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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100751
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20240719BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240719BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240719BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20240719BHJP
【FI】
G07G1/06 B
G07G1/01 301D
G07G1/12 321K
G06Q20/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024004060
(22)【出願日】2024-01-15
(31)【優先権主張番号】P 2023003661
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501363969
【氏名又は名称】株式会社デジジャパン
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 純斗
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142DA04
3E142DA08
3E142FA03
3E142FA08
3E142FA42
3E142GA24
3E142GA41
3E142JA02
(57)【要約】
【課題】一取引に対応して店員が顧客と応対しているときの伝票の扱いの効率化を図る。
【解決手段】顧客と事業者との取引内容を登録する登録手段と、登録された取引内容に応じて代金を精算する精算手段と、前記登録された取引内容に対応する顧客向けの紙媒体と事業者向けの紙媒体とが印刷されるようにする制御手段とを備え、前記制御手段は、一の取引の精算が完了した際に、当該一の取引に対応する事業者向けの紙媒体を印刷させず、当該一の取引に対応する顧客向けの紙媒体を印刷部に印刷させるようにシステムを構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客と事業者との取引内容を登録する登録手段と、
登録された取引内容に応じて代金を精算する精算手段と、
前記登録された取引内容に対応する顧客向けの紙媒体と事業者向けの紙媒体とが印刷されるようにする制御手段と
を備え、
前記制御手段は、一の取引の精算が完了した際に、当該一の取引に対応する事業者向けの紙媒体を印刷させず、当該一の取引に対応する顧客向けの紙媒体を印刷部に印刷させる
システム。
【請求項2】
前記一の取引の精算が完了した際に前記一の取引に対応する顧客向けの紙媒体が印刷された後に、前記事業者向けの紙媒体の印刷を指示する指示手段を表示させる表示手段を備える
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記登録手段は、前記事業者向けの紙媒体が印刷されたことに応じて、次の取引に対応する取引内容の登録の開始が可能となるようにされる
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記精算手段は顧客の操作に応じて精算を行うようにされ、
前記顧客が精算手段を操作して精算を行わせている際に、当該顧客から事業者に預けられている預かり品に関する情報を表示させる表示手段を備える
請求項1または2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の店舗にて、商品販売の業務の実行に対応して店用の印字情報と顧客用の印字情報とをそれぞれ異なるプリンタに印字させるようにした情報処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-155028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、クリーニング店等では、一取引に対応して、預かり票、店舗控え、及び工場控えの3つの伝票が連続してプリンタから発行される。預かり票は、客がクリーニング店に預けた衣類等の品(預かり品)を示す客向けの伝票である。店舗控えは、預かり品を示し、店舗にて保管する伝票である。工場控えは、預かり品を示し、店舗からクリーニング作業を行う工場に渡される伝票である。
店員は、プリンタから発行された預かり票、店舗控え、及び工場控えを一旦手に取ったうえで、預かり票は客に渡し、店舗控えと工場控えとについてはそれぞれ店舗にて引き取るようにされる。このように、接客中の状況のもとで発行された複数の伝票について、一部は顧客に渡し、一部は店舗にて引き取って管理するという流れの手順は、店員にとって煩雑で煩わしさを覚える場合がある。
【0005】
本発明は、上記した課題を考慮して、一取引に対応して店員が顧客と応対しているときの伝票の扱いの効率化が図られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、顧客と事業者との取引内容を登録する登録手段と、登録された取引内容に応じて代金を精算する精算手段と、前記登録された取引内容に対応する顧客向けの紙媒体と事業者向けの紙媒体とが印刷されるようにする制御手段とを備え、前記制御手段は、一の取引の精算が完了した際に、当該一の取引に対応する事業者向けの紙媒体を印刷させず、当該一の取引に対応する顧客向けの紙媒体を印刷部に印刷させるシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るクリーニングシステムの全体的な構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係るPOS端末の設置例を示す図である。
図3】本実施形態に係るPOS端末の設置例を示す図である。
図4】本実施形態に係るPOS端末の構成例を示す図である。
図5】本実施形態に係る店員操作画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る精算画面の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る精算画面の一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る預かり票の一例を示す図である。
図9】本実施形態に係る店舗控えの一例を示す図である。
図10】本実施形態に係る工場控えの一例を示す図である。
図11】本実施形態に係るメンテナンス画面の一例を示す図である。
図12】本実施形態に係る伝票種別選択画面の一例を示す図である。
図13】本実施形態に係るPOS端末が取引の完了に応じて預かり票を発行する処理手順例を示すフローチャートである。
図14】本実施形態に係る取引実績情報テーブルの一例を示すフローチャートである。
図15】本実施形態に係るPOS端末が控え伝票の一括発行に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図16】本実施形態に係る控え伝票発行画面の一例を示す図である。
図17】本実施形態に係る預かり品情報画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
[クリーニングシステムの全体的構成例]
図1は、本発明の実施形態に係るクリーニングシステム1の全体的な構成例を示す。本実施形態のクリーニングシステム1は、クリーニング業務をサポートするシステムである。
本実施形態のクリーニング業務では、業者が運営するクリーニング店(クリーニング取次店)としての店舗ST(ST-1、ST-2、ST-3)のそれぞれにおいて、クリーニングサービスを利用する顧客からクリーニング対象の衣類等の物品を受託する。以降の説明において、クリーニング対象の衣類等の物品については「商品」とも称する。また、クリーニング店にて業者が顧客から預かった商品については「預かり品」とも称する。
業者は、受託された商品を工場等でクリーニングを行い、クリーニングされた商品を顧客に返却する。各店舗STでは、商品をクリーニングしたことの対価としての料金を顧客から受け取る。
