミンオキシドの重量に基づいて、約5重量%未満、より好ましくは3重量%未満の式R7R8R9AO(式中、R7及びR8は水素、C1~C4のアルキル及びこれらの混合物から選択され、R9はC8のアルキル及びこれらの混合物から選択される)のアミンオキシドを含む。式R7R8R9AOのアミンオキシドの量を制限することにより、物理的安定性及び起泡持続性の両方が改善される。
【0067】
好適な双性イオン性界面活性剤としては、ベタイン界面活性剤が挙げられる。このようなベタイン界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインが挙げられ、好ましくは式(I)を満たし、
R1-[CO-X(CH2)n]x-N+(R2)(R3)-(CH2)m-[CH(OH)-CH2]y-Y-
式(I)中、
R1は、飽和又は不飽和のC6~22アルキル残基、好ましくは、C8~18アルキル残基、より好ましくは、飽和C10~16アルキル残基、最も好ましくは、飽和C12~14アルキル残基からなる群から選択され、
Xは、NH、NR4(式中、R4は、C1~4アルキル残基である)、O、及びSからなる群から選択され、
nは、1~10、好ましくは2~5、より好ましくは3の整数であり、
xは、0又は1、好ましくは1であり、
R2及びR3は、独立して、C1~4アルキル残基、ヒドロキシエチルなどの置換されているヒドロキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、R2及びR3の両方がメチルであり、
mは、1~4の整数、好ましくは1、2、又は3の整数であり、
yは、0又は1であり、
Yは、COO、SO3、OPO(OR5)O、又はP(O)(OR5)O(式中、R5は、H又はC1~4アルキル残基である)からなる群から選択される。
【0068】
好ましいベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドプロピルベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインであり、
R1-N+(CH3)2-CH2COO- (IIa)
R1-CO-NH-(CH2)3-N+(CH3)2-CH2COO- (IIb)
R1-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3
- (IIc)
R1-CO-NH-(CH2)3-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3
- (IId)
式中、R1は、式(I)中と同じ意味を有する。特に好ましいのは、式(Ia)及び(Ib)のカルボベタイン[すなわち、式(I)中、Y-はCOO-である]であり、より好ましいのは、式(Ib)のアルキルアミドベタインである。
【0069】
好適なベタインは、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、セチルベタイン、セチルアミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、デシルベタイン、デシルアミドプロピルベタイン、水素添加タローベタイン/アミドプロピルベタイン、イソステアルアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアドプロピルベタイン、オレイルベタイン、パームアミドプロピルベタイン、パルミトアミドプロピルベタイン、パーム核アミドプロピルベタイン、ステアルアミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、ウンデシルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができるか、又は[INCIに従って命名される]。好ましいベタインは、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。コカミドプロピルベタインが特に好ましい。
【0070】
非イオン性界面活性剤:
界面活性剤系は、組成物の3.0重量%超のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を更に含む。界面活性剤系は、好ましくは、組成物の3.5重量%~10重量%、より好ましくは4.0重量%~7.5重量%のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む。
【0071】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及びアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を、9:1未満、好ましくは7:1~1:1、より好ましくは5:1~2:1の重量比で含むことができる。
【0072】
液体食器手洗い用洗剤組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の重量に基づいて、少なくとも5重量%、好ましくは5重量%~35重量%、より好ましくは10重量%~30重量%のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0073】
好ましくは、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくは、そのアルキル鎖において平均で9~15個、好ましくは10~14個の炭素原子、及びアルコール1モル当たり平均で5~12、好ましくは6~10、最も好ましくは7~8単位のアルキレンオキシドを含む、直鎖又は分岐状の、好ましくは直鎖の、一級又は二級のアルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤、好ましくはアルキルエトキシ化非イオン性界面活性剤である。アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくは、エトキシ化及び/又はプロポキシル化されており、より好ましくはエトキシ化されている。
【0074】
界面活性剤系は、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤などの更なる非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0075】
