(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101024
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】電動バランス車両
(51)【国際特許分類】
B62K 17/00 20060101AFI20240719BHJP
B62K 3/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B62K17/00
B62K3/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024087156
(22)【出願日】2024-05-29
(62)【分割の表示】P 2020534199の分割
【原出願日】2018-12-21
(31)【優先権主張番号】62/610,103
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/628,789
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/629,884
(32)【優先日】2018-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517186640
【氏名又は名称】レイザー・ユーエスエー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イアン・デスバーグ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ハドリー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・チェン
(57)【要約】
【課題】持ち運び可能、収納可能な電動バランス車両を提供する。
【解決手段】各種電動バランス車が説明される。いくつかの実施形態では、車両は、ユーザーの足を支持するプラットフォームを備えた第1および第2ハウジングを有する。第1および第2ハウジングは、互いに対して回転可能であり得る。車両は、第1および第2ホイールアセンブリを有することができる。支持部材は、第1および第2ハウジングのテーパー部分内に延びることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2ハウジングの一方は支持部材に対して回転することができ、ハウジングの他方は支持部材に対して回転的に固定することができる。車両はバランスをとり、ユーザーに移動運動を提供できる。車両は軽量、コンパクト、および/または低重心にすることができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書及び添付図面に関連付けて実質的に説明された電動バランス車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連参照
本出願とともに提出された出願データシートにおいて外国または国内の優先権主張が特定されているあらゆる出願は、37CFR1.57に基づいて参照により本明細書に組み入れられている。本出願は、2017年12月22日に提出された米国仮出願番号62/610,103号、2018年2月9日に提出された米国仮出願番号62/628,789号、および2018年2月13日に提出された米国仮出願番号62/629,884の利益を主張し、それぞれの全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、二輪電動バランス車両などの個人用移動車両に関する。
【背景技術】
【0003】
電動バランス車両は、自己バランススクーターまたは「ホバーボード」としても知られている。電動バランス車両は、持ち運び可能、収納可能、そして環境にやさしい輸送および娯楽手段を提供できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示では、様々な電動バランス車両が説明されている。いくつかの実施形態では、車両は、第1足置部および第2足置部を含むことができる。第1足置部は、第1ハウジングと第1ホイールアセンブリを含むことができる。第2足置部は、第2ハウジングと第2ホイールアセンブリを含むことができる。第1ホイールアセンブリは、第1ホイール、第1ホイール内に配置された第1モーター、および第1ホイールから延びる第1車軸を含むことができる。第2ホイールアセンブリは、第2ホイール、第2ホイール内に配置された第2モーター、および第2ホイールから延びる第2車軸を含むことができる。いくつかの実施形態では、車両は、接続部材を含むことができる。接続部材は、第一端部と第二端部を有することができる。接続部材の第1端部は、第1ハウジング内に配置でき、接続部材の第2端部は、第2ハウジング内に配置できる。いくつかの実施形態では、第1ハウジングは、接続部材の第1端部と第1ホイールアセンブリとの間に第1間隙を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2ハウジングは、接続部材の第2端部と第2ホイールアセンブリとの間に第2間隙を含むことができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、車両は、第1ハウジングおよび第2ハウジングを含むことができる。第1および第2ハウジングのそれぞれは、ユーザーのそれぞれの足をサポートするように構成できる。第2ハウジングは、第1ハウジングに対して回転可能にすることができる。いくつかの実施形態では、車両は、第1ホイールアセンブリおよび第2ホイールアセンブリを含むことができる。第1ホイールアセンブリは、第1ホイール、第1ホイール内に配置された第1モーター、および第1ホイールから延びる第1車軸を含むことができる。第2ホイールアセンブリは、第2ホイール、第2ホイール内に配置された第2モーター、および第2ホイールから延びる第2車軸を含むことができる。いくつかの実施形態では、車両は、第1および第2ハウジングを接続する支持部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、車両は、第1ホイールアセンブリを制御する第1コントローラと、第2ホイールアセンブリを制御する第2コントローラとを含むことができる。いくつかの実施形態では、車両は、第1および第2コントローラならびに第1および第2モーターに電力を供給するためのバッテリーを含むことができる。いくつかの実施形態では、車両は、第1センサーおよび第2センサーを含むことができる。第1センサーは、第1ハウジングに設置することができる。第2センサーは第2ハウジングに設置することができる。第1センサーは、第1ハウジングの回転を検知し、第1検知信号を生成するように構成できる。第2センサーは、第2ハウジングの回転を検知し、第2検知信号を生成するように構成できる。いくつかの実施形態では、バッテリーおよび第1コントローラは、支持部材と第1車軸との間で、支持部材の第1側面に配置することができる。いくつかの実施形態では、第2コントローラは、支持部材と第2車軸との間で、支持部材の第2側面に配置することができる。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、第1間隙は、第1の長さを有することができ、第2間隙は、第2の長さを有することができ、第1の長さは第2の長さよりも長くすることができる。第1間隙は、接続部材の第1端部と第1車軸の間の空間を画定する。第2間隙は、接続部材の第2端部と第2車軸の間の空間を画定する。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、車両は、第1ハウジングの第1間隙内に固定されたバッテリーおよびコントローラを含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、第1ハウジングは、第2ハウジングに対して回転可能であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、接続部材は、第1および第2ハウジングを接続する。