なお、クリーニングシステム1における店舗STの数は特に限定されない。
【0009】
クリーニングシステム1は、管理装置10、POS端末20、及び決済サーバ70を備える。管理装置10とPOS端末20は、ネットワークNW経由で通信可能に接続される。また、決済サーバ70は、POS端末20に接続された決済端末(図1においては図示せず)とネットワーク経由で通信可能に接続される。
ネットワークNWの態様は特に限定されない。例えば、ネットワークNWは、無線LANや携帯電話網やインターネットなどを利用したものであってもよい。
【0010】
管理装置10は、クリーニング業務に関連するサービスを提供するサーバである。管理装置10は、例えばクラウドサーバとして構成される。クリーニングシステムにおいては、管理装置10により、顧客から預かった商品の受け取りから引き渡しまでの各種サービスに関連する情報を管理する。
【0011】
POS端末20は、店舗ST(ST-1、ST-2、ST-3)のそれぞれに設置される。同図において示される店舗ST-1、ST-2、ST-3は、例えば同じ業者(企業)によって運営されるチェーン店舗である場合を例に挙げている。なお、クリーニングシステム1における店舗STの数は特に限定されないが、以下の説明では、同図のように店舗STが3つである場合を例に挙げる。
POS端末20は、例えば店員の操作に応じて、顧客から商品を預かる商品受付処理、顧客に商品を引き渡す商品返却処理、代金決済を行う代金決済処理等を実行する。
なお、POS端末20は、据え置き型であってもよいし、携帯型であってもよい。
なお、1の店舗STにおいて備えられるPOS端末20の数も特に限定されない。
【0012】
[POS端末の設置例]
図2及び図3を参照して、POS端末20の設置例について説明する。図2は、POS端末20を店員側からみた斜視図である。図3は、POS端末20を顧客側からみた斜視図である。
同図のPOS端末20は、カウンタ50の上に設置された状態となっている。店舗STにて、顧客と店員とは、POS端末20が設置されたカウンタ50を間に挟むようにして対面で取引を行う。
【0013】
POS端末20には、本体部20aに対して店員側表示部26、客側表示部27、及び決済端末30が設けられる。店員側表示部26と客側表示部27とは互いに反対方向を向くように配置される。つまり、POS端末20が同図の向きで配置されていることで、店員側表示部26は店員側に向く状態となり、客側表示部27は、顧客側に向く状態となる。
【0014】
決済端末30は、顧客がクレジットカード等の決済用のカードを用いた決済(カード決済)にて使用される端末である。決済端末30は、クレジットカードの他、例えば電子マネーカード等を用いたカード決済にも対応可能とされてよい。
決済端末30は、例えばカード挿入口に挿入された決済用のカードに記録された情報を読み取り、決済サーバ70と通信を行うことで、顧客の支払いに対応する決済を行う。
【0015】
また、POS端末20の本体部20aには、印刷部28(プリンタ)が設けられる。印刷部28には、例えばロール状の印刷用紙が格納されている。印刷部28は、印刷用紙に印刷を行い、印刷した用紙を本体部20aの上面部の用紙排出口28aから排出させる。以降において、POS端末20が印刷部28により伝票を印刷し、印刷された伝票を用紙排出口28aから排出させることについて「発行」とも呼ぶ。
【0016】
カウンタ50の顧客側の側面には自動釣銭機40が備えられる。自動釣銭機40は、POS端末20と通信可能に接続されている。POS端末20と自動釣銭機40との通信は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のデータインターフェースによるものであってもよいし、LAN(Local Area Network)により接続されるものであってもよい。
【0017】
自動釣銭機40は、顧客が現金により代金支払い(精算)を行う場合に使用される。自動釣銭機40は、紙幣投入排出口41、硬貨投入口42、釣銭排出口43、及び硬貨返却口44が示される。
紙幣投入排出口41は、預かり金として入金される紙幣の投入を受け付けるとともに、釣銭としての紙幣の排出、入金取り消しに応じた紙幣の排出を行う部位である。
硬貨投入口42は、預かり金として入金される硬貨の投入を受け付ける部位である。
釣銭排出口43は、釣銭のうちの硬貨を排出する部位である。
硬貨返却口44は、入金取り消し等に応じた硬貨の排出を行う部位である。
なお、自動釣銭機40は、カウンタ50の側面から表出している手前側の操作部分と、当該操作部分の後ろ側の筐体部分(図示せず)とにより本体が構成されている。
また、自動釣銭機40は、カウンタ50の上面の高さを越えないような高さで設置されている。これにより、例えば顧客がカウンタ50の上面にて店員と商品の引き渡し、受け取り等を行う際に、自動釣銭機40が邪魔にならない。
【0018】
[POS端末の構成例]
図4を参照して、POS端末20の構成例について説明する。同図に示されるPOS端末20は、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、記憶部23、ネットワーク通信部24、入力部25、店員側表示部26、客側表示部27、及び印刷部28、及び周辺機器接続部29を備える。
【0019】
CPU21は、POS端末20の中央演算処理装置であり、記憶部23に記憶されているプログラムを読み出してRAM22に展開し、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、POS端末20の動作を制御する。
RAM22は、POS端末20の主記憶装置であり、CPU21が演算に利用する情報を記憶する。
記憶部23は、POS端末20の補助記憶装置であり、POS端末20に対応する各種の情報を記憶する。
【0020】
ネットワーク通信部24は、ネットワーク経由で通信を行う。これにより、POS端末20は、例えば店舗に設置された他のPOS端末や管理装置、さらに本部等に設置された端末装置やサーバ等と通信を行うことができる。また、ネットワーク通信部24は、例えば近距離無線通信が可能とされてよい。これにより、店員等が店舗にて店舗携帯端末を所持している場合、POS端末20は、近距離無線通信経由で、店舗携帯端末と通信を行うことができる。
【0021】
入力部25は、POS端末20に対する各種入力を受け付ける部位である。入力部25は、POS端末20に備えられる物理的なキー、ボタン等の操作子を含んでよい。また、入力部25は、表示部(店員側表示部26、客側表示部27)がタッチパネルとして構成される場合には、表示部の表示面上に配置されたタッチパッドを含んでよい。
また、入力部25は、コード情報等を読み取るスキャナ、各種カードから情報を読み取るカードリーダなどを含んでよい。
【0022】
店員側表示部26は、POS端末20において、POS端末20を操作する店員が表示を視認可能なように設けられ、CPU21の制御に応じて各種の情報を表示する。
【0023】
客側表示部27は、POS端末20において、例えばPOS端末20を操作する店員の応対を受ける利用者(客)が表示を視認可能なように設けられ、CPU21の制御に応じて各種の情報を表示する。
【0024】
なお、店員側表示部26や客側表示部27は、例えば有線または無線によりPOS端末20の本体と接続された外付けのディスプレイ装置であってもよい。この場合において、外付けのディスプレイ装置は、例えば表示面がタッチパネルとして構成され、表示面に対する操作が可能なようにされてよい。
【0025】
印刷部28は、装填された用紙に印刷を行う。本実施形態において印刷部28は、会計に際して、店舗控え伝票、工場控え伝票、及び客控え伝票等を印刷することができる。つまり、POS端末20による各種伝票の発行は、印刷部28が印刷を行うことによって実現される。
本実施形態において「会計」とは、一取引に対応する商品(クリーニング品)の登録と、登録結果に応じた支払金額に応じた精算とを含む概念である。
【0026】
周辺機器接続部29は、POS端末20と周辺機器とを通信可能に接続する。同図においては、周辺機器接続部29に対して外付けの周辺機器としての決済端末30が接続された例が示されている。さらに、図示は省略しているが、周辺機器接続部29は、自動釣銭機40が接続されてよい。
なお、決済端末30と同様の機能を有する決済部がPOS端末20において備えられてもよい。
【0027】
[会計の流れについて]
