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▶ 中松 義郎の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101003
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】情報ボール
(51)【国際特許分類】
   A63B 43/00 20060101AFI20240719BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A63B43/00 D
A63B71/06 Q
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024085901
(22)【出願日】2024-05-27
(62)【分割の表示】P 2019168856の分割
【原出願日】2019-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000211569
【氏名又は名称】中松 義郎
(72)【発明者】
【氏名】中松 義郎
(57)【要約】
【課題】球技における誤審やロストボールを防ぎ、又、その他の情報を得る。
【解決手段】ボールに情報装置を有する構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールの中又は表皮にGPS部及びICタグ又はBLUETOOTH(商標登録)通信機を設けた情報ボールと、ベース又はゴールに設けたICタグ又はBLUETOOTH(商標登録)受信機で、ボールの正確な高さ位置を特定しストライク判定又はゴール判定することを特徴とする判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球技等に用いるボールに関し、位置情報など各種情報を提供する情報ボールに関する。
【背景技術】
【0002】
サッカー、バスケット、野球、ラグビー、ゴルフなどの球技が知られている。
これらの球技は、ボールを使う競技であり、ボールの位置に応じて審判等により様々な判定が行われる。
例えば、サッカーのゴール判定では、審判員が、ボールがゴールエリアに入ったと判断した場合にゴールと判定される。
野球のストライク判定では、ピッチャーが投げたボールがホームベース上を通過したとアンパイアが判断した場合にはストライクと判定される。
ラグビーのトライ判定では、ボールがインゴールエリアの接地させられたと審判員が判断した場合にトライと判定される。
ゴルフもボールを見失う者やボールの位置が問題になることがある。バスケットの場合もライン越えや籠入りの問題がある。
又、ボールによる情報収集は行われていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような判定は、審判員などの人により行われるため、誤審が生じることがある。
このような誤審は試合の結果を左右するだけでなく、選手やチームの記録に影響を及ぼす。
このような誤審をなくすため、一部の球技においては、カメラの映像を見て判定する、いわゆるビデオ判定が採用されている。
しかしながら、ビデオ判定の場合、死角を生じさせないためには、多くのカメラを設置する必要がある。それでもカメラの位置によっては死角が生じる。
また、ビデオ判定においても、人の目で判断する必要があるため、依然、正確性に欠く。
又、ボールによる情報収集が速い。
【0004】
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであり、ボールの位置をそのボールの位置情報に基づき特定し、これにより、球技における様々な判定を正確に行わないトラブルを防止するほかボールから得られた種々のデータを活用出来る位置情報ボールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の情報ボール(以下、単に「ボール」ともいう)は、ボールにボールの位置など各種データを得られる送受信装置を設ける。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ボールの正確な位置を特定できるため、誤審によるトラブルが無くなる。見失ったボールを容易に発見することが出来るなどにより、ゲームが愉快になる。ゲームのロスタイムがなくなる。ゲームの進行が速くなる、またボールとの送受信により多くの各種データが得られ、かつこれを解析する事によって多くのデータが得られ、ボールIoTとしてスポーツの改善や健康改善に寄与し人類に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の情報ボールの一例を示す説明図である。(a)はサッカーボール、(b)は野球ボール、(c)はラグビーボールの例であり、(d)は野球ボールやゴルフボールに情報装置の埋め込み、態様(e)はサッカー、バスケット、ラグビーボール等に於いてボールの中央に情報装置を宙釣りにした態様を示す図である。尚ボール中央でなく表皮内側にフィルム情報装置を貼り付けてもよい(図示せず)。
図2】情報ボールを用いた判定システムの概略図である。
図3】情報装置の構成を示すブロック図である。
図4】充電方式を示す図である。
図5】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図6】ゴール情報の説明図である。
