(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101081
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】コンピュータ実装方法及びコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240722BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004773
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】301055262
【氏名又は名称】日本テクノロジーソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】岡田 耕治
(72)【発明者】
【氏名】中野 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】春名 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】竹内 仁
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB26
5L049BB26
(57)【要約】
【課題】ノンファンジブルトークンに関連付けられたコンテンツを変化させるための技術を提供する。
【解決手段】開示の方法は、コンピュータシステムによって実行されるコンピュータ実装方法であって、ブロックチェーンのノンファンジブルトークンに関連付けられた第1コンテンツを変更する条件を満たすかどうか判定し、前記条件を満たしたと判定されると、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた前記第1コンテンツを第2コンテンツに変更する、ことを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムによって実行されるコンピュータ実装方法であって、
ブロックチェーンのノンファンジブルトークンに関連付けられた第1コンテンツを変更する条件を満たすかどうか判定し、
前記条件を満たしたと判定されると、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた前記第1コンテンツを第2コンテンツに変更する、
ことを備える
コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記第1コンテンツ及び前記第2コンテンツの少なくともいずれか一方は、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた権利を行使するための操作をユーザが行うためのグラフィカルユーザインタフェースを有する、
請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記権利の行使のため選択されるボタンを含む、
請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記第1コンテンツは、前記操作を前記ユーザが行うための前記グラフィカルユーザインタフェースを有さず、
前記第2コンテンツは、前記操作を前記ユーザが行うための前記グラフィカルユーザインタフェースを有する、
請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた前記権利は、日本酒を入手する権利を含む
請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記条件は、日又は時間に関する条件を含む
請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記条件は、前記ノンファンジブルトークンを有するユーザが存在する位置に関する条件を含む
請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記条件は、前記ノンファンジブルトークンを有するユーザが達成すべき条件を含む
請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
ブロックチェーンのノンファンジブルトークンに関連付けられた第1コンテンツを変更する条件を満たすかどうか判定し、
前記条件を満たしたと判定されると、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた前記第1コンテンツを第2コンテンツに変更する、
ことを備える処理を実行するよう構成されたコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータ実装方法及びコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)は、ブロックチェーンに記録されるトークンの一種である。NFTは、例えば、Ethereum Request for Comments(ERC)721規格に従って発行される。特許文献1は、Ethereum(イーサリアム)を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
従来、ノンファンジブルトークンは、デジタルアートなどのコンテンツを唯一無二にするために用いられている。これに対し、本発明者らは、ノンファンジブルトークンに関連付けられたコンテンツを状況に応じて変化させることで、ノンファンジブルトークンの価値を高めたり、ノンファンジブルトークンの利用可能性を高めたりすることができるであろうとの着想を得た。
【0005】
したがって、ノンファンジブルトークンに関連付けられたコンテンツを変化させるための技術が望まれる。
【0006】
本開示のある側面は、コンピュータシステムによって実行されるコンピュータ実装方法である。開示の方法は、ブロックチェーンのノンファンジブルトークンに関連付けられた第1コンテンツを変更する条件を満たすかどうか判定し、前記条件を満たしたと判定されると、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた前記第1コンテンツを第2コンテンツに変更する、ことを備える。
【0007】
本開示の他の側面は、コンピュータシステムである。開示のシステムは、ブロックチェーンのノンファンジブルトークンに関連付けられた第1コンテンツを変更する条件を満たすかどうか判定し、前記条件を満たしたと判定されると、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた前記第1コンテンツを第2コンテンツに変更する、ことを備える処理を実行するよう構成されている。
【0008】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る方法を示すフローチャートである。
【
図2】
図2は、実施形態に係るコンピュータシステム等の概要図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る方法を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、操作に対応した処理のフローチャートである。
【
図5】
図5は、NFTに関連付けられたコンテンツの変化を示す図である。
【
図6】
図6は、操作に対応した処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<1.コンピュータ実装方法及びコンピュータシステムの概要>
【0011】
