(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100830
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】通信装置、電子楽器システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G10H 1/00 20060101AFI20240719BHJP
G10H 1/32 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G10H1/00 Z
G10H1/32 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024079041
(22)【出願日】2024-05-15
(62)【分割の表示】P 2023061215の分割
【原出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】隅 秀敏
(72)【発明者】
【氏名】吉田 匠
(72)【発明者】
【氏名】加川 智之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 徹
(57)【要約】
【課題】電子楽器と外部の通信装置との良好な通信を実現すること。
【解決手段】本開示の一態様に係る電子楽器用通信装置は、無線信号を送受信するアンテナと、データと前記無線信号とを相互に変換する無線通信モジュールと、前記データと或るインターフェース用の信号とを相互に変換する制御装置と、前記或るインターフェース用の信号を電子楽器との間で送受信するコネクタと、が配置されている基板を備え、前記コネクタは、前記コネクタの長尺方向が前記基板の基板面に対して略垂直になるように配置されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Musical Instrument Digital Interface(MIDI(登録商標))データの無線信号を送受信するとともに、オーディオデータの無線信号を受信する無指向性アンテナと、前記MIDIデータと前記無線信号とを相互に変換するとともに、前記無線信号を前記オーディオデータに変換する無線通信モジュールと、前記MIDIデータと或るインターフェース用の信号とを相互に変換するとともに、前記オーディオデータを前記或るインターフェース用の信号に変換する制御装置と、前記MIDIデータを前記或るインターフェース用の信号として電子楽器との間で送受信するとともに、前記オーディオデータを前記或るインターフェース用の信号として前記電子楽器に送信するコネクタと、が配置されている基板を備え、
前記コネクタは、前記コネクタの長尺方向が前記基板の基板面に対して略垂直になるように配置されている、
電子楽器用通信装置。
【請求項2】
前記無線通信モジュールは、Bluetooth(登録商標)に対応している、
請求項1に記載の電子楽器用通信装置。
【請求項3】
前記基板の長尺方向の一端側に前記無指向性アンテナを備え、他端側に前記コネクタを備える、
請求項1又は2に記載の電子楽器用通信装置。
【請求項4】
前記或るインターフェース用の信号は、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus(USB))信号を含む、
請求項1乃至3のいずれかに記載の電子楽器用通信装置。
【請求項5】
前記コネクタは、前記電子楽器の外周のいずれかに装着される、
請求項1乃至4のいずれかに記載の電子楽器用通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電子楽器用通信装置と、
前記電子楽器用通信装置を介して取得されるMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方に基づいて発音するスピーカーを含む前記電子楽器と、
を備える電子楽器システム。
【請求項7】
Musical Instrument Digital Interface(MIDI(登録商標))データの無線信号を送受信するとともに、オーディオデータの無線信号を受信する無指向性アンテナを備える電子楽器用通信装置の少なくとも1つのプロセッサが、
前記MIDIデータと前記無線信号とを相互に変換するとともに、前記無線信号を前記オーディオデータに変換し、
前記MIDIデータと或るインターフェース用の信号とを相互に変換するとともに、前記オーディオデータを前記或るインターフェース用の信号に変換し、
前記MIDIデータを前記或るインターフェース用の信号として電子楽器との間で送受信するとともに、前記オーディオデータを前記或るインターフェース用の信号として前記電子楽器に送信する、
処理を実行する方法。
【請求項8】
Musical Instrument Digital Interface(MIDI(登録商標))データの無線信号を送受信するとともに、オーディオデータの無線信号を受信する無指向性アンテナを備える電子楽器用通信装置の少なくとも1つのプロセッサが、
前記MIDIデータと前記無線信号とを相互に変換するとともに、前記無線信号を前記オーディオデータに変換し、
前記MIDIデータと或るインターフェース用の信号とを相互に変換するとともに、前記オーディオデータを前記或るインターフェース用の信号に変換し、
前記MIDIデータを前記或るインターフェース用の信号として電子楽器との間で送受信するとともに、前記オーディオデータを前記或るインターフェース用の信号として前記電子楽器に送信する、
