(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101087
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】端子ユニット、遮断器及び電気盤
(51)【国際特許分類】
H01H 73/20 20060101AFI20240722BHJP
H01H 71/08 20060101ALI20240722BHJP
H01H 73/02 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H01H73/20 B
H01H71/08
H01H73/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004808
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】391017595
【氏名又は名称】クシダ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】串田 洋介
【テーマコード(参考)】
5G030
【Fターム(参考)】
5G030EA02
5G030XX20
(57)【要約】
【課題】大径のケーブルでも遮断器10に接続することが可能な端子ユニットを提供する。
【解決手段】この端子ユニット50は、中央引出電極30aとサイド引出電極30bとを有し、このうち2つのサイド引出電極30bは中央引出電極30aに対して外側に開いた形状を取る。そして、本体端子とケーブル16(18)とは、これら中央引出電極30aとサイド引出電極30bとを介して接続する。このため、この端子ユニット50、遮断器80、電気盤100は、ケーブル16(18)の取付スペースが広く、大径のケーブル16(18)やダブル接続を遮断器10と直接接続することができる。これにより、従来の端子台14と中継ケーブル17が不要となり、接続スペースの大幅な減少を図ることができる。また、これらの部材の接続作業が不要となるため、部材コストと作業コストの削減、作業時間の短縮、作業者の負荷の軽減とを図ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3線用の遮断器に設置する端子ユニットであって、
前記遮断器の本体端子のうち中央の本体端子と接続し先側にケーブル端子を備えた中央引出電極と、前記本体端子のうち外側の2つの本体端子とそれぞれ接続し先側にケーブル端子を備えたサイド引出電極と、前記中央引出電極とサイド引出電極とを保持する保持部と、を有し、
前記サイド引出電極は外側に屈曲もしくは湾曲して、前記ケーブル端子間の間隔が前記本体端子間の間隔よりも広いことを特徴とする端子ユニット。
【請求項2】
中央引出電極とサイド引出電極とこれらの接続部分を少なくとも覆うカバー部をさらに有し、
前記カバー部は、前記中央引出電極と前記サイド引出電極との間に絶縁性の仕切板を備えたことを特徴とする請求項1記載の端子ユニット。
【請求項3】
遮断器の一次側と二次側の双方に設置可能なことを特徴とする請求項1記載の端子ユニット。
【請求項4】
外部機器の端子が接続する端子接続部を中央引出電極とサイド引出電極のそれぞれが有することを特徴とする請求項1記載の端子ユニット。
【請求項5】
中央引出電極とサイド引出電極の温度をそれぞれ示す示温ラベルの貼着スペースを中央引出電極とサイド引出電極のそれぞれが有することを特徴とする請求項1記載の端子ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の端子ユニットを一次側の本体端子もしくは二次側の本体端子の少なくとも一方に備えたことを特徴とする遮断器。
【請求項7】
請求項6に記載の遮断器を備えたことを特徴とする電気盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、径の太いケーブルを中継ケーブルを用いずに遮断器に接続することが可能な端子ユニットに関するものである。また、この端子ユニットを備えた遮断器、及びこの遮断器を有する電気盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遮断器はブレーカとも呼ばれ、電気設備や屋内配線の保護装置として随所に設けられている。また、商用電源等の外線ケーブルを屋内配線に接続する際にも、この遮断器を介して行うことが一般的である。ここで、本件に関係する特許文献として下記[特許文献1]にはケーブルの圧着端子との接続の不具合を低減する開閉器用の端子に関する発明が開示されている。
