(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100992
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ハイブリッド給湯の方法、システム、プログラム、記録媒体、ハイブリッド制御ユニット、およびリモコンユニット
(51)【国際特許分類】
F24H 1/18 20220101AFI20240719BHJP
F24H 4/02 20220101ALI20240719BHJP
F24H 15/429 20220101ALI20240719BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20240719BHJP
F24H 15/395 20220101ALI20240719BHJP
F24H 15/223 20220101ALI20240719BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20240719BHJP
【FI】
F24H1/18 H
F24H4/02 F
F24H15/429
F24H15/281
F24H15/395
F24H15/223
F24H15/219
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024085483
(22)【出願日】2024-05-27
(62)【分割の表示】P 2020187890の分割
【原出願日】2020-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000170130
【氏名又は名称】パーパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】辰己 敏也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 和樹
(57)【要約】
【課題】稼働開始から一定の経過時間で取得した稼働実績を蓄積してランニングコストを最小化できる沸き上げ温度を求め、この沸き上げ温度への自動切替える。
【解決手段】貯湯ユニットの下層水を第一の給湯手段で所定温度の温水に沸き上げて貯湯する工程と、出湯時、貯湯ユニットの中層水を第二の給湯手段で所定温度に沸き上げて貯湯し、不足熱量を第二の給湯手段で補完して出湯させる工程と、マニュアル切替えモードまたは自動切替えモードを表す情報を取得する工程と、第一の給湯手段および第二の給湯手段の稼働情報を取得する工程と、一定期間の稼働情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得する工程と、ランニングコストの最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度を選択する工程と、マニュアル切替えモードまたは自動切替えモードの沸き上げ温度を用いて沸き上げ温度を切り替える工程とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯ユニットから取り出した下層水を第一の給湯手段で所定温度の温水に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯する工程と、
出湯時、前記貯湯ユニットの中層水を第二の給湯手段で所定温度に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯することにより、設定温度の出湯に必要な不足熱量を前記第二の給湯手段で補完し、前記貯湯ユニットから出湯させる工程と、
モード情報取得部が、前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードを表す情報を取得する工程と、
稼働情報取得部が、前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する工程と、
コスト情報取得部が、一定期間の前記稼働情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得する工程と、
沸き上げ温度選択部が、前記ランニングコストの最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度を選択する工程と、
沸き上げ温度切替え部が、前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードによる前記沸き上げ温度を用いて前記第一の給湯手段の沸き上げ温度を切り替える工程と、
を含むことを特徴とする、ハイブリッド給湯方法。
【請求項2】
前記モード情報取得部が前記自動切替えモードの情報を取得した際、稼働実績情報が存在しない場合、前記マニュアル切替えモードに移行させる工程と、
前記稼働情報取得部が、前記マニュアル切替えモードの実行中に、前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する工程と、
前記コスト情報取得部が、一定期間の稼働実績情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド給湯方法。
【請求項3】
さらに、選択された前記沸き上げ温度に基づき、前記沸き上げ温度切替え部が前記第一の給湯手段に設定されている沸き上げ温度を切り替える工程を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のハイブリッド給湯方法。
【請求項4】
さらに、情報提示部が、前記マニュアル切替えモード、前記自動切替えモード、前記ランニングコスト、前記沸き上げ温度の何れかまたは二以上を提示する工程を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項3に記載のハイブリッド給湯方法。
【請求項5】
さらに、情報提示部が、前記自動切替えモードが選択された後、前記マニュアル切替えモードの実行中、前記自動切替えモードが選択されていることを表す表示情報を提示する工程を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項4に記載のハイブリッド給湯方法。
【請求項6】
貯湯ユニットから取り出した下層水を第一の給湯手段で所定温度の温水に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯し、出湯時、前記貯湯ユニットの中層水を第二の給湯手段で所定温度に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯することにより、設定温度の出湯に必要な不足熱量を前記第二の給湯手段で補完し、前記貯湯ユニットから出湯させるハイブリッド給湯システムであって、
前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードの情報を取得するモード情報取得部と、
前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する稼働情報取得部と、
一定期間の前記稼働情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得するコスト情報取得部と、
前記ランニングコストの最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度を選択する沸き上げ温度選択部と、
前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードによる前記沸き上げ温度を用いて前記第一の給湯手段の沸き上げ温度を切り替える沸き上げ温度切替え部と、
を備えることを特徴とする、ハイブリッド給湯システム。
【請求項7】
さらに、選択された前記沸き上げ温度に基づき、前記沸き上げ温度切替え部が前記第一の給湯手段に設定されている沸き上げ温度を切り替えることを特徴とする、請求項6に記載のハイブリッド給湯システム。
【請求項8】
さらに、前記マニュアル切替えモード、前記自動切替えモード、前記ランニングコスト、前記沸き上げ温度の何れかまたは二以上を提示する情報提示部を備えることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載のハイブリッド給湯システム。
【請求項9】
さらに、情報入力部を備え、この情報入力部が前記情報提示部の情報入力画面に展開され、該情報入力画面に前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードの情報を入力するモード入力部と、複数の沸き上げ温度を選択可能な沸き上げ温度入力部とを備えることを特徴とする、請求項8に記載のハイブリッド給湯システム。
【請求項10】
貯湯ユニットから取り出した下層水を第一の給湯手段で所定温度に温水に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯し、出湯時、前記貯湯ユニットの中層水を第二の給湯手段で所定温度に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯することにより、設定温度の出湯に必要な不足熱量を前記第二の給湯手段で補完し、前記貯湯ユニットから出湯させるハイブリッド給湯システムに用いられるコンピュータで実行するためのプログラムであって、
前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードを表す情報を取得する機能と、
前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する機能と、
一定期間の前記稼働情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得する機能と、
前記ランニングコストの最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度の選択情報を取得する機能と、
前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードによる前記沸き上げ温度を用いて前記第一の給湯手段の沸き上げ温度を切り替える機能と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
さらに、前記自動切替えモードの情報を取得した際、稼働実績情報が存在しない場合、前記マニュアル切替えモードに移行させる機能と、
前記マニュアル切替えモードの実行中に、前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する機能と、
