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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101083
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/46 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
A47L15/46 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004795
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雅樹
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082DB00
3B082DC00
3B082DC04
(57)【要約】
【課題】処理剤の供給路に目詰まりが発生したことをユーザに報知して、ユーザの利便性を向上する。
【解決手段】初期駆動条件で供給ポンプ54を駆動させたときに流量検出手段52で検出される処理剤の流量から洗浄槽7に実質的に供給される処理剤の実質供給量を算出し、設定供給量と算出された処理剤の実質供給量とを対比して、設定供給量と実質供給量との供給量差が所定の供給量閾値以上である場合、供給路51に目詰まりの発生があると判定し、目詰まりの発生に対応する報知情報を報知部79B,80から報知させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を収容して、洗浄する洗浄槽と、
洗浄槽に液状の処理剤を供給する処理剤供給部と、
所定の情報を報知する報知部と、
制御部と、を備え、
処理剤供給部は、処理剤を貯蔵する貯蔵タンクと、貯蔵タンクと洗浄槽とを接続する供給路と、供給路に介設され、貯蔵タンクから洗浄槽に処理剤を供給する供給ポンプと、供給ポンプよりも上流側または下流側の供給路に介設され、供給路を流通する処理剤の流量を検出する流量検出手段と、を有する洗浄装置であって、
制御部は、供給路に目詰まりのない初期条件で、貯蔵タンクに貯蔵された処理剤を所定の設定供給量で洗浄槽に供給するための供給ポンプの初期駆動条件を記憶しており、
洗浄運転中、貯蔵タンクに貯蔵された処理剤が設定供給量で洗浄槽に供給されるように、初期駆動条件で供給ポンプを駆動させ、
初期駆動条件で供給ポンプを駆動させたときに流量検出手段で検出される処理剤の流量から洗浄槽に実質的に供給される処理剤の実質供給量を算出し、
設定供給量と算出された処理剤の実質供給量とを対比して、設定供給量と実質供給量との供給量差が所定の供給量閾値以上である場合、供給路に目詰まりの発生があると判定し、
目詰まりの発生があると判定すると、目詰まりの発生に対応する報知情報を報知部から報知させる洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄装置において、
制御部は、目詰まりの発生があると判定すると、流量検出手段で検出される処理剤の流量から算出された処理剤の実質供給量が略設定供給量となるように、供給ポンプを追加駆動させる洗浄装置。
【請求項3】
被洗浄物を収容して、洗浄する洗浄槽と、
洗浄槽に液状の処理剤を供給する処理剤供給部と、
所定の情報を報知する報知部と、
制御部と、を備え、
処理剤供給部は、処理剤を貯蔵する貯蔵タンクと、貯蔵タンクと洗浄槽とを接続する供給路と、供給路に介設され、貯蔵タンクから洗浄槽に処理剤を供給する供給ポンプと、供給ポンプよりも上流側または下流側の供給路に介設され、供給路を流通する処理剤の流量を検出する流量検出手段と、を有する洗浄装置であって、
制御部は、供給路に目詰まりのない初期条件で、貯蔵タンクに貯蔵された処理剤を所定の設定供給量で洗浄槽に供給するための供給ポンプの初期駆動条件を記憶しており、
洗浄運転中、流量検出手段で検出される処理剤の流量から算出された洗浄槽に実質的に供給される処理剤の実質供給量が略設定供給量となるように、供給ポンプを駆動させ、
初期駆動条件と、処理剤の実質供給量が略設定供給量となるように供給ポンプを駆動させたときの実質駆動条件とを対比し、初期駆動条件と実質駆動条件との条件差が所定の条件閾値以上である場合、供給路に目詰まりの発生があると判定し、
目詰まりの発生があると判定すると、目詰まりの発生に対応する報知情報を報知部から報知させる洗浄装置。
【請求項4】
請求項1または3に記載の洗浄装置において、
処理剤供給部は、貯蔵タンク内の処理剤の残量を検出する残量検出手段を有し、
制御部は、目詰まりの発生があると判定すると、残量検出手段で検出される処理剤の残量に応じて、目詰まりの発生に対応する報知情報を変更する洗浄装置。
【請求項5】
請求項1または3に記載の洗浄装置において、
制御部は、過去の目詰まりが発生するまでの洗浄運転の運転回数または過去の目詰まりが発生するまでの期間の目詰まり履歴を記憶しており、
目詰まりの発生がないと判定すると、目詰まり履歴に基づいて、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を算出し、
算出された残運転回数または残期間を含む目安情報を報知部から報知させる洗浄装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の洗浄装置において、
制御部は、目詰まりの発生がないと判定すると、複数回の洗浄運転における、実質供給量の変化または設定供給量と実質供給量との供給量差の変化に基づいて、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を予測し、
予測された残運転回数または残期間を含む予測情報を報知部から報知させる洗浄装置。
【請求項7】
請求項3に記載の洗浄装置において、
制御部は、目詰まりの発生がないと判定すると、複数回の洗浄運転における、実質駆動条件の変化または初期駆動条件と実質駆動条件との条件差の変化に基づいて、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を予測し、
予測された残運転回数または残期間を含む予測情報を報知部から報知させる洗浄装置。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関する。特に、本発明は、貯蔵タンクから洗浄槽に処理剤を供給する供給路の目詰まりを報知する洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食器や衣類などの被洗浄物を洗浄する洗浄槽と、洗剤またはリンスなどの処理剤を貯蔵するタンクとを有し、所定量の処理剤をタンクから洗浄槽に自動供給する食器洗浄機や洗濯機などの洗浄装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この種の洗浄装置では、貯蔵タンクと洗浄槽とを接続する供給路で目詰まりが発生する。そのため、ユーザが目詰まりに気付くことなく洗浄装置を使用すると、洗浄槽への処理剤の供給量が不十分な状態で洗浄運転が行われたり、処理剤が洗浄槽に全く供給されない状態で洗浄運転が行われたりする。通常、洗浄装置内の処理剤の供給路は外部から視認することができないため、ユーザは洗浄不良の原因を判断することができず、使い勝手が悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-170793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、処理剤の供給路に目詰まりが発生したことをユーザに報知して、ユーザの利便性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術の第1の態様によれば、
