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特開2024-100781アレイ基板、その製造方法、指紋認識方法及び表示装置
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  • 特開-アレイ基板、その製造方法、指紋認識方法及び表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100781
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】アレイ基板、その製造方法、指紋認識方法及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/13 20220101AFI20240719BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 59/126 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 59/65 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 59/82 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 59/90 20230101ALI20240719BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G06V40/13
H10K59/35
H10K59/126
H10K59/80
H10K59/65
H10K77/10
H10K59/82
H10K71/00
H10K59/90
G09F9/30 308Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024072616
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2019561147の分割
【原出願日】2018-11-30
(31)【優先権主張番号】201711338861.0
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン イエンリウ
(72)【発明者】
【氏名】シー シーミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ウェイフォン
(57)【要約】
【課題】本発明は、アレイ基板、その製造方法、指紋認識方法及び表示装置を開示する。
【解決手段】前記アレイ基板は、ベース基板(11)、ベース基板(11)の表示領域に位置する複数の画素ユニット(01)及び複数の指紋認識ユニット(02)を含み、指紋認識ユニット(02)は、ベース基板(11)上に位置する遮光層(21)及び感光性画像センサ(23)を含み、遮光層(21)には、ピンホールイメージングを行うためのビアホール(22)が設置され、ベース基板(11)におけるビアホール(22)の正投影がベース基板(11)における画素ユニット(01)の正投影と重ならず、感光性画像センサ(23)は、指紋がビアホール(22)を介して形成する像を受信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板の表示領域に位置する複数の画素ユニットと、複数の指紋認識ユニットとを含み、
前記指紋認識ユニットは、前記ベース基板上に位置する遮光層及び感光性画像センサを含み、
前記遮光層には、ピンホールイメージングを行うためのビアホールが設置され、
前記ベース基板における前記ビアホールの正投影が、前記ベース基板における前記画素ユニットのすべての正投影と重ならず、
前記感光性画像センサは、指紋が前記ビアホールを介して形成する像を受信するアレイ基板。
【請求項2】
隣接する2つの前記ビアホールの中心の間隔が、
【数1】
を満たし、
式中、dは、隣接する2つの前記ビアホールの中心の間隔を表し、Dは、前記ビアホールの直径を表し、hdは、前記遮光層の下面から前記感光性画像センサの上面までの間隔を表し、htは、前記遮光層の厚さを表す請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記ビアホールの直径の値の範囲が5μm~20μmである請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記ビアホールは、前記ベース基板上にアレイ状に配列される請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記ベース基板における前記遮光層の正投影が、前記ベース基板における前記画素ユニットの正投影を覆う請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記遮光層は、前記画素ユニットが設置された前記ベース基板の一側に位置する請求項1-5のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記遮光層は、前記ベース基板と前記画素ユニットの間に位置する請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記遮光層と前記画素ユニットの間に位置する低温誘電体層をさらに含む請求項7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記画素ユニットに接続されたリード線をさらに含み、
