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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100955
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ベビーカー及びその側座布部
(51)【国際特許分類】
   B62B 7/08 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B62B7/08
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024084139
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2023102285の分割
【原出願日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202221578873.7
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211505490.1
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ウー▼波
(72)【発明者】
【氏名】李文豪
(57)【要約】
【課題】側座布部がベビーカーのフレームの折り畳み時に正しい折り畳み方式で折り畳むことができるベビーカー及びその側座布部の提供。
【解決手段】本発明は、ベビーカー及びその側座布部に関する。ベビーカーの側座布部は、対向する内側布及び外側布を含む布袋と、前記布袋内に包まれ、前記内側布と前記外側布との間に位置する折り畳み板であって、枢動可能に接続された第1板及び第2板を含み、前記ベビーカーのフレームが展開状態にある場合に、展開状態にある折り畳み板とを含む。前記折り畳み板が前記展開状態にある場合に、前記折り畳み板は、前記第1板と前記第2板との間にあるスリットを有し、前記第1板の内側面と前記第2板の内側面が前記スリットによって区切られ、前記折り畳み板が前記展開状態から前記折り畳み状態に切り換えられる場合に、前記スリットの2つの側壁は、前記第1板の内側面と前記第2板の内側面が互いに近づくことを阻止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベビーカーの側座布部であって、
対向する内側布及び外側布を含む布袋と、
前記布袋内に包まれ、前記内側布と前記外側布との間に位置する折り畳み板であって、枢動可能に接続された第1板及び第2板を含み、前記ベビーカーのフレームが展開状態にある場合に、展開状態にある折り畳み板と、を含み、
前記折り畳み板が前記展開状態にある場合に、前記折り畳み板は、前記第1板と前記第2板との間にあるスリットを有し、前記第1板の内側面と前記第2板の内側面が前記スリットによって区切られ、
前記折り畳み板が前記展開状態から折り畳み状態に切り換えられる場合に、前記スリットの2つの側壁は、前記第1板の内側面と前記第2板の内側面が互いに近づくことを阻止する、
ことを特徴とするベビーカーの側座布部。
【請求項2】
前記スリットの幅は前記第1板の厚さと前記第2板の厚さとの和よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載のベビーカーの側座布部。
【請求項3】
前記第1板の外側面と前記第2板の外側面とが互いに近づくように促進する傾向を有する補助装置をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のベビーカーの側座布部。
【請求項4】
前記補助装置は弾性部材を含み、前記弾性部材は、第1端が前記第1板の外側面に接続され、第2端が前記第2板の外側面に接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載のベビーカーの側座布部。
【請求項5】
前記折り畳み板は一体成形品であり、前記スリットは前記折り畳み板の内側面にあり、且つ前記スリットの深さが前記折り畳み板の厚さよりも小さく、前記第1板と前記第2板は、前記スリットの底壁を介して枢動可能に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のベビーカーの側座布部。
【請求項6】
少なくとも1つの枢着部材をさらに含み、前記第1板の外側面及び前記第2板の外側面は、それぞれ前記枢着部材に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のベビーカーの側座布部。
【請求項7】
枢動軸をさらに含み、前記第1板と前記第2板は前記枢動軸によって接続され、