被洗浄物を収容して、洗浄する洗浄槽と、
洗浄槽に液状の処理剤を供給する処理剤供給部と、
所定の情報を報知する報知部と、
制御部と、を備え、
処理剤供給部は、処理剤を貯蔵する貯蔵タンクと、貯蔵タンクと洗浄槽とを接続する供給路と、供給路に介設され、貯蔵タンクから洗浄槽に処理剤を供給する供給ポンプと、供給ポンプよりも上流側または下流側の供給路に介設され、供給路を流通する処理剤の流量を検出する流量検出手段と、を有する洗浄装置であって、
制御部は、供給路に目詰まりのない初期条件で、貯蔵タンクに貯蔵された処理剤を所定の設定供給量で洗浄槽に供給するための供給ポンプの初期駆動条件を記憶しており、
洗浄運転中、貯蔵タンクに貯蔵された処理剤が設定供給量で洗浄槽に供給されるように、初期駆動条件で供給ポンプを駆動させ、
初期駆動条件で供給ポンプを駆動させたときに流量検出手段で検出される処理剤の流量から洗浄槽に実質的に供給される処理剤の実質供給量を算出し、
設定供給量と算出された処理剤の実質供給量とを対比して、設定供給量と実質供給量との供給量差が所定の供給量閾値以上である場合、供給路に目詰まりの発生があると判定し、
目詰まりの発生があると判定すると、目詰まりの発生に対応する報知情報を報知部から報知させる洗浄装置が提供される。
【0006】
上記第1の態様によれば、設定供給量と実質供給量との供給量差が供給量閾値以上になれば、目詰まりの発生に対応する報知情報が報知されるから、ユーザに洗浄不良の原因となる供給路の目詰まりを認識させることができ、メンテナンスを促すことができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0007】
本技術の第2の態様によれば、上記第1の態様において、
制御部は、目詰まりの発生があると判定すると、流量検出手段で検出される処理剤の流量から算出された実質供給量が略設定供給量となるように、供給ポンプを追加駆動させる。
【0008】
上記第2の態様によれば、供給路に目詰まりが発生して実質供給量が設定供給量より少なくなった場合でも、洗浄槽に供給される処理剤の実質供給量が略設定供給量となるように供給ポンプを追加駆動させるから、処理剤の不足を解消して、洗浄不良を防止することができる。
【0009】
本技術の第3の態様によれば、
被洗浄物を収容して、洗浄する洗浄槽と、
洗浄槽に液状の処理剤を供給する処理剤供給部と、
所定の情報を報知する報知部と、
制御部と、を備え、
処理剤供給部は、処理剤を貯蔵する貯蔵タンクと、貯蔵タンクと洗浄槽とを接続する供給路と、供給路に介設され、貯蔵タンクから洗浄槽に処理剤を供給する供給ポンプと、供給ポンプよりも上流側または下流側の供給路に介設され、供給路を流通する処理剤の流量を検出する流量検出手段と、を有する洗浄装置であって、
制御部は、供給路に目詰まりのない初期条件で、貯蔵タンクに貯蔵された処理剤を所定の設定供給量で洗浄槽に供給するための供給ポンプの初期駆動条件を記憶しており、
洗浄運転中、流量検出手段で検出される処理剤の流量から算出された洗浄槽に実質的に供給される処理剤の実質供給量が略設定供給量となるように、供給ポンプを駆動させ、
初期駆動条件と、処理剤の実質供給量が略設定供給量となるように供給ポンプを駆動させたときの実質駆動条件とを対比し、初期駆動条件と実質駆動条件との条件差が所定の条件閾値以上である場合、供給路に目詰まりの発生があると判定し、
目詰まりの発生があると判定すると、目詰まりの発生に対応する報知情報を報知部から報知させる洗浄装置が提供される。
【0010】
上記第3の態様によれば、初期駆動条件と実質駆動条件との条件差が条件閾値以上になれば、目詰まりの発生に対応する報知情報が報知されるから、処理剤の不足を解消しながら、ユーザに洗浄不良の原因となる供給路の目詰まりを認識させることができ、メンテナンスを促すことができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0011】
本技術の第4の態様によれば、上記第1~第3のいずれかの態様において、
処理剤供給部は、貯蔵タンク内の処理剤の残量を検出する残量検出手段を有し、
制御部は、目詰まりの発生があると判定すると、残量検出手段で検出される処理剤の残量に応じて、目詰まりの発生に対応する報知情報を変更する。
【0012】
供給路の目詰まりは貯蔵タンク内の処理剤の残量に関わらず発生するため、処理剤の残量が多いときに目詰まりの発生を報知しても、ユーザがメンテナンスを行えない場合がある。しかしながら、上記第4の態様によれば、貯蔵タンク内の処理剤の残量に応じて目詰まりの発生に対応する報知情報が変更されるから、メンテナンスを行うための適切な報知情報をユーザに報知させることができる。
【0013】
本技術の第5の態様によれば、上記第1~第4のいずれかの態様において、
制御部は、過去の目詰まりが発生するまでの洗浄運転の運転回数または過去の目詰まりが発生するまでの期間の目詰まり履歴を記憶しており、
目詰まりの発生がないと判定すると、目詰まり履歴に基づいて、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を算出し、
算出された残運転回数または残期間を含む目安情報を報知部から報知させる。
【0014】
目詰まりが発生する頻度は洗浄装置の設置環境やユーザの洗浄装置の使用状況などによって異なるから、次に目詰まりが発生するタイミングの特定が難しい。しかしながら、過去の目詰まりが発生するまでの洗浄運転の運転回数または過去の目詰まりが発生するまでの期間の目詰まり履歴を利用すれば、目詰まりが発生する間隔を把握することができるから、次に目詰まりが発生するまでの洗浄運転の残運転回数または残期間の目安をつけることができる。そして、上記第5の態様によれば、ユーザに次に目詰まりが発生するタイミングまでの残運転回数または残期間を含む目安情報が報知されるから、さらにユーザの利便性を向上させることができる。
【0015】
本技術の第6の態様によれば、上記第1、第2、または第4のいずれかの態様において、
制御部は、目詰まりの発生がないと判定すると、複数回の洗浄運転における、実質供給量の変化または設定供給量と実質供給量との供給量差の変化に基づいて、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を予測し、
予測された残運転回数または残期間を含む予測情報を報知部から報知させる。
【0016】
目詰まりの報知を行う場合、メンテナンスが必要な目詰まりが進行したときだけでなく、メンテナンスが必要になるまでの洗浄運転の残運転回数や残期間などの目詰まりの進行に合わせた予測情報を報知すれば、ユーザにメンテナンスの準備を促すことができる。一方、例えば、前回、貯蔵タンクに補充された処理剤と異なるメーカの処理剤を使用した場合、目詰まりの進行度合いは異なってくるから、過去の目詰まりが発生するまでの洗浄運転の運転回数などの目詰まり履歴からでは、次に目詰まりが発生するタイミングの特定が難しい場合がある。
