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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101073
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】照明装置、貯蔵庫及びカバー
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240722BHJP
   F25D 27/00 20060101ALI20240722BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20240722BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240722BHJP
【FI】
F21S2/00 413
F25D27/00
F21V33/00 300
F21S2/00 415
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004759
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山内 紘平
(72)【発明者】
【氏名】西澤 研人
【テーマコード(参考)】
3K014
3K244
3L045
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K244AA05
3K244CA02
3K244DA01
3K244EA04
3K244EB02
3K244EC16
3K244ED16
3L045AA05
3L045AA07
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】光がユーザに眩しさを感じさせることを抑制することと、光により貯蔵庫の庫内の奥面を明るく照明することと、を両立することができる照明装置、貯蔵庫及びカバーを提供する。
【解決手段】照明装置は、貯蔵庫の庫内天面に配置される照明装置であって、第1の方向に進む第1の光及び前記第1の方向から前記貯蔵庫の奥行方向の奥側に傾斜した第2の方向に進む第2の光を発する発光部と、前記第1の光を拡散透過させる拡散透過部と、前記第2の光を透過させ、前記第2の光の出射方向を前記第2の光の入射方向から前記奥側に傾斜させる透過部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵庫の庫内天面に配置される照明装置であって、
第1の方向に進む第1の光及び前記第1の方向から前記貯蔵庫の奥行方向の奥側に傾斜した第2の方向に進む第2の光を発する発光部と、
前記第1の光を拡散透過させる拡散透過部と、
前記第2の光を透過させ、前記第2の光の出射方向を前記第2の光の入射方向から前記奥側に傾斜させる透過部と、
を備える照明装置。
【請求項2】
前記拡散透過部は、前記第1の光が入射する第1の面と前記第1の光が出射する第2の面とを有し、前記第1の面又は前記第2の面に形成される複数の光拡散部を備え、
前記複数の光拡散部の各々は、前記第1の光を構成する光を拡散させる
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記複数の光拡散部の各々は、球冠状の表面形状を有する
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数の光拡散部に含まれる各光拡散部は、前記各光拡散部の周囲より凹んだ凹形状を有する
請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記複数の光拡散部は、前記第2の面に形成される
請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第2の面は、前記奥行方向の手前側且つ前記貯蔵庫の高さ方向の下側を向く
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記発光部は、第3の光を発し、
前記第3の光を拡散反射させる拡散反射部と、
前記拡散反射部により拡散反射された拡散反射光により照らされる意匠部材と、
を備える請求項2に記載の照明装置。
【請求項8】
前記拡散反射部は、前記発光部の側に設けられた第3の面と前記貯蔵庫の庫内の側に設けられた第4の面とを有し、前記第3の面又は前記第4の面に形成される複数の光反射部を備え、
前記複数の光反射部の各々は、前記第3の光を構成する光を反射させる
請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記複数の光反射部の各々は、球冠状の表面形状を有する
請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記複数の光反射部に含まれる各光反射部は、前記各光反射部の周囲より凹んだ凹形状を有する
請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記複数の光反射部は、前記第4の面に形成される
請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
前記第4の面は、前記奥側且つ前記貯蔵庫の高さ方向の下側を向く
請求項11に記載の照明装置。
【請求項13】
前記意匠部材は、前記奥行方向の手前側から見える正面及び前記正面がある側と反対の側にある背面を有し、前記背面の側から前記拡散反射光により照らされる
請求項7に記載の照明装置。
【請求項14】