店舗STにおいて一取引に対応して行われる会計の流れについて説明する。
顧客は、クリーニング品を持参して店舗STに赴き、POS端末20が設置されたカウンタ50にて、店員にクリーニング対象の衣類等の商品を依頼する。店員は、客から依頼された商品の登録を行う。
【0028】
図5は、POS端末20の店員側表示部26において表示される店員操作画面の一例を示している。店員は、同図の店員操作画面を用いて商品を登録する。
店員操作画面においては、担当店員エリアAR7が配置されている。担当店員エリアAR7には、POS端末20の操作を担当する店員が示される。担当店員エリアAR7において示される店員の情報は、例えばスキャナまたはカードリーダに店員コードを読み取らせることによってPOS端末20に入力させることができる。
また、担当店員エリアAR7の右側には、営業日を示す年月日、曜日が表示されている。
【0029】
商品選択エリアAR1は、登録対象の商品(預かり品)を選択する操作が行われるエリアである。
同図の商品選択エリアAR1は、商品ごとに対応する商品ボタンBT11が配置される商品ボタンエリアAR11を含む。店員は、商品選択エリアAR1において商品ごとに対応して配置される商品ボタンBT11を操作することにより、預かり品としての商品種別を指定して登録を行うことができる。
【0030】
機能画面エリアAR2は、所定の機能を有する機能画面が、タブTB(TB-1、TB-2、TB-3、TB-4、TB-5)の選択操作に応じて切り替え可能なようにして表示されるエリアである。
タブTB-1が選択されている状態では、機能画面エリアAR2には機能画面として商品登録画面(受付画面)が表示される。商品登録画面は、一取引における商品(預かり品)の登録内容を示す画面である。
同図においては、タブTB-1が選択されていることで、機能画面エリアAR2にて商品登録画面が表示された状態が示されている。
【0031】
同図に示されるように、商品登録画面においては、対応の会計において店員の操作に応じて登録された商品(預かり品)の登録商品リスト項目LT1が配置される。同図においては、3つの預かり品が登録されていることに応じて3つの登録商品リスト項目LT1が配置された例が示される。
1つの登録商品リスト項目LT1においては、対応の登録された商品についての洗い区分、収納区分(なお、収納区分は仕上げ方法についても示し得る)、仕上がり日、単価、数量等が示される。
【0032】
機能画面エリアAR2の下には、登録点数エリアAR3が配置される。登録点数エリアAR3は、機能画面エリアAR2に商品登録画面が表示されている場合において、現時点で登録されている預かり品、物販品等の商品の登録数を示す。また、同図の登録点数エリアAR3においては、例えば1つ目に登録された預かり品に付されたタグ番号も示されている。タグ番号は、クリーニング店にて保管する預かり品ごとに固有となるように割り当てられる識別情報である。
タグ番号は、例えば会計における精算が完了した段階でPOS端末20が登録された預かり品ごとに付すようにされてよい。
また、金額エリアAR4においては、機能画面エリアAR2に商品登録画面が表示されている場合において、現時点で登録されている預かり品、物販品等の商品に応じた金額が表示される。
【0033】
会員情報エリアAR5は、POS端末20が現在において処理対象としている会計に対応付けられる会員に関する情報を提示するエリアである。同図においては、会員情報エリアAR5において、会員に関する情報として、会員の名前と対応の会員に紐付けられたアイコンとが表示された例が示されている。
店員は、1の客に対応して商品の登録を行うにあたり、客から提示された会員カードに記録されている会員ID(会員番号)をスキャナまたはカードリーダにより読み取らせる操作を行う。なお、店員がスキャナまたはカードリーダにより会員IDを読み取らせるにあたっては、会員カードの他、例えばスマートフォン等にインストールされた会員向けのアプリケーション上で表示させたコード(二次元コードまたはバーコード)であってもよい。また、例えば客が会員カードを持参し忘れたり、会員カードの読み取りがエラーとなってしまったりする場合がある。このような場合に対応して、例えば店員が、会員である客に対応して登録されている会員情報における所定の情報(例えば電話番号、氏名等)をPOS端末20に入力する操作を行うことにより、POS端末20が会員情報のデータベースから該当の会員IDを取得(呼び出し)できるようにしてよい。
POS端末20は、読み取った会員IDを処理対象とする会計に対応付ける。また、POS端末20は、例えば記憶部23あるいはクラウドサーバに記憶された会員情報のうち、読み取った会員IDに対応付けられた会員情報に含まれる会員の名前やアイコンを利用して、会員情報エリアAR5の表示を行う。
なお、POS端末20は、会員IDを読み取らずに会計処理を実行することも可能である。この場合、会員情報エリアAR5において対象の会計処理に対応する会員に関する情報は表示されない。
【0034】
ここで、図5の機能画面エリアAR2における商品登録画面に示されるように3つの商品を登録した段階で商品の登録が完了した。この場合、店員は、精算に移行するために精算移行ボタンBT2を操作する。精算移行ボタンBT2が操作されたことに応じて、図5の商品登録画面から精算画面の表示に遷移する。
【0035】
図6は、精算画面の一例を示している。精算画面においては、小計エリアAR20とポイント情報エリアAR30と精算状況エリアAR40とが配置されている。
小計エリアAR20は、小計結果が示されるエリアである。
ポイント情報エリアAR30は、会員としての顧客に付与されるポイントに関する情報が示されるエリアである。
精算状況エリアAR40は、顧客による精算状況が示されるエリアである。精算状況エリアAR40においては、請求額と当該請求額に対する預かり金の不足額とが示されている。
【0036】
店員は、図6の精算画面にて表示された内容に間違いがないことを確認すると、確定ボタンBT3を操作する。
確定ボタンBT3が操作されたことに応じて、精算画面に表示されていた小計結果が精算対象として確定され、顧客が精算(決済)の操作を行うことが可能となる。また、この場合には、確定ボタンBT3が操作されたことに応じて、操作された確定ボタンBT3は、図6から図7への精算画面の遷移として示すように、非表示の状態とすることで操作不可とされた例が示されている。なお、操作された確定ボタンBT3は、例えばグレーアウト等により操作不可となるようにされてよい。
【0037】
顧客は、クレジットカードを使用して決済端末30を操作することで精算を行ってもよいし、現金で精算を行ってもよい。現金で精算を行う場合には、顧客は、請求額以上の貨幣を自動釣銭機40に投入する。
図7の精算画面は、顧客が現金による精算を行った場合に対応する。同図の精算状況エリアAR40においては、現金よる精算の完了したことが示されている。具体的には、精算状況エリアAR40において、1090円の請求項に対して同額の1090円の預かり金が投入されたことで、釣銭はゼロであったことが示されている。
【0038】
[POS端末が発行する伝票種別について]
上記のように精算が完了した一取引に応じて、POS端末20は、預かり票、店舗控え、及び工場控えの3種の伝票を発行する。預かり票は、客向けの伝票である。店舗控えは店舗STにて保管する伝票である。工場控えは、預かり品のクリーニング工程を行う工場が使用する伝票である。
【0039】
図8(A)、図8(B)は、預かり票の一例を示している。一取引に対応する預かり票は、例えば登録された預かり品の仕上がり形態、仕上がり日等が異なることに応じて複数に分割されてよい。図8(A)、図8(B)は、一取引に対応する預かり品の仕上がり形態に応じて分割された2枚の預かり票を示している。図8(A)が1枚目の預かり票であり、図8(B)が2枚目の預かり票となる。
図8(A)の1枚目の預かり票においては、Yシャツである1点の預かり品がタグ番号とともに示されている。図8(B)の2枚目の預かり票においては、Tシャツ、ベストの2点の預かり品がそれぞれタグ番号とともに示されている。また、2枚目の預かり票においては、対応の一取引についての精算結果が示されている。
【0040】
図9(A)、図9(B)は、図8(A)、図8(B)の預かり票と同じ一取引に対応して発行される店舗控えの一例を示している。一取引に対応する店舗控えも、預かり票と同じように、登録された預かり品の仕上がり形態、仕上がり日等に応じて複数に分割される。