【0017】
しかしながら、目詰まりの発生がないときの複数回の洗浄運転における、実質供給量の変化または設定供給量と実質供給量との供給量差の変化を利用すれば、目詰まりの進行度合いを把握することができるから、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を予測することができる。そして、上記第6の態様によれば、目詰まりが発生していない場合でも、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を含む予測情報が報知されるから、よりユーザの利便性を向上させることができる。
【0018】
本技術の第7の態様によれば、上記第3または第4の態様において、
制御部は、目詰まりの発生がないと判定すると、複数回の洗浄運転における、実質駆動条件の変化または初期駆動条件と実質駆動条件との条件差の変化に基づいて、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を予測し、
予測された残運転回数または残期間を含む予測情報を報知部から報知させる。
【0019】
目詰まりの報知を行う場合、メンテナンスが必要な目詰まりが進行したときだけでなく、メンテナンスが必要になるまでの洗浄運転の残運転回数や残期間などの目詰まりの進行に合わせた予測情報を報知すれば、ユーザにメンテナンスの準備を促すことができる。一方、例えば、前回、貯蔵タンクに補充された処理剤と異なるメーカの処理剤を使用した場合、目詰まりの進行度合いは異なってくるから、過去の目詰まりが発生するまでの洗浄運転の運転回数などの目詰まり履歴からでは、次に目詰まりが発生するタイミングの特定が難しい場合がある。
【0020】
しかしながら、目詰まりの発生がないときの複数回の洗浄運転における、実質駆動条件の変化または初期駆動条件と実質駆動条件との条件差の変化を利用すれば、目詰まりの進行度合いを把握することができるから、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を予測することができる。そして、上記第7の態様によれば、目詰まりが発生していない場合でも、次に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を含む予測情報が報知されるから、よりユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機の模式断面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機のブロック図である。
図3図3は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機における洗浄運転プログラムのフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機における洗浄運転の洗剤の供給工程での供給ポンプの駆動条件と処理剤の設定供給量との関係を示すデータテーブルである。
図5図5は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機における洗剤供給プログラムのフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機における目詰まり報知プログラムのフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施の形態2に係る食器洗浄機における洗剤供給プログラムのフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施の形態2に係る食器洗浄機における目詰まり報知プログラムのフローチャートである。
図9図9は、本発明の実施の形態2に係る食器洗浄機における洗浄運転の運転回数と実質供給量との関係を示すグラフである。
図10図10は、本発明の実施の形態3に係る食器洗浄機における洗剤供給プログラムのフローチャートである。
図11図11は、本発明の実施の形態3に係る食器洗浄機における目詰まり報知プログラムのフローチャートである。
図12図12は、本発明の実施の形態4に係る食器洗浄機における洗剤供給プログラムのフローチャートである。
図13図13は、本発明の実施の形態4に係る食器洗浄機における目詰まり報知プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施の形態1)
以下、食器洗浄機に適用した本実施の形態に係る洗浄装置を説明する。本実施の形態の食器洗浄機1は、システムキッチンの天板CTの下方に設置された前面引き出し式のものである。図1に示すように、食器洗浄機1は、筐体9、移動体6、洗浄槽7、扉体70、及び蓋体8を備えている。なお、本明細書では、扉体70側を正面側とし、食器洗浄機1を正面側から見たときの奥行方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
【0023】
筐体9は、略矩形箱体である。筐体9は、筐体開口9Hを有している。筐体開口9Hは、筐体9の前部の上端から下端までの広い範囲を開放しており、筐体9内と外部とを連通させている。
【0024】
図1は、移動体6の収容状態を示す。移動体6の側面と筐体9の内壁面との間には、図示しないスライドレール機構が配置されている。移動体6は、そのスライドレール機構によって、図1に示す収容位置と、図示しない収容位置から前向きに移動した引き出し位置との間で移動可能である。移動体6には、洗浄槽7と扉体70とが設けられている。
【0025】
洗浄槽7は、略矩形箱体である。食器Tを洗浄するための洗浄槽7の内部空間は、前壁7Aと、後壁7Bと、左右の側壁と、底壁とによって区画されている。また、洗浄槽7は、その内部空間の上部を開放する開口7Hを有している。
【0026】
扉体70は、洗浄槽7の前方に設けられている。扉体70の上面には、後述するユーザインターフェース79が設けられている。
【0027】
移動体6が図1に示す収容位置にある状態では、扉体70が筐体開口9Hを閉塞し、洗浄槽7が筐体9内に収容される。図示しないが、移動体6が引き出し位置に移動することにより、扉体70が筐体開口9Hを開放し、洗浄槽7の開口7Hが筐体9から露出する状態となる。蓋体8は、移動体6が図1に示す収容位置にあるときには下降して洗浄槽7の開口7Hを閉塞する。
【0028】
移動体6が引き出し位置に移動して洗浄槽7の開口7Hが筐体9から露出する状態では、ユーザが開口7Hを介して、食器Tを洗浄槽7内に収容したり、食器Tを洗浄槽7から取り出したりすることができる。被洗浄物である食器Tは、例えば、茶碗、皿、グラス等の飲食用器や、箸、スプーン、フォーク等の飲食用具等である。
【0029】
筐体9内には、給水管P1、給水電磁弁69、及び排水管P2が設けられている。給水管P1は、移動体6の底壁と洗浄槽7の底壁との間で前向きに延び、洗浄槽7の前壁7Aに設けられた供給口77に連通している。給水管P1は、食器洗浄機1の外部に設けられた図示しない給水源から洗浄槽7内に水を供給する。給水電磁弁69を開閉することによって、洗浄槽7内への水の供給と停止とが切り替えられる。排水管P2は、洗浄槽7内の洗浄水を食器洗浄機1の外部に排水する。