前記透過部は、前記第2の光が入射する第5の面と前記第2の光が出射する第6の面とを有し、前記第5の面又は前記第6の面に形成され前記奥行方向に並ぶ複数の光屈折部を備え、
前記複数の光屈折部の各々は、前記第2の光を構成する光を屈折させる
請求項1から13までのいずれかに記載の照明装置。
【請求項15】
前記複数の光屈折部の各々は、前記奥行方向の手前側を向いて傾斜し前記第2の光を構成する光を屈折させる屈折面を有する
請求項14に記載の照明装置。
【請求項16】
前記屈折面の傾斜は、前記奥側に進むにつれて大きくなる
請求項15に記載の照明装置。
【請求項17】
前記複数の光屈折部は、同じ高さを有し前記奥行方向について互いに異なる幅を有する光屈折部を含む
請求項14に記載の照明装置。
【請求項18】
前記複数の光屈折部は、複数の線状構造である
請求項14に記載の照明装置。
【請求項19】
前記複数の光屈折部は、前記第5の面に形成される
請求項14に記載の照明装置。
【請求項20】
請求項1から13までのいずれかに記載の照明装置を備える貯蔵庫。
【請求項21】
貯蔵庫の庫内天面に配置され、第1の方向に進む第1の光及び前記第1の方向から前記貯蔵庫の奥行方向の奥側に傾斜した第2の方向に進む第2の光を発する発光部を覆うカバーであって、
前記第1の光を拡散透過させる拡散透過部と、
前記第2の光を透過させ、前記第2の光の出射方向を前記第2の光の入射方向から前記奥側に傾斜させる透過部と、
を備えるカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置、貯蔵庫及びカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生物のもつ多彩な機能を模倣して利用する技術、いわゆるバイオミメティクス(biomimetics)に注目が集まっている。そして、そのような生体模倣技術を電気製品等に採用するモノづくりの一例としてネイチャーテクノロジー(登録商標)が知られている。
【0003】
特許文献1は、冷蔵庫を開示する。当該冷蔵庫においては、導光板が反射板で覆われる。また、光が導光板に入光されて反射板で反射され、反射された光が意匠パネルで拡散させられる(段落0011、0025及び0026)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4738281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された冷蔵庫においては、光がユーザに眩しさを感じさせることを抑制することと、光により冷蔵庫の庫内の奥面を明るく照明することと、を両立することができない可能性がある。
【0006】
本開示は、この問題に鑑みてなされた。本開示の一態様は、例えば、光がユーザに眩しさを感じさせることを抑制することと、光により貯蔵庫の庫内の奥面を明るく照明することと、を両立することができる照明装置、貯蔵庫及びカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様の照明装置は、貯蔵庫の庫内天面に配置される照明装置であって、第1の方向に進む第1の光及び前記第1の方向から前記貯蔵庫の奥行方向の奥側に傾斜した第2の方向に進む第2の光を発する発光部と、前記第1の光を拡散透過させる拡散透過部と、前記第2の光を透過させ、前記第2の光の出射方向を前記第2の光の入射方向から前記奥側に傾斜させる透過部と、を備える。
【0008】
本開示の第2の態様の冷蔵庫は、本開示の第1の態様の照明装置を備える。
【0009】
本開示の第3の態様のカバーは、貯蔵庫の庫内天面に配置され、第1の方向に進む第1の光及び前記第1の方向から前記貯蔵庫の奥行方向の奥側に傾斜した第2の方向に進む第2の光を発する発光部を覆うカバーであって、前記第1の光を拡散透過させる拡散透過部と、前記第2の光を透過させ、前記第2の光の出射方向を前記第2の光の入射方向から前記奥側に傾斜させる透過部と、を備える。
【0010】
なお、この開示はホッキョクグマの毛の中の空洞及びクシクラゲの櫛板に着目した技術的思想を含んでいる。つまり、この開示は、バイオミメティクスに関係するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の冷蔵庫を模式的に図示する斜視図である。
図2】第1実施形態の冷蔵庫に備えられる本体を模式的に図示する正面図である。
図3】第1実施形態の冷蔵庫に備えられる本体を模式的に図示する断面図である。
図4】第1実施形態の照明装置を模式的に図示する下面図である。
図5】第1実施形態の照明装置を模式的に図示する断面図である。
図6】第1実施形態の照明装置を模式的に図示する断面図である。
図7】第1実施形態の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散透過部の付近を模式的に図示する断面図である。
図8】第1実施形態の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散透過部の一部を模式的に図示する断面図である。
図9】第1実施形態の第1変形例の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散透過部の一部を模式的に図示する断面図である。
図10】第1実施形態の第2変形例の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散透過部の一部を模式的に図示する断面図である。
図11】相対的に屈折率の小さい媒質から屈折率の大きい媒質へと進む光において小さな傾斜角度を有する屈折面の光路曲げ効果を説明する図である。
図12】相対的に屈折率の小さい媒質から屈折率の大きい媒質へと進む光において大きな傾斜角度を有する屈折面の光路曲げ効果を説明する図である。
