(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101109
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】SNS管理装置、SNS管理方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240722BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004843
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】520381827
【氏名又は名称】TieUps株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】小原 史啓
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】利用企業が、SNSの活性化において重要なユーザを抽出し、複数のユーザに効率良くアクセスすることができる。
【解決手段】SNSにおけるユーザの活動状況を分析し、活動状況が所定の条件を満たす複数のユーザを抽出する分析部14と、分析部により抽出される複数のユーザに対して行うアクションを受け付けるアクション受付部15と、アクションを、複数のユーザに対して一斉に実行するアクション制御部16と、を備える、SNS管理装置1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNSにおけるユーザの活動状況を分析し、前記活動状況が所定の条件を満たす複数の前記ユーザを抽出する分析部と、
前記分析部により抽出される複数の前記ユーザに対して行うアクションを受け付けるアクション受付部と、
前記アクションを、複数の前記ユーザに対して一斉に実行するアクション制御部と、
を備える、
SNS管理装置。
【請求項2】
前記SNSとは異なる第2SNSにおけるユーザの活動状況を取得する活動状況取得部をさらに備え、
前記分析部は、前記活動状況取得部により取得される前記活動状況に基づいて、所定の条件を満たす複数の第2ユーザを抽出するものであり、
前記アクション制御部は、前記第2ユーザに対して、前記SNSに招待する招待メッセージを送信する、
請求項1記載のSNS管理装置。
【請求項3】
前記アクション制御部は、前記ユーザに対して、メッセージの送信、所定の有価価値の付与、所定のイベントへの参加権の付与、および前記SNS上における所定の表示態様の付与のうち少なくともいずれかを前記アクションとして実行する、
請求項1記載のSNS管理装置。
【請求項4】
SNSにおいてユーザが属するコミュニティを管理するコミュニティ管理部をさらに備え、
前記分析部は、前記コミュニティごとに前記活動状況を分析する、
請求項1記載のSNS管理装置。
【請求項5】
SNSを管理するSNS管理方法であって、
前記SNSにおけるユーザの活動状況を分析し、前記活動状況が所定の条件を満たす複数の前記ユーザを抽出する分析処理と、
前記分析処理により抽出される複数の前記ユーザに対して行うアクションを受け付けるアクション受付処理と、
前記アクションを、複数の前記ユーザに対して一斉に実行するアクション制御処理と、
を実行する、
SNS管理方法。
【請求項6】
SNSを管理するコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
SNSにおけるユーザの活動状況を分析し、前記活動状況が所定の条件を満たす複数の前記ユーザを抽出する分析処理と、
前記分析処理により抽出される複数の前記ユーザに対して行うアクションを受け付けるアクション受付処理と、
前記アクションを、複数の前記ユーザに対して一斉に実行するアクション制御処理と、
を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SNS(Social-Networking Service)の利用企業が、複数のユーザに効率良くアクセスする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SNSには多くのユーザが参加し、SNS内において種々の情報発信が行われている。また、SNSは、商材をPRすることを目的とする企業により利用される。このような利用企業は、例えばSNS内で発信を行ったり、特定のユーザにメッセージ送信等のアクションをおこなったりすることで、商材をPRする。そこで、利用企業が条件に合致するユーザに対し効率よくアクションを行うことができる技術が必要とされている。特に、SNS内でのユーザの行動を分析し、SNSの活性化において重要なユーザを特定して働きかけることで、コミュニティをより活性化させ、商材のPRをより効果的なものにすることができる。
【0003】
