(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101153
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】携帯通信端末、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
H04M1/00 R
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004933
(22)【出願日】2023-01-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 知
(72)【発明者】
【氏名】長井 裕策
(72)【発明者】
【氏名】那須 涼介
(72)【発明者】
【氏名】中山 裕将
(72)【発明者】
【氏名】坂内 大樹
(72)【発明者】
【氏名】松澤 瑛美
(72)【発明者】
【氏名】牧野 未来
(72)【発明者】
【氏名】寺島 三和
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127AA31
5K127BA03
5K127BB05
5K127BB20
5K127BB33
5K127DA14
5K127GD14
5K127JA14
5K127JA32
5K127KA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】携帯通信端末、プログラム、及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】通信システム10において、携帯通信端末100は、非接触無線通信によってICカードに対して情報を読み書きする読書装置から発せられる電磁波を検知する検知部と、検知部が電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、携帯通信端末の非接触無線通信圏内のICカードから、ICカードに記憶されているカード情報を読み取る読取部と、読取部が読み取ったカード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する情報送信部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯通信端末であって、
非接触無線通信によってICカードに対して情報を読み書きする読書装置から発せられる電磁波を検知する検知部と、
前記検知部が前記電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、前記携帯通信端末の非接触無線通信圏内の前記ICカードから、前記ICカードに記憶されているカード情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った前記カード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する情報送信部と
を備える携帯通信端末。
【請求項2】
前記読取部は、前記検知部が前記電磁波を検知してから前記予め定められた時間が経過する前に前記検知部が改めて前記電磁波を検知した場合、前記検知部が前記電磁波を改めて検知してから前記予め定められた時間が経過したことに応じて、前記ICカードから前記カード情報を読み取る、請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記検知部が前記電磁波を検知してから前記予め定められた時間が経過したことに応じて前記読取部が前記カード情報を読み取り、前記情報送信部が前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信する前に、前記検知部が改めて前記電磁波を検知した場合、前記情報送信部は、当該通知情報の送信を行わない、請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記情報送信部は、前記カード情報の種類に応じて、前記カード情報を通知する前記通知情報の送信と、前記カード情報に加えて前記携帯通信端末の位置情報を通知する前記通知情報の送信とを切り換える、請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記情報送信部は、前記カード情報に位置を特定する情報が含まれる場合、前記カード情報を通知する前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、前記カード情報に位置を特定する情報が含まれない場合、前記カード情報に加えて前記携帯通信端末の前記位置情報を通知する前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信する、請求項4に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記情報送信部は、前記カード情報が駅の改札を利用した情報を含む場合、前記カード情報を通知する前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、前記カード情報が駅の改札を利用した情報を含まない場合、前記カード情報に加えて前記携帯通信端末の位置及び測位レベルを含む前記位置情報を通知する前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信する、請求項5に記載の携帯通信端末。
【請求項7】
前記情報送信部は、前記読取部が読み取った前記カード情報を解析サーバに送信し、前記解析サーバから受信した前記カード情報の解析結果を含む前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信する、請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項8】
前記情報送信部は、前記解析結果に基づいて、前記ICカードの使用履歴に変動があったと判定した場合、変動の内容を含む前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、前記ICカードの使用履歴に変動がないと判定した場合、前記ICカードが前記読書装置と通信したことを示す通知内容を含む前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信する、請求項7に記載の携帯通信端末。
【請求項9】
前記携帯通信端末が移動状態であるか静止状態であるかを判定する判定部を更に備え、
前記情報送信部は、前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信するタイミングで、前記携帯通信端末が移動状態である場合、前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、静止状態である場合、前記通知情報の送信を行わない、請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項10】