アルキルポリグルコシドと、アニオン性界面活性剤、特にアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との組み合わせは、重合油脂除去、起泡持続性能、界面活性剤及び/又は系の変化による粘度変化の低減、並びにより持続的なニュートンレオロジーを改善することが見出されている。
【0076】
アルキルポリグルコシド界面活性剤は、C6~C18アルキルポリグルコシド界面活性剤から選択することができる。アルキルポリグルコシド界面活性剤は、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.2~1.6の数平均重合度を有することができる。アルキルポリグルコシド界面活性剤は、10個以下の炭素原子を含むアルキル鎖を有する短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と、10個超の炭素原子~18個の炭素原子、好ましくは12~14個の炭素原子を含むアルキル鎖を有する中鎖から長鎖のアルキルポリグルコシド界面活性剤とのブレンドを含むことができる。
【0077】
短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤は、C8~C10の単モーダル鎖長分布を有し、中鎖から長鎖のアルキルポリグルコシド界面活性剤は、C10~C18の単モーダル鎖長分布を有する一方、中鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤は、C12~C14の単モーダル鎖長分布を有する。対照的に、C8~C18アルキルポリグルコシド界面活性剤は、通常、C8~C16などのような、C8~C18のアルキル鎖の単モーダル分布を有する。したがって、短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と中鎖から長鎖又は中鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤との組み合わせは、ブレンドされていないC8~C18アルキルポリグルコシド界面活性剤よりも、幅広い鎖長分布を有するか、又は更にはバイモーダル分布を有する。好ましくは、短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と長鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤との重量比は、1:1~10:1、好ましくは1.5:1~5:1、より好ましくは2:1~4:1である。このような短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と長鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤とのブレンドは、起泡安定性の改善と組み合わされた、水中での洗剤溶液の一層迅速な溶解及び初期起泡の改善をもたらす。
【0078】
C8~C16アルキルポリグルコシドは、いくつかの供給元から市販されている(例えば、Seppic CorporationからのSimusol(登録商標)界面活性剤、並びにBASF CorporationからのGlucopon(登録商標)600 CSUP、Glucopon(登録商標)650 EC、Glucopon(登録商標)600 CSUP/MB、及びGlucopon(登録商標)650 EC/MB)。Glucopon(登録商標)215UPは、好ましい短鎖APG界面活性剤である。Glucopon(登録商標)600CSUPは、好ましい中鎖から長鎖のAPG界面活性剤である。
【0079】
存在する場合、アルキルポリグルコシドは、界面活性剤組成物の0.5重量%~20重量%、好ましくは0.75重量%~15重量%、より好ましくは1重量%~10重量%、最も好ましくは1重量%~5重量%の濃度で界面活性剤系中に存在し得る。アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤は、典型的には、アルキルエトキシル化アルコールなどの他の非イオン性界面活性剤よりも起泡性が高い。
【0080】
他の好ましい組成物では、アルキルポリグルコシドは、組成物の2.0重量%未満、好ましくは1.0重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満のレベルで存在する。
【0081】
更により好ましい組成物では、組成物は更なる非イオン性界面活性剤を含まない。
【0082】
更なる成分:
本組成物は、両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン、環状ポリアミン、トリブロックコポリマー、ヒドロトロープ、有機溶媒、本明細書に記載されているものなどの他の補助成分、及びこれらの混合物から選択されるものなどの更なる成分を含むことができる。
【0083】
両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン:
本発明の組成物は、組成物全体の0.05重量%~2重量%、好ましくは0.07重量%~1重量%の両親媒性ポリマーを更に含むことができる。好適な両親媒性ポリマーは、両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、その液体組成物を洗浄前に洗浄用具(スポンジなど)に直接添加し、その後、ひどく油脂で汚れた表面と接触するとき、とりわけ、洗浄用具が少量~ゼロの水を含むとき、例えば、予め軽く湿らせたスポンジを使用するときに、洗浄される硬質表面上におけるゲル形成を低減することが判明している。
【0084】
好ましい両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、式(I)の一般構造を有し、
【0085】
【化1】
式中、ポリエチレンイミン主鎖は、重量平均分子量600を有しており、式(I)のnは平均10であり、式(I)のmは平均7であり、式(I)のRは、水素、C
1~C
4アルキル、及びこれらの混合物、好ましくは水素から選択される。式(I)の永久的な四級化度は、ポリエチレンイミン骨格の窒素原子の0%~22%であってもよい。この両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーの分子量は、好ましくは、10,000~15,000Daである。