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、車両は、第1ホイールアセンブリを制御する第1コントローラ、第2ホイールアセンブリを制御する第2コントローラ、ならびに第1および第2コントローラに電力を供給するバッテリーを含むことができる。第1および第2コントローラは、第1と第2車軸の中心長手方向軸の上に配置できる。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、第1および第2ハウジングは、ユーザーの足を支持するように構成された第1および第2プラットフォームと、第1および第2プラットフォームから上方に延びる第1および第2フェンダーとを含み得る。プラットフォームが走行面と平行である場合、第1および第2ハウジングの下部と走行面の間のクリアランス距離は2インチ未満にすることができる。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、支持部材の長さと車両の長さとの間の比は、約0.2とすることができる。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、支持部材の中央部分は、スペーサを有するスリーブ状とすることができる。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、第1コントローラは、第1ハウジングに固定することができ、第2コントローラは、第2ハウジングに固定することができる。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、バッテリーは、第1ハウジングの内部空洞に配置することができる。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、第1ハウジングは、第1上部ハウジングおよび第1下部ハウジングを含むことができる。第1上部ハウジングと第1下部ハウジングを共に締結して、第1ハウジングの内部空洞を形成することができる。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、第2ハウジングは、第2上部ハウジングおよび第2下部ハウジングを含むことができる。第2上部ハウジングと第2下部ハウジングを共に締結して、第2ハウジングの内部空洞を形成することができる。
【0018】
前述の概要は、本開示の範囲内のいくつかの実施形態の特定の態様の高レベルの議論としてのみ提供されている。上記の概要、以下の詳細な説明、および関連する図面は、保護の範囲を制限または定義するものではない。保護の範囲は、クレームによって定義される。
【0019】
特定の特徴、態様、および利点は、例示的な実施形態の図面を参照して以下に説明される。図面は、本開示を例示することを意図しており、限定することを意図していない。いくつかの実施形態は、図面に示される特徴のすべてを含まない。機能は、必須、重要、または絶対必要なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】電動バランス車両の実施形態の斜視図である。
【
図8】
図1Aの電動バランス車両の一部の斜視図である。
【
図9】
図1Aの電動バランス車両の一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
電動バランス車両の様々な実施形態について説明する。電動バランス車両の特定の実施形態を説明したが、本開示はこれらの実施形態のみに限定されない。逆に、説明された実施形態は単なる例示である。本開示は、代替、変更、および同等物も対象としている。さらに、以下の説明では、開示された技術の完全な理解を当業者に提供するために、多くの特定の詳細が述べられている。ただし、これらの特定の詳細なしで実施形態を実施することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、電動バランス車両100は、小型および/またはコンパクトであり得る。電動バランス車両100は、軽量(例えば、15ポンド未満)であり得る。電動バランス車両100は、約16ポンド未満にすることができる。電動バランス車両100は、約11.5ポンドとすることができる。電動バランス車両100は、約10~15ポンドとすることができる。様々な実施形態において、電動バランス車両100は、容易に携帯することができる。いくつかの実施形態では、電動バランス車両100は、キャリーバッグまたはケースに入れて運ぶ、またはそれらに固定することができる。例えば、いくつかの変形例では、電動バランス車両100は、標準的なバックパックに入れて運ぶか、または固定することができる。様々な実施形態において、電動バランス車両100は、小さなスペースに保管することができる。例えば、いくつかの実施形態では、電動バランス車両100はロッカーに格納することができる。
【0023】
図1A~
図7は、電動バランス車両100を示す。電動バランス車両100は、電動バランス車両100の両端に第1ホイールアセンブリ110および第2ホイールアセンブリ120を含む。第1ホイールアセンブリ110は、第1ホイール111を含むことができる。第2ホイールアセンブリ120は、第2ホイール121を含むことができる。図示されるように、第1ハウジング130および第2ハウジング140は、第1および第2ホイールアセンブリ110、120の間に配置され得る。電動バランス車両100は、ユーザーが立つためのデッキを含むことができる。第1および第2ハウジング130、140は、それぞれ、プラットフォーム132、142を備えることができる。プラットフォーム132、142は、デッキの上部に配置することができ、ユーザーがプラットフォーム132、142のそれぞれの上にそれぞれの足を置くことができるように、ユーザーを支持するように構成することができる。プラットフォーム132、142の幅は、約135mm~175mmである。いくつかの実施形態では、プラットフォーム132、142の幅は、約170mmである。いくつかの実施形態では、プラットフォーム132、142の幅は、約140mmである。いくつかの実施形態では、プラットフォーム132、142の幅は、150mm未満である。いくつかの実施形態では、デッキの下部および/またはハウジング130、140は、粒子(例えば、岩、小枝など)をハウジング130、140から遠ざけるように構成することができる。これにより、外部の要素が電動バランス車両100の適切な機能に干渉するのを抑制または防止できる。第1ハウジング130および第2ハウジング140は、互いに対して回転可能であり得る。いくつかの実施形態では、運転者は、使用中にプラットフォーム132、142を回転させることによって電動バランス車両100を制御することができる。プラットフォーム132、142は、ユーザーがプラットフォーム132、142上に自分の足を保持できるように、滑り止め表面133、143(例えば、織り加工されたゴムまたはシリコーンパッド)を備えることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1ホイールアセンブリ110および第2ホイールアセンブリ120の一方または両方は、駆動モーター(図示せず)および/またはブレーキ(図示せず)を含む。モーター(ハブモーターなど)および/またはブレーキは、ホイール111、121内に配置することができる。全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年5月2日に発行された米国特許第9,638,285号に記載されているモーターなど、さまざまなタイプのモーターが想定されている。いくつかの実施形態では、各ホイール111、121は、モーターおよび/またはブレーキを含む。例えば、いくつかの実施形態では、第1ホイール111は第1モーターを含み、第2ホイール121は第2モーターを含む。各モーターの全体は、ハウジング130、140の内部空洞137、147に伸びることなく、ホイール111、121内に配置できる。例えば、いくつかの実施形態では、各モーターは、ステーターおよびローターを含み、ローター全体および/またはステーター全体が、ホイール111、121のそれぞれの1つの内部に配置される。特定の実施形態では、ホイール111、121用のモーターは、ハウジング130、140内に配置されておらず、かつ/またはハウジング130、140に含まれていない。ホイールにモーターを搭載することで、たとえば、車両100の高さを下げることができ、ハウジング130、140内の構成要素の数を減らすことができ、(ハウジング内にモーターがある車両に比べて)ハウジング130、140を垂直方向に薄くすることができ、モーターの修理や交換、あるいはその両方を容易にすることができる。一部の実装では、ホイールとホイールに含まれるモーターは簡単に交換できる。これにより、たとえば、ユーザーが別のモーターとホイールの組み合わせを選択して、車両の特定のタイプの乗車に対応することができる(たとえば、スポーツライディング用の第1のタイプのモーターとホイール、および長距離ライディング用の第2のタイプのモーターとホイールなど)。