【0003】
ただし、遮断器に接続するケーブルが例えば大電流用の径の太いものや、2本のケーブルを1つの端子に接続するダブル接続等の場合には、遮断器の本体端子間の間隔が足らずに取付スペースが確保できず、これらのケーブルを直接接続することができない。よって、このような場合には、
図8に示すように、先ず十分な大きさの端子台14を用いてダブル接続や大径の1次側のケーブル16と、この大径のケーブル16よりも径が細く遮断器10の本体端子12a、12bに直接接続が可能な中継ケーブル17とを接続する。そして、この中継ケーブル17を遮断器10の本体端子12a、12bに接続する。これにより、ダブル接続や大径の1次側のケーブル16と遮断器10とが導通し電気的に接続する。また、遮断器10の2次側の本体端子12a’、12b’には屋内配線や電気設備等と接続する2次側のケーブル18が接続する。そして、遮断器10が例えば異常な電圧もしくは電流を感知した場合、瞬時に通電を遮断して接続機器を保護する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、
図8に示す従来の接続方法では、端子台14と中継ケーブル17が必要となり材料コストが増加するという問題点がある。また、中継ケーブル17の特に外側の2本は、端子台14の端子間隔よりも狭い本体端子12bに接続するために内側に曲げることとなる。ただし、中継ケーブル17は1次側ケーブル16よりも径が細いとはいえ大電流用のある程度の太さを有するものであるから、電気保安上の観点からも物理的な観点からも急な角度では曲げられず、余裕を取ったある程度の長さが必要となる。このため、端子台14と中継ケーブル17が大きなスペースを必要とし、電気盤内のスペースを圧迫したり電気盤の筐体の大型化を招くという問題点がある。さらに、端子台14の設置や、中継ケーブル17への圧着端子の固定、絶縁処理、曲げ加工等の作業が必要となり、組立時間の増大や作業コストの上昇を招くという問題点がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、大径のケーブルでも遮断器に接続することが可能な端子ユニットの提供を目的とする。また、この端子ユニットを備えた遮断器、及びこの遮断器を有する電気盤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
(1)3線用の遮断器10に設置する端子ユニットであって、
前記遮断器10の本体端子12a、12b(12a’、12b’)のうち中央の本体端子12a(12a’)と接続し先側にケーブル端子32aを備えた中央引出電極30aと、前記本体端子12a、12b(12a’、12b’)のうち外側の2つの本体端子12b(12b’)とそれぞれ接続し先側にケーブル端子32bを備えたサイド引出電極30bと、前記中央引出電極30aとサイド引出電極30bとを保持する保持部40と、を有し、前記サイド引出電極30bは外側に屈曲もしくは湾曲して、前記ケーブル端子32a、32b間の間隔L2が前記本体端子12a、12b(12a’、12b’)間の間隔L1よりも広いことを特徴とする端子ユニット50を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)中央引出電極30aとサイド引出電極30bとこれらの接続部分を少なくとも覆うカバー部44をさらに有し、
前記カバー部44は、前記中央引出電極30aと前記サイド引出電極30bとの間に絶縁性の仕切板44aを備えたことを特徴とする上記(1)記載の端子ユニット50を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)遮断器10の一次側と二次側の双方に設置可能なことを特徴とする上記(1)記載の端子ユニット50を提供することにより、上記課題を解決する。
(4)外部機器の端子が接続する端子接続部36を中央引出電極30aとサイド引出電極30bのそれぞれが有することを特徴とする上記(1)記載の端子ユニット50を提供することにより、上記課題を解決する。
(5)中央引出電極30aとサイド引出電極30bの温度をそれぞれ示す示温ラベルの貼着スペース38を中央引出電極30aとサイド引出電極30bのそれぞれが有することを特徴とする上記(1)記載の端子ユニット50を提供することにより、上記課題を解決する。
(6)上記(1)乃至上記(5)のいずれかに記載の端子ユニット50を一次側の本体端子12a、12bもしくは二次側の本体端子12a’、12b’の少なくとも一方に備えたことを特徴とする遮断器80を提供することにより、上記課題を解決する。
