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特開2024-100800等角狭窄スルービアを用いた完全対称多投スイッチ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100800
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】等角狭窄スルービアを用いた完全対称多投スイッチ
(51)【国際特許分類】
   B81B 7/00 20060101AFI20240719BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20240719BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20240719BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20240719BHJP
   H01L 23/08 20060101ALI20240719BHJP
   H01H 59/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B81B7/00
B81C1/00
B81B3/00
H01L23/02 C
H01L23/08 B
H01H59/00
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075653
(22)【出願日】2024-05-08
(62)【分割の表示】P 2021549450の分割
【原出願日】2019-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】521371072
【氏名又は名称】メンロ・マイクロシステムズ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MENLO MICROSYSTEMS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヂュー・シェイ
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス・ダリル
(72)【発明者】
【氏名】ケイメル・クリス
(57)【要約】
【課題】装置の動作・保管温度範囲に亘って装置と外部環境との間で密閉封止が維持される密封封止コンポーネントを提供する。
【解決手段】密閉封止コンポーネントは、ガラス基板と、ガラス基板に対応付けられ、少なくとも1つの電気ポートを有する装置と、ガラス蓋体とを備え得る。ガラス蓋体は、少なくとも1つの側壁を有し得る。ガラス蓋体は、ガラス蓋体の上面からガラス柱の底面までガラス蓋体を通過して延在する成形された空隙を有し得る。導電プラグは、空隙内に配置され、空隙を密閉封止するよう構成され得る。導電プラグは、電気ポートに電気的に接続され得る。ガラス蓋体が上記ガラス基板上に上記少なくとも1つの側壁を間に挟んで配置されて、装置を取り囲む空洞部が形成され得る。側壁がガラス基板及び上記ガラス蓋体に接触して密閉封止されることにより、空洞部内の第1の環境が空洞部の外部の第2の環境に対して隔離され得る。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板と、
前記ガラス基板に対応付けられ、少なくとも1つの電気ポートを有する装置と、
ガラス蓋体と、
少なくとも1つの側壁と、
前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
前記空隙内に配置され、前記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体及び前記ガラス基板が前記少なくとも1つの側壁を間に挟んで配置されて、前記装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板及び前記ガラス蓋体に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が前記空洞部の外部の第2の環境に対して隔離され、前記導電プラグが前記電気ポートに接触した、密閉封止コンポーネント。
【請求項2】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、(i)微小電気機械システム(MEMS)による装置、(ii)ナノ電気機械システム(NEMS)による装置、及び(iii)オームスイッチのうちのいずれか1つである、密閉封止コンポーネント。
【請求項3】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記密閉封止は、ヘリウムリークレートの測定値が1.0×10-6(atm-cm)/秒未満となるよう構成された、密閉封止コンポーネント。
【請求項4】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記ガラス基板及び前記ガラス蓋体は、(i)二酸化ケイ素(SiO)、(ii)溶融シリカ、(iii)シリカガラス、(iv)石英、(v)ナトリウム添加ガラス、及び(vi)ホウケイ酸ガラスのうちの1つ以上からなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項5】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、一連の蒸着リソグラフィーパターンエッチング処理を用いて前記ガラス基板上に一体化されることにより前記ガラス基板に対応付けられる、密閉封止コンポーネント。
【請求項6】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記導電プラグは、金属熱圧着により、前記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続されている、密閉封止コンポーネント。
【請求項7】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記側壁と、前記ガラス基板及び前記ガラス蓋体の一方又は両方との間の接合は、(i)金属圧着、(ii)共晶接合、(iii)レーザ接合、(iv)ガラスフリット、及び(v)陽極基板接合のうちの1つにより実施される、密閉封止コンポーネント。
【請求項8】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空隙は砂時計形状であり、前記導電プラグ及び前記空隙は等角狭窄ビア(CPV)を形成する、密閉封止コンポーネント。
【請求項9】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記ガラス蓋体は、前記ガラス蓋体の上面に配置された再配線層をさらに備え、当該再配線層は前記導電プラグに電気的に接続されている、密閉封止コンポーネント。
【請求項10】
請求項9に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記再配線層は、金、アルミニウム、及び銅のうちの少なくとも1つからなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項11】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空隙は、前記ガラス蓋体の前記上面により画定される面内で、直径が500μm未満である、密閉封止コンポーネント。
【請求項12】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空洞部のうち、前記ガラス蓋体及び前記少なくとも1つの側壁によって画定される部分は、前記ガラス蓋体及び前記少なくとも1つの側壁が単一の一体化された構成をなすように形成される、密閉封止コンポーネント。
【請求項13】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空洞部のうち、前記ガラス基板及び前記少なくとも1つの側壁によって画定される部分は、前記ガラス基板及び前記少なくとも1つの側壁が単一の一体化された構成をなすように形成される、密閉封止コンポーネント。
【請求項14】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、(i)単投オームスイッチ及び(ii)多投オームスイッチのうちの1つからなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項15】
請求項14に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、金属、ポリシリコン、又はその両方からなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項16】