前記補助装置は、前記枢動軸に外装されたねじりバネを含み、前記ねじりバネの2つのバネアームは、前記第1板及び前記第2板にそれぞれ接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載のベビーカーの側座布部。
【請求項8】
前記布袋内に設けられたパッドをさらに含み、前記パッドは前記外側布に接続され、前記第1板及び前記第2板はいずれも前記パッドに接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のベビーカーの側座布部。
【請求項9】
フレームと、
前記フレームによって支持される座布と、を含むベビーカーであって、
前記座布は、シート部と、前記シート部に接続された背もたれ部と、前記背もたれ部の両側に設けられた2つの翼部と、前記2つの翼部にそれぞれ接続された請求項1から8のいずれか1項に記載の側座布部と、を含む、
ことを特徴とするベビーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2022年6月22日に中国特許局に提出された、出願番号が2022215788737、発明名称が「ベビーカー及びその側座布部」である中国特許出願、及び2022年11月28日に中国特許局に提出された、出願番号が2022115054901、発明名称が「ベビーカー及びその側座布部」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容全体が参照により本発明に組み込まれる。本発明は、ベビーカー及びその側座布部に関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカーは、フレームと、フレームによって支持される座布とを含む。多くのベビーカーのフレームは、展開状態及び折り畳み状態を提供することができ、展開状態では、座布が展開して子供が乗るためのスペースが形成され、折り畳み状態では、ベビーカーの収納のために、座布がフレームとともに折り畳まれる。
【0003】
典型的なベビーカーの座布は、シート部、背もたれ部及び2つの側座布部を含む。しかしながら、フレームを折り畳む場合に、座布の材質は一般的に柔らかいため、折り畳み姿勢を把握することが難しく、側座布部は、その中部が座布の左右両側に外へ凸となる方式で折り畳まれるおそれがある。外へ突出する側座布部は、フレームの折り畳み姿勢に影響し、ユーザの操作に不便が生じる一方、不要なシワが形成され、外観に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、側座布部がベビーカーのフレームの折り畳み時に正しい折り畳み方式で折り畳むことができるベビーカー及びその側座布部を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ベビーカーの側座布部は、対向する内側布及び外側布を含む布袋と、前記布袋内に包まれ、前記内側布と前記外側布との間に位置する折り畳み板であって、枢動可能に接続された第1板及び第2板を含み、前記ベビーカーのフレームが展開状態にある場合に、展開状態にある折り畳み板と、前記ベビーカーのフレームが折り畳まれる時に、前記折り畳み板が前記展開状態から折り畳み状態に切り換えられるように、前記第1板の外側面と前記第2板の外側面とが互いに近づくように促進する補助装置と、を含む。
【0006】
上記の側座布部が補助装置を含むため、ベビーカーのフレームが折り畳まれる時に、補助装置は、第1板の外側面及び第2板の外側面が互いに近づくように促進し、折り畳み板を正しい折り畳み方式で折り畳み状態に切り換えて、側座布部が正しい方式で折り畳まれるように駆動し、折り畳み後の側座布部が左右両側に外へ凸となることによるフレームの折り畳み不良及び座布のシワ生成という問題を効果的に回避することができる。
【0007】
一実施例において、前記折り畳み板にはスルーホールが設けられる。
【0008】
一実施例において、前記折り畳み板が前記展開状態にある場合に、前記折り畳み板は、前記第1板と前記第2板との間にあるスリットを有し、前記第1板の内側面と前記第2板の内側面が前記スリットによって区切られ、前記折り畳み板が前記展開状態から前記折り畳み状態に切り換えられる場合に、前記スリットの2つの側壁は、前記第1板の内側面と前記第2板の内側面が互いに近づくことを阻止する。
【0009】
一実施例において、前記スリットの幅は前記第1板の厚さと前記第2板の厚さとの和よりも小さく、例えば、前記スリットの幅は2ミリメートル以下である。
【0010】
一実施例において、前記補助装置は弾性部材を含み、前記弾性部材は、第1端が前記第1板の外側面に接続され、第2端が前記第2板の外側面に接続される。
【0011】
一実施例において、前記弾性部材は、引張りばね、ねじりバネ又はエラスティックバンドである。
【0012】
一実施例において、前記折り畳み板は一体成形品であり、前記スリットは前記折り畳み板の内側面にあり、且つ前記スリットの深さが前記折り畳み板の厚さよりも小さく、前記第1板と前記第2板は、前記スリットの底壁を介して枢動可能に接続される。