【0025】
いくつかの実施形態では、モーターは異なるモードを有することができる。たとえば、モーターは、トルクが5%~15%増加する高トルクモードを有することができる。いくつかの変形例では、モーターは最大速度が低減される静かなモードを有することができ、車両100によって生成されるノイズの量を低減する。
【0026】
ホイール111、121は、従来のスケートボードまたはロングボードのホイールと同じまたは同様のサイズであり得、またはより大きくすることもできる。ホイール111、121の直径は、約83mmにすることができる。いくつかの実施形態では、ホイール111、121の直径は、約150mm未満、約100mm未満、および/または約90mm未満とすることができる。いくつかの実施形態では、ホイール111、121は、ポリウレタン、ゴム、プラスチック、または他の適切な材料から作ることができる。いくつかの実施形態では、ホイールアセンブリ110、120の直径は、プラットフォーム132、142および/またはフェンダー134、144の幅よりも短い。いくつかの実施形態では、ホイールアセンブリ110、120の直径は、バッテリー270および/またはコントローラ272、274の幅よりも短い。いくつかの実施形態では、図示されるように、ホイールアセンブリ110、120の上部は、プラットフォーム132、142よりもそれぞれ高い(例えば、約20mm高い)。いくつかの実施形態では、ホイールアセンブリ110、120の上部は、プラットフォーム132、142と同じ高さにすることができる。
【0027】
ホイールアセンブリ110、120は、リムの外側に取り付けられたタイヤ(例えば、ゴムタイヤ)を含むことができる。略長方形の前後プロファイルを有するタイヤを備えた車両は、車両が曲がったり回転したりするときに地面との一貫した接触を維持するのに苦労し、車両の安定性や牽引力を低下させるなど、ユーザーの乗り心地に影響を与える可能性がある。いくつかの実施形態では、
図3に示されているように、各タイヤの中心に頂点があるように、タイヤの側壁、または前部および後部プロファイルが丸みを帯び、湾曲し、および/またはカーブしている(たとえば、軸C、タイヤの前面および後面の中心に沿って垂直に延びる軸は、車両100の使用中に地面と交差する)。タイヤの湾曲したプロファイルは、タイヤの軸方向端部間で実質的に連続および/または滑らかにすることができる(たとえば、タイヤの端部から軸Cの側面まで)。いくつかの実施形態では、電動バランス車両100は、車両100が通常の動作中に(例えば、車両が曲がる場合)地面に接触するタイヤの表面積を実質的に同じ量および/または実質的に同じ量のトラクションを維持するように構成される。これは、車両が屈曲および/または旋回するときに、地面との接触が少なく、走行特性(例えば、トラクション)が変化する、平坦なタイヤ(例えば、より長方形の前部および後部プロファイルを有するタイヤ)を有する車両とは異なる。
【0028】
いくつかの実施形態では、タイヤおよび/またはホイール111、121は、略正方形の前部および後部プロファイルを有することができる。いくつかの実施形態では、タイヤおよび/またはホイール111、121の幅と直径および/または高さとの比は、約0.4~1.0とすることができる。ホイール111、121の幅と直径の比率は約0.6にすることができる。略正方形の前部および後部プロファイルを有するタイヤおよび/またはホイール111、121(例えば、その直径の少なくとも50%の幅を有するホイール111、121)は、車両100の安定性に寄与することができ、車両100の動作中に地面に接触するタイヤの表面積の量を増やし、車両100の牽引力を改善し、および/またはモーターがホイール111、121内に適合することを可能にする。
【0029】
電動バランス車両100は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2018年3月30日に提出された出願第15/941,505号に記載されている車両の任意の特徴または特徴の組み合わせを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、電動バランス車両100は、地面に低く載置され、低い重心を有するように構成される。これにより、ユーザーは車両100をより詳細に制御したり、安全な乗り心地を体験したりできる(たとえば、怪我のリスクを減らすため)。いくつかの実施形態では、プラットフォーム132、142が走行面と平行である場合、走行面(例えば、地面)とハウジング130、140の下側または底部との間のクリアランス距離またはクリアランスは、約20mmとすることができる。いくつかの実施形態では、クリアリング距離は、約0.5インチ~3インチとすることができる。特定の実施形態では、車両100は、高さよりも実質的に長い。例えば、いくつかの実施形態では、車両100の全長(長手方向軸に沿って測定)と車両100の全高(ホイール111、121の1つの底部から対応するフェンダー134、144上部まで測定)の比は、少なくとも約4:1、5:1、6:1、7:1、8:1等である。
図2に示すように、特定のバリエーションでは、ホイール111、121の軸方向の厚さ(車両100の長手方向軸に沿って測定)は、対応するハウジング130、140の垂直方向の厚さと同じか、または類似している(たとえば、+/-10%以内)。一部の実装では、ホイール111、121の直径と対応するハウジング130、140の垂直方向の厚さの比率は、約3:1、2:1、1.8:1、1.5:1等以下である。ハウジング130、140の厚さは、ユーザーが通常足を置くハウジング130、140の最も厚い部分(例えば、滑り止め面133、143の位置)で測定することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1および第2ハウジング130、140はそれぞれ、テーパー領域131、141を備える。テーパー領域131、141は、ネックまたは中央領域170で終端することができる。中央領域170は、スペーサ160を含むことができる。スペーサ160は、第1ハウジング130と第2ハウジング140の間に配置できる。いくつかの実施形態では、テーパー領域131、141は、中央領域170で実質的または完全に円形の軸方向断面を有する。いくつかの実施形態では、第2ハウジング140に対する第1ハウジング130の回転中、および/またはその逆の間に、第1ハウジング130と第2ハウジング140との間に実質的に隙間または突起が設けられない。いくつかの実施形態では、テーパー領域131、141の周囲は、電動バランス車両100を持ち上げて運ぶためにユーザーの手で握ることができるように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、領域131、141の直径は約1~3インチである。いくつかの実施形態では、第1および第2ハウジング130、140は、
