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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101063
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】積層セラミック電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H01G4/30 201K
H01G4/30 201N
H01G4/30 201C
H01G4/30 512
H01G4/30 513
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024089981
(22)【出願日】2024-06-03
(62)【分割の表示】P 2018219930の分割
【原出願日】2018-11-26
(31)【優先権主張番号】P 2018029455
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小和瀬 裕介
(57)【要約】
【課題】高い機械的強度を有する積層セラミック電子部品を提供する。
【解決手段】積層セラミック電子部品は、複数層の内部電極と、第1結晶粒と、を具備する。上記複数層の内部電極は、第1方向に間隔をあけて配置され、ポアが形成されている。上記第1結晶粒は、上記第1方向の径が上記間隔より大きく、その一部が上記ポア内に配置されている。上記ポアは、結晶粒で充填されない空間を構成する空隙が形成されたポアを含んでもよい。この積層セラミック電子部品は、第1結晶粒が第1方向に粒成長して内部電極のポア内に進入した構成を有する。つまり、内部電極のポアの少なくとも一部がセラミックスで埋まっているため、高密度の積層セラミック電子部品が得られる。これにより、この積層セラミック電子部品では、高い機械的強度が得られる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に間隔をあけて配置され、ポアが形成された複数層の内部電極と、前記第1方向の径が前記間隔より大きく、その一部が前記ポア内に配置されている第1結晶粒と、を有する積層体と、
前記積層体を前記第1方向に直交する第2方向から覆うサイドマージン部とを備え、
前記積層体と前記サイドマージン部との境界部に存在する前記複数層の内部電極の端部から前記第2方向の内側に向かって誘電体結晶粒3個分以内のポア内に前記第1結晶粒が配置され、
2つ以上の前記ポアが、前記第1方向で重なっている
積層セラミック電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、積層セラミックコンデンサのサイドマージン部を後付する技術が開示されている。この技術では、側面に内部電極が露出した積層体を形成し、この積層体の側面にサイドマージン部が設けられる。この技術は、サイドマージン部を薄くすることができるため、積層セラミックコンデンサの小型化及び大容量化に有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-94819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サイドマージン部は、薄くするほど機械的強度が低下する。このため、サイドマージン部が薄い積層セラミックコンデンサでは、高電圧印加時の電歪などによってサイドマージン部の近傍において構造破壊が生じやすくなる。このため、サイドマージン部が薄い積層セラミックコンデンサでは、耐圧性が損なわれやすい。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、高い機械的強度を有する積層セラミック電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る積層セラミック電子部品は、第1方向に間隔をあけて配置され、ポアが形成された複数層の内部電極と、前記第1方向の径が前記間隔より大きく、その一部が前記ポア内に配置されている第1結晶粒と、を有する積層体と、前記積層体を前記第1方向に直交する第2方向から覆うサイドマージン部とを備え、前記積層体と前記サイドマージン部との境界部に存在する前記複数層の内部電極の端部から前記第2方向の内側に向かって誘電体結晶粒3個分以内のポア内に前記第1結晶粒が配置され、2つ以上の前記ポアが、前記第1方向で重なっている。
【0007】
この積層セラミック電子部品は、第1結晶粒が第1方向に粒成長して内部電極のポア内に進入した構成を有する。つまり、内部電極のポアの少なくとも一部がセラミックスで埋まっているため、高密度の積層セラミック電子部品が得られる。これにより、この積層セラミック電子部品では、高い機械的強度が得られる。
【0008】
上記複数層の内部電極は、第1層と、上記第1層の上記第1方向の両側に隣接し、上記第1層の上記ポアに配置された上記第1結晶粒を含む2つの結晶粒によって相互に接続された一対の第2層と、を含んでいてもよい。
【0009】
