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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100714
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】液体食器手洗い用組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20240719BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20240719BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20240719BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20240719BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240719BHJP
   C11D 1/88 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D3/37
C11D1/12
C11D1/29
C11D1/72
C11D1/88
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001080
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】23151453.0
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】23202400.0
(32)【優先日】2023-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】カルル・ギスラン・ブレクマン
(72)【発明者】
【氏名】ロビー・レニルド・フランソワ・キューレールス
(72)【発明者】
【氏名】ケリー・パウラ・アウグスト・メルクス
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ヤン・マリア・サヴェイン
(72)【発明者】
【氏名】エヴェリン・ヨハンナ・ルートガルデ・ヴァン・ヘッケ
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC08
4H003AC15
4H003BA12
4H003DA17
4H003DC02
4H003EA19
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB28
4H003EB30
4H003EB34
4H003ED02
4H003FA21
4H003FA28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液体食器手洗い用組成物、及び液体洗剤組成物が油汚れの存在下で改善された泡立ちを提供する、30℃未満の温度で食器を洗浄する方法を提供する。
【解決手段】液体食器手洗い用洗浄組成物は、前記組成物全体の6重量%~50重量%の界面活性剤系と、四級化アクリルコポリマーと、を含み、前記界面活性剤系が、前記界面活性剤系の少なくとも40重量%のアニオン性界面活性剤を含み、前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含み、前記アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤が、0.1未満の平均アルコキシル化度を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体食器手洗い用洗浄組成物であって、前記組成物全体の6重量%~50重量%の界面活性剤系と、四級化アクリルコポリマーと、を含み、
前記界面活性剤系が、
前記界面活性剤系の少なくとも40重量%のアニオン性界面活性剤を含み、前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含み、前記アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤が、0.1未満の平均アルコキシル化度を有する、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の前記四級化アクリルコポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記四級化アクリルコポリマーが、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子重量(Mw)を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記四級化アクリルコポリマーが、100mEq/g当たり0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25カチオン単位の平均カチオン電荷密度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記四級化アクリルコポリマーが、
a.以下から選択されるカチオン性モノマー単位であって、
i.CH=CR-Y-N (a)、
式中、
各Rが、独立して、水素又はメチル、好ましくはメチルから選択され、
各Rが、独立して、C1~C4アルキル(アルキレン)、好ましくはCHCH=CH又はメチル、より好ましくはメチルから選択され、
各R、Rが、独立して、C1~C4アルキル、好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはメチルから選択され、
各Yが、CO-NR-(CH、CO-O-(CH、又は(CH、好ましくはCO-NR-(CH、又は(CH、より好ましくはCO-NR-(CHから選択される、連結基であり、
式中、
が、水素又はメチル、好ましくは水素であり、
nが、1~4の平均、好ましくは1又は3、より好ましくは3であり、
が、好適な対イオン、好ましくはハロゲン化物対イオン、より好ましくはClである、カチオン性モノマー単位と、
b.エチレン性不飽和モノマー単位と、に由来する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン性モノマー単位が、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物、好ましくは(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、より好ましくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5又は6に記載の組成物。
【請求項8】
前記四級化アクリルコポリマーが、重合モノマーとして、エチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパン-スルホン酸、N-イソプロピルアミド、及びそれらの混合物、好ましくはエチルアクリレートからなる群から選択される追加のモノマーを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記組成物全体の6.0重量%~40重量%、好ましくは15重量%~35重量%の前記界面活性剤系を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤系が、前記界面活性剤系の少なくとも50重量%、好ましくは50重量%~80重量%、より好ましくは55重量%~70重量%のアニオン性界面活性剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは100重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤が、アルコキシル化を含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤を含み、前記非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記界面活性剤系が、両性補助界面活性剤、双性イオン補助界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される補助界面活性剤を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
食器を洗浄する方法であって、食器類を、請求項1~14のいずれか一項に記載の液体食器手洗い用洗剤組成物及び水と接触させるステップを含み、前記水が、30℃以下の温度を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体食器手洗い用洗剤組成物及び食器を洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手洗い用食器洗浄組成物は、良好な油脂洗浄及び泡立ちを実現すべきである。典型的には、皿及び同等物は、より効果的に皿を洗浄するために高温で洗浄される。具体的には、油汚れは、高温で軟化される。したがって、皿及び同等物は、典型的には35℃以上の温度で洗浄される。
【0003】
しかしながら、より持続可能な様式で、かつより費用効果の高い様式で皿を洗浄することがより強く所望されている。食器を洗浄するときに使用される水を加熱することは、環境的に最も望ましくない食器手洗いプロセスにおける工程のうちの1つであり、食器を洗浄する費用を最も増加させる工程のうちの1つでもある。したがって、より低い温度で食器を洗浄することがより強く所望されている。しかしながら、食器手洗い用洗浄洗剤が低温で効果的な油脂除去を提供するというユーザーからの高度の懐疑が残っている。残留泡の量(泡持続性)は、典型的には、特に油脂汚れに対する洗浄効果の指標としてユーザーによって見られるため、低食器洗浄温度での泡立ち性能を改善することは、より低い水温で洗うことが依然として食器類の良好な洗浄をもたらすことをユーザーに安心させる方法である。
【0004】
したがって、液体洗剤組成物が油脂汚れの存在下で改善した泡立ちを提供する、30℃未満の温度で食器を洗浄する方法の必要性が残っている。
【0005】
国際公開第2017110773(A1)号は、食器類を含む硬質表面用の液体洗剤組成物、及び低温で前述の硬質表面を洗浄するためのその使用に関する。JP2013100461(A)号は、低温(10~35℃)で食器を手洗いする液体洗剤組成物を開示する。国際公開第201691688(A)号は、低温(<40℃)でデンプン汚れを洗浄するためのαアミラーゼを含有する、具体的には手で食器を洗浄するための硬質表面用の液体洗浄剤に関する。JP2015010141(A)号は、洗浄力、低温での泡立ち及びすすぎ性、並びに低温での芳香及び低減芳香変動を提供する、食器洗浄洗剤に関する。国際公開第2014117973(A)号は、低温での洗浄を提供するための、より低いcmcを有する具体的な化学式のアニオン性スルホン酸化環状界面活性剤に関するに関する。欧州特許第3971270(A)号は、エトキシル化をほとんど又は全く有していないアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み、改善された低温安定性を提供しながらも、所望の製品粘度、泡持続性及び全体的な洗浄も達成する、液体食器手洗い用洗浄組成物に関する。欧州特許第3971271(A)号は、汚れた条件下で長続きする泡を提供しながらも、界面活性剤及び溶媒レベルの変化に対して感受性が低いニュートン粘度を有する、油脂を除去するのに非常に効果的な食器手洗い用組成物に関し、液体食器手洗い用洗浄組成物は、アルコキシル化をほとんど又は全く有していないアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤及びアルキルポリグルコシド界面活性剤の組み合わせを有する界面活性剤系を含む。欧州特許第3971273(A)号は、同様に良好な泡持続性を有し、特に低温で物理的安定性に対する悪影響を回避する、油脂を除去するのに非常に効果的な食器手洗い用組成物に関し、食器手洗い用組成物は、界面活性剤系を含み、界面活性剤系は、本明細書に記載される規定分子量のポリプロピレングリコールと組み合わせて、分岐をほとんど又は全く含まず、アルコキシル化度が低いか又は全くない、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤と、補助界面活性剤と、を含む。