一定期間の稼働実績情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得する機能と、
を前記コンピュータに実行させるための請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
さらに、選択された前記沸き上げ温度に基づき、前記第一の給湯手段に設定されている沸き上げ温度を切り替える機能を前記コンピュータに実行させるための請求項10または請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
さらに、前記マニュアル切替えモード、前記自動切替えモード、前記ランニングコスト、前記沸き上げ温度の何れかまたは二以上を情報提示部に提示させる機能を前記コンピュータに実行させるための請求項10ないし請求項12のいずれかの請求項に記載のプログラム。
【請求項14】
さらに、前記自動切替えモードが選択された後、前記マニュアル切替えモードの実行中、前記自動切替えモードが選択されていることを表す表示情報を情報提示部に提示させる機能を前記コンピュータに実行させるための請求項10ないし請求項13のいずれかの請求項に記載のプログラム。
【請求項15】
請求項10ないし請求項14に記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項16】
貯湯ユニットから取り出した下層水を第一の給湯手段で所定温度の温水に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯し、出湯時、前記貯湯ユニットの中層水を第二の給湯手段で所定温度に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯することにより、設定温度の出湯に必要な不足熱量を前記第二の給湯手段で補完し、前記貯湯ユニットから出湯させるハイブリッド制御ユニットであって、
前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードを表す情報を取得するモード情報取得部と、
前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する稼働情報取得部と、
一定期間の前記稼働情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得するコスト情報取得部と、
前記ランニングコストの最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度情報を選択する沸き上げ温度選択部と、
前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードによる前記沸き上げ温度を用いて前記第一の給湯手段の沸き上げ温度を切り替える沸き上げ温度切替え部と、
を備えることを特徴とする、ハイブリッド制御ユニット。
【請求項17】
さらに、選択された前記沸き上げ温度に基づき、前記沸き上げ温度切替え部が前記第一の給湯手段に設定されている沸き上げ温度を切り替えることを特徴とする、請求項16に記載のハイブリッド制御ユニット。
【請求項18】
請求項16または請求項17に記載されたハイブリッド制御ユニットが搭載され、または、前記ハイブリッド制御ユニットと連係されるリモコンユニットであって、
前記マニュアル切替えモード、前記自動切替えモード、前記ランニングコスト、前記沸き上げ温度の何れかまたは二以上の情報を提示する情報提示部を備えることを特徴とするリモコンユニット。
【請求項19】
さらに、情報入力部を備え、この情報入力部が前記情報提示部の情報入力画面に展開され、該情報入力画面に前記第一の給湯手段に設定する前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードの情報を入力するモード入力部と、複数の沸き上げ温度を選択可能な沸き上げ温度入力部とを備えることを特徴とする、請求項18に記載のリモコンユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯熱源にたとえば、ヒートポンプユニット(以下、「HPユニット」と称する)およびガス給湯器を併用し、蓄熱に貯湯ユニットを用いたハイブリッド給湯の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱源にHPユニットを用いた給湯手段と、熱源に燃料ガスの燃焼熱を用いた給湯手段と、蓄熱に貯湯ユニットとを用いたハイブリッド給湯システムが実用化されている。
【0003】
このハイブリッド給湯システムに関し、過去の運転履歴に基づき、当日における複数の使用予定時刻を推定し、使用予定時刻における予想気温を示す予想気温情報を取得し、予想気温情報が示す予想気温と基準温度の差に応じて沸き上げ設定温度と沸き上げ設定量の何れか一方を補正し、給湯需要に適合する沸き上げ設定温度または沸き上げ設定量の何れかまたは双方を設定することが開示されている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ハイブリッド給湯システムでは、エネルギーコストの異なる電力と燃料ガスを熱源に使用し、ガス給湯器の優れた機能やガス給湯器にはないHPユニットの優れた機能を併用して両者の利点を生かし、ランニングコストを低減させる狙いがある。ガス給湯器は、高温度の給湯が可能であるなどの利点があり、HPユニットは、低温度で連続的に給湯することにより稼働効率が高められるなどの利点がある。従来のハイブリッド給湯システムでは、HPユニットの稼働効率が良い低い温度に沸き上げ、これを貯湯ユニットに貯湯してこの貯湯ユニットから給湯し、この貯湯ユニットからの給湯では給湯熱量が不足する場合は、この不足分をガス給湯器による加熱で補うという稼働方法が採られてきた。しかしながら、一定期間の給湯によっては、ガス給湯器の稼働率が高くなったり、HPユニットの休止時間が長くなったりすることなどに起因し、ランニングコストが悪化するという課題が指摘されている。
【0006】
たとえば、一日の給湯需要が5,000リットルであり、一日の内で常に給湯需要がある飲食店などの店舗、断続的に給湯需要がある飲食店などの店舗を比較する。
図18は、横軸に時刻、縦軸に給湯需給割合(%)を取り、時刻別-給湯需給割合パターンを示している。但し、1日(24時間)の給湯需給を100%とする。
この事例では、店舗Aでは常時、給湯需要が多く、これに対し、店舗Bでは給湯需要時間が少ない。つまり、店舗Aでは、HPユニットの運転時間が長いので、沸き上げ温度を65℃とすれば、コストを削減できる。
【0007】
一方、店舗Bでは、給湯の停止時間が長く、貯湯ユニットはいわゆる満蓄状態となり、HPユニットの運転停止時間が長くなる。この場合、沸き上げ温度85℃とすれば、HPユニットの運転時間が長くなるので、65℃に沸き上げ温度を設定した場合と比較し、コストを低減できる。
HPユニットの消費電力量(電気料金)はHPユニットの稼働時間、沸き上げ温度、効率などに依存し、ガス給湯器の消費ガス量(ガス料金)は稼働時間、給湯設定温度、給水温度などに依存する。したがって、ランニングコストの削減は、給湯量を賄うために必要となるHPユニットの消費電力量とガス給湯器の消費ガス量の割合の最適化にあると言える。
そして、HPユニットの電気料金はHPユニットの効率、その沸き上げ温度(蓄熱温度)、給湯需要およびその変動、季節による外気温度などの変動要素の影響を受ける。さらにHPユニットの効率や能力は、給水温度の影響を受ける。ガス給湯器のガス料金もまた、給湯需要およびその変動、外気温度などの変動要素の影響を受ける。
【0008】
斯かる課題に対し、過去の運転実績に基づいてHPユニットの沸き上げ温度を自動的に切り替えるシステムを構築しても、このシステムを設置した当初、当然ながら過去の稼働情報は存在しない。このため、沸き上げ温度やランニングコストは想定値(デフォルト値)を設定せざるを得ないし、ある程度の稼働実績が得られても、ユーザにとって何れの値を何れの時点で切り替えたらよいかの判断が必要である。このような人の介在を前提としたシステムでは、優れた制御機能を搭載しても、ユーザ操作が複雑化することは合理性がないし、消費電力量やガス使用量に無駄を生じさせるという不都合がある。
【0009】
このような課題に対し、発明者は、設置当初、任意の沸き上げ温度で稼働を開始しても、その後一定期間蓄積した稼働実績を用いてランニングコストを低減ないし最小化できる沸き上げ温度を求め、この沸き上げ温度に切り替えることが合理的であるとの知見を得た。
そこで、本開示の目的は上記課題および知見に基づき、稼働開始から一定の経過時間で取得した稼働実績を蓄積してランニングコストを最小化できる沸き上げ温度を求め、この沸き上げ温度への自動切替えを実現することにある。
また、本開示の他の目的は、マニュアル切替えモードまたは自動切替えモードを選択して沸き上げ温度の切り替えの自由度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本開示のハイブリッド給湯方法の一側面によれば、貯湯ユニットから取り出した下層水を第一の給湯手段で所定温度の温水に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯する工程と、出湯時、前記貯湯ユニットの中層水を第二の給湯手段で所定温度に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯することにより、設定温度の出湯に必要な不足熱量を前記第二の給湯手段で補完し、前記貯湯ユニットから出湯させる工程と、モード情報取得部が、前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードを表す情報を取得する工程と、稼働情報取得部が、前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する工程と、コスト情報取得部が、一定期間の前記稼働情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得する工程と、沸き上げ温度選択部が、前記ランニングコストの最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度を選択する工程と、沸き上げ温度切替え部が、前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードによる前記沸き上げ温度を用いて前記第一の給湯手段の沸き上げ温度を切り替える工程とを含む。
【0011】