図9(A)の1枚目の店舗控えにおいては、図8(A)の1枚目の預かり票と同様にYシャツである1点の預かり品がタグ番号とともに示されている。図9(B)の2枚目の店舗控えにおいては、図8(B)の2枚目の預かり票と同様に、Tシャツ、ベストの2点の預かり品がそれぞれタグ番号とともに示され対応の一取引についての精算結果が示されている。
なお、預かり票において印刷されている店舗の営業日及び営業時間等の情報(図8(B))は、店舗控えにおいて印刷されていなくともよい。具体的に、店舗控えにおいては、1枚目(図9(A))と2枚目(図9(B))とのいずれにおいても営業日及び営業時間等の情報は印刷されていない。
【0041】
図10(A)、図10(B)は、図8(A)、図8(B)の預かり票と同じ一取引に対応して発行される工場控えの一例を示している。一取引に対応する工場控えも、預かり票と同じように、登録された預かり品の仕上がり形態、仕上がり日等に応じて複数に分割される。
図10(A)の1枚目の工場控えにおいては、図8(A)の1枚目の預かり票と同様にYシャツである1点の預かり品がタグ番号とともに示されている。図10(B)の2枚目の工場控えにおいては、図8(B)の2枚目の預かり票と同様に、Tシャツ、ベストの2点の預かり品がそれぞれタグ番号とともに示され対応の一取引についての精算結果が示されている。
なお、預かり票において印刷されている店舗の営業日及び営業時間等の情報(図8(B))は、工場控えにおいて印刷されていなくともよい。具体的に、工場控えにおいては、1枚目(図10(A))と2枚目(図10(B))とのいずれにおいても営業日及び営業時間等の情報は印刷されていない。
【0042】
[POS端末による伝票の発行について]
預かり票、店舗控え、及び工場控えが、一取引における精算の完了に応じて一度に連続して発行される場合、店員は、印刷部28から発行された預かり票、店舗控え、及び工場控えを一旦手に取ったうえで、預かり票については顧客に手渡し、残る店舗控えと工場控えとについては、店員自身が引き取り、それぞれを所定の場所に置いておくようにされる。その後、工場控えについては、しかるべきタイミングで工場に渡される。
【0043】
上記のように、店員が、一取引の精算の完了ごとに発行された預かり票、店舗控え、及び工場控えを一旦手に取って、預かり票については顧客に渡すようにするという手順は、店員にとって煩わしさを覚える場合がある。この際、発行された預かり票と控え伝票(店舗控え、工場控え)とが、例えばミシン目で繋がっているようにして発行される場合には、預かり票と控え伝票とを切り離す手順も店員が煩わしさを覚えることの要因となる。また、預かり票を店員から顧客に手渡すようなことは、感染症予防等の衛生的な観点から好ましくないという考え方もできる。
【0044】
例えば、POS端末20に対して預かり票を印刷するプリンタ(印刷部)と、店舗控え及び工場控えを印刷するプリンタ(印刷部)とを個別に設けることもできる。そのうえで、預かり票を印刷するプリンタは客側に向けて用紙が排出されるように設け、店舗控え及び工場控えを印刷するプリンタは店員側に向けて用紙が排出されるように設ける。このようにプリンタを設ければ、店員から渡されるのを待つことなく、顧客は、自身に向けてプリンタから排出された預かり票をすぐさま取ることができる。この場合、店員が預かり票を取って顧客に渡す必要は無くなる。店員は、自身に向けてプリンタから排出された店舗控えと工場控えとを取るようにするだけでよい。
しかしながら、この場合には、1つのPOS端末20にプリンタを2つ備える必要があり、POS端末20のコストやサイズの増加を招く。
【0045】
そこで、本実施形態のPOS端末20は、印刷部28について、印刷された用紙が顧客に向けて排出されるように設けるようにされる。そのうえで、POS端末20は、一取引が完了(すなわち、一取引における精算が完了)したタイミングでは、預かり票、店舗控え、及び工場控えのうち、預かり票のみを印刷部28から発行させる。そして、POS端末20は、一取引が完了したタイミングでは未発行の店舗控え及び工場控えについては、一取引が完了した後の任意のときに店員が行う操作に応じて、印刷部28から発行させるようにする。
店舗控えと工場控えとについては、対応の一取引が完了したときにすぐさま使用されるようなものではなく保管できていればよいことから、対応の一取引が完了したタイミングで発行されなくともよい。このため、店舗控えと工場控えとを対応の一取引の完了から或る程度時間を経過して発行しても不具合は生じない。
以降の説明にあたり、店舗控えと工場控えとについて特に区別しない場合には、控え伝票とも記載する。
【0046】
図11及び図12を参照して、取引完了後において店員が店舗控え及び工場控えを発行するための操作の手順例について説明する。
店員は、例えば営業の合間などで業務に余裕が生じたタイミングを見計らって、未だ発行されていない控え伝票(店舗控えまたは工場控え)を発行させることとした。この場合、店員は、POS端末20を操作して、店員側表示部26にメンテナンス画面を表示させる。なお、メンテナンス画面は、客側表示部27に表示させることも可能とされてよい。
【0047】
図11は、メンテナンス画面の一例を示している。同図においては、各種のメンテナンス項目に対応するボタンが配置されている。このようにメンテナンス画面において配置されるボタンのうちに、控え一括印刷ボタンBT10が配置されている。控え一括印刷ボタンBT10は、現時点において未発行の控え伝票を一括で発行させるための指示を店員が行うためのボタンである。そこで、この場合の店員は、控え一括印刷ボタンBT10を操作する。
【0048】
控え一括印刷ボタンBT10が操作されたことに応じて、店員側表示部26には、伝票種別選択画面が表示される。
図12は、伝票種別選択画面P30の一例を示している。同図の伝票種別選択画面P30は、図11のメンテナンス画面上に重畳して表示されるダイアログボックスとされた例である。
伝票種別選択画面P30には、店舗控え選択ボタンBT31-1と工場控えボタンBT31-2とクローズボタンBT32とが配置されている。
店舗控え選択ボタンBT31-1は、一括発行すべき伝票種別として店舗控えを選択する場合に操作されるボタンである。
工場控えボタンBT31-2は、一括発行すべき伝票種別として工場控えを選択する場合に操作されるボタンである。
クローズボタンBT32は、伝票種別選択画面P30を閉じるための操作が行われるボタンである。
【0049】
店員は、店舗控えを発行させる場合には店舗控え選択ボタンBT31-1を操作し、工場控えを発行させる場合には工場控えボタンBT31-2を操作する。
店舗控え選択ボタンBT31-1が操作された場合、POS端末20は、これまでに完了した取引のうちで店舗控えが未発行の全ての取引ごとに対応する店舗控えを一括印刷により発行する。ここでの一括印刷とは、発行すべき店舗控えを印刷部28に順次連続して印刷させることである。この場合、連続して印刷される店舗控えの境目は、例えばミシン目等が施されていてよい。
一方、工場控えボタンBT31-2が操作された場合、POS端末20は、これまでに完了した取引のうちで工場控えが未発行の全ての取引ごとに対応する店舗控えを一括印刷により発行する。
このようにして、本実施形態のPOS端末20は、店員の操作に応じて、これまでに発行されていない控え伝票を一括で発行することができる。このように未発行の控え伝票が一括で印刷されることで、店員が発行対象とする控え伝票に対応する取引を指定する操作を行うことなく、まとめて店舗控えまたは工場控えを得ることができる。
また、例えば、店舗控えと工場控えとがまとめて一括で発行された場合には、店舗控えと工場控えとが混ざってしまって保管が面倒となる可能性がある。本実施形態では、店員の操作により、店舗控えと工場控えとのうちで選択されたいずれか一方が発行されるようになっていることから、上記のように店舗控えと工場控えとが混ざってしまうような不具合が発生しにくい。
【0050】
[処理手順例]
図13のフローチャートを参照して、本実施形態のPOS端末20が取引の完了に応じて預かり票を発行する処理手順例について説明する。
ステップS100:POS端末20は、一取引が完了するのを待機している。一取引の完了は、例えば当該一取引における会計の完了(すなわち、精算の完了)が対応する。
【0051】
