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特開2024-100739一体化されたフラッシュポート/シール特徴を有する医療機器制御ハンドル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100739
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】一体化されたフラッシュポート/シール特徴を有する医療機器制御ハンドル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240719BHJP
   A61F 2/01 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61B17/00
A61F2/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】60
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024003173
(22)【出願日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】63/439,057
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パレ・ムンク・ハンセン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD03
4C160MM37
4C160NN11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使用において効果的かつ容易であり、製造において実用的である改善された医療機器制御ハンドルおよび関連する医療機器制御システムを提供する。
【解決手段】医療機器構造体のハンドヘルド制御のためのシステム10が記載されている。システムは、ハンドルハウジング13と、ハンドル12に移動可能に装着され、かつ制御シャフト18に取り付けられたアクチュエータ20とを含む、制御ハンドルを備えることができる。シース14は、ハンドルハウジングの遠位端に取り付けられ、シースの遠位開口部と流体連通する管腔を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器構造体のハンドヘルド制御のためのシステムであって、前記システムが、
ハンドルハウジングと、前記ハンドルハウジングに移動可能に装着され、ユーザの手による手動操作のために配置されたアクチュエータとを含む制御ハンドルと、
前記アクチュエータに接続された制御シャフトと、
前記ハンドルハウジングの遠位端に取り付けられ、シースの遠位開口部まで延在する管腔を有するシースであって、前記制御シャフトが前記ハンドルハウジングから前記シースの前記管腔内に延在する、シースと、
前記制御シャフトに取り付けられた医療機器構造体であって、前記アクチュエータが、前記医療機器構造体を前記シースの前記遠位開口部から展開するように前記ハンドルハウジングに対して遠位に、および前記医療機器構造体を前記シースの前記遠位開口部に後退させるように前記ハンドルハウジングに対して近位に、前記制御シャフトを移動させるように前記ユーザの前記手によって操作可能である、医療機器構造体と、
前記ハンドルハウジング内に装着され、前記制御シャフトがシール要素を通って延在するシール要素であって、前記シール要素が、前記制御シャフトの前記移動中に前記制御シャフトに対してシールを維持するために前記制御シャフトと協働可能である、シール要素と、
前記シースの前記管腔と流体連通するフラッシュポート開口部であって、任意選択的に、前記フラッシュポート開口部が前記制御ハンドル上にある、フラッシュポート開口部と
を備える、システム。
【請求項2】
前記シール要素が、前記シースの前記遠位開口部から前記シースの前記管腔を通って前記ハンドルハウジングの内部空間に延在する流体通路を密封的に遮断する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記シール要素が、その中に少なくとも第1の開口部を備え、前記制御シャフトが、前記第1の開口部を通って受け入れられ、前記第1の開口部に対して長手方向に摺動可能かつ回転可能である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記シール要素が、少なくとも第1のエラストマーディスクを備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
a.前記ハンドルハウジング内に装着されたシールアセンブリであって、前記シールアセンブリが、第1の管腔を画定するシール本体部分に対して受け入れられる前記シール要素を含み、前記シールアセンブリが、任意選択的に、前記シール本体部分に取り付けられ、かつ前記シール要素を前記シール本体部分に対して押し付けるシールキャップも含む、シールアセンブリ、および
b.前記ハンドルハウジング内に装着されたフラッシュポートアセンブリであって、前記フラッシュポートアセンブリが、第1のフラッシュ管腔部分を画定する第1のフラッシュポート本体部分と、前記第1のフラッシュポート本体部分に対して横方向に延在し、前記フラッシュポート開口部から延在し、かつ前記第1のフラッシュ管腔部分と交差して流体連通する第2のフラッシュ管腔部分を画定する第2のフラッシュポート本体部分とを含むフラッシュポート本体を含み、前記第2のフラッシュポート本体部分が、フラッシュポートステムを提供する、フラッシュポートアセンブリ
の少なくとも1つまたは両方を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
a.前記ハンドルハウジングが、前記シールアセンブリに接触して前記ハンドルハウジングに対して位置的に固定する1つ以上の内向き壁を有し、任意選択的に、前記1つ以上の内向き壁が、前記シールアセンブリに接触して前記ハンドルハウジングに対する遠位、近位、横方向および回転移動に対して位置的に固定する、および/または
b.前記ハンドルハウジングが、前記フラッシュポートアセンブリに接触して前記ハンドルハウジングに対して位置的に固定する1つ以上の内向き壁を有し、任意選択的に、前記1つ以上の内向き壁が、前記フラッシュポートアセンブリに接触して前記ハンドルハウジングに対する遠位、近位、横方向および回転移動に対して位置的に固定する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記シールアセンブリを備える請求項5に記載のシステム、または、前記シールアセンブリを備え、任意選択的に、前記シールアセンブリが、非円形の外形を有する装着部を含み、前記ハンドルハウジングの前記1つ以上の内向き壁が、前記ハンドルハウジングに対する前記シールアセンブリの回転を防止するように、前記装着部の前記非円形の外形の表面に接触する装着壁を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記フラッシュポートアセンブリを備える請求項5に記載のシステム、または、前記フラッシュポートアセンブリを備え、任意選択的に、前記フラッシュポートアセンブリが、非円形の外形を有する装着部を含み、前記ハンドルハウジングの前記1つ以上の内向き壁が、前記ハンドルハウジングに対する前記フラッシュポートアセンブリの回転を防止するように、前記装着部の前記非円形の外形の表面に接触する装着壁を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記シールアセンブリおよび前記フラッシュポートアセンブリの両方を備える、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項10】