前記ベース基板における前記ビアホールの正投影が、前記ベース基板における前記リード線のすべての正投影と重ならない請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記ベース基板は、少なくとも2層の可撓性層を含み、前記遮光層は、隣接する2層の前記可撓性層の間に設置される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記感光性画像センサは、前記遮光層に反対する前記ベース基板の一側であって前記ビアホールに対応する位置にある請求項1-5のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記感光性画像センサは、CCD感光性画像センサ又はCMOS感光性画像センサを含む請求項11に記載のアレイ基板。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のアレイ基板の製造方法であって、
ベース基板の表示領域に複数の画素ユニット及び複数の指紋認識ユニットを形成するステップを含み、
前記指紋認識ユニットは、前記ベース基板上に位置する遮光層及び感光性画像センサを含み、前記遮光層には、ピンホールイメージングを行うためのビアホールが設置され、前記ベース基板における前記ビアホールの正投影が、前記ベース基板における前記画素ユニットの正投影と重ならず、前記感光性画像センサは、指紋が前記ビアホールを介して形成する像を受信する製造方法。
【請求項14】
前記ベース基板上に前記遮光層を形成するステップと、
前記遮光層をパターニングして、前記指紋認識ユニットが位置する領域に前記ビアホールを形成するステップと、
前記ビアホールが形成された遮光層上に前記画素ユニットを形成するステップと、
前記遮光層に反対する前記ベース基板の一側において前記ビアホールに対応する位置に前記感光性画像センサを設置するステップとを、含む請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のアレイ基板の指紋認識方法であって、
指紋が前記画素ユニットから発光する光を反射してビアホールを介して前記ビアホールに対応する感光性画像センサにイメージングされた画像である、前記感光性画像センサ上のイメージング画像を取得するステップと、
取得された前記感光性画像センサにイメージングされた画像に基づいて、指紋の完全な指紋画像を決定するステップと、を含む指紋認識方法。
【請求項16】
表示装置であって、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のアレイ基板を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年12月14日に中国特許庁に提出した、出願番号が201711338861.0、開示の名称が「アレイ基板、その製造方法、指紋認識方法及び表示装置」の中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、タッチ表示の技術分野に関し、特にアレイ基板、その製造方法、指紋認識方法及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
指紋は、人体に固有の一意であり他人と区別できる不変の特徴であり、指先の皮膚表面における一連の山と谷で構成されており、これらの山と谷を構成する詳細によって指紋パターンの一意性が決まる。それに基づいて開発された指紋認識機能付き表示パネルは、既に個人のアイデンティティ認証に使用され、表示装置の情報セキュリティを向上させる。現在、指紋認識機能を備えた表示パネルでは、指紋認識領域が表示パネルの非表示領域に設置され、このような配置により表示パネルの非表示領域の面積が増加し、表示パネルの狭額縁表示に不利である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施例によるアレイ基板は、
ベース基板、
前記ベース基板の表示領域に位置する複数の画素ユニット及び複数の指紋認識ユニットを含み、
前記指紋認識ユニットは、前記ベース基板上に位置する遮光層及び感光性画像センサを含み、
前記遮光層には、ピンホールイメージングを行うためのビアホールが設置され、
前記ベース基板における前記ビアホールの正投影が、前記ベース基板における前記画素ユニットのすべての正投影と重ならず、
前記感光性画像センサは、指紋が前記ビアホールを介して形成する像を受信する。
【0005】
本開示の実施例では、隣接する2つの前記ビアホールの中心の間隔が、
【0006】
【数1】
【0007】
を満たし、
式中、dは、隣接する2つの前記ビアホールの中心の間隔を表し、Dは、前記ビアホールの直径を表し、hdは、前記遮光層の下面から前記感光性画像センサの上面までの間隔を表し、htは、前記遮光層の厚さを表すようにしてもよい。
【0008】