【0086】
より好ましくは、両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、式(I)の一般構造を有しているが、ポリエチレンイミン骨格は、重量平均分子量600Daを有しており、式(I)のnは平均24であり、式(I)のmは平均16であり、式(I)のRは、水素、C1~C4アルキル、及びこれらの混合物、好ましくは水素から選択される。式(I)の永久的な四級化度は、ポリエチレンイミン骨格の窒素原子の0%~22%であってもよく、好ましくは0%である。この両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーの分子量は、好ましくは25,000~30,000、最も好ましくは28,000Daである。
【0087】
両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、国際公開第2007/135645号により詳細に記載されている方法によって作製することができる。
【0088】
代替的に、組成物は、両親媒性ポリマーを含まなくてもよい。
【0089】
環状ポリアミン
本組成物は、洗浄の一助となるアミン官能基を有する環状ポリアミンを含むことができる。本発明の組成物は、好ましくは、組成物全体の0.1重量%~3重量%、より好ましくは0.2重量%~2重量%、とりわけ0.5重量%~1重量%の環状ポリアミンを含む。
【0090】
環状ポリアミンは、少なくとも2つの一級アミン官能基を有する。一級アミンは、環状アミン内の任意の位置に存在してもよいが、油脂洗浄の観点から、一級アミンが1、3位に存在するときにより良好な性能が得られることが分かっている。置換基のうちの1個が-CH3であり、残りがHである環状アミンが、改善された油脂洗浄性能を提供することも判明している。
【0091】
したがって、本発明の組成物で使用するのに最も好ましい環状ポリアミンは、2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される環状ポリアミンである。これら特定の環状ポリアミンは、本発明の組成物の界面活性剤系と共に配合されたとき、食器洗いプロセス全体を通して起泡及び油脂洗浄プロファイルを改善する機能を有する。
【0092】
好適な環状ポリアミンは、Baxxodurという商標名で、BASFにより供給され得、Baxxodur ECX-210が特に好ましい。
【0093】
環状ポリアミン及び硫酸マグネシウムの組み合わせが特に好ましい。したがって、本組成物は、当該組成物の0.001重量%~2.0重量%、好ましくは0.005重量%~1.0重量%、より好ましくは0.01重量%~0.5重量%のレベルの硫酸マグネシウムを更に含むことができる。
【0094】
トリブロックコポリマー
本発明の組成物は、トリブロックコポリマーを含むことができる。トリブロックコポリマーは、組成物全体の1重量%~20重量%、好ましくは3重量%~15重量%、より好ましくは5重量%~12重量%のレベルで存在することができる。好適なトリブロックコポリマーは、式(I):(EO)x(PO)y(EO)xによるアルキレンオキシド部分を有するトリブロックコポリマーとして定義される、アルキレンオキシドトリブロックコポリマーを含み、EOは、エチレンオキシドを表し、xはそれぞれ、EOブロック内のEO単位の数を表す。xはそれぞれ、独立して、平均で5~50、好ましくは10~40、より好ましくは10~30とすることができる。好ましくは、xは、両EOブロックについて同じであり、「同じ」とは、2つのEOブロック間でxの差が最大2単位以内、好ましくは最大1単位以内であり、より好ましくは、両xが同じ単位数であることを意味する。POは、プロピレンオキシドを表し、yは、POブロック中のPO単位の数を表す。yはそれぞれ、平均で28~60、好ましくは30~55、より好ましくは30~48とすることができる。
【0095】
好ましくは、トリブロックコポリマーの、yの各xに対する比は、3:1~2:1である。トリブロックコポリマーの、yの2つのEOブロックの平均xに対する比は、好ましくは3:1~2:1である。好ましくは、トリブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーの30重量%~50重量%となる全E-Oの平均重量割合を有する。好ましくは、トリブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーの50重量%~70重量%となる全POの平均重量割合を有する。トリブロックコポリマーの場合のEO及びPOの平均総重量%は合計100%になることが理解される。トリブロックコポリマーは、2060~7880、好ましくは2620~6710、より好ましくは2620~5430、最も好ましくは2800~4700の平均分子量を有することができる。平均分子量は、1H NMR分光法(Thermo scientific application note No.AN52907を参照)を用いて求められる。
【0096】
トリブロックコポリマーは、基本構造ABAを有し、A及びBは異なるホモポリマー及び/又はモノマーの単位である。この場合、Aはエチレンオキシド(EO)であり、Bはプロピレンオキシド(PO)である。当業者は、語句「ブロックコポリマー」が「ブロックポリマー」のこの定義と同義であることを認識するであろう。
【0097】
特定のEO/PO/EO配置及びそれぞれのホモポリマーの長さを有する式(I)によるトリブロックコポリマーは、脂性汚れの存在下における液体食器手洗い用洗剤組成物の起泡持続性能及び/又は洗浄プロセスにおける希釈全体にわたる起泡の稠度を増強することが見出されている。
【0098】
好適なEO-PO-EOトリブロックコポリマーは、例えばPluronic(登録商標)PEシリーズとしてBASFから、また、例えばTergitol(商標)LシリーズとしてDow Chemical Companyから市販されている。BASF製の特に好ましいトリブロックコポリマーは、商標名Pluronic(登録商標)PE6400(MW約2900、約40重量%EO)及びPluronic(登録商標)PE9400(MW約4600、40重量%EO)で販売されている。Dow Chemical Company製の特に好ましいトリブロックコポリマーは、商標名Tergitol(商標)L64(MW約2700、約40重量%EO)で販売されている。
