(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100740
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム、方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
【審査請求】未請求
【請求項の数】37
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024003206
(22)【出願日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】63/479,843
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】イラン ヨスコヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】イエーダ レヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ロニ バダシュ
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CC02
5G503DA18
5G503GA01
(57)【要約】
【課題】エネルギー貯蔵システムの電力生産信頼性を改善するための装置、システム、及び方法を提供する。
【解決手段】第1及び第2の端子と、センサと、エネルギー貯蔵デバイスと、複数の変換器と、コントローラと、補助電力回路と、を備える、装置。複数の電力変換器は、エネルギー貯蔵デバイスに接続される。各電力変換器は、エネルギー貯蔵デバイスから第1及び第2の端子への、又は第1及び第2の端子からエネルギー貯蔵デバイスへの電力を変換する。コントローラは、複数の電力変換器のうちの1つ以上の電力変換器を同期して制御する。補助電源回路は、複数の補助電源のうちの1つ以上からコントローラに電力を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
第1の端子と、
第2の端子と、
1つ以上のセンサと、
エネルギー貯蔵モジュールと、
各々が前記エネルギー貯蔵モジュール、前記第1の端子、及び前記第2の端子に接続された複数の電力変換器であって、前記複数の電力変換器の各電力変換器が、スイッチング回路を備え、前記複数の電力変換器の各電力変換器が、
前記エネルギー貯蔵モジュールから前記第1の端子及び前記第2の端子への電力を変換すること、又は
前記第1の端子及び前記第2の端子から前記エネルギー貯蔵モジュールへの電力を変換すること、を行うように構成されている、複数の電力変換器と、
前記複数の電力変換器に接続され、前記1つ以上のセンサからの1つ以上の測定値に基づいて、前記複数の電力変換器のうちの1つ以上の電力変換器を同期して制御するように構成されたコントローラと、
複数の補助電源のうちの1つ以上から前記コントローラに電力を提供するように構成された補助電力回路と、を備える、装置。
【請求項2】
前記第1の端子及び前記第2の端子に接続されたバイパススイッチを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バイパススイッチは、2つ以上の並列接続されたトランジスタを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記バイパススイッチを、
接続解除スイッチの短絡、
前記コントローラにおける故障、又は
前記エネルギー貯蔵モジュールに貯蔵されたエネルギーの量が閾値未満であるという判定のうちの1つ以上に基づいて、導通状態に制御するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記コントローラへの前記故障に基づいて前記バイパススイッチをデフォルト導通状態に制御するように構成された回路を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上のセンサは、前記エネルギー貯蔵モジュールの電圧を測定するように構成されており、
前記コントローラは、前記エネルギー貯蔵モジュールの前記電圧が閾値未満であることを示す前記測定値に基づいて、前記バイパススイッチを導通状態に制御するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上のセンサは、前記エネルギー貯蔵モジュールを通る電流の測定値を提供するように構成されており、
前記コントローラは、前記エネルギー貯蔵モジュールを通る前記電流が閾値未満であることを示す前記測定値に基づいて、前記バイパススイッチを導通状態に制御するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の端子又は前記第2の端子のうちの1つと前記複数の電力変換器との間に接続された接続解除スイッチを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記接続解除スイッチを、
前記エネルギー貯蔵モジュールに貯蔵されたエネルギーの量が閾値未満であるという判定、
バイパススイッチ内の短絡、又は
前記コントローラにおける故障のうちの1つに基づいて非導通状態に制御するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記コントローラへの前記故障に基づいて前記接続解除スイッチをデフォルト非導通状態に制御するように構成された回路を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記1つ以上のセンサは、前記エネルギー貯蔵モジュールの電圧の測定値を生成するように構成されており、
前記エネルギー貯蔵モジュールの前記電圧が閾値未満であることを示す前記測定値に基づいて、前記コントローラは、前記接続解除スイッチを非導通状態に制御するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記1つ以上のセンサは、前記エネルギー貯蔵モジュールを通る電流の測定値を生成するように構成されており、
前記コントローラは、前記エネルギー貯蔵モジュールを通る前記電流が閾値未満であることを示す前記測定値に基づいて、前記接続解除スイッチを非導通状態に制御するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の電力変換器の各電力変換器は、前記エネルギー貯蔵モジュールと前記電力変換器の対応するスイッチング回路との間に接続されたヒューズを備え、
各ヒューズは、前記対応するスイッチング回路と前記エネルギー貯蔵モジュールとの間を流れる電流の量が閾値を超えていることに応答して、前記対応する電力変換器を前記エネルギー貯蔵モジュールから接続解除するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
複数のゲートドライバを更に備え、
各スイッチング回路内のスイッチは、前記複数のゲートドライバのうちの対応するゲートドライバに接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の端子及び前記複数の電力変換器に接続された接続解除スイッチと、
前記第1の端子及び前記第2の端子に接続された複数のバイパススイッチと、を更に備え、
前記複数のゲートドライバのうちの第1のゲートドライバは、前記接続解除スイッチ及び前記複数のバイパススイッチのうちの第1のバイパススイッチに接続されており、
前記複数のゲートドライバのうちの第2のゲートドライバは、バイパススイッチのうちの残りのバイパススイッチに接続されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記1つ以上のセンサは、前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧を測定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の電力変換器は、コンデンサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記1つ以上のセンサは、前記コンデンサにわたる電圧を測定するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記複数の電力変換器の各々は、対応するインダクタを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記1つ以上のセンサは、各対応するインダクタを流れる電流の量を測定するように構成されている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記1つ以上のセンサは、前記エネルギー貯蔵モジュールを通って流れる電流の量を測定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記補助電力回路は、前記エネルギー貯蔵モジュール、補助電力バス、又は通信バスのうちの1つ以上から電力を受け取るように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記補助電力回路が、前記補助電力バスから電力を受け取り、第1のダイオードを介して、前記コントローラに、前記受け取った電力を提供するように構成された第1の電力変換器を備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記補助電力回路は、