前記フラッシュポートアセンブリおよび前記シールアセンブリが、フラッシュポート/シールアセンブリのサブコンポーネントである、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記シール本体部分および前記フラッシュポート本体が、一体型フラッシュポート/シール本体のセグメントである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ハンドルハウジングが、前記フラッシュポート/シールアセンブリに接触して前記ハンドルハウジングに対して位置的に固定する1つ以上の内向き壁を有し、任意選択的に、前記1つ以上の内向き壁が、前記フラッシュポート/シールアセンブリに接触して前記ハンドルハウジングに対する遠位、近位、横方向および回転移動に対して位置的に固定する、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ハンドルハウジングが、互いに接続された第1のハンドルハウジング部分および第2のハンドルハウジング部分から少なくとも構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のハンドルハウジング部分が第1の内向き壁部分を含み、前記第2のハンドルハウジング部分が第2の内向き壁部分を含み、前記第1および第2の内向き壁部分が互いに整列し、前記フラッシュポート/シールアセンブリの外面に接触して挟むそれぞれの内向き端面を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記それぞれの内向き端面が、前記外面を囲むカラーを形成する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記フラッシュポートステムが、前記ハンドルハウジングの少なくとも部分的に外側に延在する、請求項5~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記フラッシュポートステムが、前記ハンドルハウジングの遠位端に近接して位置付けられる、請求項5~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記フラッシュポート/シールアセンブリが、非円形の外形を有する装着部を含み、前記ハンドルハウジングが、前記ハンドルハウジングに対する前記フラッシュポート/シールアセンブリの回転を防止するように、前記非円形の外形の表面に接触する1つ以上の内壁を含み、任意選択的に、前記非円形の外形が多角形形状である、請求項10~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記シール本体部分および前記フラッシュポート本体が、一体型フラッシュポート/シール本体のセグメントであり、前記装着部分が、前記一体型フラッシュポート/シール本体によって画定される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記フラッシュポートアセンブリが、前記フラッシュポート本体に取り付けられ、かつ前記フラッシュポート本体に前記シースの遠位端を固定する、コネクタキャップを含む、請求項5~19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記コネクタキャップが、前記ハンドルハウジングの遠位端の少なくとも部分的に外側および遠位に延在する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記アクチュエータがまた、前記医療機器構造体を回転させるように前記ハンドルハウジングに対して前記制御シャフトを回転させるために前記ユーザの前記手によって回転可能である、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
前記アクチュエータがサムホイールである、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ハンドルハウジングに対する移動に対して前記アクチュエータをロックするためのロック機構をさらに備える、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項25】
前記ロック機構が、前記ハンドルハウジングに枢動可能に接続され、かつ前記ハンドルハウジングに対する前記アクチュエータの移動を接触して防止する第1の位置と、前記ハンドルハウジングに対する前記アクチュエータの移動を可能にする第2の位置とに枢動可能なロック部材を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記医療機器構造体がスネア要素、好ましくは血管スネア要素である、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項27】
前記スネア要素がスネアループを含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記スネアループが、前記スネアループが前記シースの前記遠位開口部から展開されたときに、前記制御シャフトの長手方向軸に対して横方向に延在するように構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記アクチュエータが、前記ハンドルハウジングに対して回転可能であり、前記アクチュエータの回転とは無関係に前記ハンドルハウジングに対して長手方向に摺動可能である、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項30】
前記フラッシュポート開口部が、前記シール要素と流体連通している、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項31】
前記ハンドルハウジングが、前記ハンドルハウジングの側面から突出するフィンガーレストを含む、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項32】
前記ハンドルハウジングが、前記アクチュエータがそれに沿って移動する細長い長手方向に延在する開口部を画定し、任意選択的に、前記アクチュエータの第1の部分が前記ハンドルハウジング内に位置付けられ、前記アクチュエータの第2の部分が、前記細長い長手方向に延在する開口部から延在する、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項33】
前記制御シャフトが、前記ハンドルハウジング内に懸架され、かつ前記アクチュエータと前記シール要素との間に存在する、制御シャフト部分を含む、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項34】
前記フラッシュポート開口部をシールするためのフラッシュポートキャップをさらに備える、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項35】
患者に使用する前にシステムを準備する方法であって、前記方法が、
請求項1~34のいずれか1項に記載のシステムを提供することと、
フラッシュ液を前記フラッシュポート開口部内に入れ、前記シースの前記管腔を通過させ、前記シースの前記遠位開口部から出すことと
を含む、方法。
【請求項36】
医療機器を使用して患者を治療するための方法であって、前記方法が、
請求項1~34のいずれか1項に記載のシステムを提供することと、
フラッシュ液を前記フラッシュポート内に入れ、前記シースの前記管腔を通過させ、前記シースの前記遠位開口部から出すことと、
フラッシュ液の前記通過後、前記シースを前記患者の血管内に導入することと、
前記シースの前記遠位開口部から前記医療機器構造体を展開するように、前記ハンドルハウジングに対して遠位に前記制御シャフトを移動させるように手で前記アクチュエータを動作させることと、
前記医療機器構造体を用いて前記患者を治療することと
を含む、方法。
【請求項37】
前記医療機器構造体が血管スネア要素であり、前記治療が、前記血管スネア要素で前記血管からインプラントを固定および除去することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記インプラントが血管フィルタである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記血管が前記患者の下大静脈であり、前記血管フィルタが下大静脈フィルタである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
制御シャフトに接続され、シースの管腔から展開可能な医療機器構造体のハンドヘルド制御のための医療機器制御ハンドルであって、前記医療機器制御ハンドルが、
ハンドルハウジングと、
前記ハンドルハウジングに対して移動可能であり、ユーザの手による手動操作のために配置されたアクチュエータであって、前記アクチュエータが前記制御シャフトに接続可能である、アクチュエータと、
a.前記ハンドルハウジング内に装着され、医療機器用の制御シャフトの外面に対してシールを維持するように構成されたシールアセンブリであって、前記シールアセンブリが、その中に管腔を画定するシール本体と、前記シール本体に対して受け入れられるシール要素とを含む、シールアセンブリ、および
b.前記ハンドルハウジング内に装着されたフラッシュポートアセンブリであって、前記フラッシュポートアセンブリが、シース管腔と流体連通するように構成された第1のフラッシュ管腔部分をその中に画定する第1のフラッシュポート本体部分と、前記第1のフラッシュポート本体部分に対して横方向に延在し、第2のフラッシュ管腔部分をその中に画定し、かつフラッシュポート開口部まで延在するフラッシュポートステムを提供する第2のフラッシュポート本体部分とを有するフラッシュポート本体を含み、前記第2のフラッシュ管腔部分が、前記第1のフラッシュ管腔部分と交差して流体連通する、フラッシュポートアセンブリ
の少なくとも1つ、またはその両方と
を備える、医療機器制御ハンドル。
【請求項41】