処理を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信を利用する電子楽器用通信装置、電子楽器システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子楽器の演奏のためのデータを機器間でやり取りするための形式として、Musical Instrument Digital Interface(MIDI(登録商標))が広く用いられている。一方で、無線通信デバイスが盛んに利用される近年では、無線を用いてMIDIを送受信する技術が検討されている。例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy(Bluetooth LE)を用いてMIDIを送受信するMIDI over Bluetooth LE(又はBLE MIDI)が検討されている。
【0003】
また、既存の電子楽器のMIDI端子に挿すだけでBLE MIDIが実現できるようなドングル装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1などに記載される既存のBLE MIDIのためのドングル装置について、これまで通信性能はあまり重要視されていなかった(指向性、放射効率などの特性の良いアンテナを重要視していなかった)。一方で、アンテナの向きを変えられるようなドングル装置もあるが、ユーザが通信状態を確認しながらアンテナを調整するのは難しく、またアンテナのサイズが大きいため利便性が悪いという課題があった。
【0006】
そこで本開示は、電子楽器と外部の通信装置との良好な通信を実現できる電子楽器用通信装置、電子楽器システム、方法及びプログラムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る電子楽器用通信装置は、Musical Instrument Digital Interface(MIDI(登録商標))データの無線信号を送受信するとともに、オーディオデータの無線信号を受信する無指向性アンテナと、前記MIDIデータと前記無線信号とを相互に変換するとともに、前記無線信号を前記オーディオデータに変換する無線通信モジュールと、前記MIDIデータと或るインターフェース用の信号とを相互に変換するとともに、前記オーディオデータを前記或るインターフェース用の信号に変換する制御装置と、前記MIDIデータを前記或るインターフェース用の信号として電子楽器との間で送受信するとともに、前記オーディオデータを前記或るインターフェース用の信号として前記電子楽器に送信するコネクタと、が配置されている基板を備え、前記コネクタは、前記コネクタの長尺方向が前記基板の基板面に対して略垂直になるように配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、電子楽器と外部の通信装置との良好な通信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るシステム1の概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態にかかる電子楽器10の外観の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態にかかる電子楽器10の制御システム100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4A及び4Bは、一実施形態にかかるドングル20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、一実施形態にかかるデバイス30のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6A及び6Bは、一実施形態に係るドングル20のプリント回路基板(Printed Circuit Board(PCB))レイアウトと、対応するアンテナ放射特性と、の一例を示す図である。
【
図7】
図7A及び7Bは、一実施形態に係るドングル20のPCBレイアウトと、対応するアンテナ放射特性と、の別の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係るドングル20のサイズの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係るドングル20のサイズの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、一実施形態に係るドングル20のサイズの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、一実施形態に係るドングル20のサイズの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、同一の部には同一の符号が付される。同一の部は名称、機能などが同じであるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
(システム)
図1は、一実施形態に係るシステム1の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すシステム1は、電子楽器10と、ドングル20と、デバイス30と、を含む。システム1は、MIDI伝送(又は再生又は実行)システム、電子楽器システムなどと呼ばれてもよい。
【0012】
電子楽器10は、鍵盤、スイッチなどの操作子を介してユーザからの入力を受け付け、演奏などを制御するための装置である。電子楽器10は、MIDIデータなどの演奏情報に応じた音を発生する機能を有する装置であってもよい。当該装置は、電子楽器(電子ピアノ、シンセサイザーなど)であってもよいし、センサなどを搭載して電子楽器相当の機能を有するように構成されたアナログの楽器であってもよいし、演奏のための操作子(鍵盤など)を有しない電子機器(後述のデバイス30と同様の電子機器)であってもよい。なお、本開示において、電子機器は、電子楽器10及びその他の電子機器を包含する名称を意味してもよい。つまり、本開示において、電子楽器10は、電子機器10と互いに読み替えられてもよい。
【0013】
