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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100717
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】試用大腿骨頭
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/36 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61F2/36
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001670
(22)【出願日】2024-01-10
(31)【優先権主張番号】63/439,233
(32)【優先日】2023-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】トーリー レナード
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA05
4C097BB01
4C097CC05
4C097EE07
4C097EE13
4C097SC04
(57)【要約】
【課題】試用大腿骨頭を提供する。
【解決手段】試用骨頭部は、近位側と、遠位側と、遠位側に位置付けられた複数のタブと、凹部とを含むことができる。複数のタブは、まとまって開口部を形成する。凹部は、開口部と連通できる。凹部は、少なくともテーパー部を有する第1の壁部分及び第1の壁部分とは異なる形状を有する第2の壁部分によって形成できる。第2の壁部分は、第1の壁部分の近位に在る。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
股関節形成術のための試用骨頭部であって、
近位側と、
遠位側と、
前記遠位側に位置付けられる複数のタブであって、前記複数のタブは、まとまって開口部を形成する、複数のタブと、
前記開口部と連通する凹部であって、前記凹部は、少なくともテーパー部を有する第1の壁部分及び前記第1の壁部分とは異なる形状を有する第2の壁部分によって形成され、前記第2の壁部分は、前記第1の壁部分の近位に在る、凹部と、
を備える、試用骨頭部。
【請求項2】
前記第2の壁部分は、曲率半径又は面取りした面の一方を有する、請求項1に記載の試用骨頭部。
【請求項3】
前記第1の壁部分は、少なくとも部分的に前記複数のタブによって形成される、請求項1に記載の試用骨頭部。
【請求項4】
前記凹部は、さらに前記第2の壁部分の近位に在る第3の壁部分によって形成され、前記第3の壁部分は、円筒状に成形される、請求項1に記載の試用骨頭部。
【請求項5】
さらに、前記近位側と前記遠位側との間に中間セクションを備え、前記中間セクションの外面は、その中に溝を有する、請求項1に記載の試用骨頭部。
【請求項6】
前記複数のタブは、それぞれ、
絞り部を形成するために前記凹部の前記第1の壁部分から遠位方向かつ内向きに延びる第1の面取りした面と、
前記第1の面取りした面から遠位方向に延びる第2の面取りした面と、
前記第2の面取りした面から最遠位端まで遠位方向に延びる面取りした面又は曲率半径と、
を備える内壁を含む、請求項1に記載の試用骨頭部。
【請求項7】
さらに、前記複数のタブ及び前記凹部によって受け入れられるように構成されたテーパー部を伴う頸部を有する人工大腿骨又は試用大腿骨成分を備え、前記第1の面取りした面は、前記テーパー部のベースの遠位側に延びるように構成された、請求項6に記載の試用骨頭部。
【請求項8】
前記複数のタブは、前記テーパー部を受け入れ、前記テーパー部の少なくとも一部分との間に締まり嵌めを形成するために外向きに屈曲する、請求項7に記載の試用骨頭部。
【請求項9】
前記試用大腿骨成分は、前記テーパー部においてCリングを含み、前記第2の壁部分は、前記テーパー部が前記複数のタブ及び前記凹部によって受け入れられるときに、前記Cリングとの間に締まり嵌めを形成するように構成された、請求項7に記載の試用骨頭部。
【請求項10】
少なくとも前記複数のタブは、ポリマー材料で形成される、請求項1に記載の試用骨頭部。
【請求項11】
前記複数のタブに隣接する前記遠位側は、前記試用骨頭部の取外しを容易にするためにリップを含む、請求項1に記載の試用骨頭部。
【請求項12】
股関節形成術のための整形外科システムであって、
テーパー部を有する頸部を含む試用大腿骨成分であって、前記試用大腿骨成分は、大腿骨インプラントの形状を表す、試用大腿骨成分と、
様々な外部構成を有する複数の試用骨頭部であって、前記複数の試用骨頭部は、それぞれ、前記試用大腿骨成分と結合するように構成され、前記複数の試用骨頭部は、それぞれ、
近位側と、
遠位側と、
前記遠位側において位置付けられた複数のタブであって、前記複数のタブは、まとまって開口部を形成し、前記複数のタブの内側面取り面は、前記試用大腿骨成分が前記複数の試用骨頭部の各1つと結合されるときに、前記テーパー部のべースの遠位方向に延びるように構成された、複数のタブと、
前記開口部と連通し、前記複数のタブの前記内側面取り面を越えて前記テーパー部が挿入されるときに、前記テーパー部を受け入れるように構成された凹部と、
を含む、複数の試用骨頭部と、
を備える、整形外科システム。
【請求項13】
少なくとも前記凹部及び前記複数のタブは、前記複数の試用骨頭部の全てについて同じ構成を有する、請求項12に記載の整形外科システム。
【請求項14】