前記シールアセンブリを含み、前記シールアセンブリが、任意選択的に、前記シール要素を前記シール本体部分に押し付けるように前記シール本体に取り付けられたシールキャップも含む、請求項40に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項42】
前記フラッシュポートアセンブリを含む、請求項40に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項43】
前記シールアセンブリおよび前記フラッシュポートアセンブリの両方を備える、請求項40に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項44】
前記ハンドルハウジングが、存在する場合は前記フラッシュポートアセンブリに、または存在する場合は前記シールアセンブリに接触して前記ハンドルハウジングに対して位置的に固定する、1つ以上の内向き壁を有する、請求項40~43のいずれか1項に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項45】
前記シールアセンブリおよび前記フラッシュポートアセンブリの両方を備え、前記フラッシュポートアセンブリおよび前記シールアセンブリがフラッシュポート/シールアセンブリのサブコンポーネントである、請求項40~44のいずれか1項に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項46】
前記シール本体および前記フラッシュポート本体が、一体型フラッシュポート/シール本体のセグメントである、請求項45に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項47】
前記ハンドルハウジングが、前記フラッシュポート/シールアセンブリに接触して前記ハンドルハウジングに対して位置的に固定する1つ以上の内向き壁を有し、任意選択的に、前記1つ以上の内向き壁が、前記フラッシュポート/シールアセンブリに接触して前記ハンドルハウジングに対する遠位、近位、横方向および回転移動に対して位置的に固定する、請求項45または46に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項48】
前記ハンドルハウジングが、互いに接続された第1のハンドルハウジング部分および第2のハンドルハウジング部分から少なくとも構成される、請求項47に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項49】
前記第1のハンドルハウジング部分が第1の内向き壁部分を含み、前記第2のハンドルハウジング部分が第2の内向き壁部分を含み、前記第1および第2の内向き壁部分が互いに整列し、前記フラッシュポート/シールアセンブリの外面に接触して挟むそれぞれの内向き端面を有する、請求項48に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項50】
前記シール本体部分および前記フラッシュポート本体が、一体型フラッシュポート/シール本体のセグメントであり、前記外面が、前記一体型フラッシュポート/シール本体上にある、請求項49に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項51】
前記内向き端面が、前記外面を囲むカラーを形成する、請求項49または50に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項52】
前記フラッシュポート/シールアセンブリが、非円形の外形を有する装着部を含み、前記ハンドルハウジングが、前記ハンドルハウジングに対する前記フラッシュポート/シールアセンブリの回転を防止するように、前記非円形の外形の表面に接触する1つ以上の内壁を含み、任意選択的に、前記非円形の外形が多角形形状である、請求項48に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項53】
前記フラッシュポートアセンブリが、前記第1のフラッシュポート本体部分に取り付けられ、かつ前記シースの遠位端を前記第1のフラッシュポート本体部分に固定するように構成された、コネクタキャップを含む、請求項40~52のいずれか1項に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項54】
前記コネクタキャップが、前記ハンドルハウジングの遠位端の少なくとも部分的に外側および遠位に延在する、請求項53に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項55】
前記アクチュエータが、前記ハンドルハウジングに対して長手方向に移動可能である、請求項40~54のいずれか1項に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項56】
前記アクチュエータが、前記ユーザの前記手によって回転可能である、請求項40~55のいずれか1項に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項57】
前記アクチュエータがサムホイールである、請求項56に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項58】
前記ハンドルハウジングに対する移動に対して前記アクチュエータをロックするためのロック機構をさらに備える、請求項40~57のいずれか1項に記載の医療機器制御ハンドル。
【請求項59】
請求項40~58のいずれか1項に記載の医療機器制御ハンドルと、前記シースと、前記制御シャフトと、前記制御シャフトに取り付けられた前記医療機器構造体とを備える医療機器制御システム。
【請求項60】
請求項1~34のいずれか1項に記載のシステムでもある、請求項59に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、一般に、医療機器に関する。より具体的には、本開示の特定の態様は、制御シャフトおよび取り付けられた医療機器構造体を操作するためのアクチュエータを有する制御ハンドルを有し、かつ制御シャフトに関連するシール要素および/または制御ハンドルに関連するシースの管腔内にフラッシング媒体を送達するためのフラッシングポートを組み込む、医療機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションの記述は、本開示に関連する背景情報を提供するにすぎず、先行技術を構成するものではない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医療機器制御システムは、システムの構成要素の効果的な動作のためのハンドルを組み込むことが多い。そのような医療機器システムの準備および動作中には、一般に様々な動作が望まれ、それがシステム構造、ならびにそれらの製造および使用を幾分複雑にする傾向がある。改善された代替の医療機器制御ハンドルおよび関連する医療機器制御システム、ならびにそれらの製造および使用のための方法が依然として必要とされている。望ましくは、主題のハンドルおよびシステムは、使用において効果的かつ容易であり、製造において実用的である。その態様の少なくともいくつかにおいて、本開示は、そのような必要性に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本開示は、医療機器構造体のハンドヘルド制御のためのシステムに関する。システムは、ハンドルハウジングと、ハンドルハウジングに移動可能に装着され、ユーザの手による手動操作のために配置されたアクチュエータとを含む制御ハンドルを備える。システムはまた、アクチュエータに接続された制御シャフトと、ハンドルハウジングの遠位端に取り付けられたシースとを含む。シースは、シースの遠位開口部まで延在する管腔を有し、制御シャフトは、ハンドルハウジングからシースの管腔内に延在する。医療機器構造体は制御シャフトに取り付けられ、アクチュエータは、ハンドルハウジングに対して遠位にかつハンドルハウジングに対して近位に、制御シャフトを移動させるようにユーザの手によって操作可能である。ハンドルハウジングに対する制御シャフトの遠位方向の移動は、シースの遠位開口部から医療機器構造体を展開することができ、ハンドルハウジングに対する制御シャフトの近位方向の移動は、医療機器構造体をシースの遠位開口部内に後退させることができる。シール要素はハンドルハウジング内に装着され、制御シャフトはシール要素を通って延在する。シール要素は、制御シャフトの移動中に制御シャフトに対してシールを維持するために制御シャフトと協働可能である。システムはまた、シースの管腔と流体連通するフラッシュポート開口部を含む。フラッシュポート開口部は、制御ハンドル上にあることができる。いくつかの形態では、シール要素は、シースの遠位開口部からシースの管腔を通ってハンドルハウジングの内部空間に延在する流体通路を遮断することができる。例えば1つまたは複数のシールディスクの形態のシール要素は、その中に少なくとも第1の開口部を備えることができ、制御シャフトは、第1の開口部を通って受け入れられ、第1の開口部に対して長手方向に摺動可能かつ回転可能である。