ドングル20は、電子楽器10に接続され、デバイス30との間の直接通信を中継する。本開示では、ドングル20は、電子楽器10の外周に具備されるユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus(USB))端子に接続(装着)されると想定して説明するが、これに限られない。USB以外のインターフェースが用いられる場合は、本開示のUSBは当該インターフェースに関して読み替えて実現されてもよい。ドングル20は、電子楽器用通信装置と呼ばれてもよい。
【0014】
デバイス30は、電子楽器10(又はドングル20)との間で通信を実施する電子機器である。デバイス30は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯端末(移動通信端末)であってもよいし、パソコン(Personal Computer(PC))、サーバ、テレビ、ゲーム機などの固定通信端末であってもよい。つまり、本開示におけるデバイス30は、通信デバイス、通信装置、端末装置などと互いに読み替えられてもよい。
【0015】
<電子楽器>
図2は、一実施形態にかかる電子楽器10の外観の一例を示す図である。電子楽器10は、スイッチ(ボタン)パネル140b、鍵盤140k、ディスプレイ150d、スピーカー150sなどを搭載してもよい。
【0016】
スイッチパネル140bは、音量の指定、音源、音色などの設定、ソング(伴奏)の選曲(伴奏)、ソング再生開始/停止、ソング再生の設定(テンポなど)などを操作するためのスイッチを含んでもよい。
【0017】
鍵盤140kは、演奏操作子としての複数の鍵を有してもよい。鍵は、演奏操作子、音高操作子、音色操作子、直接操作子などと呼ばれてもよい。
【0018】
ディスプレイ150dは、歌詞、楽譜、各種設定情報などを表示してもよい。スピーカー150sは、演奏により生成された音を放音するために用いられてもよい。
【0019】
なお、電子楽器10は、MIDIメッセージ(イベント)及びOpen Sound Control(OSC)メッセージの少なくとも一方を生成したり、変換したりすることができてもよい。また、本開示の「MIDI」は、MIDI1.0規格、MIDI2.0規格及びMIDIを修正/拡張した規格のいずれであってもよい。また、本開示において、MIDIメッセージ及びMIDIデータは、互いに読み替えられてもよい。なお、MIDIメッセージは、1つのコマンドとして機能する複数の(例えば、数バイトの)MIDIデータを意味してもよい。
【0020】
電子楽器10は、有線及び無線(例えば、Long Term Evolution(LTE)、5th generation mobile communication system New Radio(5G NR)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetoothなど)の少なくとも一方を介して、ネットワーク(インターネットなど)と通信してもよい。
【0021】
図3は、一実施形態にかかる電子楽器10の制御システム100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0022】
中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))101、ROM(リードオンリーメモリ)102、RAM(ランダムアクセスメモリ)103、音源104、
図2のスイッチ(ボタン)パネル140bや鍵盤140kが接続されるキースキャナ106、USBインターフェース107、及び
図2のディスプレイ150dの一例としてのLiquid Crystal Display(LCD)が接続されるLCDコントローラ108などが、それぞれシステムバス109に接続されている。
【0023】
CPU101には、演奏を制御するためのタイマ110(カウンタと呼ばれてもよい)が接続されてもよい。タイマ110は、例えば、電子楽器10における自動演奏の進行をカウントするために用いられてもよい。CPU101は、プロセッサと呼ばれてもよく、周辺回路とのインターフェース、制御回路、演算回路、レジスタなどを含んでもよい。
【0024】
CPU101は、RAM103をワークメモリとして使用しながらROM102に記憶された制御プログラムを実行することにより、
図2の電子楽器10の制御動作を実行する。また、ROM102は、上記制御プログラム及び各種固定データのほか、歌データ、伴奏データ、これらを含む曲(ソング)データなどを記憶してもよい。
【0025】
キースキャナ(スキャナ)106は、
図2の鍵盤140kの押鍵/離鍵状態、スイッチパネル140bのスイッチ操作状態などを定常的に走査し、CPU101に割り込みを掛けて状態変化を伝える。
【0026】
LCDコントローラ108は、ディスプレイ150dの一例であるLCDの表示状態を制御するIC(集積回路)である。
【0027】
音源104は、キースキャナ106に基づいてCPU101から入力されるノートオン/オフデータに基づいて、発音すべき(ノートオンの)音に対応するデジタルの音源信号(例えば、楽器音の波形データ)を生成し、Digital to Analog(D/A)コンバータ111に出力する。音源104は、発音する音のエンベロープ制御等の処理を実行してもよい。音源104は、音声合成処理を実行して合成音声の信号を生成してもよい。
【0028】
D/Aコンバータ111は、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換してアンプ112に出力する。アンプ112は、入力信号を増幅し、スピーカー150s又は図示しない出力端子から出力してもよい。
【0029】
USBインターフェース107は、電子楽器10に外部接続端子(例えば、コネクタ)を用いて物理的に接続されるドングル20との間でUSB規格に沿った信号のやり取りを行う。USBインターフェース107は、USBコネクタ(USB接続端子)を含んでもよい。
【0030】