この積層セラミック電子部品では、複数層の内部電極のうちの第1層を挟んで対向する第2層が、第1層のポアに配置された第1結晶粒を含む2つの結晶粒によって相互に接続されている。これにより、複数層の内部電極の第2層間がセラミックスの結晶粒のみによって積層方向に接続されるため、層間剥離などの損傷が発生しにくくなる。
【0010】
上記第1結晶粒の上記第1方向の径が上記間隔の2倍より小さくてもよい。
この構成では、第1結晶粒を過度に粒成長させない条件で焼成することにより、例えば球状化などといった内部電極の好ましくない変形を抑制することができる。
【0011】
上記セラミック電子部品は、上記複数層の内部電極のうち上記第1方向に隣り合う2層を直接接続する第2結晶粒を更に具備してもよい。
【0012】
上記セラミック電子部品は、上記複数層の内部電極を上記第1方向に直交する第2方向から覆い、上記第2方向の寸法が25μm以下であるサイドマージン部を更に具備してもよい。
この構成では、サイドマージン部を薄くすることにより、内部電極を形成可能な領域を拡大することができる。
【0013】
上記間隔が500nm以下であってもよい。
上記複数層の内部電極の各層の上記第1方向の寸法が500nm以下であってもよい。
この構成では、セラミック層や内部電極を薄くすることにより、セラミック層及び内部電極の積層数を増加させることができる。
本発明の一形態に係る積層セラミック電子部品は、第1方向に間隔をあけて配置され、ポアが形成された複数層の内部電極と、前記第1方向の径が前記間隔より大きく、その一部が前記ポア内に配置されている第1結晶粒と、を有する積層体と、前記積層体を前記第1方向に直交する第2方向から覆うサイドマージン部とを備え、前記積層体と前記サイドマージン部との境界部に存在する前記複数層の内部電極のポア内に前記第1結晶粒が配置されている。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、高い機械的強度を有する積層セラミック電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。
図2】上記積層セラミックコンデンサの図1のA-A'線に沿った断面図である。
図3】上記積層セラミックコンデンサの図1のB-B'線に沿った断面図である。
図4】上記積層セラミックコンデンサの容量形成部の微細組織を模式的に示す部分断面図である。
図5】上記積層セラミックコンデンサの積層体とサイドマージン部との境界部近傍の微細組織を模式的に示す部分断面図である。
図6】上記積層セラミックコンデンサの積層体とサイドマージン部との境界部近傍の微細組織を模式的に示す部分断面図である。
図7】上記積層セラミックコンデンサの積層体とサイドマージン部との境界部近傍の微細組織を模式的に示す部分断面図である。
図8】比較例に係る積層セラミックコンデンサの積層体とサイドマージン部との境界部近傍の微細組織を模式的に示す部分断面図である。
図9】上記実施形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサの積層体を拡大して示す部分断面図である。
図10】上記積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。
図11】上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す平面図である。
図12】上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。
図13】上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す平面図である。
図14】上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。
図15】上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
【0017】
[積層セラミックコンデンサ10の全体構成]
図1~3は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図である。図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサ10の図1のA-A'線に沿った断面図である。図3は、積層セラミックコンデンサ10の図1のB-B'線に沿った断面図である。
【0018】
積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体11と、第1外部電極14と、第2外部電極15と、を備える。セラミック素体11は、典型的には、Z軸方向を向いた2つの主面と、Y軸方向を向いた2つの側面と、X軸方向を向いた2つの端面と、を有する六面体として構成される。
【0019】
なお、セラミック素体11の形状は、上記のものに限定されない。つまり、セラミック素体11は、図1~3に示すような直方体形状でなくてもよい。例えば、セラミック素体11の各面は曲面であってもよく、セラミック素体11は全体として丸みを帯びた形状であってもよい。