このハイブリッド給湯方法において、前記モード情報取得部が前記自動切替えモードの情報を取得した際、稼働実績情報が存在しない場合、前記マニュアル切替えモードに移行させる工程と、前記稼働情報取得部が、前記マニュアル切替えモードの実行中に、前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する工程と、前記コスト情報取得部が、一定期間の稼働実績情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得する工程とを含んでもよい。
【0012】
このハイブリッド給湯方法において、さらに、選択された前記沸き上げ温度に基づき、前記沸き上げ温度切替え部が前記第一の給湯手段に設定されている沸き上げ温度を切り替える工程を含んでもよい。
【0013】
このハイブリッド給湯方法において、さらに、情報提示部が、前記マニュアル切替えモード、前記自動切替えモード、前記ランニングコスト、前記沸き上げ温度の何れかまたは二以上を提示する工程を含んでもよい。
【0014】
このハイブリッド給湯方法において、さらに、情報提示部が、前記自動切替えモードが選択された後、前記マニュアル切替えモードの実行中、前記自動切替えモードが選択されていることを表す表示情報を提示する工程を含んでもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本開示のハイブリッド給湯システムの一側面によれば、貯湯ユニットから取り出した下層水を第一の給湯手段で所定温度の温水に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯し、出湯時、前記貯湯ユニットの中層水を第二の給湯手段で所定温度に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯することにより、設定温度の出湯に必要な不足熱量を前記第二の給湯手段で補完し、前記貯湯ユニットから出湯させるハイブリッド給湯システムであって、前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードの情報を取得するモード情報取得部と、前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する稼働情報取得部と、一定期間の前記稼働情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得するコスト情報取得部と、前記ランニングコストの最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度を選択する沸き上げ温度選択部と、前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードによる前記沸き上げ温度を用いて前記第一の給湯手段の沸き上げ温度を切り替える沸き上げ温度切替え部とを備える。
【0016】
このハイブリッド給湯システムにおいて、さらに、選択された前記沸き上げ温度に基づき、前記沸き上げ温度切替え部が前記第一の給湯手段に設定されている沸き上げ温度を切り替えてもよい。
このハイブリッド給湯システムにおいて、さらに、前記マニュアル切替えモード、前記自動切替えモード、前記ランニングコスト、前記沸き上げ温度の何れかまたは二以上を提示する情報提示部を備えてもよい。
このハイブリッド給湯システムにおいて、さらに、情報入力部を備え、この情報入力部が前記情報提示部の情報入力画面に展開され、該情報入力画面に前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードの情報を入力するモード入力部と、複数の沸き上げ温度を選択可能な沸き上げ温度入力部とを備えてもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本開示のプログラムの一側面によれば、貯湯ユニットから取り出した下層水を第一の給湯手段で所定温度に温水に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯し、出湯時、前記貯湯ユニットの中層水を第二の給湯手段で所定温度に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯することにより、設定温度の出湯に必要な不足熱量を前記第二の給湯手段で補完し、前記貯湯ユニットから出湯させるハイブリッド給湯システムに用いられるコンピュータで実行するためのプログラムであって、前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードを表す情報を取得する機能と、前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する機能と、一定期間の稼働情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得する機能と、前記ランニングコストの最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度の選択情報を取得する機能と、前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードによる前記沸き上げ温度を用いて前記第一の給湯手段の沸き上げ温度を切り替える機能とを前記コンピュータに実行させる。
このプログラムにおいて、さらに、前記自動切替えモードの情報を取得した際、稼働実績情報が存在しない場合、前記マニュアル切替えモードに移行させる機能と、前記マニュアル切替えモードの実行中に、前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する機能と、一定期間の前記稼働実績情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得する機能とを前記コンピュータに実行させてもよい。
このプログラムにおいて、さらに、選択された前記沸き上げ温度に基づき、前記第一の給湯手段に設定されている沸き上げ温度を切り替える機能を前記コンピュータに実行させてもよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記マニュアル切替えモード、前記自動切替えモード、前記ランニングコスト、前記沸き上げ温度の何れかまたは二以上を情報提示部に提示させる機能を前記コンピュータに実行させてもよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記自動切替えモードが選択された後、前記マニュアル切替えモードの実行中、前記自動切替えモードが選択されていることを表す表示情報を情報提示部に提示させる機能を前記コンピュータに実行させてもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本開示の記録媒体の一側面によれば、上記プログラムを記録した記録媒体である。
【0019】
上記目的を達成するため、本開示のハイブリッド制御ユニットの一側面によれば、貯湯ユニットから取り出した下層水を第一の給湯手段で所定温度の温水に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯し、出湯時、前記貯湯ユニットの中層水を第二の給湯手段で所定温度に沸き上げて前記貯湯ユニットに貯湯することにより、設定温度の出湯に必要な不足熱量を前記第二の給湯手段で補完し、前記貯湯ユニットから出湯させるハイブリッド制御ユニットであって、前記第一の給湯手段に設定する沸き上げ温度のマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードを表す情報を取得するモード情報取得部と、前記第一の給湯手段および前記第二の給湯手段の稼働情報を取得する稼働情報取得部と、一定期間の前記稼働情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表す情報を取得するコスト情報取得部と、前記ランニングコストの最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度情報を選択する沸き上げ温度選択部と、前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードによる前記沸き上げ温度を用いて前記第一の給湯手段の沸き上げ温度を切り替える沸き上げ温度切替え部とを備える。
このハイブリッド制御ユニットにおいて、さらに、選択された前記沸き上げ温度に基づき、前記沸き上げ温度切替え部が前記第一の給湯手段に設定されている沸き上げ温度を切り替える。
上記目的を達成するため、本開示のリモコンユニットの一側面によれば、前記ハイブリッド制御ユニットが搭載され、または、前記ハイブリッド制御ユニットと連係されるリモコンユニットであって、前記マニュアル切替えモード、前記自動切替えモード、前記ランニングコスト、前記沸き上げ温度の何れかまたは二以上の情報を提示する情報提示部を備える。
このリモコンユニットにおいて、さらに、情報入力部を備え、この情報入力部が前記情報提示部の情報入力画面に展開され、該情報入力画面に前記第一の給湯手段に設定する前記マニュアル切替えモードまたは前記自動切替えモードの情報を入力するモード入力部と、複数の沸き上げ温度を選択可能な沸き上げ温度入力部とを備えてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 稼働開始から一定の経過時間で取得した稼働実績を蓄積してランニングコストを最小化できる沸き上げ温度を求め、この沸き上げ温度に自動切替えすることができ、ランニングコストの低減を図ることができる。
(2) 給湯需要の変動に応じた沸き上げ温度の自動切替えが可能であり、ランニングコストを低減できる。
(3) 沸き上げ温度の自動切替えモードまたはマニュアル切替えモードを選択でき、給湯需要情報などの稼働情報を保有していなければ、沸き上げ温度を選択して稼働情報を蓄積でき、稼働情報の蓄積後、ランニングコストが最小値またはその近傍値となる最適な沸き上げ温度に自動切替えを行うことができる。
(4) 沸き上げ温度の自動切替えモードではランニングコストが最小値またはその近傍値となる最適な沸き上げ温度を選択して自動切替えを行うので、ユーザ設定の手間がない。
(5) ランニングコストの低減とともに貯湯ユニットの貯湯容量を低減でき、システムのコンパクト化を図ることができる。
(6) 沸き上げ温度の自動切替えモードでは冬季、夏季など稼働期で増減する給湯需要に応じてランニングコストを低減できるので、利便性の高いハイブリッド給湯システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施の形態に係る給湯制御を示すフローチャートである。
【
図2】第1の実施の形態に係るハイブリッド給湯システムを示す図である。
【