前記通信バスから信号を受信することと、
前記信号を電力に変換することと、
第2のダイオードを介して前記コントローラに電力を提供することと、を行うように構成された電力採取回路を備える、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記電力採取回路は、整流器又は電圧増倍回路のうちの1つ以上を備える、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記補助電力回路は、第3のダイオードを介して、前記エネルギー貯蔵モジュールから前記コントローラに、電力を提供するように構成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記補助電力回路は、
前記エネルギー貯蔵モジュールから電力を受け取ることと、
前記補助電力バスに電力を提供することと、を行うように構成された第2の電力変換器を更に備える、請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記コントローラは、前記複数の電力変換器の各電力変換器に対応する制御信号を生成し、前記制御信号間の位相差は、前記複数の電力変換器内の電力変換器の数に基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項29】
前記コントローラは、前記複数の電力変換器の電力変換器が非アクティブであることを示す前記1つ以上のセンサからの前記測定値に基づいて、残りの動作している変換器の前記対応する制御信号の各位相を調整するように構成されている、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記コントローラは、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムに基づいて、前記エネルギー貯蔵モジュールから前記第1の端子及び前記第2の端子への電力を変換するように前記電力変換器を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
方法であって、
複数の電力変換器によって、エネルギー貯蔵モジュールからの電力を同期して変換することと、
1つ以上のセンサによって、前記複数の電力変換器のうちの1つ以上の電力変換器における故障を検出することと、
コントローラによって、故障と識別された前記1つ以上の電力変換器を無効化することと、
前記1つ以上のセンサによって、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記コントローラ、又は補助電力回路における第2の故障を検出することと、
前記コントローラによって、前記第2の故障に基づいて前記複数の電力変換器を無効化することと、を含む、方法。
【請求項32】
前記複数の電力変換器を無効化することは、
バイパススイッチの短絡、
前記コントローラにおける故障、又は
前記エネルギー貯蔵モジュールに貯蔵されたエネルギーの量が閾値未満であるという判定のうちの1つ以上に基づいて、接続解除スイッチを制御して、出力端子から前記複数の電力変換器を接続解除することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記複数の電力変換器を無効化することは、
接続解除スイッチの短絡、
前記コントローラにおける故障、又は
前記エネルギー貯蔵モジュールに貯蔵されたエネルギーの量が閾値未満であるという判定のうちの1つ以上に基づいて、バイパススイッチを制御して、出力端子から前記複数の電力変換器をバイパスすることを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
故障と識別された前記1つ以上の電力変換器を無効化することは、スイッチング回路と前記エネルギー貯蔵モジュールとの間を流れる電流が閾値を超えていることに応答して、ヒューズによって、故障と識別された前記1つ以上の電力変換器を前記エネルギー貯蔵モジュールから接続解除することを含む、請求項31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記複数の電力変換器によって電力を同期して変換することは、前記コントローラによって、前記複数の電力変換器の各電力変換器の対応する制御信号の位相を選択することを含む、請求項31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記複数の電力変換器のうち、故障が検出されなかった第2の1つ以上の電力変換器の対応する制御信号の各位相を調整することを更に含む、請求項31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
エネルギー貯蔵モジュールからの電力を同期して変換することは、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムに基づいて前記エネルギー貯蔵モジュールからの電力を変換することを含む、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して電力システムに関する。より具体的には、本開示は、エネルギー貯蔵システムの電力生産信頼性を改善するための装置、システム、及び方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野で知られているエネルギー貯蔵システムは、複数のエネルギー貯蔵セルを備え得る。エネルギー貯蔵モジュールを形成するために、いくつかの貯蔵セルが(例えば、直列又は並列に)接続され得る。エネルギー貯蔵パックを形成するために、いくつかのエネルギー貯蔵モジュールが(例えば、直列又は並列に)接続され得る。1つ以上のエネルギー貯蔵パックが、エネルギー貯蔵システムを形成するために回路(例えば、バッテリ管理システム(Battery Management System、BMS)などの制御回路)に接続され得る。場合によっては、エネルギー貯蔵システムは、エネルギー貯蔵システムから負荷への電力を変換するための、又は(例えば、エネルギー貯蔵セルを充電するために)電源(例えば、太陽光発電パネル、グリッド)からエネルギー貯蔵システムへの電力を変換するための電力変換器を備え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以下は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために簡略化された概要を提示する。本概要は、本開示の包括的な概説ではない。本開示の鍵となる要素若しくは重要な要素を特定すること、又は本発明の範囲を叙述することは、意図されていない。以下の概要は、以下に提供されるより詳細な説明の前置きとして、本開示のいくつかの概念を簡略化した形式で単に提示するに過ぎない。
【0004】
本開示の第1の態様は、エネルギー貯蔵モジュール(例えば、1つ以上のバッテリセルを備えるバッテリ)のための、信頼性が高く、堅牢で、安全な電力変換装置を提供し、この電力変換装置は、故障動作及び故障セーフ特性を備える。故障動作機能は、1つ又は複数の構成要素が故障した場合に動作の継続を提供することができる。故障セーフ機能は、電力変換装置の安全性を提供することができる。電力変換装置は、エネルギー貯蔵モジュールとの間で電力を変換するように構成された複数の電力変換器を備えることができる。複数の電力変換器は、同期して(例えば、インターリーブモードで)動作してもよい。複数の電力変換器のうちの1つが動作不能になった場合、残りの電力変換器は、電力を変換し続け得る。電力変換装置は、複数の安全機能を備えてもよい。例えば、複数の電力変換器の各電力変換器は、ヒューズを備えてもよく、ヒューズは、ヒューズを通る電流が閾値を超える場合に、対応する電力変換器をエネルギー貯蔵モジュールから接続解除するように構成される。電力変換装置は、故障の場合に電力変換装置を他の回路又はモジュールから接続解除するように構成された接続解除スイッチを備えることができる。電力変換装置は、故障の場合に電力変換装置をバイパスするように構成されたバイパススイッチを備えることができる。
【0005】
本開示の別の態様は、複数の電源から電力変換装置に補助電力を提供するように構成された、補助電力回路を提供する。複数の電源は、対応する電力貯蔵モジュール、補助電力バスを介した補助電源、又は通信バスであってもよい。したがって、電源のうちの1つが故障した場合、電力変換装置は、他の電源から補助電力を受け取ることができる。補助電力回路は、電力貯蔵モジュールから補助電力バスに電力を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示のより完全な理解及びその利点は、添付の図面を考慮して以下の説明を参照することによって得ることができるが、ここでは、類似の参照番号は同様の特徴を示している。