図13】第1実施形態の照明装置に備えられる透過部の一部を模式的に図示する断面図である。
図14】第1実施形態の照明装置に備えられる透過部の一部を模式的に図示する断面図である。
図15】第1実施形態の第3変形例の照明装置に備えられる透過部の一部を模式的に図示する断面図である。
図16】第1実施形態の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散反射部の付近を模式的に図示する断面図である。
図17】第1実施形態の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散反射部の一部を模式的に図示する断面図である。
図18】第1実施形態の第4変形例の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散反射部の一部を模式的に図示する断面図である。
図19】第1実施形態の第5変形例の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散反射部の一部を模式的に図示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
1 第1実施形態
1.1 冷蔵庫
図1は、第1実施形態の冷蔵庫を模式的に図示する斜視図である。図2は、第1実施形態の冷蔵庫に備えられる本体を模式的に図示する正面図である。図3は、第1実施形態の冷蔵庫に備えられる本体を模式的に図示する断面図である。図3は、図2に描かれた切断線A-Aの位置における断面を図示する。
【0014】
図1に図示される第1実施形態の冷蔵庫1は、物品を冷却し貯蔵する。冷蔵庫1は、物品を冷蔵する機能及び物品を冷凍する機能を有する冷蔵冷凍庫である。
【0015】
図1に図示されるように、冷蔵庫1は、本体11、扉12、扉13及び扉14を備える。
【0016】
図1図2及び図3に図示されるように、本体11は、箱体21、棚22、棚23、棚24及びダクト25を備える。本体11には、冷蔵室31、開口32、野菜室33、開口34、冷凍室35及び開口36が形成される。冷蔵室31は、第1の区画41及び第2の区画42を有する。
【0017】
冷凍室35は、野菜室33より冷蔵庫1の高さ方向の上側に形成される。冷蔵室31は、冷凍室35より冷蔵庫1の高さ方向の上側に形成される。
【0018】
扉12は、開口32を塞ぐ位置と開口32を塞がない位置との間で可動である。
【0019】
扉13は、開口34を塞ぐ位置と開口34を塞がない位置との間で可動である。
【0020】
扉14は、開口36を塞ぐ位置と開口36を塞がない位置との間で可動である。
【0021】
棚22は、第1の区画41と第2の区画42とを仕切る。
【0022】
棚23は、冷蔵室31と冷凍室35とを仕切る。
【0023】
棚24は、野菜室33と冷凍室35とを仕切る。
【0024】
ダクト25は、冷凍室35から冷蔵室31及び野菜室33まで冷気を導く。
【0025】
本体11は、冷蔵室31の天面51、底面52、左側面53、右側面54及び奥面55を有する。冷蔵室31は、天面51、底面52、左側面53、右側面54及び奥面55に囲まれる。天面51及び底面52は、冷蔵室31の高さ方向Hに互いに離される。天面51及び底面52は、冷蔵室31を挟んで互いに対向する。左側面53及び右側面54は、冷蔵室31の幅方向Wに互いに離される。左側面53及び右側面54は、冷蔵室31を挟んで互いに対向する。奥面55及び開口32は、冷蔵室31の奥行方向Dに互いに離される。開口32は、奥面55より冷蔵室31の奥行方向Dの手前側にある。奥面55及び開口32は、冷蔵室31を挟んで互いに対向する。冷蔵室31は、開口32を介して本体11の外部に露出する。冷蔵室31は、冷蔵される物品を収容する。冷蔵される物品は、本体11の外部から開口32を経由して冷蔵室31に入れられる。冷蔵されていた物品は、冷蔵室31から開口32を経由して本体11の外部へ出される。このため、冷蔵される物品が冷蔵室31に入れられる場合及び冷蔵されていた物品が冷蔵室31から出される場合には、開口32より冷蔵室31の奥行方向Dの手前側にユーザが居る。天面51は、当該ユーザの目より冷蔵室31の高さ方向Hの上側にある。
【0026】
冷蔵室31の高さ方向H、幅方向W及び奥行方向Dは、冷蔵庫1の高さ方向、幅方向及び奥行方向に一致する。冷蔵庫1は、冷蔵室31の高さ方向Hが鉛直方向となり、冷蔵室31の幅方向W及び奥行方向Dが水平方向となるように設置される。
【0027】
1.2 照明装置
図2及び図3に図示されるように、冷蔵庫1は、照明装置61を備える。
【0028】
照明装置61は、冷蔵庫1の庫内に配置される。照明装置61は、光71を発し、発した光71により冷蔵庫1の庫内を照明する。照明装置61は、天面51に配置される。このため、照明装置61は、冷蔵室31の高さ方向Hの上側から冷蔵室31の高さ方向Hの下側に向かって光71を発し、発した光71により冷蔵室31を照明する。
【0029】
照明装置61により発せられる光71は、開口32に向かう光81を含む。当該光81は、開口32より冷蔵室31の奥行方向Dの手前側に居るユーザの目に直接的に到達する可能性がある。照明装置61は、当該光81を柔らかい拡散透過光とすることにより、当該光81がユーザに眩しさを感じさることを抑制する。
【0030】
光71は、奥面55に向かう光82を含む。照明装置61は、光82により奥面55及びその付近に置かれた物品を照明する。照明装置61は、光82を強い光にすることにより、光82により奥面55及びその付近に置かれた物品を明るく照明する。
【0031】