【0005】
別の態様では、本開示は、患者に使用する前にシステムを準備する方法に関する。この方法は、上記および/または本開示の他の箇所に記載されるようなシステムを提供することと、フラッシュ液をフラッシュポート開口部内に入れ、シースの管腔を通過させ、シースの遠位開口部から出すこととを含む。
【0006】
さらに別の態様では、本開示は、医療機器を使用して患者を治療するための方法に関する。この方法は、上記および/または本開示の他の箇所に記載されるようなシステムを提供することと、フラッシュ液をフラッシュポート内に入れ、シースの管腔を通過させ、シースの遠位開口部から出すこととを含む。この方法は、フラッシュ液を通過させる上述のステップの後に、シースを患者の血管内に導入することと、シースの遠位開口部から医療機器を展開するようにハンドルハウジングに対して遠位に制御シャフトを移動させるように手でアクチュエータを動作させることと、医療機器を用いて患者を治療することとをさらに含む。
【0007】
さらに別の態様では、本開示は、制御シャフトに接続され、シースの管腔から展開可能な医療機器構造体のハンドヘルド制御のための医療機器制御ハンドルに関する。医療機器制御ハンドルは、ハンドルハウジングと、ハンドルハウジングに対して移動可能であり、ユーザの手による手動操作のために配置されたアクチュエータとを含み、アクチュエータは制御シャフトに接続可能である。ハンドルはまた、a)ハンドルハウジング内に装着され、医療機器用の制御シャフトの外面に対してシールを維持するように構成されたシールアセンブリであって、シールアセンブリが、その中に管腔を画定するシール本体と、シール本体に対して受け入れられるエラストマーシール要素とを含む、シールアセンブリ、およびb)ハンドルハウジング内に装着されたフラッシュポートアセンブリであって、フラッシュポートアセンブリが、シース管腔と流体連通するように構成された第1のフラッシュ管腔部分をその中に画定する第1のフラッシュポート本体部分と、第1のフラッシュポート本体部分に対して横方向に延在し、第2のフラッシュ管腔部分をその中に画定するフラッシュポートステムを提供する第2のフラッシュポート本体部分とを含み、第2のフラッシュ管腔部分が、第1のフラッシュ管腔部分と交差して流体連通する、フラッシュポートアセンブリの少なくとも一方または両方を備える。シールアセンブリは、含まれる場合、エラストマーシール要素をシール本体部分に押し付けるようにシール本体に取り付けられたシールキャップを含むこともできる。シールアセンブリおよびフラッシュポートアセンブリの両方を備えるハンドルが好ましく、そのような実施形態では、フラッシュポートアセンブリおよびシールアセンブリは、フラッシュポート/シールアセンブリのサブコンポーネントであることができ、有利にはシール本体、第1のフラッシュポート本体部分および第2のフラッシュポート本体部分は、一体型フラッシュポート/シール本体のセグメントである。ハンドルハウジングは、フラッシュポートアセンブリまたはシールアセンブリに接触してハンドルハウジングに対して位置的に固定する、1つ以上の内向き壁を有することができる。ハンドルハウジングは、互いに接続された第1のハンドルハウジング部分および第2のハンドルハウジング部分から少なくとも、そしていくつかの形態では唯一、構成することができる。
【0008】
本開示のさらに別の態様、ならびにその特徴および利点は、本明細書の説明から当業者には明らかであろう。
【0009】
本開示が十分に理解され得るように、添付の図面を参照して、例として与えられるその様々な形態がここで説明される。各図面の構成要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていない場合があり、むしろ本発明の原理を説明することに重点が置かれている。さらに、異なる図面における同様の参照番号は、対応するまたは同様の構成要素または要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示による医療機器制御システムの一実施形態の部分破断斜視図である。
図2図1に示す医療機器制御システムの部分破断上面図である。
図3】ハンドルの内部特徴を示す、図1に示すシステムの医療機器制御ハンドルの遠位領域の部分破断図である。
図4図3に示す医療機器制御ハンドルの遠位領域の構成要素の分解図である。
図5】部分的に分解された状態の図1に示すシステムの構成要素を示す部分破断図である。
図6】本開示による医療機器制御システムの別の実施形態の構成要素の部分破断図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、いくつかの実施形態を参照するが、それらのいくつかは図面に示されており、それらを説明するために特定の文言が使用される。それにもかかわらず、本明細書の開示の範囲の限定はそれによって意図されないことが理解されよう。記載された実施形態および本明細書に記載された原理の任意のさらなる用途における任意の変更およびさらなる修正は、実施形態が関連する当業者に通常想起されるように企図される。
【0012】
上記で開示したように、本開示の特定の実施形態は、医療機器構造体のハンドヘルド制御のためのシステム、そのハンドルおよび他の構成要素、ならびにそれらの製造および使用の方法に関する。
【0013】
本開示の目的のために、用語「近位」は、医療処置中に一般にユーザ(例えば、医師)に向かう方向を指し、用語「遠位」は、医療処置中に一般に患者の解剖学的構造内の標的部位に向かう方向を指す。
【0014】
本開示の目的のために、要素の「少なくとも1つ」および「1つ以上」という用語は互換的に使用され、同じ意味を有し得る。これらの用語は、単一の要素または複数の要素を含むことを指し、要素の最後の接尾辞「(s)」によって表される場合もある。例えば、「少なくとも1つの金属」、「1つ以上の金属」、および「金属(複数可)」は、互換的に使用され得、同じ意味を有することが意図される。
【0015】
ここで図1および図2を参照すると、本開示による医療機器制御システム10の一実施形態の部分破断斜視図および部分破断上面図がそれぞれ示されている。システム10は、一般に、近位端12aと、シース14(例えば、カテーテルであることができる)が取り付けられた遠位端12bとを有する、医療機器制御ハンドル12を備える。システム10は、スネアループ16を有する血管スネア要素などのスネア要素を含むが、他の形態では、スネア要素はフックまたは複数のループを含んでもよく、またはスネア要素は代わりに別の医療機器構造体、例えば、二股クランプ(multi-pronged clamp)または留め金などの別の把持部材の全部または一部であってもよい。スネアループ16または他の医療機器構造体は、長手方向に延在する制御シャフト18に接続することができ、制御シャフト18は、アクチュエータボタン20などのアクチュエータに接続することができる。スネアループ16および制御シャフト18は各々、単一の構成要素または複数の構成要素で作ることができ、ポリマーおよび/または金属材料などの任意の適切な材料で作ることができ、当技術分野で知られているように、中実断面(例えば、ソリッドワイヤー構造体)または中空部品(例えば、カニューレ構造体)であるか、それらを含むことができる。同様に、スネアループ16および制御シャフト18は、単一の一体型構成要素であってもよい。いくつかの構成では、スネアループ16は編組ワイヤーループである。
【0016】
いくつかの形態では、長手方向に延在する制御シャフト18は、例えばロック機構、接着剤、またはその両方、または他の技術によって、例えばアクチュエータボタン内に受け入れられ固定されるアクチュエータボタン20と直接接続するように延伸する。医療機器制御ハンドル12は、その中に移動空間を形成する切り欠き15を画定するハンドルハウジング13を含む。アクチュエータボタン20は、切り欠き15内に配設され、制御シャフト18に接続される。アクチュエータボタン20は、システム10の長手方向軸(A-A)に沿って切り欠き15によって画定された移動空間内で移動可能であってもよく、および/または、例えば同じく長手方向軸A-Aに沿った回転軸で、切り欠き15によって画定された移動空間内で回転可能であってもよい。アクチュエータボタン20は、アクチュエータボタン20の回転とは無関係に、長手方向軸A-Aに沿って移動可能、例えば摺動可能であることができる。アクチュエータボタン20の長手方向移動は、制御シャフト18およびスネアループ16または制御シャフト18に取り付けられた他の医療機器構造体を、対応して長手方向に移動させることができ、および/またはアクチュエータボタン20の回転は、制御シャフト18およびスネアループ16、または制御シャフト18に取り付けられた他の医療機器構造体を、対応して回転させることができる。アクチュエータボタン20に関連する長手方向移動および/または回転移動は、ユーザの1本の指がそれぞれ摺動運動および/またはスクロール運動によって医療機器の長手方向および/または回転移動の両方を制御することができるように組み込まれてもよい。いくつかの形態では、アクチュエータボタン20は、制御シャフト18およびスネアループ16(または他の医療機器構造体)を長手方向および回転方向の両方に、例えばシース14の管腔22を通して、および/またはシース14の端部開口部24から展開されたときに患者内で移動させるために、ユーザ(例えば医師)の親指だけで操作できるサムホイールであってもよい。必要に応じて、例えば図2および図4に示すようなサムホイールまたは他のアクチュエータボタン20は、回転および長手方向の移動中に追加の把持を提供するために親指に適合するように構成された1つ以上のフィン20aおよび/または窪んだ縁部20bを含んでもよい。アクチュエータボタン20がサムホイールである場合、フィン20aは、ホイールの周囲に配設されてもよく、および/またはボタン20は、ほぼ円筒形の外部形状を画定することができる。