(1)実施形態に係る方法は、コンピュータシステムによって実行されるコンピュータ実装方法であり得る。実施形態に係る方法は、ブロックチェーンのノンファンジブルトークンに関連付けられた第1コンテンツを変更する条件を満たすかどうか判定し、前記条件を満たしたと判定されると、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた前記第1コンテンツを第2コンテンツに変更する、ことを備え得る。この場合、条件が満たされると、ノンファンジブルトークンに関連付けられたコンテンツを、第1コンテンツから第2コンテンツに変更することができる。したがって、ノンファンジブルトークン化されたコンテンツが変化ないし進化する。したがって、ノンファンジブルトークンの所有者は、ノンファンジブルトークンに関連付けられたコンテンツの変化を楽しんだり、変化したコンテンツを利用したりすることができる。なお、ノンファンジブルトークンに関連付けられたコンテンツは、ブロックチェーン外のコンピュータに記録されていてもよいし、ブロックチェーンを構成するコンピュータに記録されていてもよい。第1コンテンツと第2コンテンツとは、少なくとも一部が相違していれば足り、第1コンテンツ及び第2コンテンツに共通する要素が含まれていてもよい。また、第1コンテンツと第2コンテンツとは共通する要素がなく完全に相違していてもよい。また、第1コンテンツ及び第2コンテンツは、いずれか一方が、他方の全ての要素を包含していてもよい。
【0012】
(2)前記第1コンテンツ及び前記第2コンテンツの少なくともいずれか一方は、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた権利を行使するための操作をユーザが行うためのグラフィカルユーザインタフェースを有するのが好ましい。コンピュータシステムは、グラフィカルユーザインタフェースを含むコンテンツを、ノンファンジブルトークンの所有者の端末における画面表示のために、当該端末に提供し得る。ノンファンジブルトークンの所有者の端末には、権利を行使する操作のためのグラフィカルユーザインタフェースが画面表示される。ノンファンジブルトークンの所有者が、操作のためのグラフィカルユーザインタフェースを操作すると、コンピュータシステムは、権利に関する処理を実行することができる。
【0013】
なお、ノンファンジブルトークンの所有者は、実質的に、所有者とみなし得る者であってもよい。すなわち、所有者は、ブロックチェーンにおいて所有者として記録されている者のほか、ブロックチェーンにおいて当該ノンファンジブルトークンに関連付けられたユーザであってもよい。当該ユーザは、当該ノンファンジブルトークンの所有者が有する役割のうちの少なくとも一部の役割を果たすことができるものとしてブロックチェーンに記録され得る。このため、当該ユーザは、場合によっては、実質的な所有者とみなし得る。実質的な所有者とみなし得る当該ユーザは、例えば、レンタル可能なノンファンジブルトークンにおける借主である。借主は、所有者と同様にノンファンジブルトークンを使用できるため、所有者として、みなし得る。レンタル可能なノンファンジブルトークンは、例えば、イーサリアムのEIP4907規格に規定されたレンタルNFTである。EIP4907の「user」は、所有者としてみなし得る。
【0014】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、ノンファンジブルトークンの所有者だけが操作でき、非所有者は操作できないのが好ましい。すなわち、前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記ノンファンジブルトークンの前記所有者以外の端末には、前記グラフィカルユーザインタフェースに対する操作不可の状態で画面表示されるのが好ましい。
【0015】
また、ノンファンジブルトークンの所有者の端末にはグラフィカルユーザインタフェースが表示されるが、非所有者の端末には、グラフィカルユーザインタフェースが表示されないのが好ましい。
【0016】
前記権利は、アイテムを入手する権利を含み得る。この場合、ノンファンジブルトークンの所有者は、グラフィカルユーザインタフェースを操作することで、アイテムを入手することができる。アイテムは、物理的なアイテムであってもよいし、デジタルアイテムであってもよい。また、アイテムは、ノンファンジブルトークンに対応して予め設定されている、又は、ノンファンジブルトークンに基づいて決定されるのが好ましい。
【0017】
前記権利は、サービスの提供を受ける権利を含み得る。この場合、ノンファンジブルトークンの所有者は、操作用表示を操作することで、サービスの提供を受けることができる。サービスは、現実世界で提供されるサービスであってもよいし、オンラインサービスであってもよい。サービスは、ノンファンジブルトークンに対応して予め設定されている、又は、ノンファンジブルトークンに基づいて決定されるのが好ましい。
【0018】
実施形態に係る方法は、前記グラフィカルユーザインタフェースの操作が、前記ノンファンジブルトークンの所有者によって行われたかどうかを検証することを更に備えるのが好ましい。検証は、グラフィカルユーザインタフェースの操作者が、前記ノンファンジブルトークンの前記所有者であるかどうかの検証であり得る。検証することは、前記ブロックチェーンに記録された前記ノンファンジブルトークンの前記所有者を示すデータと、前記グラフィカルユーザインタフェースの操作者を示すデータと、を対比することを含むのが好ましい。
【0019】
(3)前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記権利の行使のため選択されるボタンを含み得る。
【0020】
(4)前記第1コンテンツは、前記操作を前記ユーザが行うための前記グラフィカルユーザインタフェースを有さず、前記第2コンテンツは、前記操作を前記ユーザが行うための前記グラフィカルユーザインタフェースを有するのが好ましい。この場合、前記条件が満たされるまでは、グラフィカルユーザインタフェースを操作できず、前記条件が満たされると、グラフィカルユーザインタフェースを操作できる。
【0021】
前記条件が満たされて前記グラフィカルユーザインタフェースが表示されるようになっても、前記グラフィカルユーザインタフェースは、ノンファンジブルトークンの所有者の端末には表示され、非所有者の端末には表示されないのが好ましい。この場合、ノンファンジブルトークンを参照した非所有者によるグラフィカルユーザインタフェースの操作を予め防止できる。
【0022】
前記第1コンテンツは、前記グラフィカルユーザインタフェースを前記ユーザによる操作不能状態で表示するよう構成され得る。前記第2コンテンツは、前記グラフィカルユーザインタフェースを前記ユーザによる操作可能状態で表示するよう構成され得る。この場合、前記条件が満たされるまでは、グラフィカルユーザインタフェースを操作できず、前記条件が満たされると、グラフィカルユーザインタフェースを操作できる。
【0023】
(5)前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた前記権利は、日本酒を入手する権利を含むのが好ましい。
【0024】
(6)前記条件は、日又は時間に関する条件を含み得る。日又は時間に関する条件は、例えば、所定の日又は時間になったこと又は所定の日又は時間を経過したことである。所定の日又は時間は、例えば、期日、誕生日、記念日、及び所定の日から所定の期間経過した日のいずれか一つ又はそれらの組み合わせである。
【0025】
(7)前記条件は、前記ノンファンジブルトークンを有するユーザが存在する位置に関する条件を含み得る。ユーザが存在する位置に関する条件は、例えば、ユーザが所定の位置に存在することである。所定の位置は、例えば、店舗、工場、施設、オフィス、イベント会場、公園、観光地、ランドマーク、山、駅、空港、宗教施設、倉庫、及びその他の位置のいずれか一つ又はそれらの組み合わせである。所定の位置は、固定の位置である必要はなく、移動し得る位置であってもよい。移動し得る位置は、例えば、移動する乗り物内の位置、その他の移動体の近傍の位置、移動する人又は動物の近傍の位置である。人は、特定のアカウントを有している者であり得る。また、ユーザが存在すべき所定の位置には、ユーザと他のユーザとが複数人(例えば、夫婦)で同時に訪れることが条件となっていてもよい。
【0026】
ユーザの位置は、例えば、ユーザが有する端末が備えるGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)機能によって測定され得る。コンピュータシステムは、ユーザ端末からユーザの位置を示すデータを取得することで、ユーザが所定の位置に存在することを検出し得る。また、ユーザの位置は、ユーザが有する端末が、所定の位置に設置された対象を検出することによって検出され得る。所定の位置に設置された対象は、例えば、位置を示すデータがコード化された二次元コード、又は位置を示すデータを有する無線IC装置であり得る。コンピュータシステムは、ユーザ端末が当該対象から取得した位置を示すデータを取得することで、ユーザが所定の位置に存在することを検出し得る。