図5】第1の実施の形態に係るハイブリッド給湯システムの機能部を示す図である。
【
図6】第2の実施の形態に係るハイブリッド給湯システムを示す図である。
【
図10】Aはリモコンユニットを示す図であり、Bは開閉蓋を開き、設定操作部を示す図である。
【
図11】ハイブリッド制御部のハードウェアを示す図である。
【
図14】モード設定およびモード切替え処理を示すフローチャートである。
【
図15】1週間単位のランニングコストの算出および沸き上げ温度自動切替え制御を示すフローチャートである。
【
図18】給湯需給割合のパターン事例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る給湯工程を示している。
図1に示す工程は一例であり、斯かる工程に本開示が限定されるものではない。
この給湯工程は本開示のハイブリッド給湯方法またはプログラムにより実現される。
図1において、Sは工程、Sに付した番号は工程順の一例である。この給湯工程の説明にはハイブリッド給湯システム2(
図2)の各機能部を引用する。
【0023】
この給湯工程には、モード設定・条件判定の制御、沸き上げ温度Thの自動切替えモードによる制御、マニュアル切替えモードによる制御が含まれている。自動切替えモードを選択しても、稼働実績情報を保有していなければ、マニュアル切替えモードでの沸き上げ温度Thの選択を行わせて稼働実績情報を蓄積する。この蓄積に基づき、自動切替えモードによるランニングコストRCの低減が図られる。
モード設定・条件判定には、モード設定を含む初期設定(S101)、モード選択情報の取得判定(S102)、自動切替えモード条件の判定(S103)が含まれる。
【0024】
自動切替えモードには、自動切替えモードの設定(S104)、効率情報の取得(S105)、料金単価情報の取得(S106)、一定期間の給湯需要情報の取得判定(S107)、稼働期の判定(S108)、ランニングコストRCの算出(S109)、沸き上げ温度Thの選択(S110)、沸き上げ温度Thの切替え(S111)、稼働情報の取得(S112)、情報の提示(S113)、稼働継続の判定(S114)などが含まれる。
マニュアル切替えモードには、マニュアル切替えモードの設定(S115)、沸き上げ温度Thの選択(S116)、沸き上げ温度情報の取得判定(S117)の他、自動切替えモードと共通の稼働情報の取得(S112)、情報の提示(S113)、稼働継続の判定(S114)などが含まれる。
【0025】
<モード設定・条件判定>
モード設定を含む初期設定(S101): ハイブリッド制御部10はモード設定を含む初期設定を実行する。
モード選択情報の取得判定(S102): ハイブリッド制御部10はユーザ選択によるモード情報の取得を判定する。つまり、沸き上げ温度Thを自動で切り替える自動切替えモードかマニュアルで切り替えるマニュアル切替えモードかを表すモード選択情報の取得を判定する。
自動切替えモード条件の判定(S103): 自動切替えモードが選択された場合、ハイブリッド制御部10は自動切替えモードの稼働条件を充足しているかを判定する。つまり、沸き上げ温度Thの自動切替えに必要な稼働情報を蓄積して保有しているかを判定する。
【0026】
<沸き上げ温度Thの自動切替えモード>
自動切替えモード(S104): 自動切替えモードに必要な稼働条件を充足していれば、ハイブリッド制御部10は自動切替えモードに移行し、自動切替えモードを実行する。
【0027】
効率情報の取得(S105): コスト情報取得部30が、稼働情報データベース(DB)158(
図12)を参照し、HPユニット6のCOP(Coefficient Of Performance:成績係数)、ガス給湯器8の給湯効率などの効率情報を取得する。COPは成長係数であり、HPユニット6の省エネルギー性能を表す指標であり、ガス給湯器8の給湯効率とともにハイブリッド給湯システム2のランニングコストRCに密接に関係する。
料金単価情報の取得(S106): コスト情報取得部30が、稼働情報DB158を参照し、料金単価情報を取得する。料金単価には消費電力量の料金単価、消費ガス量の料金単価が含まれ、前者は一定期間の消費電力量から、後者は一定期間の消費ガス量からのランニングコストRC算出に用いられる。
【0028】
一定期間の給湯需要情報の取得判定(S107): 給湯需要情報取得部28が少なくとも継続した一定期間の給湯需要情報を取得しているかを判定する。給湯需要は貯湯ユニット4からの給湯量であり、一定期間たとえば、1週間における給湯量である。1週間の起点および終点はたとえば、同一曜日の到来時点を基準とすればよい。給湯需要情報を取得する一定期間は10日間、20日間、1カ月などであってもよい。
稼働期の判定(S108): コスト情報取得部30が稼働期情報を取得し、稼働期を判定する。稼働期はハイブリッド給湯システム2が稼働している稼働時期である。この時期にはたとえば、着霜期、冬期、中間期、夏期が含まれ、これら時期は外気温度によって判定される。たとえば、着霜期<10℃、8℃<冬期<18℃、16℃<中間期<25℃、23℃<夏期とすればよい。
【0029】
ランニングコストRCの算出(S109): コスト情報取得部30がHPユニット6の複数の沸き上げ温度Thたとえば、65℃、75℃、85℃をパラメータにしてランニングコストRCを算出する。
ランニングコストRCは、複数の沸き上げ温度Thをパラメータにし、HPユニット6のCOP、ガス給湯器8の給湯効率、電気およびガスの料金単価、一定期間の給湯量、稼働期を表す温度情報を用いて一定期間の消費電力量および消費ガス量を求めランニングコストRCを積算する。この場合、沸き上げ温度Th=65℃、75℃、85℃、給湯温度連動値をパラメータにして複数のランニングコストRCを算出する。
【0030】
沸き上げ温度Thの選択(S110): 沸き上げ温度選択部32が、パラメータに用いた沸き上げ温度Thごとに算出されるランニングコストRCの結果から、ランニングコストRCの最小値またはその近傍値を選択し、この最小値またはその近傍値に該当する最適な沸き上げ温度Thを選択する。
沸き上げ温度Thの切替え(S111): 沸き上げ温度切替え部34が、選択した沸き上げ温度ThをHPユニット6のHP制御部20に設定する。これにより、HPユニット6の沸き上げ温度Thはハイブリッド制御部10により自動切替えが実行される。
【0031】
稼働情報の取得(S112): 稼働情報取得部36がHPユニット6の稼働情報をHP制御部20から取得するとともに、ガス給湯器8の稼働情報を給湯制御部24から取得する。これら稼働情報は稼働情報DB158に格納される。
情報の提示(S113): ハイブリッド制御部10が現時点までに取得している各種制御情報から情報提示制御部38が提示情報を生成し、情報提示部42に提示する。
稼働継続の判定(S114): ハイブリッド制御部10はリモコンユニット12の情報入力部からの稼働終了情報などを取得し、稼働継続を判定する。稼働を継続する場合(S114のYES)にはS102に戻り、自動切替えモードまたはマニュアル切替えモードでの稼働を継続する。
【0032】
<沸き上げ温度Thのマニュアル切替えモード>
マニュアル切替えモードの設定(S115): 自動切替えモード情報を取得していない場合(S102のNO)、自動切替えモードに必要な条件を充足していない場合(S103のNO)にはマニュアル切替えモードが設定される。
沸き上げ温度Thの選択(S116): マニュアル切替えモードでは、沸き上げ温度Thはユーザ選択に委ねられる。この沸き上げ温度Thの選択はリモコンユニット12の情報入力部40から行う。HPユニット6に設定される沸き上げ温度Thとしてたとえば、65℃、75℃、85℃、給湯温度連動などの沸き上げ温度を表す沸き上げ温度情報がユーザ選択に委ねられる。
【0033】
沸き上げ温度情報の取得判定(S117): ハイブリッド制御部10のモード情報取得部26は、モード情報の取得とともに、沸き上げ温度情報の取得判定を行う。沸き上げ温度情報を取得していれば、マニュアル切替えモードで稼働する。
このマニュアル切替えモードにおいて、稼働情報取得部36がマニュアル切替えモードでの稼働情報を取得する(S112)。そして、ハイブリッド制御部10が現時点までに、取得している情報を提示し(S113)、同様に、稼働継続の判定を行う(S114)。
【0034】
<ハイブリッド給湯システム2>
図2は、第1の実施の形態に係るハイブリッド給湯システム2の一例を示している。
図2に示す構成は一例であり、斯かる構成に本開示が限定されるものではない。
このハイブリッド給湯システム2は、貯湯ユニット4、HPユニット6、ガス給湯器8、ハイブリッド制御部10、リモコンユニット12を備えている。
貯湯ユニット4は、貯湯タンク14および貯湯制御部16を備える。貯湯タンク14はHPユニット6で加熱した温水HWを下層から上層に向かって高温状態となる階層蓄熱状態で貯湯するとともに、給湯需要に基づき、温水HWを需要場所に供給する。貯湯制御部16は、貯湯タンク14の温水により設定温度での給湯を実現するため、温水HWの給湯および貯湯制御を行う。
【0035】
HPユニット6は第一の給湯手段の一例であり、熱交換部18およびHP制御部20を備える。熱交換部18は貯湯タンク14の下層部から取得した給水Wを循環させ、この給水Wと熱媒の熱とを熱交換し、給水Wを温水HWに変換する。HP制御部20は、温水HWの沸き上げ温度を設定し、温水HWを沸き上げ温度Thに沸き上げる。この沸き上げ温度はハイブリッド制御部10から設定される。
ガス給湯器8は第二の給湯手段の一例であり、熱交換部22および給湯制御部24を備える。熱交換部22はたとえば、燃料ガスの燃焼を熱源とし、その燃焼熱と貯湯ユニット4の中層から取得した低温の温水HWとを熱交換し、温水HWを高温化する。給湯制御部24は貯湯タンク14からの温水HWの入水を検出して燃料ガスの燃焼を開始させ、燃焼熱で温水HWを加熱し、一定温度に高温化した温水HWを貯湯タンク14に戻すなどの制御を行う。
【0036】
ハイブリッド制御部10はハイブリッド制御ユニットの一例であり、通信機能を備えるたとえば、コンピュータで構成される。このコンピュータの情報処理機能部として、ハイブリッド制御部10にはモード情報取得部26、給湯需要情報取得部28、コスト情報取得部30、沸き上げ温度選択部32、沸き上げ温度切替え部34、稼働情報取得部36、情報提示制御部38などが構成される。
モード情報取得部26は、リモコンユニット12のユーザ選択操作により入力される制御情報として沸き上げ温度Thのマニュアル切替えモード情報または温度自動切替えモード情報を取得する。
給湯需要情報取得部28は、貯湯ユニット4の貯湯制御部16から需要箇所に供給した給湯量を表す給湯需要情報を取得し、稼働情報DB158に格納して各稼働情報を蓄積する。
【0037】