請求項8に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記CPVの前記導電プラグが膨張又は収縮することにより、前記ガラス蓋体の熱膨張係数(CTE)と前記導電プラグのCTEとの差を緩和する、密閉封止コンポーネント。
【請求項17】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、2つ以上の個別装置からなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項18】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記ガラス基板を通過して前記ガラス基板の底面から前記ガラス基板の上面まで延在する追加の空隙と、
前記空隙内に配置され、前記少なくとも1つの電気ポートの追加の1つに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された追加の導電プラグと、をさらに備える、密閉封止コンポーネント。
【請求項19】
複数の密閉封止コンポーネントと共に製造された密閉封止コンポーネントであって、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に対応付けられ、各々少なくとも1つの電気ポートを有する少なくとも2つの装置と、
前記少なくとも2つの装置の各々に対してガラス蓋体を備えたガラスカバーと、を備え、
前記ガラス蓋体は各々
(i)少なくとも1つの側壁と、
(ii)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(iii)前記空隙内に配置され、それぞれの装置の前記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記少なくとも2つのガラス蓋体が各々前記ガラス基板上の対応する装置を覆って当該装置を取り囲む空洞部を形成するように、前記ガラスカバーが前記ガラス基板上に配置され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に装着されて密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、密閉封止コンポーネント。
【請求項20】
複数の装置パッケージを製造する方法であって、
各々少なくとも1つの電気ポートを有する少なくとも2つの装置をガラス基板上に直接製造することと、
前記2つの装置の各々に1つずつ対応した少なくとも2つのガラス蓋体を備えたガラスカバーを製造することと、を備え、
前記少なくとも2つのガラス蓋体は各々
(i)少なくとも1つの側壁と、
(ii)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(iii)前記空隙内に配置され、それぞれの装置の前記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記少なくとも2つのガラス蓋体が各々前記ガラス基板上の対応する装置を覆って当該対応する装置を取り囲む空洞部を形成するように、前記ガラスカバーを前記ガラス基板上に配置することと、
前記少なくとも1つの側壁を前記ガラス及び前記ガラス基板に装着して密閉封止することにより、前記空洞部内の第1の環境を前記装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離することと、
前記導電プラグの各々を対応する電気ポートに電気的に接続することと、を備える方法。
【請求項21】
対称スイッチを備えるパッケージであって、
第1の接点に対応する少なくとも1つの極と、少なくとも第2の接点及び第3の接点に対応付けられた少なくとも2つの投とを有し、ガラス基板の面上に配置されたスイッチであって、前記第2の接点及び前記第3の接点が前記第1の接点を中心として対称に配置されたスイッチと、
少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体と、
前記第1の接点及び前記少なくとも第2及び第3の接点の各々につき、
(i)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(ii)前記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体が前記ガラス基板上に配置されて、前記装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、パッケージ。
【請求項22】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記スイッチは、各極接点にそれぞれ対応する2つ以上の極を備えた多極多投スイッチである、パッケージ。
【請求項23】
単極単投スイッチを備えるパッケージであって、
第1の接点に対応する極と、少なくとも第2の接点に対応付けられた投とを有し、ガラス基板の面上に配置されたスイッチと、
少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体と、
前記第1の接点及び前記第2の接点の各々につき、
(i)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(ii)前記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体が前記ガラス基板上に配置されて、装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、パッケージ。
【請求項24】
装置パッケージであって、
少なくとも第1の接点、第2の接点、及び第3の接点を有し、ガラス基板の面上に配置された対称構成装置であって、前記ガラス基板の前記面に対して前記第2の接点及び前記第3の接点が前記第1の接点を中心として対称に配置された対称構成装置と、
少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体と、
前記少なくとも第1の接点、第2の接点、及び第3の接点の各々につき、
(i)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(ii)前記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体が前記ガラス基板上に配置されて、前記対称構成装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
スイッチなどの特定の装置は、制御されていない動作環境条件に晒されると、信頼性及び一貫性のある動作を行わない可能性がある。湿気や汚物により、早い段階での装置故障が増加し得る。したがって、一般的にはこのような装置は保護パッケージ内に収め、少なくともある程度、内部装置環境を外部環境から隔離することが行われている。しかし、上記パッケージングは特定の弱点に影響される可能性がある。例えば、パッケージの継ぎ目は、パッケージ内部と外部環境との間で漏れが生じるきっかけとなり得る。上記装置を外部環境における構成要素と電気的に接続する際に、当該電気接続は、外部環境から装置環境内そして当該装置へと経由する必要がある。装置パッケージには、パッケージ壁内に成形された空隙である1つ又は複数の「ビア」が用いられることがあり、これにより、導体がパッケージを通して外部環境から装置環境へと引き込まれる。このようなビアは、一般的には、外部環境が装置環境に作用するための機会を提供する。ビアを用いてパッケージ壁を通じた電気接続を実装する技術として、めっきビアが知られている。めっきビアは、典型的には、パッケージ壁内に形成された円筒状の空隙であって、その壁に金属を蒸着させ、成長させ、又は配置したものである。めっきビアは、パッケージの外部からパッケージの内部への導電経路を提供するが、パッケージの外部から内部への空隙が残ってしまう。ビアを封止する努力がなされたとしても、ビア内でのパッケージ及び導体の膨張及び収縮により、極度の動作・保管温度に亘って当該封止を維持することは困難となり得る。
【発明の概要】
【0002】
本明細書に記載する実施形態は、密閉封止された空洞部内に装置を包含する装置パッケージに関するものである。上記空洞部は上記装置を装置環境内に取り囲み、当該装置を外部環境から隔離する。上記装置から上記外部環境内の各構成要素への電気接続は、上記装置パッケージ内の各ビアを介して実現される。これらのビアは、上記装置と外部環境との間で密閉封止がなされるように構成され、上記装置の動作・保管温度範囲に亘って当該封止が維持されるように構成される。
【0003】
一実施形態では、上記密閉封止は等角狭窄ビア(conformal pinched via:CPV)により実現し得るものであり、当該CPVは、上記ビアが通過するパッケージ材料とCPVの材料との熱膨張係数(CTE)の差に適応するよう構成される。上記CPVを上記装置上方のパッケージ壁内に配置することで、電気ポートへの直接のアクセスが可能となり、装置ポートに至るまでに信号経路が装置基板を横断する必要がなくなる。