前記凹部は、少なくともテーパー部を有する第1の壁部分及び面取りした面又は曲率半径の一方を有する第2の壁部分によって形成され、前記第2の壁部分は、前記第1の壁部分の近位に在る、請求項12に記載の整形外科システム。
【請求項15】
前記第1の壁部分は、少なくとも部分的に前記複数のタブによって形成され、前記凹部は、さらに、前記第2の壁部分の近位に在る第3の壁部分によって形成され、前記第3の壁部分は、円筒状に成形されている、請求項14に記載の整形外科システム。
【請求項16】
前記複数のタブは、前記テーパー部を受け入れ、前記テーパー部の少なくとも一部分との間に締まり嵌めを形成するために外側に屈曲するように構成された、請求項12に記載の整形外科システム。
【請求項17】
前記試用大腿骨成分は、前記テーパー部においてCリングを含み、曲率半径を有する前記凹部の一部を画定する壁は、前記テーパー部が前記複数のタブ及び前記凹部によって受け入れられるときに、前記Cリングとの間に締まり嵌めを形成するように構成された、請求項12に記載の整形外科システム。
【請求項18】
前記複数のタブに隣接する遠位側は、リップを含む、請求項12に記載の整形外科システム。
【請求項19】
股関節形成術のためのトライアルの方法であって、
テーパー部を有する頸部を伴う試用大腿骨成分又は人工大腿骨を提供することと、
前記試用大腿骨成分又は前記人工大腿骨を受け入れるために大腿骨を準備することと、
前記試用大腿骨成分又は前記人工大腿骨を前記大腿骨に挿入することと、
前記テーパー部を凹部内に受け入れ、かつ、複数の試用骨頭部の第1番目のものの複数のタブを伴って前記テーパー部を捕捉することによって、様々な外部構成を有する前記複数の試用骨頭部の前記第1番目のものを前記試用大腿骨成分又は前記人工大腿骨に結合することであって、前記複数のタブは、前記テーパー部との間に締まり嵌めを形成するために屈曲するように構成された、結合することと、
前記複数の試用骨頭部の前記第1番目のものを前記試用大腿骨成分又は前記人工大腿骨に結合してトライアル整復を実行すること、
を含む、方法。
【請求項20】
さらに、
前記凹部内において、前記テーパー部に結合されたCリングと前記凹部の壁との間に締まり嵌めを形成することであって、前記壁は、面取りした面又は曲率半径の一方を有する、形成することと、
前記複数のタブに隣接するリップを把握することによって、前記試用大腿骨成分又は前記人工大腿骨から前記複数の試用骨頭部の前記第1番目のものを取り外すこと、
を含み、
前記複数の試用骨頭部の前記第1番目のものを前記試用大腿骨成分又は前記人工大腿骨に結合することは、前記テーパー部のベースを遠位方向へ延ばすように、前記複数のタブの内側面取り面を位置付けることを含む、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、その優先権の利益を本出願によって主張し、その内容は参照によってその全体が本出願に援用される、2023年1月16日に提出された米国仮特許出願第63/439233号の利益を主張するものである。
【0002】
本出願は、股関節置換手術システム、特にこのシステムと使用するための試用大腿骨頭に関する。
【背景技術】
【0003】
整形外科用人工インプラントは、加齢、疾患又は外傷に起因する障害による劣化後に股関節の使用を回復するために、又は、股関節の使用を増強するために、患者の股関節の一部又は全部を置き換えるために一般的に使用される。股関節全置換術(THR)(全股関節形成術(THA)とも称する)において、大腿骨頸及び骨頭を含めて患者の大腿骨の一部分を置き換えるために人工大腿骨が使用される。人工大腿骨は、一般にステムと呼ばれる。人工大腿骨の一部分は、患者の大腿骨の準備された大腿管内に位置付けられ、骨セメントで又はプレス嵌めした後にステム部分の多孔質コーティングの中へ周囲組織が骨陥入することによって固定するように構成される。ステムは、人工大腿骨頭を受け入れるように構成された頸部を有することができる。大腿骨頭は、患者の寛骨臼の準備された凹部内に受け入れられる寛骨臼カップなどの人工寛骨臼成分内に受け入れられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各々異なる形状及び構成を有する人工大腿骨股関節を含む様々なプロテーゼシステムが知られている。外科医は、患者の身体構造、外科的嗜好又は特定のシステムに使用される製品及び手術法への慣れによって特定のプロテーゼシステムに対する特定の嗜好を有する場合がある。THRのための人工大腿骨は、一体形ステム成分であるか、又はモジュール式股関節成分とすることができる。モジュール式股関節成分の場合、股関節ステム及び頸部は、別個の成分として形成される。様々なシステムは、変種の増殖に繋がってきた。例えば、当該出願人は、股関節置換用の40を超えるインプラントシステムをサポートしている。一体形コンポーネントを含むシステムのいくつかの人工大腿骨100及びモジュール式システムの頸部102の例を図1に示す。これらのシステムは、それぞれ、異なるサイズ、頸部長さ、頸部オフセット、遠位形状などによって人工大腿骨100の各々のための複数の変種を有することができる。
【0005】
モジュール式股関節成分の場合、手術前に、外科医は、患者の身体構造、身体画像スキャン及び/又はその他の患者固有のデータに基づいて、股関節ステム又は頸部102(図1参照)を選択する。手術中、外科医は、典型的には試用大腿骨成分107を伴って、この選択の妥当性を確認するか、又は、より最適な結果を得るためには別の股関節ステム又は別の頸部が好ましいしいことを発見する場合がある。外科医には、様々な患者の身体構造に対処するために多様な頸部形状(例えば、様々な頸部長さ、角度及び/又は前傾を有するステム変種)が提供される。これらの試用大腿骨成分107は、一体形試用ステム109とするか、又はモジュール式であって、典型的には術中に遠位試用大腿骨成分に組み立てられる試用頸部成分110を有することができる。同様に、いくつかの試用大腿骨成分は、テーパー部104においてCリング106(図1参照)を含むことができる。但し、Cリング106のサイズ(例えば、直径)及び設置位置(例えば、深さ)は、システムによって変動することができる。