本開示の実施例では、前記ビアホールの直径の値の範囲が5μm~20μmであるようにしてもよい。
【0009】
本開示の実施例では、前記ビアホールは、前記ベース基板上にアレイ状に配列されるようにしてもよい。
【0010】
本開示の実施例では、前記ベース基板における前記遮光層の正投影が、前記ベース基板における前記画素ユニットの正投影を覆うようにしてもよい。
【0011】
本開示の実施例では、前記遮光層は、前記画素ユニットが設置された前記ベース基板の一側に位置するようにしてもよい。
【0012】
本開示の実施例では、前記遮光層は、前記ベース基板と前記画素ユニットの間に位置するようにしてもよい。
【0013】
本開示の実施例では、前記アレイ基板は、前記遮光層と前記画素ユニットの間に位置する低温誘電体層をさらに含むようにしてもよい。
【0014】
本開示の実施例では、前記アレイ基板は、前記画素ユニットに接続されたリード線をさらに含み、
前記ベース基板における前記ビアホールの正投影が、前記ベース基板における前記リード線のすべての正投影と重ならないようにしてもよい。
【0015】
本開示の実施例では、前記ベース基板は、少なくとも2層の可撓性層を含み、前記遮光層は、隣接する2層の前記可撓性層の間に設置されるようにしてもよい。
【0016】
本開示の実施例では、前記感光性画像センサは、前記遮光層に反対する前記ベース基板の一側であって前記ビアホールに対応する位置にあるようにしてもよい。
【0017】
本開示の実施例では、前記感光性画像センサは、CCD感光性画像センサ又はCMOS感光性画像センサを含むようにしてもよい。
【0018】
本開示の実施例は、本開示の実施例によるアレイ基板の製造方法をさらに提供し、この製造方法は、
ベース基板の表示領域に複数の画素ユニット及び複数の指紋認識ユニットを形成するステップを含み、
前記指紋認識ユニットは、前記ベース基板上に位置する遮光層及び感光性画像センサを含み、前記遮光層には、ピンホールイメージングを行うためのビアホールが設置され、前記ベース基板における前記ビアホールの正投影が、前記ベース基板における前記画素ユニットの正投影と重ならず、前記感光性画像センサは、指紋が前記ビアホールを介して形成する像を受信する。
【0019】
本開示の実施例では、前記製造の方法は、具体的には、
前記ベース基板上に前記遮光層を形成するステップと、
前記遮光層をパターニングして、前記指紋認識ユニットが位置する領域に前記ビアホールを形成するステップと、
前記ビアホールが形成された遮光層上に前記画素ユニットを形成するステップと、
前記遮光層に反対する前記ベース基板の一側において前記ビアホールに対応する位置に前記感光性画像センサを設置するステップと、を含むようにしてもよい。
【0020】
本開示の実施例は、本開示の実施例によるアレイ基板の指紋認識方法をさらに提供し、この指紋認識方法は、
指紋が前記画素ユニットから発光する光を反射して前記ビアホールを介して前記ビアホールに対応する感光性画像センサにイメージングされた画像である前記感光性画像センサ上のイメージング画像を取得するステップと、
取得された前記感光性画像センサにイメージングされた画像に基づいて、指紋の完全な指紋画像を決定するステップと、を含む。
【0021】
本開示の実施例は、本開示の実施例によるアレイ基板を備える表示装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の実施例によるアレイ基板の断面構造模式図1である。
図2a】本開示の実施例によるアレイ基板の断面構造模式図2である。
図2b】本開示の実施例によるアレイ基板の上面構造模式図である。
図3】本開示の実施例によるアレイ基板の積層構造模式図である。
図4】本開示の実施例によるアレイ基板指紋認識原理の構造模式図1である。
図5】本開示の実施例によるアレイ基板指紋認識原理の構造模式図2である。
図6】本開示の実施例によるアレイ基板の製造方法のフローチャートである。
図7】本開示の実施例による指紋認識方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、図面を参照しながら本開示についてさらに詳細に説明するが、明らかなように、説明する実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。且つ、矛盾しない限り、本願における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに想到しうるほかのすべての実施例は、本開示の特許範囲に属する。
【0024】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例によるアレイ基板、その製造方法、指紋認識方法及び表示装置の特定の実施形態について詳細に説明する。図面において、各膜層の厚さ及び形状は、実際な割合ではなく、本開示の内容を模式的に説明するために過ぎない。
【0025】