特許文献1には、URLに向けたページ要求を受信した際に、当該URLで識別された宛先ユーザに基づくアドレスを宛先アドレスとして、所定のメッセージを送信する、サーバのメッセージ通知方法が開示されている。特許文献2には、所定の要件を満たすコンテンツがユーザによってSNSに投稿されたことを検知すると、メッセージを送信するとともに、メッセージが通知された際に行われるべき応答操作が、投稿ユーザのユーザ端末にて正しく行われた場合に報酬を付与するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-163631号公報
【特許文献2】特開2021-182227号公報
【0005】
上述の特許文献は、いずれもユーザの所定動作に基づいてメッセージを送信するものである。すなわち、いずれの文献においても、ユーザの行動に基づいて当該ユーザ1人にメッセージを送信するシステムに過ぎず、コミュニティにおけるインフルエンサーを特定するものではなかった。また、上述の特許文献は、メッセージや報酬の送信の契機はユーザの所定動作であり、利用企業の所望のタイミングでユーザに働きかけるものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、利用企業が、SNSの活性化において重要なユーザを抽出し、複数のユーザに効率良くアクセスすることができるSNS管理装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係るSNS管理装置は、SNSにおけるユーザの活動状況を分析し、前記活動状況が所定の条件を満たす複数の前記ユーザを抽出する分析部と、前記分析部により抽出される複数の前記ユーザに対して行うアクションを受け付けるアクション受付部と、前記アクションを、複数の前記ユーザに対して一斉に実行するアクション制御部と、を備える。
【0008】
前記SNSとは異なる第2SNSにおけるユーザの活動状況を取得する活動状況取得部をさらに備え、前記分析部は、前記活動状況取得部により取得される前記活動状況に基づいて、所定の条件を満たす複数の第2ユーザを抽出するものであり、前記アクション制御部は、前記第2ユーザに対して、前記SNSに招待する招待メッセージを送信するものとしてもよい。
【0009】
前記アクション制御部は、前記ユーザに対して、メッセージの送信、所定の有価価値の付与、所定のイベントへの参加権の付与、および前記SNS上における所定の表示態様の付与のうち少なくともいずれかを前記アクションとして実行するものとしてもよい。
【0010】
SNSにおいてユーザが属するコミュニティを管理するコミュニティ管理部をさらに備え、前記分析部は、前記コミュニティごとに前記活動状況を分析するものとしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係るSNS管理方法は、SNSを管理するSNS管理方法であって、前記SNSにおけるユーザの活動状況を分析し、前記活動状況が所定の条件を満たす複数の前記ユーザを抽出する分析処理と、前記分析処理により抽出される複数の前記ユーザに対して行うアクションを受け付けるアクション受付処理と、前記アクションを、複数の前記ユーザに対して一斉に実行するアクション制御処理と、を実行する。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係るコンピュータプログラムは、SNSを管理するコンピュータプログラムであって、コンピュータに、SNSにおけるユーザの活動状況を分析し、前記活動状況が所定の条件を満たす複数の前記ユーザを抽出する分析処理と、前記分析部により抽出される複数の前記ユーザに対して行うアクションを受け付けるアクション受付処理と、前記アクションを、複数の前記ユーザに対して一斉に実行するアクション制御処理と、を実行させる。
【0013】
なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、コンピュータ読み取り可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用企業が、SNSの活性化において重要なユーザを抽出し、複数のユーザに効率良くアクセスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係るSNS管理装置の実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図2】上記SNS管理装置の処理の流れの第1例を示すフローチャートである。
【
図3】上記SNS管理装置の処理の流れの第2例を示すフローチャートである。ーブル、である。
【
図4】上記SNS管理装置により企業端末に表示される画面の第1例を示す図である。
【
図5】上記SNS管理装置により上記企業端末に表示される画面の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る一の実施形態について、
図1を参照して説明する。