【0013】
一実施例において、ベビーカーの側座布部は、少なくとも1つの枢着部材をさらに含み、前記第1板の外側面及び前記第2板の外側面は、それぞれ前記枢着部材に接続され、前記スリットは前記第1板と前記第2板との間に形成される。
【0014】
一実施例において、ベビーカーの側座布部は、枢動軸をさらに含み、前記第1板と前記第2板は前記枢動軸によって接続され、前記補助装置は、前記枢動軸に外装されたねじりバネを含み、前記ねじりバネの2つのバネアームは、前記第1板及び前記第2板にそれぞれ接続される。
【0015】
一実施例において、ベビーカーの側座布部は、前記布袋内に設けられたパッドをさらに含み、前記パッドは前記外側布に接続され、前記第1板及び前記第2板はいずれも前記パッドに接続される。
【0016】
ベビーカーは、フレームと、前記フレームによって支持される座布とを含み、前記座布は、シート部と、前記シート部に接続された背もたれ部と、前記背もたれ部の両側に設けられた2つの翼部と、前記2つの翼部にそれぞれ接続された上記の側座布部と、を含む。
【0017】
以下、本発明の実施例における技術的解決策をより明確に説明するために、本発明の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下に説明される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、これらの図面に基づいて創造的な努力なしに他の図面を得ることができることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施例で提供されるベビーカーの斜視図である。
図2図1に示すベビーカーの、展開状態にあるフレームの斜視図である。
図3図1に示すベビーカーの、折り畳み状態にあるフレームの斜視図である。
図4】一実施例で提供される展開状態にあるフレームによって支持される座布の概略図である。
図5図4におけるE-E線に沿う断面図である。
図6】一実施例で提供される展開状態にある折り畳み板の正面図である。
図7図6におけるF-F線に沿う断面図である。
図8】一実施例で提供される折り畳み板が折り畳まれる時の平面図である。
図9】一実施例で提供される展開状態にある別の折り畳み板の正面図である。
図10図9におけるG-G線に沿う断面図である。
図11】一実施例で提供される折り畳み板の折り畳み時の平面図である。
図12】一実施例で提供されるベビーカーの側座布部の正面図である。
図13図12におけるI-I線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の理解を容易にするために、以下、関連図面を参照して本発明をより全面的に説明する。図面には、本発明の好ましい実施例が示されている。しかし、本発明は多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載される実施例に限定されるものではない。逆に、これらの実施例を提供する目的としては、本発明の開示内容をより徹底的且つ包括的に理解することである。
【0020】
なお、一方の素子が他方の素子に「固定して設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよく、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」及び類似する表現は、説明のためのものに過ぎない。
【0021】
特に定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学的用語は当業者が一般的に理解する意味と同じである。本明細書に使用される用語は具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は一つ又は複数の関連する列挙される項目の任意及び全ての組み合わせを含む。
【0022】
図1を参照すると、一実施例で提供されるベビーカーは、フレーム200と、フレーム200によって支持される座布100とを含む。座布100は、一実施例で提供される側座布部1Aを有する。
【0023】
図2及び図3を参照すると、いくつかの実施例において、フレーム200は、前輪フレーム2A、後輪フレーム2B、プッシャー2C、背もたれ枠2D、アームレスト2E、シートフレーム2F、サンシェードフレーム2Gを含んでもよい。これらの部材の接続関係については、関連技術を参照することができるため、ここで繰り返し説明しない。これらの部材の間の位置関係については、フレーム200が図2に示す展開状態及び図3に示す折り畳み状態を具備するように、使用需要に応じて変更することができる。いくつかの代替実施例において、フレーム200は他の実施形態を有しても良い。
【0024】