【0006】
人工股関節は、テーパー機構によって永久大腿骨頭インプラントに組み立てられる。様々なサイズ、オフセット及び材料での大腿骨頭インプラントが、使用可能である。出願人が製造し、販売する40を超えるプロテーゼシステムの多くは、大腿骨頭成分(図示省略)と結合するために12/14テーパー部104(図1参照)を含むが、このようなテーパー部104の形状は、システムによって及びシステム内のステムによっても変動する可能性がある。例えば、テーパー部の長さは、システムによって及びシステム内のステムによっても異なる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
当該発明者は、インプラント及び試用のテーパー部104の様々な形状的相違に対応できる試用骨頭部によって異なるプロテーゼシステムに異なる試用骨頭部を必要としなくなることを確認した。したがって、配分しなければならない試用骨頭部の数を減らすことができ、コストを削減できる。さらに、本願において説明する試用骨頭部は、適切かつ効果的な外科的埋植を容易にすることができる。本明細書において論じる試用骨頭部は、器具として知られ、患者身体内に永久的に埋植されないことが分かるはずである。むしろ、試用骨頭部は、人工大腿骨100又は試用大腿骨成分107のテーパー部104に一時的に取り付けられ、運動範囲などの関節運動が適切か否かをチェックするために、永久的大腿骨頭成分を模擬するために関節に配置される。
【0008】
当該発明者は、また、図1の人工大腿骨100の多く又は全て及びこれらの各試用大腿骨成分107と両立するような複数のシステムを想定している。これらの試用骨頭部は、永久大腿骨頭成分のための様々なサイズ、永久大腿骨頭成分のための様々なオフセットなどを模擬するために、様々な外部構成を有することができるが、全てのシステムのための試用骨頭部の全てが、人工大腿骨100又は試用大腿骨成分107のテーパー部104と結合するために実質的に同じ構成を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の試用骨頭部を使用できる複数の様々なプロテーゼシステムの人工大腿骨及び試用大腿骨成分の平面図である。
図2A図2Aは、本出願の実施例に係る、試用骨頭部の平面図である。
図2B図2Bは、図2Aの試用骨頭部の断面図である。
図2C図2Cは、図2Bの断面の拡大図である。
図3図3は、図1の複数の様々な試用骨頸成分の様々なテーパー部を受け入れる凹部及び複数のタブの1つを有する試用骨頭部の一部の断面図である。
図4図4は、2つの試用骨頸成分の異なる2つのテーパー部及び2つのインプラント骨頸成分の異なる2つのテーパー部を受け入れる凹部及び複数のタブを有する試用骨頭部の断面図である。
図4A図4Aは、図4の凹部及び複数のタブの1つの第1遠位部の拡大図である。
図4B図4Bは、図4の凹部の第2、第3及び第4近位部の拡大図である。
図5A図5Aは、本出願の実施例に係る、各々異なる外部形状又はオフセットを有するが、凹部及び/又は複数のタブが実質的に同じ形状を共有する複数の試用骨頭部を示す。
図5B図5Bは、本出願の実施例に係る、各々異なる外部形状又はオフセットを有するが、凹部及び/又は複数のタブが実質的に同じ形状を共有する複数の試用骨頭部を示す。
図5C図5Cは、本出願の実施例に係る、各々異なる外部形状又はオフセットを有するが、凹部及び/又は複数のタブが実質的に同じ形状を共有する複数の試用骨頭部を示す。
図6図6は、図5Aから図5Cのシステムの試用骨頭部のいくつかの遠位側を示し、本出願の実施例に係る試用骨頭部の様々な構成のいくつかについて凹部及び/又は複数のタブの同じ形状を図解する。
【0010】
対応する参照符号は、いくつかの図面を通して対応する部品を指す。本明細書における例示は、本発明の実施形態を例証し、この例示は本発明の範囲を限定するものとして解釈されないものとする。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願は、テーパー部104を受け入れると共に結合し得ることによって、図1の人工大腿骨100又は試用大腿骨成分107の何れであっても利用できる結合形状を有する試用骨頭部を開示する。試用骨頭部は、複数のタブを介してテーパー部104との間に少なくとも1つの締まり嵌めを形成できる。タブは、テーパー部104が試用骨頭部の凹部の中に受け入れられるときに外向きに撓むことができる。さらに、試用骨頭部は、Cリングを利用する場合に、テーパー部104のCリング106を受け入れて、これとの間に第2締まり嵌めを形成できる。
【0012】
図2A及び図2Bは、1つの実施例に係る大腿骨の試用骨頭部200を示す。大腿骨の試用骨頭部200は、近位側202と遠位側204とを含む。中間セクション206は、近位側202と遠位側204との間に位置付けることができる。
【0013】
図2Aに示すように、中間セクション206は、外面210に溝208を含むことができる。中間セクション206の外面210は、その部分に沿って実質的にフラットにすることができる。これに対して、近位側202及び遠位側204における外面210は、半球形又は平頭半球形になるように湾曲させることができる。