コスト情報取得部30は、ランニングコストRCの算出を行う。このランニングコストRCは、一定期間の給湯で生じる消費電力量情報と消費ガス量情報とを用いて少なくとも稼働中に一定期間の給湯で生じるランニングコストRCとして算出され、このランニングコストRCを表すコスト情報が取得される。
ランニングコストRCは、HPユニット6に設定可能な複数の沸き上げ温度Thたとえば、65℃、75℃、85℃をパラメータにして算出される。つまり、コスト情報取得部30は、複数の沸き上げ温度Thをパラメータにし、HPユニット6のCOP、ガス給湯器8の給湯効率、電気およびガスの料金単価、一定期間の給湯量、稼働期を表す温度情報を用いて、一定期間の消費電力量および消費ガス量を求めランニングコストRCを積算する。この場合、沸き上げ温度Th=65℃、75℃、85℃、給湯温度連動値をパラメータにして複数のランニングコストRCが算出される。
【0038】
沸き上げ温度選択部32は、コスト情報から最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度Thを選択する。
沸き上げ温度切替え部34は、コスト情報から最小値またはその近傍値となる沸き上げ温度Thに切り替える。
稼働情報取得部36は、HP制御部20からHPユニット6の稼働情報、給湯制御部24からガス給湯器8の稼働情報を取得し、稼働情報DB158に格納して各稼働情報を蓄積する。
情報提示制御部38は、沸き上げ温度Thを表す沸き上げ温度情報、モード情報、稼働情報、効率情報、料金単価情報、給湯需要情報などを取得して提示情報を生成し、リモコンユニット12の情報提示部42に提示する。
この実施の形態では、ハイブリッド制御部10が貯湯制御部16やリモコンユニット12と独立した構成であるが、貯湯制御部16と一体化してもよく、また、リモコンユニット12に設置してもよい。
【0039】
リモコンユニット12は、情報入力部40、情報提示部42およびリモコン制御部44を備える。
情報入力部40はリモコン制御部44の制御により、ユーザ操作による稼働開始入力、稼働終了入力、沸き上げ温度Thのマニュアル切替えモード情報または自動切替えモード情報の設定入力などの情報入力に用いられる。
情報提示部42はリモコン制御部44の制御により、モード選択情報、沸き上げ温度情報、コスト情報、稼働時間情報などの情報提示を行う。
リモコン制御部44は、ハイブリッド制御部10、貯湯制御部16、HP制御部20、給湯制御部24と無線または有線による接続に基づき、情報入力や情報出力などの制御を行う。
【0040】
<情報入力部40の情報入力画面46>
図3は、情報入力部40の情報入力画面46を示している。
この情報入力画面46は情報提示部42の表示画面に設置されたタッチパネルで情報入力部が構成される。この情報入力画面46にはマニュアル切替えモード部48、沸き上げ温度入力部50、自動切替えモード部52、効率情報入力部54、料金単価情報入力部56が設定されている。
マニュアル切替えモード部48は、沸き上げ温度Thをマニュアル設定する際にタッチによりマニュアル切替えモードを設定可能である。
沸き上げ温度入力部50は、65℃部50-1、75℃部50-2、85℃部50-3、給湯温度連動部50-4を備え、何れかの沸き上げ温度Thをマニュアル設定する際にタッチにより設定可能である。
【0041】
自動切替えモード部52は、沸き上げ温度Thの自動切替えモードの際に、タッチにより設定可能である。
効率情報入力部54は、HPユニット6またはガス給湯器8のCOPなど、効率情報の入力に用いられる。
料金単価情報入力部56は、電気料金やガス料金などの料金単価を表す料金単価情報の入力に用いられる。
【0042】
<情報提示部42の情報提示画面58>
図4は、情報提示部42の情報提示画面58を示している。この情報提示画面58には沸き上げ温度情報部60、モード情報部62、コスト情報部64、給湯需要情報部66、稼働情報部68、経過時間情報部70が設定されている。
沸き上げ温度情報部60には現時点で設定されている沸き上げ温度Thを表す沸き上げ温度情報が提示される。
モード情報部62には現時点で設定されている沸き上げ温度Thのマニュアル切替えモードまたは自動切替えモードを表すモード情報が提示される。
コスト情報部64には自動切替えモードで算出されたランニングコストRCを表すコスト情報が提示される。
【0043】
給湯需要情報部66には貯湯ユニット4に課される給湯需要を表す給湯需要情報が提示される。
稼働情報部68にはハイブリッド給湯システム2の稼働情報が提示される。この稼働情報にはHPユニット6の稼働時間、ガス給湯器8の稼働時間、これらの積算稼働時間が含まれる。HPユニット6の稼働時間はHPユニット稼働時間部68-1に提示され、ガス給湯器8の稼働時間はガス給湯器稼働時間部68-2に提示され、積算稼働時間は積算稼働時間部68-3に提示される。
そして、経過時間情報部70には沸き上げ温度Thの切替え時点からの経過時間を表す経過時間情報が提示される。
【0044】
<ハイブリッド給湯システム2>
図5は、第1の実施の形態に係るハイブリッド給湯システム2の機能部を示している。
貯湯ユニット4は、貯湯タンク14に給水Wを受けるとともに、HPユニット6で沸き上げられた温水HWを貯湯し、出湯時の不足熱量をガス給湯器8の加熱によって補い、設定温度での出湯を行う。貯湯タンク14は貯湯手段の一例である。給水Wは給水管72で貯湯タンク14の底部に供給される。温水HWは過圧逃し弁74を備える給湯管76より需要箇所に供給される。
貯湯制御部16は貯湯ユニット4からの出湯を制御し、設定温度での出湯の不足熱量を算出し、この不足熱量を含む制御情報をハイブリッド制御部10に提供する。このハイブリッド制御部10は、ハイブリッド給湯システム2において、ハイブリッド制御ユニットとして独立した機器の構成としてハイブリッド給湯システム2に組み込んでもよい。
【0045】
HPユニット6は、熱交換部18に熱媒循環路78、空気熱交換器80、コンプレッサ82、熱媒熱交換器84、膨張弁86を備える。熱媒循環路78は、給水Wの加熱媒体である熱媒HMを循環させる。空気熱交換器80は空気87の熱との熱交換により、熱媒HMを加熱する。コンプレッサ82は圧縮によって熱媒HMを高温化し高圧化する。
熱媒熱交換器84は熱媒循環路78に流れる熱媒HMと、第一の貯湯循環路88に流れる給水Wとを熱交換し、熱媒HMの熱で給水Wを加熱する。貯湯タンク14の低層部からの給水Wは第一の貯湯循環路88から熱媒熱交換器84に流れ、この熱媒熱交換器84から温水HWが貯湯タンク14の上層部に供給される。熱交換によって膨張した熱媒HMの圧力は膨張弁86により調圧される。
HP制御部20は、沸き上げ温度Thがハイブリッド制御部10より設定され、給水Wをこの沸き上げ温度Thに加熱して温水HWにする。
【0046】
ガス給湯器8は第二の貯湯循環路90に連結され、熱交換部22にバーナ92、一次熱交換器94、二次熱交換器96などを備える。第二の貯湯循環路90では貯湯タンク14の中層からの温度の低い温水HWを取り出し、加熱によって不足熱量が補完された温水HWを貯湯タンク14の上層に供給する。
バーナ92は、燃料ガスGの燃焼手段の一例であり、燃料ガスGの燃焼によって燃焼排気EGを発生する。二次熱交換器96は燃焼排気EGの下流側から主として潜熱を温水HWに熱交換する。一次熱交換器94は二次熱交換器96を通過した温水HWの供給を受け、燃焼排気EGの上流側から主として顕熱を温水HWに熱交換する。
給湯制御部24は、ハイブリッド制御部10からの制御情報を受け、貯湯ユニット4からの温水HWを加熱し、設定温度での出湯の不足熱量を補填する。
【0047】
そして、ハイブリッド制御部10は、
図1で説明したハイブリッド制御を実行し、一定期間としてたとえば、1週間の給湯量を用いて複数の沸き上げ温度ThをパラメータとするランニングコストRCの最小値を算出し、この最小値に該当するランニングコストRCから沸き上げ温度Thを選択し、この沸き上げ温度ThをHP制御部20に提供し、HPユニット6の沸き上げ温度Thの自動切替えを行う。
この沸き上げ温度Thの選択について、ランニングコストRCの最小値を基準とすればよいが、この最小値の近傍値からランニングコストRCを選択し、そのランニングコストRCから沸き上げ温度Thを選択してもよい。マニュアル設定ではユーザが選択する沸き上げ温度Th=65℃、75℃、85℃または給湯温度連動などの沸き上げ温度に設定可能である。
リモコンユニット12は、沸き上げ温度Thの設定モードの設定、各種制御のリモート指示を含む情報入力の他、ハイブリッド制御部10のマニュアル操作などに用いられる。
【0048】
<第1の実施の形態の効果>
この第1の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 稼働開始から一定の経過時間で取得した稼働実績を蓄積してランニングコストRCを最小化できる沸き上げ温度を求め、この沸き上げ温度に自動切替えでき、ランニングコストRCの低減を図ることができる。
(2) 給湯需要が変動しても、この変動に応じた沸き上げ温度の自動切替えが可能であり、ランニングコストRCを低減できる。
(3) 給湯需要情報などの稼働情報を保有していなければ、沸き上げ温度を選択して稼働情報を蓄積でき、稼働情報の蓄積後、ランニングコストRCが最小値またはその近傍値となる最適な沸き上げ温度に自動切替えを行うことができる。
(4) 1週間程度の一定期間の給湯に対し、HPユニット6の沸き上げ温度Thをパラメータにしてハイブリッド給湯システム2のランニングコストRCの最小値またはその近傍値を算出し、ランニングコストRCの最小値またはその近傍値に該当する沸き上げ温度Thを選択できるとともに、HPユニット6の沸き上げ温度Thを自動切替えでき、ランニングコストRCの低減を図ることができる。
(5) 電気または燃料ガスの料金単価を設定するだけで、稼働期の選択は温度情報の取得で行えるので、ランニングコストRCの最小値またはその近傍値から最適な沸き上げ温度Thが自動設定でき、ユーザの手間がなく、利便性の高いシステムを実現できる。
(6) HPユニット6およびガス給湯器8の連係動作により、貯湯ユニット4の貯湯タンク14の容量抑制に貢献でき、システムのコンパクト化を図ることができる。
(7) 季節的な稼働条件や設置環境が異なっても、ランニングコストRCの最小値または近傍値の算出でランニングコストRCの誤差が吸収できるので、利便性が高いハイブリッド給湯システム2を提供できる。
(8) コスト情報や稼働情報など、情報提示部42の画面表示で随時確認できる。
【0049】
〔第2の実施の形態〕
図6は、第2の実施の形態に係るハイブリッド給湯システム2を示している。
図6に示す構成は一例であり、本開示が斯かる構成に限定されるものではない。