【0020】
外部電極14,15は、セラミック素体11の端面を覆い、セラミック素体11を挟んでX軸方向に対向している。外部電極14,15は、セラミック素体11の端面から主面及び側面に延出している。これにより、外部電極14,15では、X-Z平面に平行な断面、及びX-Y平面に平行な断面がいずれもU字状となっている。
【0021】
なお、外部電極14,15の形状は、図1に示すものに限定されない。例えば、外部電極14,15は、セラミック素体11の端面から一方の主面のみに延び、X-Z平面に平行な断面がL字状となっていてもよい。また、外部電極14,15は、いずれの主面及び側面にも延出していなくてもよい。
【0022】
外部電極14,15は、電気の良導体により形成されている。外部電極14,15を形成する電気の良導体としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)などを主成分とする金属又は合金が挙げられる。
【0023】
セラミック素体11は、誘電体セラミックスで形成され、積層体16と、サイドマージン部17と、を有する。積層体16は、Y軸方向を向いた2つの側面を有し、X-Y平面に沿って延びる平板状の複数のセラミック層20がZ軸方向に積層された構成を有する。サイドマージン部17は、積層体16の両側面に形成されている。
【0024】
積層体16は、容量形成部18と、カバー部19と、を有する。容量形成部18は、誘電体セラミックスに覆われた複数層の第1内部電極12及び第2内部電極13を有し、Z軸方向上下からカバー部19に被覆されている。内部電極12,13は、いずれもX-Y平面に沿って延びるシート状であり、Z軸方向に沿って交互に配置されている。
【0025】
つまり、内部電極12,13は、セラミック層20を挟んでZ軸方向に対向している。第1内部電極12は、セラミック素体11の一方の端面に引き出され、第1外部電極14に接続されている。第2内部電極13は、セラミック素体11の他方の端面に引き出され、第2外部電極15に接続されている。
【0026】
このような構成により、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間に電圧が印加されると、第1内部電極12と第2内部電極13との間の各セラミック層20に電圧が加わる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間の電圧に応じた電荷が蓄えられる。
【0027】
また、容量形成部18では、外部電極14,15が設けられたX軸方向両端面以外の面がサイドマージン部17及びカバー部19によって覆われている。したがって、容量形成部18では、サイドマージン部17及びカバー部19によってその周囲が保護され、内部電極12,13の絶縁性が確保される。
【0028】
セラミック素体11では、内部電極12,13間の各セラミック層20の静電容量を大きくするため、高誘電率の誘電体セラミックスが用いられる。高誘電率の誘電体セラミックスとしては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)に代表される、バリウム(Ba)及びチタン(Ti)を含むペロブスカイト構造の材料が挙げられる。
【0029】
なお、セラミック層20は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)系、チタン酸カルシウム(CaTiO3)系、チタン酸マグネシウム(MgTiO3)系、ジルコン酸カルシウム(CaZrO3)系、チタン酸ジルコン酸カルシウム(Ca(Zr,Ti)O3)系、ジルコン酸バリウム(BaZrO3)系、酸化チタン(TiO2)系などで構成してもよい。
【0030】
内部電極12,13は、電気の良導体により形成されている。内部電極12,13を形成する電気の良導体としては、典型的にはニッケル(Ni)が挙げられ、この他にも銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)などを主成分とする金属又は合金が挙げられる。
【0031】
積層セラミックコンデンサ10は、小型化及び大容量化に有利な構成であることが好ましい。具体的に、積層セラミックコンデンサ10では、セラミック素体11における静電容量の形成に寄与しないサイドマージン部17の厚さ(Y軸方向の寸法)が小さく形成されていることが好ましい。
【0032】
より詳細に、サイドマージン部17の厚さを小さくすることにより、セラミック素体11における静電容量の形成に寄与する容量形成部18の占める割合が大きくなるため、積層セラミックコンデンサ10の小型化及び大容量化に有利になる。サイドマージン部17の厚さは、25μm以下とすることが好ましい。
【0033】
サイドマージン部17の厚さは、例えば、セラミック素体11のX軸方向中央部におけるY-Z平面に平行な断面において、Z軸方向の中央部で測定することができる。サイドマージン部17の厚さを小さくするためには、積層体16に対してサイドマージン部17を後付けする手法が有効である。
【0034】