図1Aおよび
図2に示されるように、中央領域170に関して横方向に概ね対称である。
【0032】
いくつかの実施形態では、テーパー領域131、141は、中央領域170で最小直径を有するネック部までテーパー状になっている。最小直径は、フェンダー部分134、144との交差部など、プラットフォーム132、142の外側の前後幅よりも大幅に小さくすることができる。例えば、プラットフォームの132、142の外側の幅に対するネック部の最小直径の比は、約0.5、0.33、0.25、0.20、前述の比の間の比、または他の比率以下である。いくつかの実施形態では、中央領域170の直径とハウジング130、140の厚さの比は、約0.5~0.95とすることができる。
【0033】
第1および第2ハウジング130、140は、フェンダー部分134、144を備えることができる。フェンダー部分134、144は、プラットフォーム132、142からおよび/またはプラットフォーム132、142に対して上方に(例えば、垂直方向に)延びることができる。フェンダー部分134、144は、プラットフォーム132、142とホイールアセンブリ110、120の間に障壁を提供することができる。いくつかの実施形態では、フェンダー134、144は、それぞれ、ホイールアセンブリ110、120のホイール111、121を少なくとも部分的に包みまたはシールドするリップを含むことができる。例えば、示されるように、リップは、ホイール111、121の一部を越えて横方向外側に延びることができる。いくつかの実施形態では、フェンダー部分134、144は、ホイール111、121の幅の約40%~90%にわたって延びることができる。フェンダー部分134、144をホイール111、121の上に延ばすことで、ホイール111、121の回転によりユーザーに向かって推進される物質(例えば、岩、破片、水など)の量を低減または最小化することができる。電動バランス車両100は、フェンダー部分134、144とホイール111、121との間に間隙を含むことができる。
【0034】
電動バランス車両100は、電気制御およびインターフェースを備えることができる。例えば、
図3に示すように、電動バランス車両100は、電源スイッチ150および/または充電インターフェース154を有することができる。電源スイッチ150および充電インターフェース154は、第1または第2ハウジング130、140のいずれかに配置できる。いくつかの実施形態では、電源スイッチ150は、第1ハウジング130上にあり、充電インターフェース154は、第2ハウジング140上にあり、またはその逆も同様である。電源スイッチ150は、電動バランス車両100をオン/オフするように構成することができる。充電インターフェース154は、電動バランス車両100の電源(例えば、バッテリー270)を充電するためなどの電力入力を提供するように構成することができる。電源スイッチ150および/または充電インターフェース154は、第1および/または第2ハウジング130、140の外壁を貫通して延びることができる。いくつかの実施形態では、電動バランス車両100は、電力計または電気状態インジケータを含むことができる。たとえば、インジケータは、1つ以上のライト(LEDなど)で構成できる。ライトは、電動バランス車両100の充電状態および/または電力レベルを示すために配置および/または色付けすることができる。
【0035】
第1および第2ハウジング130、140は、異なる形状およびサイズであり得る装飾を含むことができる。例えば、ハウジング130、140は、ヘッドライトおよび/またはライトストリップなどの装飾205を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1および第2ハウジング130、140はプラスチックである。例えば、ハウジング130、140は、射出成形された硬質プラスチックから製造することができる。
【0036】
第1ハウジング130は、上部ハウジング136および下部ハウジング138を備えることができる。上部ハウジング136と下部ハウジング138を結合して、内部空間または内部空洞137を囲むまたは部分的に囲むことができる(
図8を参照)。いくつかの実施形態では、上部ハウジング136は、下部ハウジング138に当接および/または(例えば、ねじ、ボルト、リベット、フック、または他の方法で)固定される。組み立てられた状態では、上部および下部ハウジング136、138で形成された第1ハウジング130は、一体のボディの外観を持つことができる。いくつかの実施形態では、上部ハウジング136および下部ハウジング138は、ねじまたはボルトなどの複数の留め具で互いに接続することができる。例えば、ねじは、下部ハウジング138の下側から延ばして、上部ハウジング136に延ばすことができる。いくつかの実施形態では、上部ハウジング136は、上部および/または下部ハウジング136、138から延びる対応する締付ステム239で下部ハウジング138と結合される。いくつかの実施形態では、締付ステム239は、上部および下部ハウジング136、138に構造的支持を提供できるインターロック機構とすることができる。
【0037】
第2ハウジング140は、内部空間または空洞147を取り囲むように共に結合することができる上部ハウジング146および下部ハウジング148を備えることができる。いくつかの実施形態では、上部ハウジング146および下部ハウジング148は、ねじまたはボルト、上部および/または下部ハウジング146、148から延びる対応する締付ステム239のいずれかなどの留め具で互いに接続される。いくつかの実施形態では、締付ステム239は、上部および下部ハウジング146、148に構造的支持を提供することができるインターロック機構とすることができる。組み立てられた状態では、上部および下部ハウジング146、148によって形成された第2ハウジング140は、一体のボディの外観を持つことができる。
【0038】
図8に示すように、電動バランス車両100は、接続または支持部材162を備えることができる。支持部材162は、ハウジング130、140を支持および/または接続するように構成することができる。いくつかの実施形態では、支持部材162は、小さな直径を有することができ、軽量であり、および/または製造が容易である。プラットフォーム132、142は、支持部材162の上方に配置することができ、および/または支持部材162と接触(例えば、直接または間接)することができる。支持部材162は、ハウジング130、140の内部空洞137、147内に部分的または全体的に配置することができる。いくつかの実施形態では、支持部材162は、管状部材、パイプ、バー、または他の細長い構造である。いくつかの実施形態では、支持部材162は、ホイール111、121の一方または両方に結合することができる。
【0039】
図示のように、支持部材162の長さは、電動バランス車両100の全長よりも短くすることができる。例えば、支持部材162は、ハウジング130、140のテーパー領域131、141内の空間を占めることができるが、ハウジング130、140の長さの大部分の範囲内ではない。いくつかの実施形態では、支持部材162は、車両100の中心に関して非対称である。例えば、いくつかの実施形態では、第1ハウジング130内に延びる支持部材162の部分は、第2ハウジング140内に延びる支持部材162の部分よりも短い。いくつかの実施形態では、支持部材162の長さの約30%~40%が第1および第2ハウジング130、140の一方に延在でき、支持部材162の長さの約60%~70%が第1および第2ハウジング130、140の他方に延在できる。いくつかの実施形態では、支持部材162は、ハウジング130、140の全長に沿って延在しない。例えば、いくつかの実施形態では、支持部材162は、プラットフォーム132、142の下に延在しない。短い支持部材162は、ハウジング130、140の内部空洞137、147に他の構成要素のための空間を作成し、および/または以下に詳細に説明するように、電動バランス車両100をより小さく、より携帯可能および/または軽量にすることができる。いくつかの実施形態では、電動バランス車両100(第1および第2ホイールアセンブリ110、120を含む)の全長に対する支持部材162の長さの比率は、約0.2である。いくつかの実施形態では、車両100の全長に対する支持部材162の長さの比率は、0.1~0.3の間である。車両100の全長は約490mmとすることができる。いくつかの実施形態では、車両100の全長は、550mm未満、500mm未満などとすることができる。