【0030】
洗浄槽7の前方には、処理剤供給部5が設けられている。処理剤供給部5の上部には、貯蔵タンク50が設けられており、貯蔵タンク50内には、食器Tに付着する汚れを分解して洗い流すための液状の洗剤が貯蔵されている。貯蔵タンク50の上端には、洗剤を補充する処理剤補給口50Hが設けられている。処理剤供給部5は、貯蔵タンク50内の洗剤を洗浄槽7内に供給される水に所定のタイミングで混入させることで洗剤を洗浄槽7内に自動供給する。処理剤としては、洗剤以外に、食器Tの水切りを良くしたり、洗い上がりの光沢を得たりするための液状のリンスを用いることができる。貯蔵タンク50は、1回または複数回の洗浄運転を実行するために必要な量の洗剤を貯蔵可能な内容積を有する。貯蔵タンク50内には、フロート式の残量スイッチ(残量検出手段)57が配設されている。残量スイッチ57は貯蔵タンク50内の洗剤の残量を検出し、貯蔵タンク50内の洗剤の残量が減少すると、そのことを示す検出信号を制御部C1に出力する。残量検出手段としては、電気抵抗値の大きさの変化に基づいて処理剤の残量を検出する電極式のものを用いてもよい。
【0031】
貯蔵タンク50の底壁の接続口と洗浄槽7の供給口77とは、供給路51により接続されている。供給路51には、給水管P1が接続されている。供給路51には、上流の貯蔵タンク50側から順に、供給路51内を流通する洗剤の流量を検出する流量センサ(流量検出手段)52と、上流側逆止弁53と、供給ポンプ54と、下流側逆止弁55と、電磁弁56とが介設されている。電磁弁56は、供給路51と給水管P1との接続部よりも上流側に設けられている。電磁弁56を開閉することによって、洗浄槽7内に供給される水に洗剤を混入させる場合と、洗剤を混入させない場合とで、洗剤の供給及び停止が切り替えられる。供給ポンプ54には、容積型のプランジャポンプが用いられており、洗浄槽7内に供給される水に洗剤を混入させる場合にプランジャポンプが駆動される。なお、供給ポンプ54としては、プランジャポンプ以外に、容積型のチューブポンプ、ベローズポンプ、スクリューポンプ、ギアポンプ等を用いてもよい。
【0032】
洗浄槽7内の底部には、洗浄水を貯める貯水部7Pが設けられている。また、洗浄槽7内には、食器かご7Cが配置されている。食器かご7Cには、食器Tが載置される。図示しないが、洗浄槽7には、排気通路が設けられている。排気通路は、扉体70の前面の上部に開口しており、洗浄槽7の外部と連通している。洗浄槽7内の空気は、排気通路を通過して筐体9の前方に排気される。
【0033】
ノズル61は、洗浄槽7内に配置されている。ノズル61は、複数の吐出孔から洗浄槽7内に洗浄水を噴射可能である。ノズル61は、洗浄槽7内で重ねられた複数の食器Tを確実に洗浄したり、洗浄槽7の内壁面や食器かご7Cを洗浄したりするために、噴射方向が様々な方向に変化するように構成されている。
【0034】
洗浄・排水ポンプ62は、洗浄槽7の貯水部7Pの下部に組み付けられている。洗浄・排水ポンプ62は、正転作動時、洗浄槽7の貯水部7Pに貯められた洗浄水をノズル61に供給して洗浄槽7内に噴射させる。その噴射された洗浄水は貯水部7Pに貯められるので、洗浄・排水ポンプ62によって繰り返しノズル61に供給される。また、洗浄・排水ポンプ62は、逆転作動時、洗浄槽7内の洗浄水を残菜フィルタ67及び排水管P2を介して食器洗浄機1の外部に排水する。
【0035】
ヒータ63は、貯水部7Pの底部に配置されている。ヒータ63は、洗浄槽7の貯水部7Pに貯められた洗浄水や洗浄槽7内の空気を加熱する。乾燥ファン68は、ヒータ63を作動させた状態で回転作動させることにより、加熱された空気を洗浄槽7内に送り込んで食器Tを乾燥させる。乾燥ファン68により洗浄槽7内に送り込まれた空気は、排気通路を経由して食器洗浄機1の外部に排気される。
【0036】
食器洗浄機1は、制御部C1を備える。制御部C1は、図示しないCPU、メモリ、インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットである。図2に示すように、制御部C1は、記憶部C12を含んでいる。記憶部C12は、ROM及びRAM等の記憶素子によって構成されている。
【0037】
記憶部C12は、食器洗浄機1を動作させるために制御部C1が実行する各種プログラム、例えば後述する洗浄運転プログラムや洗剤供給プログラム等を記憶している。また、記憶部C12は、食器洗浄機1の設定情報、報知情報等の各種情報や、各種プログラムを実行するための設定情報等を随時記憶する。
【0038】
制御部C1には、流量センサ52及び残量スイッチ57からの検出信号が入力される。また、制御部C1には、図示しないセンサ類、例えば、温度センサ、水位センサ、洗浄槽7が収容位置にあるか否かを検出する位置センサや、洗浄槽7が収容位置にロックされているか否かを検出するロックセンサからの検出信号が入力される。そして、制御部C1は、駆動回路90を介して制御信号を出力することにより、電磁弁56、供給ポンプ54、ノズル61、洗浄・排水ポンプ62、給水電磁弁69、ヒータ63、乾燥ファン68や、スピーカ80等の作動を制御して各種運転を実行する。
【0039】
ユーザインターフェース79は、操作指示部79Aと表示部79Bとを有している。図示しないが、操作指示部79Aの複数のスイッチによって食器洗浄機1の操作指示が入力され、その入力結果が制御部C1に出力される。表示部79Bは、制御部C1から出力される食器洗浄機1の運転に関する情報を表示する。また、スピーカ80は、同様に、食器洗浄機1の運転に関する音声情報を報知する。従って、表示部79Bやスピーカ80が、報知部を構成する。
【0040】
次に、図3及び図4を参照して、洗浄運転プログラムについて説明する。本実施の形態の洗浄運転は、洗浄工程、すすぎ工程、及び乾燥工程を含んでいる。なお、洗浄工程前に予備すすぎ工程が設けられてもよい。ユーザが食器Tを洗浄槽7内に収容し、図示しないが、操作指示部79Aで電源スイッチをオン操作した後、所定の洗浄コースを選択し、スタートスイッチをオン操作すると、洗浄運転が開始される。洗浄運転が開始されると、制御部C1は、まず洗浄工程を実行する(ステップS1)。この洗浄工程では、制御部C1は、給水電磁弁69を制御して洗浄槽7に水を供給する。次いで、制御部C1は、後述する洗剤供給プログラムを実行し、図4に示す記憶部C12に記憶されているユーザが選択した洗浄コース(例えば、標準コースまたは念入りコース)に応じた洗剤の所定の設定供給量となる初期駆動回数(初期駆動条件)で供給ポンプ54を駆動させて、洗剤を洗浄槽7に供給する。初期駆動回数は、供給路51に目詰まりのない初期条件で各洗浄コースに応じた設定供給量となるように供給ポンプ54を駆動させたときの設定値である。例えば、プランジャポンプなどのレシプロ式のポンプが用いられる場合、プランジャの往復運動によって処理剤の供給量が変更されるため、図4に示すように初期駆動条件として駆動回数が設定されてもよいし、駆動時間が設定されてもよい。また、スクリューポンプやギアポンプなどの回転式のポンプが用いられる場合、初期駆動条件として駆動回転数が設定されてもよいし、駆動時間が設定されてもよい。なお、初期駆動条件は、製造メーカによって設定されてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。