【0014】
中間セクション206に沿った溝208は、撮像時に見ることができ、股関節の中への試用骨頭部200の挿入時に撮像するときに、基準又は指標として使用できる。溝208は、試用骨頭部200が適切に位置付けられているか、適切なサイズであるかを指示するために使用でき、かつ/又は、他の目的に利用できる。撮像は、例えば、X線画像などのX線透過画像若しくは蛍光画像、代替的には、コンピュータ断層画像(CT)、磁気共鳴画像(MRI)又はその他の適切な画像とすることができる。
【0015】
図2A及び図2Bの試用骨頭部200は、遠位側204にスカート212を含むことができる。但し、スカート212は、試用骨頭部200の全ての実施例においては利用されない(スカート212を含まない図5Aから図6の実施例を参照)。図2Bは、縫合糸を受け入れるように構成された開口214を示す。
【0016】
試用骨頭部200又はその一部分は、例えばポリマー材料で形成できる。ポリマー材料は、例えばシリコン、ポリフェニルスルフォン(PPSU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はその他の適切な生体適合性ポリマー材料とすることができる。但し、複合材料を含むその他の材料も、更なる実施例に係る試用骨頭部200又はその一部分に想定される。
【0017】
遠位側204は、複数のタブ216を含むことができる。複数のタブ216は、スカート212が使用される場合にはスカート212から遠位方向に延び、又は、遠位側204内に陥没できる。複数のタブ216は、まとまって試用骨頭部200内部へ通じる開口部218を形成できる。開口部218は、試用骨頭部200の最遠位の機構とすることができ、大腿骨インプラント100又は試用大腿骨成分107のテーパー部104に結合され、例えば手術中に利用されるときに、遠位向きとすることができる。
【0018】
図2Bは、さらに、開口部218と連通する凹部220を示す。凹部220は、試用骨頭部200内において開口部218から近位方向に延びることができる。凹部220は、その遠位領域において少なくとも部分的に複数のタブ216によって形成できる。凹部220は、外面210において近位側202までを含めて試用骨頭部200の残りを貫通する開口222と連通できる。凹部220及び複数のタブ216は、本明細書においてさらに説明するように、一緒に人工大腿骨100又は試用大腿骨成分107(図1参照)のテーパー部104に試用骨頭部200を結合するように構成できる。
【0019】
図2Cは、試用骨頭部200の一部の拡大断面図である。図2Cに示すように、複数のタブ216は、それぞれ、スロット224によって、複数のタブ216の隣り合うタブから離間する。スロット224は、それぞれ、遠位-近位方向において、例えば3mmから7mmの長手方向の長さを有することができる。各スロット224は、円周方向に、例えば1.25mmから2.25mmの幅を有することができる。複数のタブ216は、それぞれ、1.25mmから2.25mmの厚み及び外面に沿って円周方向に計測して5.5mmから9.5mmの幅及び内側方向に沿って円周方向に計測して3.25mmから7.25mmの幅を有することができる。開口部218は、12.50mmから14.50mmの直径を有することができる。凹部220は、近位-遠位方向に12.25mmから15.25mmの深さを有することができる。凹部220のテーパー状及び形状によって、凹部220の近位端は、凹部220の形状によって、開口部218における直径よりも0.25mmから1.00mm小さくすることができる(以下で論じる)。1つの実施例によれば、複数のタブ216の6つは、開口部218の中央から実質的に等間隔に配列できる。但し、本出願の他の実施例は、上記及び下記で論じるタブの数及びその他の形状を希望に応じて修正できることを想定する。
【0020】
凹部220は、第1の壁部分226、第2の壁部分228、第3の壁部分230及び第4壁部分232を含めて2つ又はそれ以上の壁部分によって画定できる。第1の壁部分226は、凹部220の最遠位部を形成できる。したがって、第1の壁部分226は、少なくとも部分的に複数のタブ216によって形成できる。第1の壁部分226は、近位-遠位方向に、例えば、7.5mmから9.5mmの深さを有することができる。第1の壁部分226は、12/14テーパーに対応するようにテーパー状とすることができる。したがって、凹部220の断面積は、第1の壁部分226の遠位端から第1の壁部分226の近位端へ向かって減少できる。
【0021】
第2の壁部分228は、第1の壁部分226とは異なる形状を有することができる。第2の壁部分228は、第1の壁部分226の近位に位置付けることができ、第1の壁部分226に接続できる。第2の壁部分228は、例えば、単純に孔ではない曲率半径、テーパー部又は面取りした面を含むことができる。曲率半径は、僅かであり、例えば80mmとすることができる。但し、別の実施例によれば、第2の壁部分228は、曲率半径を有するのではなく面取りできる。面取り角度は、第1の壁部分226のテーパー角度と異なる角度とすることができる。曲率半径又は面取りによって、凹部220は第2の壁部分228の遠位端から第2の壁部分の近位端まで断面積を減少できる。
【0022】
第3の壁部分230は、第2の壁部分228の近位とすることができ、これに接続できる。第3の壁部分230は、円筒形状とすることができる(例えば、開口は曲率半径又はテーパー部を持たない)。第3の壁部分230は、近位-遠位長さを1mmから2mmとすることができる。第4壁部分232は、凹部220を形成するために釣り合う半径を含み、凹部220の近位端壁を含むことができる。