【
図1】本開示の態様によるエネルギー貯蔵のためのシステムの例を示すブロック図である。
【
図2A】本開示の態様による電力変換装置の例を示すブロック図である。
【
図2B】本開示の態様による電力変換装置の例を示すブロック図である。
【
図2C】本開示の態様による複数の電力変換器の例を示す概略図である。
【
図2D】本明細書の開示の態様によるゲートドライバの構成の例を示すブロック図である。
【
図2E】本開示の態様による2つの電力変換装置の2つの補助電力回路の例を示すブロック図である。
【
図3】本開示の態様による方法の例を示すフローチャートである。
【
図4】本開示の態様による例示的な電力変換システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
様々な実施形態の以下の説明において、添付図面を参照するが、添付図面は、本明細書の一部を形成するものであり、そこには、本開示が実施され得る様々な実施形態が例示として示されている。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよく、構造的及び機能的な変更を行ってもよいことを理解されたい。
【0008】
本開示は、1つ以上のエネルギー貯蔵セル(例えば、バッテリセル)を備えるエネルギー貯蔵モジュールに関する。本明細書の開示の態様は、故障動作及び故障セーフ機能を備える堅牢で安全な電力変換装置を提供することができる。故障動作機能は、1つ又は複数の構成要素が故障した場合に動作の継続を提供することができる。故障セーフ機能は、電力変換装置の安全性を提供することができる。加えて、電力変換装置は、本開示の様々な態様によれば、エネルギー貯蔵モジュールを備え得る。電力変換装置は、最大電力点(Maximum Power Point、MPP)でエネルギー貯蔵モジュールから電力を生成してもよい。電力変換装置は、複数の電力変換器を備えてもよい。複数の電力変換器は、電力変換器のうちの1つの障害の場合に冗長性を提供することができ、したがって、故障動作機能を提供する。例えば、複数の電力変換器の各電力変換器は、対応する制御信号(例えば、パルス幅変調-Pulse Width Modulation、PWM信号)に基づいて対応するスイッチを制御する対応するゲートドライバを有してもよい。複数の電力変換器の対応する制御信号は、制御信号の位相がずれるように同期されてもよく、したがって、電力変換装置の出力におけるリップルを低減する。各電力変換器は、対応する接続解除スイッチを備えてもよい。接続解除スイッチは、様々な状況及びパラメータ(例えば、以下で更に説明され得る)に基づいて、対応する電力変換器を接続解除するように構成され得る。本明細書の開示の態様による電力変換装置は、様々な状況及びパラメータ(例えば、以下で更に説明され得る)に基づいて電力変換装置をバイパスするように構成された、バイパススイッチを更に備え得る。電力変換装置は、場合によっては、複数の電源から(例えば、エネルギー貯蔵モジュールから、補助電力バスから、通信バスから)電力変換装置に補助電力を提供することができる、補助電力回路を備え得る。補助電力回路は、エネルギー貯蔵モジュールから補助電力バス(例えば、他の電力変換装置によって使用され得る)に電力を提供し得る。
【0009】
エネルギー貯蔵のためのシステム100の例を示す
図1を参照する。
図1に示すように、システム100は、複数の電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nと、補助電力バス102と、通信バス104と、補助電源106と、を備える。各電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nは、エネルギー貯蔵モジュール(例えば、以下でより詳細に説明する202-n)を備え得る。各電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nは、補助電力バス102及び通信バス104に結合され得る。補助電力バス102はまた、補助電源106に接続され得る。
図2A~
図2Eに関連して以下で更に詳述するように、電力変換装置101-nは、それぞれのエネルギー貯蔵モジュール(例えば、202-n)から負荷(例えば、インバータ、モータ、家庭)に電力を提供するように構成され得る。本明細書の開示の態様によれば、各電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nは、光起電アレイ又は電力分配ネットワーク(例えば、グリッド)などの電源から電力を受け取るように構成され得る。電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nは、直列又は並列に接続され得る。
【0010】
各電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nは、補助電力バス102を介して補助電源106から補助電力を受け取るように構成され得る。各電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nは、補助電力バス102に電力を提供するように構成され得る。補助電力は、本明細書では、電力変換装置101-1、101-2、・・・、101-Nの動作中に、電力変換装置101-1、101-2、・・・、101-N内の様々な回路及び構成要素(例えば、コントローラ、センサ、増幅器、ゲートドライバなど)によって使用される電力に関する。各電力変換装置101-1、101-2、・・・、101-Nは、他の電力変換装置101-1、101-2、・・・、101-N、及び他のデバイス(例えば、バッテリ管理システム、インバータなど)と通信するように構成され得る。本明細書の開示の態様によれば、電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nは、通信バス104から補助電力を採取するように構成され得る。
【0011】
本明細書の開示の態様による、電力変換装置101-N(例えば、電力変換装置101-1、101-2、・・・、101-Nのうちの1つ)の異なる態様の例を示す
図2A~
図2Eを参照する。
図2A~
図2Eの例に示すように、電力変換装置101-nは、エネルギー貯蔵モジュール202と、複数の電力変換器204と、コントローラ206と、センサ208と、を備える。電力変換装置101-nはまた、ヒューズ203と、補助電力回路210と、ゲートドライバ212と、通信インターフェース214とを備え得る。電力変換装置101-nは、バイパススイッチ216及び接続解除スイッチ218を備え得る。
【0012】
各電力変換装置101-nは、接続点248において接続解除スイッチ218に接続され、エネルギー貯蔵モジュール202のアノードと接続され得る複数の電力変換器204を含み得る。接続解除スイッチ218は、第1の端子232-1に接続され得る。バイパススイッチ216は、第1の端子232-1と第2の端子232-2との間に接続され得る。バイパススイッチ216はダイオードとして示されているが、バイパススイッチ216は、以下で更に説明され得るように、1つ以上のスイッチ(例えば、トランジスタ)を備え得る。第2の端子232-2は、エネルギー貯蔵モジュール202のカソード230-2と接続され得る。コントローラ206は、センサ208、補助電力回路210、ゲートドライバ212、及び通信インターフェース214に接続され得る。センサ208及びゲートドライバ212は、複数の電力変換器204に接続され得る。ゲートドライバ212は、バイパススイッチ216及び接続解除スイッチ218に接続され得る。通信インターフェース214は、通信バス104に接続され得る。補助電力回路210は、エネルギー貯蔵モジュール202のアノード230-1及びカソード230-2に接続され得る。補助電力回路110は、補助電力バス102及び通信バス104に接続され得る。補助電力回路110は、ゲートドライバ112(図を明確にするために
図1Aには示されていない)に任意選択で接続されてもよい。以下で更に詳述されるように、本明細書の開示の態様によれば、補助電力回路110は、電源102、補助電力バス102、又は通信バス104のうちの1つ以上からコントローラ206及びゲートドライバ112に電力を提供することができる。本明細書の開示の態様によれば、補助電力回路110は、電源106から補助電力バス102に電力を提供することができる。
【0013】