照明装置61が、冷蔵庫1以外の貯蔵庫の庫内に配置されてもよい。例えば、照明装置61が、冷凍庫、保冷庫、保温庫、冷温庫、恒温庫、加湿庫、除湿庫、恒湿庫、恒温恒湿庫、保管庫等の庫内に配置されてもよい。
【0032】
図2及び図3に図示されるように、照明装置61は、発光部91及びカバー92を備える。
【0033】
発光部91は、光71を発する。発光部91は、冷蔵室31の高さ方向Hの上側から冷蔵室31の高さ方向Hの下側に向かって光71を発する。発光部91は、発光ダイオード101を備える。発光部91が、発光ダイオード101以外の発光素子を備えてもよい。例えば、発光部91が、白熱電球等を備えてもよい。
【0034】
カバー92は、発光部91を覆う。カバー92は、光透過性を有する。カバー92は、発光部91により発せられた光71を透過させる。カバー92は、空気の屈折率1.0より大きい屈折率を有する。カバー92は、樹脂により構成される。例えば、屈折率1.5を有する樹脂により構成される。カバー92が、樹脂以外の材質により構成されてもよい。例えば、カバー92が、ガラスにより構成されてもよい。
【0035】
1.3 カバー
図4は、第1実施形態の照明装置を模式的に図示する下面図である。図5及び図6は、第1実施形態の照明装置を模式的に図示する断面図である。図5は、図4に描かれた切断線B-Bの位置における断面を図示する。図6は、図4に描かれた切断線C-Cの位置における断面を図示する。
【0036】
図4図5及び図6に図示されるように、カバー92は、トレー状の形状を有する。カバー92は、底浅部111及び底深部112を備える。底浅部111は、概ね一定の深さを有する。底深部112は、底浅部111の深さより深い最大深さを有する。このため、底深部112は、底浅部111より冷蔵室31の高さ方向Hの下側に突出する。底深部112は、冷蔵室31の幅方向Wについて、カバー92の中央に形成される。底深部112は、冷蔵室31の奥行方向Dについて、カバー92の手前側の端に配置される。
【0037】
1.4 拡散透過部
図4及び図5に図示されるように、底浅部111は、拡散透過部121を備える。
【0038】
拡散透過部121は、底浅部111の手前側の縁に形成される。このため、拡散透過部121は、カバー92において、最も開口32寄りに形成される。
【0039】
図5に図示されるように、発光部91により発せられる光71は、第1の光131を含む。第1の光131は、第1の方向P1に向かう。第1の光131は、発光部91から拡散透過部121に向かい、拡散透過部121に入射する。第1の光131は、拡散透過部121に入射するまでは、開口32に向かって進む。このため、拡散透過部121が存在しない場合は、第1の光131は、ユーザの目に直接的に到達する可能性があり、ユーザに眩しさを感じさせる可能性がある。
【0040】
ホッキョクグマの毛は、白色を呈するように見えるが、実際は透明である。しかし、ホッキョクグマの毛の中には、空洞があり、ホッキョクグマの毛は、光を拡散させる。このため、ホッキョクグマの毛は、実際は透明であるにもかかわらず、白色を呈するように見える。拡散透過部121は、ホッキョクグマの毛に白色を呈させる光の拡散に着目した構造を有する。
【0041】
拡散透過部121は、強い光拡散性を有する。このため、拡散透過部121は、入射した第1の光131を拡散透過させる。これにより、拡散透過部121は、出射する第1の光131をユーザに眩しさを感じさせない柔らかい拡散透過光135にする。
【0042】
1.5 透過部
図4図5及び図6に図示されるように、底浅部111は、透過部122を備える。
【0043】
透過部122は、底浅部111の底に形成される。このため、透過部122は、底浅部111の手前側の縁に形成される拡散透過部121より冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に形成される。
【0044】
図5及び図6に図示されるように、発光部91により発せられる光71は、第2の光132を含む。第2の光132は、第2の方向P2に向かう。第2の光132は、発光部91から透過部122に向かい、透過部122に入射する。第2の方向P2に向かう第2の光132が入射する透過部122は、第1の方向P1に向かう第1の光131が入射する拡散透過部121より冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に形成される。このため、第2の方向P2は、第1の方向P1から冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に傾斜する。
【0045】
クシクラゲの櫛板は、深海においても太陽光を反射して光を発し、発した光により敵を攪乱する。透過部122は、クシクラゲの櫛板に着目した構造を有する。
【0046】
透過部122は、拡散透過部121の光拡散性より弱い光拡散性しか有さず、光透過性を有する。このため、透過部122は、入射した第2の光132を透過させる。これにより、透過部122は、第2の光132を大きく弱めない。また、透過部122は、第2の光132の出射方向を、第2の光132の入射方向すなわち第2の方向P2から冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に傾斜させる。このため、第2の光132の出射方向は、第2の光132の入射方向と冷蔵室31の奥行方向Dとの中間の方向である。これらにより、出射する第2の光132により奥面55及びその付近に置かれた物品を明るく照明することができる。
【0047】
1.6 拡散反射部及び意匠部材
図4及び図6に図示されるように、底深部112は、拡散反射部141及び意匠部材142を備える。
【0048】