【0040】
支持部材162は、端から端まで連続的(例えば、中断または隙間なし)とすることができる。いくつかの実施形態では、支持部材162は、第1および第2ホイールアセンブリ110、120の間で実質的に完全に延びることができる。いくつかの実施形態では、支持部材162は、ライダーの体重をハウジング130、140間で伝達するなど、ユーザーの体重を支持するように構成することができる。いくつかの変形例では、車両100の通常の動作中、支持部材162は、支持部材162の長手方向の中間点で(ユーザーにとってかなり)曲がらないように構成される。支持部材162は、鋼管または棒から作ることができる。支持部材162は、アルミニウム合金などの合金で作ることができる。支持部材162は、増加した強度および/または靭性を与える延伸工程で処理することができる。
【0041】
いくつかの実装形態では、支持部材162は、第1および第2ハウジング130、140および中央領域170の両方の部分およびテーパー領域131、141を通って延びることができる。プラットフォーム132、142上のユーザーの体重は、支持部材162の長さ全体に少なくとも部分的に分配され得る。支持部材162の直径/容積が小さいことの別の利点は、支持部材162が、第1および第2ハウジング130、140の内部空洞137、147内で少量のスペースを取ることができることである。これにより、より大きな容量のバッテリーなどの追加コンポーネントを、内部空洞137、147のいずれかまたは両方の内部に配置できる。
【0042】
図1Bおよび
図8に示されるように、支持部材162は、スペーサ160と結合される。スペーサ160は、支持部材162から略半径方向外向きに延びることができる。スペーサ160は、第1および第2ハウジング130、140の間に配置および/または間に延在することができる。いくつかの実施形態では、スペーサ160は、第1および第2ハウジング130、140の相対的な回転のために、摩擦が低減された摺動面を提供することができる。スペーサ160は、第1ハウジング130と第2ハウジング140を実質的に分離するように構成することができる。たとえば、一方のハウジングの動きや振動が他方のハウジングに伝達されるのを抑制または防止できる。スペーサ160は、それを支持部材162上に軸方向にスライドさせることによって支持部材162上に組み立てることができる。いくつかの実施形態では、支持部材162に対するスペーサ160の軸方向位置の調整は、電動バランス車両100の組み立て中に必要に応じて行うことができる。いくつかの実施形態では、スペーサ160および支持部材162は一体的に形成される。いくつかの実施形態では、スペーサ160は、支持部材162の材料とは異なる材料から作ることができ、および/またはスペーサ160の材料は、電動バランス車両100のカラーデザインと調和させることができる。
【0043】
スペーサ160は、電動バランス車両100の回転要素によって圧迫されたり損傷したりすることなく、配線が一方のハウジングの内部空洞から他方のハウジングの内部空洞まで延びることができるように構成されたチャネルを含むことができる。
【0044】
電動バランス車両100は、バッテリー270などの電源を含むことができる。いくつかの実施形態では、バッテリー270は、22Vリチウムイオン電池とすることができる。バッテリー270は、電動バランス車両100の任意の部分またはその内部に配置することができる。例えば、図示されるように、バッテリー270は、第2ハウジング140の内部空洞147内に配置されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、バッテリー270は、第1ハウジング130の内部空洞137内に配置することができる。いくつかの実施形態では、第1および第2ハウジング130、140は両方とも電池を含み、それによって電力容量を増加させ、電動バランス車両100の距離および航行能力を改善する。いくつかの実施形態では、バッテリー270は、電動バランス車両100のホイール111、121の上に配置することができる。いくつかの実施形態では、バッテリー270は、一般に電動バランス車両100の中心など、ホイール111、121の間で横方向に配置することができる。いくつかの実施形態では、バッテリー270は、電動バランス車両100のフランジまたはフェンダー部分134、144に対して配置することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、電動バランス車両100は、制御回路を含む。電動バランス車両100は、1つ以上のコントローラを含むことができる。例えば、電動バランス車両100は、電動バランス車両100の動きを制御および操作するための第1コントローラ272および第2コントローラ274を備えることができる。いくつかの実施形態では、1つのコントローラは、電動バランス車両100の2つのホイールアセンブリ110、120のそれぞれを制御するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、電動バランス車両100は、単一のハウジング内に配置された、第1および第2コントローラ272、274と同様の機能を有する単一のコントローラを備えることができる。図示の実施形態では、第1コントローラ272は、第1ホイールアセンブリ110を制御するように構成され、第2コントローラ274は、第2ホイールアセンブリ120を制御するように構成される。第1および第2コントローラ272、274は、第1および第2ホイールアセンブリ110、120の対応する駆動モーターを作動および/または給電するように構成することができる。電力および/または信号導体(たとえば、電気ケーブル)は、第1ホイールアセンブリ110、バッテリー270、および第1コントローラ272の間、および/または第2ホイールアセンブリ120、バッテリー270、および第2コントローラ274の間に延びる。いくつかの実施形態では、電力および/または信号ケーブルは、第1および第2ホイールアセンブリ110、120の制御を調整するなどのために、第1および第2コントローラ272、274の間に延びることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ハウジング130、140の内部空洞137、147は、バッテリー270、コントローラ272、274、および/または他の構成要素を支持するように構成された1つまたは複数のチャンバまたはコンパートメントを含むことができる。
【0047】
電動バランス車両100は、第1および第2ハウジング130、140の回転を感知するための1つ以上の慣性センサー(例えば、ジャイロスコープおよび/または加速度計)を含むことができる。第1ハウジングおよび第2ハウジング130、140にそれぞれ2つ以上の慣性センサーのグループを設けることができる。いくつかの実施形態では、慣性センサーは、コントローラ272、274と同じ回路基板上にある。
【0048】
コントローラ272、274は、慣性センサーからデータ信号を受信することができる。以下でさらに説明するように、慣性センサーからのデータ信号を使用して、第1および第2ホイールアセンブリ110、120の回転を制御することができる。第1および第2コントローラ272、274のそれぞれは、セットまたは単一の慣性センサーに通信可能に結合され、そのセットまたは単一の慣性センサーからのデータ信号に従って動作することができる。
【0049】