つまり、サイドマージン部17を積層体16とは別体として形成することにより、薄いサイドマージン部17によっても容量形成部18の絶縁性を確実に確保することができる。なお、サイドマージン部17を後付する手法の詳細については、後述の積層セラミックコンデンサ10の製造方法の項目において説明する。
【0035】
また、積層セラミックコンデンサ10では、セラミック層20の厚さ(Z軸方向の寸法)、つまり内部電極12,13のZ軸方向の間隔が小さく形成されていることが好ましい。更に、積層セラミックコンデンサ10では、内部電極12,13の厚さ(Z軸方向の寸法)も小さく形成されていることが好ましい。
【0036】
より詳細に、セラミック層20及び内部電極12,13の厚さを小さくすることにより、セラミック層20及び内部電極12,13の積層数を増加可能であるため、積層セラミックコンデンサ10の小型化及び大容量化に有利になる。セラミック層20及び内部電極12,13のそれぞれの厚さは、500nm以下とすることが好ましい。
【0037】
セラミック層20及び内部電極12,13の厚さは、容量形成部18の断面の複数箇所において測定された厚さの平均値として求めることができる。セラミック層20及び内部電極12,13の厚さを測定する位置や数は任意に決定可能である。以下、セラミック層20及び内部電極12,13の厚さの測定方法の一例について説明する。
【0038】
図4は、走査型電子顕微鏡によって12.6μm×8.35μmの視野で観察した容量形成部18の断面の微細組織を示す図である。この視野内の6層のセラミック層20について、2μmの等間隔の矢印で示された5箇所の厚さを測定する。そして、得られた30箇所の厚さの平均値を、セラミック層20の厚さとすることができる。
【0039】
内部電極12,13の厚さについてもセラミック層20の厚さと同様に、図4に示すセラミック素体11の断面の微細組織から測定することができる。例えば、図4に示された各矢印にZ軸方向下側に隣接する30箇所における厚さの平均値を、内部電極12,13の厚さとすることができる。
【0040】
[セラミック素体11の微細組織]
図5は、セラミック素体11における積層体16とサイドマージン部17との境界部近傍の微細組織を模式的に示す部分断面図である。サイドマージン部17及びセラミック層20は、セラミックスの結晶粒21で構成された多結晶体である。内部電極12,13には、Z軸方向に貫通する貫通孔であるポアPが形成されている。
【0041】
ポアPは、内部電極12,13の全体にわたって分散し、典型的には、セラミック素体11の焼成時に、金属で構成された内部電極12,13が、セラミックスで構成されたセラミック層20よりも大きく収縮することにより形成される。内部電極12,13のポアは、内部電極12,13の厚さが小さいほど発生しやすい。
【0042】
セラミック層20を構成する結晶粒21には、図6にドットパターンで示す第1結晶粒21aが含まれる。第1結晶粒21aは、その一部が内部電極12,13のポアP内に配置されている。また、第1結晶粒21aのZ軸方向の径(最大の寸法)は、セラミック層20の厚さよりも大きい。
【0043】
第1結晶粒21aは、典型的には、セラミック素体11の焼成時に、内部電極12,13のポアPの近傍に存在するセラミックスの粒子がZ軸方向に粒成長し、内部電極12,13のポアP内に進入することにより形成される。このため、第1結晶粒21aには、Z軸方向に長い形状のものが含まれる。
【0044】
積層セラミックコンデンサ10では、第1結晶粒21aによって内部電極12,13のポアPの少なくとも一部が埋まっているため、セラミック素体11の密度が高くなる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、高い機械的強度が得られ、構造破壊が生じにくくなる。
【0045】
また、Z軸方向に隣接する一対の第1内部電極12は、その間の第2内部電極13のポアPを介して結晶粒21によってZ軸方向に隙間なく接続されていることが好ましい。同様に、Z軸方向に隣接する一対の第2内部電極13も、その間の第1内部電極12のポアPを介して結晶粒21によってZ軸方向に隙間なく接続されていることが好ましい。
【0046】
つまり、内部電極12,13のうちの一方である第1層のポアPを介して、当該第1層を挟んでZ軸方向に隣接する内部電極12,13のうちの他方である一対の第2層がセラミックスの結晶粒21のみによってZ軸方向に接続されていることが好ましい。これにより、第1内部電極12間及び第2内部電極13間における機械的強度が向上する。
【0047】
特に、第1内部電極12間及び第2内部電極13間を接続する結晶粒21は、少ないことが好ましく、第1結晶粒21aを含む2つであることが更に好ましい。これにより、結晶粒21同士の接続界面の数を少なく抑えることができるため、第1内部電極12間及び第2内部電極13間における機械的強度が向上する。
【0048】
このような構成により、積層セラミックコンデンサ10では、層間剥離などの損傷が発生しにくくなるため、更に高い機械的強度が得られる。なお、詳細については後述するが、第1内部電極12間及び第2内部電極13間を単一の第1結晶粒21aのみによって接続することは、過剰な粒成長が必要となる点で好ましくない。