拡散反射部141は、底深部112の最大深さ位置より冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に形成される。意匠部材142は、底深部112の最大深さ位置より冷蔵室31の奥行方向Dの手前側に配置される。
【0049】
図6に図示されるように、発光部91により発せられる光71は、第3の光133を含む。第3の光133は、発光部91から拡散反射部141に向かい、拡散反射部141に入射する。
【0050】
拡散反射部141も、拡散透過部121と同様に、ホッキョクグマの毛に白色を呈させる光の拡散に着目した構造を有する。
【0051】
拡散反射部141は、強い光拡散性を有する。このため、拡散反射部141は、入射した第3の光133を拡散反射させる。これにより、拡散反射部141は、出射する第3の光133をユーザに眩しさを感じさせない柔らかい拡散反射光151にする。拡散反射部141により拡散反射された拡散反射光151は、冷蔵室31の奥行方向Dの手前側へ向かう光161を含む。
【0052】
意匠部材142は、文字、図形、記号、装飾等を表す形状を有する。意匠部材142は、冷蔵庫1の製造メーカー、ブランド、品種、特徴、機能等をユーザに認識させてもよいし、そうでなくてもよい。意匠部材142は、カバー92の中央に形成される底深部112に備えられる。意匠部材142は、拡散反射部141より冷蔵室31の奥行方向Dの手前側に形成される。このため、意匠部材142は、拡散反射光151に含まれる光161により照らされる。
【0053】
意匠部材142は、正面171及び背面172を有する。正面171は、冷蔵室31の奥行方向Dの手前側から見える。背面172は、正面171がある側と反対の側にある。意匠部材142は、拡散反射部141より冷蔵室31の奥行方向Dの手前側に形成される。このため、意匠部材142は、背面172の側から拡散反射光151に含まれる光161により照らされる。これにより、柔らかい拡散反射光151の中に意匠部材142が浮かびあがるような視覚効果をユーザに与えることができる。
【0054】
1.7 拡散透過部の光拡散部
図7は、第1実施形態の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散透過部の付近を模式的に図示する断面図である。図7は、図5に描かれた第1の部分E1を拡大して図示する。
【0055】
図4図5及び図7に図示されるように、拡散透過部121は、第1の面181及び第2の面182を有する。第1の面181及び第2の面182は、互いに反対の側にある主面である。第1の面181は、発光部91が配置される側に配置される。このため、第1の面181には、第1の光131が入射する。第2の面182からは、第1の光131が出射する。
【0056】
図4図5及び図7に図示されるように、拡散透過部121は、複数の光拡散部191を備える。光拡散部191は、拡散透過部121の第2の面182に形成される。
【0057】
複数の光拡散部191は、拡散透過部121の第2の面182の広がり方向に並ぶ。光拡散部191は、第2の面182の広がり方向に2次元配列される。光拡散部191は、千鳥状に2次元配列される。光拡散部191が、非千鳥状に2次元配列されてもよい。例えば、光拡散部191が、マトリクス状に2次元配列されてもよい。
【0058】
光拡散部191の各々は、第1の光131を構成する光を拡散させる。これにより、光拡散部191を備える拡散透過部121は、第1の光131を拡散させる。
【0059】
複数の光拡散部191の各々は、球冠状の表面形状を有する。例えば、光拡散部191の各々は、半球状の表面形状を有する。球冠状の表面形状は、ドーム状の表面形状とも呼ばれる。光拡散部191の各々の表面は、様々な方向を向く。これにより、当該表面は、当該表面に入射した光を様々な方向に屈折又は反射させて当該光を効率よく拡散させる。
【0060】
図8は、第1実施形態の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散透過部の一部を模式的に図示する断面図である。図9は、第1実施形態の第1変形例の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散透過部の一部を模式的に図示する断面図である。図10は、第1実施形態の第2変形例の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散透過部の一部を模式的に図示する断面図である。
【0061】
第1実施形態においては、図5図7及び図8に図示されるように、複数の光拡散部191に含まれる各光拡散部191は、各光拡散部191の周囲より凹んだ凹形状を有する。光拡散部191は、拡散透過部121の第2の面182に形成される。光拡散部191は、同じ大きさを有する。光拡散部191が、互いに異なる大きさを有してもよい。
【0062】
第1実施形態の第1変形例においては、図9に図示されるように、各光拡散部191は、各光拡散部191の周囲より凹んだ凹形状を有する。光拡散部191は、拡散透過部121の第1の面181に形成される。光拡散部191は、同じ大きさを有する。光拡散部191が、互いに異なる大きさを有してもよい。
【0063】
第1実施形態の第2変形例においては、図10に図示されるように、各光拡散部191は、各光拡散部191の周囲より突出する凸形状を有する。光拡散部191は、拡散透過部121の第1の面181に形成される。光拡散部191が、拡散透過部121の第2の面182に形成されてもよい。光拡散部191は、互いに異なる大きさを有する。光拡散部191が同じ大きさを有してもよい。
【0064】