【0027】
(8)前記条件は、前記ノンファンジブルトークンを有するユーザが達成すべき条件を含み得る。ユーザが達成すべき条件は、例えば、所定のノンファンジブルトークンを複数所有していること、歩行距離が所定距離以上になったこと、歩数が所定数以上になったこと、マラソン完走などの所定の運動を行ったこと、出産したこと、結婚したこと、入学したこと、卒業したこと、課金対象に課金したこと、ユーザに課せられた課題をクリアしたこと、ボランティア活動をしたこと、募金をしたこと、所定値以上のSDGsポイントを所定値以上獲得するなど環境に良いことをしたこと、及びその他のポイントを所定値地上獲得すること、のいずれか一つ又はそれらの組み合わせである。
【0028】
ユーザが達成すべき条件が達成されたことは、ユーザ又はその他の者が、端末を介して、コンピュータシステムに対して通知することで検出されてもよいし、コンピュータシステムが、条件が達成されたことを検出し得るデータを有する端末又は他のコンピュータシステムを介して検出してもよい。
【0029】
前記(6)~(8)の条件及びその他の条件は、組み合わせられてもよい。また、ノンファンジブルトークンに関連付けられたコンテンツの変更は、1回だけである必要はなく、複数回行われてもよい。
【0030】
(9)実施形態に係るコンピュータシステムは、ブロックチェーンのノンファンジブルトークンに関連付けられた第1コンテンツを変更する条件を満たすかどうか判定し、前記条件を満たしたと判定されると、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた前記第1コンテンツを第2コンテンツに変更する、ことを備える処理を実行するよう構成され得る。
【0031】
前記第1コンテンツ及び前記第2コンテンツの少なくともいずれか一方は、前記ノンファンジブルトークンに関連付けられた権利を行使するための操作をユーザが行うためのグラフィカルユーザインタフェースを有し得る。コンピュータシステムは、前記グラフィカルユーザインタフェースの操作が、前記ノンファンジブルトークンの所有者によって行われたかどうかを検証する検証部を備え得る。検証部は、前記権利の行使が適正であるかどうかを検証するものであってもよい。
【0032】
<2.コンピュータ実装方法及びコンピュータシステムの例>
【0033】
図1は、実施形態に係る方法の一例を示している。
図1のステップS11では、ノンファンジブルトークン(NFT)がユーザに販売される。販売されるNFTには、アイテムの一例としての商品を入手する権利が関連付けられている。NFTの販売者は、例えば、その商品の製造者、販売者又はそれらの代理人であり得る。ユーザは、暗号資産又は法定通貨によって、NFTを購入することができる。NFTは、例えば、NFTのためのオンラインマーケットにおいて販売され得る。オンラインマーケットでは、NFTの費用の支払いを含むNFTの購入手続を行うことができる。なお、オンラインマーケットのためのシステムは、実施形態に係るコンピュータシステムの一部を構成してもよいし、構成しなくてもよい。
【0034】
ステップS12において、NFTを購入したユーザは、自身の端末に、購入したNFTを表示させることができる。なお、端末における表示には、WEBブラウザ又はNFTの表示のためのアプリケーションプログラムが用いられる。アプリケーションプログラムは、例えば、ブロックチェーンにおける資産を表示又は管理するためのウォレットアプリケーションプログラムである。
【0035】
購入直後においては、ユーザは商品を入手することはできない。つまり、購入直後において、端末にNFTを表示させても、商品を入手するための操作はできない。しかし、所定の第1条件が満たされると、NFTを介して、商品を入手するための操作が可能になるように、NFTが変化する(ステップS13)。つまり、NFTは、商品を入手するための操作が可能になるように進化する。
【0036】
操作が可能になってから、ユーザが、商品を入手するための操作を行うと、商品が、ユーザへ送付される(ステップS14)。したがって、NFTを有するユーザは、商品を入手することができる。このように、ユーザは、NFTの購入直後に商品を入手できるわけではなく、第1条件が満たされてから、入手できる。
【0037】
実施形態に係る方法によれば、商品の製造者又は販売者は、NFTの販売時点において商品をストックしておく必要がない。商品は、ユーザが商品を入手する操作を行ってユーザに届けるまでに用意できればよいため、商品の製造者又は販売者等は、NFTが販売されてから、商品を製造し又は仕入れるための時間的猶予を確保することができる。
【0038】
しかも、本実施形態に係る方法では、商品を入手するための操作を行うには、第1条件が満たされることが必要である。したがって、第1条件を適切に設定することで、商品の製造者又は販売者等は、商品を製造し又は仕入れるための時間的猶予を大きく確保することができる。
【0039】
例えば、第1条件として、「所定の期日を経過したこと」が設定されていると、所定の期日まで、ユーザは商品を入手するための操作を行うことができない。例えば、所定の期日として、NFTが販売開始又は販売されてから商品を製造するために必要な期間を考慮した日が設定されている場合、商品の製造者は、NFTが販売開始又は販売されてから、商品を製造すればよい。
【0040】
しかも、NFTが販売されてから商品を製造する場合、NFTの代金は既に回収できているため、製造者は、製造のための費用をNFTの代金で賄うことができる。しかも、NFTの販売によって商品を欲するユーザも確保できているから、製造者は、必要な製造数も把握できる。このため、製造者は、売れ残りリスクを考慮することなく、効率的に商品を製造することができる。この結果、製造者は、例えば、高品質の商品を製造するのに必要とされるコストから見積もってNFTの価格を適切に設定しておき、そのNFTが販売されてから、高品質の商品を製造することができる。この場合、製造者は、安心して、こだわりの商品を製造することができる。
【0041】
なお、商品を入手するための操作を行う者は、NFTを最初に購入したユーザである必要はなく、NFTを最初に購入したユーザから購入した者であってもよい。すなわち、NFTは転売されてもよい。NFTが転売されて、NFTの所有者が変動しても、操作を行う時点でのNFTの所有者が、商品を入手するための操作を行うことができる。なお、商品を入手するのは、操作を行った者とは別のものであってもよい。すなわち、ユーザは、他者へ商品をプレゼントするために、操作を行ってもよい。
【0042】
実施形態に係る方法では、第1条件が満たされた後に、第2条件が満たされると、NFTが更に変化する(ステップS15)。したがって、ユーザは、商品を入手するだけでなく、NFTの変化を楽しむことができる。
【0043】
図2は、実施形態に係る方法を実行し得るコンピュータシステム10(以下、単に「システム10」という)の一例を示している。システム10は、ブロックチェーン11に記録されるNFT101を利用し、NFT101に関連付けられた権利の行使を支援する。以下では、一例として、システム10は、権利行使のため、権利を行使する者210と、権利行使を受ける者220と、をオンラインで仲介するサービスを提供する。すなわち、実施形態のシステム10は、NFT101に関連付けられた権利の実行を支援する。なお、権利行使を受ける者220は、システム10の管理者であってもよい。
【0044】
実施形態においては、NFT101の所有者210が、そのNFT101に関連付けられた権利を行使し得る。NFT101の所有者210とその変更は、ブロックチェーン11に記録される。すなわち、NFT101に関連付けられた権利を行使できる者は、ブロックチェーン11に記録されたNFT所有者210である。NFT101を譲渡(転売)すると、そのNFT101に関連付けられた権利も譲渡される。システム10は、NFT101の所有者210を、そのNFT101に関連付けられた権利を行使できる者(権利者)として取り扱う。なお、実施形態に係るシステム10において、権利が関連付けられたNFT101の譲渡(転売)は、禁止されていてもよい。