【0017】
ハンドルは、ハンドルハウジング13を含み、ハンドルハウジング13は、単一の統合された構成要素であってもよく、または上側本体部分および下側本体部分、または左側本体部分および右側本体部分などの複数の構成要素を含んでもよく、これらは、例えば、ピンを受け入れるための対応する位置にあるピンおよび穴、接着、溶接、溶融結合、それらの組み合わせなどを含む、任意の適切な機構によって互いに取り付けられる。ハンドルハウジング13の寸法は、特定の所定の手のサイズに適合するようにカスタマイズされてもよく、または様々な手のサイズがハンドル12を使用するときにしっかりとした把持を得ることができるように最適化されてもよい。本開示の範囲を超えることなく、細長いハンドルハウジングに追加の人間工学的特徴を含めてもよい。
【0018】
図示の実施形態における制御シャフト18は、シース14の管腔22を通ってハンドル12内に延在する。図示のように、アクチュエータボタン20がその前方(遠位に位置付けられた)位置にあるとき、スネアループ16はシース14の遠位開口部24から展開される。アクチュエータボタン20がその後方(近位に位置付けられた)位置にあるとき(例えば、図5参照)、スネアループ16はシース14の管腔22内に位置付けられる。したがって、ボタン20を遠位および近位に移動させて、スネアループ16をシース14の管腔22からそれぞれ展開および後退させることができる。例えば、スネアループ16をシース14の遠位開口部24から遠位に展開させた後、アクチュエータボタン20を回転させてスネアループ16を回転させることもできる。
【0019】
いくつかの形態では、図示のように、スネアループ16は、シース14の遠位開口部24から遠位に展開されたときに制御シャフト18の長手方向軸に対してある角度で延在し、アクチュエータボタン20を回転させて、角度付きスネアループ16を異なる径方向に位置付けられた捕捉向きに回転させることができる。使用中、これにより、回収される埋め込まれた医療機器(大静脈フィルタなどの血管フィルタであってもよい)の一部の周りにスネアループ16を位置付けることを容易にすることができ、その後、アクチュエータボタン20を近位に移動させて、スネアループ16をシース14の管腔22内に部分的に引き込み、埋め込まれた医療機器の周りにスネアループ16を締め付けることができる。いくつかの形態では、埋め込まれた医療機器を患者から取り外すためにシース14の管腔22内に引き込むことができる。他の形態では、システム10は、別のシースまたはカテーテルと共に使用されてもよく、システム10は、埋め込まれた医療機器を他のシースまたはカテーテルに引き込むために使用されてもよい。システム10のこれらおよび他の使用モードを使用してもよい。
【0020】
ここで図3および図4にも関連して図1および図2を引き続き参照し、フラッシュポートおよび/またはシール配置に関するシステム10の態様を説明する。図示の制御ハンドル12は、シース14の管腔22と流体連通するハンドル12上のフラッシュポート開口部26を組み込む。図示されている実施形態では、患者にシステム10を使用する前に、フラッシュポート開口部26を利用して、水または生理食塩水などのフラッシュ液を導入して、管腔22の中に遠位方向に通過させ、シース14の遠位開口部24から出し、例えば、管腔22から空気をフラッシュする(特に、制御シャフト18の外面と、管腔22を画定するシース14の内面との間のほぼ環状の空間をフラッシュする)ことができる。フラッシュポート開口部26は、フラッシュポートステム30によって画定されるフラッシュポート管腔28と連通し、フラッシュポート管腔28およびステム30は、制御ハンドル12および/またはシステム10の長手方向軸A-Aに対して横方向(例えば垂直)に延在する。フラッシュポート管腔28は、長手方向に延在するフラッシュ本体部分34によって画定される長手方向フラッシュ管腔32と交差して流体連通する。長手方向フラッシュ管腔32は、次に、シース14の管腔22と流体連通して、フラッシュポート開口部26を通って導入されたフラッシュ液をシース14の管腔22に導く。長手方向フラッシュ管腔32はまた、以下でさらに説明するシール要素62の表面と流体連通する。図示の実施形態では、長手方向に延在するフラッシュ本体部分34は、シース管腔22に開口する長手方向フラッシュ管腔32の遠位開口部36を画定する。これは、シース14の近位端38を長手方向に延在するフラッシュ本体部分34の遠位端40に接続することによって提供することができる。図示されている実施形態は、長手方向のフラッシュ本体部分34の遠位方向に先細りになった領域44と嵌合する、シース14の外向きに広がった近位端領域42を含む。同様に、長手方向に延在するフラッシュ本体部分34の外面は、コネクタキャップ50の内面のねじ領域48と螺合するねじ領域46(特に図4参照)を画定する。これにより、コネクタキャップ50は、ねじ領域46および48を使用して長手方向に延在するフラッシュ本体部分34にねじ込まれて、コネクタキャップ50とフラッシュ本体部分34とをねじ接続することができ、その際、コネクタキャップ50は、シース14の広がった近位端領域42を、フラッシュ本体部分34の遠位方向に先細りになった領域44に押し付けて、それらの間にシールを形成することができる。コネクタキャップ50は、そのようなシールを達成するような大きさにすることができ、そのように輪郭付けられた内面を含むことができる。コネクタキャップ50はまた、組立て中のねじ込み作業を支援するために、その外面に長手方向に延在する把持隆起線52を含んでもよく、および/またはコネクタキャップ50がフラッシュ本体部分34にねじ込まれたときに上述のようにシールを形成するために、広がった近位端領域42に係合して押し付けるように輪郭付けられた内面を画定することができる、遠位方向に先細りになっている遠位領域54を含んでもよい。コネクタキャップ50はまた、シース14が延在する遠位キャップ開口部57を画定する。フラッシュポート開口部26を覆うおよび/またはシールするために、フラッシュポートステム30に取り外し可能に取付け可能なフラッシュポートキャップ31を設けることもでき、そのような場合には、フラッシュポートキャップ31をフラッシュポートステム30に接続するストラップ37を設けることもできる。これらの目的のために、フラッシュポートステム30の外面は、ねじルアーまたは他のねじ構造33(図4参照)を画定することができ、キャップ31の内面は、キャップ31をステム30にねじで取り付けるための対応するねじ構造(図示せず)を画定することができる。フラッシュポートキャップ31は、本明細書に記載されるようなフラッシュ動作を可能にするためにフラッシュポートステム30から取り外すことができ、および/またはフラッシュポート開口部26をシールするようにフラッシュポートステム30に取り付けることができ(例えば、そのような取り外しおよびフラッシュの後に再取り付けされる)、患者を治療するためにシステム10を使用する間に、シース14の管腔22を通ってフラッシュポート管腔28内に近位方向に逆流する任意の体液(例えば血液)が、フラッシュポート開口部26から出るのを防止することができ、および/またはフラッシュポート開口部26内への空気の進入を防止することができる。
【0021】
例示的なシステム10はまた、アクチュエータボタン20の移動によって引き起こされる制御シャフト18の移動中を含む、制御シャフト18に対してシールを提供するためのシーリング配置を含む。そのようなシールは、シース14の管腔22を通って近位に、医療機器制御ハンドル12の内部空間、例えば、ハンドルハウジング13の開口部から体液が漏出することが可能である内部空間への患者の体液(例えば患者の血液)の逆流を防止するのに役立つことができる。図示の実施形態では、このシーリング配置は、有利には、上述したようにフラッシュポート開口部26およびその関連する構成要素に一体的に接続された構造によって設けられるが、これは他の実施形態では必要ではない。特に、図示のように、近位シール本体部分56は、フラッシュ本体部分34に接続され、有益な実施形態において、フラッシュ本体部分34およびフラッシュポートステム30との一体型モノリシックピースとして形成されることができる。近位シール本体部分56は、長手方向フラッシュ管腔32と流体連通し、かつ長手方向フラッシュ管腔32と軸方向に整列することができる、近位シール本体部分管腔58を画定する。