このハイブリッド給湯システム2は、独立した機器として貯湯ユニット4、HPユニット6、ガス給湯器8およびリモコンユニット12で構成される。
【0050】
<貯湯ユニット4>
図7は、貯湯ユニット4の一例を示している。
貯湯タンク14には底部に給水管72が接続され、この給水管72から水道水などの給水Wが貯湯タンク14の低層側に供給される。温度センサ98-1は給水温度T1を検出する。温度センサ98-2は出湯管100に流れる温水HWの温度T2を検出する。温度センサ98-3は貯湯タンク14の上層温度T3、温度センサ98-4は貯湯タンク14の中層温度T4、温度センサ98-5は貯湯タンク14の中層温度T5、温度センサ98-6は貯湯タンク14の下層温度T6を検出する。
【0051】
混合弁102は、出湯管100とバイパス管104の合流点に設置され、温水HWと上水側からの給水Wとを混合し、その混合水を給湯管76に流す。この混合比率はバイパス管104側と出湯管100側の開度によって決定される。流量センサ106は、バイパス管104からの給水Wのみ、この給水Wと出湯管100からの温水HWの混合温水、または出湯管100からの温水HWのみの流量の有無または通過流量を検出する。温度センサ98-7は給湯管76を通過する温水HWの温度T7を検出する。
【0052】
貯湯循環路88は貯湯タンク14とHPユニット6との間に連結された循環路である。この貯湯循環路88は、往き管88-1、戻り管88-2およびバイパス管88-3を備える。往き管88-1は、貯湯タンク14の下層水をHPユニット6に導く管路であり、循環ポンプ108、温度センサ98-8を備える。温度センサ98-8は、貯湯タンク14からHPユニット6に流れる給水Wの温度T8を検出する。
【0053】
戻り管88-2はHPユニット6で加熱した温水HWを貯湯タンク14の上層に導く管路であり、温度センサ98-9、切替え弁110を備える。温度センサ98-9はHPユニット6からの温水HWの温度T9を検出する。切替え弁110は、温度センサ98-9の温度T9が下限温度に到達したとき、温水HWの流れ方向をバイパス管88-3から戻り管88-2に切り替える。
【0054】
貯湯循環路90は貯湯タンク14とガス給湯器8との間に連結された循環路である。この貯湯循環路90は、往き管90-1、戻り管90-2、循環ポンプ112を備える。貯湯タンク14の温水HWの加熱時、循環ポンプ112を駆動する。この循環ポンプ112の駆動時、貯湯タンク14の中層水が往き管90-1により取り出されてガス給湯器8に循環し、このガス給湯器8による加熱後、戻り管90-2より貯湯タンク14の上層部に戻される。
そして、貯湯ユニット4には外気温度T10を検出する温度センサ98-10が設置されている。この温度センサ98-10の検出温度は、稼働期が着霜期、冬期、中間期、夏期かなど、稼働期に該当する時季の判別に用いられる。
【0055】
貯湯制御部16は、各温度センサ98-1、98-2、98-3、98-4、98-5、98-6、98-7、98-8、98-9、98-10の検出温度、流量センサ106の検出流量を取得し、混合弁102、切替え弁110の切替え制御出力、循環ポンプ108、112の制御出力を生成し、貯湯ユニット4の貯湯制御を行う。
【0056】
<HPユニット6>
図8は、HPユニット6の一例を示している。このHPユニット6は一例として、熱媒熱交換器84、空気熱交換器80、コンプレッサ82、膨張弁86および熱媒循環路78を備え、CO2熱媒サイクルを構成している。熱媒熱交換器84は、貯湯タンク14側の給水Wと熱媒循環路78側の熱媒HMとの熱交換を行う。温度センサ98-11は熱媒熱交換器84の入側温度T11を検出し、温度センサ98-12はその出側温度T12を検出する。
空気熱交換器80はファン114の回転で大気と熱媒循環路78を循環する圧縮前の熱媒HMとの熱交換を行い、熱媒HMに吸熱させる。コンプレッサ82は電力により熱媒HMの圧縮を行う。温度センサ98-13はHPユニット6に取り込まれる外気の温度T13を検出する。温度センサ98-14は空気熱交換器80の出側温度T14を検出し、温度センサ98-15はコンプレッサ82の出側温度T15を検出する。
【0057】
HPユニット6は常時、動作状態に維持し、単独運転で給湯需要に備えて貯湯タンク14の温水熱量を補填する。貯湯タンク14の下層水温度が上限温度に到達した場合には、温度センサ98-11の検出温度が上昇するので、HPユニット6の動作を停止させればよい。
【0058】
<ガス給湯器8>
図9は、ガス給湯器8の一例を示している。ガス給湯器8と貯湯タンク14の間に連結された貯湯循環路90は往き管90-1、戻り管90-2を備える。
往き管90-1には流量センサ116、温度センサ98-16が設置され、戻り管90-2には温度センサ98-17が設置されている。
流量センサ116にはガス給湯器8に流れる貯湯タンク14の中層水の流量が検出される。温度センサ98-16は、ガス給湯器8に入る中層水温度T16を検出する。温度センサ98-17はガス給湯器8から貯湯タンク14に戻される温水HWの温度T17を検出する。
ガス給湯器8には流量センサ116の下流側および温度センサ98-17の上流側に二次熱交換器96と一次熱交換器94をバイパスするバイパス管、バイパス菅と貯湯循環路90が合流するところに混合弁を備えてもよい。
【0059】
<リモコンユニット12>
図10のAは、リモコンユニット12の一例を示している。
このリモコンユニット12には、情報提示部42の情報提示画面58、給湯ボタン118、給湯ランプ120、常時沸き上げボタン122、常時沸き上げランプ124、スケジュール運転ボタン126、スケジュール運転ランプ128が備えられるとともに、開閉蓋130が設置されている。
情報提示画面58には沸き上げ温度、給湯温度、ハイブリッド動作などを表す動作情報が提示される。
給湯ボタン118は、給湯動作の開始または停止のために操作し、給湯動作中、給湯ランプ120が点灯する。常時沸き上げボタン122は、常に温水HWを貯湯タンク14に充填する際に操作し、その動作時、常時沸き上げランプ124が点灯する。スケジュール運転ボタン126はたとえば、営業時間に合わせて温水HWの沸き上げなどのスケジュール設定のために操作し、スケジュール運転時、スケジュール運転ランプ128が点灯する。
【0060】
図10のBは、開閉蓋130を開いたリモコンユニット12の設定操作部132を示している。
この設定操作部132には、沸き上げ設定ボタン134、急速ボタン136、営業設定ボタン138、休止設定ボタン140、使用状態確認ボタン142、メニューボタン144、給湯温度設定ボタン146、決定ボタン148、前画面に戻るためのもどるボタン150が備えられる。
沸き上げ設定ボタン134は、貯湯タンク14に貯湯する温水HWの沸き上げ温度の設定の際、操作する。また沸き上げ設定ボタン134によって、沸き上げ温度Thの自動切替えモードの選択が可能である。
急速ボタン136は、急速運転時たとえば、営業時間外の温水供給のための沸き上げ時に操作する。
【0061】
営業設定ボタン138は、店舗の営業時間などの時間設定に用いる。休止設定ボタン140は、定休日以外の休日時などの休止設定に用いる。
使用状態確認ボタン142は、使用状態の確認のために操作する。メニューボタン144は、リモコン設定に用いる。給湯温度設定ボタン146は、沸き上げ設定ボタン134、使用状態確認ボタン142、メニューボタン144等に連動し、設定温度の上昇または下降、各種設定パラメータを選択するために操作する。決定ボタン148は、選択された温度または各種設定パラメータを確定するために用いる。もどるボタン150の操作により、選択された温度または各種設定パラメータを確定せず、前画面に戻る。
【0062】
<電力消費、ガス消費およびハイブリッド給湯システム2のランニングコストRC>
1) 電力消費
HPユニット6ではコンプレッサ82、ファン114の駆動モーターなどの機能部が電力負荷であるから、稼働期間に電力を消費する。したがって、HPユニット6単体のたとえば、一定期間の電力消費に関するランニングコストRCは、その間の消費電力量に料金単価を乗算して求めることができる。
その他の電力消費について、貯湯ユニット4では混合弁102、循環ポンプ108、112、切替え弁110、貯湯制御部16などの機能部が電力負荷であるから、稼働期間に電力を消費する。ガス給湯器8にもバーナ92の燃料切替え機構、給湯制御部24などの機能部が電力負荷であるから、稼働期間に電力を消費する。また、ハイブリッド制御部10やリモコンユニット12においても、電力消費がある。しかしながら、これらの電力消費は、HPユニット6の消費電力に対して小さな値であるので、ハイブリッド給湯システム2のランニングコストRCの算出には省略してもよい。
【0063】
2) ガス消費
ガス給湯器8ではガス給湯による稼働期間、バーナ92の燃焼で燃料ガスGを消費する。したがって、ガス給湯器8の一定期間のガス消費に関するランニングコストRCは、消費ガス量に料金単価を乗算して算出することができる。
【0064】
<ハイブリッド制御部10のハードウェア>
図11は、ハイブリッド制御部10のハードウェアと、貯湯制御部16、HP制御部20、給湯制御部24およびリモコン制御部44の連係関係を示している。
ハイブリッド制御部10は、プロセッサ152、記憶部154、入出力部(I/O)156を備えている。
プロセッサ152は記憶部154にあるOS(Operating System)により情報処理を実行する。この情報処理には給湯制御プログラムなどの各種のプログラムを実行し、ランニングコストRCの最小値またはその近傍値の算出、この最小値またはその近傍値の実現に最適な沸き上げ温度の決定など、各種の制御が含まれる。
記憶部154は本開示のプログラムを記録した記録媒体の一例である。この記憶部154にはOSの他、給湯制御プログラムが格納されており、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory )などの記憶素子で構成できる。
I/O156はプロセッサ152の制御により、貯湯制御部16、HP制御部20、給湯制御部24およびリモコン制御部44との情報の授受を行う。
【0065】
リモコン制御部44は図示しないが、ハイブリッド制御部10と同様のプロセッサなどのコンピュータ機能を備え、ハイブリッド制御部10から送出される沸き上げ温度を表す温度情報などの各種の提示情報を情報提示部42に提示する。情報入力部40の構成は既述したので、その説明を割愛する。
貯湯制御部16には既述の温度センサ98-1~98-10、混合弁102、流量センサ106、循環ポンプ108、112、切替え弁110が接続されている。各種センサの検出情報は貯湯制御部16を通してハイブリッド制御部10に伝達される。
HP制御部20には、既述の温度センサ98-11、98-12、98-13、98-14、98-15が接続されている。