再び図1を参照すると、いくつかの実施例において、座布100は、シート部1B、背もたれ部1C、2つの翼部1D、2つの側座布部1A、サンシェード1Eを含んでもよい。シート部1Bは主にシートフレーム2Fによって支持され、背もたれ部1Cは主に背もたれ枠2Dによって支持され、サンシェード1Eは主にサンシェードフレーム2Gによって支持される。背もたれ部1Cは、シート部1Bの後端に接続される。2つの翼部1Dは背もたれ部1Cの左右両側に設けられ、2つの翼部1Dの下縁は、背もたれ部1Cの左右の縁にそれぞれ接続され、2つの翼部1Dの頂部及び背もたれ部1Cの頂部は、サンシェード1Eに接続されてもよい。2つの側座布部1Aはほぼ扇形を呈し、シート部1Bの左右両側にそれぞれ設けられる。各側座布部1Aは、一辺がシート部1Bの左側又は右側の縁に接続され、他方の辺が対応する左側又は右側の翼部1Dに接続される。2つの翼部1D及び2つの側座布部1Aは、子供の左右可動範囲を制限する一方、子供の体とフレームとの衝突を緩衝することができる。いくつかの代替実施例において、座布100は他の実施形態を有しても良い。
【0025】
なお、特に明確な規定や限定がない限り、本発明の実施例における「前」、「後」、「左」、「右」等の方向用語は、ベビーカーが正常使用状態(展開状態)時の方向を基準とするものであり、且つ図面において矢印L、Rで「左」、「右」の方向を概略的に示し、矢印Q、Nで「前」、「後」の方向を概略的に示す。これらの方向用語は、本発明の実施例の説明をより明確化するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を不当に限定するものではない。
【0026】
図3及び図4を参照すると、フレーム200を折り畳む時に、背もたれ枠2Dはシートフレーム2Fに近づき、背もたれ部1Cはシート部1Bに対して矢印Tに示す方向に沿って回転し、背もたれ部1Cとシート部1Bとを互いに近づくように折り畳む。それぞれの側座布部1Aは対応して折り畳まれることによって、それぞれの翼部1Dが折り畳まれる。
【0027】
図4から図8を参照すると、一実施例で提供される側座布部1Aの構成が示される。この側座布部1Aは、フレームの折り畳み時に、主動的に正しい折り畳み方式に応じて折り畳むことができる(図4に示すように、それぞれの側座布部1Aの中部は、座布の縦方向の中心軸S-Sへ突出する)。本明細書でベビーカーの右側にある側座布部1Aを例として詳細に説明するが、左側の側座布部1Aと右側の側座布部1Aは座布の縦方向の中心軸S-Sに対してほぼ対称であることが理解される。
【0028】
図5及び図6を参照すると、いくつかの実施例において、側座布部1Aは、布袋1、折り畳み板2及び補助装置3を含む。布袋1は、対向する内側布11と外側布12を含み、内側布11は外側布12よりも座布の縦方向の中心軸S-Sに近い(図4を参照)。折り畳み板2は、布袋1内に包まれ、内側布11と外側布12との間に位置する。折り畳み板2は、枢動可能に接続された第1板21と第2板22を含む。ベビーカーのフレーム200が展開状態にある場合に、折り畳み板2は図6に示す展開状態にある。いくつかの実施例において、展開状態の折り畳み板2の形状は、布袋1を扇形となるように支えるように布袋1の形状と互いに合わせてもよい。
【0029】
図8を参照すると、ベビーカーのフレーム200が折り畳まれる時に、第1板21及び第2板22は、折り畳み板2が展開状態から折り畳み状態に切り換えられるように、相対的に回動することができる。折り畳み板2は、折り畳み時に外側布12と内側布11がともに折り畳まれるように駆動して、側座布部1Aを折り畳み状態に切り換える。これと同時に、補助装置3は、第1板21の外側面212及び第2板22の外側面222が互いに近づくように促進し、折り畳み板2を折り畳み状態に切り換えて、側座布部1Aが正しい方式で折り畳まれるように駆動し、折り畳み後の側座布部1Aが左右両側に外へ凸となることによるフレームの折り畳み不良及び座布のシワ生成という問題を効果的に回避することができる。
【0030】
図5から図8を参照すると、折り畳み板2及び補助装置3の一例が示される。折り畳み板2は、一体成形品であってもよく、例えば一定の硬さを有するプラスチック板である。プラスチック板の材質としては、例えばPE又はPP等の適当な材質であってもよい。図7を参照すると、折り畳み板2の内側面(即ち、内側布11に向く側面)に、例えば切断によって1本のスリット23が形成される。スリット23の延び方向は、ほぼ背もたれ部1Cがシート部1Bに対して回動する軸線に垂直である。このスリット23の深さH1は、折り畳み板2の厚さH2よりも小さく、つまり、スリット23は、折り畳み板2の外側面まで貫通しない。
【0031】