【0004】
本発明の一態様は、ガラス基板と、上記ガラス基板に対応付けられた装置とを備える密閉封止コンポーネントであってもよい。上記装置は、少なくとも1つの電気ポートを有し得る。上記密閉封止コンポーネントは、さらに、ガラス蓋体と、少なくとも1つの側壁と、上記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して上記ガラス蓋体の上面から上記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、上記空隙内に配置された導電プラグとを備え得る。上記導電プラグは、上記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ上記空隙を密閉封止するよう構成され得る。上記ガラス蓋体及び上記ガラス基板が上記少なくとも1つの側壁を間に挟んで配置されて、上記装置を取り囲む空洞部が形成され得る。上記少なくとも1つの側壁が上記ガラス基板及び上記ガラス蓋体に接触して密閉封止されることにより、上記空洞部内の第1の環境が上記空洞部の外部の第2の環境に対して隔離され、上記導電プラグが上記電気ポートに接触し得る。
【0005】
上記装置は、(i)微小電気機械システム(MEMS)による装置、(ii)ナノ電気機械システム(NEMS)による装置、及び(iii)オームスイッチのうちのいずれか1つであってもよい。上記密閉封止は、ヘリウムリークレートの測定値が1.0×10-6(atm-cm)/秒未満となるよう構成されてもよい。上記ガラス基板及び上記ガラス蓋体は、(i)二酸化ケイ素(SiO)、(ii)溶融シリカ、(iii)シリカガラス、(iv)石英、(v)ナトリウム添加ガラス、及び(vi)ホウケイ酸ガラスのうちの1つ以上からなってもよい。上記装置は、一連の蒸着リソグラフィーパターンエッチング処理を用いて上記ガラス基板上に一体化されることにより上記ガラス基板に対応付けられてもよい。
【0006】
上記導電プラグは、金属熱圧着により、上記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続されてもよい。
【0007】
上記側壁と、上記ガラス基板及び上記ガラス蓋体の一方又は両方との間の接合は、(i)金属圧着、(ii)共晶接合、(iii)レーザ接合、(iv)ガラスフリット、及び(v)陽極ウエハ接合のうちの1つにより実施されてもよい。
【0008】
上記空隙は砂時計形状であってもよく、上記導電プラグ及び上記空隙は等角狭窄ビア(CPV)を形成してもよい。上記ガラス蓋体は、上記ガラス蓋体の上面に配置された再配線層をさらに備え、当該再配線層は上記導電プラグに電気的に接続されてもよい。上記再配線層は、金、アルミニウム、及び銅のうちの少なくとも1つからなってもよい。上記空隙は、上記ガラス蓋体の上記上面により画定される面内で、直径が500μm未満であってもよい。上記空洞部のうち、上記ガラス蓋体及び上記少なくとも1つの側壁によって画定される部分は、上記ガラス蓋体及び上記少なくとも1つの側壁が単一の一体化された構成をなすように形成されてもよい。上記空洞部のうち、上記ガラス基板及び上記少なくとも1つの側壁によって画定される部分は、上記ガラス基板及び上記少なくとも1つの側壁が単一の一体化された構成をなすように形成されてもよい。
【0009】
上記装置は、(i)単投オームスイッチ及び(ii)多投オームスイッチのうちの1つからなってもよい。上記装置は、金属、ポリシリコン、又はその両方からなってもよい。
【0010】
上記CPVの上記導電プラグが膨張又は収縮することにより、上記ガラス蓋体の熱膨張係数(CTE)と上記導電プラグのCTEとの差を緩和してもよい。上記装置は、2つ以上の個別装置からなってもよい。
【0011】
上記密閉封止コンポーネントは、上記ガラス基板を通過して上記ガラス基板の底面から上記ガラス基板の上面まで延在する追加の空隙と、上記空隙内に配置された追加の導電プラグとをさらに備えてもよい。上記追加の導電プラグは、上記少なくとも1つの電気ポートの追加の1つに電気的に接続され且つ上記空隙を密閉封止するよう構成されてもよい。
【0012】
本発明の他の一態様は、複数の密閉封止コンポーネントと共に製造され、ガラス基板と、上記ガラス基板に対応付けられた少なくとも2つの装置とを備えた密閉封止コンポーネントであってもよい。上記少なくとも2つの装置は、各々少なくとも1つの電気ポートを有し得る。上記複数の密閉封止コンポーネントと共に製造された密閉封止コンポーネントは、さらに、上記少なくとも2つの装置の各々に対してガラス蓋体を備えたガラスカバーを備え得る。上記ガラス蓋体は各々、(i)少なくとも1つの側壁と、(ii)上記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して上記ガラス蓋体の上面から上記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、(iii)上記空隙内に配置された導電プラグとを備え得る。上記導電プラグは、それぞれの装置の上記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ上記空隙を密閉封止するよう構成され得る。上記少なくとも2つのガラス蓋体が各々上記ガラス基板上の対応する装置を覆って当該装置を取り囲む空洞部を形成するように、上記ガラスカバーが上記ガラス基板上に配置され得る。上記少なくとも1つの側壁が上記ガラス基板に装着されて密閉封止されることにより、上記空洞部内の第1の環境が装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離され得る。
【0013】
本発明の他の一態様は、複数の装置パッケージを製造する方法であってもよく、当該方法は、各々少なくとも1つの電気ポートを有する少なくとも2つの装置をガラス基板上に直接製造することと、上記2つの装置の各々に1つずつ対応した少なくとも2つのガラス蓋体を備えたガラスカバーを製造することとを備え得る。上記少なくとも2つのガラス蓋体は各々、(i)少なくとも1つの側壁と、(ii)上記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して上記ガラス蓋体の上面から上記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、(iii)上記空隙内に配置された導電プラグとを備え得る。上記導電プラグは、それぞれの装置の上記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ上記空隙を密閉封止するよう構成され得る。上記方法は、さらに、上記少なくとも2つのガラス蓋体が各々上記ガラス基板上の対応する装置を覆って当該対応する装置を取り囲む空洞部を形成するように、上記ガラスカバーを上記ガラス基板上に配置することを備え得る。上記方法は、さらに、上記少なくとも1つの側壁を上記ガラス及び上記ガラス基板に装着して密閉封止することにより、上記空洞部内の第1の環境を上記装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離することと、上記導電プラグの各々を対応する電気ポートに電気的に接続することとを備え得る。
【0014】
本発明の他の一態様は、対称スイッチを備えるパッケージであってもよく、当該パッケージは、第1の接点に対応する少なくとも1つの極と、少なくとも第2の接点及び第3の接点に対応付けられた少なくとも2つの投とを有するスイッチを備え得る。上記スイッチは、ガラス基板の面上に配置され得る。上記第2の接点及び上記第3の接点は、上記第1の接点を中心として対称に配置され得る。上記対称スイッチを備えるパッケージは、さらに、少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体を備え得る。上記第1の接点及び上記少なくとも第2及び第3の接点の各々につき、上記対称スイッチを備えるパッケージは、さらに、(i)上記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して上記ガラス蓋体の上面から上記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、(ii)上記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ上記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグとを備え得る。上記ガラス蓋体が上記ガラス基板上に配置されて、上記装置を取り囲む空洞部が形成され得る。上記少なくとも1つの側壁が上記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、上記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離され得る。上記スイッチは、各極接点にそれぞれ対応する2つ以上の極を備えた多極多投スイッチであってもよい。