欧州特許第3919594(A)号は、直接塗布食器洗い方法で使用されるときに、スメアリングの低減を提供しながらも、特にシンク内塗布法下で良好な泡持続性、及び良好な粘度を有する、シンク内塗布法及び直接塗布法の両方に適合する、食器を洗浄するために好適な液体洗剤組成物に関し、液体洗剤組成物は、C13アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含むアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み、C13アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、2-分岐の具体的な分布とともに、2-分岐鎖C13アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の具体的な分率を含む。欧州特許第3971275(A)号は、油脂を乳化するのに非常に効果的である食器手洗い用組成物に関し、液体手洗い用洗浄組成物は、500g/mol~1800g/molの重量平均分子量を有するポリプロピレングリコールと組み合わせて、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤及び補助界面活性剤の少なくとも70%重量のベタインを含む補助界面活性剤の組み合わせを有する、界面活性剤系を含む。国際公開第201836864(A)号は、四級化アクリルコポリマーと、両性変性多糖類と、を含む、硬質表面処理組成物であって、四級化アクリルコポリマー対両性変性多糖類の重量比が0.75:1~3:1であり、四級化アクリルコポリマーが両性変性多糖類とは異なる、硬質表面処理組成物に関する。欧州特許第3835399(A1)号は、界面活性剤系と、第1のポリマーと、第2のポリマーと、を含む、硬質表面洗浄組成物であって、第1のポリマーがポリエチレンイミンである、硬質表面洗浄組成物、並びにガラス表面を洗浄するための組成物の使用に関する。米国特許出願公開20030134770(A)号は、泡増強剤及び泡体積増量剤であるポリマー材料を含む、液体洗剤組成物に関し、当該組成物は、手洗い中の油脂の再堆積を防止するための増加した有効性を有し、ポリマー材料は、泡体積及び泡耐久性増強剤として好適であり、有効量の四級窒素含有モノマー単位及び/又は双性イオンモノマー単位含有ポリマー泡増強剤を含む。米国特許第7741265(B)号は、硬質表面の初期洗浄を提供し、拡張回数のすすぎのために硬質表面に残留洗浄を提供する、表面上に親水性コーティング又はバリア層を提供する、硬質表面用の洗浄組成物に関する。組成物は、親水性ポリマーと、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、少なくとも1つの溶媒と、酸と、水と、を含み、酸は、組成物に約2~3.5のpHを提供し、組成物は、任意のアニオン性、カチオン性、又は両性界面活性剤の非存在下で提供される。米国特許第7741265(B)号は、多数のすすぎを通して残留洗浄効果を提供するための、アクリル系ポリマーを含む親水性カチオン性ポリマーの使用を教示する。米国特許出願公開第20120028872(A)号は、疎水性皮膚軟化剤及び結晶性構造化剤を有する液体洗剤組成物で食器類を洗浄して、改善した手のスキンケア利益並びに優れた油脂洗浄及び/又は泡持続性を提供する方法に関する。米国特許出願公開第20120028872(A)号は、カチオン性ポリマー、及び皮膚の利益を高めるためのその使用を開示する。米国特許出願公開第20220081649(A)号は、汚れた条件下で長続きする泡を提供する一方で、界面活性剤及び溶媒レベルの変化に対して感受性が低いニュートン粘度を有する、油脂を除去するための食器手洗い用組成物に関する。米国特許出願公開第20220081649(A)号は、アルキルサルフェート界面活性剤及び短鎖アルキルポリグルコシドの組み合わせの使用を通したこのような利益の提供を教示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2017110773(A)1号
【特許文献2】JP2013100461(A)号
【特許文献3】国際公開第201691688(A)号
【特許文献4】JP2015010141(A)号
【特許文献5】国際公開第2014117973(A)号
【特許文献6】欧州特許第3971270(A)号
【特許文献7】欧州特許第3971271(A)号
【特許文献8】欧州特許第3971273(A)号
【特許文献9】欧州特許第3919594(A)号
【特許文献10】欧州特許第3971275(A)号
【特許文献11】国際公開第201836864(A)号
【特許文献12】欧州特許第3835399(A1)号
【特許文献13】米国特許出願公開20030134770(A)号
【特許文献14】米国特許第7741265(B)号
【特許文献15】米国特許出願公開第20120028872(A)号
【特許文献16】米国特許出願公開第20220081649(A)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液体食器手洗い用洗浄組成物であって、組成物全体の6重量%~50%重量%の界面活性剤系と、四級化アクリルコポリマーと、を含み、界面活性剤系が、界面活性剤系の少なくとも40重量%のアニオン性界面活性剤を含み、アニオン性界面活性剤が、アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含み、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤が、0.1未満の平均アルコキシル化度を有する、液体食器手洗い用洗浄組成物に関する。
【0008】
本発明は、このような組成物を使用して食器類を洗浄する方法であって、方法が、食器類を液体食器手洗い用洗剤組成物及び水と接触させる工程を含み、水が、30℃以下の温度を有する、方法に更に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載される液体食器手洗い用洗剤組成物を使用する方法は、エトキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含む、より伝統的に使用されている組成物を使用する方法とは対照的に、特に低温食器洗浄中の油脂汚れの存在下で、より効果的な泡立ちを提供することが見出された。したがって、ユーザーは、より低い温度で食器類を洗浄することをより奨励される。更に、本明細書に記載される食器手洗い用洗剤組成物内の四級化アクリルコポリマーの組み込みは、食器の低温洗浄中の泡立ちを更に改善する。
【0010】
定義
本明細書で使用される場合、特許請求項において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求される又は記載されるもののうちの1つ以上を意味すると理解される。
【0011】
本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、特に言及したもの以外の工程、及び成分を付加できることを意味する。この用語は、「~からなる(consisting of)」及び「~から本質的になる(consisting essentially of)」という用語を包含する。本発明の組成物は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載されるあらゆる追加若しくは任意の成分、構成要素、工程、又は制限事項を含み、これらからなり、あるいは、これらから本質的になることができる。
【0012】
本明細書で使用する場合、「食器類」という用語は、非限定的な例として、セラミック、陶磁器、金属、ガラス、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)及び木材から製造された調理器具及び食卓用食器類を含む。
【0013】
本明細書で使用する場合、「油脂」又は「油脂性の」という用語は、物質が、少なくとも部分的に(すなわち、油脂の少なくとも0.5重量%)、飽和及び不飽和の脂肪及び油、好ましくは、牛肉、豚肉、及び/又は鶏肉などの動物性原料に由来する油及び脂肪を含んでいることを意味する。
【0014】
「含む(include/includes/including)」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0015】
本明細書で使用する場合、用語「粒子状汚れ」は、無機及びとりわけ有機の固体汚れ粒子、とりわけ食品粒子、非限定的な例としては、超微粒子状元素状炭素、焼成された油脂粒子、及び肉粒子を意味する。
【0016】
本明細書で使用する場合、「泡立ちプロファイル」という用語は、食器洗浄プロセスの間の泡の性質に関する洗浄組成物の特性のことを指す。洗浄組成物の「泡立ちプロファイル」という用語は、水性洗浄液中の洗浄組成物の溶解及び撹拌、典型的には手動撹拌の際に発生する泡の体積、並びに食器洗浄プロセス中の泡の保持を含む。好ましくは、「良好な泡立ちプロファイル」を有すると特徴付けられる食器手洗い用洗浄組成物は、特に食器手洗いプロセスのかなりの部分又は全体にわたって、大きな泡体積及び/又は持続性の泡体積を有する傾向がある。これは、十分な洗浄組成物が投入されたことの指標として消費者が泡の多さを使用しているので、重要である。更に、消費者は泡の体積が持続していることを、食器洗いプロセスの終盤に向かっていても、十分な活性洗浄成分(例えば、界面活性剤)が存在していることの目安としても使用する。消費者は、通常、起泡が少なくなったときに洗浄溶液を新しくする。したがって、低起泡洗浄組成物は、起泡レベルが低いことから、消費者によって必要以上に頻繁に補給される傾向がある。
【0017】
本明細書に記載され、かつ特許請求される、出願人らによる発明のパラメータのそれぞれの値を判定するには、本出願の試験方法の項に開示される試験方法が使用されなければならない点は理解されよう。
【0018】
本発明の全ての実施形態では、特にそうでない旨が具体的に述べられない限り、文脈から明らかであるように、全ての割合は、組成物全体の重量基準である。特にそうでない旨が具体的に述べられない限り、全ての比は重量比であり、全ての測定は、特に指定しない限り25℃で行われる。
【0019】
洗浄組成物
本洗浄組成物は、液体食器手洗い用洗浄組成物である。本洗浄組成物は、好ましくは、水性洗浄組成物である。したがって、本組成物は、本組成物全体の50重量%~85重量%、好ましくは50重量%~75重量%の水を含むことができる。
【0020】
好ましくは、本組成物のpHは、20℃の蒸留水中10%希釈で測定されると、約6~約14、好ましくは約7~約12、又はより好ましくは約7.5~約10である。組成物のpHは、当該技術分野において既知のpH調整成分を使用して調整することができる。
【0021】
本発明の組成物は、0.1s-1~100s-1の使用剪断速度範囲内で、ニュートン又は非ニュートン、好ましくはニュートンであり得る。好ましくは、本組成物は、10mPa・s~10,000mPa・s、好ましくは100mPa・s~5,000mPa・s、より好ましくは300mPa・s~2,000mPa・s、又は最も好ましくは500mPa・s~1,500mPa・s、あるいはこれらの組み合わせの粘度を有する。粘度は、40%~60%のトルクを達成するように粘度計のRPMが調整されたスピンドル31を使用して、ブルックフィールドRT粘度計を用いて20℃で測定される。
【0022】
界面活性剤系
液体洗浄組成物は、組成物全体の6.0重量%~50重量%、好ましくは6.0重量%~40重量%、最も好ましくは15重量%~35重量%の界面活性剤系を含む。
【0023】
アニオン性界面活性剤:
液体食器手洗い用洗剤組成物は、界面活性剤系を含み、界面活性剤系は、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含むアニオン性界面活性剤系を含み、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、0.1未満の平均アルコキシル化度を有し、より好ましくは、いかなるアルコキシル化も含まない。アルコキシル化が存在する場合、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、好ましくは、エトキシル化される。
【0024】
平均アルコキシル化度は、全てのアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のmol平均アルコキシル化度(すなわち、mol平均アルコキシル化度)である。したがって、mol平均アルコキシル化度を計算する場合、非アルコキシル化サルフェートアニオン性界面活性剤のmol数が含まれる。
【0025】
モル平均アルコキシル化度=(x1界面活性剤1のアルコキシル化度+x2界面活性剤2のアルコキシル化度+....)/(x1+x2+....)