【0023】
図2Cに示すように、複数のタブ216は、それぞれ、凹部220の遠位部を形成する内壁234を有することができる。内壁234は、第1の壁部分226(上記で論じた)の一部、第1の面取りした面236、第2の面取りした面238及び第3の面取りした面又は曲率半径240を含むことができる。
【0024】
第1の面取りした面236は、凹部220の第1の壁部分226から遠位方向かつ内向きに延びて、第1の壁部分226の遠位端と比べて絞り部(restriction)(凹部220の直径縮小領域)を形成できる。第1の面取りした面236の長さは、0.60mmから1.00mmとすることができる。
【0025】
第2の面取りした面238は、第1の面取りした面236に接続して、第1の面取りした面236から遠位方向に延びることができる。第2の面取りした面238の長さは、0.50mmから0.75mmとすることができる。いくつかの実施例において、第2の面取りした面238は、図示するように面取りされず、実質的にフラットとするか(例えば、円筒形とすることができる)又は図示する方向とは異なる方向に面取りすることができる。
【0026】
第3の面取りした面又は曲率半径240は、第2の面取りした面238に接続でき、第2の面取りした面238から内壁234の最遠位端(凹部220の端に対応する)まで遠位方向に延びることができる。実際には、第3の面取りした面又は曲率半径240は、複数のタブ216に鈍い(blunt)又は傾斜した遠位先端を与えるように、開口部218を越えて延びることができ、凹部220へのテーパー部104の進入のための傾斜路を与えることができる。第3の面取りした面又は曲率半径240の近位-遠位長さは、例えば、0.25mmから0.75mmとすることができる。
【0027】
図2Cは、さらに、複数のタブ216に隣接する遠位側204が、リップ242又はその他の突出部を含むことができ、かつ、いくつかの事例において、試用骨頭部200をテーパー部から外すために、試用骨頭部200の把握を容易にするための溝244を含むことができることを示す。
【0028】
図3は、凹部220の一部及び複数のタブ216の1つを含む試用骨頭部200の一部分の断面図である。図3は、さらに、凹部220によって受け入れられ、複数のタブ216の1つと係合した図1の試用大腿骨成分107のいくつかのテーパー部104を示す。図3は、凹部220の一部を形成する第2の壁部分228との間に締まり嵌めを形成するCリング106を示す。図3は、さらに、組立てに対処するために屈曲した後の弛緩(中立)状態の複数のタブ216の1つを示す。複数のタブ216は、それぞれ、ベース108及び/又はテーパー部104の他の部分との間に締まり嵌めを形成するように構成される。テーパー部104と複数のタブ216の1つとの間のこの締まり嵌めは、例えば第1の面取りした面236及び/又は第2の面取りした面238に在り得る。
【0029】
図4は、試用骨頭部200の大部分の断面図であり、図1の人工大腿骨100の2つ及び試用大腿骨成分107の2つのテーパー部104の4つが凹部220に受け入れられ、複数のタブ216と係合している。図示する4つのテーパー部の2つは、Cリング106のための溝110A及び110Bを有する。これらの溝110A及び110Bは、様々な相対位置に配置され、様々な形状を有する。したがって、Cリング106は、様々な位置に配置され、様々な相対形状を有することができる。
【0030】
図4Aは、図4の凹部220の一部の遠位部分の拡大図であり、複数のタブ216の1つ、第1の壁部分226及び第1の面取りした面236を示す。複数のタブ216は、2つの人工大腿骨100又は2つの試用大腿骨成分107のテーパー部104を受け入れながら、外向きに屈曲できる。図4Aに示すように、第1の面取りした面236は、テーパー部104の最遠位のベース108の遠位方向に延びることができる。この1つの人工大腿骨100のために、複数のタブ216の1つ(実際には全て)は、第1の面取りした面236においてテーパー部104との間に締まり嵌めを形成できる。但し、図4Aは、1つの付加的な人工大腿骨100及び2つの試用大腿骨成分107を示し、このための複数のタブ216とテーパー部104との間の締まり嵌めが、組立て及び解体時に生じる。締まり嵌めは、試用骨頭部がインプラントステム100又は試用大腿骨成分107のテーパー部104を保持できるようにし、外科的処置全体を通じて不注意な分解を防止するために有利である。テーパー部104は、凹部220の第1の壁部分226及び第2の壁部分228との間に遊び嵌めを有することができる。この遊びは、有利なことに、テーパー部のインターロックフィットを防止して、容易に分解できるようにする。
【0031】
図4Bは、図4の凹部220の近位部分の拡大図であり、第2の壁部分228がテーパー部104の溝110A及び110Bと合致するように配列されている。Cリング106が溝110A及び110Bに受け入れられると、Cリング106は、それぞれ、凹部220の一部を形成する第2の壁部分228と締まり嵌めを形成する。
【0032】
図5Aから図5Cは、前述の試用骨頭部200を含む複数の試用骨頭部300を示す。これらの複数の試用骨頭部300は、例えば、図1に示す人工大腿骨100、及び/又は、試用大腿骨成分107の全てと共に使用できる。複数の試用骨頭部300は、それぞれ、その外面に沿って様々な構成を含むことができる。このように様々な構成を有することによって、様々なサイズの試用骨頭部(図5B参照)、様々なオフセットの試用骨頭部、スカート及び/又はその他の相違を使用できるようにする。