CPU101は、USBインターフェース107から入力された信号がMIDI形式のデータ(MIDIデータ)を含む場合、音源104を用いて再生処理を行ってもよい。また、CPU101は、キースキャナ106から取得されたキー入力情報(例えば、ノートオン/オフ)などに基づいて、MIDIデータを生成してUSBインターフェース107に出力し、ドングル20を介してデバイス30へと送信してもよい。
【0031】
<ドングル>
図4A及び4Bは、一実施形態にかかるドングル20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4Aは、ドングル20のハードウェア構成の概念図である。
図4Aに示すように、ドングル20は、例えば、USBインターフェース部201、RF部202、アンテナ部203などを含んで構成される。なお、本開示の各図面は説明に利用する構成を示したに過ぎず、図示されない電源などの構成を含んでもよいことは当業者には当然理解される。
【0032】
USBインターフェース部201は、電子楽器10のUSBインターフェース107と、RF部202と、の間でUSB規格に沿った信号(例えば、MIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方を含む信号)を中継する。言い換えると、USBインターフェース部201は、RF部で利用する信号とUSB規格に沿った信号とのブリッジ(変換)をする機能を有する。
【0033】
例えば、USBインターフェース部201は、電子楽器10のUSBインターフェース107を介して送信された信号(パケット)から、もとのデータを取得し、RF部202に転送する。また、USBインターフェース部201は、RF部202から転送されたデータを、USBのパケットに含めて電子楽器10のUSBインターフェース107へ送信する。
【0034】
RF部202は、無線通信(例えば、Bluetooth、Wi-Fiなど)を用いた信号の送受信を実現する。
【0035】
RF部202は、USBインターフェース部201から転送された送信するビット列(例えばMIDIデータ)に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform(IFFT))処理、デジタル-アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。RF部202は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、アンテナ部203を介して送信してもよい。
【0036】
一方、RF部202は、アンテナ部203によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。RF部2002は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ-デジタル変換、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))処理、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)などの受信処理を適用し、送信されたデータ(例えばMIDIデータ)を取得し、USBインターフェース部201に転送してもよい。
【0037】
なお、RF部202は、受信した無線信号を送信されたデータに変換する処理と、送信するビット列を無線信号に変換する処理と、を同時に行ってもよい。
【0038】
アンテナ部203は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えば、パターンアンテナ、チップアンテナ、ダイポールアンテナ、オムニアンテナ、ホイップアンテナなどの少なくとも1つから構成することができる。
【0039】
図4Bは、
図4Aの構成の実装の一例を示す。本例では、
図4AのUSBインターフェース部201が、USBコネクタ220及びUSBチップ221によって構成されている。また、
図4AのRF部202が、RFチップ222によって構成されている。また、
図4Aのアンテナ部203が、アンテナ223(パターンアンテナ)によって構成されている。
【0040】
USBコネクタ220は、USBインターフェース用の信号を電子楽器10との間で送受信する。USBチップ221は、データ(例えばMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方)と上記USBインターフェース用の信号とを相互に変換する。
【0041】
RFチップ222は、上記データ(例えばMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方)と無線信号とを相互に変換する。なお、RFチップ222は、無線通信モジュールと呼ばれてもよいし、当該無線信号がBluetoothの信号である場合はBluetoothチップと呼ばれてもよい。アンテナ223は、上記無線信号を送受信する。
【0042】
なお、USBチップ221及びRFチップ222は、それぞれ、制御装置、プロセッサ、CPU、マイクロ制御装置(Micro Controller Unit(MCU))、メモリ制御装置(Memory Control Unit(MCU))などを含んでもよい。
【0043】
なお、本開示において、MIDIと同時に他のデータ(例えば、曲の伴奏についてのオーディオデータ)がUSBインターフェースや無線通信において送受信されてもよい。また、本開示のUSBインターフェース部201は、電子楽器10と接続して通信することが可能な任意のインターフェース部で読み替えられてもよい。この場合、本開示の「USB」は任意のインターフェース部に関する名称で読み替えられてもよく、「USB規格に沿った信号」は、当該任意のインターフェース部が準拠する規格に沿った信号で読み替えられてもよい。
【0044】
<デバイス>