【0099】
好ましいトリブロックコポリマーは、好気条件下で容易に生分解する。
【0100】
塩、ヒドロトロープ、有機溶媒
本発明の組成物は、i)塩、ii)ヒドロトロープ、iii)有機溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの活性物質を更に含み得る。
【0101】
本発明の組成物は、組成物全体の約0.05重量%~約2重量%、好ましくは約0.1重量%~約1.5重量%、又はより好ましくは約0.5重量%~約1重量%の塩、好ましくは一価若しくは二価の無機塩、又はこれらの混合物、より好ましくは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物から選択される塩を含み得る。塩化ナトリウムが最も好ましい。
【0102】
本発明の組成物は、組成物全体の約0.1重量%~約10重量%、又は好ましくは約0.5重量%~約10重量%、又はより好ましくは約1重量%~約10重量%のヒドロトロープ又はその混合物、好ましくはクメンスルホン酸ナトリウムを含み得る。
【0103】
組成物は、組成物全体の重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%、又は好ましくは約0.5重量%~約10重量%、又はより好ましくは約1重量%~約10重量%の有機溶媒を含み得る。好適な有機溶媒としては、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、及びこれらの混合物、好ましくはアルコール、グリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒が挙げられる。エタノールが好ましいアルコールである。ポリアルキレングリコール、特にポリプロピレングリコールは、好ましいグリコールであり、750Da~1,400Daの重量平均分子量を有するポリプロピレングリコールが特に好ましい。
【0104】
補助成分
組成物は、任意に、ビルダー(好ましくはクエン酸塩)、キレート剤、コンディショニングポリマー、他の洗浄ポリマー、表面改質ポリマー、構造化剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、皮膚若返り活性物質、酵素、カルボン酸、スクラブ粒子、香料、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、真珠光沢粒子、Ca/Mgイオンなどのアルカリ土類金属などの無機カチオン、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤(例えば、NaCl、並びに他の一価、二価、及び三価の塩などの塩)、並びにpH調整剤及び緩衝手段(例えば、クエン酸などのカルボン酸、HCl、NaOH、KOH、アルカノールアミン、及び炭酸ナトリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩などの炭酸塩)などの多くの他の補助成分を含み得る。
【0105】
パッケージ製品
食器手洗い用洗剤組成物は、容器、典型的には、プラスチック容器に包装することができる。好適な容器は、オリフィスを含む。典型的には、容器は、キャップを備え、オリフィスは、典型的には、キャップ上に備えられる。キャップは、注入口を備えることができ、オリフィスは、注入口の出口にある。注入口は、0.5mm~10mmの長さを有することができる。
【0106】
オリフィスは、出口で3mm2~20mm2、好ましくは3.8mm2~12mm2、より好ましくは5mm2~10mm2の開放断面積を有することができ、容器は、本発明による組成物を更に含む。断面積は、容器からの液体出口に垂直(すなわち、分配中に液体流に垂直)に測定される。
【0107】
容器は、典型的には、200mL~5,000mL、好ましくは350mL~2000mL、より好ましくは400mL~1,000mLの液体食器手洗い用洗剤組成物を含むことができる。
【0108】
洗浄方法
本発明は、更に、本発明の組成物で食器類を手作業で洗う方法を対象とする。本方法は、本発明の組成物を所定の体積の水に供給して洗浄溶液を形成する工程と、溶液中に食器類を浸漬する工程と、を含む。食器類は、水の存在下において組成物で洗浄される。
【0109】
所望により、食器類をすすいでもよい。本明細書では、「すすぐ」とは、本発明によるプロセスで洗浄された食器類を、かなりの量の適切な溶媒、典型的には水と接触させることを意味する。「かなりの量」とは、通常、約1~約20L又は流水下を意味する。
【0110】
本明細書の組成物は、その希釈形態で適用され得る。汚れた食器類を、有効量の、典型的には(処理される食器約25個当たり)約0.5mL~約20mL、好ましくは約3mL~約10mLの、水で希釈した本発明の組成物と、好ましくは液体形態で接触させる。使用される組成物の実際の量は、ユーザの判断に基づき、典型的には、組成物中の活性成分の濃度を含む組成物の特定の製品配合、洗浄される汚れた食器の数、食器の汚れの程度などの要因に依存する。一般に、約0.01mL~約150mL、好ましくは約3mL~約40mLの本発明の組成物を、シンク内の約2,000mL~約20,000mL、より典型的には約5,000mL~約15,000mLの水と合わせる。このように得られた希釈された組成物の入ったシンク内に汚れた食器類を浸漬した後、食器類の汚れた表面を、布、スポンジ、又は類似の洗浄用具と接触させる。布、スポンジ、又は類似の洗浄用具を、食器類と接触させる前に組成物と水との混合物に浸漬してもよく、典型的には、約1~約10秒間の範囲の時間にわたって食器類と接触させるが、実際の時間は各用途及びユーザによって異なる。布、スポンジ、又は類似の洗浄用具を食器類と接触させることは、同時に食器類をこすることを伴う。
【0111】