本開示の実施例によるアレイ基板は、図1図2bに示されるとおりであり、該アレイ基板は、ベース基板11、及びベース基板11の表示領域に位置する複数の画素ユニット01及び複数の指紋認識ユニット02を含む。指紋認識ユニット02は、ベース基板11上に位置する遮光層21及び感光性画像センサ23を含んでもよく、遮光層21には、ピンホールイメージングを行うためのビアホール22が設置され、ベース基板11における該ビアホール22の正投影が、ベース基板11における画素ユニット01の正投影と重ならない。且つ、感光性画像センサ23は、指紋がビアホール22を介して形成する像を受信する。
【0026】
本開示の実施例による上記アレイ基板では、指紋認識ユニットをアレイ基板の表示領域に設置することによって、アレイ基板の非表示領域の面積を減少させることができ、アレイ基板の狭額縁設計に有利である。さらに、ベース基板における指紋認識ユニットのビアホールの正投影がベース基板における画素ユニットのすべての正投影と重ならないことによって、アレイ基板の開口率に影響を与えずに画素ユニットの各膜層による指紋認識ユニットの遮断を回避し、アレイ基板が指紋認識機能を実現できるようにする。
【0027】
一般には、アレイ基板の表示領域に画素ユニットへ信号を伝送するためのリード線が設置されており、具体的に実施するとき、図2bに示すように、アレイ基板は、画素ユニット01に接続されたリード線12をさらに含んでもよい。リード線12が一般に隣接する画素ユニット01の間の隙間に設置されるので、リード線12による指紋認識ユニットの遮断を回避し、ベース基板11における該ビアホール22の正投影がベース基板11におけるリード線12のすべての正投影と重ならないようにし、それによって、リード線12による指紋認識ユニットの遮断が避けられる。
【0028】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)は、低エネルギー消費量、低生産コスト、自己発光性、広視野角及び高応答速度などの利点を有する。具体的に実施するとき、本開示の実施例では、画素ユニットは、OLEDと、OLEDを発光駆動するための画素回路とを含む。上記リード線は、画素回路へさまざまな信号を入力するための信号ライン、たとえば、ゲートラインGT、データラインDT、高電圧信号ライン、基準電圧信号ラインなどとしてもよい。
【0029】
具体的には、本開示の実施例による上記アレイ基板では、指紋認識を行うとき、画素ユニットから光を発光して指紋上に照射し、指紋により照射された光を反射し、遮光層上に設置されたビアホールを介して感光性画像センサにイメージングすることによって、感光性画像センサ上のイメージング画像を取得し、取得された感光性画像センサにイメージングされた画像に基づいて指紋の完全な指紋画像を決定し、指紋情報を処理することで、指紋に対する認識を実現する。ビアホールのイメージングの効果に影響を与えること、又は感光性画像センサにイメージングを行うことができないことを回避するために、ビアホールは、ベース基板上における遮光層に製造されたビアホールとされる。遮光層上のビアホールは、画素ユニットと画素ユニットに接続されたリード線により遮断されていない位置に設置されてもよい。
【0030】
なお、このビアホールの直径として、ピンホールイメージング原理によるピンホールの直径への要件を満たす必要があり、実際に適用する場合、具体的には、ビアホールの直径のサイズが実際の適用環境に応じて設計してもよいが、ここで特に限定しない。各指紋認識ユニットによる指紋認識の解像精度を高めるために、ビアホールの直径をできるだけ小さくすべきであるが、小さすぎてはならず、ビアホールの直径が小さすぎると、感光性画像センサの表面の照度が過度に低くなり、イメージングデータが抽出されにくくなることが発生しやすいため、実際なアレイ基板の構造、及び用いる膜層の積層方式に応じて、感光性画像センサの感光感度と組み合わせると、具体的に実施するとき、本開示の実施例による上記アレイ基板では、各ビアホールの直径の値の範囲を5μm~20μmに設定してもよい。
【0031】
具体的に実施するとき、アレイ基板では、指紋認識ユニットは、アレイ基板全体に均等に分布してもよく、アレイ基板におけるある特定の領域に分布してもよく、ここで特に限定しない。
【0032】
具体的に実施するとき、ビアホールがベース基板上に均等に設置されてもよい。一般に、ピンホールイメージング原理を利用してイメージングする際に、ピンホールの中心でのイメージングが鮮明であり、縁部であるほど、イメージングがぼやけるため、指紋認識ユニットのビアホールをアレイ状の配列方式で設置することができる。このようにすると、指紋を分割し、それにより、指紋についてイメージングするときに、各指紋認識ユニットのイメージングごとに隣接する指紋認識ユニットのイメージングを含む必要があり、図3及び図4に示すように、指紋重なり領域A、即ち共イメージング部分が存在し、それによって、後続の画像抽出及び処理において各指紋を認識してなる指紋画像をつなぎ合わせて完全で鮮明な画像を整合することができる。
【0033】
具体的に実施するとき、本開示の実施例による上記アレイ基板では、複数の指紋認識ユニットを含み、各指紋認識ユニットごとに一定の間隔を有してもよく、間隔がないと、各指紋認識ユニットのビアホールを介して感光性画像センサ上に形成される像に重なり領域が発生し、図3に示すように、イメージング重なり領域Bが存在し、それによって、感光性画像センサにおけるイメージングデータを処理するときに、指紋画像の分離が困難である。
【0034】