凹形状又は凸形状を有する複数の光拡散部191が形成された面の清掃は、困難である。このため、図9及び図10に図示されるように光拡散部191が拡散透過部121の第1の面181に形成されることにより、清掃を困難にする光拡散部191が冷蔵室31に露出する拡散透過部121の第2の面182に形成されることを回避することができる。これにより、カバー92の清掃が容易になる。
【0065】
冷蔵室31に露出する拡散透過部121の第2の面182には、ユーザの手、冷蔵室31に貯蔵された物品等が接触しやすい。このため、第2の面182に形成された構造は、損傷しやすい。一方、複数の光拡散部191が凹形状を有する場合は、光拡散部191が凸形状を有する場合と比較して、光拡散部191が損傷しにくい。このため、光拡散部191が第2の面182に形成される場合は、図8に図示されるように、光拡散部191は、望ましくは、凹形状を有する。
【0066】
図9及び図10に図示されるように複数の光拡散部191が拡散透過部121の第1の面181に形成された場合は、光拡散部191により屈折又は反射させられた光が拡散透過部121を経由してユーザの目に到達する。このため、当該光がユーザに眩しさを感じさせることを抑制することができる。また、当該光がユーザに粒状感を感じさせることを抑制することができる。このため、拡散透過部121の美観が向上する。
【0067】
図10に図示されるように複数の光拡散部191が互いに異なる大きさを有する場合は、一の光拡散部191により屈折又は反射させられた光が他の光拡散部191により屈折又は反射させられやすくなる。このため、拡散透過部121の光拡散性が強くなる。
【0068】
拡散透過部121の第2の面182は、冷蔵室31の奥行方向Dの手前側且つ冷蔵室31の高さ方向Hの下側を向く。これにより、拡散透過部121により拡散された柔らかい拡散透過光135により冷蔵室31の、開口32の付近を照明することができる。
【0069】
1.8 透過部の光屈折部
図4図5及び図6に図示されるように、透過部122は、第5の面185及び第6の面186を有する。第5の面185及び第6の面186は、互いに反対の側にある主面である。第5の面185は、発光部91が配置される側に配置される。このため、第5の面185には、第2の光132が入射する。第6の面186からは、第2の光132が出射する。
【0070】
図5及び図6に図示されるように、透過部122は、複数の光屈折部201を備える。光屈折部201は、透過部122の第5の面185に形成される。光屈折部201が、透過部122の第6の面186に形成されてもよい。
【0071】
複数の光屈折部201は、冷蔵室31の奥行方向Dに並ぶ。光屈折部201は、冷蔵室31の奥行方向Dに1次元配列される。光屈折部201の各々は、冷蔵室31の奥行方向Dと交差する方向に延びる線状構造である。冷蔵室31の奥行方向Dと交差する方向は、冷蔵室31の奥行方向Dと垂直をなす方向であり、冷蔵室31の幅方向Wである。光屈折部201は、複数の光拡散部191及び複数の光反射部251が配置される範囲を除いて、発光部91により発せられる光71が照射される範囲の概ね全体に渡って配置される。これにより、冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に向かう光を増やすことができる。これにより、冷蔵室31の奥行方向Dの奥側を明るく照明することができる。
【0072】
複数の光屈折部201の各々は、第2の光132を構成する光を屈折させる。これにより、光屈折部201を備える透過部122は、第2の光132を屈折させる。
【0073】
複数の光屈折部201の各々は、第1の傾斜面211及び第2の傾斜面212を有する。第1の傾斜面211及び第2の傾斜面212は、透過部122の第5の面185を構成する。第1の傾斜面211が向く方向すなわち第1の傾斜面211の法線方向は、冷蔵室31の高さ方向Hの上側から冷蔵室31の奥行方向Dの奥側へ傾斜する。第2の傾斜面212が向く方向すなわち第2の傾斜面212の法線方向は、冷蔵室31の高さ方向Hの上側から冷蔵室31の奥行方向Dの手前側へ傾斜する。このため、第2の傾斜面212は、冷蔵室31の奥行方向Dの手前側を向いて傾斜する。第1の傾斜面211及び第2の傾斜面212は、互いに隣接する。
【0074】
光屈折部201の第1の傾斜面211及び第2の傾斜面212の傾斜の大きさは、互いに異なる。第2の傾斜面212の傾斜の大きさは、第1の傾斜面211の傾斜の大きさより小さい。このため、冷蔵室31の高さ方向Hの上側から見られた場合に、第2の傾斜面212は、第1の傾斜面211が占める面積より大きな面積を占める。
【0075】
光屈折部201の第2の傾斜面212には、発光部91により発せられる第2の光132を構成する光が入射する。第2の傾斜面212は、当該光が入射する際に、当該光を屈折させる。このため、第2の傾斜面212は、当該光を屈折させる屈折面を構成する。透過部122は、屈折した光を透過させる。透過部122の第6の面186からは、透過した光が出射する。第6の面186は、当該光が出射する際に、当該光を屈折させる。当該光が入射する第2の傾斜面212は、当該光が出射する第6の面186と平行でない。このため、当該光の出射方向は、当該光の入射方向と異なる。第2の傾斜面212は、冷蔵室31の奥行方向Dの手前側に傾斜する。このため、当該光の出射方向は、光の入射方向から冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に傾斜する。
【0076】
1.9 光路曲げ効果
図11は、相対的に屈折率の小さい媒質から屈折率の大きい媒質へと進む光において小さな傾斜角度を有する屈折面の光路曲げ効果を説明する図である。図12は、相対的に屈折率の小さい媒質から屈折率の大きい媒質へと進む光において大きな傾斜角度を有する屈折面の光路曲げ効果を説明する図である。