(7)上記(6)に記載の遮断器80を備えたことを特徴とする電気盤100を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る端子ユニット、遮断器、電気盤は、大径の1次側のケーブルやダブル接続を端子ユニットを介して遮断器と直接接続することができる。このため、端子台と中継ケーブルが不要となり、接続スペースの大幅な減少を図ることができる。また、端子台と中継ケーブル及びこれらの部材の接続作業が不要となるため、部材コストと作業コストの削減、作業時間の短縮、作業者の負荷の軽減とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本発明に係る端子ユニットを示す斜視図である。
【
図5】本発明に係る端子ユニットの中央引出電極とサイド引出電極を示す図である。
【
図6】本発明に係る遮断器の接続状態を示す図である。
【
図7】本発明に係る電気盤の内部を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る端子ユニット50、遮断器80、電気盤100の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここで、
図1(a)は本発明に係る端子ユニット50を一次側から見た図であり、
図1(b)は端子ユニット50の正面図であり、
図1(c)は側面図であり、
図1(d)は背面図であり、
図1(e)は端子ユニット50を遮断器10の接続側(2次側)から見た図である。また、
図2は本発明に係る端子ユニット50の斜視図である。また、
図3(a)は本発明の端子ユニット50を備えた遮断器80を一次側から見た図であり、
図3(b)は正面図であり、
図3(c)は側面図である。また、
図4は端子ユニット50を備えた遮断器80の斜視図である。尚、後述のカバー部44は透明であり、図面中では透過状態で示す。また、
図8と同一の構成に関しては同符号にて表す。
【0011】
先ず、本発明に係る端子ユニット50は、周知の3線用の遮断器10に設置して使用するものであり、設置する遮断器10に関しては3線用であれば特に限定は無いが、主に交流600V以下、最大定格電流250AF~600AFの配線用遮断器、漏電遮断器等に用いることを想定している。そして、このような周知の3線用の遮断器10は、3線に対応した3つの1次側の本体端子12a、12bと、2次側の本体端子12a’、12b’と、復帰レバー11と、異常な電流、電圧を検知して通電経路を遮断する図示しない遮断機構と、を基本構成として有している。尚、本発明に係る端子ユニット50は、基本的に遮断器10の1次側に設置することを想定しているが、2次側の本体端子12a’、12b’にも設置が可能である。
【0012】
そして、本発明に係る端子ユニット50は、遮断器10の中央の本体端子12a(12a’)と接続し先側にケーブル端子32aを備えた中央引出電極30aと、外側の2つの本体端子12b(12b’)とそれぞれ接続し先側にケーブル端子32bを備えたサイド引出電極30bと、これら中央引出電極30aとサイド引出電極30bとを絶縁部材42を介して保持する保持部40とを有している。また、中央引出電極30aとサイド引出電極30bとこれらの接続部分を少なくとも覆うカバー部44を有している。尚、ここでの接続部分とは、中央引出電極30a、サイド引出電極30bと本体端子12a、12b(12a’、12b’)との接続部分、及び中央引出電極30a、サイド引出電極30bとケーブル16(18)との接続部分を指す。
【0013】
次に、中央引出電極30aとサイド引出電極30bとを
図5を用いて詳しく説明する。ここで、
図5は端子ユニット50の中央引出電極30aとサイド引出電極30bの正面図である。
【0014】
先ず、中央引出電極30aは基本的に直線状に形成される。また、2つのサイド引出電極30bは中央引出電極30aに対して屈曲もしくは湾曲して外側(中央引出電極30aから離れる側)に開いた形状を取る。これにより、先側のケーブル端子32a、32b間の間隔L2は、本体端子12a、12b間の間隔と略同等の基側の間隔L1よりも広くなる。尚、ケーブル端子32a、32b間の間隔L2は接続するケーブル16(18)の隣り合う圧着端子が10mm以上離間する、好適には15mm~25mm程度離間するように適切に設計される。また、サイド引出電極30bの形状に関しては特に限定は無いが、略クランク状、もしくは略S字状に屈曲させ、3つのケーブル端子32a、32bが略平行に並ぶように構成することが好ましい。また、ケーブル端子32a、32bの先端は略同位置に揃っていることが好ましい。