【0049】
また、積層セラミックコンデンサ10では、サイドマージン部17の厚さが小さいほど、サイドマージン部17の機械的強度が低くなる。このため、セラミック素体11におけるサイドマージン部17の近傍では、高電圧印加時の電歪により加わる応力によって、構造破壊が生じやすくなる。
【0050】
更に、サイドマージン部17を後付けする手法を用いる場合、積層体16の側面に露出する内部電極12,13の端部のY軸方向の位置がZ軸方向に沿って0.5μm以内に揃う。このため、積層体16とサイドマージン部17との境界部には、高電圧印加時の電歪による応力が集中して加わるため、更に構造破壊が生じやすくなる。
【0051】
この点、積層セラミックコンデンサ10では、第1結晶粒21aの作用によってセラミック素体11の機械的強度が高められている。このため、積層セラミックコンデンサ10では、サイドマージン部17を後付けする手法を用い、かつサイドマージン部17の厚さを25μm以下にする場合であっても、構造破壊が生じにくい。
【0052】
また、サイドマージン部17を後付けする手法を用いる場合、積層体16とサイドマージン部17との境界部における機械的強度が低くなりやすい。特に、内部電極12,13の積層数が多いほど、積層体16における金属の割合が多くなるため、積層体16とサイドマージン部17との境界部における機械的強度が低くなりやすい。
【0053】
この点、積層セラミックコンデンサ10では、積層体16とサイドマージン部17との境界部に存在する内部電極12,13のポアP内に第1結晶粒21aが配置されている。このため、積層体16とサイドマージン部17との境界部では、セラミックス同士の接続面積が増加するため、機械的強度が高くなる。
【0054】
また、第1結晶粒21aのZ軸方向の径は、セラミック層20の厚さの2倍よりも小さいことが好ましい。つまり、セラミック素体11の焼成時に、第1結晶粒21aをZ軸方向に粒成長させすぎないことが好ましい。第1結晶粒21aがZ軸方向に粒成長しすぎる条件でセラミック素体11を焼成すると、以下のような問題が生じる。
【0055】
セラミック素体11よりも焼結温度が低い内部電極12,13は、過焼結によって球状化が進行しやすい。内部電極12,13では、球状化が進むほど、ポアPが大きくなり、厚さを増す。また、第1結晶粒21aは、X-Y平面に沿った方向の粒成長によって、内部電極12,13のポアPを押し広げることもある。
【0056】
積層セラミックコンデンサ10では、内部電極12,13における静電容量の形成に寄与しないポアPが大きくなるほど静電容量が低下する。また、積層セラミックコンデンサ10では、内部電極12,13の厚さが大きくなると、Z軸方向に隣接する内部電極12,13の距離が近くなるため、ショートが起こりやすくなる。
【0057】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10では、第1結晶粒21aがZ軸方向に粒成長しすぎない条件でセラミック素体11を焼成することにより、上記のような内部電極12,13の変形を抑制することができる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、静電容量の低下及びショートを防止することができる。
【0058】
また、セラミック層20を構成する結晶粒21には、図7にドットパターンで示す第2結晶粒21bが含まれる。第2結晶粒21bは、Z軸方向に隣り合う2層の内部電極12,13の間に配置され、当該内部電極12,13を他の結晶粒21を介することなく直接接続している。
【0059】
第2結晶粒21bは、セラミック素体11の焼成時に、内部電極12,13の間に存在するセラミックスの粒子が内部電極12,13によってZ軸方向の拘束を受けながら粒成長することにより形成される。このため、第2結晶粒21bには、X-Y平面に沿って扁平な形状のものが含まれる。
【0060】
積層セラミックコンデンサ10では、第2結晶粒21bが形成される条件でセラミック素体11を焼成することによって、第1結晶粒21aが良好に形成されやすくなる。なお、結晶粒21には、少なくとも第1結晶粒21aが含まれていればよく、第2結晶粒21bが含まれていることは必須ではない。
【0061】
図8は、比較例に係るセラミック素体511における積層体516とサイドマージン部517との境界部近傍の微細組織を模式的に示す部分断面図である。サイドマージン部517及びセラミック層520は、セラミックスの微細な結晶粒521で構成された多結晶体である。
【0062】
セラミック素体511は、セラミックスの粒子が大きく粒成長しない条件で焼成される。このため、図8に示すように、セラミック素体511の焼成後にも、内部電極512,513のポアPが空間として残りやすくなる。このため、セラミック素体511では、密度が低くなり、充分な機械的強度が得られにくい。
【0063】