(式中、x1、x2、...は、混合物の各アルキル(又はアルコキシ)サルフェートアニオン性界面活性剤のモル数であり、アルコキシル化度は、各アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤中のアルコキシ基の数である)。
【0026】
泡立ちの改善のために、本界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも40重量%、好ましくは60重量%~90重量%、より好ましくは70~80重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0027】
アニオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む。最も好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸化界面活性剤、最も好ましくは一級アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤からなる。したがって、界面活性剤系は、HLASなどのスルホネートを含む、少量の更なるアニオン性界面活性剤、又はスルホスクシネートアニオン性界面活性剤を含み得るが、界面活性剤系は、好ましくは、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を超える更なるアニオン性界面活性剤を含まない。
【0028】
アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、平均で8~18個の炭素原子、好ましくは10~14個の炭素原子、より好ましくは12~13個の炭素原子を含むアルキル鎖を有する。
【0029】
アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤のアルキル鎖は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%となるmol分率のC12及びC13鎖を好ましくは有する。アルキル鎖のC13/C12mol比が、少なくとも50/50、好ましくは60/40~80/20、最も好ましくは60/40~70/30である場合、とりわけ油脂汚れの存在下において、泡持続性が特に改善されると同時に、粒子状汚れの存在における泡持続性(suds mileage)が損なわれない。
【0030】
アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、少なくとも5.0%、好ましくは10%~50%、より好ましくは15%~40%の平均分岐度を有することができる。したがって、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、直鎖及び分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の混合物を含むことができる。
【0031】
アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤のアルキル鎖は、天然又は合成起源に由来し得る。直鎖は、好ましくはヤシ油に由来する天然アルキル鎖であり得、ヤシ油は、より持続的に誘導可能である一方で、好ましい鎖長を有する。直鎖アルキル鎖は、所望の分岐度に達するために、より少ない分岐鎖アルキル鎖を添加する必要があるように、高度分岐鎖アルキル鎖とブレンドすることができる。
【0032】
全体的な分岐度(並びに分岐がどのように達成されるか)は、供給材料の持続可能性に影響を及ぼすだけでなく、液体食器手洗い用組成物を物理的に安定化するために必要とされる有機溶媒の量にも影響を及ぼす。アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の分岐はまた、粘度並びに希釈時の粘度に影響を及ぼし、希釈時の粘度増粘を回避し、組成物が水に容易に分散可能であることを確実にする。
【0033】
洗剤組成物中で使用される分岐鎖アルキルサルフェート又はアルキルアルコキシサルフェート中の分岐レベルは、分子基準で計算される。「分岐鎖」として販売されている市販の非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のブレンドは、典型的には、直鎖アルキルサルフェート分子及び分岐鎖アルキルサルフェートの分子のブレンドを含むであろう。「分岐鎖」として販売されている市販のアルキルアルコキシサルフェートアニオン性界面活性剤ブレンドは、典型的には、直鎖アルキルサルフェート、分岐鎖アルキルサルフェート、並びに直鎖アルキルアルコキシサルフェート及び分岐鎖アルキルアルコキシサルフェート分子のブレンドを含む。分岐度の実際の計算は、以下の重量平均分岐度の計算:
重量平均分岐度(%)=[(x1アルコール1中の分岐鎖アルコール1の重量%+x2アルコール2中の分岐鎖アルコール2の重量%+....)/(x1+x2+....)]100
(式中、x1、x2、...は、アルキル(アルコキシ)サルフェートアニオン性界面活性剤を生成するために(アルコキシル化及び)硫酸化の前に出発物質として使用したアルコールの全アルコール混合物中の各アルコールの重量(グラム)である)において説明されている通り、最終的なサルフェート化物質に基づくよりもむしろ、出発アルコール(及び、アルキルアルコキシサルフェートブレンドの場合、アルコキシル化アルコール)に基づいて行われる。重量平均分岐度の計算では、分岐していないアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を形成するために使用されたアルキルアルコールの重量が含まれる。
【0034】
重量平均分岐度及び分岐分布は、通常、界面活性剤又はそれを構成するアルキルアルコールの技術データシートから得ることができる。代替的に、分岐は、溶媒としてヘキサンを使用する、中極性キャピラリーカラム上での水素炎イオン化型検出器を備えたキャピラリーガスクロマトグラフィーを含む、当該技術分野において既知の分析方法を通して判定することもできる。重量平均分岐度及び分岐分布は、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を生成するために使用された出発アルコールに基づく。
【0035】
分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤、任意選択的に、非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含むことができる。分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%のC2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤と、分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の最大でも10重量%、好ましくは最大でも5重量%、最も好ましくは最大でも2重量%の非C2分岐鎖アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤と、を含むことができる。
【0036】
C2分岐鎖は、アルキル分岐が、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤のアルキル鎖上の単一のアルキル分岐であり、非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の場合、サルフェート基から炭素原子を数えて、又はアルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の場合、サルフェート基から最も遠くのアルコキシ基から数えて、C2位に位置することを意味する。
【0037】
非C2分岐は、アルキル鎖が、アルキル鎖主鎖に沿った複数の炭素位置における分岐、又はC2位以外のアルキル鎖上の分岐位置に存在する単一分岐基を含むことを意味する。
【0038】
非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の30重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満のC1分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含むことができ、最も好ましくは、非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、C1分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含まない。
【0039】
非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、2位よりも多くの分岐位置において、非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%、好ましくは60~90重量%、より好ましくは70~80重量%の、単一分岐を含む異性体を含むことができる。これは、上で定義されている親水性頭部基から2個を超える炭素原子分、離れているということである。非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の5重量%~30重量%、好ましくは7重量%~20重量%、より好ましくは10重量%~15重量%の多分岐鎖異性体を含むことができる。非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、非C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の5重量%~30重量%、好ましくは7重量%~20重量%、より好ましくは10重量%~15重量%の環状異性体を含むことができる。非環式分岐基は、現在する場合、C1~C5アルキル基、及びこれらの混合体から選択することができる。
【0040】
上述の分岐分布を有しており、エトキシル化がなくなるまで減じられたアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を使用して組成物を配合すると、温度変動に対する粘度感受性が低下し、したがって、同等の分岐分布を有するアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む組成物と比べて、より一貫した投入量実感をもたらす。更に、本組成物は、より広い剪断速度範囲に対してニュートン流体粘度プロファイルを維持し、これは、容器がどの程度強く絞られたかに関わらず、より少ない投与量変動及び撚り一貫したユーザー体験を意味する。
【0041】
アニオン性界面活性剤に好適な対イオンには、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アルカノールアンモニウム、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムが挙げられる。
【0042】
市販のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の好適な例としては、Shellによって商品名Neodol(登録商標)で、若しくはSasolによって商品名Lial(登録商標)、Isalchem(登録商標)、及びSafol(登録商標)で販売されているアルコールに由来するもの、又はProcter & Gamble Chemicals社によって生産された天然アルコールのうちのいくつかが挙げられる。アルコールは、本発明による、所望の平均アルキル鎖、平均分岐度及び分岐分布のタイプを実現するために、ブレンドされ得る。本発明による目標となる分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の考察は、C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性含有率を高い優先度で有することであり、好ましくは、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、Sasol社からのlial及びisalchemという商標名、並びにShell社からNeodolで市販されているものなどのOXO誘導化アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤、C2分岐鎖アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤から本質的になる分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む、OXO誘導体化アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む。OXOアルコールは、一酸化炭素(CO)及び水素(通常、合成ガスとして一緒にされている)をオレフィンに加えて、ヒドロホルミル化反応を使用してアルデヒドを得て、次に、このアルデヒドを水素化してアルコールを得ることによって調製されるアルコールである。