【0045】
システム10は、ブロックチェーン11を参照することで、NFT101の所有者210、つまり権利の所有者、を識別し得る。システム10は、NFT101とNFT101に関連付けられた権利との対応を示すデータを用いて、NFT101に関連付けられた権利を識別し得る。また、システム10は、NFT101とNFT101に関連付けられた権利の行使を受ける者220との対応を示すデータを用いて、NFT101に関連付けられた権利の行使を受ける者220を識別し得る。
【0046】
NFT101は、コンテンツを構成するデジタルデータを、トークン化することで生成される。コンテンツをトークン化することで、コンテンツがNFTに関連付けられる。トークン化は、NFT化とも呼ばれる。NFT化されたデジタルデータ(コンテンツデータ)は、ブロックチェーン11又はブロックチェーン11外に記録される。
【0047】
NFT化されるデジタルデータは、例えば、画像データ、テキストデータ、音声データ、その他のデータ、又はそれらのデータの2以上の組み合わせである。デジタルデータは、ハイパーテキストを含んでもよい。デジタルデータは、NFT101をディスプレイに表示させたときに、画面に現れるデータ(表示データ)を含み得る。
【0048】
NFT化されるデジタルデータの少なくとも一部は、ブロックチェーン11外のデータベース13に格納され得る。以下では、トークン化されるデジタルデータであって、ブロックチェーン11外のデータベース13に格納されたデータをコンテンツデータという。
図2に示すコンテンツデータは、第1コンテンツ13A、第2コンテンツ13B、及び第3コンテンツ13Cを備える。これらのコンテンツ13A,13B,13Cについては後述される。
【0049】
NFT化されるデジタルデータは、後述のように、NFT101に関連付けられた権利の内容を示すデータを含み得る。NFT101が、権利の内容を示すデータを含むことで、NFT101自体が、NFT101とNFT101に関連付けられた権利との対応を示すデータになり得る。また、NFT化されるデジタルデータは、NFT101に関連付けられた権利の行使を受ける者220を示すデータを含み得る。NFT101が、権利の行使を受ける者220を示すデータを含むことで、NFT101自体が、NFT101とNFT101に関連付けられた権利の行使を受ける者220との対応を示すデータになり得る。なお、これらの対応を示すデータは、サーバ12等などのブロックチェーン11外のコンピュータに記録されていてもよい。
【0050】
NFT101に関連付けられた権利は、例えば、権利の行使を受ける第三者220に対して何らかの行為を求める権利である。権利は、例えば、アイテムを入手する権利、又はサービスの提供を受ける権利である。この場合、権利行使を受ける者220は、アイテムの提供者又はサービスの提供者である。なお、アイテム又はサービスの提供を受ける者は、NFT101の所有者210である必要はなく、NFT101の所有者210によって指定されたものであってもよい。NFT101の所有者210は、自身以外の者を、アイテム又はサービスの提供を受ける者として指定することで、アイテム又はサービスをプレゼントすることができる。
【0051】
実施形態のNFT101に関連付けられたコンテンツデータは、ユーザ操作のためのグラフィカルユーザインタフェース13B-1,13C-1(GUI)を有し得る。GUI13B-1,13C-1は、例えば、コンテンツデータを、WEBページなどを作成するためのHTML言語によって記述されたソースコードとすることで、構成され得る。コンテンツデータは、画像データを含み得る。コンテンツデータは、ユーザの端末30に、画面表示され、端末30において、選択操作などのユーザ操作が可能となる。つまり、本実施形態によれば、操作のためのGUI13B-1,13C-1を有するNFT101が得られる。GUI13B-1,GUI13C-1は、NFT101の所有者だけが操作できるのが好ましい。
【0052】
システム10が、GUI13B-1,GUI13C-2を利用した操作の実行をトリガとして、処理を実行するよう構成されていることで、NFT10に対するユーザの操作によって、システム10による処理を呼び出すことができる。GUI13が、NFT101に設けられていることで、GUIによる操作が行える者を、NFT10の所有者に限定することができる。また、NFT101が、GUIを有していることで、NFT101を扱う端末30のアプリケーションプログラム30C又はサーバ12のアプリケーションプログラム12Cは、NFT101が有するGUIを備える必要がない。なお、NFT101のGUI13を利用した操作によって呼び出される処理は、サーバ12によって実行され得る。また、当該処理は、ブロックチェーンに実装されたスマートコントラクトによって実行されてもよいし、サーバ12及びスマートコントラクトの協働によって実行されてもよい。
【0053】
実施形態のシステム10は、GUIを、NFT101の所有者210の端末30における画面表示のため端末30に提供し、GUIの操作が行われると、GUIに関連付けられたNFT101に関連付けられた処理を実行する。
【0054】
ブロックチェーン11に記録されたNFT101と、ブロックチェーン11外のデータベース13に格納されたコンテンツデータと、を関連付けるため、NFT101は、コンテンツデータへのリンクを有していてもよい。リンクは、例えば、ユニークリソースアイデンティファイア(URI)又はユニークリソースロケータ(URL)によって構成され得る。
【0055】
実施形態においては、NFTに関連付けられたコンテンツデータは変化し得る。コンテンツデータを変化させるには、次のようにして行われる。例えば、NFT101にコンテンツを関連付けするためのリンクが、第1コンテンツ13Aのファイル名を示している場合、システム10は、そのファイルを第2コンテンツ13Bによって上書き更新する、又は、そのファイルの内容が第2コンテンツ13Bになるように、そのファイルを編集する。これにより、当該リンクが示すコンテンツは、第1コンテンツ13Aから第2コンテンツ13Bに変化する。つまり、NFT101に関連つけられたコンテンツが第1コンテンツ13Aから第2コンテンツ13Bに変更される。第2コンテンツ13Bから第3コンテンツ13Cへの変更も同様に行われ得る。
【0056】
なお、
図2に示す第2コンテンツ13B及び第3コンテンツ13Cそれぞれは、GUI13B-1,13C-1を有するが、第1コンテンツ13Aは、GUIを有しない。
【0057】
GUI13B-1,13C-1は、例えば、NFT101に関連付けられた権利の行使のために選択される選択ボタンであり得る。GUIは、NFT101を、端末30に画面表示させたときに、画面表示されたNFT101の一部として画面表示され得る。つまり、NFT101は、その一部としてGUIを備えているように、画面表示され得る。なお、GUIは、画面表示されたNFT101内の領域に画面表示されるのではなく、画面表示されたNFT101外の領域において画面表示されてもよい。この場合、NFT101とGUIとは分離したものとして視認され得る。
【0058】
実施形態のシステム10は、ブロックチェーン11を利用する。ブロックチェーン11は、複数のコンピュータが相互に接続されたP2P(Peer to Peer)のコンピュータネットワークシステムによって構成されている。
【0059】
ブロックチェーン11においては、ブロックチェーンアドレス間で、NFT101などのトークンの取引が可能であり、トークンの取引記録が、ブロックチェーン11の分散台帳に記録される。ブロックチェーンアドレスは、例えば、ブロックチェーン11のユーザアカウント110を示す。例えば、あるユーザが、ブロックチェーン11にアカウント110を有している場合、そのアカウント110は、所定のブロックチェーンアドレス(ユーザアドレス)を有する。
図2において、ユーザのアカウント110は、一例として、「0x1111」で表されている。
【0060】