第1および第2コントローラ272、274はそれぞれ、ハウジング130、140の上部または下部ハウジングのいずれかに接続することができる。いくつかの実施形態では、第1および第2コントローラ272、274はそれぞれ、それぞれのコントローラハウジング372、374に入れられ得る。いくつかの実施形態では、コントローラは、電動バランス車両100の一方の側面に配置することができ、バッテリー270は、電動バランス車両100の反対側の側面に配置することができる。図示されるように、いくつかの実施形態では、バッテリー270およびコントローラ272、274の一方は、支持部材162の一方の側面に配置され得、コントローラ272、274の他方は、支持部材162の他方の側面に配置され得る。バッテリー270およびコントローラ272、274の1つは、支持部材162と車軸114との間、または支持部材162と車軸124との間に配置することができる。いくつかの実施形態では、バッテリー270およびコントローラ272、274の1つは、第1または第2ハウジング130、140内に(例えば、支持部材162の側面に)積み重ねることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、電動バランス車両100は、電動バランス車両100のモーター制御および/または電力供給コンポーネントがデッキおよび/またはハウジング130/140の下に配置されないように構成することができる。例えば、いくつかの変形例では、バッテリー270およびコントローラ272、274は、ユーザーの足の下に配置されない。いくつかの実施形態では、バッテリー270および/または1つまたは複数のコントローラ272、274は、フェンダー134、144などの内部空間137、147の外側に配置される。
【0051】
いくつかの実施形態では、ハウジング130、140の少なくとも1つは、支持部材162に対して回転することができる。例えば、ハウジング130、140の1つは、支持部材162に対して回転するように構成することができ、ハウジング130、140の1つは、支持部材162に対して回転的に固定することができる。
【0052】
電動バランス車両100の使用中、ユーザーの足は、それぞれ第1ハウジング130のプラットフォーム132および第2ハウジング140のプラットフォーム142の上に置くことができる。第1ハウジング130は、第2ハウジング140に対して回転可能とすることができる。電動バランス車両100に立っているユーザーの足位置および/または重心の変化は、互いに対しておよび/または地面に対してハウジング130、140の回転を引き起こし得る。たとえば、ユーザーは自分の重心をずらして第2ハウジング140を回転させることができる。または、ユーザーは自分の足を関節運動させて第2ハウジング140を回転させることができる。第2ハウジング140は、第1ハウジング130および/または支持部材162に対して回転することができる。
【0053】
第2ハウジング140に対応する慣性センサーは、第2ハウジング140の回転を示すデータ信号をコントローラ274に送信することができる。このデータ信号は、例えば、水平基準点、地面、支持部材162、ホイールアセンブリ120、および/または、第1ハウジング130に対する第2ハウジング140の回転量または回転角度を示すデータを含むことができる。慣性センサーからのデータ信号に基づいて、コントローラ274は、ホイールアセンブリ120を操作するための命令や電力を含む制御信号を提供することができる。制御信号は、バッテリー270から電力を供給してホイールアセンブリ120のホイール121の回転を加速し、ホイールアセンブリ120のホイール121の回転を減速し、および/またはホイールアセンブリ120の速度または位置を維持することにより、第2ホイールアセンブリ120を操作することができる。制御信号は、たとえばパルス幅変調(PWM)の形式にすることができる。
【0054】
電動バランス車両100のいくつかの実施形態では、慣性センサーが、第2ハウジング140が順方向に回転されたことを検出すると、慣性センサーは、順回転を示すデータ信号をコントローラ274に送ることができ、コントローラ274は、制御信号を第2ホイールアセンブリ120に送信して、ホイール121を前方に加速することができる。電動バランス車両100のいくつかの実施形態では、慣性センサーが、第2ハウジング140が逆方向に回転したことを検出すると、慣性センサーは、逆回転を示すデータ信号をコントローラ274に送ることができ、コントローラ274は制御信号を第2ホイールアセンブリ120に送信して、ホイール121を後方に加速することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ274は、第2ホイールアセンブリ120に電力を供給して、直立位置を維持するか、そうでなければ第2ハウジング140にバランスを提供することができる。
【0055】
電動バランス車両100に立っているユーザーの足位置および/または重心の変化は、互いに対しておよび/または地面に対して第1ハウジング130の回転を引き起こし得る。たとえば、ユーザーは自分の体重または重心をずらして第1ハウジング130を回転させることができる。または、ユーザーは自分の足を回転させて第1ハウジング130を回転させることができる。第1ハウジング130は、第2ハウジング140および/または支持部材162に対して固定することができる。
【0056】
第1ハウジング130に対応する慣性センサーは、第1ハウジング130の回転を示すデータ信号をコントローラ272に送信することができる。このデータ信号は、例えば、水平基準点、地表面、支持部材162、ホイールアセンブリ120、および/または、第2ハウジング140に対する第1ハウジング130の回転量または回転角度を示すデータを含むことができる。慣性センサーからのデータ信号に基づいて、コントローラ272は、第1ホイールアセンブリ110を操作するための命令および/または電力を含む制御信号を提供することができる。制御信号は、バッテリー270から電力を供給して、ホイールアセンブリ110のホイール111の回転を加速し、ホイール111の回転を減速し、および/またはホイール111の速度または位置を維持することにより、第1ホイールアセンブリ110を操作することができる。制御信号は、たとえばPWMの形式にすることができる。
【0057】
電気平衡車両100のいくつかの実施形態では、慣性センサーが、第1ハウジング130が順方向に回転されたことを検出すると、慣性センサーは、順回転を示すデータ信号をコントローラ272に送ることができ、コントローラ272は、制御信号を送信して、第1ホイールアセンブリ110を前方に加速することができる。いくつかの実施形態では、慣性センサーが第1ハウジング130の逆方向の回転を検出すると、慣性センサーは、データ信号をコントローラ272に送り、コントローラ272は制御信号を送信して第1ホイールアセンブリ110を逆方向に加速することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ272は、第1ホイールアセンブリ110に電力を提供して直立位置を維持するか、そうでなければ第1ハウジング130にバランスを提供することができる。
【0058】
第1ホイールアセンブリ110の車軸114は、ホイール111から延びることができる。車軸114は、プラットフォーム132の一部の下からフェンダー134の少なくとも一部の下まで延びることができる。電動バランス車両100の全長に対する車軸114の長さの比率は、約0.1以下であり得る。いくつかの実施形態では、短い車軸114は、他の構成要素のためにハウジング130の内部空洞137内に空間を残すことができ、および/または電動バランス車両100の重量を減らすことができる。車軸114は、第1ホイールアセンブリ110の駆動モーターの回転シャフトに対応する。回転シャフトは、ホイール111のリム内の駆動モーターのステーター(図示せず)内に配置できる。いくつかの実施形態では、駆動モーターの回転シャフトは、ホイール111の内側に取り付けられ、ステーターは、対応するハウジング内またはそうでなければホイール111の外側に設けられ、回転シャフトは、ホイール111に結合される。軸114は、ハウジングベースの接続機構116(