より好ましくは、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の60重量%~85重量%、好ましくは75重量%~85重量%のOXO誘導化アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含み、OXOアルコールは、一酸化炭素(CO)及び水素をオレフィンに添加し、ヒドロホルミル化反応を使用してアルデヒドを得て、次いで、このアルデヒドを水素化してアルコールを得ることによって調製される、アルコールである。C2分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を高い優先度で含む、分岐鎖アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含むアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤をもたらす代替プロセスも、本発明に好適とみなされる。このような代替法の一例は、米国特許出願第63/035125号及び同第63/035131号に記載されている。したがって、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、次いで、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤の少なくとも30重量%、好ましくは40重量%~95重量%、より好ましくは50重量%~85重量%の、この代替プロセスで誘導したアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、又はOXO誘導化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤及びこの代替プロセスで誘導したアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の混合物を含む。
【0043】
理論によって束縛されるものではないが、エトキシル化アルキルサルフェートが存在する場合、アルコキシル化、とりわけエトキシル化工程及び硫酸化工程の両方の間に、処理条件及び原材料の組成を厳密に管理することにより、アルコキシル化、とりわけエトキシル化アルキルサルフェート内の1,4-ジオキサン副生物の量を低減させることができる。近年の技術進歩に基づいて、1,4-ジオキサン副生物の更なる低減は、その後のストリッピング、蒸留、溶媒蒸発、遠心分離、マイクロ波照射、分子ふるいがけ、又は接触分解工程若しくは酵素分解酵素工程により実現することができる。アルコキシル化/エトキシル化アルキルサルフェート内の1,4-ジオキサン含量を管理する方法は、当該技術分野において広く知られている。代替として、5,6-ジヒドロ-3-(4-モルホリニル)-1-[4-(2-オキソ-1-ピペリジニル)-フェニル]-2-(1-H)-ピリドン、コラン酸の3-アルファ-ヒドロキシ-7-オキソ立体異性体混合物、3-(N-メチルアミノ)-L-アラニン及びこれらの混合物等の1,4-ジオキサン阻害剤を、1,4-ジオキサンを含む配合物に添加することによる、洗剤配合物内の1,4-ジオキサンレベルの管理もまた、当該技術分野において記載されている。
【0044】
補助界面活性剤
希釈後の界面活性剤の充填を改善し、ひいては泡持続性を改善するために、界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤に加えて、補助界面活性剤を含み得る。
【0045】
補助界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0046】
アニオン性界面活性剤と補助界面活性剤との重量比は、油脂の洗浄、起泡性及び粘度構築の改善を実現するために、2.0:1~8.0:1、好ましくは2.0:1~5.0:1、より好ましくは2.5:1~4.0:1であり得る。
【0047】
本界面活性剤系は、洗浄組成物の0.1重量%~20重量%、好ましくは0.5重量%~15重量%、より好ましくは2重量%~10重量%の補助界面活性剤を含むことができる。本発明の洗浄組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の10重量%~40重量%、好ましくは15重量%~35重量%、より好ましくは20重量%~30重量%の補助界面活性剤を含むことができる。
【0048】
補助界面活性剤は、アミンオキシド界面活性剤などの両性界面活性剤であり得る。アミンオキシド界面活性剤は、直鎖であっても分岐鎖であってもよいが、直鎖が好ましい。好適な直鎖アミンオキシドは、典型的には、水溶性であり、式R1-N(R2)(R3)O(式中、R1は、C8~18アルキルであり、R2及びR3部分は、C1~3アルキル基、C1~3ヒドロキシアルキル基、及びこれらの混合物からなる群から選択される)によって特徴付けられる。例えば、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピル、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができるが、R2及びR3の一方又は両方がメチルであることが好ましい。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、具体的には、直鎖C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0049】
好ましくは、アミンオキシド界面活性剤は、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。C8~18アルキルジメチルアミンオキシド、又はC10~16アルキルジメチルアミンオキシド(ココジメチルアミンオキシドなど)などのアルキルジメチルアミンオキシドが好ましい。好適なアルキルジメチルアミンオキシドとしては、C10アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C10~12アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C12~C14アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。好ましくは、アルキルジメチルアミンオキシドのアルキル鎖は、直鎖アルキル鎖、好ましくはC12~C14アルキル鎖、より好ましくはココナッツ油又はパーム油から誘導されるC12~C14アルキル鎖である。
【0050】
代替的な好適なアミンオキシド界面活性剤としては、中分岐鎖アミンオキシド界面活性剤が挙げられる。本明細書で使用する場合、「中分岐鎖」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、アルキル部分における1つのアルキル分岐は、n2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分岐は、アルキル部分上の窒素からアルファ炭素上に位置する。アミンオキシドのこの種の分岐は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても既知である。n1とn2との合計は、10~24個、好ましくは12~20個、より好ましくは10~16個の炭素原子であってもよい。1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、好ましくは、1つのアルキル分岐(n2)と炭素原子数が同じか又は類似しており、それによりその1つのアルキル部分とその1つのアルキル分岐とが対称となるようになっている。本明細書で使用する場合、「対称」とは、本明細書で使用される中分岐鎖アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%~100重量%において、|n1-n2|が5個以下、好ましくは4個、最も好ましくは0~4個の炭素原子であることを意味する。アミンオキシドは、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル基、又は平均で1~3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、それらの2つの部分は、C1~3アルキルから選択され、より好ましくは、いずれもがC1アルキルとして選択される。
【0051】
代替的に、アミンオキシド界面活性剤は、ローカットアミンオキシド及びミッドカットアミンオキシドの混合物を含む、アミンオキシドの混合物であってもよい。それゆえ、本発明の組成物のアミンオキシドは、
a)アミンオキシドの10重量%~45重量%の式R1R2R3AO(式中、R1及びR2は、独立して、水素、C1~C4アルキル又はこれらの混合物から選択され、R3は、C10アルキル又はこれらの混合物から選択される)であるローカットアミンオキシドと、
b)アミンオキシドの55重量%~90重量%の式R4R5R6AO(式中、R4及びR5は、独立して、水素、C1~C4のアルキル、又はこれらの混合物から選択され、R6は、C12~C16のアルキル又はこれらの混合物から選択される)であるミッドカットアミンオキシドと、を含むことができる。
【0052】
本明細書での使用に好ましいローカットアミンオキシドでは、R3はn-デシルであり、好ましくはR1及びR2の両方がメチルである。式R4R5R6AOのミッドカットアミンオキシドでは、好ましくはR4及びR5の両方がメチルである。
【0053】
好ましくは、アミンオキシドは、アミンオキシドの5%重量未満、より好ましくは3%重量未満の式R7R8R9AO(式中、R7及びR8は、水素、C1~C4アルキル及びこれらの混合物から選択され、R9は、C8アルキル及びこれらの混合物から選択される)であるアミンオキシドを含む。式R7R8R9AOのアミンオキシドの量を制限することにより、物理的安定性及び起泡持続性の両方が改善される。
【0054】
補助界面活性剤は、ベタイン界面活性剤などの双性イオン界面活性剤であり得る。このようなベタイン界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインが挙げられ、好ましくは式(I)を満たす。
-[CO-X(CH-N(R)(R)-(CH-[CH(OH)-CH-Y
式(I)中、
R1は、飽和又は不飽和のC6~22アルキル残基、好ましくは、C8~18アルキル残基、より好ましくは、飽和C10~16アルキル残基、最も好ましくは、飽和C12~14アルキル残基からなる群から選択され、
Xは、NH、NR4(式中、R4は、C1~4アルキル残基である)、O、及びSからなる群から選択され、
nは、1~10、好ましくは2~5、より好ましくは3の整数であり、
xは、0又は1、好ましくは1であり、
R2及びR3は、独立して、C1~4アルキル残基、ヒドロキシエチルなどの置換されているヒドロキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、R2及びR3の両方がメチルであり、
mは、1~4の整数、好ましくは1、2、又は3の整数であり、
yは、0又は1であり、
Yは、COO、SO3、OPO(OR5)O、又はP(O)(OR5)O(式中、R5は、H又はC1~4アルキル残基である)からなる群から選択される)。
【0055】
好ましいベタインは、式(IIa)のアルキルベタイン、式(IIb)のアルキルアミドプロピルベタイン、式(IIc)のスルホベタイン、及び式(IId)のアミドスルホベタインであり、
-N(CH-CHCOO (IIa)
-CO-NH-(CH-N(CH-CHCOO (IIb)
-N(CH-CHCH(OH)CHSO (IIc)
-CO-NH-(CH-N(CH-CHCH(OH)CHSO (IId)
式中、R1は、式(I)中と同じ意味を有する。特に好ましいものは、式(IIa)及び(IIb)のカルボベタイン[すなわち、式(I)中、Y=COO-である]であり、より好ましいものは、式(IIb)のアルキルアミドベタインである。
【0056】
好適なベタインは、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、セチルベタイン、セチルアミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、デシルベタイン、デシルアミドプロピルベタイン、水素添加タローベタイン/アミドプロピルベタイン、イソステアルアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアドプロピルベタイン、オレイルベタイン、パームアミドプロピルベタイン、パルミトアミドプロピルベタイン、パーム核アミドプロピルベタイン、ステアルアミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、ウンデシルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができるか、又は[INCIに従って命名される]。好ましいベタインは、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。コカミドプロピルベタインが特に好ましい。