図5は、一実施形態にかかるデバイス30のハードウェア構成の一例を示す図である。デバイス30は、物理的には、プロセッサ301、メモリ302、ストレージ303、通信装置304、入力装置305、出力装置306、バス307などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0045】
デバイス30における各機能は、プロセッサ301、メモリ302などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ301が演算を行い、通信装置304による通信、メモリ302及びストレージ303におけるデータの読み出し及び/又は書き込みなどを制御することによって実現される。
【0046】
プロセッサ301は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ301は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0047】
また、プロセッサ301は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ303及び通信装置304の少なくとも一方からメモリ302に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、本開示の実施形態において説明する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。
【0048】
メモリ302は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ302は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ302は、一実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0049】
ストレージ303は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ303は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0050】
通信装置304は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0051】
入力装置305は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置306は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置305及び出力装置306は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0052】
また、プロセッサ301、メモリ302などの各装置は、情報を通信するためのバス307によって接続される。バス307は、単一のバスによって構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0053】
なお、これらのシステム構成、機器構成は一例であり、これに限られない。例えば、各回路が含まれる数は、これに限られない。各装置は、一部の回路(機構)を含まない構成を有してもよいし、1つの回路の機能が複数の回路により実現される構成を有してもよい。複数の回路の機能が1つの回路により実現される構成を有してもよい。
【0054】
また、電子楽器10、ドングル20、デバイス30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、CPU101は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0055】
なお、ここまでで述べたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線によって接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0056】
例えば、プロセッサ301は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、各機能ブロックは、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0057】
(ドングルの物理的構成)
本開示の一実施形態に係るドングル20の物理的構成について、以下で説明する。
【0058】
<プリント回路基板レイアウト>
図6A及び6Bは、一実施形態に係るドングル20のプリント回路基板(Printed Circuit Board(PCB))レイアウトと、対応するアンテナ放射特性と、の一例を示す図である。以降の図面において、PCBレイアウトは概略図であって、説明に用いない配線などについては記載を省略している。
【0059】
図6Aでは、PCB210は、基板面(部品面)211がUSBコネクタ220(又はUSBコネクタ220の挿入方向、言い換えるとUSBコネクタ220の長尺(又は長辺又は長面)方向)に対して水平になるように配置されている。本開示において、USBコネクタ220の挿入方向は、USBコネクタ220の延びる方向と互いに読み替えられてもよい。なお、USBコネクタ220(から延びる配線)は、部品面211に接続されるため、USBコネクタ220は部品面211に配置されると表現されてもよい。
【0060】
また、USBインターフェース部201を実装するUSBチップ221と、RF部202を実装するRFチップ222と、アンテナ部203を実装するアンテナ223と、はPCB210の部品面211に配置される。つまり、アンテナ223は、USBコネクタ220(又はUSBコネクタ220の挿入方向)に対して水平に伸びている。なお、
図4のUSBインターフェース部201は、USBチップ221及びUSBコネクタ220によって構成されてもよい。
【0061】
図6AのPCBレイアウト構造を採用すると、例えばアンテナ223にパターンアンテナなどを用いる場合には、