図7】ゴール判定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の情報ボールの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、本発明の情報ボールの一例を示す説明図であり、(a)はサッカーボール、(b)は野球ボール、(c)はラグビーボールである。バスケットボール、ゴルフボール等、他のボールにも本発明は適用出来る。
図1に示すように、ボール1の内部には、情報発信装置2が埋め込まれている。
情報装置はGPS装置、ICタグ、ブルートゥース(登録商標)等である。
例えば、図1(d)に示すように、ゴムや糸などの内部部材3を有する硬式野球用ボールや、ゴルフボールなどの場合、情報装置1を中心に糸を巻いて形成したり、ゴム等の内部部材の中に埋め込む、または表皮の裏側に貼り付けてもよい。
また、図1(e)に示すように、中が空洞のサッカーボール、バレーボールラグビーボールなどの場合、情報装置1をボール1内に中吊りにする。具体的にはボールの内に設けた支持部材(釣り部材)4により支持する態様で埋め込む。図1(e)において、情報装置1の支持部材は、3本で構成されているが、本数に制限はなく、1本でも2本でも4本以上でもよい。
又、情報装置1表皮の裏側に設けたり、ひものあるボールの場合ひもそのもの又はひも部分の内部に設けた場合も本発明に含まれる。
【0010】
図2は、情報ボールを用いたサッカーにおける判定システムの概略図である。
図2に示すように、判定システムは、情報ボール1、情報ボール1に埋め込まれた情報装置2、GPS衛星5、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理装置6と、によって構成される。
なお、本実施形態では、ゴール7を設けるサッカーにおける判定システムを例示して説明するが、これに限らず、野球、ラグビーなどのあらゆる球技に夫々の形態を変えても本発明を適用することができる。
【0011】
図3は、情報装置の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報装置2は、GPS部21と、通信部22と、電源部23と、記憶部24と、制御部20とによって構成される。
電源部23はリチウムなどのバッテリーやソーラーセルなどで、ソーラーセルの場合フレキシブルシート状のものをボール表皮の内側に設けたり、表皮そのものにしてもよい。又温度差発電エレメントを採用してもよい。GPS部
21は、複数のGPS衛星3から時間情報などの信号を受信する。
この信号は、ボール1の位置の特定に用いられる。
通信部22は、携帯電話網、Wi-Fi(登録商標)、bluetooth(登録商標)などの無線通信手段であり、後記情報処理装置4にボール1の位置情報を無線により送信する。情報装置は上記に限る事なく、ICタグや他のセンサーを使用した場合も本発明に含まれる。
【0012】
情報装置を作動させる電源部23は、リチウムバッテリなどの充電可能な電池(バッテリ)からなり、充電器8と接続することで充電できるようになっている。
充電には、図4(a)に示すコネクタ方式と、図4(b)に示す無線方式(ワイヤレス充電)などで行う。
コネクタ方式の場合、情報装置1に通電させるためのケーブル11をボール1の内部に設けるとともに、このケーブル11の端部に、充電器8のコネクタ(凸部)80に対応したコネクタ(凹部)12をボール1の表面に設ける。
これにより、ボール1を、そのコネクタ(凹部)12を受電器5のコネクタ(凸部)80に嵌め込むように充電器8上に載置することで、充電を行うことができる。
一方、無線方式は、電磁誘導を利用した充電方法であり、ボール1と無線充電器81とを隔離した状態で充電を行うことができる。
この場合、電源部23は、無線充電器81に備えられる送電コイル810に対応した受電コイル25をボール内に備える。この他前述したソーラーセルから供電又は充電を行う。
これにより、ボール1を充電器8に接続することは勿論、電磁誘導による充電が可能なエリアにボール1を置くだけで、離れた位置からでも充電を行うことができる。
このため、
【0013】
記憶部24は、ROMやRAMなどの記憶手段であり、プログラムが記憶されている。
制御部20は、プログラムの動作に基づいて種々の制御動作を行う。
例えば、GPS部21がGPS衛星5から受信した信号に基づきボール1の位置(緯度・経度)を特定したり、特定したボール1の位置情報を情報処理装置4に送信する、などの動作を制御する。
【0014】
図5は、情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、情報処理装置4は、通信部41と、記憶部42と、表示部43と、操作部44と、制御部40とによって構成される。
通信部41は、携帯電話網、Wi-Fi(登録商標)、bluetooth(登録商標)などの無線通信手段であり、位置情報装置2からボール1の位置情報を無線により受信する。
記憶部42は、ROM、RAM、ハードディスクなどの記憶手段であり、プログラムやデータを記憶する。
記憶部42に記憶されるデータには、サッカーのゴール判定に必要なゴールの位置情報がある。
具体的には、図6に示すように、平面視ゴールの四隅に相当するA~Dの4点の位置情報(緯度・経度)を予め記憶している。
つまり、ゴールエリアを特定可能な位置情報を記憶する。