【0077】
図11に示されるように、屈折面221の傾斜角度が小さい場合は、屈折面221に入射する光231の光路と屈折面221から出射する光232の光路とがなす角度が小さい。図12に示されるように、屈折面221の傾斜角度が大きい場合は、屈折面221に入射する光231の光路と屈折面221から出射する光232の光路とがなす角度が大きい。したがって、屈折面221の傾斜角度が大きくなるほど、屈折面221の光路曲げ効果が大きくなる。
【0078】
これらのことからは、屈折面を構成する光屈折部201の第2の傾斜面212の傾斜角度が大きくなるほど、透過部122の第6の面186から出射する光の出射方向の、第2の傾斜面212に入射する光の入射方向からの冷蔵室31の奥行方向Dの奥側への傾斜が大きくなることを理解することができる。このため、光屈折部201の第2の傾斜面212の傾斜角度は、当該光屈折部201が配置される位置における望ましい光路曲げ効果に応じて調整される。
【0079】
第1実施形態においては、冷蔵室31の奥行方向Dの奥側の位置においては、光路曲げ効果を大きくして冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に光を向けることが望まれる。また、冷蔵室31の奥行方向Dの手前側の位置においては、光路曲げ効果を小さくして冷蔵室31の奥行方向Dの奥側以外の全体にも光を向けることが望まれる。このため、屈折面を構成する、光屈折部201の第2の傾斜面212の傾斜は、冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に進むにつれて大きくされる。これにより、冷蔵室31の奥行方向Dの奥側を明るく照明することができる。また、冷蔵室31の奥行方向Dの奥側以外の全体にも照明することができる。
【0080】
1.10 光屈折部の高さ及び幅
図13は、第1実施形態の照明装置に備えられる透過部の一部を模式的に図示する断面図である。
【0081】
図5図6及び図13に図示されるように、複数の光屈折部201は、同じ高さを有する。また、光屈折部201は、冷蔵室31の奥行方向Dについて、互いに異なる幅を有するふたつ以上の光屈折部241及び242を含む。同じ高さを有するが互いに異なる幅を有するふたつ以上の光屈折部241及び242の第2の傾斜面212は、互いに異なる傾斜を有する。大きな幅を有する光屈折部242の第2の傾斜面212の傾斜の大きさは、小さな幅しか有しない光屈折部241の第2の傾斜面212の傾斜の大きさより小さくなる。このように光屈折部201の幅により屈折面を構成する第2の傾斜面212の傾斜の大きさが調整されることにより、複数の光屈折部201の高さを揃えることができる。これにより、一部の光屈折部201が残余の光屈折部201から突出することを抑制することができる。これにより、突出する一部の光屈折部201が損傷することを抑制することができる。また、複数の光屈折部201が形成される透過部122の第5の面185上に配置される他の要素の配置の自由度を高くすることができる。
【0082】
1.11 光屈折部が形成される面
図14は、第1実施形態の照明装置に備えられる透過部の一部を模式的に図示する断面図である。図15は、第1実施形態の第3変形例の照明装置に備えられる透過部の一部を模式的に図示する断面図である。
【0083】
第1実施形態においては、図14に図示されるように、複数の光屈折部201は、透過部122の第5の面185に形成される。このため、光屈折部201の第2の傾斜面212に入射する、第2の光132を構成する光は、相対的に小さい屈折率を有する空気の側から相対的に大きい屈折率を有するカバー92の側に入射する。このような場合に当該光の出射方向を冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に傾斜させるためには、第2の傾斜面212が向く方向を、冷蔵室31の高さ方向Hの上側から冷蔵室31の奥行方向Dの手前側に傾斜させる必要がある。この場合は、屈折面を構成する第2の傾斜面212の傾斜角度θは、望ましくは、30°未満である。
【0084】
第1実施形態の第3変形例においては、図15に図示されるように、複数の光屈折部201は、透過部122の第6の面186に形成される。このため、光屈折部201の第2の傾斜面212から出射する、第2の光132を構成する光は、相対的に大きい屈折率を有するカバー92の側から相対的に小さい屈折率を有する空気の側に出射する。このような場合に当該光の出射方向を冷蔵室31の奥行方向Dの奥側に傾斜させるためには、第2の傾斜面212が向く方向を、冷蔵室31の高さ方向Hの下側から冷蔵室31の奥行方向Dの手前側に傾斜させる必要がある。この場合は、屈折面を構成する第2の傾斜面212の傾斜角度θは、望ましくは、30°未満である。ただし、光路曲げ効果を大きくすることが望まれる場合は、第2の傾斜面212の傾斜角度θが、30°未満でなくてもよく、例えば、55°以下であってもよい。
【0085】
1.12 拡散反射部の光拡散部
図16は、第1実施形態の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散反射部の付近を模式的に図示する断面図である。図16は、図6に描かれた第2の部分E2を拡大して図示する。
【0086】
図4図6及び図16に図示されるように、拡散反射部141は、第3の面183及び第4の面184を有する。第3の面183及び第4の面184は、互いに反対の側にある主面である。第3の面183は、発光部91の側に設けられる。第4の面184は、冷蔵室31の側に設けられる。