給湯制御部24には既述の流量センサ116、温度センサ98-16、98-17が接続されている。同様に、各種センサの検出情報は給湯制御部24を通してハイブリッド制御部10に伝達される。
【0066】
<プロセッサ152による情報処理>
プログラムの実行によるプロセッサ152の情報処理には、
a)貯湯制御部16、HP制御部20、給湯制御部24、リモコン制御部44の連係制御
b)給湯需要情報の取得
c)消費電力量および消費ガス量の算出
d)沸き上げ温度の設定
e)効率情報の取得
f)稼働期情報の取得および稼働期の判定
g)ランニングコストRCの算出
h)沸き上げ温度Thの選択および自動設定
i)稼働情報DB158の生成
j)稼働情報やランニングコストRCなどの情報提示
などが含まれる。
【0067】
<稼働情報DB158>
図12は、稼働情報DB158の一例を示している。この稼働情報DB158には稼働情報ファイル160が格納されている。この稼働情報ファイル160には日時部162、稼働期部164、算定期間部166、貯湯ユニット部168、HPユニット部170、ガス給湯器部172、給湯需給割合部174、ランニングコスト部176、沸き上げ温度部178が設定されている。
【0068】
日時部162は、稼働期間などの日時を示す日時情報が格納される。稼働期部164には稼働期情報が格納される。稼働期はたとえば、着霜期、冬期、中間期、夏期などの時季が設定される。これらの時季は温度センサ98-10の検出温度からハイブリッド制御部10が判定し設定する。
算定期間部166は、ランニングコストRCの算定期間としてたとえば、1週間などの算定期間を表す期間情報が格納される。
【0069】
貯湯ユニット部168には、貯湯ユニット4の稼働情報が格納される。この貯湯ユニット部168には給水温度部168-1、出湯量部168-2、給湯負荷部168-3が設定されている。給水温度部168-1には給水Wの給水温度を表す温度情報が格納される。出湯量部168-2には貯湯ユニット4からの温水HWの出湯量を示す出湯量情報が格納される。給湯負荷部168-3には給湯温度など、貯湯ユニット4に対する給湯負荷を示す給湯負荷情報が格納される。
【0070】
HPユニット部170には、HPユニット6の稼働情報が格納される。このHPユニット部170にはCOP部170-1、稼働時間部170-2、消費電力量部170-3、料金単価部170-4、コスト情報部170-5が設定されている。
COP部170-1にはHPユニット6のCOP情報が格納される。稼働時間部170-2にはHPユニット6の稼働時間を表す時間情報が格納される。消費電力量部170-3には、HPユニット6の消費電力量を表す消費電力量情報が格納される。料金単価部170-4には、消費電力量の料金単価、たとえば、商用交流電源の料金単価を表す単価情報が格納される。コスト情報部170-5にはたとえば、消費電力量と料金単価の積で与えられるコスト情報が格納される。
【0071】
ガス給湯器部172には、ガス給湯器8の稼働情報が格納される。このガス給湯器部172には稼働時間部172-1、消費ガス量部172-2、料金単価部172-3、コスト情報部172-4が設定されている。
稼働時間部172-1には、ガス給湯器8の稼働時間を表す時間情報が格納される。消費ガス量部172-2には、ガス給湯器8の稼働時間におけるガス給湯器8の消費ガス量を表す消費ガス量情報が格納される。料金単価部172-3には、消費ガスの料金単価、たとえば、LPガスや都市ガスの料金単価を表す単価情報が格納される。コスト情報部172-4にはたとえば、消費ガス量と料金単価の積で与えられるコスト情報が格納される。
【0072】
給湯需給割合部174には給湯需要に対する負担配分としてHPユニット6とガス給湯器8の給湯需給割合を表す比率情報が格納される。この給湯需給割合部174にはHPユニット部174-1、ガス給湯器部174-2が設定される。HPユニット部174-1には給湯需要に対するHPユニット6が負担する需給量を表す比率情報が格納される。
ガス給湯器部174-2には給湯需要に対するガス給湯器8が負担する需給量を表す比率情報が格納される。このガス給湯器部174-2の需給量には給湯温度に対する貯湯ユニット4の不足熱量の補完情報が含まれる。
【0073】
ランニングコスト部176には、ランニングコストRCを表すコスト情報が格納される。このランニングコスト部176には沸き上げ温度部176-1、最小値部176-2が設定されている。
沸き上げ温度部176-1にはランニングコストRCを算出する際のパラメータ情報が格納される。この沸き上げ温度部176-1には65℃部176-11、75℃部176-12、85℃部176-13、給湯温度連動部176-14が設定されている。
【0074】
65℃部176-11には、パラメータに65℃を用いた場合のランニングコストRCを表すコスト情報が格納される。75℃部176-12にはパラメータに75℃を用いた場合のランニングコストRCを表すコスト情報が格納される。85℃部176-13にはパラメータに85℃を用いた場合のランニングコストRCを表すコスト情報が格納される。また、給湯温度連動部176-14にはパラメータに給湯温度連動値を用いた場合のランニングコストRCを表すコスト情報が格納される。
【0075】
最小値部176-2にはランニングコストRCの最小値またはその近傍値を表すコスト情報とともに、このコスト情報に該当する沸き上げ温度Thを表す温度情報が格納される。
そして、沸き上げ温度部178には、ランニングコストRCの最小値またはその近傍値に該当する最適な沸き上げ温度Thを表す温度情報が格納される。
【0076】
<給湯制御>
図13は、ハイブリッド給湯システム2の給湯制御を示している。
このハイブリッド給湯システム2の給湯制御には、沸き上げ温度Thの設定(S201)、HPユニット6による温水HWの沸き上げ(S202)、貯湯ユニット4による貯湯(S203)、給湯要求(S204)、設定温度での出湯判定(S205)、不足熱量の算出(S206)、ガス給湯器8による温水加熱(S207)、設定温度での出湯判定(S208)、設定温度での出湯(S209)などが含まれる。
【0077】
沸き上げ温度Thの設定(S201): ハイブリッド制御部10には、沸き上げ温度Th=65℃、75℃、85℃および給湯温度連動などの沸き上げ温度が設定される。なお、この沸き上げ温度Thは、リモコンユニット12の情報入力部40からユーザによる設定も可能である。
HPユニット6による温水HWの沸き上げ(S202): ハイブリッド制御部10は、リモコンユニット12の給湯ボタン118の「入」入力を受け、稼働状態に移行する。これにより、HPユニット6のHP制御部20が稼働開始を受け、HPユニット6による温水HWの沸き上げが開始される。
貯湯ユニット4による貯湯(S203): 貯湯ユニット4はHPユニット6による沸き上げに基づき、温水HWの貯湯が行われる。
【0078】
給湯要求(S204): 給湯需要の発生により、貯湯ユニット4が給湯要求を受けると、貯湯ユニット4の温水HWが給湯需要箇所に供給される。
設定温度での出湯判定(S205): ハイブリッド制御部10は、給湯要求を契機として、貯湯制御部16から設定温度での給湯が可能かを貯湯ユニット4の蓄熱情報を用いて判定する。設定温度での給湯が可能であれば(S205のYES)、設定温度での出湯(S209)が実行される。
【0079】
不足熱量の算出(S206): 設定温度での出湯が可能でなければ(S205のNO)、貯湯制御部16が不足熱量を算出し、不足熱量を補完するための制御情報をハイブリッド制御部10に提供する。
ガス給湯器8による温水加熱(S207): ハイブリッド制御部10は、不足熱量を補充するための制御として、循環ポンプ112を駆動する。この循環ポンプ112の駆動により、貯湯タンク14から中層水が貯湯循環路90の往き管90-1を通してガス給湯器8に給水される。この給水が給湯要求となり、ガス給湯器8が給湯を開始する。つまり、この給湯要求により、バーナ92が着火し、稼働状態に移行する。これにより、中層水は高温の温水HWに加熱されて戻り管90-2より貯湯タンク14の上層部に戻される。
【0080】
設定温度の出湯判定(S208): ハイブリッド制御部10は、貯湯制御部16から設定温度での給湯が可能かを貯湯ユニット4の蓄熱情報を用いて判定する。設定温度での給湯が可能であれば(S208のYES)、設定温度での出湯(S209)が実行される。設定温度での給湯が可能でなければ(S208のNO)、不足熱量の算出(S206)およびガス給湯器8による温水加熱(S207)が再度実行される。
設定温度の出湯(S209): 斯かる制御により、ハイブリッド給湯システム2から設定温度での出湯が得られる。
【0081】
<モード設定およびモード切替え処理>
図14は、モード設定およびモード切替え処理の処理工程を示している。この処理では、初期設定で沸き上げ温度の自動切替えモードを設定すれば、そのモードを記憶するとともに、稼働実績がなければ自動的にマニュアル切替えモードで稼働実績を蓄積し、それに応じて自動切替えモードに移行させることができる。
この処理工程には、モード設定(S301)、稼働実績の判定(S302)、自動切替えモードによる稼働(S303)、マニュアル切替えモードによる稼働(S304)、稼働実績の蓄積(S305)、ランニングコストRCの算出(S306)、沸き上げ温度Thの選択(S307)、沸き上げ温度Thの切替え(S308)、稼働情報の取得(S309)などが含まれる。
【0082】
モード設定(S301): ハイブリッド給湯システム2のたとえば、設置当初、沸き上げ温度Thを任意の値とし、自動切替えモードまたはマニュアル切替えモードの何れかを選択する。これにより、ハイブリッド制御部10が選択されたモード情報を取得する。
稼働実績の判定(S302): ハイブリッド制御部10はモード設定情報を取得し、稼働実績情報の判定を行う。稼働実績情報は稼働情報DB158に格納されているので、この稼働実績情報を取得する。この稼働実績情報は、沸き上げ温度Thの自動切替えが可能であるかの条件判断を行う。
【0083】
自動切替えモードによる稼働(S303): 必要な稼働実績情報があれば(S302のYES)、ハイブリッド制御部10は自動切替えモードで稼働させる。
マニュアル切替えモードによる稼働(S304): 必要な稼働実績情報がなければ(S302のNO)、ハイブリッド制御部10はマニュアル切替えモードで稼働させる。
稼働実績の蓄積(S305): 何れのモードで稼働を開始しても、ハイブリッド制御部10は稼働情報を取得し、稼働実績情報を稼働情報DB158に格納して蓄積する。
【0084】
ランニングコストRCの算出(S306): ハイブリッド制御部10は異なる沸き上げ温度Thをパラメータとした既述のランニングコストRCを算出する。