いくつかの実施例において、折り畳み板2の内側面を、切断線に沿って直接的にナイフでカットして、その切断線に前述したスリット23を形成してもよい。他のいくつかの実施例において、レーザー光により折り畳み板2の内側面に一定の幅を有するスリット23を加工してもよい。もちろん、別のいくつかの実施例において、このスリット23は、折り畳み板2の成形中に折り畳み板2とともに製造されるものであってもよい。図7を参照すると、このスリット23は、折り畳み板2を第1板21と第2板22に分け、つまり、第1板21の内側面211と第2板22の内側面221はスリット23によって区切られる。
【0032】
図7及び図8を参照すると、いくつかの実施例において、第1板21と第2板22は、このスリット23の底壁231を介して枢動可能に接続される。スリット23のサイズを合理的に設定することにより、折り畳み板2が正しくない方式で折り畳まれることを回避し、折り畳み板2が正しい方式で折り畳まれるように促進することができる。例えば、スリット23の幅Wはその深さH1よりも遥かに小さくてもよい。このようにして、折り畳み板2の折り畳み時に、スリット23の両側の側壁232は当接することで、第1板21の内側面211と第2板22の内側面221とが互いに近づくことを阻止し、これにより、折り畳み板2が第1板21の外側面212と第2板22の外側面222とが互いに近づくような正しい折り畳み方式で折り畳まれることを促進する。いくつかの実施例において、スリット23の幅Wは2ミリメートル以下であってもよい。
【0033】
図8を参照すると、いくつかの実施例において、補助装置3は弾性部材であってもよい。この弾性部材は第1端31が第1板21の外側面212に接続され、第2端32が第2板22の外側面222に接続される。図6を参照すると、折り畳み板2が展開状態にある場合に、弾性部材は伸長状態にある。フレーム200が折り畳まれる時に、弾性部材はリセットし、折り畳み板2を正しい方式で折り畳むように補助的に引っ張る。いくつかの実施例において、弾性部材は、引張りばね又はエラスティックバンドであってもよいが、もちろん、弾性部材の実施形態は上記例に限られない。また、弾性部材の両端は任意の適当な方式(例えばリベット締め)で第1板21の外側面212及び第2板22の外側面222に接続されてもよい。いくつかの実施例において、補助装置3は、折り畳み板2とともに布袋1内に位置してもよい。いくつかの代替実施例において、補助装置3は布袋1の外部であってもよい。
【0034】
さらに図6を参照すると、いくつかの実施例において、折り畳み板2には複数のスルーホール20が設けられてもよい。このように、折り畳み板2の重量を低減させるとともに、側座布部1Aの通気性を増加することができる。
【0035】
図9から図11を参照すると、折り畳み板2の他の実施例が示される。この折り畳み板2の第1板21及び第2板22は2つの分離する板材である。第1板21及び第2板22は、一定の硬さを有するプラスチック板であってもよく、プラスチック板の材質は、例えばPE又はPP等の適当な材質である。第1板21及び第2板22は、少なくとも1つの枢着部材4によって接続され、枢着部材4は、折り畳み板2の外側面(すなわち外側布12に向く側面)に近く設けられる。例えば、一実施例において、この枢着部材4は、細長い部材であってもよく、この細長い部材は、布またはアルミニウム箔などの材料で製造されてもよく、溶接、接着、リベット留めなどの適当な方式で第1板21の外側面212および第2板22の外側面222に接続されてもよい。
【0036】
図10を参照すると、折り畳み板2が展開状態にある場合に、第1板21と第2板22との間にはスリット23が形成される。上述における説明を参照すると、スリット23の幅W、第1板21の厚さH3、第2板22の厚さH4のサイズを合理的に設定することによって、折り畳み板2が正しくない方式で折り畳まれることを回避し、折り畳み板2が正しい方式で折り畳まれることを促進することができる。例えば、スリット23の幅Wは、第1板21の厚さH3と第2板22の厚さH4との和よりも小さい。このようにして、折り畳み板2の折り畳み時に、スリット23の両側の側壁232は互いに当接して、第1板21の内側面211と第2板22の内側面221とが互いに近づくことを阻止することができ、これにより、折り畳み板2が第1板21の外側面212と第2板22の外側面222とが互いに近づくような正しい折り畳み方式で折り畳まれることを促進する。
【0037】
枢着部材4の実施形態はたくさんの種類があるが、上記例に限定されないことが理解され得る。例えば、いくつかの代替実施例において、枢着部材4は、複数のヒンジであってもよい。より詳しくは、複数のヒンジは、スリット23に沿って間隔をあけて設けられ、各ヒンジの2つの羽根は、第1板21の外側面212及び第2板22の外側面222にそれぞれ接続される。
【0038】