様々な実施形態によれば、エネルギー貯蔵モジュール202は、いくつかの非限定的な例を挙げると、1つ以上のエネルギー貯蔵セル(例えば、バッテリセル)、コンデンサのアレイ、スーパーコンデンサ、フライホイール、燃料電池などを備えることができる。通信インターフェース214は、受信機、送信機、又はトランシーバなどの任意の適切なデバイスであり得、通信プロトコルに基づいて、媒体を介して1つ以上の他の送信機、受信機、又はトランシーバと信号を通信するように構成され得る。通信プロトコルは、送信周波数又は複数の周波数、変調方式(例えば、振幅偏移キーイング(Amplitude shift keying、ASK)、周波数偏移キーイング(Frequency shift keying、FSK)、直交位相偏移キーイング(Quadrature Phase Shift Keying、QPSK)、直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation、QAM)、多元接続方式(例えば、時間分割多元接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access、FDMA)、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、キャリアセンス多元接続(Carrier Sense Multiple Access、CSMA)、Aloha)、符号化/復号方式(例えば、非ゼロ復帰(Non Return to Zero、NRZ)、マンチェスタ符号化、ブロック符号化)、若しくは任意の他の特徴などの信号を使用して、信号及び/又は通信の1つ以上の特徴を定義し得る。媒体は、有線媒体又は無線媒体であり得る。例えば、有線媒体は、専用通信ケーブルであってもよい。有線媒体は、電力線であってもよい。
【0014】
コントローラ206は、1つ以上のコンピューティングデバイスとして部分的に若しくは完全に実装されてもよく、及び/又は特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)コントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)コントローラ、マイクロコントローラ、若しくは多目的コンピュータ等の1つ以上のプロセッサを含み得る。コントローラ206は、メモリ222及び入力/出力(Input/Output、I/O)ポート224に接続された1つ以上のプロセッサ220を備え得る。コントローラ206は、ユーザインターフェース226及びスイッチデフォルト回路228を備え得る。メモリ222は、コンピュータ可読命令並びにデータ(例えば、センサ208からの測定値又はパラメータ)を記憶することができる。I/Oポート224は、モジュール(例えば、センサ208、通信インターフェース214、又は電力変換装置101-nの他のモジュール)を1つ以上のプロセッサ220に接続するように構成され得る。1つ以上のプロセッサ220は、命令を実行することができ、その結果、コントローラ206は、コントローラ206に起因する、本明細書で説明される1つ以上のステップ及び/又は機能を実行することができる。故障動作機能を提供するために、電力変換装置101-nは、2つ以上のコントローラ、コントローラ206及び冗長コントローラ(図示せず)を備え得る。例えば、一方のコントローラが故障した場合、他方のコントローラは、変換装置101-nの動作を継続して制御することができる。2つのプロセッサは同一である必要はない。例えば、冗長コントローラは、ユーザインターフェースを備えず、より少数のI/Oポートを有してもよい。別の例は、コントローラ206が2つのプロセッサを備えることであり得る。したがって、一方のプロセッサが故障した場合、他方のプロセッサは継続して、変換装置101-nの動作を制御することができる。
【0015】
センサ208は、1つ以上の電圧センサ(例えば、抵抗分圧器又は容量分圧器、抵抗ブリッジ又は容量ブリッジ、コンパレータを採用することによって実装される)、1つ以上の電流センサ(例えば、変流器(Current Transformer、CT)センサ、ホール効果センサ、又は0磁束センサを採用することによって実装される)、及び/又は1つ以上の周波数センサを備え得る。センサ208は、1つ以上の温度センサを備え得る。故障動作機能を提供するために、センサ208は、複数の電圧センサ、複数の電流センサ、及び/又は複数の温度センサを備えてもよい。
【0016】
図2Cに関連して以下の例で更に詳述されるように、複数の電力変換器204の各電力変換器は、エネルギー貯蔵モジュール202から第1の端子232-1及び第2の端子232-2への電力を変換すること(例えば、エネルギー貯蔵モジュール202から電力を提供するとき)、又は第1の端子232-1及び第2の端子232-2からエネルギー貯蔵モジュール202への電力を変換すること(例えば、エネルギー貯蔵モジュール202を充電するとき)を行うように構成されたスイッチング回路を備え得る。複数の電力変換器204内の電力変換器は、ブースト変換器、バック変換器、バック-ブースト変換器、バック及びブースト変換器、並びに/又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、複数の電力変換器204は、2つのブースト変換器と1つのバック変換器とを備えてもよい。2つのブースト変換器及びバック変換器は、(例えば、
図2Bに示され得るように)並列に接続され得る。2つのブースト変換器は、エネルギー貯蔵デバイス202からの電力生成中に使用され得る。バック変換器は、例えば、電力変換装置101-nと他の電力変換装置との接続中、又は直列接続された変換装置101-nと他のモジュールとの接続中に、端子232-1と232-2との間の電圧を低減するために使用され得る。
【0017】
本明細書の開示における説明を簡単にするために、複数の電力変換器204は、
図2Cに示されるように、複数のブースト変換器として説明され得る。
図2Cは、複数の電力変換器204が2つのブースト変換器及びコンデンサ233を備える例を示す。示されるように、第1のブースト変換器は、第1のインダクタ236-1と、第1のスイッチ238-1と、第2のスイッチ240-1と、を備える。また、示されるように、第2のブースト変換器は、第2のインダクタ236-2、第3のスイッチ238-2、第4のスイッチ240-2を備える。第1のインダクタ236-1及び第2のインダクタ236-2は、システム100の寄生インダクタンス(例えば、ワイヤの寄生インダクタンス)を使用して実装され得る。
図2Cの例では、ヒューズ203は、2つのヒューズ、すなわち、第1のブースト変換器用の第1のヒューズ242-1と、第2のブースト変換器用の第2のヒューズ242-2と、を備える。
図2Cの例では、第1のスイッチ238-1、第2のスイッチ240-1、第3のスイッチ238-2、及び第4のスイッチ240-2は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、MOSFET)として示されている。
【0018】
第1のヒューズ242-1は、アノード230-1及び接続点244に接続され得る。第1のインダクタ236-1は、接続点244及び接続点249に接続され得る。第1のスイッチ238-1のソースは接続点249に接続され得、第1のスイッチ238-1のドレインは接続点248に接続され得る。第2のスイッチ240-1のソースはカソード230-2に接続され得、第2のスイッチ240-1のドレインは接続点249に接続され得る。第2のヒューズ242-2は、アノード230-1及び接続点247に接続され得る。第2のインダクタ236-2は、接続点246及び接続点247に接続され得る。第2のスイッチ238-2のソースは接続点247に接続され得、第2のスイッチ238-2のドレインは接続点248に接続され得る。第2のスイッチ240-2のソースはカソード230-2に接続され得、第2のスイッチ240-2のドレインは接続点247に接続され得る。コンデンサ233は、接続点248及び第2の端子232-2に接続され得る。
【0019】
図2Cに示される例では、バイパススイッチ216は、2つのスイッチ234-1及び234-2を備える。バイパススイッチ234-1及び234-2のソースは第2の端子232-2に接続され得、バイパススイッチ234-1及び234-2のドレインは第1の端子232-1に接続され得る。
図2Cに示される例では、センサ208は、アノード230-1とカソード230-2との間の電圧、接続点244とカソード230-2との間の電圧、コンデンサ233にわたる電圧、及び/又は第1の端子232-1と第2の端子232-2との間の電圧のうちの1つ以上を測定するように構成され得る。
図2Cに示される例では、センサ208は、第1のインダクタ236-1を通る電流、第2のインダクタ236-2を通る電流、第1の端子232-1若しくは第2の端子232-2を通る電流、及び/又はエネルギー貯蔵モジュール202を通る電流のうちの1つ以上を測定するように構成され得る。接続解除スイッチ218はまた、複数のスイッチを備え得る。例えば、接続解除スイッチ218は、2対の直列に接続されたスイッチを備えることができ、その2対は並列に接続される。本明細書の開示によれば、接続解除機能は、電力変換装置101-n内の接続解除スイッチ218及び追加のスイッチを用いて実装することができる。したがって、より低い定格を有するスイッチ(例えば、トランジスタ)が、接続解除スイッチ218を実装するために使用され得る(例えば、接続解除スイッチ218のみが接続解除機能のために使用される場合のスイッチに対して)。例えば、コントローラ206は、スイッチ218、スイッチ238-1及びスイッチ238-2を非導通状態に制御して、接続解除機能を実装することができる。