【0057】
非イオン性界面活性剤:
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤、好ましくはアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を更に含むことができる。
【0058】
界面活性剤系は、組成物の少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%、より好ましくは少なくとも2.0重量%のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含むことができる。アニオン性界面活性剤及びアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、10:1未満の重量比で存在し得る。アニオン性界面活性剤及びアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくは0.8:1~6.0:1、より好ましくは3.5:1~5.5:1の重量比で存在する。代替的に、組成物は、液体食器手洗い用洗剤組成物の3.0重量%超、好ましくは3.5重量%~10重量%、より好ましくは4.0重量%~7.5重量%のアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0059】
好ましくは、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくは、そのアルキル鎖において平均で9~15個、好ましくは10~14個の炭素原子、及びアルコール1モル当たり平均で5~12、好ましくは6~10、最も好ましくは7~8単位のアルキレンオキシドを含む、直鎖又は分岐状、好ましくは直鎖の一級又は二級アルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤、好ましくはアルキルエトキシ化非イオン性界面活性剤である。アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくはエトキシル化及び/又はプロポキシル化され、より好ましくはエトキシル化される。
【0060】
界面活性剤系は、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤などの更なる非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0061】
アルキルポリグルコシドと、アニオン性界面活性剤、特にアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との組み合わせは、重合油脂除去、起泡持続性能、界面活性剤及び/又は系の変化による粘度変化の低減、並びにより持続的なニュートンレオロジーを改善することが見出されている。
【0062】
アルキルポリグルコシド界面活性剤は、C6~C18アルキルポリグルコシド界面活性剤から選択することができる。アルキルポリグルコシド界面活性剤は、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.2~1.6の数平均重合度を有することができる。アルキルポリグルコシド界面活性剤は、10個以下の炭素原子を含むアルキル鎖を有する短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と、10個超の炭素原子~18個の炭素原子、好ましくは12~14個の炭素原子を含むアルキル鎖を有する中鎖から長鎖のアルキルポリグルコシド界面活性剤とのブレンドを含むことができる。
【0063】
短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤は、C8~C10の単モーダル鎖長分布を有し、中鎖から長鎖のアルキルポリグルコシド界面活性剤は、C10~C18の単モーダル鎖長分布を有する一方、中鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤は、C12~C14の単モーダル鎖長分布を有する。対照的に、C8~C18アルキルポリグルコシド界面活性剤は、通常、C8~C16などのような、C8~C18のアルキル鎖の単モーダル分布を有する。したがって、短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と中鎖から長鎖又は中鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤との組み合わせは、ブレンドされていないC8~C18アルキルポリグルコシド界面活性剤よりも、幅広い鎖長分布を有するか、又は更にはバイモーダル分布を有する。好ましくは、短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と長鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤との重量比は、1:1~10:1、好ましくは1.5:1~5:1、より好ましくは2:1~4:1である。このような短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と長鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤とのブレンドは、起泡安定性の改善と組み合わされた、水中での洗剤溶液の一層迅速な溶解及び初期起泡の改善をもたらす。
【0064】
C8~C16アルキルポリグルコシドは、いくつかの供給元から市販されている(例えば、Seppic CorporationからのSimusol(登録商標)界面活性剤、並びにBASF CorporationからのGlucopon(登録商標)600 CSUP、Glucopon(登録商標)650 EC、Glucopon(登録商標)600 CSUP/MB、及びGlucopon(登録商標)650 EC/MB)。Glucopon(登録商標)215UPは、好ましい短鎖APG界面活性剤である。Glucopon(登録商標)600CSUPは、好ましい中鎖から長鎖のAPG界面活性剤である。
【0065】
存在する場合、アルキルポリグルコシドは、界面活性剤組成物の0.5重量%~20重量%、好ましくは0.75重量%~15重量%、より好ましくは1重量%~10重量%、最も好ましくは1重量%~5重量%の濃度で界面活性剤系中に存在し得る。アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤は、典型的には、アルキルエトキシル化アルコールなどの他の非イオン性界面活性剤よりも起泡性が高い。
【0066】
他の好ましい組成物では、アルキルポリグルコシドは、組成物の2.0重量%未満、好ましくは1.0重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満のレベルで存在する。
【0067】
更により好ましい組成物では、組成物は、いずれの更なる非イオン性界面活性剤も含まない。
【0068】
四級化アクリルコポリマー
液体食器手洗い用洗剤は、四級化アクリルコポリマーを含む。本明細書で使用される場合、「コポリマー」は、少なくとも2つの異なるモノマー組成物を含むポリマーを指す。四級化ポリマーは、構造NR の正電荷を持つ多原子イオンである、四級アンモニウム基を含み、Rは、アルキル基又はアリール基である。アンモニウムイオン(NH )及び一級、二級、又は三級アンモニウムカチオンとは異なり、四級アンモニウムカチオンは、それらの溶液のpHとは無関係に、永久的に荷電している。
【0069】
組成物は、好ましくは、組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の四級化アクリルコポリマーを含む。
【0070】
四級化アクリルコポリマーは、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲の範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)を有することができる。
【0071】
四級化アクリルコポリマーは、カチオン電荷密度によって特徴付けられ得る。カチオン電荷密度は、典型的には、化合物1グラム当たりの電荷のミリ当量(mEq/g)として表される。本開示の疎水変性カチオン性ポリビニルアルコールは、0.10mEq/g~4.0mEq/g、好ましくは1.0mEq/g~3.50mEq/g、より好ましくは1.75mEq/g~2.75mEq/gの範囲のカチオン電荷密度(又は「CCD(cationic charge density)」)によって特徴付けられ得る。
【0072】
好ましくは、異なるタイプのモノマー単位は、四級化アクリルコポリマーにわたってランダムに分布している。
【0073】
四級化アクリルコポリマーは、好ましくは、カチオン性モノマー単位及びエチレン性不飽和モノマー単位に由来する。
【0074】
カチオン性モノマー単位は、以下から選択することができ、
CH=CR-Y-(CH-NX(a)、
式中、
各Rは、独立して、水素又はメチル、好ましくはメチルから選択され、
各Rは、独立して、C1~C4アルキル(アルキレン)、好ましくはCHCH=CH又はメチル、より好ましくはメチルから選択され、
各R、Rは、独立して、C1~C4アルキル、好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはメチルから選択され、
各Yは、独立して、CO-NR-(CH、CO-O-(CH、又はCH、好ましくはCO-NR-(CH又はCH、より好ましくはCO-NR-(CHから選択される、連結基であり、
式中、
各Rは、独立して、水素又はメチル、好ましくは水素から選択され、
nは、1~4の平均であり、好ましくは1又は3であり、より好ましくは3であり、
は、好適な対イオンであり、好ましくは、Xは、ハロゲン化物対イオン、より好ましくはClである。
【0075】
連結基Yの選択は、四級化アクリルコポリマーを作製するために使用される反応スキームに依存する。好ましくは、全てのYは、同じである。好ましくは、全てのRは、同じである。
【0076】
カチオン性モノマー単位は、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(acrylamidopropyl trimethylammonium chloride、APTAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(methacrylamidopropyltrimethylammonium chloride、MAPTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(diallyl dimethyl ammonium chloride、DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。特に好ましいカチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)であり、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)が最も好ましい。DADMACを重合する場合、2つのポリマー構造が可能である:N-置換ピペリジン構造又はN-置換ピロリジン構造。ピロリジン構造が好ましい(John,Wilson;et al.(2002)、Synthesis and Use of PolyDADMAC for Water Purificationを参照)。
【0077】
エチレン性不飽和モノマーは、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。C3~C8とは、エチレン性不飽和酸及び/若しくはその塩、又はC3~C8ヒドロキシアルキルアクリレートが、3~8個の炭素原子を含むことを意味する。
【0078】
好適なC3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はそれらの塩には、(メタ)アクリル酸及びそれらの混合物が含まれ、アクリル酸が好ましい。好適な塩には、アルカリ金属及びアンモニウム塩が含まれる。
【0079】
好適なC3~C8ヒドロキシアルキルアクリレートは、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、好ましくはエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物、より好ましくはエチル(メタ)アクリレートからなる群から選択することができ、エチルアクリレートが最も好ましい。
【0080】
四級化アクリルコポリマーは、重合モノマーとして、エチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパン-スルホン酸、N-イソプロピルアミド、ビニルピロリドン、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加のモノマーを更に含むことができ、エチルアクリレート及び/又はビニルピロリドンが好ましく、エチルアクリレートが特に好ましい。