【0087】
図4図6及び図16に図示されるように、拡散反射部141は、複数の光反射部251を備える。光反射部251は、拡散反射部141の第4の面184に形成される。光反射部251が、拡散反射部141の第3の面183に形成されてもよい。
【0088】
複数の光反射部251は、拡散反射部141の第4の面184の広がり方向に並ぶ。光反射部251は、第4の面184の広がり方向に2次元配列される。光反射部251は、千鳥状に2次元配列される。光反射部251が、非千鳥状に2次元配列されてもよい。例えば、光反射部251が、マトリクス状に2次元配列されてもよい。
【0089】
複数の光反射部251の各々は、第3の光133を構成する光を拡散させる。これにより、光反射部251を備える拡散反射部141は、第3の光133を拡散させる。
【0090】
複数の光反射部251の各々は、球冠状の表面形状を有する。例えば、光反射部251の各々は、半球状の表面形状を有する。球冠状の表面形状は、ドーム状の表面形状とも呼ばれる。光反射部251の各々の表面は、様々な方向を向く。これにより、当該表面は、当該表面に入射した光を様々な方向に屈折又は反射させて当該光を効率よく拡散させる。
【0091】
図17は、第1実施形態の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散反射部の一部を模式的に図示する断面図である。図18は、第1実施形態の第4変形例の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散反射部の一部を模式的に図示する断面図である。図19は、第1実施形態の第5変形例の照明装置の、当該照明装置に備えられる拡散反射部の一部を模式的に図示する断面図である。
【0092】
第1実施形態においては、図6図16及び図17に図示されるように、複数の光反射部251に含まれる各光反射部251は、各光反射部251の周囲より凹んだ凹形状を有する。光反射部251は、拡散反射部141の第4の面184に形成される。光反射部251は、同じ大きさを有する。光反射部251が互いに異なる大きさを有してもよい。
【0093】
第1実施形態の第4変形例においては、図18に図示されるように、各光反射部251は、各光反射部251の周囲より凹んだ凹形状を有する。複数の光反射部251は、拡散反射部141の第3の面183に形成される。光反射部251は、同じ大きさを有する。光反射部251が互いに異なる大きさを有してもよい。
【0094】
第1実施形態の第5変形例においては、図19に図示されるように、各光反射部251は、各光反射部251の周囲より突出する凸形状を有する。複数の光反射部251は、拡散反射部141の第3の面183に形成される。光反射部251が、拡散反射部141の第4の面184に形成されてもよい。光反射部251は、互いに異なる大きさを有する。光反射部251が同じ大きさを有してもよい。
【0095】
凹形状又は凸形状を有する複数の光反射部251が形成された面の清掃は、困難である。このため、図18及び図19に図示されるように光反射部251が拡散反射部141の第3の面183に形成されることにより、清掃を困難にする光反射部251が冷蔵室31に露出する拡散反射部141の第4の面184に形成されることを回避することができる。これにより、カバー92の清掃が容易になる。
【0096】
冷蔵室31に露出する拡散反射部141の第4の面184には、ユーザの手、冷蔵室31に貯蔵された物品等が接触しやすい。このため、第4の面184に形成された構造は、損傷しやすい。一方、複数の光反射部251が凹形状を有する場合は、光反射部251が凸形状を有する場合と比較して、光反射部251が損傷しにくい。このため、光反射部251が第4の面184に形成される場合は、図6図16及び図17に図示されるように、光反射部251は、望ましくは、凹形状を有する。
【0097】
図19に図示されるように複数の光反射部251が互いに異なる大きさを有する場合は、一の光反射部251により屈折又は反射させられた光が他の光反射部251により屈折又は反射させられやすくなる。このため、拡散反射部141の光拡散性が強くなる。
【0098】
拡散反射部141の第4の面184は、冷蔵室31の奥行方向Dの奥側且つ冷蔵室31の高さ方向Hの下側を向く。
【0099】
本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 冷蔵庫、11 本体、12 扉、13 扉、14 扉、21 箱体、22 棚、23 棚、24 棚、25 ダクト、31 冷蔵室、32 開口、33 野菜室、34 開口、35 冷凍室、36 開口、41 第1の区画、42 第2の区画、51 天面、52 底面、53 左側面、54 右側面、55 奥面、61 照明装置、71 光、81 光、82 光、91 発光部、92 カバー、101 発光ダイオード、111 底浅部、112 底深部、121 拡散透過部、122 透過部、131 第1の光、132 第2の光、133 第3の光、135 拡散透過光、141 拡散反射部、142 意匠部材、151 拡散反射光、161 光、171 正面、172 背面、181 第1の面、182 第2の面、183 第3の面、184 第4の面、185 第5の面、186 第6の面、191 光拡散部、201 光屈折部、211 第1の傾斜面、212 第2の傾斜面、221 屈折面、231 光、232 光、241 光屈折部、242 光屈折部、251 光反射部、E1 第1の部分、E2 第2の部分、H 高さ方向、W 幅方向、D 奥行方向、P1 第1の方向、P2 第2の方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図19