図1に示されている、SNS管理装置1は、SNSを管理する装置である(以降、SNS管理装置1が管理するSNSを「管理SNS」ともいう)。このSNSにおいては、複数のユーザがSNSにアカウントを登録した上で、アカウントにログインすることでそれぞれのユーザ端末を介し閲覧および投稿を行う。管理SNSに参加している個々のユーザは、管理SNS内でコンテンツを発信し、当該管理SNSに参加している他のユーザがこのコンテンツを閲覧できるようになっている。
【0017】
SNS管理装置1は特に、管理SNSにおいて活動するユーザに対し、利用企業がアクションを行うための装置である。利用企業は、SNS管理装置1の管理者とは別であってよく、SNSの参加ユーザに対してアクションを行うことにより、当該SNSを情報発信および販売促進のツールとして利用する。
【0018】
また、利用企業は、SNS内にコミュニティを作成および管理し、複数のユーザを参加させて投稿を行わせることができる。利用企業は、例えば自身の商材に関する管理コミュニティを作成することで、当該管理コミュニティ内においてユーザに商材に関する内容の投稿を促す。また、利用企業は、管理コミュニティにおけるユーザの活動状況を分析し、管理コミュニティ内の特定のユーザにインセンティブを付与することで、ユーザの活動を奨励していることを示す。
【0019】
SNS管理装置1は、ネットワークNWを介して複数の企業端末20およびユーザ端末30に接続されている。企業端末20は、SNS管理装置1から受信される情報を表示する表示部21、およびユーザからの入力を受け付ける入力部22を備える。また、ユーザ端末30は、SNS管理装置1から受信される情報を表示する表示部31、およびユーザからの入力を受け付ける入力部32を備える。表示部21、31は例えばディスプレイにより構成され、入力部22、32は例えばタッチパネル又はキーボード等により構成される。ユーザ端末は、パーソナルコンピュータであってもよいし、タブレット端末又はスマートホン等の携帯端末であってもよい。
【0020】
なお、説明の便宜上、コミュニティを管理し、ユーザに対しインセンティブを付与する立場を有する企業側の担当者が使用する端末を企業端末20、インセンティブを付与される立場の消費者が使用する端末をユーザ端末30として説明するが、企業端末20およびユーザ端末30はハードウェア的に同等の構成であってよい。
【0021】
なお、同図においては、企業端末20およびユーザ端末30は各1個のみ記載されているが、複数の企業端末20およびユーザ端末30が接続され、当該SNSに参加できるようになっている。
【0022】
本実施形態では、前提として、SNS管理装置1を具備するクライアント端末が複数存在してもよい。また、SNS管理装置1を具備するユーザ端末が複数存在してもよい。さらに、SNS管理装置1を具備するサーバが複数存在してもよい。また、ネットワークにより接続された複数の構成により、SNS管理装置1の機能がシステムとして実現されていてもよい。SNS管理装置1の機能の一部又は全部がクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0023】
●機能構成
SNS管理装置1は、メモリなどの記憶媒体、プロセッサ、通信モジュール、及び入力/出力インターフェース等で構成され、プロセッサが記憶媒体に記録されたコンピュータプログラムを実行することで、
図1に示した機能ブロックを実現するようになっている。記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、ディスクドライブ、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ(flash memory)のような記憶装置等を含んでよい。ここで、ROMやディスクドライブ、SSD、フラッシュメモリのような非一時的記憶装置は、メモリとは区分される別の格納装置としてSNS管理装置1に含まれてもよい。
【0024】
SNS管理装置1は、上記したハードウェア構成により、主として、表示制御部11、コミュニティ管理部12、投稿管理部13、分析部14、活動状況取得部15、アクション受付部16、アクション制御部17、記憶部18および通信処理部19を具備する。
【0025】
表示制御部11は、ユーザ端末30を介してユーザから発信されるコンテンツを、当該SNSに属する閲覧者のユーザ端末30に表示する機能部である。また、表示制御部11は、企業端末20に、ユーザから発信されるコンテンツや、後に詳述する分析部14により分析されるユーザの情報を表示する。
【0026】
コミュニティ管理部12は、SNS内において、ユーザが選択的に属するコミュニティを管理する機能部である。コミュニティは、特定の趣味や思想ごとに複数構成され、ユーザは、自身の趣味や思想に近いコミュニティを選択して加入できるようになっている。各ユーザは、複数のコミュニティに参加可能である。コミュニティには加入を希望したユーザ全員が加入可能であってもよいし、権限を有するユーザが加入希望のユーザごとに参加可否を決定してもよい。コミュニティ管理部12は、各コミュニティに加入しているユーザの識別情報を記憶部18に格納する。
【0027】
