(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101074
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】反りあがりを防止し、残飯から水気を切ることができるカップ麺の外蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20240722BHJP
B65D 43/08 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
B65D81/34 B
B65D43/08 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004762
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】595037777
【氏名又は名称】坂本 憲幸
(72)【発明者】
【氏名】坂本 憲幸
【テーマコード(参考)】
3E013
3E084
【Fターム(参考)】
3E013BB06
3E013BC01
3E013BC04
3E013BC13
3E013BC14
3E013BD01
3E013BE02
3E013BH55
3E013BJ04
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB10
3E084BA03
3E084BA07
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC03
3E084FC07
3E084GA08
3E084GB12
3E084KA06
3E084KB01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】現状では、お湯を注いだ後、紙の蓋の反りあがりを防止し、また、食後、食べ残しから水分を取り除くことが困難である。
【解決手段】プラスチック(OPS)製の外蓋を加え、お湯を注いだ後にこれを被せることにより蓋が反りあがることを防止するとともに、食後も蓋を被せ、食べ残しの残飯から水分を取り除くことができるようにする。そのため、この外蓋は、
図1のとおり、カップ本体に外蓋を固定するための「爪」と、残飯から水分を取り除くための「水切り用の切り口」を持つことを特徴とする形状とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
お湯を注いだ後、紙の蓋が反りあがることを防止する目的でカップ本体に被せる外蓋。
【請求項2】
食事後、食べ残しの残飯から水分を取り除くことを目的とする「水切り用の切り口」を持った外蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱を逃がさないよう注ぎ口の紙の蓋が反りあがるのを防ぎ、食後に食べ残しから水気を切ってゴミとして捨てることができる、環境にやさしいカップ麺の外蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在主流になっているカップ麺の蓋は、カップの淵に張り付けた紙製のもので、カップの外側に設けられたつまみを持って一部を剥がし、お湯を注ぐタイプのものである。
【0003】
しかし、お湯を注いだ後、3分程度出来上がるのを待つ間、注ぎ口としてめくった紙の部分が反りあがり、熱が逃げそうで心配になる。つまみの部分を折り曲げてカップの淵に引っ掛けることにより密閉しようとするが、しばらくすると外れてしまうという欠点があった。
【0004】
この改善策として、紙の蓋に重しを置くタイプのアイデア(特開2018-70262号公報)があるが、カップ麺の容器そのものの改善ではない。
【0005】
また、食後に食べ残しが出た場合、水分を切って固形成分だけにしてから廃棄したいが、従来の容器ではこの点が考慮されておらず、流し台のないオフィス、ビジネスホテル、公園などでは、廃棄に困ってしまうという問題もあった。
【0006】
この改善策として、水切り用の穴をあけた短い内蓋を設けるアイデア(特許第5547844号公報)もあるが、食事中に廃棄用の穴の開いた蓋が視界に入るのは、おいしく食べたいというカップ麺本来の目的を阻害してしまうため、適切ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-70262号公報
【特許文献2】特許第5547844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、お湯を注いだ後、蓋がめくりあがってしまう点と、食後に食べ残しの残飯から水分を取り除くことができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、これらの課題を解決するため、プラスチック(OPS)製の外蓋を加え、お湯を注いだ後にこれを被せることにより、蓋が反りあがることを防止するとともに、食後にも外蓋を被せ、食べ残しの残飯から水分を取り除くことができるようにする。そのため、この外蓋は、
図1のとおり、カップ本体に外蓋を固定するための「爪」と、残飯から水分を取り除くための「水切り用の切り口」を持つことを特徴とする形状とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカップ麺の外蓋は、熱いお湯を注いだ後、紙の蓋の注ぎ口を押さえることができ、熱を逃がすことがなくなるという利点がある。
【0011】
また、食べ残しの残飯から水分を取り除くことができるので、廃棄する際には、残ったカップと残飯の固形部分をゴミ箱に捨てればよく、流し台のないオフィス、ビジネスホテル、公園などでも、安心してカップ麺を食べることができるという利点がある。健康志向の高い人も、安心してスープを残すことができるようになる利点も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本提案の外蓋の形状を示した説明図である。
【
図2】
図2は、お湯を注いだ後、外蓋を被せる方法を示した説明図である。(実施例1)
【
図3】
図3は、3分後、外蓋を取り外す方法を示した説明図である。(実施例2)
【
図4】
図4は、水切り用の切り口を広げる方法を示した説明図である。(実施例3)
【
図5】
図5は、食後、食べ残しの残飯から水分を取り除く方法を示した説明図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0013】
蓋の反りあがりを防止し、食べ残しから水分を取り除くという2つの目的を、プラスチック(OPS)製の外蓋をつけるというシンプルな方法により、簡単においしく食べられるというカップ麺の利点を損なわずに実現する。
【0014】
爪の形態については、以下のとおり、カップ本体と本提案の外蓋の接着強度を以下の通り調整する必要がある。
ア.お湯を注いだ後、蓋をして、紙がそり返らない程度の接着強度
イ.3分経過後、火傷する心配なく、安全に蓋を開けられる程度の接着強度
ウ.食後、蓋をして傾けた時に、残飯の重さに耐えて外れない程度の接着強度
そのための蓋の形状を、
図1のとおりとし、プラスチック(OPS)の材質の特徴を活かして接着強度を確保する。なお、これはお弁当箱やテイクアウトコーヒーの蓋では、すでに実用化されているが、本発明ではこれをカップ麺にも適用するものである。
【0015】
水切り用の切り口の形態は、以下のとおり適度な数と大きさである必要がある。
ア.流し台のない場所でも洗面所等に流せるよう、固形成分を通さない程度の大きさ
イ.水分をある程度のスピードで放出できる程度の数
そのため、水切り用の切り口の形状を
図1のとおり、蓋の端からカップの厚さ程度の距離の場所に、刻みをつけておき、割りばしなど棒状の物で穴を広げ、プラスチック(OPS)の材質の特徴を活かして水切り用の隙間を確保する。
【実施例0016】
図2は、カップ本体に本提案の外蓋を取り付ける方法である。
お湯を注入後、注入口上部のめくりあがった紙を抑えるようにして外蓋を被せ、爪の上部を押して爪をかけ、カップ本体に固定する。