【0022】
近位シール本体部分56は、例えば図示のようなシールディスクの形態のシール要素62が受け入れられる近位端面60を画定する。シール要素は、シース14の遠位開口部24からシース14の管腔22を通ってハンドルハウジング13の内部空間に延在する流体通路を密封的に遮断することができ、例えば、そのような内部空間は、図示の実施形態のようにアクチュエータ20が長手方向に移動および/または回転する移動空間である。そのような流体通路はまた、いくつかの形態では、フラッシュ本体(例えば、フラッシュ本体部分34およびその管腔32)によって画定される管腔、および/またはシール本体によって画定される管腔(例えば、近位シール本体部分56およびその管腔58)を含むことができる。シールディスクまたは他のシール要素62は、制御シャフト18の外面に適合することができる弾性材料、例えばエラストマー材料から形成することができる。例えば、シールディスクまたは他のシール要素62は、シリコーンまたはゴムなどの高分子エラストマーから形成することができる。シールディスクまたは他のシール要素62は、シール本体管腔58を横切って延在するシールバリアを提供することができる。シールディスクまたは他のシール要素62は、例えば圧入によって近位シール本体部分56に取り付けられたシールキャップ64によって、近位端面60に押し付けられる(および潜在的に圧縮される)ことができる。これらの目的のために、近位シール本体部分56は肩部66および/または溝68を画定することができ、肩部および/または溝は、シールキャップ64の内面と協働して、その上に圧入されたときにシールキャップ64を近位シール本体部分56に固定することができる。特定の実施形態では、シールディスクの形態のシール要素62は、環状リング部分70を画定することができ、環状リング部分は、シールディスクの隣接する表面から近位に延在し、組み立てられたシステム10内で制御シャフト18が通過するシールディスクの内側部分を囲み、そのような内側部分は、本明細書で説明するように制御シャフト18の外面に対してシールを形成する。例えば図4に示すように、制御シャフト18の一部は、アクチュエータ20とシール要素62との間でハンドルハウジング13内に懸架されることができ、そのように懸架された制御シャフト18の一部は、アクチュエータ20が遠位に移動するにつれて短くなり、アクチュエータ20が近位に移動するにつれて長くなり得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、シール要素62、例えばシールディスクは、スリット、複数のスリット、刻み目などの弱化部分、および/または複数のそのような弱化部分を画定して、システム10内で制御シャフト18が貫通して延在するシール要素62の開口部の形成を提供または促進する。いくつかの形態では、単一のシールディスクまたは他のシール要素62を設けることができ、それを通って制御シャフト18が延在する。他の形態では、複数の個別のシールディスクまたは他のシール要素62を設けることができ、これらを通って制御シャフト18が延在し、例えば、そのようなシールディスクまたは他のシール要素は、互いに積み重ねられた構成にある。これらおよび他のシール配置は、当業者には明らかであり、本開示のハンドルおよびシステム内で使用され得る。
【0023】
制御シャフト18は、制御シャフト18の外面と近位シール本体部分56との間のシールを維持しながら、シール要素62を通っておよびそれに対して近位および遠位に摩擦的に並進することができ、および/またはシール要素62内でおよびそれに対して摩擦的に回転することができる。このようにして、シース14の遠位開口部24からシース14の管腔22(例えば、制御シャフト18とシース14の管腔22を画定する表面との間の環状空間内)に入る体液、例えば血液は、シール要素62を過ぎて医療機器制御ハンドル12の内部空間に近位方向に通過することが防止される。また、加圧下でフラッシュ液がフラッシュポート開口部26に導入されると、フラッシュ液は、フラッシュポート管腔28を通過して近位シール本体部分管腔58に入り、シール要素62の表面に対抗し得る。そのような場合、シール要素62はまた、フラッシュ液がシール要素62を過ぎて医療機器制御ハンドル12の内部空間内へ近位方向に通過するのを防止することができる。同様に、制御シャフト18とシール要素62との間の摩擦は、ユーザによって遠位方向および近位方向に並進され、および/またはユーザによって回転されるとき、アクチュエータボタン20のより滑らかでより触覚的な動作を容易にすることができる。
【0024】
上記の医療用スネアの実施形態は、単一のスネアループ16を有するものとして説明されることがあるが、他の実施形態では、他の医療機器構造体、例えば、複数のスネアループもしくはフックを含んでもよい他のスネア捕捉要素、または複数のプロング(例えば、把持部材の一部をシース14の管腔22内に後退させることによって互いに向かって付勢され得る)を有するクランプもしくはクラスプなどの別の把持部材の全部もしくは一部を、スネアループ16の代わりに使用してもよいことが理解されよう。このような他の医療機器構造体を、制御シャフト18に接続することができ、上述したように、長手方向軸A-Aに沿ったアクチュエータボタン20の移動を使用してシース14の管腔22から展開およびその中に後退させることができ、および/またはアクチュエータボタン20を回転させることによって回転させることができる。
【0025】
ここで図1図4に併せて図5も参照すると、図5には、システム10の態様をさらに示すために、部分的に分解された状態のシステム10の構成要素の部分破断図が示されている。図示される実施形態では、医療機器制御ハンドル12は、複数のハンドルハウジング部分、特に第1のハンドルハウジング部分13aと第2のハンドルハウジング部分13bから形成された、ハンドルハウジング13を有する。後述するように、ハウジング部分13aおよび13bは、共に取り付けられてハンドルハウジング13を形成するときに、ハンドルハウジング13に対するハンドル12の内部構成要素(複数可)の位置を固定するように構成されたサイズおよび内部構造を有する。これに関して、コネクタキャップ50、フラッシュポートステム30、フラッシュ本体部分34、近位シール本体部分56、シール要素62、およびシールキャップ64を含むフラッシュポート/シールアセンブリ51(例えば図4参照)に関して、ハンドルハウジング部分13aおよび13bは、それぞれの内向き壁80aおよび80bを画定し、内向き壁80aおよび80bは、組み立てられたハンドル13においてシールキャップ64の外壁部分に接触し、ハウジング部分13aおよび13bによって画定されるハウジング13の外壁から離間したハンドルハウジング13内の径方向に固定された位置にシールキャップ64を保持する。壁80aおよび80bは、いくつかの態様では、シールキャップ64の外壁部分を囲むカラーを形成することができる。同様に、ハウジング部分13aおよび13bは、組み立てられたハンドル13の開口部を画定するそれぞれの内向き壁82aおよび82bを画定し、ハンドル13の開口部は、シールキャップ64、ひいてはフラッシュポート/シールアセンブリ51の近位方向の移動を制限するように、キャップ64の最大外形寸法よりも小さく、そのような最大外形寸法の近位に配置される。このような開口部を画定する壁82aおよび82bの内縁部は、これらの目的のために、組み立てられたハンドルハウジング13のキャップ64に接触することができる。ハンドルハウジング部分13aおよび13bはまた、それぞれの内向き壁84aおよび84bを画定し、内向き壁は、組み立てられたハンドル13において、シールキャップ64の遠位方向に面する表面部分に接触する近位方向に面する表面部分を有し、また、シールキャップ64を固定し、それによって、組み立てられたハンドル13内の遠位移動に対してフラッシュポート/シールアセンブリ51を固定する。図示のように、壁84aおよび84bはまた、組み立てられたハンドル13内の近位シール本体部分56の位置を径方向に固定するために、近位シール本体部分56の外面に接触して挟むような大きさの開口部を画定することができる。いくつかの形態では、壁84aおよび84bは、近位シール本体部分56の外面と接触し、これを囲むカラーを形成することができる。特定の図示の実施形態では、壁84aおよび84bは、近位シール本体部分56の第1のより小さい寸法のセグメント88に接触してこれを挟む(例えば、これを囲むカラーを形成する)内向き壁縁部86aおよび86b内の第1の開口部と、近位シール本体部分56の第2のより大きい寸法の装着セグメント92に接触して挟む(例えば、それを囲むカラーを形成する)内向き壁縁部90aおよび90b内の第2の開口部とを画定する。より大きな寸法の装着セグメント92は、いくつかの形態では、断面が非円形の外形を有することができ、例えば、そのような外形は、長方形または正方形などの多角形であることができる。このようにして、より大きな寸法の装着セグメント92の非円形の外形の表面を有する内向き壁縁部90aおよび90bの係合は、ハンドルハウジング13に対する回転移動に対してフラッシュポート/シールアセンブリ51を固定することができる。同様に、図示されているように、壁84aおよび84bは、長手方向軸A-Aにほぼ沿って延在する第1の壁セグメントと、それに垂直に延在する(例えば、断面において「L」形状を形成する)第2の壁セグメントとを含み、共に、より大きな寸法の装着セグメント92の近位方向に面する表面部分に接触してフラッシュポート/シールアセンブリをハンドルハウジング13に対する近位方向の移動に対して固定する、遠位方向に面する表面、ならびに肩部66および/またはシールキャップ64の遠位方向に面する表面に接触してフラッシュポート/シールアセンブリ51をハンドルハウジング13に対する遠位移動に対して固定する、近位方向に面する表面を提供する。いくつかの形態では、フラッシュポートステム30、フラッシュ本体部分34、および近位シール本体部分56は、例えば図4に示すように、単一の一体型フラッシュポート/シール本体部材のサブコンポーネントであることができる。