【0041】
洗剤の供給が終了すると、制御部C1は、供給ポンプ54の駆動を停止させるとともに、電磁弁56を閉弁させる。また、制御部C1は、洗浄・排水ポンプ62を正転作動させ、ノズル61から洗浄槽7内に洗浄水を噴射させて、食器Tを洗浄する。洗浄工程が終了すると、制御部C1は、洗浄・排水ポンプ62を逆転作動させ、洗浄槽7内の洗浄水を食器洗浄機1の外部に排水した後、すすぎ工程を実行する(ステップS2)。
【0042】
制御部C1は、すすぎ工程において、給水電磁弁69を開弁させ、給水管P1によって洗浄槽7内に水を供給する。このとき、洗剤用の貯蔵タンク50とは別に、処理剤としてリンスを貯蔵する貯蔵タンクを有する食器洗浄機1であれば、洗浄槽7にリンスが供給されてもよい。
【0043】
そして、制御部C1は、洗浄・排水ポンプ62を正転作動させ、ノズル61から洗浄槽7内に洗浄水を噴射して、食器Tをすすぐ。すすぎ工程が終了すると、制御部C1は、洗浄・排水ポンプ62を逆転作動させ、洗浄槽7内のすすぎに用いた洗浄水を食器洗浄機1の外部に排水した後、乾燥工程を実行する(ステップS3)。
【0044】
制御部C1は、乾燥工程において、ヒータ63及び乾燥ファン68を適宜作動させ、加熱された空気を洗浄槽7内に送り込んで洗浄槽7内の食器Tを乾燥させる。乾燥工程が終了すると、制御部C1は洗浄運転を終了する。洗浄運転が終了すると、制御部C1は、後述する目詰まり報知プログラムを実行する。
【0045】
次に、図5図6を参照して、洗剤供給プログラム及び目詰まり報知プログラムについて説明する。なお、図示しないが、本実施の形態では、供給路51に目詰まりが発生してユーザが後述するメンテナンスを実行すると、制御部C1は、メンテナンスを実行してから目詰まりが発生するまでの期間を計測するための目詰まりタイマをリセットし、新たに目詰まりが発生するまでの期間を計測する目詰まりタイマをスタートさせるように構成されている。
【0046】
洗浄工程が開始されて既述した洗浄槽7への洗剤の供給工程が到来すると、制御部C1は、図5に示す洗剤供給プログラムを起動する。そして、制御部C1は、電磁弁56を開弁させるとともに、ユーザの選択に応じた洗浄コースの設定供給量となる初期駆動回数で供給ポンプ54を駆動させる(ステップS101~S102)。そして、初期駆動回数で供給ポンプ54を駆動させたときに流量センサ52で検出される洗剤の流量の検出信号から実際に洗浄槽7に供給される洗剤の実質供給量を算出する(ステップS103)。
【0047】
次いで、制御部C1は、設定供給量と実質供給量とを対比し、設定供給量と実質供給量との供給量差が所定の供給量閾値(例えば、設定供給量の40%)以上である場合(ステップS104で、Yes)、供給路51に目詰まりの発生があると判定して、目詰まりフラグFを「1」にセットする(ステップS105)。なお、設定供給量と実質供給量との供給量差が供給量閾値未満であれば(ステップS104で、No)、目詰まりによる洗剤の不足は少ないと考えられるから、制御部C1は、供給ポンプ54を停止させるとともに、電磁弁56を閉弁させ、洗剤供給プログラムを終了して洗浄運転を継続させる(ステップS109~S110)。
【0048】
設定供給量と実質供給量との供給量差が供給量閾値以上である場合(ステップS104でYes)、制御部C1は、流量センサ52で検出される洗剤の流量の検出信号から算出される実質供給量が略設定供給量となるように、供給ポンプ54を所定の駆動回数単位(例えば、1回ずつ)で追加駆動させる(ステップS106~S108)。なお、供給ポンプ54を追加駆動させた後の実質供給量は、設定供給量と同一となることが好ましい。しかしながら、レシプロ式のプランジャポンプのように往復運動によって1回当たり定量で処理剤が供給される供給ポンプ54では、実質供給量と設定供給量とを完全に一致させることが難しい。一方、供給路51に目詰まりが発生している場合でも、完全な閉塞でなければ、供給ポンプ54を追加駆動させれば、実質供給量を設定供給量に近づけることができる。このため、本実施の形態では、最終的に洗浄槽7に供給される洗剤の実質供給量は設定供給量未満であってもよいし、設定供給量以上であってもよい(例えば、設定供給量の上下20%以内)。これにより、供給路51に目詰まりが発生している場合でも、洗剤の不足を解消することができる。なお、洗浄効果を向上させる場合、実質供給量が少なくとも設定供給量以上になるまで供給ポンプ54を追加駆動させることが好ましい。
【0049】
供給ポンプ54を追加駆動させたときに算出される実質供給量が略設定供給量になれば(ステップS108で、Yes)、上記と同様に、制御部C1は、洗剤供給プログラムを終了して洗浄運転を継続させる。
【0050】
洗浄運転が終了すると、制御部C1は、図6に示す目詰まり報知プログラムを起動する。そして、制御部C1は、目詰まりフラグFが「1」にセットされているかどうかを判定する(ステップS151)。目詰まりフラグFが「1」にセットされている場合(ステップS151で、Yes)、制御部C1は、残量スイッチ57から出力される検出信号に基づき、貯蔵タンク50内の洗剤の残量を取得する。次いで、制御部C1は、貯蔵タンク50内の洗剤の残量が所定の残量閾値(例えば、貯蔵タンク50の内容積の10%)以上、残っているかどうかを判定する(ステップS152)。
【0051】
貯蔵タンク50内の洗剤の残量が残量閾値以上であれば(ステップS152で、Yes)、貯蔵タンク50内に一定量の洗剤が残っており、供給路51の掃除ができないため、制御部C1は、表示部79Bやスピーカ80から、供給路51に目詰まりが発生しており、ユーザに供給路51の掃除の準備を促すメンテナンス準備情報(例えば、表示部79Bからメンテナンス準備が必要なことを示すコード表示や、スピーカ80から「洗剤通路が詰まっています。掃除の準備をしてください」の音声報知)を報知させる(ステップS153)。これにより、ユーザは貯蔵タンク50内の洗剤の残量が少なくなったときにメンテナンスを行うための準備をすることができる。
【0052】
一方、貯蔵タンク50内の洗剤の残量が残量閾値未満であれば(ステップS152で、No)、制御部C1は、表示部79Bやスピーカ80から、供給路51に目詰まりが発生しており、ユーザに供給路51の掃除を促すメンテナンス情報(例えば、表示部79Bからメンテナンスが必要なことを示すコード表示や、スピーカ80から「洗剤通路が詰まっています。掃除してください」の音声報知)を報知させる(ステップS154)。これにより、ユーザは直ちにメンテナンスを行うことができる。
【0053】
図示しないが、ユーザが処理剤補給口50Hから温水を貯蔵タンク50内に補充し、操作指示部79Aで特殊操作(例えば、複数スイッチの同時押し)を行うと、制御部C1は電磁弁56を開弁させ、供給ポンプ54を所定時間、駆動させるメンテナンスを実行する。これにより、供給路51に固着した洗剤が溶解されて、目詰まりを解消させることができる。メンテナンスが終了すると、制御部C1は、目詰まりフラグFを「0」にリセットするとともに、既述した目詰まりタイマをリセットし、新たな目詰まり期間を計測する。
【0054】