図9参照)などでハウジング130に固定的に接続できる。例えば、軸114は、接続機構116を通って延びるボルトなどの締結具を受け入れるように構成することができる。様々な実施形態では、軸114は、ハウジング130に対して回転的に固定されたままであり、ホイール111は、ハウジング130に対して回転可能である。
【0059】
第2ホイールアセンブリ120の車軸124は、ホイール121から延びることができる。車軸124は、プラットフォーム142の一部の下からフェンダー144の少なくとも一部の下まで延びることができる。電動バランス車両100の全長に対する車軸124の長さの比率は、ほぼ0.1以下にすることができる。いくつかの実施形態では、短い車軸124は、他のコンポーネントのためにハウジング140の内部空洞147内に空間を残すことができ、および/または電動バランス車両100の重量を低減することができる。車軸124は、第2ホイールアセンブリ120の駆動モーターの回転軸に対応することができる。車軸124は、ホイール121のリム内で駆動モーターのステーター(図示せず)から延びることができる。軸124は、ハウジングベース接続機構126(
図9参照)などでハウジング140に固定的に接続することができる。例えば、軸124は、接続機構126を通って延びるボルトなどの締結具を受け入れるように構成することができる。様々な実施形態では、軸124は、ハウジング140に対して回転的に固定されたままであり、ホイール121は、ハウジング140に対して回転可能である。
【0060】
いくつかの実施形態では、
図10に示すように、車軸114、124の中心を通って長手方向に延びる軸(軸B)は、支持部材162の中心を通って長手方向に延びる軸(軸A)よりも低く配置することができる。これは、低重心および/またはハウジング130、140の底部と地面または走行面との間の距離が短い電動バランス車両100に寄与し得る。いくつかの実施形態では、支持部材162の中心長手方向軸(軸A)は、バッテリー270およびコントローラ272、274のそれぞれの少なくとも一部と交差する。いくつかの実施形態では、バッテリー270および/またはコントローラ272、274は、支持部材162の中心長手方向軸(軸A)および/または車軸114、124の中心長手方向軸(軸B)上に完全に配置される。例えば、図示のように、いくつかの実施形態では、コントローラ272、274は、車軸の中心長手方向軸の上方に完全に配置される。いくつかの実施形態では、バッテリー270および/またはコントローラ272、274は、支持部材162の中心長手方向軸(軸A)および/または車軸114、124の中心長手方向軸(軸B)の下に完全に配置される。
【0061】
いくつかの実施形態では、車軸114、124および支持部材162は、別個の構成要素である。いくつかの実施形態では、車軸114、124と支持部材162は接続しない。
図10に示すように、いくつかの実施形態では、支持部材162の第1端部とホイール111および/または車軸114の間の第1ハウジング130に第1間隙G1があり、支持部材162の第2端部とホイール121および/または車軸124との間の第2ハウジング140に第2間隙G2がある。少なくとも1つの間隙G1、G2を含めることで、より長い支持部材を備えた車両とは異なり、車両100の構成要素(バッテリー270および/またはコントローラ272、274の一方または両方など)を、ハウジング130、140内の支持部材162の側面に配置することができる。少なくとも1つの間隙G1、G2を含めることで、支持部材162、バッテリー270、および/またはコントローラ272、274を収納するために必要なハウジング130、140の寸法(ハウジング130、140の長さ、幅、または厚さなど)を減らすことができる。いくつかの実施形態では、第1間隙G1の長さは、第2間隙G2の長さと異なり得る。例えば、第1間隙G1の長さは、第2間隙G2の長さよりも短くすることができ、逆もまた同様である。いくつかの実施形態では、間隙G1、G2は、車両100の中心に関して対称であり、実質的に同じ長さである。
【0062】
いくつかの実施形態では、間隙G1、G2のうちの少なくとも1つの長さは、支持部材162の長さよりも長くすることができる。例えば、いくつかの変形例では、間隙G2の長さに対する支持部材162の長さの比は、約0.7~0.8とすることができる。いくつかの実施形態では、間隙G1、G2のうちの少なくとも1つの長さは、支持部材162の長さと実質的に同じとすることができる。いくつかの実施形態では、第1間隙G1の長さは、第1ハウジング130の長さの少なくとも50%の長さとすることができ、および/または第2間隙G2の長さは、第2ハウジング140の長さの少なくとも50%の長さとすることができる。いくつかの実施形態では、間隙G1、G2の少なくとも1つの長さは、バッテリー270とコントローラ272、274の1つを組み合わせた横幅と同じかそれより長くすることができる。
【0063】
いくつかの実施形態は、支持部材162および/または第1ハウジング130に対する第2ハウジング140の回転角度を制限するように構成される。例えば、第2ハウジング140の回転を制限して、バッテリー270を第2ホイールアセンブリ120と接続するケーブルを保護することができる。特定の実施形態は、第2ハウジング140の相対的な回転角度を制限する制限構造を有する。
【0064】
いくつかの実施形態では、電動バランス車両100は、ユーザーが自分の足を置くことができる表面積を拡張、延長、および/または増加するように構成される。いくつかの実施形態では、プラットフォーム132、142は、デッキの幅を増加させるように(例えば、ユーザーの足に追加の表面積を提供するように)外側に開いたり、拡張したり、および/またはスイングしたりできる。例えば、いくつかの実施形態では、プラットフォーム132、142は、それぞれハウジング130、140に旋回可能に接続され、拡張プラットフォームがユーザーの足を支持できる拡張位置に旋回するように構成される拡張可能なフラップを含むことができる。いくつかの実施形態では、支持部材162は、拡張可能なプラットフォームに結合することができる。
【0065】
「第1」および「第2」という用語は、対応する技術的特徴を明確に説明するために単に番号が付けられており、実際の順序を表すものではない。特定の実装では、「第1」および「第2」という用語で定義される技術的特徴の場所は交換可能である。
【0066】
「上」、「下」、「水平」、「垂直」、「縦」、「横」、「外側」、「内側」、および「端」など、本明細書で使用される向きの用語は、図示された実施形態の文脈で使用される。ただし、本開示は図示の向きに限定されるべきではない。実際、他の向きも可能であり、この開示の範囲内である。本明細書で使用されている「直径」や「半径」などの円形に関連する用語は、完全な円形構造を必要とするのではなく、左右に測定可能な断面領域を持つ任意の適切な構造に適用することができることを理解されたい。「円形」、「円筒形」、「半円形」、「半円筒形」などの形状に一般的に関連する用語、または関連または類似の用語は、円または円筒などの数学的な定義に厳密に準拠する必要はなく、かなり近い近似の構造を含むことができる。
【0067】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、および「実質的に」という用語は、所望の機能を依然として実行するか、または所望の結果を達成する、述べられた量に近い量を表す。たとえば、いくつかの実施形態では、状況に応じて、「およそ」、「約」、および「実質的に」という用語は、記載された量の10%以下の量を指す場合がある。本明細書で使用される「概して」「略」という用語は、特定の値、量、または特性を主に含むか、またはそれに向かう傾向がある値、量、または特性を表す。例として、特定の実施形態では、状況に応じて、「略平行」という用語は、正確に平行から20度以下離れているものを指すことができる。