【0081】
追加のモノマーは、好ましくは、四級化アクリル中に存在する全モノマーの20モル%未満、好ましくは15モル%未満、より好ましくは10%未満のレベルで存在する。
【0082】
四級化アクリルコポリマーは、エチレン性不飽和モノマーとしてヒドロキシエチルアクリレートとともに、カチオン性モノマーとしてジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)を含むことができる。このような四級化アクリルコポリマーは、追加のモノマーとしてビニルピロリドンを含むことができる。このような四級化アクリルコポリマーとしては、SolvayによってMirapol(登録商標)SURF-S FAST DRYという商標名で販売されているものが挙げられる。
【0083】
より好ましくは、四級化アクリルコポリマーは、エチレン性不飽和モノマーとしてアクリレート及び/又はエチルアクリレートとともに、カチオン性モノマーとして(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC又はMAPTAC)を含むことができる。このような四級化アクリルコポリマーは、追加のモノマーとしてエチルアクリレートを含むことができる。このような四級化アクリルコポリマーとしては、BASFによってPolyquart(登録商標)という商標名で販売されているものが挙げられ、Polyquart149A(登録商標)が特に好ましい。
【0084】
更なる成分:
本組成物は、両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン、環状ポリアミン、トリブロックコポリマー、塩、ヒドロトープ、有機溶媒、本明細書に記載されているものなどの他の補助成分、及びこれらの混合物から選択されるものなどの更なる成分を含むことができる。
【0085】
両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン:
本発明の組成物は、組成物全体の0.05重量%~2重量%、好ましくは0.07重量%~1重量%の両親媒性ポリマーを更に含むことができる。好適な両親媒性ポリマーは、両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミン及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、その液体組成物を洗浄前に洗浄用具(スポンジなど)に直接添加し、その後、ひどく油脂で汚れた表面と接触するとき、とりわけ、洗浄用具が少量~ゼロの水を含むとき、例えば、予め軽く湿らせたスポンジを使用するときに、洗浄される硬質表面上におけるゲル形成を低減することが判明している。
【0086】
好ましい両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、式(I)の一般構造を有する:
【0087】
【化1】
(式中、ポリエチレンイミン主鎖は、重量平均分子量600を有しており、式(I)のnは平均10であり、式(I)のmは平均7であり、式(I)のRは、水素、C~Cアルキル、及びこれらの混合物、好ましくは水素から選択される)。式(I)の永久的な四級化度は、ポリエチレンイミン骨格の窒素原子の0%~22%であってもよい。この両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーの分子量は、好ましくは、10,000~15,000Daである。
【0088】
より好ましくは、両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、式(I)の一般構造を有しているが、ポリエチレンイミン骨格は、重量平均分子量600Daを有しており、式(I)のnは平均24であり、式(I)のmは平均16であり、式(I)のRは、水素、C~Cアルキル、及びこれらの混合物、好ましくは水素から選択される。式(I)の永久的な四級化度は、ポリエチレンイミン骨格の窒素原子の0%~22%であってもよく、好ましくは0%である。この両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーの分子量は、好ましくは25,000~30,000、最も好ましくは28,000Daである。
【0089】
両親媒性アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、国際公開第2007/135645号により詳細に記載されている方法によって作製することができる。
【0090】
環状ポリアミン
本組成物は、洗浄の一助となるアミン官能基を有する環状ポリアミンを含むことができる。本発明の組成物は、好ましくは、当該組成物の0.1重量%~3重量%、より好ましくは0.2重量%~2重量%、とりわけ0.5重量%~1重量%の環状ポリアミンを含む。
【0091】
環状ポリアミンは、少なくとも2つの一級アミン官能基を有する。一級アミンは、環状アミン内の任意の位置に存在してもよいが、油脂洗浄の観点から、一級アミンが1、3位に存在するときにより良好な性能が得られることが分かっている。置換基のうちの1個が-CH3であり、残りがHである環状アミンが、改善された油脂洗浄性能を提供することも判明している。
【0092】
したがって、本発明の洗浄組成物で使用するのに最も好ましい環状ポリアミンは、2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される環状ポリアミンである。これら特定の環状ポリアミンは、本発明の組成物の界面活性剤系とともに配合されたとき、食器洗いプロセス全体を通して起泡及び油脂洗浄プロファイルを改善する機能を有する。
【0093】
好適な環状ポリアミンは、Baxxodurという商標名で、BASFにより供給され得、Baxxodur ECX-210が特に好ましい。
【0094】
環状ポリアミン及び硫酸マグネシウムの組み合わせが特に好ましい。したがって、本組成物は、組成物の0.001重量%~2.0重量%、好ましくは0.005重量%~1.0重量%、より好ましくは0.01重量%~0.5重量%のレベルの硫酸マグネシウムを更に含むことができる。
【0095】
トリブロックコポリマー
本発明の組成物は、トリブロックコポリマーを含むことができる。トリブロックコポリマーは、組成物全体の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~7.5重量%、より好ましくは1重量%~5重量%のレベルで存在することができる。好適なトリブロックコポリマーは、式(I):(EO)x(PO)y(EO)xによるアルキレンオキシド部分を有するトリブロックコポリマーとして定義される、アルキレンオキシドトリブロックコポリマーを含み、EOは、エチレンオキシドを表し、各xは、EOブロック内のEO単位の数を表す。各xは、独立して、平均で5~50、好ましくは10~40、より好ましくは10~30とすることができる。好ましくは、xは、両EOブロックについて同じであり、「同じ」とは、2つのEOブロック間でxの差が最大2単位以内、好ましくは最大1単位以内であり、より好ましくは、両xが同じ単位数であることを意味する。POは、プロピレンオキシドを表し、yは、POブロック中のPO単位の数を表す。各yは、平均で28~60、好ましくは30~55、より好ましくは30~48とすることができる。
【0096】
好ましくは、トリブロックコポリマーの、yの各xに対する比は、3:1~2:1である。トリブロックコポリマーの、yの2つのEOブロックの平均xに対する比は、好ましくは3:1~2:1である。好ましくは、トリブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーの30重量%~50重量%となる全EOの平均重量割合を有する。好ましくは、トリブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーの50重量%~70重量%となる全POの平均重量割合を有する。トリブロックコポリマーの場合のEO及びPOの平均総重量%は合計100%になることが理解される。トリブロックコポリマーは、2060~7880、好ましくは2620~6710、より好ましくは2620~5430、最も好ましくは2800~4700の平均分子量を有することができる。平均分子量は、1H NMR分光法(Thermo scientific application note No.AN52907を参照)を用いて求められる。
【0097】
トリブロックコポリマーは、基本構造ABAを有し、A及びBは異なるホモポリマー及び/又はモノマーの単位である。この場合、Aはエチレンオキシド(EO)であり、Bはプロピレンオキシド(PO)である。当業者は、語句「ブロックコポリマー」が「ブロックポリマー」のこの定義と同義であることを認識するであろう。
【0098】
特定のEO/PO/EO配置及びそれぞれのホモポリマーの長さを有する式(I)によるトリブロックコポリマーは、脂性汚れの存在下における液体食器手洗い用洗剤組成物の起泡持続性能及び/又は洗浄プロセスにおける希釈全体にわたる起泡の稠度を増強することが見出されている。
【0099】
好適なEO-PO-EOトリブロックコポリマーは、例えばPluronic(登録商標)PEシリーズとしてBASFから、また、例えばTergitol(商標)LシリーズとしてDow Chemical Companyから市販されている。BASF製の特に好ましいトリブロックコポリマーは、商標名Pluronic(登録商標)PE6400(MW約2900、約40重量%EO)及びPluronic(登録商標)PE9400(MW約4600、40重量%EO)で販売されている。Dow Chemical Company製の特に好ましいトリブロックコポリマーは、商標名Tergitol(商標)L64(MW約2700、約40重量%EO)で販売されている。
【0100】
好ましいトリブロックコポリマーは、好気条件下で容易に生分解する。
【0101】
本発明の組成物は、塩、ヒドロトロープ、有機溶媒及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの活性物を更に含むことができる。
【0102】
塩:
本発明の組成物は、組成物全体の0.05重量%~2重量%、好ましくは0.1重量%~1.5重量%、又はより好ましくは0.5重量%~1重量%の塩を含むことができ、好ましくは、一価若しくは二価の無機塩又はこれらの混合物は、より好ましくは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム及びこれらの混合物から選択される。塩化ナトリウムが最も好ましい。
【0103】
ヒドロトロープ:
本発明の組成物は、組成物全体の0.1重量%~10重量%、又は好ましくは0.5重量%~10重量%、又はより好ましくは1重量%~10重量%のヒドロトープ又はその混合物、好ましくはクメンスルホン酸ナトリウムを含んでもよい。
【0104】
有機溶媒:
本組成物は、組成物全体の0.1重量%~10重量%、又は好ましくは0.5重量%~10重量%、又はより好ましくは1重量%~10重量%の有機溶媒を含むことができる。好適な有機溶媒としては、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、及びこれらの混合物、好ましくはアルコール、グリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒が挙げられる。エタノールが好ましいアルコールである。ポリアルキレングリコール、とりわけポリプロピレングリコール(PPG)が、好ましいグリコールである。ポリプロピレングリコールは、400~3000、好ましくは600~1500、より好ましくは700~1300の分子量を有することができる。ポリプロピレングリコールは、好ましくはポリ-1,2-プロピレングリコールである。
【0105】
補助成分
本洗浄組成物は、場合により、ビルダー(好ましくはシトレート)、キレート剤、コンディショニングポリマー、他の洗浄ポリマー、表面改質ポリマー、構造化剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、皮膚若返り活性物質、酵素、カルボン酸、スクラブ粒子、香料、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、真珠光沢粒子、Ca/Mgイオンなどのアルカリ土類金属などの無機カチオン、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤(例えば、NaCl、並びに他の一価、二価、及び三価の塩などの塩)、並びにpH調整剤及び緩衝手段(例えば、クエン酸などのカルボン酸、HCl、NaOH、KOH、アルカノールアミン、炭酸ナトリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩などの炭酸塩など)などの多くの他の補助成分を含み得る。