なお、野球のストライク判定の場合には、ホームベースエリアを特定可能な位置情報(例えば、ホームベースの各頂点の位置情報)を記憶し、ラグビーのトライ判定の場合には、インゴールエリアを特定可能な位置情報(例えば、インゴールエリアの4隅の位置情報)を記憶する。ゴルフやバレーも同様である。
表示部43は、液晶ディスプレイなどの表示手段であり、例えば、ゴール判定の結果(ゴール/非ゴール)や(ストライク / ボール)等を表示することができる。
操作部44は、キーボード、マウスなどの操作手段である。
なお、情報処理装置4がスマートフォンやタブレット端末の場合、表示部43と操作部44とが一体に構成されている。
制御部40は、プログラムに基づいて種々の制御動作を行う。
【0015】
具体的には、図7に示すフローチャートに従って、ゴール判定を行う。
図7に示すように、情報処理装置4は、ボール1の位置情報を常時受信している(S1)。
すなわち、ボール1(位置情報装置2)は、常時、GPS衛星3から信号を受信するとともに、受信した信号に基づきボール1の位置を特定し、特定したボール1の位置情報を情報処理装置4に送信している。
このため、情報処理装置4は、ボール1から常時送信されている位置情報を継続的に受信している。
情報処理装置4は、ボール1から受信した位置情報に基づき、ボール1がゴールエリアにあるか否かを判定する(S2)。
具体的には、ボール1の位置情報が、記憶部42に記憶しているゴールの位置情報(図6参照)により特定されるゴールエリア内に含まれるか否かを判定する。
S2の判定の結果、ボール1がゴールエリアにあると判定された場合(S2-Yes)には、「ゴール」と判定する(S3)。
なお、S2において、ボール1がゴールエリアにあると判定されなかった場合(S2-No)は、ゴール判定がなされるまでS1~S2の処理を繰り返す。
【0016】
(変形例・応用例)
野球のストライク判定やラグビーのトライ判定、バレーボール、バスケットボール、クリケット等も同様に行うことができる。
前者の場合、ボール1の位置情報とホームベースの位置情報とに基づき、ボール1がホームベースの位置情報から特定されるホームベースエリアを通過したと判定された場合にストライクと判定し、それ以外はボールと判定することができる。
なお、ストライク判定は、高さの判定も必要だが、これに関しては、後記bluetoothによる判定や、審判員やビデオ判定に委ねることもできる。
後者の場合、ボール1の位置情報とインゴールエリアの位置情報とに基づき、ボール1がインゴールエリアの位置情報から特定されるインゴールエリアに含まれると判定された場合にトライと判定することができる。
なお、トライ判定は、ボール1がインゴールエリアで接地されたことの判定も必要だが、これに関しては、審判員やビデオ判定と併用することもできる。
【0017】
ゴール判定の他、ボール1の位置情報の履歴に基づき、ゲーム動向の分析を行うこともできる。
例えば、ゲームを通してボール1が味方エリアや敵エリアに位置する割合を算出したり、ペナルティエリアやバイタルエリアの侵入割合を算出することもできる。
また、ゴルフの場合、紛失ボールの探索システムとして構築することもできる。
【0018】
GPSの代わりに、又は、併せてICタグやbluetoothを構成に含めることもできる。
例えば、ボール1にICタグを埋め込んで位置情報装置2の構成に加え、ICタグのリーダーをゴールポストやクロスバーに配置することによって、ゴール判定を行うこともできる。
反対に、ゴールポスト等にICタグを配置し、ICタグのリーダーをボールに埋め込んで位置情報装置2の構成に加えることによって、ゴール判定を行うこともできる。
また、bluetoothの親機をゴールエリアが通信エリアに含まれるように配置し、子機を位置情報装置2の構成に加えることによってもゴール判定を行うことができる。
また、bluetoothの親機をホームベースの下に埋め込むなどして配置し、子機を位置情報装置2の構成に加えることによってストライクの高さ判定を行うことができる。
同様に、bluetoothの親機をゴールの下に埋め込むなどして配置し、子機を位置情報装置2の構成に加えることによってゴールの高さ判定を行うことができる。
【0019】
このように、本発明の位置情報ボール1によれば、ゴール判定等を誤審することなく正確に行うことができるのでトラブルが発生せず愉快にゲームを進める事が出来る。
また、位置情報ボール1によれば、球技における様々な判定や分析を行うことができる。
【0020】
以上、本発明の位置情報ボール1の数例の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、様々な球技に用いることができ、誤審やロストボールの心配が無くなり愉快にスポーツ出来るので、スポーツ産業を健全に振興する事が出来る。
【符号の説明】
【0022】
1 位置情報ボール
11 ケーブル
12 コネクタ(凹部)
2 位置情報装置
20 制御部
21 GPS部
22 通信部
23 電源部
24 記憶部
25 受電コイル
3 内部部材
4 支持部材
40 制御部
41 通信部
42 記憶部
43 表示部
44 操作部
5 GPS衛星
6 情報処理装置
7 ゴール
71 ゴールライン
8 充電器
80 充電器コネクタ(凸部)
81 無線充電器
810送信コイル
S1 ボールの位置情報を常時取得
S2 ボールはゴールエリアにあるか?
S3 「ゴール」と判定
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7