図6Bに示すように、USBコネクタ220の挿入方向に対してドーナツ状に電波が放射されるため、電子楽器10の水平方向(例えば、前後方向)に比べて垂直方向にアンテナ223の指向性(放射特性)を高めることができる。
【0062】
なお、本開示において、XがYに垂直であることは、完全に垂直であることを意味してもよいし、略垂直であることを意味してもよい。ここで、Xは、物体又は当該物体の特定の面であってもよく、YはXとは別の物体又は当該物体の特定の面であってもよい。なお、XがYに完全に垂直であることは、X(の特定の面)の法線とY(の特定の面)の法線とがなす角度が90°であることを意味してもよく、XがYに略垂直であることは、X(の特定の面)の法線とY(の特定の面)の法線とがなす角度が90-Z°から90+Z°の範囲にあることを意味してもよい(例えば、Zは0.5、1、2、5、10、20などであってもよい)。
【0063】
図6Aの構成によれば、電子楽器10本体の垂直方向に対して、良好な通信特性が得られる。
【0064】
一方、
図1のシステムにおいて、デバイス30(を持ったユーザ)は、通常は電子楽器10と水平方向に位置することが想定される。そこで、本発明者らは、アンテナ(例えば、パターンアンテナ)の放射特性を考慮して、USBコネクタに対するPCBの配置の垂直化を着想した。
【0065】
図7A及び7Bは、一実施形態に係るドングル20のPCBレイアウトと、対応するアンテナ放射特性と、の別の一例を示す図である。
【0066】
図7Aでは、PCB210は、基板面(部品面)211がUSBコネクタ220(又はUSBコネクタ220の挿入方向、言い換えるとUSBコネクタ220の長尺(又は長辺又は長面)方向)に対して垂直になるように配置されている。なお、USBコネクタ220(から延びる配線)は、部品面211に接続されるため、USBコネクタ220は部品面211に配置されると表現されてもよい。
【0067】
また、USBインターフェース部201を実装するUSBチップ221と、RF部202を実装するRFチップ222と、アンテナ部203を実装するアンテナ223と、はPCB210の部品面211に配置される。つまり、アンテナ223は、USBコネクタ220(又はUSBコネクタ220の挿入方向)に対して垂直に伸びている。
【0068】
図7AのPCBレイアウト構造を採用すると、例えばアンテナ223にパターンアンテナなどを用いる場合には、
図7Bに示すように、USBコネクタ220の挿入方向と垂直方向に対してドーナツ状に電波が放射されるため、電子楽器10の垂直方向に比べて水平方向(例えば、前後方向)にアンテナ223の指向性(放射特性)を高めることができる。
【0069】
図7Aの構成によれば、電子楽器10本体の水平方向に対して、良好な通信特性が得られる。
【0070】
なお、
図6A、
図7Aに示したように、PCB210の長尺(又は長辺又は長面)方向の一端側にアンテナ223を備え、他端側にUSBコネクタ220を備えることが好ましい。
【0071】
なお、本開示のアンテナ部203(アンテナ223)は、パターンアンテナ、オムニアンテナなどのような無指向性アンテナ(言い換えると、アンテナが延びる方向に対する垂直面内の全方向に、電波を均一レベルで放射する又は送受信できるアンテナ)で実現されてもよい。
【0072】
<ドングルの大きさ>
ドングル20(の特にアンテナ部203)のサイズが大きいと、放射特性や通信品質の向上が期待できる。一方で、ドングル20があまりに大きいと、電子楽器10に接続されるドングル20に人/物が衝突して衝撃を受け、破損しやすくなることが懸念される。そこで、本発明者らは、ドングル20の大きさについて検討した。
【0073】
図8は、一実施形態に係るドングル20のサイズの一例を示す図である。本例では、ドングル20は電子楽器10の後方(鍵盤140kがある方を前方とした場合)に接続されると想定して説明する。
【0074】
また、本例では、電子楽器10に取り付け可能な譜面立て40が図示されている。譜面立て40は、譜面を支える譜面受け部401と、譜面の面部分が置かれる譜面載置部402と、を含んで構成される。なお、譜面受け部401は、譜面立て40の底面と呼ばれてもよいし、譜面載置部402は、譜面立て40の側面と呼ばれてもよい。
【0075】
本例では、
図7AのようなL字型のドングル20について、例えば、USBコネクタ220の差し込み量(USB差込み量と呼ばれてもよい)が10.7mm(ミリメートル)、ドングル20のUSBコネクタ220に対する垂直面(電子楽器10に近い側)と電子楽器10の背面との距離が6.2mm、ドングル20の垂直部分(PCB210などを含む)の厚み(ドングル厚みと呼ばれてもよい)が8.4mmと仮定する。また、USBコネクタ220の接続部分の厚み(コネクタ接続部分の厚みと呼ばれてもよい)は、ドングル厚みと同じと仮定する。
【0076】
電子楽器10に接続されているドングル20の最も上側の点(又は面)は、電子楽器10の後方の上辺170から延びる、譜面受け部401と水平な面以下の高さに位置することが好ましい。このように構成することで、譜面立て40に対するドングル20の逃げ(間隔)を好適に確保できる。
【0077】
電子楽器10に接続されているドングル20の最も下側の点(又は面)は、電子楽器10の後方の接地部分(足)180と、電子楽器10を後方に傾けたときに最初に接地する電子楽器10の後方の辺(背面部分)190と、に水平な面以上の高さに位置することが好ましい。なお、この面は、例えば地面に対して45°の角度を有してもよい。このように構成することで、電子楽器10を後方に傾けたときのドングル20の逃げ(間隔)を好適に確保できる。
【0078】
これらの逃げがあることによって、電子楽器10を動かしたり、電子楽器10の背面近くを誰かが通過したりする際でも、当該電子楽器10に接続されるドングル20が何かに触れる可能性が低くなり、衝撃/破損を好適に回避できる。
【0079】