【0020】
図2Dは、複数の電力変換装置101-1、101-2、・・・、101-Nのうちの各電力変換装置101-nの動作の冗長性を提供するゲートドライバ212の構成を示す。
図2Dの例では、電力変換装置101-nは、4つのゲートドライバ212-1、212-2、212-3、及び212-4を備える。加えて、この例では、第1のスイッチ238-1及び第2のスイッチ240-1は、ゲートドライバ212-1に接続される。第3のスイッチ238-2及び第4のスイッチ240-2は、ゲートドライバ212-2に接続される。接続解除スイッチ218及びバイパススイッチ234-1は、ゲートドライバ212-3に接続される。したがって、コントローラ206は、第1の変換器から独立して、ゲートドライバ212-1を介して第1の変換器204-1の第1のスイッチ238-1及び第2のスイッチ240-1を制御し、ゲートドライバ212-2を介して第2の変換器204-2の第3のスイッチ238-2及び第4のスイッチ240-2を制御することができる。したがって、第1の変換器204-1又は第2の変換器204-2の一方、又は対応するゲートドライバ212-1又は212-2が動作不能になった場合、他方の電力変換器は、エネルギー貯蔵モジュール202から第1の端子232-1及び第2の端子232-2への、又は第1の端子232-1及び第2の端子232-2からエネルギー貯蔵モジュール202への電力を変換し続けることができる。
【0021】
場合によっては(例えば、エネルギー貯蔵モジュール202内のエネルギーが枯渇したとき)、他の電力変換装置101-1、101-2、・・・、101-Nからエネルギー貯蔵モジュール202を接続解除することが必要とされ得る。また、対応する電力変換装置101-nをバイパスする必要がある場合もある。そのために、コントローラ206は、ゲートドライバ212-3を介して、スイッチ218を非導通状態(例えば、接続解除)に制御し、スイッチ234-1を導通状態(例えば、接続)に制御することができる。コントローラ206は、ゲートドライバ212-4を介して、スイッチ234-2を同様に導通状態に制御することができる。ゲートドライバ212-3、スイッチ218又はスイッチ234-1が動作不能である場合、対応する電力変換装置101-nは、依然としてスイッチ234-2を介してバイパスされ得る。
【0022】
本開示の様々な態様によれば、コントローラ206は、接続解除されたスイッチ216における短絡に基づいてバイパススイッチ218を導通状態に制御するように構成され得る(例えば、センサ208が、第1の端子232-1と第2の端子232-2との間の低電圧を測定する)。そのような例では、コントローラ206は、エネルギー貯蔵モジュール202内のエネルギーが枯渇した場合(例えば、エネルギー貯蔵モジュール202内のエネルギー量が閾値未満である場合)、バイパススイッチ216を導通状態に制御するように構成されてもよい。また、コントローラ206は、バイパススイッチ216における短絡に基づいて接続解除スイッチ218を非導通状態に制御するように構成されてもよい。コントローラ206は、エネルギー貯蔵モジュール202内のエネルギーが枯渇した場合に、接続解除されたスイッチ218を導通状態に制御するように構成され得る。上述したように、コントローラ206は、スイッチデフォルト回路228を含む。コントローラ206が動作不能になった場合、スイッチデフォルト回路228は、ゲートドライバ212-3及び212-4への信号を生成して、スイッチ218を非導通状態に制御し、スイッチ234-1及び234-2を導通状態に制御するように構成され得る。スイッチデフォルト回路228は、ゲートドライバ212-1及び212-2への信号を生成して、スイッチ238-1、240-1、238-2、及び240-2を非導通状態に制御するように構成され得る。本明細書の開示によれば、接続解除スイッチ218は、「常時開」スイッチであってもよい(例えば、制御信号が接続解除スイッチ218のゲートに印加されない場合、接続解除スイッチ218は導通し得ない)。本明細書の開示によれば、スイッチ234-1及び234-2は、「常時閉」スイッチであってもよい(例えば、制御信号がスイッチ234-1及び234-2のゲートに印加されない場合、スイッチ234-1及び234-2は導通し得る)。
【0023】
場合によっては、コントローラ206は、スイッチ218を制御してその状態を(例えば、非導通状態から導通状態に、又はその逆に)変更する前に、スイッチ238-1、240-1、238-2、及び240-2を非導通状態に制御する(例えば、複数の変換器を「オフにする」)ことができる。したがって、スイッチ218にわたる電圧降下は、電力貯蔵モジュール202の電圧であってもよい。複数の電力変換器204がブースト変換器である場合、スイッチ218として、定格電圧が低減されたスイッチを採用してもよい。
【0024】
上述したように、電力変換装置101-nは、ヒューズ242-1及びヒューズ242-2を備えてもよい。ヒューズ242-1及びヒューズ242-2は、エネルギー貯蔵モジュール202を過剰な電流から保護することができる。例えば、スイッチ238-1が短絡した場合、第1のインダクタ236-1を通る電流が増加し得、したがって、エネルギー貯蔵モジュール202を通る電流も増加し得る。エネルギー貯蔵モジュール202を通る電流がヒューズ242-1の定格を超えて増加した場合、ヒューズ242-1は、エネルギー貯蔵モジュール202を第1のインダクタ236-1から接続解除することができ、したがって、エネルギー貯蔵モジュール202を過剰な電流から保護する。スイッチ238-2が短絡した場合、第2のインダクタ236-2を通る電流が増加し得、したがって、エネルギー貯蔵モジュール202を通る電流も増加し得る。エネルギー貯蔵モジュール202を通る電流がヒューズ242-2の定格を超えて増加した場合、ヒューズ242-2は、エネルギー貯蔵モジュール202を第2のインダクタ236-2から接続解除することができ、したがって、エネルギー貯蔵モジュール202を過剰な電流から保護する。コンデンサ233が短絡した場合、ヒューズ242-1及びヒューズ242-2の両方が、エネルギー貯蔵モジュール202を対応するインダクタ236-1及び236-2から接続解除し、したがって、エネルギー貯蔵モジュール202を過剰電流から保護することができる。
【0025】
以下は、本明細書の開示による様々なイベント及び対応する動作を要約する表である。
【0026】
【0027】
【0028】
複数の電力変換器204は冗長性を提供し得るが、コントローラ206は、第1の端子232-1及び第2の端子232-2におけるリップル(例えば、電圧リップル、電流リップル)を低減するように同期して動作するように複数の電力変換器を制御し得る。例えば、複数の電力変換器204を同期して制御することは、端子232-1及び232-2における電圧及び電流のうちの1つ以上のリップルを低減するように、複数の電力変換器204をインターリーブ方式で制御することに関連し得る。インターリーブ動作では、コントローラ206は、第1のスイッチ238-1及び第2のスイッチ240-1に対して位相をずらして第3のスイッチ238-2及び第4のスイッチ240-2を制御する。例えば、コントローラ206によって生成されるゲートドライバ212-2への制御信号は、コントローラ206によって生成されるゲートドライバ212-1への制御信号に対して位相がずれ得る。例えば、第1のスイッチ238-1、240-1、238-2、及び240-2の制御信号がPWM信号である場合、第3のスイッチ238-2及び第4のスイッチ240-2のためのPWM信号を生成するために用いられるキャリア信号は、第1のスイッチ238-2及び第2のスイッチ240-2のためのPWM信号を生成するために用いられるキャリア信号と位相がずれ得る。キャリア信号は、コントローラ206のクロック信号から生成されたパルスに基づいて生成され得る。位相差は、クロック信号の差のカウントに基づいてもよい。複数の電力変換器204が2より多い電力変換器を含む場合、対応する電力変換器の制御信号間の位相差は、360/Nであり得、ここで、Nは電力変換器の数である。複数の電力変換器204のうちの1つの電力変換器が動作不能になった場合、コントローラ206は、第1の端子232-1及び第2の端子232-2において低いリップルを維持するように、残りの電力変換器の制御信号の位相を調整することができる。例えば、複数の電力変換器204が4つの電力変換器を含む場合、コントローラ206は、同期動作中に、対応する制御信号間の位相差が90度になるように制御することができる。複数の電力変換器204のうちの1つの電力変換器が動作不能になった場合、コントローラ206は、残りの電力変換器の制御信号間の位相差を120度に調整することができる。