代替的に、処理される食器に、その未希釈形態の本明細書における組成物を適用することができる。「その未希釈形態で」とは、本明細書において、当該組成物が、適用前(直前)にユーザによって著しく希釈されることなく、処理される表面に、あるいはブラシ、スポンジ、不織材料若しくは織布材料などの洗浄装置又は用具に直接適用されることを意味する。「その未希釈形態で」はまた、例えば、洗浄用装置上の水の存在、又は瓶から組成物の残存量を除去するための消費者による水の添加に起因する、わずかな希釈を含む。したがって、未希釈形態の組成物は、ユーザの習慣及び洗浄作業に応じて、50:50~100:0、好ましくは70:30~100:0、より好ましくは80:20~100:0、更により好ましくは90:10~100:0の範囲の比で、組成物と水とを有する混合物を含む。
【0112】
方法
A)ゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定
多角度光散乱(MALS)及び屈折率(RI)検出を備えたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(GPC-MALS/RI)は、既知の参照標準との比較を必要とせずに、ポリマーの重量平均分子量Mw、及び数平均分子量Mnを直接測定するための周知のシステムである。
【0113】
ポリマーの真の数平均分子量Mnは、組成、したがって屈折率増分が溶出体積と共に変化する場合であっても、採取したスライスが分子量及び組成に関して十分に単分散であるならば、光散乱検出及び屈折率検出と組み合わせたGPCによって得ることができる。
【0114】
例えば、ポリマーの分子量分布は、OpenLab Chemstationソフトウェア(Agilent Technology、Santa Clara、CA、USAから)を備えたAgilent 1260 Infinityポンプシステムなどの液体クロマトグラフィーシステムを使用して測定することができ、このシステムは、直列で使用される2つのウルトラハイドロゲルリニアカラム7.8mmID×300mm長さ(S/N 002C180181 VE077及び005C180181 VE084、Waters Corporation of Milford、Mass.、USAによる提供)と、任意の不純物及び浮遊固形物が分析カラムに到達するのを防止するためにインジェクターと分析カラムとの間に設置されたウルトラハイドロゲルガードカラム(6mmID×40mm長さ、S/N2016260401BE105、Waters Corporation of Milford、Mass.、USAによる提供)と、を備え、40℃で操作される。Wyatt Astra(登録商標)ソフトウェアによって制御される多角度光散乱(MALS)検出器DAWN(登録商標)及び示差屈折率(RI)検出器(Wyatt Technology of Santa Barbara、Calif.、USA)を検出に使用することができる。
【0115】
分析物は比較的狭い時間窓にわたって広がるため、勾配(gradient)溶出法ではなく定組成(isocratic)溶出法を使用することができる。定組成とは、移動相の混合物が完全な試験時間にわたって一貫していることを意味する。勾配を使用することは、溶離混合物の配合が測定中に変化し、したがって分析物の保持に影響を及ぼすことを意味する。勾配法を使用する場合、分離は加速又は減速することができる。
【0116】
0.02%アジ化ナトリウムを含有する水における0.1M硝酸ナトリウムを移動相として使用する。試料は、ポリマーを移動相に約1.0mg/mlで溶解し、溶液を室温で一晩混合してポリマーの完全な水和を確実にすることで調製する。次いで、試料を0.8μmのVersaporメンブレンフィルター(AP4189、PALL、Life Sciences、NY、USAによって供給)を通して、3mlシリンジを使用してLCオートサンプラーバイアル内に濾過する。次いで、試料を1.0mL/分の流速でカラム内に注入する。
【0117】
ポリマーの数平均分子量及び重量平均分子量は、Astra検出器ソフトウェアによって提供されるdn/dc(濃度による屈折率の示差的変化)測定値から計算される。
【0118】
B)水シーティング
乾燥速度は、水シーティングの程度に関連する。水シーティングが高いほど、湿った物品上に保持される水は少なくなる。
【0119】
水シーティング挙動は、灰色のセラミックプレート(「Dinera」プレート、26cm径、IKEAから供給)を食器手洗い用洗剤試験組成物で洗浄し、続いてそれらを乾燥ラック上に垂直に置いたままにした場合にプレート上で観察される水シーティングの量をスコア化することで評価する。より具体的には、
スポンジ(3M Belgiumによって供給されるScotch-Brite(登録商標)Classic-schuurspons van cellulose、寸法:7cm×10cm)を、硬度0.36mmol/l CaCO3当量の水で、25℃で、スポンジを水で飽和させた後、更なる水が絞り出されなくなるまで手で絞ることによって、均一に濡らす。
【0120】
1mlの食器手洗い用組成物をスポンジ上に均一に分布させる。スポンジを、セラミックプレートの上で片手を用いて全力で4回手で絞って泡を作り、その後、プレート全体が泡で処理されるように、プレートの縁部及び中央部分を覆う10回の円形の時計回りの動きでプレートを洗浄する。
【0121】
次いで、プレートを、完全な泡の除去及び水による完全な被覆を可能にするのに十分な流量で、流水(前と同じ水硬度(0.36mmol/l CaCO3当量)を有する25℃の水)下で、30秒間すすぎ、その後、プレートを標準室内条件(20+/-1℃)下で乾燥ラック上に垂直に置く。
【0122】
次いで、プレートを流下する水を視覚的に評価し、最初の30秒間にプレートを流下し、したがって、すでに乾燥したプレートの領域を残す水の量に応じて0~100%のスコアを付ける。0%はプレート全体に残っている水に対応し、50%はプレートの半分が水の膜で覆われていることを示し、100%は水の膜が目に見えて存在しないことを示す。
【実施例0123】
以下の組成物を調製し、本明細書に記載の方法を用いて、それらの水シーティング挙動について評価した。迅速な水シーティングは、すすぎ後の迅速な乾燥の指標である。
【0124】
表1の組成物において、比較例A及びBは、例Bが本発明において有用な四級化アクリルコポリマーを組成物の0.5重量%含んでいたことを除いて、同じ組成を有していた。どちらの組成物もアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含んでいなかったため、両方の組成物は比較用である。比較例Bは、比較用食器手洗い組成物中の四級化アクリルコポリマーの乾燥効果を示す(改善されたシーティング効果によって証明される)。