沸き上げ温度Thの選択(S307): ハイブリッド制御部10は、ランニングコストRCが最小値ないしその近傍値となる沸き上げ温度Thを選択する。
沸き上げ温度Thの切替え(S308): ハイブリッド制御部10は、沸き上げ温度Thの切替え処理として、ランニングコストRCが最小値ないしその近傍値となる沸き上げ温度Thと稼働中の沸き上げ温度Thとを比較し、ランニングコストRCが最小値ないしその近傍値となる沸き上げ温度Thに切り替え、現状の沸き上げ温度Thが最適値であれば、その値を維持する。
稼働情報の取得(S309): ハイブリッド制御部10は、沸き上げ温度Thの切替え処理の後、ハイブリッド給湯システム2の稼働情報を取得し、S305に戻る。
【0085】
<1週間単位のランニングコストRCの算出および沸き上げ温度自動切替え>
図15は、1週間単位のランニングコストRCの算出および沸き上げ温度自動切替え制御を示している。
ハイブリッド給湯システム2のランニングコストRCの算出および沸き上げ温度自動切替え制御には、算定期間判定(S401)、沸き上げ温度Thの設定(S402)、HPユニット6の消費電力量の算出(S403)、ガス給湯器8の消費ガス量の算出(S404)、ランニングコストRCの最小値またはその近傍値の算出(S405)、沸き上げ温度Thの選択(S406)、沸き上げ温度Thの自動切替え(S407)などが含まれる。
【0086】
算定期間判定(S401): ハイブリッド制御部10は、算定期間を判定する。この算定期間はたとえば、1週間である。1週間であれば、同一曜日間の7日間が算定期間となる。この例では、ハイブリッド制御部10が1週間の経過を判定している。
沸き上げ温度Thの設定(S402): ハイブリッド制御部10は、複数の沸き上げ温度Thを設定する。既述の通り、ハイブリッド制御部10は、複数のランニングコストRCを算出するためのパラメータとして、複数の沸き上げ温度Thを設定する。
【0087】
HPユニット6の消費電力量の算出(S403): ハイブリッド制御部10は、複数の沸き上げ温度Thをパラメータに算定期間におけるHPユニット6の消費電力量を算出する。
ガス給湯器8の消費ガス量の算出(S404): ハイブリッド制御部10は、ガス給湯器8の算定期間における給湯需要を満たした消費ガス量を算出する。
ランニングコストRCの最小値またはその近傍値の算出(S405): ハイブリッド制御部10は、複数の沸き上げ温度Thに対応する消費電力量および消費ガス量を用いてランニングコストRCの最小値またはその近傍値を算出する。
【0088】
沸き上げ温度Thの選択(S406): ハイブリッド制御部10は、複数の沸き上げ温度ThからランニングコストRCの最小値またはその近傍値に該当する沸き上げ温度Thを選択する。
沸き上げ温度Thの自動切替え(S407): ハイブリッド制御部10は、選択した沸き上げ温度Thが現在、HPユニット6に設定されている沸き上げ温度Thと異なれば、最新の沸き上げ温度Thに切り替える。つまり、ユーザ操作なしで沸き上げ温度Thの自動切替えが実行される。
【0089】
<情報の提示>
図16は、リモコンユニット12の情報提示画面58による情報提示を示している。この情報提示には、使用状態確認メニュー画面180(
図16のA)、お湯メニュー画面182(
図16のB)、期間選択メニュー画面184(
図16のC)、使用量提示画面186(
図16のD)、使用量提示画面188(
図16のE)、使用量提示画面190(
図16のF)が含まれる。
使用状態確認メニュー画面180では
図16のAに示すように、タンク上部温度、お湯、電気の選択が可能で、選択に係る項目における使用状態が確認できる。この例では、お湯が選択されている。
お湯メニュー画面182では
図16のBに示すように、使用量、グラフ(使用量推移)の選択が可能で、選択された項目が表示される。
【0090】
期間選択メニュー画面184には
図16のCに示すように、1日のデータ、1週間のデータ、1カ月間のデータ、1年間のデータの選択が可能である。
使用量提示画面186、188には
図16のD、Eに示すように、特定月のお湯の使用量が提示されている。
使用量提示画面190には
図16のFに示すように、前年同月のお湯の使用量が提示されている。
【0091】
図17は、リモコンユニット12の情報提示画面58による使用量情報の提示を示している。この情報提示には、使用量推移画面192(
図17のA)、使用量推移画面194(
図17のB)が含まれる。
使用量推移画面192には
図17のAに示すように、一例として、特定月の第2週(今週)におけるお湯の使用量の推移を示すグラフ表示が提示されている。
使用量推移画面194には
図17のBに示すように、一例として、特定月の第1週(前週)におけるお湯の使用量の推移を示すグラフ表示が提示されている。
【0092】
<第2の実施の形態の効果>
この第2の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、ランニングコストRCや沸き上げ温度Thを情報提示部42の情報提示画面58によって容易に確認できる。
(2) 沸き上げ温度Thの選択とランニングコストRCの関係を明示できるので、ユーザのランニングコストRCや沸き上げ温度Thに対する納得感を得ることができ、利便性の高いハイブリッド給湯システム2を実現できる。
(3) 情報提示部42にランニングコストRCや沸き上げ温度Thを提示すれば、利便性の高いシステムを構成できる。
【0093】
〔他の実施の形態〕
本開示のハイブリッド給湯システムには以下の変形例が含まれる。
(1) 上記実施の形態では、第1の給湯手段にHPユニット6を用いているが、HPユニット6以外の電熱源を用いてもよい。
(2) 上記実施の形態では、ガス給湯器8に二次熱交換器96を備えているが、一次熱交換器94のみの構成であってもよい。
(3) 情報提示の処理工程および情報処理に関し、モード情報取得部26が自動切替えモード情報を取得した際、稼働実績情報が存在しない場合、マニュアル切替えモードに移行させる工程と、給湯需要情報取得部が、マニュアル切替えモードの実行中に、給湯需要を表す給湯需要情報を取得する工程と、コスト情報取得部が、一定期間の稼働実績情報に基づく給湯需要情報を用いて異なる沸き上げ温度ごとに算出したランニングコストを表すランニングコスト情報を取得する工程とを含む処理を実行してよい。この場合、情報提示部42が、自動切替えモード情報が選択された後、マニュアル切替えモードの実行中、自動切替えモードが選択されていることを表す表示情報を提示する工程を含んでよい。
【0094】
以上の通り、本開示の技術の最も好ましい実施の形態等について説明した。本開示は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された開示の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本開示の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本開示のハイブリッド給湯システムによれば、沸き上げ温度のマニュアル切替え、自動切替えの何れを選択しても、ランニングコストRCを最小化できる沸き上げ温度が求められ、この沸き上げ温度への自動切替えが可能となり、利便性の高いハイブリッド給湯システムを構築できる。
【符号の説明】
【0096】
2 ハイブリッド給湯システム
4 貯湯ユニット
6 HPユニット
8 ガス給湯器
10 ハイブリッド制御部
12 リモコンユニット
14 貯湯タンク
16 貯湯制御部
18 熱交換部
20 HP制御部
22 熱交換部
24 給湯制御部
26 モード情報取得部
28 給湯需要情報取得部
30 コスト情報取得部
32 沸き上げ温度選択部
34 沸き上げ温度切替え部
36 稼働情報取得部
38 情報提示制御部
40 情報入力部
42 情報提示部
44 リモコン制御部
46 情報入力画面
48 マニュアル切替えモード部
50 沸き上げ温度入力部
50-1 65℃部
50-2 75℃部
50-3 85℃部
50-4 給湯温度連動部
52 自動切替えモード部
54 効率情報入力部
56 料金単価情報入力部
58 情報提示画面
60 沸き上げ温度情報部
62 モード情報部
64 コスト情報部
66 給湯需要情報部
68 稼働情報部
68-1 HPユニット稼働時間部
68-2 ガス給湯器稼働時間部
68-3 積算稼働時間部
70 経過時間情報部
72 給水管
74 過圧逃し弁
76 給湯管
78 熱媒循環路
80 空気熱交換器
82 コンプレッサ
84 熱媒熱交換器
86 膨張弁
87 空気
88 第一の貯湯循環路
88-1 往き菅
88-2 戻り菅
88-3 バイパス管
90 第二の貯湯循環路
90-1 往き菅
90-2 戻り菅
92 バーナ
94 一次熱交換器
96 二次熱交換器
98-1、98-2、98-3、98-4、98-5、98-6、98-7、98-8、98-9、98-10、98-11、98-12、98-13、98-14、98-15、98-16、98-17 温度センサ
100 出湯管
102 混合弁
104 バイパス管
106 流量センサ
108 循環ポンプ
110 切替え弁
112 循環ポンプ
114 ファン
116 流量センサ
118 給湯ボタン
120 給湯ランプ
122 常時沸き上げボタン
124 常時沸き上げランプ
126 スケジュール運転ボタン
128 スケジュール運転ランプ
130 開閉蓋
132 設定操作部
134 沸き上げ設定ボタン
136 急速ボタン
138 営業設定ボタン
140 休止設定ボタン
142 使用状態確認ボタン
144 メニューボタン
146 給湯温度設定ボタン
148 決定ボタン
150 もどるボタン
152 プロセッサ
154 記憶部
156 入出力部(I/O)
158 稼働情報DB
160 稼働情報ファイル
162 日時部
164 稼働期部
166 算定期間部
168 貯湯ユニット部
168-1 給水温度部
168-2 出湯量部
168-3 給湯負荷部
170 HPユニット部
170-1 COP部
170-2 稼働時間部
170-3 消費電力量部
170-4 料金単価部
170-5 コスト情報部
172 ガス給湯器部
172-1 稼働時間部
172-2 消費ガス量部
172-3 料金単価部
172-4 コスト情報部
174 給湯需給割合部
174-1 HPユニット部
174-2 ガス給湯器部
176 ランニングコスト部
176-1 沸き上げ温度部
176-2 最小値部
176-11 65℃部
176-12 75℃部
176-13 85℃部
176-14 給湯温度連動部
178 沸き上げ温度部
180 使用状態確認メニュー画面
182 お湯メニュー画面
184 期間選択メニュー画面
186、188、190 使用量提示画面
192、194 使用量推移画面