【0033】
図5C及び図6は、複数の試用骨頭部300が、全て、凹部220及び複数のタブ216について実質的に同じ形状を含むことができることを示す。したがって、例えば、複数の試用骨頭部300について、凹部220が同じ直径を含めて実質的に同じ形状を持ち、かつ、図2Cを参照して論じるような形状を有する第1の壁部分226及び第2の壁部分228を含む2つ又はそれ以上の壁部分を有することができる。同様に、複数のタブ216の内壁234は、同じ形状を有することができ、図2Cを参照して上記で論じたように第1の面取りした面236、第2の面取りした面238及び/又は曲率半径240を含むことができる。
【0034】
手術中、運動範囲、脚の長さ、軟組織のバランスなど評価するために、試用大腿骨成分が試用骨頭部に組み立てられる。満足できる機能が得られるまで別の試用構成体を評価できる。その後、対応する大腿骨インプラントを、従来からある外科的技法によって埋植する。その後、運動範囲、脚の長さ、軟組織のバランスなどの二次的評価を行うために、試用骨頭部を人工大腿骨に組み立てる。
【0035】
外科医は、上記において例証したように(図3から図4B参照)、ステム100又は試用大腿骨成分107のテーパー部を試用骨頭部と結合することによって、試用大腿骨成分を試すことができる。術前プラン及び関連結果を検証又は確認するためにトライアルが使用される。この時点で、外科医は、いくつかの変数、例えば股関節インプラント及び患者の身体構造に関連付けられる足の長さ、オフセット、軟組織のバランス及び前傾を査定する。この査定は、例えば関節を運動範囲全体で動かすなど従来の外科的技法によって完了できる。外科医は、前述のように溝を使用して所望通りに股関節内での試用骨頭部を撮像できる。外科医は、より長い脚が必要である又はオフセット、軟組織のバランス及び/又は前傾が満足できないと考える場合がある。本発明の方法は、外科医が新規のモジュール式頸部又は新規のステムを選択し、妥当な場合にはこれに応じて複数の試用骨頭部300のどれを(図5Aから図6参照)利用するかを変更できるようにする。但し、複数の試用骨頭部300の結合形状は、実質的に同じままであり、部品数及び外科的複雑性を小さくする。外科医が特定の大腿骨インプラントを選択し、これを埋植したら、次に、運動範囲、脚の長さ、軟組織のバランスなどの二次評価を行うために、人工大腿骨に試用骨頭部を組み立てる。トライアルが完了したら、選択された試用骨頭部を取り外し、これに対応する形状の永久骨頭成分を、テーパー部を介して頸部に結合できる。
【0036】
したがって、本出願は、股関節形成術を試す方法を想定する。この方法は、テーパー部を有する頸部付きの試用大腿骨成分構成体を提供することと、人工大腿骨を受け入れるために大腿骨を準備することと、大腿骨に試用大腿骨成分を挿入することと、凹部内にテーパー部を受け入れて複数の試用骨頭部の第1番目のものの複数のタブでテーパー部を捕捉することによって、様々な構成の複数の試用骨頭部の第1番目のものを試用大腿骨成分に結合することであって、複数のタブが、テーパー部との間に締まり嵌めを形成するために屈曲するように構成された、結合することと、複数の試用骨頭部の第1番目のものを試用大腿骨成分に結合してトライアル整復を実施することと、を含むことができる。任意に、方法は、試用大腿骨成分が模擬するテーパー部を有する頸部を有する人工大腿骨を準備された大腿骨(例えば、大腿管)の中へ埋植することを含むことができる。任意に、試用大腿骨成分を使用せずに、方法は、上述の方法と同様にテーパー部を受け入れることによって試用骨頭部を人工大腿骨に結合することを含むことができる。
【0037】
任意に、方法は、凹部内でテーパー部に結合されたCリングと凹部の壁との間に締まり嵌めを形成することを含むことができ、壁は面取りした面又は曲率半径を有する。方法は、人工大腿骨に結合された複数の試用骨頭部の第1番目のものを撮像することと、複数の試用骨頭部の第1番目のものの外面に沿った溝を参照することと、を含むことができる。方法は、複数のタブに隣接して配置されたリップを把握することによって複数の試用骨頭部の第1番目のものを人工大腿骨から取り外すことを含むことができる。複数の試用骨頭部の第1番目のものを人工大腿骨に結合することは、テーパー部のベースの遠位方向に延びるように複数のタブの各々の内側面取り面を位置付けることを含む。
【0038】
全体を通して、股関節インプラントに関連して説明するが、この技法は、例えば肩関節形成術又は諸成分を結合するために噛合いテーパー部を利用する別の処置など(但し、これらに限定されない)、試用品を利用する別の関節に利用できる。
【0039】
下記の非限定的実施例(以下では形態及び技法と呼ぶ)は、それぞれ、単独で成り立つか又は他の実施例の1つ又はそれ以上と様々な置換又は組合せで組み合わせることができる。さらに、実施例において言及する要素は任意であり、装置、システム又は方法の要件ではない。
(実施例)
【0040】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、股関節形成術のための試用骨頭部に関するものであり、近位側と、遠位側と、遠位側において位置付けられる複数のタブであって、複数のタブがまとまって開口部を形成する複数のタブと、開口部と連通する凹部であって、凹部は、少なくともテーパー部を有する第1の壁部分及び第1の壁部分と異なる形状を有する第2の壁部分によって形成され、第2の壁部分は第1の壁部分の近位に在る、凹部と、を含む。
【0041】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、試用骨頭部に関するものであり、第2の壁部分は、曲率半径又は面取りした面の一方を有する。