洗浄運転中、目詰まりが発生していないと判定され、目詰まりフラグFが「1」にセットされていない場合(ステップS151で、No)、制御部C1は、前回、メンテナンスを実行してからの計時中の期間と、前々回、メンテナンスを実行してから前回、目詰まりが発生するまでの直近の前回目詰まり期間とを対比する(ステップS156)。そして、計時中の期間が前回目詰まり期間未満であり(ステップS156で、No)、前回目詰まり期間(例えば、20週目)と計時中の期間(例えば、18週目)との期間差が所定の期間閾値(例えば、2週間)以下であれば(ステップS157で、Yes)、制御部C1は、表示部79Bやスピーカ80から、次に供給路51に目詰まりが発生するタイミングまでの残期間を含む目安情報(例えば、表示部79Bに、2週間後に供給路51の掃除をすることを推薦するコード表示や、スピーカ80から「2週間後に洗剤通路の掃除をお勧めします」の音声報知)を報知させる(ステップS158)。これにより、ユーザは、適切な時期にメンテナンスを実行する準備をすることができる。また、次に目詰まりが発生するタイミングの目安をユーザに認識させることができるから、貯蔵タンク50への洗剤の補充が防止され、ユーザは貯蔵タンク50内の洗剤の残量が少なくなったときに速やかにメンテナンスを実行することができる。なお、目詰まり期間は、前回目詰まり期間であってもよいし、複数の過去の目詰まり期間がある場合、それらの平均の目詰まり期間であってもよい。また、目詰まり期間は、過去の最短または最長の目詰まり期間であってもよい。また、制御部C1は、初めて目詰まりが生じる場合の残期間を算出するため、基準の目詰まり期間を記憶してもよい。また、制御部C1は、目詰まり期間の代わりに、過去の目詰まりが発生するまでの洗浄運転の運転回数(合計運転回数)と、前回、メンテナンスを行ってからの運転回数とを対比して、次に目詰まりが発生するまでの残運転回数を含む目安情報を表示部79Bやスピーカ80から報知させてもよい。また、上記と同様に、目安情報は貯蔵タンク50内の洗剤の残量に応じて変更してもよい。
【0055】
計時中の期間が前回目詰まり期間以上になると(ステップS156で、Yes)、目詰まりが発生する可能性が高いため、供給路51に目詰まりが発生していない場合であっても(ステップS151で、No)、制御部C1は、貯蔵タンク50内の洗剤の残量が残量閾値以上であれば(ステップS152で、Yes)、洗浄運転が終了するごとに、表示部79Bやスピーカ80からユーザに供給路51の掃除の準備を促すメンテナンス準備情報を報知させる(ステップS153)。また、貯蔵タンク50内の洗剤の残量が残量閾値未満であれば(ステップS152で、No)、洗浄運転が終了するごとに、表示部79Bやスピーカ80からユーザに供給路51の掃除を促すメンテナンス情報を報知させる(ステップS154)。
【0056】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、設定供給量と実質供給量との供給量差が供給量閾値以上になれば、目詰まりの発生に対応するメンテナンス準備情報やメンテナンス情報の報知情報が報知されるから、ユーザに洗浄不良の原因となる供給路51の目詰まりを認識させることができ、メンテナンスを促すことができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、供給路51に目詰まりが発生して実質供給量が設定供給量より少なくなった場合でも、洗浄槽7に供給される洗剤の実質供給量が略設定供給量となるように供給ポンプ54を追加駆動させるから、洗剤の不足を解消して、洗浄不良を防止することができる。また、目詰まりが発生しても、通常、ユーザは洗剤の不足量を知らないから、追加すべき洗剤の量を特定することができないが、本実施の形態によれば、供給ポンプ54の追加駆動によって、不足する洗剤を補充して適切な量の洗剤で洗浄運転を実行させることができる。これにより、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、貯蔵タンク50内の洗剤の残量に応じて目詰まりの発生に対応する報知情報が変更されるから、メンテナンスを行うための適切な報知情報をユーザに報知させることができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、ユーザに次に目詰まりが発生するタイミングまでの残運転回数または残期間を含む目安情報が報知されるから、さらにユーザの利便性を向上させることができる。
【0060】
(実施の形態2)
本実施の形態は、実施の形態1と洗剤供給プログラム及び目詰まり報知プログラムにおける動作が異なる以外は、実施の形態1と同様の構成を有する。以下において、実施の形態1と同一の引用番号は、同一の構成を意味する。なお、本実施の形態では、実施の形態1と異なり、目詰まり期間を計測するための目詰まりタイマはセットされない。
【0061】
本実施の形態では、実施の形態1と同様に、洗浄槽7への洗剤の供給工程が到来すると、制御部C1は、図7に示す洗剤供給プログラムを起動する。そして、ユーザの選択に応じた洗浄コースの設定供給量となる初期駆動回数で供給ポンプ54を駆動させたときに流量センサ52で検出される洗剤の流量の検出信号から実際に洗浄槽7に供給される洗剤の実質供給量を算出する(ステップS201~S203)。次いで、設定供給量と実質供給量とを対比し、設定供給量と実質供給量との供給量差が所定の供給量閾値(例えば、設定供給量の40%)以上である場合(ステップS204で、Yes)、供給路51に目詰まりの発生があると判定して、目詰まりフラグFを「1」にセットする(ステップS205)。供給路51に目詰まりの発生があると判定された場合の動作(ステップS206~S210)は、実施の形態1のそれら(ステップS106~S110)と同様である。
【0062】
一方、設定供給量と実質供給量との供給量差が供給量閾値未満である場合(ステップS204で、No)、制御部C1は、実質供給量を記憶するとともに、洗浄運転の運転履歴回数Uに「1」を加算して記憶し(ステップS220)、洗剤供給プログラムを終了して洗浄運転を継続させる。
【0063】
洗浄運転が終了すると、制御部C1は、図8に示す目詰まり報知プログラムを起動する。そして、制御部C1は、目詰まりフラグFが「1」にセットされているかどうかを判定する(ステップS251)。目詰まりフラグFが「1」にセットされている場合の動作(ステップS252~S254)は、実施の形態1のそれら(ステップS152~S154)と同様である。
【0064】
一方、目詰まりフラグFが「1」にセットされていない場合(ステップS251で、No)、制御部C1は、運転履歴回数Uが所定の計測数閾値(例えば、10回)以上であるかどうかを判定する(ステップS255)。次いで、運転履歴回数Uが計測数閾値以上であれば(ステップS255で、Yes)、複数回の洗浄運転における実質供給量の変化から、次に供給路51に目詰まりが発生する予測目詰まり運転回数を予測する(ステップS256)。
【0065】
図9は、供給路51に目詰まりが発生する運転回数を予測するための洗浄運転の運転回数と供給ポンプ54を初期駆動回数で駆動させたときの実質供給量との相関関係の一例を示すデータである。この食器洗浄機1では、設定供給量がA0に設定されており、実質供給量がAxまで低下すると、供給路51に目詰まりが発生したと判定するように設定されている。なお、図9では、同一の洗剤を用いた場合の実質供給量の変化が示されているが、異なる洗剤を用いた場合、実質供給量の変化も異なってくる。