ユーザは、少なくとも1個のコミュニティに必ず所属する。SNS管理装置1において新規にユーザ登録を行うと、アカウントの作成処理において、アカウント作成時点で所属するコミュニティの選択画面が表示される。このコミュニティの選択画面は、SNS内のコンテンツの表示画面より先に表示される。この構成により、ユーザは、既存の投稿内容に影響を受けることなく、コミュニティの名称やロゴアイコン等、コミュニティの管理者が設定した情報に基づいて所属するコミュニティを決定することができる。
【0028】
コミュニティ管理部12は、各コミュニティについて、利用企業による管理コミュニティであるか、個人による管理コミュニティであるかの別を記憶部18に格納する。利用企業は、自身の管理コミュニティに属するユーザの活動状況を分析し、種々のアクションを実行することが許可されている。また、コミュニティ管理部12は、利用企業の管理コミュニティに属さないユーザに対して、当該利用企業によるアクションの実行を禁止してもよい。
【0029】
投稿管理部13は、ユーザによるコンテンツの投稿を管理する機能部である。投稿管理部13により入力されたコンテンツの投稿を受け付ける。コンテンツは、テキストデータの他、画像データであってもよい。画像データは、静止画および動画を含んでよい。また、コンテンツは、複数の画像データであってもよい。投稿管理部13を介して投稿されたコンテンツは、SNS内のコミュニティにアクセスすることにより、当該コミュニティのメンバーであるユーザ、およびコミュニティの管理者である利用企業により閲覧可能である。また、各コンテンツには、他のユーザ又は利用企業から、アイコンによるリアクションを付与したり、テキスト又は画像等による返信を関連付けて投稿したりすることができる。
【0030】
分析部14は、SNSにおけるユーザの活動状況を分析する機能部である。活動状況は、ユーザがSNSにおける活動量の指標である。活動状況は、例えば、SNSにおけるコンテンツの投稿数、他のコンテンツに対するコメント数、他のコンテンツに対するコメント率、リアクション送信数およびリアクション率等の指標のうち1又は複数の指標を組み合わせたものである。また、活動状況は、SNSへの在籍期間や、最終ログイン日時であってもよい。分析部14は、活動状況の推移を算出し、表示制御部11を介して企業端末20に表示させてもよい。
【0031】
分析部14は、コミュニティ管理部12により管理されるコミュニティごとにユーザの活動状況を分析してもよい。すなわち、分析部14は、1のコミュニティにおけるユーザのコンテンツの投稿数やコメント数等を分析する。また、分析部14は、当該コミュニティへの参加日数を参照してもよい。分析部14は、企業端末20から抽出命令を受信した場合に、当該企業端末20が属する利用企業の管理コミュニティに所属するユーザの活動状況のみを分析するものとしてもよい。このような構成によれば、利用企業がアクションを講じることができるユーザの活動状況のみを分析することで、分析処理負担を軽減することができる。
【0032】
分析部14は、活動状況が所定の条件を満たす複数のユーザを抽出する。分析部14により抽出されるユーザは、例えば所謂インフルエンサーのような地位を有する、SNS内において影響力を有するユーザである。このようなユーザは、管理コミュニティにおけるコンテンツの投稿数が比較的多く、リアクション数も多い傾向にある。管理コミュニティにおける活動状況を抽出する構成によれば、当該コミュニティ以外での活動量が比較的小さいユーザであっても、管理コミュニティにおいて影響力を有するユーザを適切に抽出できる。
【0033】
分析部14は、活動状況としてユーザの投稿内容を参照し、投稿内容に基づいてユーザを抽出してもよい。例えば、分析部14は、ポジティブな単語を使用しているコンテンツの投稿数又は投稿率が所定以上のユーザを抽出してもよいし、ネガティブな単語を使用しているコンテンツの投稿数又は投稿率が所定未満のユーザを抽出してもよい。また、分析部14は、画像付きの投稿数又は投稿率を活動状況として参照してもよい。さらに、分析部14は、適宜の画像認識技術により、特定の商材等が含まれている画像の投稿数又は投稿率が所定以上であるユーザを抽出してもよい。このような構成によれば、利用企業に対して好意的なユーザを抽出できる。ひいては、このようなユーザに働きかけ、特典を付与するといったアクションによりインセンティブを与えることで、管理コミュニティにおける投稿内容をポジティブな方向に誘導できる。また、特典の付与が他のユーザからも視認できる態様で行われる構成であれば、他のユーザの投稿を活性化し、管理コミュニティにおける投稿内容を一層ポジティブな方向に誘導できる。
【0034】
なお、分析部14は、活動状況に代えて又は加えて、ユーザの性別や年齢等、ユーザ自身の属性に基づいてユーザを抽出可能であってもよい。
【0035】
分析部14は、コミュニティの活動状況を分析してもよい。コミュニティの活動状況は、例えばコミュニティに投稿されたコンテンツの数、コメント数、リアクション数等の指標に基づいて分析される。コミュニティの活動状況は、コミュニティが活性化していることを示す指標である。コミュニティが活性化している状態は、ユーザは商材についてより多く考えたり発信したりしている状態であるので、利用企業にとって販売促進が効果的になされている状態であるといえる。コミュニティの活動状況を分析する構成によれば、コミュニティが活性化しているか否かを利用企業に客観的に知らせることができる。