ステップS102:一取引が完了すると、POS端末20は、今回完了した取引の内容を示す取引実績情報を記憶部23に記憶させる。POS端末20は、取引実績情報をネットワーク経由で送信することで、管理装置10あるいはネットワーク上のストレージサーバ等に記憶させてもよい。以下の説明では、取引実績情報は記憶部23に記憶されている場合を例に挙げる。
【0052】
ステップS104:POS端末20は、今回完了した取引に対応する預かり票を発行する。つまり、POS端末20は、今回完了した取引に対応する預かり票を印刷部28に印刷させる。
【0053】
記憶部23は取引実績情報を発行状況フラグと対応付けた取引実績情報テーブルを記憶する。図14は、取引実績情報テーブルの一例を示している。同図に示される取引実績情報は、それぞれ一取引に対応する。一取引に対応する取引実績情報には、発行状況フラグとして、店舗控えの発行状況フラグと工場控えの発行状況フラグとを格納する領域が対応付けられている。同図の例では、「0」の発行状況フラグは、対応の取引の控え伝票(店舗控えまたは工場控え)が未発行であることを示し、「1」の発行状況フラグは、対応の取引の控え伝票(店舗控えまたは工場控え)が発行済みであることを示す。
【0054】
図15のフローチャートを参照して、本実施形態のPOS端末20が控え伝票の一括発行に関連して実行する処理手順例について説明する。
【0055】
ステップS200:POS端末20は、店員側表示部26にてメンテナンス画面が表示されている状態において、控え一括印刷ボタンBT10(図11)が操作されるのを待機している。
【0056】
ステップS202:控え一括印刷ボタンBT10が操作されたことに応じて、POS端末20は、伝票種別選択画面P30(図12)を表示させる。
【0057】
ステップS204:POS端末20は、伝票種別選択画面P30に対する伝票種別選択操作を受け付ける。伝票種別選択操作とは、伝票種別選択画面P30における店舗控え選択ボタンBT31-1と工場控えボタンBT31-2とのいずれかに対する操作である。
【0058】
ステップS206:POS端末20は、記憶部23に記憶されている取引実績情報のうち、ステップS204により受け付けた伝票種別選択操作により選択された伝票種別の控え伝票が未発行の取引実績情報を特定する。この際、POS端末20は、伝票種別選択操作により選択された伝票種別に対応する発行状況フラグのうち、未発行であることを示す発行状況フラグが対応付けられた取引実績情報を特定するようにされる。
【0059】
ステップS208:POS端末20は、ステップS206により特定した取引実績情報ごとに対応して、伝票種別選択操作により選択された伝票種別の控え伝票の印刷データを生成する。POS端末20は、控え伝票の印刷データを、対応の取引実績情報を利用して生成してよい。このように生成された控え伝票の印刷データは、完了した取引のうちで選択された伝票種別の控え伝票が未発行であった取引に対応するものとなる。
POS端末20は、生成した印刷データにより控え伝票が順次印刷されるように印刷部28を制御する。これにより、伝票種別選択操作により選択された伝票種別の控え伝票のうちで、これまで未発行であった控え伝票が一括発行される。
【0060】
ステップS210:POS端末20は、記憶部23が記憶する取引実績情報テーブルに格納される発行状況フラグのうちで、ステップS208により発行した控え伝票ごとに対応する発行状況フラグについて、発行済みを示す値をセットする。
【0061】
なお、本実施形態のPOS端末20は、発行済みとなった控え伝票について再発行が必要となった場合には、店員がメンテナンス画面において配置されている控え再発行ボタンBT20を操作することにより再発行させることができる。再発行に際しても、POS端末20は、例えば伝票種別選択操作に応じて発行対象とする伝票種別を選択したうえで、控え伝票を発行させることができる。
このような控え伝票の再発行の機能は、一例として、印刷が失敗したものの発行状況フラグが発行済みを示す状態となってしまった控え伝票を再印刷したいような場合に利用できる。
【0062】
これまでの説明から理解されるように、本実施形態のPOS端末20は、顧客側に決済端末30や自動釣銭機40が設けられ、さらに印刷部28について印刷された用紙が顧客に向けて排出されるように設けられている。つまり、本実施形態のPOS端末20は、精算に関する操作を全て顧客が行うようにされている。
クリーニング業務での店員の来店した顧客への応対として、顧客が持参したクリーニング品の預かり業務(登録)だけでなく、当該顧客から以前に預かり、クリーニングを終えた預かり品の返却業務も同時に行う場合がある。この場合において、預かり業務と返却業務とを同時に並行して行うことはできないことから、店員は、預かり業務と返却業務とを順に行う必要がある。このため、一顧客あたりの応対に要する時間が長くなる傾向にある。特に、店員が一人で店舗の業務を行っているような運用では、来店した客が待たされてしまうような状況にもなりやすい。
そこで、本実施形態のPOS端末20であれば、上記のように精算に関する操作の全てを顧客に行ってもらうことが可能になるため、店員は、顧客が精算を行っている時間を利用して、必要な業務を顧客の精算と並行して行うことができる。具体的に、店員は、精算中の顧客に返却する預かり品を取りに行ったり、次の取引の顧客(次客)から預かり票を受け取って、当該次客に返却する預かり品を取りに行ったりすることができる。この結果、一顧客あたりの応対に要する時間を短縮することができる。
【0063】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
控え伝票を一括発行させるトリガは、上記実施形態に記載の控え一括印刷ボタンBT10、あるいは控え再発行ボタンBT20に対する操作に限定されない。
例えば、控え伝票を一括発行させるトリガは、1つには、閉店処理の実行の開始に対応して発生されてよい。また、控え伝票を一括発行させるトリガは、例えば中締めに対応してPOS端末20の電源をオフとする際に対応して発生されてよい。
【0064】
[第2変形例]
上記実施形態においては、POS端末20は、完了した取引に対応する控え伝票のうちでこれまでに未発行とされている控え伝票が一括で発行されていた。
本変形例では、POS端末20は、例えばこれまでに未発行とされている控え伝票のうちから、伝票番号により開始と終了とを指定し、指定した開始から終了までに対応する範囲の控え伝票を一括で発行してもよい。
また、POS端末20は、これまでに未発行とされている控え伝票のうちから任意に指定した1以上の控え伝票を発行してもよい。この場合において、発行させる控え伝票の指定は、伝票番号の入力により行われるようにしてよい。
【0065】
[第3変形例]
例えば、一取引が完了するごとに、今回完了した取引に応じた控え伝票を発行させる操作が行われる控え伝票発行ボタンが店員側表示部26にて表示されるようにしてよい。店員は、後の機会において一括で控え伝票を発行させるのではなく、一取引が完了したタイミングで控え伝票を発行したい場合に、控え伝票発行ボタンを操作するようにされる。
【0066】
本変形例の一具体例について、図16を参照して説明する。本変形例のPOS端末20は、顧客が精算を完了させたタイミングで預かり票を発行させる。そのうえで、POS端末20は、当該預かり票の発行とともに、図16に示すように、精算画面上に控え伝票発行画面PU1を表示させてよい。
控え伝票発行画面PU1においては、店員が控え伝票を発行させることのできる状況となったのであれば、控え伝票の発行操作を行うように促すメッセージが表示されるとともに、控え伝票発行ボタンBT40が配置される。
【0067】
店員は、例えば、今回の取引に対応して顧客から新規に受け取った預かり品の処理などを終えて控え伝票の発行操作が可能となったことに応じて、控え伝票発行ボタンBT40を操作する。
控え伝票発行ボタンBT40が操作されたことに応じて、POS端末20は、控え伝票(店舗控え、及び工場控え)を発行する。控え伝票発行ボタンBT40の操作により控え伝票が発行されると、店員側表示部26においては、これまで表示されていた控え伝票発行画面PU1が消去され、例えば店員操作画面(図5)の表示に戻るようにされる。店員操作画面(図5)の表示に戻ることで、店員は次の取引に対応する操作を開始することができる。