【0015】
また、中央引出電極30aとサイド引出電極30bの基側(遮断器10側)には、本体端子12a、12b(12a’、12b’)にネジ止め等で固定するための端子固定孔33が穿孔され、ケーブル端子32a、32b側にはケーブル16(18)の圧着端子をネジ止め等で固定するためのケーブル固定孔32a’、32b’が穿孔されている。また、双方の引出電極30a、30bの中程には、中央引出電極30aとサイド引出電極30bとを保持部40に固定するための固定穴35が穿孔されている。
【0016】
さらに、中央引出電極30aとサイド引出電極30bには、外部機器、例えば電力計、電力量計や電圧計等の測定機器の端子(測定端子)を接続するためのネジ孔やビス、接続端子等の端子接続部36を設けることが好ましい。この構成によれば、従来、本体端子12a、12bにケーブル16等とともに固定していた外部機器の端子を別の箇所に接続することができ、端子の配線の取り回しと付け外しを楽に行うことができる。
【0017】
またさらに、中央引出電極30aとサイド引出電極30bの表面の見やすい位置には示温ラベルの貼着スペース38を設けても良い。尚、示温ラベルとは温度に応じて変色するシール状物であり、被貼着物(ここでは、中央引出電極30aとサイド引出電極30b)の大まかな温度を目視により確認することが可能な簡易的な温度測定具である。そして、貼着スペース38を有する端子ユニット50では、見やすい位置に示温ラベルを貼着できるため点検者が容易に中央引出電極30a、サイド引出電極30bの温度を視認することができる。また、異常な発熱を直ちに認識することができる。
【0018】
また、保持部40は中央引出電極30a、サイド引出電極30bを固定するものであり、中央引出電極30aとサイド引出電極30bとをそれぞれ支持する電極支持部40bと、カバー部44を保持するカバー保持部40cとを有している。また、保持部40は遮断器10を電気盤の筐体等へ取り付けるための本体固定部40aを兼ねていることが好ましい。尚、電極支持部40bの好適な具体例としては、中央引出電極30aとサイド引出電極30bとにそれぞれ対応した3本の柱状部材を本体固定部40aに立設し、この柱状部材と各引出電極30a、30bとの間に絶縁部材42を挟んで固定したものが挙げられる。
【0019】
また、端子ユニット50のカバー部44は、手指の接触による感電や異物の付着等による短絡を阻害するためのものであり、中央引出電極30aとサイド引出電極30bとこれらの接続部分、即ち、本体端子12a、12b(12a’、12b’)と各引出電極30a、30bとの接続部分、及び、ケーブル16(18)と各引出電極30a、30bとの接続部分を少なくとも覆うように設けられる。尚、カバー部44は接続部分の異常の有無や示温ラベルを目視可能なように透明な部材で構成することが好ましい。また、カバー部44は中央引出電極30aと左右のサイド引出電極30bとの間に絶縁性の仕切板44aを設けることが好ましい。この構成では、何らかの原因で中央引出電極30a、サイド引出電極30bに接続したケーブル16(18)が外れた場合でも、隣接する電極や端子への接触を阻害することができる。また、異物の接触による短絡を阻害することができる。
【0020】
次に、端子ユニット50を備えた本発明に係る遮断器80及び、この遮断器80を備えた電気盤100の構成及び接続方法を説明する。尚、ここでの電気盤100とは遮断器10を備えた配電盤や分電盤、制御盤等を意味する。ここで、
図6は端子ユニット50を備えた本発明の遮断器80の接続状態を示す図であり、
図7はこの遮断器80を有する電気盤100の内部を示す略図である。尚、
図6、
図7では一次側にのみ端子ユニット50を設置した遮断器80の例を用いて説明を行うが、本発明に係る遮断器80は回路構成に応じて二次側に端子ユニット50を設置しても良いし、一次側と二次側の双方に端子ユニット50を設置しても良い。
【0021】
先ず、電気盤100に要求される仕様の遮断器10に端子ユニット50を設置する。端子ユニット50の設置は、例えば以下のようにして行う。先ず、カバー部44をカバー保持部40cから取り外す。これにより、中央引出電極30aとサイド引出電極30bとが露出する。次に、遮断器80が示温ラベルを必要とする場合には、貼着スペース38に所定の示温ラベルを貼着する。次に、保持部40を遮断器10にネジ止め等で固定する。これにより、中央引出電極30a、サイド引出電極30bの端子固定孔33が、端子ユニット50の設置側(ここでは一次側)の本体端子12a、12bの端子固定孔の近傍に位置する。
【0022】