【0106】
パッケージ製品
食器手洗い用洗剤組成物は、容器、典型的には、プラスチック容器に包装することができる。好適な容器は、オリフィスを含む。典型的には、容器は、キャップを備え、オリフィスは、典型的には、キャップ上に備えられる。キャップは、注入口を備えることができ、オリフィスは、注入口の出口にある。注入口は、0.5mm~10mmの長さを有することができる。
【0107】
オリフィスは、出口で3mm~20mm、好ましくは3.8mm~12mm、より好ましくは5mm~10mmの開放断面積を有することができ、容器は、本発明による組成物を更に含む。断面積は、容器からの液体出口に垂直(すなわち、分配中に液体流に垂直)に測定される。
【0108】
容器は、典型的には、200ml~5,000ml、好ましくは350ml~2000ml、より好ましくは400ml~1,000mlの液体食器手洗い用洗剤組成物を含むことができる。
【0109】
洗浄方法
本発明で有用な組成物は、食器類を手作業で洗浄する方法で使用される。本方法は、食器類を液体食器手洗い用洗剤組成物及び水と接触させる工程を含み、液体食器手洗い用洗剤組成物は、四級化アクリルコポリマーと、界面活性剤系と、を含み、界面活性剤系は、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含むアニオン性界面活性剤系を含み、アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、0.1未満の平均アルコキシル化度を有し、水は、30℃以下の温度を有し、好ましくは、水は、20℃~30℃の温度を有する。
【0110】
通常の家庭に存在する水は、典型的には、最大3.0mmol/l CaCO等価の硬度を有し得る。したがって、本明細書に記載される方法は、最大3.0mmol/l、好ましくは0.3mmol/l~2.7mmol/l、より好ましくは0.75mmol/l~2mmol/lのCaCO等価の硬度を有する水で洗浄するときに使用するために好適である。
【0111】
好適な方法は、液体食器手洗い用組成物をある体積の水に供給して洗浄溶液を形成する工程と、洗浄溶液中に食器類を浸漬する工程と、を含む。食器類は、水の存在下で、本組成物により洗浄される。
【0112】
洗浄溶液は、液体食器手洗い用洗剤組成物を、100ppm~10,000ppm、好ましくは200ppm~5000ppm、より好ましくは500ppm~2000ppmの濃度で含むことができる。
【0113】
典型的には、0.5ml~50ml、好ましくは1.0ml~25ml、より好ましくは2.5ml~10mlの液体食器手洗い用洗剤組成物が、1.0l~15l、好ましくは1.5l~10l、より好ましくは2.5~7.5lの水と組み合わせられて、洗浄溶液を形成する。使用される洗剤組成物の実際の量は、ユーザーの判断に基づき、洗剤組成物中の活性成分の濃度、洗浄される汚れた食器類の数、食器類の汚れの程度などを含めた、洗剤組成物の特定の製品配合物などの要因に通常、依存する。
【0114】
汚れた食器類を得られた洗浄液に浸漬した後に、布、スポンジ又は類似の洗浄用具を用いて食器類の汚れた表面を拭き取る。布、スポンジ又は類似の洗浄用具は、通常、1~10秒の範囲のある期間、食器類と接触されるが、実際の時間は、各用途及びユーザーの好みによりさまざまとなろう。拭き取りは、時として、ある期間の浸漬の後、例えば、約30分の浸漬の後に行うことができる。
【0115】
代替的に、食器類を液体食器手洗い用洗剤組成物及び水と接触させる前に、液体食器手洗い用洗剤組成物及び水は、装置上で組み合わせられ、好ましくは、装置は、ブラシ、スポンジ、不織布材料、又は織布材料であり、より好ましくは、装置は、スポンジである。液体食器手洗い用洗剤組成物及び水は、装置上又は装置内で、25:75~1:99、好ましくは15:85~1:99、より好ましくは10:90~1:99の比で組み合わせることができる。
【0116】
洗浄装置又は用具、その結果として、液体食器洗い用組成物及び水は、汚れた食器の各々の表面に直接接触させられ、汚れを除去する。洗浄装置又は用具は、典型的には、約1~約10秒の範囲の期間にわたって各食器表面と接触させられるが、実際の適用時間は、食器の汚れの程度などの要因に依存するであろう。当該洗浄装置又は用具の食器表面への接触は、拭き取りと同時に伴うことが好ましい。
【0117】
続いて、食器類をすすいでもよい。「すすぐ」とは、本発明では、本発明によるプロセスで洗浄された食器類を多量の水と接触させることを意味する。「多量」とは、通常、約1.0~約20L又は流水下を意味する。
【0118】
試験方法
ゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量判定:
多角度光散乱(Multi-Angle Light Scattering、MALS)及び屈折率(Refractive Index、RI)検出を伴うゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(GPC-MALS/RI)は、既知の参照標準との比較を必要とすることなく、ポリマーの重量平均分子量M及び数平均分子量Mを直接測定するための周知のシステムである。
【0119】
ポリマーの真の数平均分子量Mは、組成、したがって、屈折率増分が溶出体積とともに変化する場合でさえも、採取されたスライスが分子量及び組成に関して十分に単分散であるという条件で、光散乱検出及び屈折率検出と組み合わせたGPCによって得ることができる。
【0120】
例えば、ポリマーの分子量分布は、OpenLab Chemstationソフトウェア(Agilent Technology,Santa Clara,CA,USAから)を備えたAgilent 1260 Infinityポンプシステムなどの液体ともにグラフィーシステムを使用して測定することができ、このシステムは、Waters Corporation(Milford,Mass.,USA)によって供給される、直列で使用される7.8mm内径×300mm長さの2つのウルトラヒドロゲルリニアカラム(S/N 002C180181 VE077及び005C180181 VE084)、並びにいずれの不純物及び懸濁固体も分析カラムに到達することを防止するように注入器と分析カラムとの間に設置され、40℃で操作されるウルトラヒドロゲルガードカラム(6mm内径×40mm長さ、S/N2016260401BE105、同様にWaters Corporation(Milford,Mass.,USA)によって供給される)を備えている。Wyatt Astra(登録商標)ソフトウェアによって制御される多角度光散乱(MALS)検出器DAWN(登録商標)及び示差屈折率(RI)検出器(Wyatt Technology(Santa Barbara,Calif.,USA))を、検出に使用することができる。
【0121】
分析物が比較的狭い時間窓にわたって拡散されるため、勾配溶出法ではなく定組成溶出法を使用することができる。定組成とは、移動相の混合物が全試験時間にわたって一貫していることを意味する。勾配を使用することは、溶離剤混合物の配合が測定中に変化するため、分析物の保持に影響を及ぼすことを含意する。勾配法を使用する場合、分離を加速するか、又は減速するかのいずれかを行うことができる。
【0122】
0.02%アジ化ナトリウムを含有する水中の0.1M硝酸ナトリウムが、移動相として使用される。試料が、ポリマーを移動相に約1.0mg/mlで溶解させることによって、かつ溶液を室温で一晩混合してポリマーの完全な水和を確実にすることによって調製される。次いで、試料は、3mlシリンジを使用して、0.8μmのVersapor膜フィルター(AP4189、PALL,Life Sciences,NY,USAによって供給される)を通してLCオートサンプラーバイアルの中に濾過される。次いで、試料は、1.0mL/分の流速でカラムの中に圧送される。
【0123】
ポリマーの数平均分子量及び重量平均分子量は、Astra検出器ソフトウェアによって提供されるdn/dc(濃度に伴う屈折率の微分変化)測定値から計算される。
【0124】
泡持続性
泡持続性試験の目的は、指定の水の硬度、溶液温度及び製剤濃度の異なる試験剤について、断続的に汚れを注入して、その影響下にある間の発生した起泡体積の経時的変化を比較することである。データが比較され、泡持続性指数として参照組成物又は試験条件に対比して表される(参照組成物又は試験条件は、100の泡持続性指数を有する)。方法の工程は、以下の通りである。
1. シンク(寸法:直径300mm、高さ288mm)の底面から37cm上方の高さで0.67mL/秒の流速にてプラスチックピペットを通して、所望の水の硬度及び所望の水温を有する水流に、0.12重量%の試験組成物を分注し、4バールの一定圧力で4Lまでシンクを充填する。
2. 発生した初期起泡体積(シンクの液体上方の平均泡体積Xとして測定(cmで表す)を充填終了直後に記録する。
3. 以下の規定の組成物を含む固定量(6mL)の汚れを、直ちにシンクの中央に注入する。
4. 85RPMにて20回回転し、シンク中央で気液界面に対して角度45°に位置づけられている金属ブレード(10cm×5cm)を使用し、生じた溶液を混合する。
5. 合計起泡体積の別の測定値を、ブレードの回転終了直後に記録する。
6. 測定された合計の起泡体積が400cm以下のレベルに達するまで工程3~5を繰り返す。400cmのレベルに達するのに必要な汚れの添加量を、試験組成物の泡持続性とみなす。
7. 各試験組成物を、試験条件(すなわち、水温、組成物濃度、水硬度、汚れの種類)につき4回試験する。
8. 規定の試験条件につきサンプル毎に4回繰り返した平均として、平均泡持続性を計算する。
9. 25℃での試験組成物試料の平均持続性を、同じ標的水硬度における40℃での同じ試験試料と比較することによって、泡持続性指数を計算する。計算は、以下の通りである。
【0125】
【数1】
【0126】
表1に記載の成分を標準的に混合することにより、試験に使用される油脂汚れ組成物を生成する。
【0127】
【表1】
【実施例0128】
以下の組成物を調製し、本明細書に記載されるように、1.25mmol/L等価のCaの水硬度、並びに25℃(発明の洗浄方法)及び40℃(比較及び参照洗浄方法)の洗浄水温で、脂肪汚れの存在下での泡持続性の利益について評価した。
【0129】
実施例1は、四級化アクリルコポリマー及び非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の両方を含み、したがって、本発明のものであった。実施例Aは、実施例1と同様であったが、四級化アクリルコポリマーを含まなかった。実施例Bは、実施例1と同様であったが、非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の代わりにエトキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含んだ。実施例Cは、実施例1と同様であったが、非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の代わりにエトキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み、四級化アクリルコポリマーを含まなかった。したがって、実施例A、B、及びCは、比較組成物であった。
【0130】
全ての組成物について、脂肪汚れの存在下での結果として得られた泡持続性が、表1に挙げられる。
【0131】
【表2】
比較例
C12~13アルキルアルコールを硫酸化することによって製造され、Neodol 23(登録商標)という商標名で販売され、Shellによって供給されている
エトキシル化C12~13アルキルアルコールを硫酸化することによって製造され、Neodol 23-2(登録商標)という商標名で販売され、Shellによって供給されている
Neodol(登録商標)という商標名で販売され、Shellによって供給されている
BASFによって供給されている、600g/molの重量平均分子量を有するPEI骨格、並びにアルコキシル化鎖当たり24EO及び16PO単位を含むポリエチレンイミン
Polyquart(登録商標)149Aという商標名で販売され、BASFによって供給されている、本発明で有用な四級化アクリルコポリマー
【0132】
上記の結果から分かるように、アルキルエトキシ化サルフェートアニオン性界面活性剤を含む組成物中の四級化アクリルコポリマーの存在は、温かい温度の水を使用して食器類を洗浄するときと比較して、冷たい温度の水を使用して食器類を洗浄するときに、油脂汚れの存在下での泡持続性のごくわずかな改善を提供する(比較例Bからの結果を比較例Cの結果と比較する)。
【0133】
比較例Aからの結果を比較例Cの結果と比較することによって、四級化アクリルコポリマーが存在することなく、エトキシル化アルキルサルフェートの代わりに非アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を使用して組成物を配合することは、エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤含有組成物が、典型的には、非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を使用して配合された同様の組成物よりも低温で安定していても、食器の低温洗浄の間の泡持続性の驚くべき改善をもたらすことが分かる。