【0066】
図9に示すように洗浄運転の運転回数の増加に応じて、実質供給量は減少してくる。従って、目詰まりが発生していないときの複数回の洗浄運転における実質供給量の変化に基づけば、次に供給路51に目詰まりが発生する洗浄運転の予測目詰まり運転回数Uxを外挿することができる。
【0067】
このため、制御部C1は、予測目詰まり運転回数と今回までの運転履歴回数とを対比し、運転履歴回数が予測目詰まり運転回数未満であり(ステップS257で、No)、予測目詰まり運転回数と運転履歴回数との差が所定の残回数閾値(例えば、10回)以下であれば(ステップS258で、Yes)、表示部79Bやスピーカ80から、次に目詰まりが発生するまでの残運転回数を含む予測情報(例えば、表示部79Bに、残り10回で供給路51の掃除することを推薦するコード表示や、スピーカ80から「後、10回洗浄運転を行うと洗剤通路の掃除をお勧めします」の音声報知)を報知させる(ステップS259)。これにより、ユーザは、適切な時期にメンテナンスを実行する準備をすることができる。なお、洗浄運転の運転回数の代わりに期間を用い、残期間を含む予測情報を報知させてもよい。
【0068】
運転履歴回数が予測目詰まり運転回数以上になると(ステップS257で、Yes)、目詰まりが発生する可能性が高いため、目詰まりが発生していない場合であっても(ステップS251で、No)、制御部C1は、貯蔵タンク50内の洗剤の残量が残量閾値以上であれば(ステップS252で、Yes)、洗浄運転が終了するごとに、表示部79Bやスピーカ80からユーザに供給路51の掃除の準備を促すメンテナンス準備情報を報知させる(ステップS253)。また、貯蔵タンク50内の洗剤の残量が残量閾値未満であれば(ステップS252で、No)、洗浄運転が終了するごとに、表示部79Bやスピーカ80からユーザに供給路51の掃除を促すメンテナンス情報を報知させる(ステップS254)。
【0069】
目詰まりの報知を行う場合、メンテナンスが必要な目詰まりが進行したときだけでなく、メンテナンスが必要になるまでの洗浄運転の残運転回数や残期間などの目詰まりの進行に合わせた予測情報を報知すれば、ユーザにメンテナンスの準備を促すことができる。一方、例えば、前回、貯蔵タンク50に補充された処理剤と異なるメーカの処理剤を使用した場合、目詰まりの進行度合いは異なってくる。そのため、供給路51に目詰まりが発生するまでの運転回数や期間は、ユーザの使用状況に応じて異なる可能性がある。従って、過去の目詰まりが発生するまでの洗浄運転の運転回数などの目詰まり履歴からでは、次に目詰まりが発生するタイミングの特定が難しい場合がある。また、過去に目詰まりが発生していなければ、目詰まり履歴を利用することができない。
【0070】
しかしながら、上記したように、目詰まりの発生がないときの複数回の洗浄運転における実質供給量の変化を利用すれば、目詰まりの進行度合いを把握することができるから、次に供給路51に目詰まりが発生するタイミングまでの洗浄運転の残運転回数または残期間を予測することができる。そして、本実施の形態によれば、供給路51に目詰まりが発生していない場合でも、次に目詰まりが発生するタイミングまでの残運転回数または残期間を含む予測情報が報知されるから、よりユーザの利便性を向上させることができる。なお、上記実施の形態では、実質供給量の変化が利用されているが、設定供給量と実質供給量との供給量差の変化を利用してもよい。
【0071】
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、設定供給量と実質供給量との供給量差が供給量閾値以上になれば、目詰まりの発生に対応する報知情報が報知されるから、ユーザに洗浄不良の原因となる供給路51の目詰まりを認識させることができ、メンテナンスを促すことができる。また、供給路51に目詰まりが発生して実質供給量が設定供給量より少なくなった場合でも、実質供給量が略設定供給量となるように供給ポンプ54を追加駆動させるから、洗剤の不足による洗浄不良を解消することができる。また、供給路51に目詰まりが発生した場合、貯蔵タンク50内の洗剤の残量に応じて目詰まりの発生に対応する報知情報が変更されるから、メンテナンスを行うための適切な報知情報をユーザに報知させることができる。
【0072】
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態1と洗剤供給プログラムにおける動作が異なる以外は、実施の形態1と同様の構成を有する。以下において、実施の形態1と同一の引用番号は、同一の構成を意味する。
【0073】
本実施の形態では、実施の形態1と同様に、洗浄槽7への洗剤の供給工程が到来すると、制御部C1は、図10に示す洗剤供給プログラムを起動する。そして、流量センサ52で検出される洗剤の流量の検出信号から算出した実際に洗浄槽7に供給される洗剤の実質供給量がユーザの選択に応じた洗浄コースの略設定供給量となるように、供給ポンプ54を所定の駆動回数単位(例えば、1回ずつ)で駆動させる(ステップS301~S304)。なお、既述したように、供給ポンプ54の種類によっては実質供給量と設定供給量とを完全に一致させることが難しい。しかしながら、供給路51に目詰まりが発生している場合でも、完全な閉塞でなければ、実質供給量が設定供給量に近づくように供給ポンプ54を駆動させることができる。このため、上記と同様に、最終的に洗浄槽7に供給される洗剤の実質供給量は設定供給量未満であってもよいし、設定供給量以上であってもよい(例えば、設定供給量の上下20%以内)。これにより、供給路51に目詰まりが発生している場合でも、洗剤の不足を解消することができる。
【0074】
次いで、制御部C1は、初期駆動条件である初期駆動回数と、算出した実際に洗浄槽7に供給される洗剤の実質供給量が略設定供給量となるように供給ポンプ54を駆動させたときの実質駆動条件である実質駆動回数とを対比する(ステップS305)。そして、初期駆動回数と実質駆動回数との駆動回数差が所定の条件閾値(例えば、初期駆動回数の40%)以上である場合(ステップS305で、Yes)、制御部C1は、供給路51に目詰まりの発生があると判定して、目詰まりフラグFを「1」にセットし、洗剤供給プログラムを終了して洗浄運転を継続させる(ステップS306~S308)。一方、初期駆動回数と実質駆動回数との駆動回数差が条件閾値未満であれば(ステップS305で、No)、目詰まりによる洗剤の不足は少ないと考えられるから、制御部C1は、洗剤供給プログラムを終了して洗浄運転を継続させる。
【0075】
洗浄運転が終了すると、制御部C1は、図11に示す目詰まり報知プログラムを起動する。本実施の形態の目詰まり報知プログラムにおける動作(ステップS351~S358)は、実施の形態1におけるそれら(ステップS151~S158)と同様である。
【0076】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、初期駆動回数と実質駆動回数との条件差が条件閾値以上になれば、目詰まりの発生に対応する報知情報が報知されるから、洗剤の不足を解消しながら、ユーザに洗浄不良の原因となる供給路51の目詰まりを認識させることができ、メンテナンスを促すことができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0077】