【0015】
本発明の他の一態様は、単極単投スイッチを備えるパッケージであってもよく、当該パッケージは、第1の接点に対応する極と、少なくとも第2の接点に対応付けられた投とを有するスイッチを備え得る。上記スイッチは、ガラス基板の面上に配置され得る。上記単極単投スイッチを備えるパッケージは、さらに、少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体を備え得る。上記第1の接点及び上記第2の接点の各々につき、上記単極単投スイッチを備えるパッケージは、さらに、(i)上記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して上記ガラス蓋体の上面から上記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、(ii)上記空隙内に配置された導電プラグとを備え得る。上記導電プラグは、少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ上記空隙を密閉封止するよう構成され得る。上記ガラス蓋体が上記ガラス基板上に配置されて、装置を取り囲む空洞部が形成され得る。上記少なくとも1つの側壁が上記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、上記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離され得る。
【0016】
本発明の他の一態様は、装置パッケージであってもよく、少なくとも第1の接点、第2の接点、及び第3の接点を有する対称構成装置を備え得る。上記対称構成装置は、ガラス基板の面上に配置され得る。上記ガラス基板の上記面に対して上記第2の接点及び上記第3の接点が上記第1の接点を中心として対称に配置され得る。上記装置パッケージは、さらに、少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体を備え得る。上記少なくとも第1の接点、第2の接点、及び第3の接点の各々につき、上記装置パッケージは、さらに、(i)上記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して上記ガラス蓋体の上面から上記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、(ii)上記空隙内に配置された導電プラグとを備え得る。上記導電プラグは、上記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ上記空隙を密閉封止するよう構成され得る。上記ガラス蓋体が上記ガラス基板上に配置されて、上記対称構成装置を取り囲む空洞部が形成され得る。上記少なくとも1つの側壁が上記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、上記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本特許/出願書類は、少なくとも1つのカラー図面を含んでいる。カラー図面付きの本特許/特許出願公報のコピーは、請求により、必要な手数料を支払った上で、受理官庁により提供される。
上記内容は、添付の図面に照らして、以下の例示的な実施形態におけるより具体的な説明から明らかになるであろう。当該図面中、同様の参照符号は異なる図面間において同一部分を示す。図面は必ずしも縮尺通りではなく、実施形態を説明することに重点が置かれている。
図1A】本発明に係る密閉封止コンポーネントの例示的な実施形態を示す図である。
図1B図1Aに示すコンポーネントの分解図である。
図1C】本発明に係る密閉封止コンポーネントの別の例示的な実施形態を示す図である。
図1D図1Cに示す例示的な実施形態の分解図である。
図1E】本発明に係る密閉封止コンポーネントの別の例示的な実施形態を示す図である。
図1F】本発明に係る密閉封止コンポーネントのさらに別の例示的な実施形態を示す図である。
図2A】本発明に係る砂時計形状の空隙の断面図である。
図2B】本発明に係る等角狭窄ビアの金属プラグの一実施形態における断面図である。
図2C】本発明に係る等角狭窄ビアの金属プラグの別の実施形態における断面図である。
図3A】本発明に係るウエハスケールの密閉封止パッケージ組立体の一例を示す図である。
図3B図3Aのウエハスケールの密閉封止パッケージ組立体の分解図である。
図3C】本発明に係る共通基板上に2次元格子配列で配置された複数の装置を示す図である。
図4A】本発明に係る単極四投MEMSスイッチの一例を示す上面図である。
図4B図4Aに示すMEMSスイッチの等角図である。
図5】複数の装置パッケージを製造する方法の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、例示的な実施形態を説明する。
【0019】
本明細書に引用される全ての特許、公開出願及び引例の教示が、その全体に亘り、引用によりここに組み込まれる。
【0020】
図1Aは、本明細書に記載する密閉封止コンポーネント100の例示的な実施形態を示す。図1Bは、図1Aに示すコンポーネント100の分解図である。密閉封止コンポーネント100は、ガラス基板102及びガラス蓋体104を備え得る。ガラス蓋体104は、蓋体側壁106及び蓋体上壁108を備え得る。ガラス蓋体104及びガラス基板102は、二酸化ケイ素(SiO)、溶融シリカ、シリカガラス、石英、ナトリウム添加ガラス、ホウケイ酸ガラス等の様々なガラス材料のうちいずれで製造してもよい。別の実施形態では、上記基板及び蓋体は、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)等の非ガラス製材料から成ってもよく、これら以外の非ガラス製材料も使用可能である。図1A及び1Bに示す例示的な実施形態では、別個の蓋体側壁106及び別個の蓋体上壁108を備えたガラス蓋体104を示しているが、上記ガラス蓋体104は側壁と上壁とを一体化して単独の一体型ガラス蓋体104として形成してもよい。同様に、上記側壁とガラス基板102とを一体化して、一体型側壁を備えた単独のガラス基板ユニットを形成してもよい。
【0021】
ガラス蓋体104とガラス基板102との間のいずれの接合部においても応力が最小となるように、上記ガラス蓋体材料の熱膨張係数(CTE)は、上記ガラス基板材料のCTEと略同一とするのがよい。
【0022】
空隙110は、図1A及び1Bに示すように、例えばガラス蓋体104の厚み全体に亘って、ガラス蓋体104内に実装してもよく、これにより、ガラス蓋体104を通過する通路が形成される。図1A及び1Bの例示的な実施形態では、空隙110は、ガラス蓋体104及び側壁106内にガラス蓋体の上面109から側壁106の底面113まで形成される場合を示している。別の実施形態では、上記空隙は他の箇所に形成してもよく、例えば、側壁106を横向きに通過するよう又はガラス基板102を上向きに通過するよう形成してもよい。上記空隙は、円形断面を有する円筒状に形成してもよいが、別の実施形態では、非円筒状の断面形状としてもよく、例えば、楕円状断面又は不規則な断面としてもよい。また、上記空隙は、ガラス蓋体の上面109からガラス蓋体の底部まで断面の直径が一定ではないように構成してもよい。上記空隙は、上壁上面により画定される面内において直径が500μm以下となるよう構成してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、図2A及び2Bに示すように、空隙110の断面を「砂時計」形状としてもよい。成形された金属プラグ122を砂時計型空隙110a内に配置することにより、上記ガラス蓋体又は基板に等角狭窄ビア(CPV)124を実装してもよい。金属プラグ122は、砂時計型空隙110aに対して砂時計型空隙110aの側壁から等角状にめっきを施し中央領域を閉塞するめっき厚さとなるまで充填することにより、砂時計型空隙110a内に形成してもよい。これによる金属プラグ122の形状においては、砂時計型空隙110aがガラス蓋体(又は基板)の上部からガラス蓋体(又は基板)の底部までに亘って完全に充填されてはいない。例えば図1Cに示すように、上記ガラス蓋体又はガラス基板からガラスを延出してガラス柱を形成してもよい。この場合、図3Bに示す例示的な実施形態に表されるように、上記空隙は、上記ガラス蓋体(又は基板)の外(上)面330及び上記ガラス柱の底面332を通過して延在する。本明細書では、上記CPV124は、それを取り囲むガラス蓋体材料とともに、CPV柱130と称する。
【0024】