【0029】
本明細書の開示の態様によれば、コントローラ206は、複数の電力変換器204を制御して、エネルギー貯蔵モジュール202からの電力を最大電力点(MPP)で第1の端子232-1及び第2の端子232-2に変換するように構成され得る。例えば、コントローラ206は、MPP追従(MPP Tracking、MPPT)アルゴリズム(例えば、山登り法(perturb and observe)、増分コンダクタンス、リップル相関)を使用してもよい。
【0030】
ここで
図2Eを参照すると、電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nのうちの2つの電力変換装置101-nの2つの補助電力回路210-1及び210-2が示されている。補助電力回路210-nの各々は、電力入力変換器250-nと、電力採取回路252-nと、任意選択で電力出力変換器254-nとを備え得る。補助電力回路210-nの各々は、OR-ingダイオード256-n、258-n、及び260-nを備え得る。対応するエネルギー貯蔵モジュール102-nは、電力出力変換器254-n及びOR-ingダイオード256-nのアノードに接続され得る。電力出力変換器254-nは、補助電力バス102に接続される。補助電力バス102は、電力入力変換器250-nに接続される。電力入力変換器250-nは、OR-ingダイオード258-nのアノードに接続される。通信バス104は、電力採取回路252-2に接続され得る。電力採取回路252-2は、OR-ingダイオード260-nのアノードに接続される。OR-ingダイオード256-n、258-n及び260-nのカソードは、互いに接続される。電力入力変換器250-nは、電力変換装置101-nに補助電力を提供するように構成されたバック変換器、ブースト変換器、バック及びブースト変換器、又はバックブースト変換器(例えば、フライバック、SEPIC、又はCuk変換器)であってもよい。電力入力変換器254-nは、バック変換器、ブースト変換器、バック及びブースト変換器、又はバックブースト変換器であってもよい。電力採取回路252-nは、整流器、電圧増倍器、又はチャージポンプを備え得る。電力採取回路252-nはまた、電力変換器を備えてもよい。電力入力変換器254-nは、システム100内の他の電力変換装置に補助電力を提供するように構成されたバック変換器、ブースト変換器、バック及びブースト変換器、又はバックブースト変換器(例えば、フライバック、SEPIC、又はCuk変換器)であってもよい。電力出力変換器254-nは、アノードがエネルギー貯蔵モジュール202のアノードに接続され、ダイオードのアノードが補助電力バス102に接続され得るダイオードで置き換えられ得ることに留意されたい。
【0031】
本明細書の開示の態様によれば、補助電力回路210-nは、ダイオード256-nを介して、エネルギー貯蔵モジュール202-nから、対応するエネルギー変換装置101-nに補助電力を提供し得る。補助電力回路210-nは、追加的又は代替的に、電力入力変換器250-n及びダイオード258-nを介して、電力バス102から、対応するエネルギー変換装置101-nに補助電力を提供し得る。補助電力回路210-nは、追加的に又は代替的に、電力採取回路252-n及びダイオード260-nを介して、通信バス104から、対応するエネルギー変換装置101-nに補助電力を提供し得る。補助電力回路210-nは、追加的又は代替的に、電力出力変換器254-nを介して、エネルギー貯蔵モジュール202-nから、電力バス102に補助電力を提供し得る。したがって、本開示の態様によれば、補助電力回路210-nは、様々なソースから対応する電力変換装置101-nに補助電力を提供し得る。様々な電源から電力を提供することは、冗長性を提供することができ、その結果、エネルギー変換装置101-nは、様々な障害(例えば、エネルギー貯蔵モジュール202-nの障害、電力入力変換器250-nの障害、補助電源106の障害)に対して堅牢になり得る。以下は、補助電源回路101-nが克服し得る障害のいくつかの例である。
●エネルギー貯蔵モジュール202-nが空である場合、補助電力回路210-nは、補助電力バス102からの電力を変換することができる。補助電力バス102への電力は、補助電源106から、又は別のエネルギー変換装置101-nから提供され得る。
●電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nの各エネルギー貯蔵モジュール202が消耗した場合、補助電力回路210-nは、補助電力バス102から、又は通信バス104から、又はその両方からの電力を変換することができる。
●補助電源106が動作不能であり、電力変換装置101-1、101-2、・・・、101-Nの各エネルギー貯蔵モジュール202が消耗している場合、補助電力回路210-nは、通信バス104からの電力、又は補助電力バス102上の他のエネルギー変換装置101-nによって提供される電力からの電力を変換することができる。
●エネルギー貯蔵モジュール202-nが動作不能である(例えば、空又は短絡している)場合、補助電力回路210-nは、電力変換装置101-nをバイパス又は接続解除するために、電力をコントローラ206、ゲートドライバ212-3及び/又はゲートドライバ212-4からコントローラスイッチ218、234-1及び/又は234-2に提供することができる(例えば、補助電力バス102から、又は他のエネルギー貯蔵モジュールから)。
【0032】
ここで
図3を参照すると、本明細書の開示の態様による方法の例が示される。ステップ300において、複数の電力変換器(例えば、複数の電力変換器204)は、エネルギー貯蔵モジュール(例えば、エネルギー貯蔵モジュール202)からの電力を同期して変換することができる。例えば、複数の電力変換器によって同期して電力を変換することは、複数の電力変換器の端子(例えば、第1の端子232-1及び第2の端子232-2)における電圧及び電流のうちの1つ以上のリップルを低減するように、複数の電力変換器をインターリーブ方式で制御することを含み得る。複数の電力変換器がN個の電力変換器を含む場合、制御信号間の位相差は360/Nであり得、ここで、Nは電力変換器の数である。
【0033】
ステップ302において、コントローラ(例えば、コントローラ206)は、少なくとも1つのセンサ(例えば、センサ208)からの少なくとも1つの測定値に基づいて、複数の電力変換器のうちの1つ以上の電力変換器における故障を検出することができる。電力変換器における故障(例えば、短絡又は開回路)は、複数の電力変換器のスイッチ(例えば、スイッチ238-1、240-1、238-2、240-2)のうちの1つにおける故障、インダクタ(例えば、インダクタ236-1、236-2のうちの1つ又は両方)における故障、及び/又は電力変換器に対応するゲートドライバ(例えば、ゲートドライバ212-1又は212-2)における故障であり得る。コントローラが1つ以上の電力変換器において故障を検出した場合、方法はステップ304に進むことができる。コントローラが1つ以上の電力変換器の故障を検出しない場合、方法はステップ308に進むことができる。
【0034】
ステップ304において、コントローラは、故障と識別された1つ以上の電力変換器を無効化することができる。電力変換器を無効化することは、コントローラが電力変換器への制御信号を無効化すること、又は電力変換器の1つ以上のスイッチを無効化されるように制御して非導通状態にすることを含み得る。電力変換器を無効化することは、追加的に又は代替的に、無効化されるべき電力変換器に対応するヒューズ(例えば、ヒューズ242-1、ヒューズ242-2)を接続解除することを含み得る。
【0035】
ステップ306において、コントローラは、残りの動作している変換器の対応する制御信号の位相を調整することができる。例えば、複数の電力変換器がN個の電力変換器を含み、電力変換器のうちの1つが動作不能になった場合、コントローラは、残りの電力変換器の制御信号間の位相差を360/(N-1)に調整してもよい。
【0036】
ステップ308において、コントローラは、エネルギー貯蔵モジュール(例えば、エネルギー貯蔵モジュール202)内、コントローラ内、又は補助電力回路(例えば、補助電力回路210)内に故障があるかどうかを判定することができる。コントローラがエネルギー貯蔵モジュール内、コントローラ内、又は補助電力回路内の故障を検出した場合、方法はステップ310に進むことができる。コントローラがエネルギー貯蔵モジュール内、コントローラ内、又は補助電力回路内の故障を検出しない場合、方法はステップ300に戻ることができる。
【0037】
ステップ310において、コントローラは、電力変換装置を無効化することができる。例えば、コントローラは、接続解除スイッチ(例えば、接続解除スイッチ218)を非導通状態に制御することができる。コントローラは、1つ以上のバイパススイッチ(例えば、バイパススイッチ234-1及び234-2)を導通状態に制御することができる。
【0038】