具体的に実施するとき、図4に示すように、指紋を認識するときに指紋重なり領域Aが存在するが、イメージング重なり領域Bが存在しない、即ち、物体が重なり、像が重ならないように、本開示の実施例による上記アレイ基板では、隣接するいずれか2つのビアホールの中心の間隔が、
【0035】
【数2】
【0036】
を満たすようにしてもよく、式中、dは、隣接する2つのビアホール22の中心の間隔を表し、Dは、ビアホール22の直径を表し、hdは、遮光層21の下面から感光性画像センサ23の上面までの間隔を表し、htは、遮光層21の厚さを表す。このように各ビアホール22の中心の間隔が上記式の要件を満たす場合、各ビアホール22の中心の間隔が特に大きくなく、指紋重なり領域Aの存在が可能であり、このため、イメージングデータを処理することで完全で鮮明な画像が得られる。さらに、感光性画像センサ23に形成された像においてイメージング重なり領域Bが存在しないようにするために各ビアホール22の間にも一定の間隔が存在し、イメージングデータについて抽出及び処理を行うことにより指紋が認識される。
【0037】
なお、感光性画像センサのイメージングの要件を満たすために、指紋の詳細(たとえば、隣接する山と谷)が画像センサに形成した像の領域の大きさは、少なくとも3つの画素ユニットのサイズに対応してもよく、この場合、指紋を正確に認識できる。
【0038】
具体的には、本開示の実施例による上記アレイ基板では、遮光層は、指紋認識ユニットが位置する領域のみに位置してもよく、ベース基板全体に堆積してもよく、アレイ基板の表示特性へ影響を及ぼさないように、具体的な使用場面に応じて選択すればよく、ここで特に限定しない。
【0039】
具体的に実施するとき、本開示の実施例による上記アレイ基板では、図2a及び図5に示すように、遮光層21は、画素ユニット01が設置されたベース基板11の一側に位置するようにしてもよい。さらに、本開示の実施例による上記アレイ基板では、画素ユニットが画素回路を含むため、画素回路は、薄膜トランジスタを含んでもよく、OLEDは、ベース基板から離れた該薄膜トランジスタの一側にある。即ち、遮光層21は、薄膜トランジスタが設置されたベース基板11の一側にあってもよい。
【0040】
具体的に実施するとき、図2a及び図5に示すように、遮光層21は、ベース基板11と画素ユニット01の間に位置してもよい。さらに、具体的に実施するとき、図2aに示すように、ベース基板11における遮光層21の正投影が、ベース基板11における画素ユニット01の正投影と重ならなくてもよい。あるいは、図5に示すように、ベース基板11における遮光層21の正投影が、ベース基板11における画素ユニット01の正投影を覆ってもよい。
【0041】
具体的に実施するとき、本開示の実施例による上記アレイ基板では、遮光層の材料は、金属材料又は遮光可能な非金属材料としてもよい。遮光層を製造するときに、マスク板を介して該遮光層上に遮光層を貫通するビアホールを作製する。
【0042】
具体的に実施するとき、本開示の実施例による上記アレイ基板では、図5に示すように、前記アレイ基板は、遮光層21と画素ユニット01の間に位置する低温誘電体層31をさらに含んでもよい。さらに、低温誘電体層31は、薄膜トランジスタと遮光層21の間に位置し、それによって、画素ユニットにおける薄膜トランジスタのプロセスへの影響を回避できる。特に遮光層の材料が金属材料である場合、低温誘電体層31の設置により遮光層による画素ユニットの薄膜トランジスタのプロセスへの影響を回避できる。
【0043】
具体的に実施するとき、本開示の実施例による上記アレイ基板では、該アレイ基板は、剛性アレイ基板であってもよく、アレイ基板が剛性アレイ基板である場合、ベース基板は、ガラス基板、サファイア基板、石英基板、プラスチック基板などとしてもよい。
【0044】
具体的に実施するとき、本開示の実施例による上記アレイ基板では、該アレイ基板は、可撓性アレイ基板であってもよく、該アレイ基板が可撓性アレイ基板であってもよい場合、ベース基板は、可撓性基板であり、たとえば、PI基板が使用され得る。勿論、ほかの可撓性材料の基板を用いてもよく、ここで限定しない。
【0045】
なお、ベース基板は、可撓性基板である場合、1層の可撓性層を含んでもよく、少なくとも2層の可撓性層を含んでもよく、本開示では制限しない。ベース基板が少なくとも2層の可撓性層を含む場合、遮光層を2層の可撓性層の間に設置することができ、それによって、別に低温誘電体層を設置する必要がなく、アレイ基板中の膜層の厚さがさらに減少する。
【0046】
具体的に実施するとき、本開示の実施例による上記アレイ基板では、図5に示すように、感光性画像センサ23は、遮光層21に反対するベース基板11の一側においてビアホール22に対応する位置にあってもよい。
【0047】
具体的には、本開示の実施例による上記アレイ基板では、感光性画像センサと遮光層は、それぞれベース基板の両側に位置し、且つ感光性画像センサは、ビアホールに対応する位置にあり、感光性画像センサにおいてイメージングしやすい。
【0048】