【0125】
比較例Cは、比較例Bと同じ全体レベルの界面活性剤を含んでいたが、アニオン性界面活性剤及び補助界面活性剤の一部を、組成物の1.7重量%のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤で置き換えたものであった。アニオン性界面活性剤と補助界面活性剤との比を、比較組成物BとCとの間で3:1で一定に保った。比較試験は、水シーティング効果が減少することを示す。比較例Dは、比較例Cと同じ全体レベルの界面活性剤を含んでいたが、アニオン性界面活性剤及び補助界面活性剤のレベルを減少させて、補助界面活性剤に対するアニオン性界面活性剤の同じ比を維持し、非イオン性界面活性剤のレベルを3.0%に増加させた。比較例Dからの水シーティング結果を比較例Cと比較すると、非イオン性レベルを組成物の3.0重量%に増加させると、水シーティングがわずかに改善されることが示される。
【0126】
対照的に、比較例Dと比較した本発明の実施例1及び2の結果から分かるように、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤のレベルをそれぞれ組成物の4.0%及び7.0%に更に増加させると、水シーティング効果の大幅な改善が得られた。
【0127】
【表1】
*比較用
1Shell社によって供給され、Neodol91-8(登録商標)の商品名で販売されている
2BASFによって供給され、600g/molの重量平均分子量並びにアルコキシル化鎖当たり24個のEO単位及び16個のPO単位を有するPEI骨格を有するポリエチレンイミン
3BASFによって供給され、Polyquart(登録商標)149Aの商品名で販売されている、本発明において有用な四級化アクリルコポリマー
【0128】
以下の組成物も調製し、本明細書に記載の方法を用いて、それらの水シーティング挙動について評価した。
【0129】
本発明の実施例3は、異なる四級化アクリルコポリマーを含むことによって、本発明の実施例2と異なっていた。対照的に、比較例Eは、本発明において有用でない非四級化アクリルコポリマーである、ヒドロキシプロピルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(2:1のモル比のヒドロキシプロピルアクリレート及びジメチルアミノエチルメタクリレート)を含んでいた。以下の結果から、シーティング効果は、四級化アクリルコポリマーとアルコキシル化アルキルアルコールとの組み合わせを組成物の3.0重量%超のレベルで含む両方の組成物に存在するが、四級化(永久的な正電荷)の代わりに三級アミノ基を含むアクリルコポリマーには存在しない。
【0130】
【表2】
4Solvayによって供給され、Mirapol(登録商標)SURF-S FAST DRYの商品名で販売されている、本発明において有用な四級化アクリルコポリマー
5Solvayによって供給される、ヒドロキシプロピルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(2:1のモル比のヒドロキシプロピルアクリレート及びジメチルアミノエチルメタクリレート)
【0131】
以下の組成物も調製し、本明細書に記載の方法を用いて、それらの水シーティング挙動について評価した。
【0132】
実施例4の組成物は、組成物の7.0重量%のアルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤及び四級化アクリルコポリマーを含み、したがって本発明のものであった。対照的に、例F*は、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の代わりにアルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤を含んでいた。
【0133】
水シーティングの結果から分かるように、非イオン性界面活性剤と四級化アクリルコポリマーとの組み合わせの効果は、非イオン性界面活性剤がアルコキシル化アルキル非イオン性界面活性剤を含む場合にのみ存在する。
【0134】
【表3】
6BASFによってGlucapon(登録商標)CSUPの商標名で販売されている
【0135】
以下の組成物を調製し、本明細書に記載の方法を用いて、それらの水シーティング挙動について評価した。迅速な水シーティングは、すすぎ後の迅速な乾燥の指標である。
【0136】
表4の組成物において、本発明の実施例5は、四級化アクリルコポリマーに加えて、アニオン性界面活性剤及びアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を4.5:1の重量比で含んでいた。比較例Hは、同じ界面活性剤系を含むが、四級化アクリルコポリマーを含まなかった。実施例5の水シーティングの結果を比較例Hの結果と比較することによって、所望の比でアニオン性界面活性剤及びアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む組成物への四級化アクリルコポリマーの添加による水シーティングの改善を見ることができる。対照的に、比較例H~Iの水シーティングの結果から、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤に対するアニオン性界面活性剤の比が所望の範囲(12.2のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤に対するアニオン性界面活性剤の比)を上回る場合、水シーティング効果が大幅に低減されることが分かる。
【0137】
【0138】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
[1]
液体食器手洗い用洗剤組成物であって、四級化アクリルコポリマーと、
前記液体食器手洗い用洗剤組成物の約5.0重量%~約50重量%の界面活性剤系と、を含み、前記界面活性剤系が、
a.前記界面活性剤系の少なくとも約40重量%のアニオン性界面活性剤と、
b.前記液体食器手洗い用洗剤組成物の約3.0重量%超のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤と、を含む、組成物。