本明細書の開示によれば、故障動作機能の冗長性は、システムレベルで達成され得る。
図4を参照すると、電力変換装置101-1、101-2、・・・、101-Nが直列に接続されている例示的なシステム100が示されている。
図4に示される場合において、センサ208のうちのいくつかは、システムレベルセンサであってもよく、システム100は、故障動作機能のために2つ以上のそのようなセンサを備えてもよい。
図4に示すシステム100は、2つの電流センサ400-1及び400-2を備えることができる。電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nが直列に接続されているとき、電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nを通って流れる電流は同じであり、400-1及び400-2は、電流のレベルの測定値を電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nのすべてのコントローラ206に提供することができる。同様に、
図4に示されるシステム100は、システム100の温度のレベルの測定値を電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nのすべてのコントローラ206に提供することができる2つの温度センサ402-1及び402-2を備えることができる。また、場合によっては、システム100内のすべての電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nに対して単一の接続解除スイッチ218を使用すれば十分であり得る。上述したように、接続解除機能は、電力変換装置101-1、101-2、...、101-Nの各々におけるスイッチ218並びにスイッチ238-1及び238-2を用いて実装され得る。
【0039】
本明細書における上記の開示は、故障動作及び故障セーフ機能を提供する様々な冗長及び安全機能を有する堅牢で安全な電力変換装置に関する。そのような特徴は、いくつか例を挙げると、複数の電力変換器、複数の補助電源(例えば、補助電力バス102、エネルギー貯蔵モジュール202、又は通信バス104)、複数のバイパススイッチ234-1及び234-2、接続解除スイッチ218、ヒューズ242-1及び242-2であり得る。本明細書で説明される特徴の任意の組み合わせが、本明細書の開示による電力変換装置において使用され得ることに留意されたい。例えば、単一の電力変換器(例えば、単一のバック変換器、単一のブースト変換器)のみが、複数の補助電力源、単一のバイパススイッチ、及び単一の接続解除スイッチとともに使用されてもよい。例えば、複数の電力変換器が、2つのバイパススイッチ、単一の接続解除スイッチ、及び単一の補助電源とともに使用され得る。
【0040】
本開示の1つ以上の態様は、コンピュータ使用可能データで具体化することができ、1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスにより実行される1つ以上のプログラムモジュール内の命令のようなコンピュータ実行可能命令で具体化することができる。概して、プログラムモジュールは、コンピュータ又は他のデバイス内のプロセッサにより実行されると、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッドステートメモリ、RAMなどのコンピュータ可読媒体に記憶され得る。当業者には理解されるように、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望に応じて組み合わされ得るか、又は分散され得る。加えて、機能性は、全体的又は部分的に、ファームウェア、又は集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)などのようなハードウェア均等物において具現化されてもよい。特定のデータ構造を使用して、本開示の1つ以上の態様をより効果的に実現することができ、このようなデータ構造は、本明細書において説明されるコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内で企図される。
【0041】
出願された特許請求の範囲は、本出願におけるすべての主題を保護するために、条項として本明細書において繰り返される。
【0042】
条項1.装置であって、
第1の端子と、
第2の端子と、
1つ以上のセンサと、
エネルギー貯蔵モジュールと、
各々がエネルギー貯蔵モジュール、第1の端子、及び第2の端子に接続された複数の電力変換器であって、複数の電力変換器の各電力変換器が、スイッチング回路を備え、複数の電力変換器の各電力変換器が、
エネルギー貯蔵モジュールから第1の端子及び第2の端子への電力を変換すること、又は
第1の端子及び第2の端子からエネルギー貯蔵モジュールへの電力を変換すること、を行うように構成されている、複数の電力変換器と、
複数の変換器に接続され、1つ以上のセンサからの1つ以上の測定値に基づいて、複数の電力変換器のうちの1つ以上の電力変換器を同期して制御するように構成されたコントローラと、
複数の補助電源のうちの1つ以上からコントローラに電力を提供するように構成された補助電力回路と、を備える、装置。
【0043】
条項2.第1の端子及び第2の端子に接続されたバイパススイッチを更に備える、条項1に記載の装置。
【0044】
条項3.バイパススイッチは、2つ以上の並列接続トランジスタを備える、条項2に記載の装置。
【0045】
条項4.コントローラは、以下のうちの1つ以上に基づいてバイパススイッチを導通状態に制御するように構成されている、条項2又は3に記載の装置:
接続解除スイッチの短絡、
コントローラにおける故障、又は
エネルギー貯蔵モジュールに貯蔵されたエネルギーの量が閾値未満であるという判定。
【0046】
条項5.コントローラは、コントローラへの故障に基づいてバイパススイッチをデフォルト導通状態に制御するように構成された回路を備える、条項4に記載の装置。
【0047】
条項6.1つ以上のセンサは、エネルギー貯蔵モジュールの電圧を測定するように構成されており、
コントローラは、エネルギー貯蔵モジュールの電圧が閾値未満であることを示す測定値に基づいて、バイパススイッチを導通状態に制御するように構成されている、条項2~5のいずれか一項に記載の装置。
【0048】
条項7.1つ以上のセンサは、エネルギー貯蔵モジュールを通る電流の測定値を提供するように構成されており、
コントローラは、エネルギー貯蔵モジュールを通る電流が閾値未満であることを示す測定値に基づいて、バイパススイッチを導通状態に制御するように構成されている、条項2~6のいずれか一項に記載の装置。
【0049】
条項8.第1の端子又は第2の端子のうちの1つと、複数の電力変換器との間に接続された接続解除スイッチを更に備える、条項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【0050】
条項9.コントローラは、以下のうちの1つに基づいて、接続解除スイッチを非導通状態に制御するように構成されている、条項8に記載の装置:
エネルギー貯蔵モジュール内に貯蔵されたエネルギーの量が閾値未満であるという判定、
バイパススイッチ内の短絡、又は
コントローラにおける故障。
【0051】
条項10.コントローラは、コントローラへの障害に基づいて接続解除スイッチをデフォルトの非導通状態に制御するように構成された回路を備える、条項9に記載の装置。
【0052】
条項11.1つ以上のセンサは、エネルギー貯蔵モジュールの電圧の測定値を生成するように構成されており、
エネルギー貯蔵モジュールの電圧が閾値未満であることを示す測定値に基づいて、コントローラは、接続解除スイッチを非導通状態に制御するように構成されている、条項8~10のいずれか一項に記載の装置。
【0053】
条項12.1つ以上のセンサは、エネルギー貯蔵モジュールを通る電流の測定値を生成するように構成されており、
コントローラは、エネルギー貯蔵モジュールを通る電流が閾値未満であることを示す測定値に基づいて、接続解除スイッチを非導通状態に制御するように構成されている、条項8~12のいずれか一項に記載の装置。
【0054】
条項13.エネルギー貯蔵モジュールと、複数の電力変換器のうちの1つの電力変換器の対応するスイッチング回路との間に接続された複数のヒューズを更に備え、
各ヒューズは、対応するスイッチング回路とエネルギー貯蔵モジュールとの間を流れる電流の量が閾値を超えていることに応答して、対応する電力変換器をエネルギー貯蔵モジュールから接続解除するように構成されている、条項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【0055】
条項14.複数のゲートドライバを更に備え、
各スイッチング回路内のスイッチは、複数のゲートドライバのうちの対応するゲートドライバに接続されている、条項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【0056】
条項15.