金属プラグ122の一部123は、ガラス蓋体104の上面109及び/又は底面111に沿って延出してもよい。上記一部123は再配線層(RDL)であってもよい。上記再配線層は、例えば、金、アルミニウム、銅などの様々な金属から選択することができる。上記金属プラグが上記空隙を完全には満たしていないため、密閉封止コンポーネント100の動作・保管温度範囲に亘るガラス蓋体104及び金属プラグ122の膨張及び収縮の相対的な差異に対して適応し易くなり、これにより、CPVにおける密閉封止が維持され得る。言い換えれば、金属プラグの上記のような構成は、上記ガラス蓋体の熱膨張係数(CTE)と上記導電プラグのCTEとの差を緩和し得るものであり、これにより、密閉封止コンポーネント100の動作・保管温度範囲に亘ってCPVにおける密閉封止が維持される。図2Cは、砂時計形状のCPV124の別案となる実施形態を示す。
【0025】
装置112は、ガラス基板102上に直接製造してもよい。一実施形態では、上記装置は、ガラス基板102上に、一連の蒸着リソグラフィーパターンエッチング処理を用いて製造される。装置112は、少なくとも1つの電気ポート116を備えてもよく、これにより、上記装置112に対する電気信号の出し入れを行い得る。
【0026】
図示しないが、ガラス基板102及びガラス蓋体104は、装置112を越えて側方に延出してもよい。装置112の側方外側部分において、上記ガラス蓋体側壁が下方向に延出してガラス基板102に接触してもよい。これらの延出領域において、ガラス蓋体104は、例えば、金属熱圧着(本明細書では金属接合とも称する)、共晶接合、レーザ接合、ガラスフリット接合、陽極基板接合により、ガラス基板102に固着してもよいし、当該技術分野で既知の他の接合技術を用いてもよい。
【0027】
側壁106を間に挟んでガラス蓋体104及びガラス基板102を配置することにより、図1Aに示すように、外部環境120から隔離された装置環境を画定する空洞部118が形成される。CPV124は、例えば金属熱圧着により、装置ポート116に電気的に接続してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、密閉封止コンポーネント100は、側壁106をガラス蓋体104の一部ではなくガラス基板102の一部として構成し、ガラス蓋体104が蓋体上壁108のみを備えてもよい。このような構成では、空洞部118は、(蓋体上壁108のみを備える)ガラス蓋体104をガラス基板102の側壁に固着することにより形成される。
【0029】
図1A及び1Bでは、CPV柱を装置112の周辺部に備えた密閉封止コンポーネント100を示しているが、当該周辺部のCPV柱に代えて又は加えて、CPV柱は装置112の中間部で装置112に接していてもよい。図1Cは、中間領域柱130aを備える例示的な実施形態を示し、図1Dは、図1Cの例示的な実施形態の分解図である。図1Eは、中間領域柱130a及び周辺柱130b、130cを備える例示的な実施形態を示す。
【0030】
さらに、図1Fに示すように、上記ガラス蓋体で記載したように、CPV124はガラス基板102を通過して実装してもよい。ガラス基板102を通過するCPV柱は、装置112の下側の装置ポート116への電気信号の接続及び密閉封止コンポーネント100のガラス基板側を介した電気通信を容易にし得る。一実施形態では、上記ガラス蓋体内と上記ガラス基板内との両方にCPV柱を設けることにより、例えば、上記ガラス蓋体上に設けられたコントローラ等の構成要素とのインターフェースとしつつ、上記ガラス基板を介して他の外部構成要素と装置112とのインターフェースとしてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、装置112は微小電気機械システム(MEMS)による装置でもよい。別の実施形態では、装置112はナノ電気機械システム(NEMS)による装置でもよい。別の実施形態では、装置112はオームスイッチでもよい。上記オームスイッチは、単投オームスイッチでもよいし、多投オームスイッチでもよい。上記装置は金属若しくはポリシリコン、又はこれら両方で製造してもよい。
【0032】
本明細書に記載する各実施形態は、空洞部118内の装置環境と外部環境120との間を密閉封止として、ヘリウムリークレートの測定値を1.0×10-6(atm-cm)/秒未満とすることができるよう構成してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、装置112は2つ以上の電気ポート116を備え、これらに対応するCPV124を備えて、空洞部118によって画定される上記装置環境の外部に対して装置112との間で電気信号を出し入れするよう構成してもよい。別の実施形態では、装置112はガラス基板102上に2つ以上製造してもよく、各装置につき、1つ以上の装置ポート及び対応する1つ以上のCPVを有してもよい。
【0034】
上記各実施形態は、いわゆるウエハスケール製造においてまとめて製造された2つ以上の密閉封止コンポーネントに適用してもよい。図3Aに示すように、共通ガラス基板302上に2つ以上の装置を製造してもよい。図3Bは、図3Aに示す組立体の分解図である。図3A及び3Bに示す例示的な実施形態では、ガラス基板302上に製造された3つの装置322a、322b、322cが示されている。この例示的な実施形態では説明を簡単にするため3つの装置しか示していないが、別の実施形態では、より多くの装置を実装してもよい。例えば、図3Cに示す別の例示的な実施形態では、装置D01~D100からなる100個の装置が設けられており、各々共通ガラス基板302に10×10の格子状に装着される。図3Cは共通ガラス基板302上のこれら装置の上面図であり、図1A、1B、1C、2、3A、3Bの側面断面図とは異なる。
【0035】
一実施形態では、ガラス基板302に装着された装置D01~D100の各々に対する個々のガラス蓋体を備える単一の複合ガラス蓋体構造304を構成してもよい。個々のガラス蓋体は、各々の装置が電気信号を出し入れするための少なくとも1つのCPV324を備えてもよい。本明細書で記載したように、CPV324は、ガラス蓋体構造304内の砂時計形状の空隙310の内部に配置された金属プラグにより形成される。図3A及び3Bに示す各CPV324は上記装置空洞部の中央に配置されたCPV柱となっているが、中央配置したCPV柱に代えて又は加えて、CPV柱を側壁内に設けてもよい。
【0036】
図1A、1B、1C、2について本明細書で記載したように、複合蓋体構造304の個々のガラス蓋体は、上部の蓋体壁に対応付けて側壁を設けることにより装置空洞部を構成してもよいし、共通ガラス基板302に対応付けて側壁を設けることにより上記装置空洞部を構成してもよい。
【0037】
図3Aに示すように、装置ポート316a、316b、316cを有する装置322a、322b、322cを備えた共通ガラス基板302に、複合ガラス蓋体構造304を固着して、2つ以上の個別装置パッケージからなる組立体を形成してもよい。図3Aの例では、3つの個別装置パッケージが形成されている。各個別装置322n(「n」は1~Nまでの添え字であり、Nはパッケージングされる装置の合計数を示す)並びにそれに対応する個別ガラス蓋体及び個別ガラス基板は、上記組み合わされた組立体(すなわち、複合ガラス蓋体、ガラス基板、及び装置)において、図3Aの330に示す箇所で切断することにより、隣接するもの同士を互いに切り離してもよい。この切断は、当該技術分野で既知の集積回路ウエハダイを仕上げる際の種々の方法のいずれかにより行うことができる。図3Cに示す格子配列のパッケージの場合、組立体の全体に亘って直交する方向(例えば、共通ガラス基板302の面に平行なx-y平面における「x」方向及び「y」方向)に切断して、個別パッケージ要素Dnに切り離している。
【0038】
本明細書に記載する例示的な実施形態では、単一の装置が密閉封止装置環境内にパッケージングされる場合を示しているが、この他に、本明細書に記載する技術は、共通の装置環境内に2つ以上の装置を密閉封止して用いてもよい。
【0039】
本明細書に記載するようにパッケージングされた装置は、MEMS又はNEMSによる装置を含み得るが、その他の種類の装置も上記各実施形態に応じてパッケージングしてもよい。MEMS又はNEMSによる装置の具体的な種類として、単極単投スイッチ、単極多投スイッチ、多極単投スイッチ、又は多極多投スイッチが挙げられる。上記各実施形態によれば、各スイッチ極及びスイッチ投ポートへの電気信号経路は、純粋な2次元経路(例えば、上記ガラス基板の面に沿う経路)とする必要がなくなるという利点がある。
【0040】
対称単極四投(SP4T)MEMSスイッチの例を図4Aの上面図及び図4Bの等角図に示す。上記スイッチの極が中央に配置され、当該極を中心として4投が対称(上記極の上側、下側、左側、及び右側)に配置される。極CPV402は、パッケージガラス蓋体内において、上記SP4Tスイッチの極ポートの真上に配置される。投極404a、404b、404c、404dは、対応する投ポートのそれぞれに配置される。この例示的な実施形態において必要とされる物理的な基板スペースは、2次元経路に制限された信号分配構造と比較して、実質的に小さくなる。なぜなら、CPV402における中央の信号接続を単極ポートに使用するからである。したがって、単極ポートの信号トレース経路のためにMEMSウエハ上にスペースを確保しておく必要がない。このようなスイッチ極ポートへの直接アクセスにより、上記極ポートから各投ポートへの距離が短くなるため、スイッチ性能が向上し得る。上記極ポートから各投ポートへの電気経路は全て同一であり、各投チャネルの挙動を同一にし易くなる。