[2]
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の前記四級化アクリルコポリマーを含む、[1]に記載の組成物。
[3]
前記四級化アクリルコポリマーが、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)を有する、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]
前記四級化アクリルコポリマーが、0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25mEq/gの平均カチオン電荷密度を有する、[1]に記載の組成物。
[5]
前記四級化アクリルコポリマーが、
a.以下から選択されるカチオン性モノマー単位であって、
i.CH
2
=CR
1
-Y-N
+
R
2
R
3
R
4
X
-
(a)
式中、
各R
1
が、独立して、水素又はメチル、好ましくはメチルから選択され、
各R
2
が、独立して、C1~C4アルキル(アルキレン)、好ましくはCH
2
CH=CH
2
又はメチル、より好ましくはメチルから選択され、
各R
3
、R
4
が、独立して、C1~C4アルキル、好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはメチルから選択され、
各Yが、独立して、CO-NR
5
-(CH
2
)
n
、CO-O-(CH
2
)
n
、又は(CH
2
)
n
、好ましくはCO-NR
5
-(CH
2
)
n
又は(CH
2
)
n
、より好ましくはCO-NR
5
-(CH
2
)
n
から選択される、連結基であり、
式中、
各R
5
が、独立して、水素又はメチル、好ましくは水素から選択され、
nが、1~4の平均であり、好ましくは1又は3であり、より好ましくは3であり、
X
-
が、好適な対イオン、好ましくはハロゲン化物対イオン、より好ましくはCl
-
である、カチオン性モノマー単位と、
b.エチレン性不飽和モノマー単位と、に由来する、[1]に記載の組成物。
[6]
前記カチオン性モノマー単位が、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物、好ましくは(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、より好ましくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される、[5]に記載の組成物。
[7]
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、[5]に記載の組成物。
[8]
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩を含み、前記C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩が、(メタ)アクリル酸又はその塩からなる群から選択され、より好ましくはアクリル酸又はその塩から選択される、[7]に記載の組成物。
[9]
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、好ましくはエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、より好ましくはエチル(メタ)アクリレート、最も好ましくはエチルアクリレートからなる群から選択されるC3~C8アルキルアクリレートを含む、[7]に記載の組成物。
[10]
前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは100重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む、[1]に記載の組成物。
[11]
液体食器手洗い用洗剤組成物であって、四級化アクリルコポリマーと、
前記液体食器手洗い用洗剤組成物の7.0重量%~35重量%の界面活性剤系と、を含み、前記界面活性剤系が、
a.アニオン性界面活性剤と、
b.前記組成物の3.0重量%未満のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤と、を含み、
前記アニオン性界面活性剤及びアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、10:1未満の重量比で存在する、組成物。
[12]
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の前記四級化アクリルコポリマーを含む、[11]に記載の組成物。
[13]
前記四級化アクリルコポリマーが、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)を有する、[11]又は[12]に記載の組成物。
[14]
前記四級化アクリルコポリマーが、0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25mEq/gの平均カチオン電荷密度を有する、[11]に記載の組成物。
[15]
前記四級化アクリルコポリマーが、
a.以下から選択されるカチオン性モノマー単位であって、
i.CH
2
=CR
1
-Y-N
+
R
2
R
3
R
4
X
-
(a)
式中、
各R
1
が、独立して、水素又はメチル、好ましくはメチルから選択され、
各R
2
が、独立して、C1~C4アルキル(アルキレン)、好ましくはCH
2
CH=CH
2
又はメチル、より好ましくはメチルから選択され、
各R
3
、R
4
が、独立して、C1~C4アルキル、好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはメチルから選択され、
各Yが、独立して、CO-NR
5
-(CH
2
)
n
、CO-O-(CH
2
)
n
、又は(CH
2
)
n
、好ましくはCO-NR
5
-(CH
2
)
n
又は(CH
2
)
n
、より好ましくはCO-NR
5
-(CH
2
)
n
から選択される、連結基であり、
式中、
各R
5
が、独立して、水素又はメチル、好ましくは水素から選択され、