第1の端子及び複数の電力変換器に接続された接続解除スイッチと、
第1の端子及び第2の端子に接続された複数のバイパススイッチと、を更に備え、
複数のゲートドライバのうちの第1のゲートドライバは、接続解除スイッチ及び複数のバイパススイッチのうちの第1のバイパススイッチに接続されており、
複数のゲートドライバのうちの第2のゲートドライバは、バイパススイッチのうちの残りのバイパススイッチに接続されている、条項14に記載の装置。
【0057】
条項16.1つ以上のセンサは、第1の端子と第2の端子との間の電圧を測定するように構成されている、条項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【0058】
条項17.複数の変換器は、コンデンサを備える、条項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【0059】
条項18.1つ以上のセンサは、コンデンサにわたる電圧を測定するように構成されている、条項17に記載の装置。
【0060】
条項19.複数の電力変換器の各々は、対応するインダクタを更に備える、条項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【0061】
条項20.1つ以上のセンサは、各対応するインダクタを流れる電流の量を測定するように構成されている、条項19に記載の装置。
【0062】
条項21.1つ以上のセンサは、エネルギー貯蔵モジュールを通って流れる電流の量を測定するように構成されている、条項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【0063】
条項22.補助電力回路は、エネルギー電力貯蔵装置、補助電力バス、又は通信バスのうちの1つ以上から電力を受け取るように構成されている、条項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【0064】
条項23.補助電力回路は、補助電力バスから電力を受け取ることと、第1のダイオードを介して、コントローラに、受け取った電力を提供することと、を行うように構成された第1の電力変換器を備える、条項22に記載の装置。
【0065】
条項24.補助電力回路は、
通信バスから信号を受信することと、
信号を電力に変換することと、
第2のダイオードを介してコントローラに電力を提供することと、を行うように構成された電力採取回路を備える、条項22又は23に記載の装置。
【0066】
条項25.電力採取回路は、整流器又は電圧増倍回路のうちの1つ以上を備える、条項24に記載の装置。
【0067】
条項26.補助電力回路は、第3のダイオードを介して、エネルギー貯蔵モジュールからコントローラに電力を提供するように構成されている、条項22~25のいずれか一項に記載の装置。
【0068】
条項27.補助電力回路は、
エネルギー貯蔵モジュールから電力を受け取ることと、
電力バスに電力を提供することと、を行うように構成された第2の電力変換器を更に備える、条項22~26のいずれか一項に記載の装置。
【0069】
条項28.コントローラは、複数の電力変換器の各電力変換器の対応する制御信号を生成し、制御信号間の位相差は、複数の電力変換器内の電力変換器の数に基づく、条項1に記載の装置。
【0070】
条項29.コントローラは、複数の電力変換器の電力変換器が非アクティブであることを示す1つ以上のセンサからの測定値に基づいて、残りの動作している変換器の対応する制御信号の各位相を調整するように構成されている、条項28に記載の装置。
【0071】
条項30.コントローラは、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムに基づいて、エネルギー貯蔵モジュールから第1の端子及び第2の端子への電力を変換するように電力変換器を制御する、条項1~29のいずれか一項に記載の装置。
【0072】
条項31.方法であって、
複数の電力変換器によって、エネルギー貯蔵モジュールからの電力を同期して変換することと、
1つ以上のセンサによって、複数の電力変換器のうちの1つ以上の電力変換器における故障を検出することと、
コントローラによって、故障と識別された1つ以上の電力変換器を無効化することと、
1つ以上のセンサによって、エネルギー貯蔵モジュール、コントローラ、又は補助電力回路における第2の故障を検出することと、
コントローラによって、第2の故障に基づいて複数の電力変換器を無効化することと、を含む、方法。
【0073】
条項32.複数の電力変換器を無効化することは、以下のうちの1つ以上に基づいて、出力端子から複数の電力変換器を接続解除するように接続解除スイッチを制御することを含む、条項31に記載の方法:
バイパススイッチの短絡、
コントローラにおける故障、又は
エネルギー貯蔵モジュールに貯蔵されたエネルギーの量が閾値未満であるという判定。
【0074】
条項33.複数の電力変換器を無効化することは、以下のうちの1つ以上に基づいて、出力端子から複数の電力変換器をバイパスするようにバイパススイッチを制御することを含む、条項31又は32に記載の方法:
接続解除スイッチの短絡、
コントローラにおける故障、又は
エネルギー貯蔵モジュールに貯蔵されたエネルギーの量が閾値未満であるという判定。
【0075】
条項34.故障と識別された1つ以上の電力変換器を無効化することは、スイッチング回路とエネルギー貯蔵モジュールとの間を流れる電流が閾値を超えていることに応答して、ヒューズによって、故障と識別された1つ以上の電力変換器をエネルギー貯蔵モジュールから接続解除することを含む、条項31~33のいずれか一項に記載の方法。
【0076】
条項35.複数の電力変換器によって電力を同期して変換することは、コントローラによって、複数の電力変換器の各電力変換器の対応する制御信号の位相を選択することを含む、条項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【0077】
条項36.故障が検出されなかった、複数の電力変換器のうちの第2の1つ以上の電力変換器の対応する制御信号の各位相を調整することを更に含む、条項31~35のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
条項37.エネルギー貯蔵モジュールからの電力を同期して変換することは、最大電力点追従(MPPT)アルゴリズムに基づいてエネルギー貯蔵モジュールからの電力を変換することを含む、条項31~36のいずれか一項に記載の装置。
【0079】
条項38.システムであって、
補助電力バスと、
通信バスと、
各々が補助電力バス及び通信バスに結合された複数の電力変換装置であって、各電力変換装置が、
エネルギー貯蔵モジュールと、
エネルギー貯蔵モジュール並びに第1の端子及び第2の端子に接続された複数の電力変換器であって、複数の電力変換器の各電力変換器が、スイッチング回路を備え、複数の電力変換器の各電力変換器が、
エネルギー貯蔵モジュールから第1の端子及び第2の端子への電力を変換すること、又は
第1の端子及び第2の端子からエネルギー貯蔵モジュールへの電力を変換すること、を行うように構成されている、複数の電力変換器と、
複数の電力変換器の各々に接続されており、複数の電力変換器のうちの1つ以上の電力変換器を同期して制御するように構成されたコントローラと、
エネルギー貯蔵モジュール、補助電力バス、又は通信バスのうちの1つ以上からコントローラに電力を提供するように構成された補助電力回路と、を備える、システム。
【0080】
条項39.補助電力回路は、
補助電力バスから電力を受け取ること、かつ
第1のダイオードを介して、コントローラに、受け取った電力を提供すること、を行うように構成された第1の電力変換器を備える、条項38に記載のシステム。
【0081】
条項40.補助電力回路は、
通信バスから信号を受信することと、
信号を電力に変換することと、
第2のダイオードを介してコントローラに電力を提供することと、を行うように構成された電力採取回路を備える、条項38又は39に記載のシステム。
【0082】
条項41.補助電力回路は、第3のダイオードを介して、エネルギー貯蔵モジュールからコントローラに電力を提供するように構成されている、条項38~40のいずれか一項に記載のシステム。
【0083】
条項42.補助電力回路は、エネルギー貯蔵モジュールから補助電力バスに電力を提供するように更に構成されている、条項38~41のいずれか一項に記載のシステム。
【0084】
条項43.補助電力回路は、
エネルギー貯蔵モジュールから電力を受け取ることと、
電力バスに電力を提供することと、を行うように構成された第2の電力変換器を更に備える、条項42に記載のシステム。
【0085】
条項44.電力バスに接続され、複数の電力変換装置に補助電力を提供するように構成された補助電源を更に備える、条項38~43のいずれか一項に記載のシステム。
【0086】
条項45.コントローラが動作不能である場合に、制御機能を提供するように構成された第2のコントローラを更に備える、条項1~29のいずれか一項に記載の装置。
【0087】
条項46.複数の変換器は、2つのブースト変換器を含む、条項1~29及び45のいずれか一項に記載の装置。
【0088】
条項47.複数の変換器は、バック変換器を更に備える、条項46に記載の装置。
【0089】
条項48.システムであって、
直列に接続された1つ以上の変換装置を備え、1つ以上の変換装置の各々が、
第2の端子と、
1つ以上のセンサと、
エネルギー貯蔵モジュールと、
エネルギー貯蔵モジュール、第1の端子、及び第2の端子に各々接続された1つ以上の電力変換器であって、1つ以上の電力変換器の各電力変換器が、スイッチング回路を備え、1つ以上の電力変換器の各電力変換器が、
エネルギー貯蔵モジュールから第1の端子及び第2の端子への電力を変換すること、又は
第1の端子及び第2の端子からエネルギー貯蔵モジュールへの電力を変換すること、を行うように構成されている、1つ以上の電力変換器と、
1つ以上の変換器に接続されており、1つ以上のセンサからの1つ以上の測定値に基づいて、1つ以上の電力変換器を制御するように構成されたコントローラと、
複数の補助電源のうちの1つ以上からコントローラに電力を提供するように構成された補助電力回路と、
電力変換装置の直列接続に接続された接続解除スイッチと、を備える、システム。
【0090】
条項49.電力変換装置の直列接続の対応する温度を測定するように構成された1つ以上の温度センサを更に備える、条項48に記載のシステム。
【0091】
本主題は、構造的な特徴及び/又は方法論的な行為に固有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴又は行為に限定されるものではないことを、理解されたい。むしろ、上に記載された特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を実行する例示的な形態として開示される。
【外国語明細書】