なお、アレイ基板において1つの感光性画像センサが設置されてもよく、各ビアホールを介して感光性画像センサの各領域内にイメージングを行い、次に、該感光性画像センサの各領域に形成された画像を処理することによって、指紋が認識される。勿論、アレイ基板において複数の感光性画像センサが設置されてもよく、この場合、感光性画像センサが各ビアホールに1対1で対応し、又は1つの感光性画像センサが複数のビアホールに対応し、具体的な適用に応じて設置すればよく、ここで特に限定しない。
【0049】
具体的に実施するとき、本開示の実施例による上記アレイ基板では、感光性画像センサは、CCD感光性画像センサ又はCMOS感光性画像センサを含んでもよい。勿論、感光性画像センサとして、指紋を認識できるほかの感光性画像センサを用いてもよく、ここで特に限定しない。
【0050】
同じ発明構想に基づいて、本開示の実施例は、アレイ基板の製造方法をさらに提供し、このアレイ基板の製造方法は、
ベース基板の表示領域に複数の画素ユニット及び複数の指紋認識ユニットを形成するステップを含んでもよく、指紋認識ユニットは、ベース基板上に位置する遮光層及び感光性画像センサを含み、遮光層には、ピンホールイメージングを行うためのビアホールが設置され、ベース基板におけるビアホールの正投影が、ベース基板における画素ユニットの正投影と重ならず、感光性画像センサは、指紋がビアホールを介して形成する像を受信する。
【0051】
該アレイ基板の製造方法が課題を解決する原理は、前述アレイ基板のそれと類似したため、該アレイ基板の製造方法の実施については前述アレイ基板の実施を参照すればよく、重複説明を省略する。
【0052】
具体的に実施するとき、遮光層は、画素ユニットとベース基板の間に設置されてもよい。図6に示すように、本開示の実施例による製造方法は、具体的には、ステップS601~S604を含んでもよい。
【0053】
S601、ベース基板上に遮光層を形成する。
【0054】
S602、遮光層をパターニングして、指紋認識ユニットが位置する領域にビアホールを形成する。ベース基板におけるビアホールの正投影が、ベース基板における画素ユニットの正投影と重ならない。
【0055】
S603、ビアホールが形成された遮光層上に画素ユニットを形成する。勿論、ステップS603は、画素ユニットに接続されたリード線を形成することを含んでもよい。ベース基板におけるビアホールの正投影が、ベース基板におけるリード線の正投影と重ならない。
【0056】
S604、遮光層に反対するベース基板の一側においてビアホールに対応する位置に感光性画像センサを設置する。
【0057】
同じ発明構想に基づいて、本開示の実施例は、上記アレイ基板を用いた指紋認識方法をさらに提供し、図7に示すように、ステップS701~S702を含んでもよい。
【0058】
S701、感光性画像センサ上のイメージング画像を取得する。イメージング画像は、指紋が画素ユニットから発光する光を反射してビアホールを介してビアホールに対応する感光性画像センサにイメージングされる画像である。
【0059】
S702、取得された感光性画像センサによりイメージングされる画像に基づいて、指紋の完全な指紋画像を決定する。具体的には、感光性画像センサにイメージングされる画像をつなぎ合わせて完全な指紋画像を整合する。
【0060】
該指紋認識方法が課題を解決する原理は、前述アレイ基板のそれと類似したため、該指紋認識方法の実施については前述アレイ基板の実施を参照すればよく、重複説明を省略する。
【0061】
同じ発明構想に基づいて、本開示の実施例は、本開示の実施例による上記いずれか1つのアレイ基板を備える表示装置をさらに提供する。該表示装置が課題を解決する原理は、前述アレイ基板のそれと類似したため、該表示装置の実施については上記アレイ基板の実施例を参照すればよく、重複説明を省略する。
【0062】
具体的に実施するとき、本開示の実施例による表示装置は、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーターなど、表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよい。該表示装置のほかの欠かせない構成部分は、すべて当業者が理解できるものであり、ここで詳細な説明を省略し、また、本開示を制限するものとして理解できない。
【0063】
本開示の実施例による上記アレイ基板、その製造方法、指紋認識方法及び表示装置では、指紋認識ユニットをアレイ基板の表示領域に設置することによって、アレイ基板の非表示領域の面積を減少させることができ、アレイ基板の狭額縁設計に有利である。さらに、ベース基板における指紋認識ユニットのビアホールの正投影が、ベース基板における画素ユニットの正投影と重ならないことによって、アレイ基板の開口率に影響を与えずに画素ユニットの各膜層による指紋認識ユニットの遮断を回避し、アレイ基板が指紋認識機能を実現できるようにする。
【0064】
勿論、当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく本開示についてさまざまな変化及び変形をすることができる。このため、本開示のこのような修正及び変形が本開示の特許請求の範囲及びその等同技術の範囲に属すると、本開示は、これら変化及び変形を含むことを意図する。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板の表示領域に位置する複数の画素ユニットと、複数の指紋認識ユニットとを含み、