【0041】
本明細書に記載する各例では、パッケージ上部の蓋体に配置された各CPV柱電気ポートに接続された装置ポートが示されており、これら装置ポートへの直接的な「3次元」アクセスが容易になる。しかし、当然ながら、上記CPV柱ポートは側壁等のパッケージの他の箇所に配置することもできる。さらに、1つ以上のパッケージ電気ポートをCPVではないポートとすることにより、CPV柱ポートに加えて、装置周辺部の装置ポートに対して従来の2次元アクセスとする構成を設けてもよい。
【0042】
図5は、複数の装置パッケージを製造する方法500の例示的な実施形態を示す。当該方法500は、少なくとも2つの装置をガラス基板に装着する工程502を備え得る。上記少なくとも2つの装置は各々少なくとも1つの電気ポートを備え得る。上記方法500は、さらに、上記2つの装置の各々に1つずつ対応した少なくとも2つのガラス蓋体を備えるガラスカバーを製造する工程504を備え得る。上記少なくとも2つのガラス蓋体の各々は、上壁及び少なくとも1つの側壁を有し得る。上記上壁は、上壁上面から上壁底面まで上壁を通過して延在する空隙を有し得る。上記ガラス蓋体の各々は、上記空隙内に配置されて上記空隙を密閉封止する導電プラグをさらに有し得る。上記ガラス蓋体の各々は、さらに、上記導電プラグを上記電気ポートに電気的に接続するよう構成された導体を有し得る。上記方法は、さらに、上記ガラス基板上に上記ガラスカバーを配置する工程506を備え得る。上記ガラス蓋体の各々は、上記ガラス基板上の対応する装置を覆うことにより、当該対応する装置を取り囲む空洞部を形成し得る。上記方法は、さらに、上記少なくとも1つの側壁を上記ガラス基板に装着して密閉封止することにより、上記空洞部内の第1の環境を上記装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離する工程508を備え得る。
【0043】
例示的な実施形態を詳細に示して説明したが、添付の請求の範囲に包含される実施形態の範囲を逸脱することなく、形態及び詳細について種々の変更がなされ得ることが、当業者によって理解されるであろう。
なお、本発明は、態様として以下の内容を含む。
〔態様1〕
ガラス基板と、
前記ガラス基板に対応付けられ、少なくとも1つの電気ポートを有する装置と、
ガラス蓋体と、
少なくとも1つの側壁と、
前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
前記空隙内に配置され、前記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体及び前記ガラス基板が前記少なくとも1つの側壁を間に挟んで配置されて、前記装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板及び前記ガラス蓋体に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が前記空洞部の外部の第2の環境に対して隔離され、前記導電プラグが前記電気ポートに接触した、密閉封止コンポーネント。
〔態様2〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、(i)微小電気機械システム(MEMS)による装置、(ii)ナノ電気機械システム(NEMS)による装置、及び(iii)オームスイッチのうちのいずれか1つである、密閉封止コンポーネント。
〔態様3〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記密閉封止は、ヘリウムリークレートの測定値が1.0×10-6(atm-cm)/秒未満となるよう構成された、密閉封止コンポーネント。
〔態様4〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記ガラス基板及び前記ガラス蓋体は、(i)二酸化ケイ素(SiO)、(ii)溶融シリカ、(iii)シリカガラス、(iv)石英、(v)ナトリウム添加ガラス、及び(vi)ホウケイ酸ガラスのうちの1つ以上からなる、密閉封止コンポーネント。
〔態様5〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、一連の蒸着リソグラフィーパターンエッチング処理を用いて前記ガラス基板上に一体化されることにより前記ガラス基板に対応付けられる、密閉封止コンポーネント。
〔態様6〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記導電プラグは、金属熱圧着により、前記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続されている、密閉封止コンポーネント。
〔態様7〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記側壁と、前記ガラス基板及び前記ガラス蓋体の一方又は両方との間の接合は、(i)金属圧着、(ii)共晶接合、(iii)レーザ接合、(iv)ガラスフリット、及び(v)陽極基板接合のうちの1つにより実施される、密閉封止コンポーネント。
〔態様8〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空隙は砂時計形状であり、前記導電プラグ及び前記空隙は等角狭窄ビア(CPV)を形成する、密閉封止コンポーネント。
〔態様9〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記ガラス蓋体は、前記ガラス蓋体の上面に配置された再配線層をさらに備え、当該再配線層は前記導電プラグに電気的に接続されている、密閉封止コンポーネント。
〔態様10〕
態様9に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記再配線層は、金、アルミニウム、及び銅のうちの少なくとも1つからなる、密閉封止コンポーネント。
〔態様11〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空隙は、前記ガラス蓋体の前記上面により画定される面内で、直径が500μm未満である、密閉封止コンポーネント。
〔態様12〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空洞部のうち、前記ガラス蓋体及び前記少なくとも1つの側壁によって画定される部分は、前記ガラス蓋体及び前記少なくとも1つの側壁が単一の一体化された構成をなすように形成される、密閉封止コンポーネント。
〔態様13〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空洞部のうち、前記ガラス基板及び前記少なくとも1つの側壁によって画定される部分は、前記ガラス基板及び前記少なくとも1つの側壁が単一の一体化された構成をなすように形成される、密閉封止コンポーネント。
〔態様14〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、(i)単投オームスイッチ及び(ii)多投オームスイッチのうちの1つからなる、密閉封止コンポーネント。
〔態様15〕
態様14に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、金属、ポリシリコン、又はその両方からなる、密閉封止コンポーネント。
〔態様16〕
態様8に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記CPVの前記導電プラグが膨張又は収縮することにより、前記ガラス蓋体の熱膨張係数(CTE)と前記導電プラグのCTEとの差を緩和する、密閉封止コンポーネント。
〔態様17〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、2つ以上の個別装置からなる、密閉封止コンポーネント。
〔態様18〕
態様1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記ガラス基板を通過して前記ガラス基板の底面から前記ガラス基板の上面まで延在する追加の空隙と、
前記空隙内に配置され、前記少なくとも1つの電気ポートの追加の1つに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された追加の導電プラグと、をさらに備える、密閉封止コンポーネント。
〔態様19〕
複数の密閉封止コンポーネントと共に製造された密閉封止コンポーネントであって、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に対応付けられ、各々少なくとも1つの電気ポートを有する少なくとも2つの装置と、