【0068】
「できる」、「できる」、「かもしれない」、または「かもしれない」などの条件付き言語は、特に明記しない限り、または使用される文脈内で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の機能、要素、および/または手順を含むまたは含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、機能、要素、および/またはステップが1つ以上の実施形態に必要な方法であることを暗示することを意図したものではない。
【0069】
「X、Y、およびZの少なくとも1つ」という句などの接続語は、特に明記しない限り、項目、用語などがX、Y、Zのいずれかであることを伝えるために一般的に使用される文脈で理解される。したがって、このような接続言語は一般に、特定の実施形態がXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、およびZの少なくとも1つの存在を必要とすることを示唆することを意図していない。
【0070】
いくつかの実施形態は、添付の図面に関連して説明されてきた。図は一定の縮尺で描かれているが、縮尺は限定的ではなく、示された以外の寸法と比率が考えられ、それらも開示された発明の範囲内にある。距離、角度などは単なる例示であり、実際の寸法および図示されたデバイスのレイアウトと必ずしも正確な関係を負うものではありません。コンポーネントは追加、削除、および/または再配置できる。さらに、様々な実施形態に関連する特定の特徴、態様、方法、特性、特性、品質、属性、要素などの本明細書の開示は、本明細書に示される他のすべての実施形態で使用することができる。さらに、本明細書に記載されている方法は、記載されたステップを実行するのに適した任意のデバイスを使用して実施することができる。
【0071】
本発明は、特定の実施形態および実施例の文脈で開示されたが、この開示の範囲は、具体的に開示された実施形態を超えて、本発明の他の代替実施形態および/または使用ならびにその明白な修正および均等物に及ぶ。本明細書で説明されているシステム、方法、およびデバイスは、この段落および他の段落で説明されている前述の機能の組み合わせを含むことができる。本発明のいくつかの変形を示し、詳細に説明してきたが、本発明の範囲内にある他の修正は、この開示に基づいて当業者には容易に明らかであろう。また、実施形態の特定の特徴および態様の様々な組み合わせまたは部分的な組み合わせを行うことができ、それでもなお本発明の範囲内にあると考えられる。開示された発明のさまざまなモードを形成するために、開示された実施形態のさまざまな特徴および態様を互いに組み合わせるか、または置き換えることができる。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上記の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲の公正な解釈によってのみ決定されるべきであることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
100 電動バランス車両
110 第1ホイールアセンブリ
111 第1ホイール
114 車軸
116 接続機構
120 第2ホイールアセンブリ
121 第2ホイール
124 車軸
126 接続機構
130 第1ハウジング
131 テーパー領域
132 プラットフォーム
134 フェンダー部分
136 上部ハウジング
137 内部空洞
138 下部ハウジング
140 第2ハウジング
141 テーパー領域
142 プラットフォーム
144 フェンダー部分
146 上部ハウジング
147 内部空洞
148 下部ハウジング
150 電源スイッチ
154 充電インターフェース
160 スペーサ
162 支持部材
170 中央領域
270 バッテリー
272 第1コントローラ
274 第2コントローラ
372,374 コントローラハウジング
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動バランス車両であって、
第1ハウジングおよび第2ハウジングであって、各前記第1および第2ハウジングがユーザーのそれぞれの足を支持するよう構成され、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して回転可能である、第1ハウジングおよび第2ハウジングと、
第1ホイール、前記第1ホイール内に配置された第1モーター、および前記第1ホイールから延在する第1車軸を備える第1ホイールアセンブリと、
第2ホイール、前記第2ホイール内に配置された第2モーター、および前記第2ホイールから延在する第2車軸を備える第2ホイールアセンブリと、
前記第1および第2ハウジングを接続する支持部材であって、前記支持部材の中央部分がスペーサを有するスリーブ状になっている、支持部材と、
前記第1ホイールアセンブリを制御する第1コントローラ、および前記第2ホイールアセンブリを制御する第2コントローラと、
前記第1および第2コントローラならびに前記第1および第2モーターに電力を供給するバッテリーと、
前記第1ハウジングに設けられた第1センサー、および前記第2ハウジングに設けられた第2センサーであって、前記第1センサーは、前記第1ハウジングの回転を検出し、第1の検知信号を生成するよう構成され、前記第2センサーは、前記第2ハウジングの回転を検出し、第2の検知信号を生成するよう構成された、第1センサーおよび第2センサーと、
を備え、
前記バッテリーおよび前記第1コントローラは、前記支持部材の第1側面に配置され、前記バッテリーはさらに、前記支持部材および前記第1車軸の間に配置されかつ、前記第2コントローラは、前記支持部材および前記第2車軸の間の前記支持部材の第2側面に配置され、
前記第1および第2ホイールの直径は、前記第1および第2ハウジングの幅よりも短い、電動バランス車両。
【請求項2】
前記第1および第2コントローラが前記第1および第2車軸の中心長手方向軸の上に配置されている、請求項1に記載の電動バランス車両。
【請求項3】
前記第1および第2ハウジングは、ユーザーの足を支持するよう構成された第1および第2プラットフォームを備え、第1および第2フェンダーが前記第1および第2プラットフォームから上方に延在する、請求項1に記載の電動バランス車両。
【請求項4】
前記プラットフォームが走行面と平行な場合に、前記第1および第2ハウジングの底部および前記走行面の間のクリアランス距離が、2インチ未満である、請求項3に記載の電動バランス車両。
【請求項5】
前記支持部材の長さおよび長手方向に沿った前記車両の長さの比率が約0.2である、請求項1に記載の電動バランス車両。
【請求項6】
前記第1コントローラが前記第1ハウジングに固定され、前記第2コントローラが前記第2ハウジングに固定されている、請求項1に記載の電動バランス車両。
【請求項7】
前記バッテリーが前記第1ハウジングの内部空洞内に配置されている、請求項1に記載の電動バランス車両。
【請求項8】
前記第1ハウジングが第1上部ハウジングおよび第1下部ハウジングを備え、前記第1上部ハウジングおよび前記第1下部ハウジングが共に固定されて、前記第1ハウジングの内部空洞を形成する、請求項1に記載の電動バランス車両。
【請求項9】
前記第2ハウジングが第2上部ハウジングおよび第2下部ハウジングを備え、前記第2上部ハウジングおよび前記第2下部ハウジングが共に固定されて、前記第2ハウジングの内部空洞を形成する請求項1に記載の電動バランス車両。
【請求項10】
前記車両がさらに
長手方向軸と、
前記長手方向軸に沿って測定された車両の全長と、
前記ホイールの上方に延びるフェンダーと、
前記ホイールの1つの底部から、対応するフェンダーの上部まで測定された前記車両の全高と、
を備え、
前記車両の前記全長と前記車両の前記全高の比が少なくとも4:1である、請求項1に記載の電動バランス車両。
【請求項11】
前記比が、少なくとも6:1である、請求項10に記載の電動バランス車両。
【外国語明細書】