図8に示すように、ドングル20の垂直部分の最も上側の面は、USBコネクタ220の中心の高さに対して長さ501(例えば、27mm)上までの高さを有してもよい。
【0080】
図9は、一実施形態に係るドングル20のサイズの一例を示す図である。
図8と同様の点については、説明を繰り返さない。
図9は、ドングル20が天地反対に接続される点が
図8とは異なる。この場合、ドングル20の垂直部分の最も下側の面は、USBコネクタ220の中心の高さに対して長さ502(例えば、19mm)下までの高さを有してもよい。
【0081】
図10は、一実施形態に係るドングル20のサイズの一例を示す図である。
図8と同様の点については、説明を繰り返さない。
図10は、ドングル20の持ちやすさやデザイン性などを考慮して、ドングル20の水平部分を限界まで伸ばした点が
図8とは異なる。この場合、ドングル20の垂直部分の最も上側の面は、USBコネクタ220の中心の高さに対して長さ503(例えば、23mm)上までの高さを有してもよい。
【0082】
図11は、一実施形態に係るドングル20のサイズの一例を示す図である。
図8と同様の点については、説明を繰り返さない。
図10は、
図6Aのような直線型のドングル20が用いられる点が
図8とは異なる。この場合、ドングル20の先端部分の最も下側の面は、電子楽器10の後方の接地部分(足)180と、電子楽器10を後方に傾けたときに最初に接地する電子楽器10の後方の辺(背面部分)190と、を結んだ直線と水平な面(水平線から上方45°の面)以上の高さに位置する。
【0083】
なお、
図8-11で示した各長さは一例であって、これらに限定されない。
【0084】
(変形例)
上述の実施形態では、電子楽器10がキーボードのような鍵盤楽器である例を示したが、これに限られない。電子楽器10は、ユーザの操作によって発音のタイミングを指定できる構成を有する機器であればよく、エレクトリックヴァイオリン、エレキギター、ドラム、ラッパなどであってもよい。
【0085】
また、電子楽器10は、いわゆる楽器(キーボードなど)に限られず、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、パソコン(Personal Computer(PC))、テレビなどで読み替えられてもよい。
【0086】
なお、
図1や
図8-11では、ドングル20は電子楽器10の後方(鍵盤140kがある方を前方とした場合)に接続されるものとしたが、これに限られない。ドングル20は、電子楽器10の前方又は側面のUSBコネクタに接続されてもよい。この場合、
図8-11の説明における「後方」は、前方や側面で読み替えられてもよい。なお、本開示に置いて、「側面」は、前方側面、後方側面、横方向の側面のいずれでも(つまり、任意の側面で)読み替えることができる。
【0087】
また、
図8-11の説明における譜面立て40は、電子楽器10に接続される任意の物体であってもよく、譜面受け部401及び譜面載置部402は、それぞれ当該物体の底面及び側面で読み替えられてもよい。
【0088】
以上説明したように、本開示のドングル20を用いることによって、電子楽器10及びデバイス30の良好な通信を実現できる。
【0089】
なお、電子楽器用通信装置(ドングル20)は、無線信号を送受信するアンテナ(アンテナ部203/アンテナ223)と、データと前記無線信号とを相互に変換する無線通信モジュール(RF部202/RFチップ222)と、前記データと或るインターフェース用の信号とを相互に変換する制御装置(USBインターフェース部201/USBチップ221)と、前記或るインターフェース用の信号を電子楽器との間で送受信するコネクタ(USBコネクタ220)と、が配置されている基板(PCB210)を備え、前記コネクタは、前記コネクタの長尺方向が前記基板の基板面(基板面/部品面211)に対して略垂直になるように配置されてもよい。このような構成によれば、デバイス30と通信できるドングル20を、電子楽器10に容易に接続及び取り外しでき、USBコネクタ220が接続する電子楽器10の垂直方向に比べて水平方向に対して、上記アンテナの指向性(放射特性)を高めることができる。
【0090】
また、電子楽器用通信装置(ドングル20)は、無線信号を送受信するアンテナ(アンテナ部203/アンテナ223)と、データと前記無線信号とを相互に変換する無線通信モジュール(RF部202/RFチップ222)と、前記データと或るインターフェース用の信号とを相互に変換する制御装置(USBインターフェース部201/USBチップ221)と、前記或るインターフェース用の信号を電子楽器との間で送受信するコネクタ(USBコネクタ220)と、が配置されている基板(PCB210)を備え、前記無線通信モジュールは、端末装置(デバイス30)より送信され前記アンテナを介して受信される無線信号をMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方に変換するとともに、前記電子楽器から送信されるMIDIデータを前記アンテナを介して前記端末装置に送信するために無線信号に変換してもよい。このような構成によれば、例えば、電子楽器に内蔵されていない曲のMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方を外部の端末装置より電子楽器用通信装置を介して電子楽器が取得し、電子楽器は取得される曲のMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方に基づいて発音する一方で、発音中に、ユーザによる電子楽器の演奏に応じて電子楽器が生成するMIDIデータを端末装置に送信し、端末装置ではユーザの演奏を評価(採点)するといったレッスンシステムを提供できる。
【0091】
また、ドングル20は、前記基板の長尺方向の一端側に前記アンテナを備え、他端側に前記コネクタを備えてもよい。このような構成によれば、アンテナが無線信号を送受信可能な範囲を、コネクタと接続される電子楽器10から見てできるだけ広くすることができる。