他のいくつかの示されていない実施例において、折り畳み板2の第1板21及び第2板22は2つの分離する板材であり、第1板21及び第2板22は枢動軸によって接続されてもよい。補助装置3は、枢動軸に外装されたねじりバネを含み、ねじりバネの2つのバネアームは、第1板21及び第2板22にそれぞれ接続され、この場合に、補助装置3は、上記の引張りばね又はエラスティックバンドを含まなくてもよい。折り畳み板2が展開状態にある場合に、ねじりバネはねじられて変形する。フレーム200が折り畳む場合に、ねじりバネはリセットし、折り畳み板2を正しい方式で折り畳むように補助的に引っ張る。
【0039】
なお、いくつかの示されていない実施例において、第1板21及び第2板22は、布袋1の外側布12に直接または間接的に縫い付けられてもよい。このように、折り畳み板2が布袋1内で勝手に移動することによって折り畳み板2の折り畳みに不都合が生じることを回避することができる。これにより、折り畳み板2のサイズは、布袋1の形状に合わせる必要がなく、大幅に小さくなることができ、側座布部1Aの重量を低減させることができる。いくつかの実施例において、折り畳み板2にはスルーホール20が設けられてもよい。このように、折り畳み板2の重量をさらに低減させるとともに、側座布部1Aの通気性を増加することができる。
【0040】
いくつかの示されていない実施例において、補助装置3は、例えば上記の引張りばね又はエラスティックバンドであり、第1板21及び第2板22は布袋1の外側布12に縫い付けられる。この場合に、補助装置3は布袋1の外部に位置してもよい。より具体的に、補助装置3の両端は例えば布袋1の外側布12に接続されることによって第1板21の外側面212及び第2板22の外側面222に接続されてもよい。或いは、補助装置3の両端は例えば布袋1の外側布12を通して第1板21の外側面212及び第2板22の外側面222に直接的に接続される。他のいくつかの示されていない実施例において、補助装置3は例えば上記の枢動軸に外装されるねじりバネであり、この場合に、第1板21及び第2板22は布袋1の外側布12に縫い付けられても、補助装置3は、依然として布袋1内に位置することができる。
【0041】
図12及び図13を参照すると、いくつかの実施例によれば、別のベビーカーの側座布部1Aがさらに提供される。この側座布部1Aは上記の図5から図11に示す側座布部1Aとほぼ同じであり、主な相違点としては、布袋1には弾性部材が設けられず、パッド5が設けられる。パッド5は、第1板21の外側面212と第2板22の外側面222とが互いに近づくように促進する補助装置である。折り畳み板2の構成については、上記実施例における説明を参照することができる。
【0042】
図13を参照すると、いくつかの実施例において、パッド5は外側布12に接続され、第1板21と第2板22はいずれもパッド5に接続され、つまり、パッド5は布袋1の外側布12と折り畳み板2との間に位置する。パッド5は、柔らかいフォームであってもよいし、または任意の適当な材料で製造されてもよい。側座布部1Aを製造する場合に、まず第1板21と第2板22をそれぞれパッド5に縫い付けてから、パッド5を外側布12に縫い付ける。パッド5がフレーム200の折り畳み過程において形成した折り目は折り畳み板2のスリット23と協力して、折り畳み板2が第1板21の外側面212と第2板22の外側面222とが互いに近づくような正しい折り畳み方式で折り畳まれるように促進する。折り畳み板2は、布袋1の外側布12に固定されたため布袋1内で勝手に移動することがないので、折り畳み板2のサイズは、布袋1の形状に合わせる必要がなく、大幅に小さくなることができ、側座布部1Aの重量を低減させることができる。いくつかの実施例において、折り畳み板2にはスルーホール20が設けられてもよい。このように、折り畳み板2の重量をさらに低減させるとともに、側座布部1Aの通気性を増加することができる。
【0043】
以上説明した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0044】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形および改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0045】
1 布袋
1A 側座布部
1B シート部
1C 背もたれ部
1D 翼部
1E サンシェード
2 折り畳み板
2A 前輪フレーム
2B 後輪フレーム
2C プッシャー
2D 背もたれ枠
2E アームレスト
2F シートフレーム
2G サンシェードフレーム
3 補助装置
4 枢着部材
5 パッド
11 内側布
12 外側布
20 スルーホール
21 第1板
22 第2板
23 スリット
31 第1端
32 第2端
100 座布
200 フレーム
211 第1板の内側面
212 第1板の外側面
221 第2板の内側面
222 第2板の外側面
231 底壁
232 側壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13