【0042】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、試用骨頭部に関するものであり、第1の壁部分は、少なくとも部分的に複数のタブによって形成される。
【0043】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、試用骨頭部に関するものであり、凹部は、さらに、第2の壁部分の近位に在る第3の壁部分によって形成され、第3の壁部分は円筒状に成形されている。
【0044】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、さらに、近位側と遠位側との間に中間セクションを含む試用骨頭部に関するものであり、中間セクションの外面はその中に溝を有する。
【0045】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、試用骨頭部に関するものであり、複数のタブは、それぞれ、絞り部を形成するために凹部の第1の壁部分から遠位方向かつ内向きに延びる第1の面取りした面と、第1の面取りした面から遠位方向に延びる第2の面取りした面と、第2の面取りした面から最遠位端まで遠位方向に延びる面取りした面又は曲率半径と、を含む内壁を含む。
【0046】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、試用骨頭部に関するものであり、さらに、複数のタブ及び凹部に受け入れられるように構成されたテーパー部を有する頸部を有する人工大腿骨又は試用大腿骨成分を含む、第1の面取りした面は、テーパー部のベースの遠位方向に延びるように構成される。
【0047】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、試用骨頭部に関するものであり、複数のタブは、テーパー部を受け入れてテーパー部の少なくとも一部分との間に締まり嵌めを形成するために、外向きに屈曲する。
【0048】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、試用骨頭部に関するものであり、試用大腿骨成分は、テーパー部にCリングを含み、第2の壁部分は、テーパー部が複数のタブ及び凹部によって受け入れられるときに、Cリングとの間に締まり嵌めを形成するように構成される。
【0049】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、試用骨頭部に関するものであり、少なくとも複数のタブはポリマー材料で形成される。
【0050】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、試用骨頭部に関するものであり、複数のタブに隣接する遠位側は、試用骨頭部の取外しを容易にするためのリップを含む。
【0051】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、股関節形成術用の整形外科システムに関するものであり、テーパー部を有する頸部を含む試用大腿骨成分であって、試用大腿骨成分は、大腿骨インプラントの形状を表す、試用大腿骨成分と、様々な外部構成を有する複数の試用骨頭部であって、複数の試用骨頭部は、それぞれ、試用大腿骨成分と結合するように構成され、複数の試用骨頭部は、それぞれ、近位側と、遠位側と、遠位側に位置付けられる複数のタブであって、複数のタブは、まとまって開口部を形成し、複数のタブの内側面取り面は、試用大腿骨成分が複数の試用骨頭部の1つと結合されるときに、テーパー部のベースの遠位方向に延びるように構成された、複数のタブと、開口部と連通し、複数のタブの内側面取り面を通過してテーパー部が挿入されるときに、テーパー部を受け入れるように構成された凹部と、を含む複数の試用骨頭部と、を含む。
【0052】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、整形外科システムに関しするものであり、少なくとも凹部及び複数のタブは、複数の試用骨頭部の全てについて同じ構成を有する。
【0053】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、整形外科システムに関するものであり、凹部は、テーパー部を有する第1の壁部分及び面取りした面又は曲率半径の一方を有する第2の壁部分によって形成され、第2の壁部分は、第1の壁部分の近位に在る。
【0054】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、整形外科システムに関するものであり、第1の壁部分は、少なくとも部分的に複数のタブによって形成され、凹部は、さらに第2の壁部分の近位に在る第3の壁部分によって形成され、第3の壁部分は円筒状に成形されている。
【0055】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、整形外科システムに関するものであり、複数のタブは、テーパー部を受け入れ、テーパー部の少なくとも一部分との間に締まり嵌めを形成するために外向きに屈曲するように構成される。
【0056】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、整形外科システムに関するものであり、試用大腿骨成分は、テーパー部にCリングを含み、曲率半径を有する凹部の一部を画定する壁は、テーパー部が複数のタブ及び凹部によって受け入れられるときに、Cリングとの間に締まり嵌めを形成するように構成される。