また、サイドマージン部517を後付けする手法を用いる場合、積層体516とサイドマージン部517との境界部に存在する内部電極512,513のポアPによって、積層体516とサイドマージン部517との接続面積が小さくなる。これにより、サイドマージン部517が積層体516から剥離しやすくなる。
【0064】
なお、図5~7に示す例では、内部電極12,13のポアPが結晶粒21によって隙間なく充填されている。しかし、積層セラミックコンデンサ10では、図9に示すように、内部電極12,13のポアPに、結晶粒21で充填されない空間を構成する空隙Rが形成されたポアPが含まれていてもよい。
【0065】
[積層セラミックコンデンサ10の製造方法]
図10は、積層セラミックコンデンサ10の製造方法を示すフローチャートである。図11~15は、積層セラミックコンデンサ10の製造過程を示す図である。以下、積層セラミックコンデンサ10の製造方法について、図10に沿って、図11~15を適宜参照しながら説明する。
【0066】
(ステップS01:セラミックシート準備)
ステップS01では、容量形成部18を形成するための第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102と、カバー部19を形成するための第3セラミックシート103と、を準備する。セラミックシート101,102,103は、誘電体セラミックスを主成分とする未焼成の誘電体グリーンシートとして構成される。
【0067】
セラミックシート101,102,103は、例えば、ロールコーターやドクターブレードなどを用いてシート状に成形される。セラミックシート101,102の厚さは、焼成後の容量形成部18におけるセラミック層20の厚さに応じて調整される。セラミックシート103の厚さは適宜調整可能である。
【0068】
図11は、セラミックシート101,102,103の平面図である。この段階では、セラミックシート101,102,103が個片化されていない。図11には、各積層セラミックコンデンサ10ごとに個片化する際の切断線Lx,Lyが示されている。切断線LxはX軸に平行であり、切断線LyはY軸に平行である。
【0069】
図11に示すように、第1セラミックシート101には第1内部電極12に対応する未焼成の第1内部電極112が形成され、第2セラミックシート102には第2内部電極13に対応する未焼成の第2内部電極113が形成されている。なお、カバー部19に対応する第3セラミックシート103には内部電極が形成されていない。
【0070】
内部電極112,113は、焼成後の容量形成部18における内部電極12,13の厚さに応じた厚さで任意の導電性ペーストをセラミックシート101,102に塗布することによって形成することができる。導電性ペーストの塗布方法としは、例えば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法を用いることができる。
【0071】
内部電極112,113には、切断線Lyに沿ったX軸方向の隙間が、切断線Ly1本置きに形成されている。第1内部電極112の隙間と第2内部電極113の隙間とはX軸方向に互い違いに配置されている。つまり、第1内部電極112の隙間を通る切断線Lyと第2内部電極113の隙間を通る切断線Lyとが交互に並んでいる。
【0072】
(ステップS02:積層)
ステップS02では、ステップS01で準備したセラミックシート101,102,103を、図12に示すように積層することにより積層シート104を作製する。積層シート104では、容量形成部18に対応する第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102がZ軸方向に交互に積層されている。
【0073】
また、積層シート104では、交互に積層されたセラミックシート101,102のZ軸方向上下面にカバー部19に対応する第3セラミックシート103が積層される。なお、図12に示す例では、第3セラミックシート103がそれぞれ3枚ずつ積層されているが、第3セラミックシート103の枚数は適宜変更可能である。
【0074】
積層シート104は、セラミックシート101,102,103を圧着することにより一体化される。セラミックシート101,102,103の圧着には、例えば、静水圧加圧や一軸加圧などを用いることが好ましい。これにより、積層シート104を高密度化することが可能である。
【0075】
(ステップS03:切断)
ステップS03では、ステップS02で得られた積層シート104を、図13に示すように切断線Lx,Lyに沿って切断することにより、未焼成の積層体116を作製する。積層体116は、焼成後の積層体16に対応する。積層シート104の切断には、例えば、押し切り刃や回転刃などを用いることができる。
【0076】
より詳細に、積層シート104は、保持部材Cによって保持された状態で、切断線Lx,Lyに沿って切断される。これにより、積層シート104が個片化され、積層体116が得られる。このとき、保持部材Cは切断されておらず、各積層体116は保持部材Cによって接続されている。
【0077】
図14は、ステップS03で得られる積層体116の斜視図である。積層体116には、容量形成部118及びカバー部119が形成されている。積層体116では、切断面である両側面に内部電極112,113が露出している。内部電極112,113の間にはセラミック層が形成されている。