前記指紋認識ユニットは、前記ベース基板上に位置する遮光層及び感光性画像センサを含み、
前記画素ユニットは、OLEDと、前記OLEDの発光を駆動するための画素回路とを含み、
前記遮光層には、ピンホールイメージングを行うためのビアホールが設置され、前記ベース基板における前記遮光層の正投影は、前記ベース基板における前記画素ユニットの正投影を覆い、
前記ベース基板における前記ビアホールの正投影が、前記ベース基板における前記画素ユニットのすべての正投影と重ならず、
前記感光性画像センサは、指紋が前記ビアホールを介して形成する像を受信するアレイ基板。
【請求項2】
隣接する2つの前記ビアホールの中心の間隔が、
【数1】
を満たし、
式中、dは、隣接する2つの前記ビアホールの中心の間隔を表し、Dは、前記ビアホールの直径を表し、hdは、前記遮光層の下面から前記感光性画像センサの上面までの間隔を表し、htは、前記遮光層の厚さを表す請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記ビアホールの直径の値の範囲が5μm~20μmである請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記ビアホールは、前記ベース基板上にアレイ状に配列される請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記ベース基板における前記遮光層の正投影が、前記ベース基板における前記画素ユニットの正投影を覆う請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記遮光層は、前記画素ユニットが設置された前記ベース基板の側に位置する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記遮光層は、前記ベース基板と前記画素ユニットの間に位置する請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記遮光層と前記画素ユニットの間に位置する低温誘電体層をさらに含む請求項7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記画素ユニットに接続されたリード線をさらに含み、
前記ベース基板における前記ビアホールの正投影が、前記ベース基板における前記リード線のすべての正投影と重ならない請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記ベース基板は、少なくとも2層の可撓性層を含み、前記遮光層は、隣接する2層の前記可撓性層の間に設置される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記感光性画像センサは、前記遮光層から離れた前記ベース基板の背面側において前記ビアホールに対応する位置にある請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記感光性画像センサは、CCD感光性画像センサ又はCMOS感光性画像センサを含む請求項11に記載のアレイ基板。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のアレイ基板の製造方法であって、
ベース基板の表示領域に複数の画素ユニット及び複数の指紋認識ユニットを形成するステップを含み、
前記指紋認識ユニットは、前記ベース基板上に位置する遮光層及び感光性画像センサを含み、
前記画素ユニットは、OLEDと、前記OLED発光を駆動するための画素回路とを含み、
前記遮光層には、ピンホールイメージングを行うためのビアホールが設置され、前記ベース基板における前記遮光層の正投影は、前記ベース基板における前記画素ユニットの正投影を覆い、
前記ベース基板における前記ビアホールの正投影が、前記ベース基板における前記画素ユニットの正投影と重ならず、前記感光性画像センサは、指紋が前記ビアホールを介して形成する像を受信する製造方法。
【請求項14】
前記ベース基板上に前記遮光層を形成するステップと、
前記遮光層をパターニングして、前記指紋認識ユニットが位置する領域に前記ビアホールを形成するステップと、
前記ビアホールが形成された遮光層上に前記画素ユニットを形成するステップと、
前記遮光層に反対する前記ベース基板の側において前記ビアホールに対応する位置に前記感光性画像センサを設置するステップと、を含む請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のアレイ基板の指紋認識方法であって、
指紋が前記画素ユニットから発光する光を反射してビアホールを介して前記ビアホールに対応する感光性画像センサにイメージングされた画像である、前記感光性画像センサ上のイメージング画像を取得するステップと、
取得された前記感光性画像センサにイメージングされた画像に基づいて、指紋の完全な指紋画像を決定するステップと、を含む指紋認識方法。
【請求項16】
表示装置であって、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のアレイ基板を備える表示装置。
【外国語明細書】