【0026】
フラッシュポート/シールアセンブリ51の位置を固定するためのハンドルハウジング13の内壁の組込みに関連する特定の実施形態および構造を上述したが、より広い態様では、本開示は、アセンブリ51をハンドルハウジング13に対して所定の位置に固定するハンドルハウジング13の上述のおよび/または他の内壁構造、例えば、ハンドルハウジング13に対する近位および/もしくは遠位移動に対して、および/またはハンドルハウジング13に対する回転移動に対して、および/またはハンドルハウジング13に対する横方向移動に対して(例えば、その構成要素を、ハンドルハウジング13の横方向に隣接する外壁の内面から一定の離間距離で径方向に固定した状態に維持する)、アセンブリ51を固定することを含む他の内壁構造を企図していることが理解されよう。これは、例えば、フラッシュポート/シールアセンブリ51の外面に接触してその位置を固定する、ハンドルハウジング13の1つまたは複数の内向きに延在する壁構造を設けることによって達成され得る。ハンドルハウジング13が、嵌合し、互いに取り付けられてハウジング13を形成する複数のピース(例えば、2つ、3つまたは4つのピース)を含む場合、各ピースの内向きに延在する壁構造(複数可)は、アセンブリ51の外面に接触するように整合して、ハンドルハウジング13に対するアセンブリ51の位置固定(例えば、回転移動、近位移動、遠位移動、および/または横方向移動に対する固定)を提供することができる。
【0027】
図1および図2と共に図5を特に参照すると、ハンドル12はロック部材100も含む。ロック部材100は、ハンドルハウジング13に接続され、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能である。ロック位置にあるとき、ロック部材100は、アクチュエータボタン20と接触し、長手方向軸A-Aに沿ったアクチュエータボタン20の移動を制限するように構成されてもよい。例えば、図示の実施形態では、アクチュエータボタン20が、スネアループ16(または他の医療機器)がシース14の管腔22内に位置付けられる遠位位置にあるとき、ロック部材100のロック位置への移動は、トリガ部分102を(例えば人差し指で)押してロック部材100を第1の方向に枢動させ、近位端104をハンドルハウジング13の内部に、アクチュエータボタン20の遠位の位置まで駆動し、アクチュエータボタン20の遠位移動に干渉することによって達成することができる。いくつかの形態では、そのようなロック位置は、ロック部材100の近位端104とアクチュエータボタン20(例えば、アクチュエータボタン20の遠位面部分を用いて)との間の接触を含むことができる。ハンドルハウジング13は、例えば、ハウジング部分13aおよび13bの輪郭によって、ロック部材100の全部または一部に対応する位置に開口部を画定することができ、これらの目的のために、近位端104を含むロック部材の一部がハンドルハウジング13の内部に出入りすることを可能にする。ロック部材100をロック位置からロック解除位置に移動させるために、ユーザは、ロック解除部分105を(例えば、人差し指で)押して、部材100を第1の方向とは反対の第2の方向に枢動させて、部材100の近位端104をハンドルハウジング13の内部の外側の方向に駆動して、アクチュエータボタン20との干渉をなくし、アクチュエータボタン20を切り欠き15によって画定された移動空間内で遠位に移動させて、シース14の管腔22の遠位開口部24からスネアループ16または他の医療機器構造体を展開することができる。
【0028】
図示の実施形態では、ロック部材100をハウジング13に固定するために、ロック部材100は、横方向に延在する支柱106および108を画定し、ハウジング部分13aおよび13bは、部分13aおよび13bが一緒に取り付けられてハウジング13を形成するときに支柱106および108を受け入れるための対応する開口部110および112をそれぞれ画定する。支柱106および108は、上述したように、ロック部材100が第1および第2の方向にロック位置とロック解除位置との間で枢動できるように、開口部110および112内で回転することができる。また、図示の実施形態では、ばね114がハンドル12に含まれ、第1の端部がロック部材延長部118の近位面116に対して配置され、第2の端部がハンドルハウジング13に形成された空洞に捕捉される。例えば、ハンドルハウジングは、例えば長手方向軸A-Aを横切って延在するフィンまたは他の突出部材の形態の、フィンガーレスト117を画定してもよく、いくつかの形態では、ばね114の第2の端部が捕捉される空洞は、例えばハウジング部分13aおよび13bのフィンガーレスト部分117aおよび117bによって、フィンまたは他のフィンガーレスト117内に画定することができる。ばね114は、ロック解除位置からロック位置に強制的に移動されるときにロック部材100をロック位置に付勢し、ロック位置からロック解除位置に強制的に移動されるときにロック部材100をロック解除位置に付勢するように位置決めされ構成される。ばね114は、そのような付勢機能を提供するときに交互に湾曲した状態の間で移行することができる。有益な実施形態におけるフィンガーレスト117は、切り欠き15が画定される側とは反対側のハンドルハウジング13の側に存在する。このようにして、ユーザは、片手の手動操作でハンドル12の周りを把持し、手の親指をアクチュエータボタン20(例えば、サムホイール)上に置くことができ、その手の別の指(例えば人差し指)はフィンガーレスト117の遠位に対向して置かれ、潜在的にその手のさらに別の指(例えば、中指)はフィンガーレスト117の近位に対向して置かれ、親指を用いたアクチュエータボタン20の近位および遠位移動中にハンドル12の安定した把持を容易にする。また、ロック部材100が含まれる場合、そのような手の位置は、同時に、例えば上述したように、フィンガーレスト117の遠位に置かれた人差し指を使用してロック部材100を押し、ロック部材100をそのロック位置とロック解除位置との間で移動させることを容易にする。また、いくつかの実施形態におけるフィンガーレスト117は、フラッシュポートステム30が延在するハンドルハウジング13の同じ側に存在することができ、潜在的に、その長手方向形状において考慮されるハンドル12の周囲の周りでフィンガーレスト117とほぼ整列する。
【0029】
上述したように、図示の実施形態のハウジング13は、2つのハウジング部分13aおよび13bを有する。図示の部分は、一般に、それらの外縁の輪郭に沿って互いに対向するハウジングシェルを整合する形態である。ハウジング部分13aおよび13b、または本明細書のマルチピースハウジングの他のハウジング部分は、例えば、それぞれのハウジング部分によって画定された対応する位置にある孔およびピン、接着剤または結合剤、溶接(例えば、超音波溶接)、またはそれらの組み合わせ、または他の手段を含む、任意の適切な技術または機構を使用して互いに固定することができる。これらおよび他の取付け技術は、本明細書の開示を考慮すると、当業者には適切であると理解されよう。これに加えて、またはこれに代えて、本明細書のマルチピースハウジングのハウジング部分13aおよび13b、または他のハウジング部分は、いくつかの形態では、各々単一の一体型ピース、例えば単一の一体的に成形された(例えば、射出成形)ピースであることができる。
【0030】