【0078】
(ステップS04:サイドマージン部形成)
ステップS04では、ステップS03で得られた積層体116における内部電極112,113が露出した側面に未焼成のサイドマージン部117を設けることにより、図15に示す未焼成のセラミック素体111を作製する。サイドマージン部117は、セラミックシートやセラミックスラリーから形成される。
【0079】
ステップS04では、ステップS03における積層体116の切断面であるY軸方向を向いた両側面にサイドマージン部117が設けられる。このため、ステップS04では、予め保持部材Cから積層体116を剥がし、積層体116の向きを90度回転させておくことが好ましい。
【0080】
サイドマージン部117は、例えば、セラミックシートを積層体116の側面に貼り付けることにより形成することができる。また、サイドマージン部117は、積層体116の側面を、例えば塗布やディップなどによってセラミックスラリーでコーティングすることにより形成することもできる。
【0081】
サイドマージン部117の厚さは、焼成後のセラミック素体11のサイドマージン部17の厚さに応じて調整される。サイドマージン部117の厚さは、例えば、セラミックシートの厚さや、セラミックシートの枚数や、セラミックスラリーの粘度などによって調整することができる。
【0082】
(ステップS05:焼成)
ステップS05では、ステップS04で得られた未焼成のセラミック素体111を焼結させることにより、図1~3に示す積層セラミックコンデンサ10のセラミック素体11を作製する。つまり、ステップS05により、積層体116が積層体16になり、サイドマージン部117がサイドマージン部17になる。
【0083】
ステップS05では、未焼成のセラミック素体111を構成するセラミックスの粒子が粒成長することによって、第1結晶粒21a及び第2結晶粒21bが形成される焼成条件が採用される。焼成時のセラミックスの粒子の粒成長の度合いは、例えば、温度や雰囲気などによって制御することが可能である。
【0084】
一例として、未焼成のセラミック素体11の焼成時の水素濃度を変更することによって、セラミックスの粒子の粒成長の度合いを制御することができる。より詳細に、水素濃度を上昇させるとセラミックスの粒子の粒成長が促進され、水素濃度を低下させるとセラミックスの粒子の粒成長が抑制される。
【0085】
より具体的に、第1結晶粒21a及び第2結晶粒21bをより確実に形成するためのプロセス例について説明する。本プロセス例では、主にセラミック素体11の焼結を安定して進めるための1次焼成と、主に結晶粒21を粒成長させて第1結晶粒21a及び第2結晶粒21bを形成するための2次焼成と、を行う。
【0086】
本プロセス例では、1次焼成と2次焼成とで異なる焼成条件を用いる。具体的に、1次焼成では、例えば、酸素分圧を10-7Paとし、保持温度を1310℃とし、保持時間を40分とすることができる。2次焼成では、例えば、酸素分圧を10-8Paとし、保持温度を1380℃とし、保持時間を8分とすることができる。
【0087】
本プロセス例では、1次焼成の後に、短時間の2次焼成を2回繰り返して行う。その後、セラミック素体11を抜き取ってSEM観察を行うことにより、結晶粒21の粒成長の状態を確認する。そして、第1結晶粒21a及び第2結晶粒21bが充分に形成されていない場合には、更に3回目の2次焼成を行う。
【0088】
同様に、2次焼成後のセラミック素体11のSEM観察を行いながら、第1結晶粒21a及び第2結晶粒21bが充分に形成される程度に結晶粒21の粒成長が進むまで2次焼成を繰り返す。これにより、本プロセス例では、第1結晶粒21a及び第2結晶粒21bが充分に形成されたセラミック素体11を得ることができる。
【0089】
(ステップS06:外部電極形成)
ステップS06では、ステップS05で得られたセラミック素体11に外部電極14,15を形成することにより、図1~3に示す積層セラミックコンデンサ10を作製する。ステップS06では、例えば、セラミック素体11のX軸方向端面に、外部電極14,15を構成する下地膜、中間膜、及び表面膜を形成する。
【0090】
より詳細に、ステップS06では、まず、セラミック素体11のX軸方向両端面を覆うように未焼成の電極材料を塗布する。塗布された未焼成の電極材料を、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において焼き付けを行うことにより、セラミック素体11に外部電極14,15の下地膜が形成される。
【0091】
そして、セラミック素体11に焼き付けられた外部電極14,15の下地膜の上に、外部電極14,15の中間膜が形成され、更に外部電極14,15の表面膜が形成される。外部電極14,15の中間膜及び下地膜の形成には、例えば、電解メッキなどのメッキ処理を用いることができる。
【0092】