NFT101は、非代替性の確保のため、ブロックチェーン11において、他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子を有する。以下では、この識別子をNFT識別子という。NFT識別子は、「NFT_ID」と表記されることもある。以下において、NFT101のNFT識別子(NFT_ID)は、「id01」で表されるものとする。
【0061】
実施形態において、コンテンツデータとNFT101との関連付けは、例えば、コンテンツデータを、対応するNFT101のNFT_ID:id01と対応付けて、データベース13に保存することによって実現されている。
【0062】
NFT101は、その所有者(及び所有者履歴)が、ブロックチェーン11に記録される。したがって、NFT101の所有者は、集中管理の必要がなく、NFT101の所有者の管理及び確認が容易である。NFT101の所有者であることは、ブロックチェーン11の記録によって容易に証明可能である。
【0063】
前述のように、NFT101の所有者であることの証明は、NFT101に関連付けられた権利の所有者であることの証明にもなっている。実施形態においては、ブロックチェーン11において記録されるNFT101の所有者の記録を、権利の所有者の記録として用いることができるため、権利の所有者の管理(権利の所有者の変更の管理を含む)を集中的に行う必要がなく、管理が容易である。また、権利の取引のため、必要に応じて、NFT101を取引(第三者に販売・譲渡)することも可能である。
【0064】
ブロックチェーン11においては、ユーザが所有するNFT101は、ユーザアカウント110に対応付けて記録される。
【0065】
トークンがユーザアカウント(ブロックチェーンアドレス)に対応付けて記録されていることを、「アカウント(ブロックチェーンアドレス)がトークンを所有している」ということもできる。
【0066】
図2においては、ユーザアカウント110は、NFT101を所有している。つまり、
図2に示すNFT101の所有者は、ユーザアカウント110を持つユーザ210である。したがって、NFT101に関連付けられた権利の所有者は、ユーザアカウント110を持つユーザ210である。
【0067】
実施形態に係るシステム10は、ブロックチェーン11外にあるサーバ12を備え得る。なお、システム10は、必要に応じて、前述のスマートコントラクトをその構成要素として備えていてもよい。
【0068】
サーバ12は、インターネット等のネットワーク15に接続されている。サーバ12は、例えば、システム10の管理者によって運用される。サーバ12は、プロセッサ12A及びメモリ12B(記憶装置12B)を備えるコンピュータによって構成されている。サーバ12は、1つのコンピュータによって構成されてもよいし、ネットワーク15を介して接続された複数のコンピュータによって構成されてもよい。例えば、サーバ12は、データベース13を備えていてもよい。メモリ12Bは、プロセッサ12Aに接続されている。メモリ12Bは、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を備える。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)である。メモリ12Bは、プロセッサ12Aによって実行されるコンピュータプログラム12Cを備える。プロセッサ12Aは、メモリ12Bに格納されたコンピュータプログラム12Cを読み出して実行する。コンピュータプログラム12Cは、サーバ12として機能するコンピュータによって実行される命令を示すプログラムコードを有する。
【0069】
サーバ12は、コンピュータプログラム12Cがプロセッサ12Aによって実行されることで、実施形態に係るシステム10が果たす機能を実現し得る。
【0070】
NFT101の所有者又は所有者となり得るユーザ210は、ユーザ端末30を有する。ユーザ端末30は、例えば、スマートフォン又はタブレットなどのモバイルデバイスである。ユーザ端末30は、ネットワーク15に接続可能である。ユーザ端末30は、プロセッサ30A及びメモリ30Bを備えるコンピュータによって構成されている。メモリ30Bは、プロセッサ30Aに接続されている。メモリ30Bは、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を備える。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)である。メモリ30Bは、プロセッサ30Aによって実行されるコンピュータプログラム30Cを備える。プロセッサ30Aは、メモリ30Bに格納されたコンピュータプログラム30Cを読み出して実行する。コンピュータプログラム30Cは、ユーザ端末30として機能するコンピュータによって実行される命令を示すプログラムコードを有する。
【0071】
コンピュータプログラム30Cは、例えば、ブロックチェーン11のユーザアカウント110に格納されたトークンをユーザ端末30に表示させるためのウォレットアプリケーションプログラムである。ウォレットアプリケーションプログラムは、トークンの保管、トークンの送信、及びトークンの受信のためのユーザ操作を可能とする機能を提供する。
【0072】
また、コンピュータプログラム30Cは、ブロックチェーン11におけるユーザアカウント110に対応付けられたトークン(NFT又はファンジブルトークン)をユーザ端末30のディスプレイに表示させるためのプログラムコードを有する。コンピュータプログラム30Cは、NFT101を表示させる際には、NFT101、及び、NFT101に対応付けられたコンテンツデータを表示させる。
【0073】
なお、ユーザの端末30には、そのユーザ210が所有者であるNFT101に対応付けられたコンテンツデータは表示されるが、そのユーザ210が所有者ではないNFTに対応付けられたコンテンツデータは表示されないようにしてもよい。データベース13においてコンテンツに対応付けられたNFTの所有者以外の端末におけるデータの表示を防止するため、データベース13は、コンテンツデータに対応付けられたNFT101の所有者210からのコンテンツデータへのアクセスは許可し、所有者以外からのコンテンツデータへのアクセスは許可しないようにアクセスコントロールをするよう構成され得る。なお、データベース13は、コンテンツデータに対応付けられたNFT101の所有者210を、ブロックチェーン11を参照することで把握できる。
【0074】
さて、前述のアイテムを入手する権利は、例えば、商品を入手する権利、又は、景品を入手する権利である。商品を入手する権利は、例えば、所定の商品を、商品販売者又は商品製造者から引き渡してもらう権利である。当該権利が関連付けられたNFT101を購入した者は、その商品を入手する権利を取得する。NFT101の購入者は、現物の商品が必要になるまでは、権利を行使せずに置いておくことが可能である。購入者は、現物の商品が必要になれば、権利を行使して商品の引き渡しを受けることができる。つまり、NFT101は、商品の引換券として機能し得る。また、NFT101が、取引されて、NFT101及び権利の所有者が変更されても、NFT101に関連付けられた商品は、転々流通させる必要がない。転々流通後のNFT101の所有者は、現物の商品を入手したい場合、NFT101に関連付けられた商品を入手する権利を行使することで、現物の商品を入手することができる。
【0075】
例えば、ワイン、日本酒又はその他の酒類は、熟成のため長期間の保存が望まれることがあるが、購入者よりも販売者又は製造者が保存したほうが良好な保存状態を確保できることが多い。NFT101の所有者は、熟成期間においては、権利を行使せず販売者又は製造者に保存してもらい、飲み頃になってから、権利を行使することで、良好な保存状態の商品(酒類)を入手できる。
【0076】
また、NFT101の所有者は、権利とともにNFT101を第三者に販売することも可能である。権利は、NFT101に付属しているため、NFT101の譲渡に伴って移転される。この場合、売買は、NFT101の売買をすれば足り、現物の商品の引き渡しが不要であるため、取引が容易である。また、商品によっては、取引のために転々流通すると品質の劣化が生じることがあり、転々流通はできるだけ避けたほうが良いことがある。実施形態においては、NFT101が転々流通しても、現物の商品は、転々流通する必要がないため、品質の劣化を防止できる。さらに、転々流通した商品は、偽物である可能性も生じるが、実施形態においては、現物の商品は、信頼できる商品販売者又は商品製造者から引き渡され得るため、偽物の心配が少ない。商品以外の他のアイテムについても同様である。