前記少なくとも2つの装置の各々に対してガラス蓋体を備えたガラスカバーと、を備え、
前記ガラス蓋体は各々
(i)少なくとも1つの側壁と、
(ii)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(iii)前記空隙内に配置され、それぞれの装置の前記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記少なくとも2つのガラス蓋体が各々前記ガラス基板上の対応する装置を覆って当該装置を取り囲む空洞部を形成するように、前記ガラスカバーが前記ガラス基板上に配置され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に装着されて密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、密閉封止コンポーネント。
〔態様20〕
複数の装置パッケージを製造する方法であって、
各々少なくとも1つの電気ポートを有する少なくとも2つの装置をガラス基板上に直接製造することと、
前記2つの装置の各々に1つずつ対応した少なくとも2つのガラス蓋体を備えたガラスカバーを製造することと、を備え、
前記少なくとも2つのガラス蓋体は各々
(i)少なくとも1つの側壁と、
(ii)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(iii)前記空隙内に配置され、それぞれの装置の前記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記少なくとも2つのガラス蓋体が各々前記ガラス基板上の対応する装置を覆って当該対応する装置を取り囲む空洞部を形成するように、前記ガラスカバーを前記ガラス基板上に配置することと、
前記少なくとも1つの側壁を前記ガラス及び前記ガラス基板に装着して密閉封止することにより、前記空洞部内の第1の環境を前記装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離することと、
前記導電プラグの各々を対応する電気ポートに電気的に接続することと、を備える方法。
〔態様21〕
対称スイッチを備えるパッケージであって、
第1の接点に対応する少なくとも1つの極と、少なくとも第2の接点及び第3の接点に対応付けられた少なくとも2つの投とを有し、ガラス基板の面上に配置されたスイッチであって、前記第2の接点及び前記第3の接点が前記第1の接点を中心として対称に配置されたスイッチと、
少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体と、
前記第1の接点及び前記少なくとも第2及び第3の接点の各々につき、
(i)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(ii)前記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体が前記ガラス基板上に配置されて、前記装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、パッケージ。
〔態様22〕
態様21に記載のパッケージにおいて、前記スイッチは、各極接点にそれぞれ対応する2つ以上の極を備えた多極多投スイッチである、パッケージ。
〔態様23〕
単極単投スイッチを備えるパッケージであって、
第1の接点に対応する極と、少なくとも第2の接点に対応付けられた投とを有し、ガラス基板の面上に配置されたスイッチと、
少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体と、
前記第1の接点及び前記第2の接点の各々につき、
(i)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(ii)前記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体が前記ガラス基板上に配置されて、装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、パッケージ。
〔態様24〕
装置パッケージであって、
少なくとも第1の接点、第2の接点、及び第3の接点を有し、ガラス基板の面上に配置された対称構成装置であって、前記ガラス基板の前記面に対して前記第2の接点及び前記第3の接点が前記第1の接点を中心として対称に配置された対称構成装置と、
少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体と、
前記少なくとも第1の接点、第2の接点、及び第3の接点の各々につき、
(i)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(ii)前記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体が前記ガラス基板上に配置されて、前記対称構成装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、パッケージ。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板と、
前記ガラス基板に対応付けられ、少なくとも1つの電気ポートを有する装置と、
ガラス蓋体と、
少なくとも1つの側壁と、
前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
前記空隙内に配置され、前記少なくとも1つの電気ポートに前記ガラス基板の表面を横断せずに直接的に電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え
前記ガラス蓋体及び前記ガラス基板が前記少なくとも1つの側壁を間に挟んで配置されて、前記装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板及び前記ガラス蓋体に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が前記空洞部の外部の第2の環境に対して隔離され、前記導電プラグが前記電気ポートに接触した、密閉封止コンポーネント。
【請求項2】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、(i)微小電気機械システム(MEMS)による装置、(ii)ナノ電気機械システム(NEMS)による装置、及び(iii)オームスイッチのうちのいずれか1つである、密閉封止コンポーネント。
【請求項3】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記密閉封止は、ヘリウムリークレートの測定値が1.0×10-6(atm-cm)/秒未満となるよう構成された、密閉封止コンポーネント。
【請求項4】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記ガラス基板及び前記ガラス蓋体は、(i)二酸化ケイ素(SiO)、(ii)溶融シリカ、(iii)シリカガラス、(iv)石英、(v)ナトリウム添加ガラス、及び(vi)ホウケイ酸ガラスのうちの1つ以上からなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項5】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、一連の蒸着リソグラフィーパターンエッチング処理を用いて前記ガラス基板上に一体化されることにより前記ガラス基板に対応付けられる、密閉封止コンポーネント。
【請求項6】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記導電プラグは、金属熱圧着により、前記少なくとも1つの電気ポートに電気的に接続されている、密閉封止コンポーネント。
【請求項7】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記側壁と、前記ガラス基板及び前記ガラス蓋体の一方又は両方との間の接合は、(i)金属圧着、(ii)共晶接合、(iii)レーザ接合、(iv)ガラスフリット、及び(v)陽極基板接合のうちの1つにより実施される、密閉封止コンポーネント。
【請求項8】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空隙は砂時計形状であり、前記導電プラグ及び前記空隙は等角狭窄ビア(CPV)を形成する、密閉封止コンポーネント。
【請求項9】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記ガラス蓋体は、前記ガラス蓋体の上面に配置された再配線層をさらに備え、当該再配線層は前記導電プラグに電気的に接続されている、密閉封止コンポーネント。
【請求項10】