ここで、控え伝票発行画面PU1は、控え伝票発行ボタンBT40が操作されるまでは消去されない。つまり、POS端末20は、控え伝票発行ボタンBT40が操作されるまで、控え伝票発行画面PU1の表示を継続させ、次の取引に対応する操作を開始することができないようにされている。つまり、店員は、次の取引に以降する前のタイミングで必ず現取引の控え伝票を発行させることができる。これにより、現取引の控え伝票の発行忘れを防止することができる。
【0068】
なお、POS端末20は、顧客が精算を完了させたことに応じて先ず預かり票を発行し、預かり票の発行から所定時間を経過したタイミングで、同じ今回の取引に応じた控え伝票を発行するようにされてもよい。この場合、控え伝票発行画面PU1は表示されなくともよいが、例えば控え伝票を発行すること(あるいは発行したこと)のメッセージが店員側表示部26にて所定の態様で表示されてもよい。
【0069】
なお、POS端末20は、顧客が精算を完了させたことに応じて現取引に対応する預かり票を発行した後、店員による次の取引の開始に応じた操作を待機し、当該操作が行われたことに応じて、上記の現取引に対応する預かり票を発行するようにされてもよい。
店員による次の取引の開始に応じた操作は、1つ目の預かり品の登録に関する操作であってもよいし、次の取引に対応する顧客の会員カードから会員IDをPOS端末20に読み取らせる操作であってもよい。
【0070】
なお、控え伝票発行画面PU1において、図示は省略するが、控え伝票発行ボタンBT40に加えて、「控え伝票非発行ボタン」をさらに配置してもよい。控え伝票非発行ボタンは、現段階では控え伝票を発行させないことの宣言を店員が行うための操作が行われるボタンである。
控え伝票非発行ボタンが操作された場合には、控え伝票が発行されることなく、控え伝票発行画面PU1が消去される。この場合、控え伝票は発行されないが、控え伝票発行画面PU1が消去されたことに応じて、店員操作画面(図5)の表示に戻るようにされ、店員は次の取引に対応する操作を開始することができる。
「控え伝票非発行ボタン」が操作されたことで、対応の取引の完了に際して発行されなかった控え伝票は、図11図12等にて説明したのと同様の操作により発行可能とされてよい。
【0071】
[第4変形例]
店員側表示部26に表示された精算画面における確定ボタンBT3を店員が操作してから、顧客の操作に応じた精算が完了するまでの間において、店員側表示部26にて、対応の顧客から既に預かっている預かり品に関する情報(精算顧客預かり品情報)が表示されてもよい。
【0072】
図17は、精算顧客預かり品情報の表示として、精算画面上に預かり品情報画面PU2を表示した態様を示している。同図の預かり品情報画面PU2においては、ステータスエリアAR51と預かり品情報エリアAR52とが配置されている。
【0073】
ステータスエリアAR51は、顧客側のPOS端末20の状況(ステータス)が表示されるエリアである。同図では、例えば、ステータスエリアAR51にて、顧客側のPOS端末20の状況として、顧客が精算を行っている状況にあることと決済種別が現金であることが示されている。
つまり、ステータスエリアAR51は、顧客がいずれの決済種別を利用して精算中の状態にあるのかを示すことができる。例えば、ステータスエリアAR51は、顧客がクレジットカードを決済種別として精算中である場合や、電子マネーを決済種別として精算中である場合などには、それぞれの決済種別に応じた精算が顧客により行われていることを示すように表示が行われてよい。
上記のようにステータスエリアAR51にて表示された情報を確認することで、店員は、POS端末20越しに存在していることで目視だけでは難しい顧客の様子を的確に把握することが可能となる。例えば、店員は、精算の操作に不慣れな顧客が精算の操作に手間取っているような場合には、そのような状況にあることを迅速かつ的確に判断し、適切な対応をとることも可能となる。
また、ステータスエリアAR51は、顧客が決済種別を指定する操作を行うまでは、顧客が決済種別を選択中である旨(まだ選択していない旨)を表示してよい。このような表示が長く行われている場合、店員は、顧客が精算の操作に不慣れであり、まだ決済種別も選択されていない状態であることを把握し、決済種別を選択する段階から適切な対応を取ることができる。
【0074】
預かり品情報エリアAR52は、預かり品情報が提示されるエリアである。同図の預かり品情報エリアAR52は、顧客情報(名前、電話番号、会員番号、累積ポイント数)と、今回の取引でのクリーニング品の預かりに対応して発行することとなるタグ(「今回発行タグ」)に関する情報、「未返却」の預かり品に関する情報を提示した態様例を示している。
【0075】
具体的に、預かり品情報エリアAR52の「今回発行タグ」の欄においては、今回の取引で発行することとなる(精算が完了していないためタグ番号の正式発番はされていない)のタグ番号が示されてよい。店員は、「今回発行タグ」の欄にて示されるタグ番号を確認することで、今回の預かり品へ付すべきタグ番号のタグを先行して用意し、顧客から預かったクリーニング品に付しておくことができる。
一般に、クリーニング品にタグを付す作業は、対応の取引の精算までに応じた作業を完了させ、顧客が退店した後で行われる。本変形例の場合には、顧客が精算中の状態と並行して店員がタグを付す作業を行えるため、店員の作業効率を向上させることが可能となる。
【0076】
また、同図の例では、預かり品情報エリアAR52の「未返却」の欄は、対応の顧客からの預かり品についての情報として、現時点での預かり品の総数と、預かり品の一覧とを示している。預かり品の一覧における預かり品ごとのリスト項目は、対応の預かり品がクリーニング済みであれば、タグ番号、商品種別、および保管位置等が示される。また。対応の預かり品がクリーニング済みでない場合には、「クリーニング処理中」であることと、クリーニング処理の完了予定日とが示される。
【0077】
店員は、上記したように預かり品情報画面PU2にて表示される情報を確認することで、顧客が精算を行っているときと並行して、顧客に返却できる預かり品のピッキング作業等を的確に行うことができる。
【0078】
預かり品情報画面PU2は、顧客による精算が完了したことに応じて消去されてよい。例えば、本変形例が第3変形例と組み合わされる場合には、預かり品情報画面PU2が消去された後に控え伝票発行画面PU1が表示されてよい。
【0079】
[第5変形例]
POS端末20は、未発行の控え伝票の数が一定以上となった場合に、店員に対して控え伝票の一括発行を促す報知を行うようにしてよい。このような報知は、例えば店員側表示部26において対応のメッセージを表示することにより行われてよい。
【0080】
[第6変形例]
POS端末20は、顧客側に向けられて預かり票を印刷する客側印刷部と、店員側に向けられて控え伝票(店舗控え、工場控え)を印刷する店員側印刷部との2つの印刷部を備えてよい。そのうえで、上記実施形態と同様に、一取引に対応する精算が完了したタイミングでは、控え伝票のみが客側印刷部から発行され、控え伝票については店員側印刷部から発行されないようにしてよい。この場合にも、取引が完了した後において、店員側印刷部から控え伝票を一括で発行可能なようにされる。
【0081】
[第7変形例]
例えばスマートフォン等で動作するクリーニング店の顧客向けサービスを提供するアプリケーション上で、対応の顧客がクリーニング店にて行った取引に応じた預かり票のデータを、会員としての顧客が表示等により確認可能なようにされてよい。このような場合、POS端末20は、控え伝票(店舗控え、工場控え)は印刷により発行するが、預かり票は印刷により発行しないようにされてよい、ただし、このような場合であっても、希望する会員に対しては、支払金額等を用紙に印刷した精算レシートをPOS端末20により発行するというように運用する場合がある。このような場合、例えば、預かり票に代えて精算レシートを発行するようにしたうえで、上記実施形態や上記変形例等と同様に控え伝票を発行可能なようにPOS端末20を構成してよい。
【0082】
[第8変形例]
例えば、自動釣銭機や決済サーバ等のサーバと接続されることなく、スタンドアロンで会計が可能とされる会計端末等にも、本実施形態の伝票の発行等に関する構成が適用されてよい。
【0083】
[第9変形例]
POS端末20は、自動釣銭機40や決済端末30が顧客側に向けて設置されていることで、原則として、顧客に決済種別の選択や決済手続き等を含む精算に関する操作を行ってもらうようにされている。
そのうえで、本変形例では、商品登録後において決済種別の選択や決済手続き等を含む精算に関する操作画面を店員側表示部26にも表示可能として、店員が精算に関する操作を行うことが可能とされてよい。これにより、店員主導のもとで精算を進めることも可能となる。