【0077】
なお、商品等のアイテムは、NFT101の最初の販売時点において、現実に存在している必要はない。例えば、商品等のアイテムは、将来、製造される予定のものであってもよい。
【0078】
前述の景品を入手する権利は、例えば、抽選で当たった景品を、景品提供者から引き渡してもらう権利である。景品が当たった者は、現物の景品の引き渡しを受ける代わりに、その景品を入手する権利が付属したNFT101を、取得し得る。つまり、NFT01は、景品の引換券として機能し得る。その他の点については、商品の場合と同様である。
【0079】
サービスの提供を受ける権利は、例えば、購入したサービスを、サービス提供者から提供してもらう権利である。例えば、NFT101の購入者は、現実のサービスが必要になるまでは、権利を行使せずに置いておくことが可能であり、現実のサービスが必要になれば、権利を行使してサービスの提供を受けることができる。つまり、NFT101は、サービスの利用券として機能し得る。なお、サービスは、売買の対象になるものである必要はなく、例えば、商品又はサービスの料金の値引きのような優待サービスであってもよい。
【0080】
サービスの提供を受ける権利が行使された場合、サービスの提供を受ける者の利用に供するアイテムが、サービスの提供を受ける者に提供されてもよい。サービスの提供を受ける者の利用に供するアイテムは、例えば、サービスを利用するためのチケット、又は、割引券である。つまり、サービスの提供を受ける権利は、サービスの提供を受けるためのチケット等を入手する権利であってもよい。
【0081】
前述のように、NFT化されるデジタルデータは、NFT101に関連付けられた権利の内容を示すデータを含み得る。つまり、NFT101は、NFT101に関連付けられた権利の内容を示すデータを有し得る。NFT101が、NFT101に関連付けられた権利の内容を示すデータを有する場合、システム10は、ブロックチェーン11に記録されたNFT101を参照することで、そのNFT101に関連付けられた権利を識別し得る。また、システム10は、ブロックチェーン11に記録されたNFT101を参照することで、NFT101に関連付けられた権利の行使を受ける者を識別し得る。
【0082】
権利が、アイテムを入手する権利である場合、権利の内容を示すデータは、例えば、提供されるアイテムの識別子、アイテム名称、アイテムの説明、アイテム提供者名称、アイテム提供者の識別子、及びアイテムを入手できる期間(権利有効期間)の少なくとも一つ以上のデータを含み得る。権利がサービスの提供を受ける権利である場合、権利の内容を示すデータは、例えば、提供されるサービスの識別子、サービス名称、サービスの説明、サービス提供者名称、サービス提供の場所、アイテム提供者の識別子、及びサービスの提供期間(権利有効期間)の少なくとも一つ以上のデータを含み得る。
【0083】
なお、具体的なアイテム又はサービスは、あらかじめ決まっている必要はなく、権利が行使されてから決定されてもよい。例えば、権利は、アイテム又はサービスが当選する抽選へ応募する権利であってもよい。また、権利は、提供される具体的なアイテム又はサービスが権利行使の際に決定されるアイテムを入手する権利又はサービスの提供を受ける権利であってもよい。この場合、システム10は、権利が行使されてから、提供される具体的なアイテム又はサービスを決定する処理を実行すればよい。具体的なアイテム又はサービスは、システム10において、NFT101に関連付けて予め設定されたアイテム候補又はサービス候補の中から、ランダムに決定されてもよいし、所定のルールに従って決定されてもよい。このように、アイテム又はサービスは、NFT101に関連して予め設定されていてもよいし、NFT101に基づいて権利行使操作後に決定されてもよい。
【0084】
なお、具体的なアイテム又はサービスが、権利が行使されてから決定される場合、商品又はサービスの提供者(権利行使を受ける者)は、具体的なアイテム又はサービスの決定に伴って、決定され得る。
【0085】
図3及び
図4は、
図1に示す方法の一例として、コンテンツが変化するNFTによって、ユーザ210が、商品製造者220から、商品を入手する方法の手順を示している。
図3に示す方法は、
図2に示すシステム10(サーバ12)によって実行される。なお、ここでの商品は、一例として、日本酒とする。
【0086】
ユーザ210は、NFTのオンラインマーケットなどで、商品メーカである酒蔵220又はその代理店が販売するNFT101を購入する(ステップS311)。1個のNFTに、1本の日本酒を入手できる権利が付属している場合、100個のNFTが購入されると、製造者220は、100本の日本酒を製造すればよい。また、NFTを数量限定(例えば、100個限定)で販売してもよい。販売されるNFTは、それぞれ、異なるNFT_IDを有する。
【0087】
購入されたNFT101(例えば、NFT_ID:id01)は、ユーザのアカウント110に関連付けてブロックチェーン11に記録される。ユーザ210が有するNFT101は、ユーザ210の端末30のディスプレイに表示される(ステップS332)。購入前又は購入直後の初期状態にあるNFT101には、第1コンテンツ13Aが関連付けられている。したがって、
図5に示すように、NFT101を表示させた端末30のディスプレイには、初期状態において、NFT101を表す第1コンテンツ13Aが表示される。端末30による第1コンテンツ13Aの表示のため、システム10は、NFT101に関連付けられた第1コンテンツ13Aを端末30に提供する(ステップS311)。
【0088】
なお、ユーザ210は、NFT101の画面表示に先立って、端末30を介して、システム10へサインインする。サインインには、例えば、ユーザ210のブロックチェーンアドレスが用いられる。システム10は、サインしたユーザを、そのブロックチェーンアドレスによって識別し得る。
【0089】
図5に示すように、第1コンテンツ13Aは、商品入手の操作のためのGUIを有していないため、初期状態において、ユーザは商品入手の操作を行うことができない。なお、
図5に示す第1コンテンツ13Aは、商品の画像、商品名称を示すテキスト、及び商品が引換可能な予定時期を示すテキストを含む。したがって、NFT101を購入したユーザ210又は購入しようとするユーザは、第1コンテンツ13Aを参照することで、入手可能な商品を認識できるとともに、引換可能予定時期を認識できる。
【0090】
メーカ220は、NFT101の売り上げで得た資金を原資として、日本酒を製造することができる(ステップS341)。したがって、商品メーカ220は、製造のための資金を容易に確保できる。また、NFT101が売れた数量に応じた量の日本酒を製造すればよいため、売れ残りの懸念も少ない。
【0091】
日本酒が完成すると(ステップS342)、商品出荷可能になったことを示す通知が、メーカ220の端末40から、システム10へ送信される。通知は、例えば、システム10を構成するサーバ12が受信する。なお、製造された商品は、商品メーカ220又は専門の業者によって、商品配送(ステップS344)まで、適切に保管され得る(ステップS343)。
【0092】
ここでは、一例として、システム10には、第1条件として、「商品が出荷可能であることを示す通知をシステム10が受信したこと」が設定されている。したがって、システム10は、当該通知を受信すると、第1条件が満たされたと判定する(ステップS312)。
【0093】
第1条件が満たされると、システム10は、NFT101に関連付けられたコンテンツを、第1コンテンツ13Aから第2コンテンツ13Bに変更する(ステップS313)。コンテンツが変更されたNFT101は、ユーザ210の端末30のディスプレイに表示される(ステップS333)。第2コンテンツ13Bの表示のため、システム10は、NFT101に関連付けられた第2コンテンツ13Bを端末30に提供する(ステップS314)。
【0094】