【0134】
実施例1からの結果を実施例Aからの結果と比較することによって、非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含む界面活性剤系に加えて、四級化アクリルコポリマーを組成物に配合することは、低温対高温での泡持続性の更なる改善をもたらすことが分かる。
【0135】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0135】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
[1]
液体食器手洗い用洗浄組成物であって、前記組成物全体の6重量%~50重量%の界面活性剤系と、四級化アクリルコポリマーと、を含み、
前記界面活性剤系が、
前記界面活性剤系の少なくとも40重量%のアニオン性界面活性剤を含み、前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含み、前記アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤が、0.1未満の平均アルコキシル化度を有する、組成物。
[2]
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の前記四級化アクリルコポリマーを含む、[1]に記載の組成物。
[3]
前記四級化アクリルコポリマーが、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子重量(Mw)を有する、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]
前記四級化アクリルコポリマーが、100mEq/g当たり0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25カチオン単位の平均カチオン電荷密度を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記四級化アクリルコポリマーが、
a.以下から選択されるカチオン性モノマー単位であって、
i.CH =CR -Y-N (a)、
式中、
各R が、独立して、水素又はメチル、好ましくはメチルから選択され、
各R が、独立して、C1~C4アルキル(アルキレン)、好ましくはCH CH=CH 又はメチル、より好ましくはメチルから選択され、
各R 、R が、独立して、C1~C4アルキル、好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはメチルから選択され、
各Yが、CO-NR -(CH 、CO-O-(CH 、又は(CH 、好ましくはCO-NR -(CH 、又は(CH 、より好ましくはCO-NR -(CH から選択される、連結基であり、
式中、
が、水素又はメチル、好ましくは水素であり、
nが、1~4の平均、好ましくは1又は3、より好ましくは3であり、
が、好適な対イオン、好ましくはハロゲン化物対イオン、より好ましくはCl である、カチオン性モノマー単位と、
b.エチレン性不飽和モノマー単位と、に由来する、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記カチオン性モノマー単位が、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物、好ましくは(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、より好ましくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される、[5]に記載の組成物。
[7]
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、[5]又は[6]に記載の組成物。
[8]
前記四級化アクリルコポリマーが、重合モノマーとして、エチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパン-スルホン酸、N-イソプロピルアミド、及びそれらの混合物、好ましくはエチルアクリレートからなる群から選択される追加のモノマーを更に含む、[1]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]
前記組成物が、前記組成物全体の6.0重量%~40重量%、好ましくは15重量%~35重量%の前記界面活性剤系を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
前記界面活性剤系が、前記界面活性剤系の少なくとも50重量%、好ましくは50重量%~80重量%、より好ましくは55重量%~70重量%のアニオン性界面活性剤を含む、[1]~[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]
前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは100重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]
前記アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤が、アルコキシル化を含まない、[1]~[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]
前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤を含み、前記非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む、[1]~[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]
前記界面活性剤系が、両性補助界面活性剤、双性イオン補助界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される補助界面活性剤を更に含む、[1]~[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]
食器を洗浄する方法であって、食器類を、[1]~[14]のいずれかに記載の液体食器手洗い用洗剤組成物及び水と接触させるステップを含み、前記水が、30℃以下の温度を有する、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体食器手洗い用洗浄組成物であって、前記組成物全体の6重量%~50重量%の界面活性剤系と、四級化アクリルコポリマーと、を含み、
前記界面活性剤系が、
前記界面活性剤系の少なくとも40重量%のアニオン性界面活性剤を含み、前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含み、前記アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤が、0.1未満の平均アルコキシル化度を有する、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の前記四級化アクリルコポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記四級化アクリルコポリマーが、5,000~500,000Da、好ましくは15,000~300,000Da、更により好ましくは25,000~75,000Daの範囲内で、光散乱検出(SEC-MALLS)を備えた水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子重量(Mw)を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記四級化アクリルコポリマーが、100mEq/g当たり0.01~2.8、好ましくは0.1~2.75、より好ましくは0.75~2.25カチオン単位の平均カチオン電荷密度を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
前記四級化アクリルコポリマーが、
a.以下から選択されるカチオン性モノマー単位であって、
i.CH=CR-Y-N (a)、
式中、
各Rが、独立して、水素又はメチル、好ましくはメチルから選択され、
各Rが、独立して、C1~C4アルキル(アルキレン)、好ましくはCHCH=CH又はメチル、より好ましくはメチルから選択され、
各R、Rが、独立して、C1~C4アルキル、好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはメチルから選択され、
各Yが、CO-NR-(CH、CO-O-(CH、又は(CH、好ましくはCO-NR-(CH、又は(CH、より好ましくはCO-NR-(CHから選択される、連結基であり、
式中、
が、水素又はメチル、好ましくは水素であり、
nが、1~4の平均、好ましくは1又は3、より好ましくは3であり、
が、好適な対イオン、好ましくはハロゲン化物対イオン、より好ましくはClである、カチオン性モノマー単位と、
b.エチレン性不飽和モノマー単位と、に由来する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン性モノマー単位が、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メチロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(METAC)、及びそれらの混合物、好ましくは(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC若しくはMAPTAC)又はジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、より好ましくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記エチレン性不飽和モノマー単位が、C3~C8エチレン性不飽和酸及び/又はその塩、C3~C8ヒドロキシアルキルアクリレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項8】
前記四級化アクリルコポリマーが、重合モノマーとして、エチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパン-スルホン酸、N-イソプロピルアミド、及びそれらの混合物、好ましくはエチルアクリレートからなる群から選択される追加のモノマーを更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記組成物全体の6.0重量%~40重量%、好ましくは15重量%~35重量%の前記界面活性剤系を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤系が、前記界面活性剤系の少なくとも50重量%、好ましくは50重量%~80重量%、より好ましくは55重量%~70重量%のアニオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項11】
前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性界面活性剤の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは100重量%のアルキル硫酸化アニオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項12】
前記アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤が、アルコキシル化を含まない、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項13】
前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤を含み、前記非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項14】
前記界面活性剤系が、両性補助界面活性剤、双性イオン補助界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される補助界面活性剤を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項15】
食器を洗浄する方法であって、食器類を、請求項1又は2に記載の液体食器手洗い用洗剤組成物及び水と接触させるステップを含み、前記水が、30℃以下の温度を有する、方法。
【外国語明細書】