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、供給路51に目詰まりが発生した場合、貯蔵タンク50内の洗剤の残量に応じて目詰まりの発生に対応する報知情報が変更されるから、メンテナンスを行うための適切な報知情報をユーザに報知させることができる。
【0078】
(実施の形態4)
本実施の形態は、実施の形態3と洗剤供給プログラム及び目詰まり報知プログラムにおける動作が異なる以外は、実施の形態3と同様の構成を有する。以下において、実施の形態1と同一の引用番号は、同一の構成を意味する。なお、本実施の形態では、実施の形態2と同様に、目詰まり期間を計測するための目詰まりタイマはセットされない。
【0079】
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、洗浄槽7への洗剤の供給工程が到来すると、制御部C1は、図12に示す洗剤供給プログラムを起動する。そして、流量センサ52で検出される洗剤の流量の検出信号から算出した実際に洗浄槽7に供給される洗剤の実質供給量がユーザの選択に応じた洗浄コースの略設定供給量となるように、供給ポンプ54を駆動させる(ステップS401~S404)。
【0080】
次いで、制御部C1は、初期駆動回数と、算出した実際に洗浄槽7に供給される洗剤の実質供給量が略設定供給量となるように供給ポンプ54を駆動させたときの供給ポンプ54の実質駆動回数とを対比する(ステップS405)。そして、初期駆動回数と実質駆動回数との駆動回数差が所定の条件閾値(例えば、初期駆動回数の40%)以上である場合(ステップS405で、Yes)、供給路51に目詰まりの発生があると判定して、目詰まりフラグFを「1」にセットし、洗剤供給プログラムを終了して洗浄運転を継続させる(ステップS406~S408)。
【0081】
一方、初期駆動回数と実質駆動回数との駆動回数差が条件閾値未満である場合(ステップS405で、No)、制御部C1は、実質駆動回数を記憶するとともに、洗浄運転の運転履歴回数Uに「1」を加算して記憶し(ステップS420)、洗剤供給プログラムを終了して洗浄運転を継続させる。
【0082】
洗浄運転が終了すると、制御部C1は、図13に示す目詰まり報知プログラムを起動する。そして、制御部C1は、目詰まりフラグFが「1」にセットされているかどうかを判定する(ステップS451)。目詰まりフラグFが「1」にセットされている場合の動作(ステップS452~S454)は、実施の形態3におけるそれら(ステップS352~S354)と同様である。
【0083】
一方、目詰まりフラグFが「1」にセットされていない場合(ステップS451で、No)、制御部C1は、運転履歴回数Uが所定の計測数閾値(例えば、10回)以上であるかどうかを判定する(ステップS455)。次いで、運転履歴回数Uが計測数閾値以上であれば(ステップS455で、Yes)、制御部C1は、複数回の洗浄運転における実質駆動回数の変化から、次に供給路51に目詰まりが発生する予測目詰まり運転回数を予測する(ステップS456)。なお、図示しないが、実質駆動回数の変化に基づく、次に供給路51に目詰まりが発生する予測目詰まり運転回数の予測は実施の形態2と同様である。このため、予測目詰まり運転回数と今回までの運転履歴回数とを対比し、運転履歴回数が予測目詰まり運転回数未満であり(ステップS457で、No)、予測目詰まり運転回数と運転履歴回数との差が所定の残回数閾値(例えば、10回)以下であれば(ステップS458で、Yes)、表示部79Bやスピーカ80から、次に目詰まりが発生するまでの残運転回数を含む予測情報を報知させる(ステップS459)。これにより、ユーザは、適切な時期にメンテナンスを実行する準備をすることができる。なお、上記と同様に、残運転回数の代わりに、残期間を含む予測情報を報知させてもよい。運転履歴回数が予測目詰まり運転回数以上になった場合(ステップS457で、Yes)、目詰まりが発生する可能性が高いため、目詰まりが発生していない場合であっても(ステップS451で、No)、制御部C1は、貯蔵タンク50内の洗剤の残量に基づいてメンテナンス準備情報またはメンテナンス情報を報知させる(ステップS452~S454)。
【0084】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、実施の形態2と同様に、供給路51に目詰まりが発生していない場合でも、次に目詰まりが発生するタイミングまでの残運転回数または残期間を含む予測情報が報知されるから、よりユーザの利便性を向上させることができる。なお、上記実施の形態では、実質駆動回数の変化が利用されているが、初期駆動回数と実質駆動回数との駆動回数差の変化を利用してもよい。
【0085】
また、本実施の形態でも、実施の形態3と同様に、初期駆動回数と実質駆動回数との駆動回数差が条件閾値以上になれば、目詰まりの発生に対応する報知情報が報知されるから、ユーザに洗浄不良の原因となる供給路51の目詰まりを認識させることができ、メンテナンスを促すことができる。また、供給路51に目詰まりが発生した場合、貯蔵タンク50内の洗剤の残量に応じて目詰まりの発生に対応する報知情報が変更されるから、メンテナンスを行うための適切な報知情報をユーザに報知させることができる。
【0086】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、洗浄装置として食器洗浄機が用いられている。しかしながら、本発明は、洗剤や柔軟剤などの処理剤を貯蔵タンクから洗浄槽に自動供給する機能を有する洗濯機や洗濯乾燥機などの洗浄装置にも適用することができる。また、乾燥機能のない食器洗浄機にも適用することができる。
【0087】
(2)上記実施の形態では、給水管との接続部より上流側の供給路に、処理剤の流量を検出する流量検出手段が介設されている。しかしながら、給水管を流れる水の流量が分かっていれば、給水管の接続部よりも下流側の供給路に流量検出手段を介設してもよい。また、貯蔵タンクから直接、洗浄槽に処理剤を供給してもよい。また、供給路に電磁弁を設けることなく、洗浄槽に処理剤を供給してもよい。また、供給路と給水管との接続位置は、上記実施の形態のような位置に限らず、電磁弁を流量検出手段または上流側逆止弁よりも上流側の供給路で接続してもよい。また、供給ポンプの下流側の供給路に、流量検出手段を介設させてもよい。また、上記実施の形態では、供給路に給水管が接続されているが、供給路と給水管とを別回路として切り離してもよい。
【0088】
(3)上記実施の形態では、過去の目詰まりが発生するまでの期間として、ユーザがメンテナンスを実行してから供給路に目詰まりが発生するまでの期間が設定されている。しかしながら、本発明では、過去の目詰まりが発生するまでの期間として、ユーザがメンテナンスを実行してから供給路に目詰まりが発生するまでの過去の洗浄運転時間の合計時間を設定してもよい。
【0089】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0090】
1 食器洗浄機
7 洗浄槽
5 処理供給部
50 貯蔵タンク
51 供給路
52 流量センサ
54 供給ポンプ
57 残量スイッチ
79B 表示部
80 スピーカ
C1 制御部
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