【0084】
POS端末20は、決済種別が現金精算の場合は、自動釣銭機40に投入される現金の金額が取引金額以上となったことを条件に、客側表示部27の画面にて「おわり」や「支払い」等と表記された決済完了ボタンを表示することで、顧客自身により任意のタイミングで決済完了確認の操作(決済完了ボタンの操作)をしてもらうようにしてよい。この場合、顧客は自身の意図する額の入金が可能であり、釣銭の金額の調整なども可能となる。
一方で、現金による決済を使用とするにあたり、自動釣銭機40への貨幣の投入はできるが、決済種別の選択や精算に必要な決済完了等のボタンの操作に不慣れな顧客も存在する。本変形例では、このような場合には、店員が店員側表示部26にて精算に関する操作画面を表示させ、表示された操作画面に対して決済種別の選択や所定のボタンの操作等を行うことで、顧客の現金精算をサポートすることも可能となる。
【0085】
本変形例のもとでは、客側表示部27において、店員側表示部26に表示された登録画面における精算移行ボタンBT2が押下されたタイミングで決済種別選択画面が表示されてよい。客側表示部27における決済種別選択画面の表示に対応するタイミングで、店員側表示部26における表示は、登録画面から精算画面へ遷移してよい。精算画面においては、例えば「現金」、「金券」、「電子マネー」、「クレジットカード」、「交通系ICカード」、「未収」等のボタン群を表示し、店員が当該ボタン群のボタンの何れかを操作することで、客側表示部の精算に関する画面に対する操作が行われた場合と同様に、決済種別が指定され、指定された決済種別に応じた決済用の画面が表示されてよい。例えば、現金の決済種別であれば、現金投入を促すアニメーション等による画面が表示され、クレジットカードの決済種別であればクレジットカードを差し込む、スライドする、タッチする方法を表示するアニメーション等による画面が表示されてよい。
【0086】
本変形例において、POS端末20は、客側表示部において、所定の条件(例えば、現金の決済種別では取引金額以上の入金、クレジットカードの決済種別ではクレジットカードの読み取りなど)が満たされたことに応じて、決済完了ボタンが表示され、決済完了ボタンが操作されたことに応じて、預かり票が印刷されてよい。なお、この際に、決済完了ボタンと同じ機能のボタンが店員側表示部26の画面においても表示されてよい。このように店員側表示部26の画面にて表示される決済完了ボタンは、図6の確定ボタンBT3が相当する。
【0087】
また、本変形例のPOS端末20は、顧客が客側表示部27にて表示された精算に関する操作画面に対して操作を行って精算を完了させた場合は、先に預かり票を発行し、預かり票の発行後に控え伝票を発行してよい。一方、店員が店員側表示部26にて表示された精算に関する操作画面を操作して精算を完了させた場合には、預かり票と控え伝票とを同じタイミングで発行してもよい。
つまり、POS端末20は、顧客が精算の操作を主導して行った場合には、預かり票の発行後に控え伝票を発行し、店員が精算の操作を主導して行った場合には、控え伝票を同じタイミングで発行するというように、異なる種類の伝票の発行(印刷)を主導権者に基づいて切り替えるように制御してもよい。
【0088】
[第10変形例]
本変形例のクリーニングシステムにおいては、預かり票を紙媒体で発行(印刷)する運用に限定されず、電子預かり票を会員向けのアプリケーションがインストールされた顧客の携帯端末等で閲覧可能に発行する運用も行われてよい。
取引対象の顧客が電子預かり票を受け取り可能な会員(電子化対応会員)である場合には、POS端末20は、精算の完了に際して、紙媒体の客預かり票を印刷せず、かつ控え伝票(工場控え、店舗控え)も印刷せずに、次の取引の開始に応じた処理を実行するようにされてよい。
なお、POS端末20は、取引対象の顧客が電子化対応会員であるか否かについて、例えば、対象の顧客の会員カードから読み取られた会員IDにおいて示される所定の桁の値を参照することにより判定するようにされてよい。
また、この場合の工場控え、店舗控えは、後の機会にて、図11図12等にて説明したのと同様の操作により印刷可能とされてよい。
【0089】
このような変形例によっては、電子化対応会員である顧客が、精算を完了した際に印刷された控え伝票(工場控え、店舗控え)を自身のための印刷物であると勘違いして回収してしまうような不具合を防止できる。
また、対象の顧客が電子化対応会員である場合、その旨が預かり品情報画面PU2(および店員操作画面(図5)等)にも表示されてよい。このような表示により、店員は対象の顧客による精算が完了した際に用紙媒体の預かり票が印刷されるか否かを予め把握することができる。
例えば対象顧客が電子化対応会員ではない通常会員である場合には、精算の完了に際して預かり票が印刷される。このような場合において、上記のような対象の顧客が電子化対応会員である場合に対応する表示が行われなければ、店員は、例えばまず精算の完了応じて預かり票が印刷されるか否かを確認したうえで、印刷された場合には、対象の顧客が採り忘れないように注意し、さらには預かり票を引き取ってもらうことを対象の顧客に促すといったことが必要になる。これに対して、上記のような表示が行われることで、対象の顧客が電子化対応会員であると分かっている場合には、上記のように注意を払うことが不要となり、別に必要な業務を並行して行うことができる。
【0090】
[第11変形例]
POS端末20は、自動釣銭機40や決済端末30とセットで一つのユニットを構成しているが、このようなPOS端末20としてのユニットは、1つの店舗STにつき1つであることに限定されない。つまり、このようなユニットが、1つの店舗STにて複数配置されてもよい。
1つの店舗STにて複数のユニットが配置されることで、それぞれのユニットに店員を配置し、同時並行で複数の顧客に対応する商品の登録と精算とについて処理することが可能となる。
あるいは、1つの店舗STにて備えられる複数のユニットの運用として、複数のユニットのうちの或る特定のユニット(登録ユニット)に店員を配備して商品の登録を行い、他の店員を配備していないユニットに商品の登録結果を示す登録データを送信し、顧客の操作に応じた精算処理を実行させる、いわゆるセミセルフ方式と呼ばれる形態が採られてよい。この場合において、精算処理が可能なユニット(精算可能ユニット)を複数設置すれば、商品登録が完了した複数の顧客に応じた精算処理のそれぞれを、複数の精算可能ユニットが分担して行うようにすることが可能となる。
また、この場合には、登録ユニットで商品の登録までを行い、精算可能ユニットのうちで、現在において精算処理を実行中でないユニットに登録データを送信して精算処理の実行を指示する。
顧客は、精算処理の実行を指示された精算可能ユニットに移動し、精算に応じた操作を行ってよい。精算指示ユニットは、受信した登録データに基づいて精算処理を実行し、精算の完了に応じて預かり票を印刷(発行)してよい。顧客は、発行された預かり票を引き取って退店することができる。
一方で、登録ユニットは、登録データを送信したことに応じて、次の顧客のための登録が可能となるようにされてよい。精算可能ユニットの全てが顧客により使用中(精算処理を実行中)で、登録データの送信先となる精算可能ユニットがない場合は、登録ユニットに設けられた自動釣銭機40や決済端末30を使用して顧客が精算を行えるようにされてよい。このように登録と精算を分離し、複数個所で精算できるようにすることで、効率的に取引を処理することができる。
このような態様の場合、登録ユニットは、自装置で登録された全ての取引ごとに対応する控え伝票(店舗控え、工場控え)を印刷(発行)することができる。登録データを受信した精算可能ユニットに控え伝票を印刷させることとした場合、店員は、精算可能ユニットにまで移動して、印刷された控え伝票を回収する必要がある。そこで、登録ユニットにて控え伝票が印刷されるようにすることで、登録ユニットに配備された店員が、その場にて登録ユニットから印刷された控え伝票を回収することができ、精算可能ユニットにまで移動する手間が省かれる。
この場合において、控え伝票の印刷のタイミングは、これまでに説明した実施形態あるいは変形例のいずれによるものとされてよい。