図5に示すように、第2コンテンツ13Bは、商品入手の操作のためのGUI13B-1として選択操作される「引換」ボタン(選択ボタン)を有している。したがって、ユーザ210は、このGUI13B-1を選択操作(ステップS334)することで、商品を入手できる。なお、ここでの第2コンテンツ13Bは、第1コンテンツ13Aから引換可能時期に関する表示が削除されるとともに、GUI13B-1を追加したものであり、その他の点は、第1コンテンツ13Aと同様である。
【0095】
ユーザ210は、GUI13B-1を操作することで、NFT101に関連付けられた権利の行使に関する処理(ステップS315)をシステム10に実行させることができる。システム10において、GUI13B-1は、システム10が実行すべき権利に関する処理(ステップS315)に、関連付けられている。システム10は、GUI13B-1の操作が実行されると、GUI13B-1に関連付けられた権利に関する処理(ステップS315)を実行する。
【0096】
ここで、GUI13B-1はNFT101に関連付けられ、NFT101は権利と関連付けられているため、システム10は、GUI13B-1に関連付けられた権利を、GUI13B-1に関連付けられたNFT101から識別することができる。
【0097】
なお、GUI13B-1は、NFT101の所有者以外の者の端末には画面表示されない、又はNFT101の所有者以外の者の端末にはGUI13B-1に対する操作不可の状態で画面表示されるのが好ましい。この場合、所有者以外の者による操作を防止できる。なお、所有者以外の端末にGUI13B-1が表示されない場合であっても、第2コンテンツ13Bに含まれるGUI13B-1以外のコンテンツは、所有者以外の者の端末に表示されてもよい。つまり、所有者以外の端末には、入手可能な商品に関する情報が表示され得る。
【0098】
図4及び
図6は、ステップS315の処理(ステップS315)を示している。この処理は、端末30において引換操作(ステップS334)が行われると開始される。なお、
図6に示すように、引換操作(ステップS334)は、第2コンテンツ13Bに含まれるGUI13B-1(引換ボタン13B-1)を、ユーザが指Fでタップ又はマウス等でクリックすることなどによって実行される。
【0099】
GUI13B-1は、例えば、権利に関する処理(ステップS315)を実行するサーバ12へのリンク(URI等)を有している。GUI13B-1が選択されると、端末30は、そのリンクを用いて、権利に関する処理を実行するサーバ12へアクセスする。端末30は、そのアクセスの際に、GUI13B-1に対応するNFT101が有する情報(NFT情報)を、サーバ12へ送信し得る。ここでのNFT情報は、NFT化されたデジタルデータとして、ブロックチェーン11又はデータベース13に記録された情報である。NFT情報は、例えば、操作されたNFT101を特定するためのトークン識別子(NFT_ID)及び行使される権利を特定するための権利識別子(アイテムの識別子)の少なくともいずれか一方であり得る。NFT情報は、NFT101を操作したユーザ210のブロックチェーンアドレス(ユーザアカウント)を含んでもよい。なお、サーバ12は、NFT情報を、ブロックチェーン11を参照することで取得してもよい。
【0100】
図4に示すように、権利に関する処理を実行するサーバ12は、端末30からのアクセスを受けると、ユーザが行使しようとする権利の内容を識別する(ステップS411)。権利の内容の識別は、例えば、ユーザに提供されるアイテム又はサービスを識別することを含み得る。また、権利の内容の識別は、ユーザに提供されるアイテム又はサービスの提供者を識別することを含み得る。ユーザに提供されるアイテム又はサービスは、サーバ12がブロックチェーン11を参照することで識別してもよいし、サーバ12において予め設定されていてもよいし、ステップS433の操作が実行されてからサーバ12が決定してもよい。
【0101】
例えば、NFT101に関連付けられた権利の内容が、ブロックチェーン11に記録されている場合、サーバ12は、ユーザ210が操作をしたGUI13B-1を有するNFT101についての、ブロックチェーン11における記録を参照することで、権利の内容を識別し得る。識別される権利の内容は、例えば、提供されるアイテムの識別子、アイテム名称、アイテムの説明、アイテム提供者名称、アイテム提供者の識別子、及びアイテムを入手できる期間(権利有効期間)の少なくとも一つ以上である。
【0102】
NFT101に関連付けられた権利の内容が、サーバ12に記録されている場合、サーバ12は、例えば、NFT101のトークン識別子と、権利内容を示すデータと、を対応付けた対応データを備え得る。サーバ12が対応データを備える場合、サーバ12は、端末30から、操作されたNFT101のトークン識別子を取得することで、そのNFT101に関連付けられた権利の内容を識別することができる。
【0103】
続いて、サーバ12は、GUI13B-1に関連付けられた権利の行使に関する設定表示500を、端末30へ提供する(ステップS412)。
図6に示すように、設定表示500は、端末30のディスプレイに画面表示される。設定表示500では、権利の行使に関する設定が、ユーザ210によって実行される(ステップS434)。
図6に示すように、権利の行使に関する設定は、一例として、商品(アイテム)の配送先の設定である。ユーザ210は、完了操作表示501を操作することで、設定を完了させることができる。完了操作表示501は、例えば、確定ボタンである。完了操作は、完了操作表示501を、ユーザが指Fでタップ又はマウス等でクリックすることなどによって実行される。
【0104】
図4に戻り、ユーザによる設定が完了すると、その設定(配送データ)は、端末30からサーバ12へ送信され(ステップS435)、サーバ12において保存される。保存された設定は、サーバ12による、その後の処理(ステップS415など)に用いられ得る。
【0105】
権利の行使に関する設定は、例えば、一般的なオンラインでの商品(アイテム)の販売、サービスの提供、サービスの提供の予約、又は販売時における割引サービスの適用のために、オンラインでユーザによって設定される内容と同様なものであり得る。設定された内容は、サーバ12から、権利の行使を受ける者220(例えば、メーカ220)の端末40へ送信され得る。
【0106】
例えば、権利が(商品)アイテムを入手する権利である場合、権利行使に関する設定は、アイテムの配送の設定及びアイテムの配送希望日時の設定の少なくともいずれか一方の設定を含み得る。アイテムの配送先の設定は、配送先の名前と住所との設定を含み得る。アイテムの配送先の設定は、配送先の電話番号又は電子メールアドレスの設定を含んでもよい。配送先の設定は、ユーザ210が名前と住所等を手入力することで行われてもよいし、システム10において、権利を行使したユーザに関連付けて予め設定された配送先候補の中からユーザが選択することで行われてもよい。権利行使に関する設定は、ユーザが入手を希望するアイテムの選択を含んでもよい。なお、アイテムは、有体物であってもよいし、デジタルアイテムでもよい。
【0107】
権利がサービスの提供を受ける権利である場合、権利行使に関する設定は、例えば、サービスの提供を受けるために必要な情報の設定を含み得る。サービスの提供を受けるために必要な情報は、例えば、サービスの提供を受ける者の情報を含み得る。サービスの提供受ける者の情報は、例えば、サービスの提供を受ける者の名前、住所、電話番号、電子メールアドレス、SNSアカウント、性別、及び年齢の少なくとも一つを含み得る。サービスの提供を受ける者の情報の設定は、ユーザ210が名前等を手入力することで行われてもよいし、システム10において、権利を行使したユーザに関連付けて予め設定された候補者の中からユーザが選択することで行われてもよい。権利行使に関する設定は、ユーザが提供を希望するサービスの選択を含んでもよい。なお、サービスは、現実世界で提供されるサービスであってもよいし、オンラインで提供されるサービスであってもよい。
【0108】
なお、サービスの提供を受ける者の情報の設定は、例えば、サービスの提供を受ける者の利用に供するチケット等のアイテムの送り先としての設定であってもよい。
【0109】