請求項9に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記再配線層は、金、アルミニウム、及び銅のうちの少なくとも1つからなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項11】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空隙は、前記ガラス蓋体の前記上面により画定される面内で、直径が500μm未満である、密閉封止コンポーネント。
【請求項12】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空洞部のうち、前記ガラス蓋体及び前記少なくとも1つの側壁によって画定される部分は、前記ガラス蓋体及び前記少なくとも1つの側壁が単一の一体化された構成をなすように形成される、密閉封止コンポーネント。
【請求項13】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記空洞部のうち、前記ガラス基板及び前記少なくとも1つの側壁によって画定される部分は、前記ガラス基板及び前記少なくとも1つの側壁が単一の一体化された構成をなすように形成される、密閉封止コンポーネント。
【請求項14】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、(i)単投オームスイッチ及び(ii)多投オームスイッチのうちの1つからなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項15】
請求項14に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、金属、ポリシリコン、又はその両方からなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項16】
請求項8に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記CPVの前記導電プラグが膨張又は収縮することにより、前記ガラス蓋体の熱膨張係数(CTE)と前記導電プラグのCTEとの差を緩和する、密閉封止コンポーネント。
【請求項17】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記装置は、2つ以上の個別装置からなる、密閉封止コンポーネント。
【請求項18】
請求項1に記載の密閉封止コンポーネントにおいて、
前記ガラス基板を通過して前記ガラス基板の底面から前記ガラス基板の上面まで延在する追加の空隙と、
前記空隙内に配置され、前記少なくとも1つの電気ポートの追加の1つに電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された追加の導電プラグと、をさらに備える、密閉封止コンポーネント。
【請求項19】
複数の密閉封止コンポーネントと共に製造された密閉封止コンポーネントであって、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に対応付けられ、各々少なくとも1つの電気ポートを有する少なくとも2つの装置と、
前記少なくとも2つの装置の各々に対してガラス蓋体を備えたガラスカバーと、を備え、
前記ガラス蓋体は各々
(i)少なくとも1つの側壁と、
(ii)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(iii)前記空隙内に配置され、それぞれの装置の前記少なくとも1つの電気ポートに前記ガラス基板の表面を横断せずに直接的に電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記少なくとも2つのガラス蓋体が各々前記ガラス基板上の対応する装置を覆って当該装置を取り囲む空洞部を形成するように、前記ガラスカバーが前記ガラス基板上に配置され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に装着されて密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、密閉封止コンポーネント。
【請求項20】
複数の装置パッケージを製造する方法であって、
各々少なくとも1つの電気ポートを有する少なくとも2つの装置をガラス基板上に直接製造することと、
前記2つの装置の各々に1つずつ対応した少なくとも2つのガラス蓋体を備えたガラスカバーを製造することと、を備え、
前記少なくとも2つのガラス蓋体は各々
(i)少なくとも1つの側壁と、
(ii)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(iii)前記空隙内に配置され、それぞれの装置の前記少なくとも1つの電気ポートに前記ガラス基板の表面を横断せずに直接的に電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記少なくとも2つのガラス蓋体が各々前記ガラス基板上の対応する装置を覆って当該対応する装置を取り囲む空洞部を形成するように、前記ガラスカバーを前記ガラス基板上に配置することと、
前記少なくとも1つの側壁を前記ガラス及び前記ガラス基板に装着して密閉封止することにより、前記空洞部内の第1の環境を前記装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離することと、
前記導電プラグの各々を対応する電気ポートに電気的に接続することと、を備える方法。
【請求項21】
対称スイッチを備えるパッケージであって、
第1の接点に対応する少なくとも1つの極と、少なくとも第2の接点及び第3の接点に対応付けられた少なくとも2つの投とを有し、ガラス基板の面上に配置されたスイッチであって、前記第2の接点及び前記第3の接点が前記第1の接点を中心として対称に配置されたスイッチと、
少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体と、
前記第1の接点及び前記少なくとも第2及び第3の接点の各々につき、
(i)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(ii)前記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに前記ガラス基板の表面を横断せずに直接的に電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体が前記ガラス基板上に配置されて、前記装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、パッケージ。
【請求項22】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記スイッチは、各極接点にそれぞれ対応する2つ以上の極を備えた多極多投スイッチである、パッケージ。
【請求項23】
単極単投スイッチを備えるパッケージであって、
第1の接点に対応する極と、少なくとも第2の接点に対応付けられた投とを有し、ガラス基板の面上に配置されたスイッチと、
少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体と、
前記第1の接点及び前記第2の接点の各々につき、
(i)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(ii)前記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに前記ガラス基板の表面を横断せずに直接的に電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体が前記ガラス基板上に配置されて、装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、パッケージ。
【請求項24】
装置パッケージであって、
少なくとも第1の接点、第2の接点、及び第3の接点を有し、ガラス基板の面上に配置された対称構成装置であって、前記ガラス基板の前記面に対して前記第2の接点及び前記第3の接点が前記第1の接点を中心として対称に配置された対称構成装置と、
少なくとも1つの側壁を有するガラス蓋体と、
前記少なくとも第1の接点、第2の接点、及び第3の接点の各々につき、
(i)前記ガラス蓋体及びガラス柱を通過して前記ガラス蓋体の上面から前記ガラス柱の底面まで延在する空隙と、
(ii)前記空隙内に配置され、少なくとも1つの電気ポートに前記ガラス基板の表面を横断せずに直接的に電気的に接続され且つ前記空隙を密閉封止するよう構成された導電プラグと、を備え、
前記ガラス蓋体が前記ガラス基板上に配置されて、前記対称構成装置を取り囲む空洞部が形成され、前記少なくとも1つの側壁が前記ガラス基板に接触して密閉封止されることにより、前記空洞部内の第1の環境が当該装置パッケージの外部の第2の環境に対して隔離されている、パッケージ。