【0057】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、整形外科システムに関するものであり、複数のタブに隣接する遠位側はリップを含む。
【0058】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、股関節形成術のためのトライアルの方法に関するものであり、テーパー部を有する頸部を伴う試用大腿骨成分又は人工大腿骨を提供することと、試用大腿骨成分又は人工大腿骨を受け入れるために大腿骨を準備することと、試用大腿骨成分又は人工大腿骨を大腿骨に挿入することと、凹部内にテーパー部を受け入れると共に、複数の試用骨頭部の第1番目のものの複数のタブでテーパー部を捕捉することによって、様々な外部構成を有する複数の試用骨頭部の第1番目のものを試用大腿骨成分又は人工大腿骨に結合することであって、複数のタブは、テーパー部との間に締まり嵌めを形成するために屈曲するように構成された、結合することと、複数の試用骨頭部の第1番目のものを試用大腿骨成分又は人工大腿骨と結合してトライアル整復を実行すること、を含む。
【0059】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、方法に関するものであり、さらに、テーパー部に結合されたCリングと凹部の壁との間に締まり嵌めを形成することを含み、壁は、面取りした面又は曲率半径の一方を有する。
【0060】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、方法に関するものであり、さらに、複数のタブに隣接するリップを把握することによって試用大腿骨成分又は人工大腿骨から複数の試用骨頭部の第1番目のものを取り外すことを含む。
【0061】
いくつかの形態において、本明細書において説明する技法は、方法に関するものであり、複数の試用骨頭部の第1番目のものを試用大腿骨成分又は人工大腿骨に結合することは、テーパー部のベースの遠位方向に延びるように複数のタブの内側の各面取り面を位置付けることを含む。
【0062】
付記
上の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面を参照する。図面は、例示として、本発明を実施できる具体的実施形態を示す。これらの実施形態を、「実施例」とも呼ぶ。これらの実施例は、図示する又は説明する要素以外の要素を含むことができる。但し、当該発明者は、図示又は説明する要素のみを提供する実施例も想定する。さらに、当該発明者は、特定の実施例(又はその1つ又は複数の形態)に関してあるいは本明細書において図示又は説明するその他の実施例(又はその1つ又は複数の形態)に関して、図示し又は説明する要素(又はその1つ又は複数の形態)の任意の組合せ又は置換を使用する実施例も想定する。
【0063】
本文献において、「概略的(generally)」、「実質的(substantially)」、「ほぼ(about)」は、提示される値の15パーセント以内(±)を意味する。単数冠詞“a”又は“an”は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つ(at least one)」又は「1つ又は複数(one or more)」の他の事例又は使用とは関係なく、1つ又は1つ以上を含むように使用される。本文献において、「又は」は、特に指示がない限り、非排他的であること又は「A又はB」が「BではなくA」、「AではなくB」及び「A及びB」であることを意味するように使用する。本文献において、「含む(including)」及び「そこで(in which)」は、それぞれ「備える(comprising)」及び「そこにおいて(wherein)」の平易な英語として使用する。また、以下の請求項において、「含む」及び「備える」は、制限がない、即ち、請求項においてこの用語の後に列記される要素に加えて他の要素を含むシステム、機器、品目、組成、公式又はプロセスも、その請求項の範囲内にあると見なされる。さらに、以下の請求項において、「第1」、「第2」及び「第3」は、単なる符号として使用しており、その対象に数値的要件を課すことを意図しない。
【0064】
上記の説明は、制約的ではなく例示的であることを意図する。例えば、上述の実施例(又はその1つ又は複数の形態)は、相互に組み合わせて使用できる。上記の説明を読めば当業者等は他の実施例を使用できる。「要約」は、読み手が技術的開示の性質を速やかに確認できるようにするために連邦規則集37巻§1.72(b)に準拠して提出する。要約は、請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないという了解のもとに提供する。又、上記の「詳細な説明(発明を実施するための形態)」において、様々な特徴は、開示を簡潔化するためにグループ化する場合がある。これは、請求せず開示する特徴が請求項にとって本質的であることを意図するものとして、解釈されるべきではない。むしろ、発明の課題は、特定の開示された実施例の特徴の全てに満たないものにも存在し得る。したがって、以下の請求項は、実施例又は実施形態として「詳細な説明」に援用され、各請求項は、別個の実施例として独立し、このような実施例は、様々な組合せ又は置換で相互に組み合わせることができるものと想定される。本発明の範囲は、請求項が権利を有するものの等価物の全範囲と共に請求項を参照して決定すべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
【外国語明細書】