他の特徴において、ハウジング13は、ハウジング部分13aおよび13bのそれぞれの半円錐部分120aおよび120bによって画定された先細りになった遠位円錐部分120を有する。図示されたようないくつかの実施形態では、コネクタキャップ50の近位領域は、円錐部分120の最遠位端から遠位方向に延在する。ハンドルハウジング13、および図示された実施形態では、その円錐部分120はまた、ステム30がハンドルハウジング13の内部および外部に部分的に存在するように、フラッシュポートステム30を受け入れるための開口部122を画定する。図示の実施形態における開口部122は、それぞれハウジング部分13aおよび13bに半円形の切り欠き122aおよび122bによって設けられる。ハウジング13はまた、ハウジング13に対するアクチュエータボタン20の長手方向移動を案内する長手方向に延在する摺動路を提供するように、アクチュエータボタン20の外形と相補的な内面を有する。摺動路のそのような内面は、例えば、アクチュエータボタン20の凸状に湾曲した外面と相補的な、それぞれハウジング部分13aおよび13bの凹状に湾曲した側面124aおよび124bを含むことができる。ハウジング部分13aは、複数の穴126a(例えば、レセプタクルボスによって画定される)を画定し、ハウジング部分13bは、ハウジング部分13aおよび13bを互いに取り付けるために穴126a内に摩擦および/またはスナップ嵌合する、複数の対応する位置にあるピン126bを画定する。そのような取付けは、完成したハンドル12またはシステム10に十分であることができるか、または穴126aおよびピン126bの使用の代わりにもしくはそれに加えて、他の取付け技術を使用することができる。
【0031】
医療機器制御ハンドル12およびそれを組み込んだシステム10は、それに含まれる様々な部品を含み、ポリマーまたはプラスチック材料、セラミック材料、金属または金属合金、および/またはそれらの組み合わせから形成されてもよい。材料は、いくつか例を挙げると生体適合性、可撓性、および強度などの望ましいまたは要求される性能特性を示すように選択される。ポリマーまたはプラスチック材料は、1つ以上の熱可塑性材料または熱硬化性材料を個別にまたは組み合わせて含んでもよい。適切なポリマーまたはプラスチック材料のいくつかの例には、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリイミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS:Acrylonitrile Butadiene Styrene)、およびそれらの混合物もしくはコポリマーが含まれ得るが、これらに限定されない。一形態では、ハンドル12のハンドルハウジング13はABSから形成される。システム10内で使用される任意の金属部品は、限定はしないが、ステンレス鋼、真鍮、ニチノールなどのニッケルチタン合金、またはそれらの組み合わせから形成され得る。
【0032】
いくつかの態様によれば、本明細書に記載の構成要素は、システム10を提供するために任意の適切な方法または順序で組み立てることができる。しかしながら、特定の好ましい形態では、コアアセンブリが最初に組み立てられ、コアアセンブリは、スネアループ16または他の医療機器構造体と、シース14と、フラッシュポート/シールアセンブリ51と、アクチュエータボタン20と、スネアループ16または他の医療機器に取り付けられ、シース14の管腔22を通り、フラッシュポート/シールアセンブリ51を通って延在し、アクチュエータボタン20に近位に取り付けられる制御シャフト18とを含む。次いで、例えば、アクチュエータボタン20およびフラッシュポート/シールアセンブリ51の上および周囲の複数のハンドルハウジング部分(例えば、上述のハウジング部分13aおよび13b)、ならびにアクチュエータボタン20とフラッシュポート/シールアセンブリ51との間に延在する制御シャフト18のセグメントを組み立て、例えば本明細書で説明するようにそのようなハンドルハウジング部分を互いに接続することによって、このコアアセンブリをハンドルハウジング13と関連付けることができる。そのような複数のハンドルハウジング部分の組立ておよび接続は、上述したように、内向き壁構造によってハンドルハウジング13に対するフラッシュポート/シールアセンブリ51の位置を有利に固定することができる。これらの組立て作業、およびそれらを容易にするシステム10の構成要素の構成は、システム10の特に便利で実用的な製造を提供する。また、当業者は、ロック部材100およびばね114が含まれる場合、そのような部分が一緒に組み立てられて互いに接続され、上述のような位置および機能を提供するように、これらが複数のハンドルハウジング部分(例えば13aおよび13b)の間に位置し捕捉され得ることを理解するであろう。
【0033】
ここで図6を参照すると、上述したシステム10と同様の構成要素を有することができる代替の医療機器制御システム10’の構成要素が示されており、図6においてプライム記号「’」と共に同様に番号付けされているが、システム10’は、シールアセンブリを備えているが、シールアセンブリと一体のフラッシュポートアセンブリを含まない。システム10’は、上記のシステム10に関連して説明したハウジング部分13aおよび13bと同様に、システム10’のハンドルを形成する際にハンドルハウジング部分13a’に対応して成形され取り付けられる第2のハンドルハウジング部分(図示せず)を含むことが理解されよう。図6に示すように、システム10’のシールアセンブリは、内部管腔58’を画定するシール本体部分56’と、シールディスクなどのシール要素62’と、シール本体部分56’に取り付けられ、例えば圧入され、シール要素をシール本体部分56’に対して押し付け、シール要素をシール本体部分56’に対して潜在的に圧縮するシールキャップ64’とを含む。システム10’のシールアセンブリは、システム10およびその対応する内向き支持壁構造に関連して上述したように、ハンドルハウジングの内壁構造、例えば壁80a’および/または84a’、ならびに含まれる第2のハンドルハウジング部分上の対応する内向き壁によって、システム10’の医療機器制御ハンドル内に同様に位置的に固定される。システム10’では、ハウジング部分13a’は、拡大シール本体部分92’の遠位に位置付けられたさらなる内向き壁85’を画定することができる。壁85’は(含まれる第2のハンドルハウジング部分上の対応する内向き壁と共に)、シールアセンブリの遠位移動を防止するために、拡大シール本体装着部92’の遠位面に当接することができ、および/または、ハウジングの外壁から離間したハンドルハウジング内の径方向に固定された位置にシールアセンブリを保持するために、シール本体部分56’の対応する位置にある外面に接触して挟む(例えばそれを囲むカラーを形成する)ことができる。
【0034】
システム10または10’がスネアループ16などのスネア捕捉要素を備えている場合、システム10または10’は、患者の血管系に埋め込まれた血管フィルタ、例えば患者の大静脈に埋め込まれた大静脈フィルタの回収に使用することができる。しかしながら、スネアループを備えたものを含む、本開示によるシステムの他の使用が行われてもよいことが理解されよう。一般に、そのような使用では、システム10または10’のシースは(システム10のようにフラッシュポートが含まれる場合、例えば上述のようにシースの管腔をフラッシュした後に)患者の血管系内に前進させることができる。アクチュエータボタン20または20’は、制御シャフト18または18’を前進および/または引き出しおよび/または回転させるためにユーザが手で操作することができ、患者を治療するために、患者の血管系内の医療機器構造体を操作(例えば、展開を含む)することができる。本明細書に記載のシステム10または10’のこれらおよび他の動作または使用は、当業者には明らかであり、本開示の態様で企図される。
【0035】
本明細書に記載の医療機器制御システム10または10’または医療機器制御ハンドルは、使用のために滅菌することができる。例えば、それらは、それらが位置付けられる滅菌バリアを画定する医療用パッケージに包装することができ、システム10または10’または医療機器制御ハンドルを有するパッケージは、エチレンオキシドガスまたは放射線への曝露などの適切な技術を使用して最終的に滅菌することができる。
【0036】
本明細書における「a」および「an」および「the」という用語および同様の言及の使用(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に本開示の実施形態をよりよく明らかにすることを意図しており、別段の請求がない限り、本開示の範囲を限定するものではない。本明細書のいかなる文言も、特許請求の範囲によって定義される製品または方法の実施に不可欠な特許請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0037】
本開示の実施形態を図面および前述の説明において詳細に図示および説明してきたが、それは例示的なものであり、限定的なものではないと見なされるべきであり、いくつかの実施形態のみが図示および説明されており、本明細書の開示の精神の範囲内にあるすべての変更および修正が保護されることが望ましいことが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】