次に、各引出電極30a、30bの端子固定孔33と本体端子12a、12bの端子固定孔とにビスやボルト等を通し、ナット等によるネジ止めにより固定する。これにより、中央の本体端子12aと中央引出電極30aとが接続し導通する。また、外側の2つの本体端子12bとサイド引出電極30bとがそれぞれ接続し導通する。これにより、遮断器10に端子ユニット50が設置され本発明に係る遮断器80となる。
【0023】
次に、遮断器80を本体固定部40aを介して電気盤100の筐体1内に固定する。ここで、電気盤100の筐体1の1面は開口し、図示しない扉が開閉可能に設置される。また、筐体1内には保護継電器や計測器、その他、必要とされる周知の電気機器7が設置される。次に、遮断器80の2次側の本体端子12a’、12b’と所定の電気機器7とを2次側のケーブル18を用いて接続する。さらに、遮断器80に対する外部機器(測定機器7a)が存在する場合には、測定機器7aの測定端子7a’を端子接続部36に接続する。そして、カバー部44をカバー保持部40cに取り付ける。これにより、端子ユニット50を備えた遮断器80を有する本発明に係る電気盤100が完成する。
【0024】
次に、電気盤100が配電盤の場合、筐体1には1次側のケーブル16として商用電源等の外線ケーブルが引き込まれる。次に、引き込んだ1次側の3本のケーブル16に接続孔を備えた圧着端子をそれぞれ固着する。次に、カバー部44を取り外し、3本のケーブル16をそれぞれ対応する中央引出電極30a、サイド引出電極30bに接続する。このときの接続は、ケーブル16の圧着端子の接続孔と、対応する中央引出電極30a、サイド引出電極30bのケーブル固定孔32a’、32b’とを合わせて、ボルトやビス等を通し、ナット等によるネジ止めにより行うことが好ましい。
【0025】
このとき、サイド引出電極30bは中央引出電極30aから離れるように外側に開いているため、中央引出電極30aのケーブル端子32aとサイド引出電極30bのケーブル端子32bとの間隔L2は十分に開いており、ケーブル16が大径の場合でも問題無く接続することができる。また、ダブル接続の場合には、中央引出電極30a及びサイド引出電極30bの表と裏にケーブル16をそれぞれ接続することができる。
【0026】
次に、カバー部44をカバー保持部40cに取り付ける。これにより、本発明に係る電気盤100と1次側のケーブル16とが接続し、電気盤100の動作が可能となる。そして、電気盤100を介して電気機器7に電力が供給されている際に、遮断器80が例えば異常な電圧や電流を検知した場合、遮断器80は瞬時に通電を遮断して接続機器(電気機器7)や電気系統の保護を行う。
【0027】
以上のように、本発明に係る端子ユニット50は、中央引出電極30aとこの中央引出電極30aの外側に位置するサイド引出電極30bとを有し、このうち2つのサイド引出電極30bは中央引出電極30aに対して屈曲もしくは湾曲して外側(中央引出電極30aから離れる側)に開いた形状を取る。そして、本体端子12a、12b(12a’、12b’)とケーブル16(18)とは、これら中央引出電極30aとサイド引出電極30bとを介して接続する。このため、本発明に係る端子ユニット50、遮断器80、電気盤100は、ケーブル16(18)の取付スペースが広く、大径のケーブル16(18)やダブル接続を(中央引出電極30a、サイド引出電極30bを介して)遮断器10と直接接続することができる。
【0028】
これにより、本発明に係る端子ユニット50、遮断器80、電気盤100は、従来必要であった端子台14と中継ケーブル17とが不要となり、接続スペースの大幅な減少を図ることができる。また、電気盤100の小型化も可能となる。さらに、端子台14と中継ケーブル17、及びこれらの部材の接続作業が不要となるため、部材コストと作業コストの削減、作業時間の短縮、作業者の負荷の軽減とを図ることができる。
【0029】
さらに、端子接続部36を有する構成では、外部機器(測定機器7a)の端子(測定端子7a’)が個別に接続するため、単独での付け外しが可能となり、外部機器の接続及び取り扱いを容易に行うことができる。
【0030】
尚、本例で示した端子ユニット50、遮断器80、電気盤100の各部の構成、形状、寸法、数、配線経路等は一例であり、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
10、80 遮断器
12a、12b、12a’、12b’ 本体端子
32a、32b ケーブル端子
30a 中央引出電極
30b サイド引出電極
36 端子接続部
38 貼着スペース
40 保持部
44 カバー部
44a 仕切板
50 端子ユニット
100 電気盤