また、店舗STにおいては、同一の機能構成のユニットが複数配置される態様に限定されず、登録ユニットとしての機能に特化した構成の登録専用ユニットや、登録データを受信して精算処理を実行する精算可能ユニットとしての機能に特化した構成精算専用ユニットが設けられてもよい。精算専用ユニットは、店員が顧客と対面して商品登録を行うようにして使用されないことから、店員側表示部26等の店員側に対応する構成、機能等は省略されてよい。
【0091】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、システムに関する。
[背景技術]
コンビニエンスストア等の店舗にて、商品販売の業務の実行に対応して店用の印字情報と顧客用の印字情報とをそれぞれ異なるプリンタに印字させるようにした情報処理装置が知られている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2020-155028号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
例えば、クリーニング店等では、一取引に対応して、預かり票、店舗控え、及び工場控えの3つの伝票が連続してプリンタから発行される。預かり票は、客がクリーニング店に預けた衣類等の品(預かり品)を示す客向けの伝票である。店舗控えは、預かり品を示し、店舗にて保管する伝票である。工場控えは、預かり品を示し、店舗からクリーニング作業を行う工場に渡される伝票である。
店員は、プリンタから発行された預かり票、店舗控え、及び工場控えを一旦手に取ったうえで、預かり票は客に渡し、店舗控えと工場控えとについてはそれぞれ店舗にて引き取るようにされる。このように、接客中の状況のもとで発行された複数の伝票について、一部は顧客に渡し、一部は店舗にて引き取って管理するという流れの手順は、店員にとって煩雑で煩わしさを覚える場合がある。
本発明は、上記した課題を考慮して、一取引に対応して店員が顧客と応対しているときの伝票の扱いの効率化が図られるようにすることを目的とする。
【0092】
[課題を解決するための手段]
(1)本実施形態の一態様は、顧客と事業者との取引内容を登録する登録手段と、登録された取引内容に応じて代金を精算する精算手段と、前記登録された取引内容に対応する顧客向けの紙媒体と事業者向けの紙媒体とが印刷されるようにする制御手段とを備え、前記制御手段は、一の取引の精算が完了した際に、当該一の取引に対応する事業者向けの紙媒体を印刷させず、当該一の取引に対応する顧客向けの紙媒体を印刷部に印刷させるシステムである。
【0093】
上記構成によれば、一取引の完了に応じて発行すべき事業者向けの紙媒体(例えば、店舗控え、工場控え)と顧客向けの紙媒体(例えば、預かり票)を発行すべきシステムにおいて、一取引の精算が完了した際には、事業者向けの紙媒体は印刷されず、顧客向けの紙媒体のみが発行されるので、例えば店員が介在することなく、顧客が発行された顧客向けの紙媒体を引き取ることで、顧客としては、その場での一取引に応じた会計を完了させることができる。この結果、一取引に対応して店員が顧客と応対しているときの伝票の扱いの効率化が図られる。
【0094】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載のシステムであって、前記一の取引の精算が完了した際に前記一の取引に対応する顧客向けの紙媒体が印刷された後に、前記事業者向けの紙媒体の印刷を指示する指示手段を表示させる表示手段を備える。
【0095】
上記構成によれば、一の取引において顧客向けの紙媒体の発行後に、事業者向けの紙媒体を発行させることができる。これにより、一取引ごとに、まず顧客に対して顧客向けの紙媒体を受け取ってもらったうえで、事業者向けの紙媒体も発行させることができる。
【0096】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載のシステムであって、前記登録手段は、前記事業者向けの紙媒体が印刷されたことに応じて、次の取引に対応する取引内容の登録の開始が可能となるようにされる。
【0097】
上記構成によれば、事業者向けの紙媒体が印刷されなければ次の取引に対応する処理に移行できないこととなる。これにより、一の取引ごとに確実に事業者向けの紙媒体を発行させることが可能となる。
【0098】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載のシステムであって、前記精算手段は顧客の操作に応じて精算を行うようにされ、前記顧客が精算手段を操作して精算を行わせている際に、当該顧客から事業者に預けられている預かり品に関する情報を表示させる表示手段を備える。
【0099】
上記構成によれば、顧客が精算に対応する操作を行っているときに、表示されている預かり品の情報を確認し、預かり品の返却に応じた作業を行うなど、店員が一の取引において効率よく顧客に応対することが可能となる。
【0100】
<付記>
(付記項1)本実施形態の一態様は、顧客と事業者との取引内容を登録する登録手段と、登録された取引内容に応じて代金を精算する精算手段と、前記登録された取引内容に対応する顧客向けの紙媒体と事業者向けの紙媒体とが印刷されるようにする制御手段とを備え、前記制御手段は、一の取引の精算が完了した際に、当該一の取引に対応する事業者向けの紙媒体を印刷させず、当該一の取引に対応する顧客向けの紙媒体を印刷部に印刷させるシステムである。
【0101】
上記構成によれば、一取引の完了に応じて発行すべき事業者向けの紙媒体(例えば、店舗控え、工場控え)と顧客向けの紙媒体(例えば、預かり票)を発行すべきシステムにおいて、一取引の精算が完了した際には、事業者向けの紙媒体は印刷されず、顧客向けの紙媒体のみが発行されるので、例えば店員が介在することなく、顧客が発行された顧客向けの紙媒体を引き取ることで、その場での一取引に応じた会計を完了させることができる。この結果、一取引に対応して店員が顧客と応対しているときの伝票の扱いの効率化が図られる。
【0102】
(付記項2)本実施形態の一態様は、(付記項1)に記載のシステムであって、前記制御手段は、前記一の取引の精算が完了した際に印刷させなかった事業者向けの紙媒体を所定の機会にて印刷させる。
【0103】
上記構成によれば、店員にとって都合のよいタイミングで未発行の事業者向けの紙媒体を発行させることができるので、伝票の扱いの効率化が促進される。
【0104】
(付記項3)本実施形態の一態様は、(付記項2)に記載のシステムであって、前記制御手段は、所定の操作が行われたことに応じて前記事業者向けの紙媒体を印刷させる。
【0105】
上記構成によれば、店員が行う操作に応じて適切な機会で事業者向けの紙媒体を発行させることが可能となり、伝票の扱いの効率化が促進される。
【0106】
(付記項4)本実施形態の一態様は、(付記項2)または(付記項3)に記載のシステムであって、前記制御手段は、現時点で未印刷の事業者向けの紙媒体を一括で印刷させる。
【0107】
上記構成によれば、これまでに完了した取引に応じた事業者向けの紙媒体のうち、未印刷のものに限定して一括で発行されることから、事業者向けの紙媒体を無駄なく効率的に発行させることができる。
【0108】
(付記項5)本実施形態の一態様は、(付記項2)から(付記項4)のいずれか1つに記載のシステムであって、前記事業者向けの紙媒体として、同一の取引に対応する複数の種類の紙媒体を印刷対象として設定可能とされており、前記制御手段は、未印刷である事業者向けの紙媒体のうち同じ種類の紙媒体を連続して印刷させる。
【0109】
上記構成によれば、同一の取引に対応する控え伝票(店舗控えと工場控え)を発行するにあたり、店舗控えと工場控えとのいずれかの伝票種別を対象として選択して一括で発行させるようにされる。このように店舗控えと工場控えとで個別に発行されるようにすることで、発行された店舗控えと工場控えとが混ざってしまうような状況を回避できる。
【0110】
なお、上述の管理装置10、POS端末20、決済端末30、及び決済サーバ70等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の管理装置10、POS端末20、決済端末30、及び決済サーバ70等の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 クリーニングシステム、10 管理装置、20 POS端末、30 決済端末、70 決済サーバ、ST 店舗、NW ネットワーク
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