【0036】
また、分析部14は、活動状況取得部15により取得される、SNS管理装置1が管理する管理SNSとは異なる第2SNSでの活動状況を分析してもよい。分析部14は、第2SNSでの活動状況に基づいて、所定の条件を満たすユーザを抽出してもよい。
【0037】
活動状況取得部15は、SNS管理装置1が管理する管理SNSとは異なる第2SNSにおけるユーザ(以下、「第2ユーザ」ともいう。)の活動状況を取得する機能部である。活動状況取得部15は、例えば第2SNSの管理企業から提供されているAPI(Application Programming Interface)を利用して、第2SNS内におけるユーザの活動状況を取得する。このような構成によれば、管理SNS以外で活動している精力的なユーザを管理コミュニティに誘致することができ、管理コミュニティを活性化することができる。
【0038】
アクション受付部16は、分析部14により抽出される複数のユーザに対して行うアクションを企業端末20から受け付ける機能部である。アクションは、例えばユーザに対してインセンティブを付与する処理である。アクションは、例えば、ユーザに対して行う、メッセージの送信、所定の有価価値の付与、所定のイベントへの参加権の付与、および管理SNS上における所定の表示態様の付与等である。所定の有価価値は、例えば管理SNS内で使用できるポイントや、利用企業の商材の利用又は購入に利用可能なクーポン券や割引券等であってよい。また、所定のイベントは、利用企業の担当者や有名人が参加するオンライン又はオフラインのミーティングであってよい。管理SNS上における表示態様の付与とは、利用企業が当該ユーザの活動内容を奨励していることを表すようなアイコンがユーザのプロフィール欄などに表示されることであってよい。利用企業の指令に応じてユーザにインセンティブを与える構成によれば、管理コミュニティ内のユーザの活動を操作することができるため、管理コミュニティの活動内容を利用企業の意図に沿うものに誘導できる。
【0039】
アクション制御部17は、アクション受付部16で受け付けたアクションを、複数のユーザに対して一斉に実行する機能部である。従来、利用企業はユーザに対して1人ずつアクションを講じていたところ、このような構成によれば、SNSにおける活動状況が所定条件を満たす複数のユーザに働きかけることができ利便性が高い。ひいては、利用企業は、効率よく管理コミュニティを活性化することができる。
【0040】
なお、上述の説明においては、利用企業からのアクションは、奨励される活動を行うユーザに対するインセンティブを与えるものとして説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限られない。例えば、アクションは、活動量が基準に満たないユーザに対して、コンテンツの投稿やリアクション、コメントの送信等を促すものであってもよい。この場合、分析部14は、活動量が基準に満たないユーザを抽出する。
【0041】
また、アクション制御部17は、活動状況取得部15を介して第2SNSにおけるユーザの活動状況を取得し、第2SNSのユーザを抽出した場合には、当該第2ユーザに対して、管理SNSに招待する招待メッセージを送信する。また、アクション制御部17は、管理SNSのうち、特定のコミュニティに招待する招待メッセージを送信してもよい。特定のコミュニティは、抽出指令を送信した利用企業により管理される管理コミュニティであってよい。このような構成によれば、他のSNSにおいて影響力を有するユーザを管理コミュニティに誘致することで、管理コミュニティを一層活性化することができる。
【0042】
記憶部18は、SNSの管理に関する情報を記憶するデータベースである。
【0043】
通信処理部19は、ネットワークNWを通じて企業端末20およびユーザ端末30と情報を送受信する機能部であり、例えば企業端末20およびユーザ端末30からログイン情報やコンテンツの入力を受け付ける。また、通信処理部19は、企業端末20およびユーザ端末30に、SNS内のページおよびユーザから発信されるコンテンツを送信する。
【0044】
●処理の流れ
図2を用いて、本実施形態に係るSNS管理装置1において、利用企業の指令に応じてSNS管理装置1がユーザにアクションを実行する一連の処理の流れを説明する。
本処理開始前に、SNS管理装置1は、ユーザのSNS情報を登録する。より具体的には、SNS管理装置1は、SNSの適宜のユーザ登録ページ上で、ユーザにユーザIDとパスワードを入力させて当該ユーザIDとパスワードに紐づくSNSアカウントを登録させる。
【0045】