サービスを受けるために必要な情報の設定は、例えば、サービスに関する詳細の設定であってもよい。サービスに関する詳細は、例えば、サービスを受ける日時、サービスを受ける場所、及びサービスの種類の少なくとも一つを含み得る。例えば、提供されるサービスが、イベントの開催、又は、交通機関による人の輸送等である場合、サービスに関する詳細の設定は、座席の指定を含み得る。
【0110】
権利が割引サービスの提供を受ける権利である場合、権利行使に関する設定は、割引サービスが適用されるアイテム又はサービスの選択を含み得る。
【0111】
なお、権利行使に関する設定は、ユーザ操作(ステップS434)を伴わなくてもよい。例えば、システム10が、権利を行使したユーザの情報(名前及び住所など)を予め有している場合、システム10は、そのユーザの情報を、アイテムの送り先又はサービスの提供を受ける者として設定することができる。この場合、ユーザ操作(ステップS434)は、省略され得る。
【0112】
サーバ12は、権利行使に関する検証を実行し得る(ステップS413)。ステップS413の検証は、権利の行使が適正であるかの検証であり、より具体的には、例えば、GUIの操作者が、NFT101の所有者であるかどうかの検証であり得る。システム10は、ユーザ210がサーバ12にサインインした際にサーバ12にユーザ210のアカウントとして認識されたブロックチェーンアドレスを、GUIの操作者として認識し得る。サーバ12は、ブロックチェーンに記録されたNFT101の所有者と、GUIの操作者とを、対比して、両者が一致すれば、適正な権利行使であると判別することができる。なお、GUI13B-1の操作は、1回又は所定回数以下に制限する設定がなされているのが好ましい。この場合、無制限に権利行使がされるのを防止できる。
【0113】
検証を行うことによって、NFT101の非所有者による権利行使を防止できる。不正な権利行使とは、例えば、NFT101の非所有者が、権利行使に関する設定の内容を示すデータを、サーバ12に送りつけることで、アイテム又はサービスの提供を不正に受けようとする攻撃である。なお、GUI13B-1の操作者は、権利の行使に関する設定の内容を示すデータの送信元と呼んでもよい。また、ステップS413の検証は、ステップS412の後に行われてもよいし、ステップS412の前に行われてもよい。
【0114】
ステップS414においては、操作者がNFT101の所有者であるかどうかで、処理が分岐する。ステップS413の検証の結果、操作者がNFT101の所有者であると判定された場合、サーバ12は、権利行使を受ける者220の端末40へ、権利行使に関する設定を、送信する(ステップS415)。権利行使に関する設定は、権利行使に係るアイテム又はサービスを示す情報を含み得る。操作者がNFT101の所有者ではないと判定された場合、サーバ12は、エラー処理を実行する(ステップS417)。エラー処理が実行された場合、ステップS415は、実行されないため、権利行使は実現しない。このように、サーバ12は、GUI13B-1の操作者が、NFT101所有者であるかどうかを検証する検証部として機能し得る。
【0115】
ここでの権利行使を受ける者は、一例として、アイテムの提供者220(商品メーカ)である。なお、アイテムの提供者220などの権利行使を受ける者は、権利内容を示す情報の一つとして、ステップS411において識別され得る。
【0116】
権利行使に関する設定は、前述のようにアイテムの配送先の設定を含み得る。権利行使を受けた者220(メーカ220)は、権利行使に関する設定に従って、権利行使の実現のための行動をする。例えば、あるアイテムをある配送先へ送付するための設定(配送データ)をサーバ12から受け取ったアイテム提供者220は、その配送先へ、そのアイテムを送付する手続を行う(
図3のステップS344)。そのアイテムは、例えば、配送業者によって、配送先へ配送される。
【0117】
サーバ12は、
図4のステップS415の後、ユーザの端末30へ権利の行使の控え示す表示600を提供し得る(ステップS416)。控えを示す表示600は、端末30のディスプレイに表示される。なお、控えのデータは、トークン化されたNFTであってもよい。
【0118】
図3に戻り、実施形態に係るNFT101は、第2条件が満たされると(ステップS316)、再度変化する(ステップS317)。
【0119】
ここでは、一例として、システム10には、第2条件として、「商品が引き換えられたこと」が設定されている。したがって、システム10は、ステップS315の引換処理を完了すると、第2条件が満たされたと判定する(ステップS316)。
【0120】
第2条件が満たされると、システム10は、NFT101に関連付けられたコンテンツを、第2コンテンツ13Bから第3コンテンツ13Cに変更する(ステップS317)。コンテンツが変更されたNFT101は、ユーザ210の端末30のディスプレイに表示される(ステップS335)。第3コンテンツ13Cの表示のため、システム10は、NFT101に関連付けられた第3コンテンツ13Cを端末30に提供する(ステップS318)。
【0121】
図5に示すように、第3コンテンツ13Cは、「特典」を得る操作のためのGUI13C-1として選択操作される「特典」ボタン(選択ボタン)を有している。したがって、ユーザ210は、このGUI13C-1を選択操作することで、所定の特典を得ることができる。なお、ここでの第3コンテンツ13Cは、第2コンテンツ13Bの引換ボタン13B-1を、特典ボタン13C-1に変更したものであり、その他の点は、第2コンテンツ13Bと同様である。
【0122】
「特典」も、NFT101に関連付けられた権利の一つである。ユーザ210は、GUI13C-1を操作することで、NFT101に関連付けられた特典を得るための処理をシステム10に実行させることができる。特典の得るための処理は、
図4に示す処理S315と同様であり得る。
【0123】
特典は、例えば、酒蔵220にゲストとして訪問する権利である。また、特典は、他の日本酒又はその他の商品をディスカウント価格で購入する権利であってもよい。特典は、現物の又はデジタルのアイテムを入手できる権利であってもよい。デジタルアイテムは、NFTであってもよい。このような特典がNFT101に付属していることで、ユーザ210は、商品を入手した後もNFT101の変化を楽しむことができる。
【0124】
なお、NFT101の変化は、GUIに関するものに限られず、NFTに関連付けられた画像・映像・音声・テキストなどその他のコンテンツの変化であってもよい。例えば、実際の日本酒等の商品の製造工程の進行に応じて、NFT101に関連付けられたコンテンツが変更されてもよい。例えば、日本酒の仕込みが始まった段階、上槽の段階、調合の段階、火入れの段階、瓶詰の段階等の時点で、コンテンツが変更されてもよい。日本酒等の商品の製造工程の進行に応じて、コンテンツを変更するには、システム10が、メーカ220の端末30から、製造工程の進行度合いを示すデータを受信したことをもって、コンテンツ変更の条件が満たされたと判定し、コンテンツを変更すればよい。コンテンツは、例えば、製造工程の進行度合いをユーザ210が認識できる画像等であるのが好ましい。この場合、ユーザは、商品を入手できるようになるまでの間も、コンテンツの変化を楽しむことができる。
【0125】
また、ユーザが商品を入手した後においても、適宜の条件が満たされると、コンテンツが変更されてもよい。この場合、ユーザは、商品を入手した後も、コンテンツの変化を楽しむことができる。
【0126】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0127】
10 :コンピュータシステム
11 :ブロックチェーン
12 :サーバ
12A :プロセッサ
12B :記憶装置
12C :コンピュータプログラム
13 :データベース
13A :第1コンテンツ
13B :第2コンテンツ
13B-1 :グラフィカルユーザインタフェース(引換ボタン)
13C :第3コンテンツ
13C-1 :グラフィカルユーザインタフェース(特典ボタン)
15 :ネットワーク
30 :ユーザ端末
30A :プロセッサ
30B :メモリ
30C :コンピュータプログラム
40 :端末
110 :ユーザアカウント
210 :ユーザ
220 :提供者
333 :ステップ
335 :ステップ
500 :設定表示
501 :完了操作表示
600 :表示
F :指