なお、上記のステップS06における処理の一部を、ステップS05の前に行ってもよい。例えば、ステップS05の前に未焼成のセラミック素体111のX軸方向両端面に未焼成の電極材料を塗布してもよい。これにより、ステップS05において、未焼成のセラミック素体111の焼成と電極材料の焼き付けとを同時に行うことができる。
【0093】
[実施例]
上記の製造方法に基づいて積層セラミックコンデンサ10のサンプルNo.1~20を作製した。サンプルNo.1~20ではいずれも、X軸方向の寸法を0.6mmとし、Y軸方向及びZ軸方向の寸法を0.3mmとした。また、サンプルNo.1~20ではいずれも、設計容量を4.7μFとした。
【0094】
サンプルNo.1~20では、サイドマージン部17の厚さa、セラミック層20の厚さb、内部電極12,13の厚さc、及び第1結晶粒21aのZ軸方向の径dを様々に変化させた。なお、各サンプルでは、内部電極12,13のポアPの近傍においてZ軸方向の径が最も大きい結晶粒21を第1結晶粒21aとした。
【0095】
各サンプルにおけるサイドマージン部17の厚さa、セラミック層20の厚さb、内部電極12,13の厚さc、及び第1結晶粒21aのZ軸方向の径dは、断面の微細組織写真で測定した。なお、各サンプルにおける第1結晶粒21aの径dは、100個の第1結晶粒21aのZ軸方向の径の平均値として算出した。
【0096】
表1は、サンプルNo.1~20におけるサイドマージン部17の厚さa、セラミック層20の厚さb、内部電極12,13の厚さc、及び第1結晶粒21aのZ軸方向の径dを示している。また、表1には、セラミック層20の厚さbに対する第1結晶粒21aのZ軸方向の径dの比率d/bが示されている。
【0097】
【表1】
【0098】
まず、サンプルNo.1~20について静電容量の測定を行った。サンプルNo.13~19では、設計容量である4.7μFを超える大きい静電容量が得られた。この一方で、セラミック層20の厚さb及び内部電極12,13の厚さcが500nmを超えるサンプルNo.1~6では、設計容量から15%以上小さい静電容量となった。
【0099】
また、サイドマージン部17の厚さaが25μmを超えるサンプルNo.7~11では、設計容量よりもやや小さい静電容量となった。更に、第1結晶粒21aの径dがセラミック層20の厚さbの2倍以上であるサンプルNo.6,12,20では、設計容量から15%以上小さい静電容量となった。
【0100】
次に、設計容量から15%以上小さい静電容量となったサンプルNo.1~6,12,20を除くサンプルNo.7~11,13~19について絶縁破壊試験を行った。絶縁破壊試験では、25℃にて各サンプルに加える電圧を増加させていき、絶縁破壊したときの電圧を絶縁破壊電圧(BDV:Breakdown Voltage)とした。
【0101】
この結果、サンプルNo.7~11,16~19では、27V以上の大きい絶縁破壊電圧が得られた。特に、サンプルNo.16~19では、サイドマージン部17の厚さaが25μm以下と小さく、大容量が得られる反面、構造破壊が生じやすい構成であるにも関わらず、高い絶縁破壊電圧が得られた。
【0102】
したがって、サンプルNo.16~19では、大容量に加え、高い機械的強度が得られていることがわかる。これは、サンプルNo.16~19では、適切な大きさの第1結晶粒21aが形成されることにより、機械的強度が向上していることに起因しているものと考えられる。
【0103】
この一方で、サンプルNo.13~15では、絶縁破壊電圧が27V未満となった。これは、サンプルNo.13~15では、第1結晶粒21aが充分に粒成長しておらず、内部電極12,13のポアPへの第1結晶粒21aの進入が不充分であることに起因しているものと考えられる。
【0104】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
【0105】
例えば、積層セラミックコンデンサ10では、容量形成部18がZ軸方向に複数に分割して設けられていてもよい。この場合、各容量形成部18において内部電極12,13がZ軸方向に沿って交互に配置されていればよく、容量形成部18が切り替わる部分において第1内部電極12又は第2内部電極13が連続して配置されていてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では積層セラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサ10について説明したが、本発明は積層セラミック電子部品全般に適用可能である。このような積層セラミック電子部品としては、例えば、チップバリスタ、チップサーミスタ、積層インダクタなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0107】
10…積層セラミックコンデンサ
11…セラミック素体
12,13…内部電極
14,15…外部電極
16…積層体
17…サイドマージン部
18…容量形成部
19…カバー部
20…セラミック層
21…結晶粒
21a…第1結晶粒
21b…第2結晶粒
P…ポア

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15