企業端末20は、ユーザの抽出指令および抽出条件をSNS管理装置1に送信し(ステップS11)、SNS管理装置1は、これを受け付ける(ステップS12)。また、SNS管理装置1は、分析部14により、管理するSNSにおける各ユーザの活動状況を分析する(ステップS13)。そして、分析部14は、活動状況が所定の条件を満たすユーザを複数抽出する(ステップS14)。抽出されたユーザは、企業端末20に送信される。
【0046】
企業端末20は、抽出されたユーザに対するアクション内容を送信する(ステップS15)。SNS管理装置1はこれを受け付け(ステップS16)、抽出された複数のユーザに対し、アクションを一斉に実行する(ステップS17)。
【0047】
次いで、
図3を用いて、他のSNSにおけるユーザの活動状況を分析する処理の流れについて説明する。なお、
図2で示した処理と同様の処理については、同じ符号を付した。
まず、企業端末20は、ユーザの抽出指令および抽出条件をSNS管理装置1に送信し(ステップS11)、SNS管理装置1は、これを受け付ける(ステップS12)。また、SNS管理装置1は、活動状況取得部15により、SNS管理装置1が管理するSNSとは異なる第2SNSを管理する第2SNSサーバ50にアクセスし、第2SNSにおけるユーザの活動状況を取得する(ステップS23)。次いで、分析部14により、第2SNSにおけるユーザの活動状況を分析する(ステップS24)。次いで、分析部14により、活動状況が所定の条件を満たすユーザを抽出し、当該ユーザに関する情報を企業端末20に送信する(ステップS25)。
【0048】
企業端末20は、抽出されたユーザに対するアクション内容を送信し(ステップS26)、SNS管理装置1はこれを受け付ける(ステップS27)。次いで、アクション制御部17により、第2SNSサーバ50に対して、抽出された複数のユーザに対するアクションを送信する(ステップS28)。このとき、アクション制御部17は、適宜のAPIを介して第2SNSサーバ50に処理命令を送信してよい。次いで、第2SNSサーバ50は、ユーザ端末30に対し、アクション制御部17から送信されたアクションを実行する。
【0049】
●画面例
ここで、企業端末20における画面遷移の例を、
図4~
図5を用いて説明する。なお、説明において、画面上のボタンやアイコンを選択する操作は、タップ又はクリック等、端末の機能に応じて採用されるユーザの種々の操作を示している。
【0050】
図4は、所定の条件を満たすユーザを抽出する抽出画面G1である。抽出画面G1には、フィルタ項目選択領域G11、抽出条件選択領域G12、および抽出されたユーザを表示する抽出結果表示領域G13等が表示されている。
【0051】
フィルタ項目選択領域G11は、検索対象を選択する領域であり、例えば管理コミュニティ内の全てのユーザを検索対象とするか、管理コミュニティ内においてあらかじめ選択されているユーザ、すなわち所定のセグメントを検索対象とするかの選択を受け付ける領域である。
【0052】
抽出条件選択領域G12は、抽出条件の入力を受け付ける領域である。同図の例においては、抽出条件は、例えば管理SNSのメンバーである期間の範囲、性別、年代、コミュニティに投稿したコンテンツ数を示すポスト数の範囲、他コンテンツに対するリアクション数、リアクション率、コメント数、コメント率、管理コミュニティの参加日数、および管理SNSへの最終ログイン日時を抽出条件として選択できる。
【0053】
抽出結果表示領域G13は、抽出条件に応じて抽出されるユーザの情報を表示する領域である。ここでは、ユーザA~Fが、管理SNSのメンバーである期間又はリアクション数に応じた順序で並び替えて表示できるようになっている。ここで表示されたユーザ、又は企業端末20を介してチェックをつけられたユーザは、所定のグループとして記憶部18に格納される。アクション制御部17は、このグループに対して、一斉にアクションを講じることができる。
【0054】
図5は、企業端末20から、抽出された複数のユーザを含むグループに対するアクションを入力するアクション入力画面G2の例である。同図においては、複数のユーザに対して一斉にメッセージを送信する画面の様子を示している。アクション入力画面G2は、例えば、配信先グループ選択領域G21、メッセージ入力領域G22、画像又は動画を添付する添付領域G23、および配信ボタンG24が表示されている。配信ボタンG24を選択することで、メッセージ入力領域G22に入力されたテキストデータ、および添付領域G23において選択された画像又は動画が、グループに属する複数のユーザに対して一斉に送信される。
【0055】
●本実施形態の効果
本実施形態によれば、利用企業が、SNSの活性化において重要なユーザを効率よく抽出し、複数のユーザに効率良くアクセスすることができる。ひいては、利用企業は、管理コミュニティを活性化させ、効果的に販売促進活動を行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 SNS管理装置
11 表示制御部
12 コミュニティ管理部
13 投稿管理部
14 分析部
15 活動状況取得部
16 アクション受付部
17 アクション制御部
18 記憶部
19 通信処理部
20 企業端末
30 ユーザ端末