【0092】
また、前記或るインターフェース用の信号は、USB信号を含んでもよい。このような構成によれば、ドングル20はMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方と、USB信号と、の好適な変換を実現できる。
【0093】
また、前記コネクタは、前記電子楽器の外周のいずれかに装着されてもよい。このような構成によれば、ドングル20は電子楽器10に対して適切に物理的に接続される。
【0094】
また、電子楽器システム1が、上述の電子楽器用通信装置と、前記電子楽器用通信装置を介して取得されるMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方に基づいて発音するスピーカー(スピーカー150s)を含む前記電子楽器と、を備えてもよい。
【0095】
なお、電子楽器用通信装置の少なくとも1つのプロセッサ(USBチップ221及びRFチップ222に含まれるプロセッサ)が、端末装置より送信されアンテナを介して受信される無線信号をMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方に変換するとともに、電子楽器から送信されるMIDIデータを前記アンテナを介して前記端末装置に送信するために無線信号に変換し、前記MIDIデータ及び前記オーディオデータの少なくとも一方と或るインターフェース用の信号とを相互に変換し、前記或るインターフェース用の信号を電子楽器との間で送受信させる、処理を実行してもよい。
【0096】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0097】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0098】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0099】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0100】
本開示の「A/B」は、「A及びBの少なくとも一方」を意味してもよい。
【0101】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0102】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、通信装置、電子楽器システム、方法及びプログラムに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
しかしながら、特許文献1などに記載される既存のBLE MIDIのためのドングル装置について、MIDIデータ及びオーディオデータを取り扱うことはできなかった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
そこで本開示は、電子楽器と外部の通信装置との良好な通信を実現できる通信装置、電子楽器システム、方法及びプログラムを提供することを目的の1つとする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示の一態様に係る通信装置は、MIDIデータ及びオーディオデータの無線信号を受信し、前記MIDIデータの無線信号を或るインターフェース用のMIDIデータに変換するとともに、前記オーディオデータの無線信号を前記或るインターフェース用のオーディオデータに変換し、前記或るインターフェース用の信号を電子機器に送信する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MIDIデータ及びオーディオデータの無線信号を受信し、
前記MIDIデータの無線信号を或るインターフェース用のMIDIデータに変換するとともに、前記オーディオデータの無線信号を前記或るインターフェース用のオーディオデータに変換し、
前記或るインターフェース用の信号を電子機器に送信する、
通信装置。
【請求項2】
前記無線信号は、Bluetooth(登録商標)に対応している、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記或るインターフェース用の信号は、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus(USB))信号を含む、
請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記或るインターフェース用の信号を前記電子機器に送信するコネクタを備え、
前記コネクタの長尺方向が、基板の基板面に対して略垂直になるように配置されている、
請求項1乃至3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
前記基板にパターンアンテナを備える、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の通信装置と、
前記通信装置を介して取得されるMIDIデータ及びオーディオデータの少なくとも一方に基づいて発音するスピーカーを含む電子楽器と、
を備える電子楽器システム。
【請求項7】
通信装置が、
MIDIデータ及びオーディオデータの無線信号を受信し、
前記MIDIデータの無線信号を或るインターフェース用のMIDIデータに変換するとともに、前記オーディオデータの無線信号を前記或るインターフェース用のオーディオデータに変換し、
前記或るインターフェース用の信号を電子機器に送信する、
処理を実行する方法。
【請求項8】
通信装置に、
MIDIデータ及びオーディオデータの無線信号を受信し、
前記MIDIデータの無線信号を或るインターフェース用のMIDIデータに変換するとともに、前記オーディオデータの無線信号を前記或るインターフェース用のオーディオデータに変換し、
前記或るインターフェース用の信号を電子機器に送信する、
処理を実行させるプログラム。