nが、1~4の平均であり、好ましくは1又は3であり、より好ましくは3であり、
X
-
が、好適な対イオン、好ましくはハロゲン化物対イオン、より好ましくはCl
-
である、カチオン性モノマー単位と、
b.エチレン性不飽和モノマー単位と、に由来する、[11]に記載の組成物。
[16]
前記カチオン性モノマー単位が、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物、好ましくは(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、より好ましくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される、[15]に記載の組成物。
[17]
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、[15]に記載の組成物。
[18]
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩を含み、前記C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩が、(メタ)アクリル酸又はその塩からなる群から選択され、より好ましくはアクリル酸又はその塩から選択される、[17]に記載の組成物。
[19]
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、好ましくはエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、より好ましくはエチル(メタ)アクリレート、最も好ましくはエチルアクリレートからなる群から選択されるC3~C8アルキルアクリレートを含む、[17]に記載の組成物。
[20]
前記界面活性剤系が、前記組成物の少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%、より好ましくは少なくとも2.0重量%の前記アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む、[1]に記載の組成物。
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の前記四級化アクリルコポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
前記四級化アクリルコポリマーが、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
前記四級化アクリルコポリマーが、0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25mEq/gの平均カチオン電荷密度を有する、請求項1に記載の組成物。
前記カチオン性モノマー単位が、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物、好ましくは(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、より好ましくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩を含み、前記C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩が、(メタ)アクリル酸又はその塩からなる群から選択され、より好ましくはアクリル酸又はその塩から選択される、請求項7に記載の組成物。
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、好ましくはエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、より好ましくはエチル(メタ)アクリレート、最も好ましくはエチルアクリレートからなる群から選択されるC3~C8アルキルアクリレートを含む、請求項7に記載の組成物。
前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは100重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の前記四級化アクリルコポリマーを含む、請求項11に記載の組成物。
前記四級化アクリルコポリマーが、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)を有する、請求項11又は12に記載の組成物。
前記四級化アクリルコポリマーが、0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25mEq/gの平均カチオン電荷密度を有する、請求項11に記載の組成物。
前記カチオン性モノマー単位が、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物、好ましくは(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、より好ましくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩を含み、前記C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩が、(メタ)アクリル酸又はその塩からなる群から選択され、より好ましくはアクリル酸又はその塩から選択される、請求項17に記載の組成物。
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、好ましくはエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、より好ましくはエチル(メタ)アクリレート、最も好ましくはエチルアクリレートからなる群から選択されるC3~C8アルキルアクリレートを含む、請求項17に記載の組成物。
前記界面活性剤系が、前記組成物の少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%、より好ましくは少なくとも2.0重量%の前記アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む、請求項11に記載の組成物。