前記情報送信部は、前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信するタイミングで、前記携帯通信端末が移動状態である場合と、静止状態ではあるが、移動状態から当該静止状態に遷移してから予め定められた時間が経過する前である場合、前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、静止状態であり、かつ、移動状態から当該静止状態に遷移してから予め定められた時間が経過した後である場合、前記通知情報の送信を行わない、請求項9に記載の携帯通信端末。
【請求項11】
携帯通信端末を、
非接触無線通信によってICカードに対して情報を読み書きする読書装置から発せられる電磁波を検知する検知部、
前記検知部が前記電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、前記携帯通信端末の非接触無線通信圏内の前記ICカードから、前記ICカードに記憶されているカード情報を読み取る読取部、及び
前記読取部が読み取った前記カード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する情報送信部
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
携帯通信端末によって実行される情報処理方法であって、
非接触無線通信によってICカードに対して情報を読み書きする読書装置から発せられる電磁波を検知する検知段階と、
前記検知段階において前記電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、前記携帯通信端末の非接触無線通信圏内の前記ICカードから、前記ICカードに記憶されているカード情報を読み取る読取段階と、
前記読取段階において読み取った前記カード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する情報送信段階と
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、支払い時に明示な操作をしなくても、IC(Integrated Circuit)カードに記憶された購買履歴データをユーザに提示する技術について記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2017-54513号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、携帯通信端末が提供される。前記携帯通信端末は、非接触無線通信によってICカードに対して情報を読み書きする読書装置から発せられる電磁波を検知する検知部を備えてよい。前記携帯通信端末は、前記検知部が前記電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、前記携帯通信端末の非接触無線通信圏内のICカードから、前記ICカードに記憶されているカード情報を読み取る読取部を備えてよい。前記携帯通信端末は、前記読取部が読み取った前記カード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する情報送信部を備えてよい。
【0004】
前記携帯通信端末において、前記読取部は、前記検知部が前記電磁波を検知してから前記予め定められた時間が経過する前に前記検知部が改めて前記電磁波を検知した場合、前記検知部が前記電磁波を改めて検知してから前記予め定められた時間が経過したことに応じて、前記ICカードから前記カード情報を読み取ってよい。
【0005】
前記いずれかの携帯通信端末において、前記検知部が前記電磁波を検知してから前記予め定められた時間が経過したことに応じて前記読取部が前記カード情報を読み取り、前記情報送信部が前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信する前に、前記検知部が改めて前記電磁波を検知した場合、前記情報送信部による前記通知情報の送信を停止させてよい。
【0006】
前記いずれかの携帯通信端末において、前記情報送信部は、前記カード情報の種類に応じて、前記カード情報を通知する前記通知情報の送信と、前記カード情報に加えて前記携帯通信端末の位置情報を通知する前記通知情報の送信とを切り換えてよい。前記情報送信部は、前記カード情報に位置を特定する情報が含まれる場合、前記カード情報を通知する前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、前記カード情報に位置を特定する情報が含まれない場合、前記カード情報に加えて前記携帯通信端末の位置情報を通知する前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信してよい。前記情報送信部は、前記カード情報が駅の改札を利用した情報を含む場合、前記カード情報を通知する前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、前記カード情報が駅の改札を利用した情報を含まない場合、前記カード情報に加えて前記携帯通信端末の位置及び測位レベルを含む前記位置情報を通知する前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信してよい。
【0007】
前記いずれかの携帯通信端末において、前記情報送信部は、前記読取部が読み取った前記カード情報をサーバに送信し、前記サーバから受信した前記カード情報の解析結果を含む前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信するよう制御してよい。前記情報送信部は、前記解析結果に基づいて、前記ICカードの使用履歴に変動があったと判定した場合、変動の内容を含む前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、前記ICカードの使用履歴に変動がないと判定した場合、前記ICカードが前記読書装置と通信したことを示す通知内容を含む前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信してよい。
【0008】
前記いずれかの携帯通信端末は、前記携帯通信端末が移動状態であるか静止状態であるかを判定する判定部を更に備えてよく、前記情報送信部は、前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信するタイミングで、前記携帯通信端末が移動状態である場合、前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、静止状態である場合、前記通知情報の送信を行わなくてよい。前記情報送信部は、前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信するタイミングで、前記携帯通信端末が移動状態である場合と、静止状態ではあるが、移動状態から当該静止状態に遷移してから予め定められた時間が経過する前である場合、前記通知情報を前記予め設定された宛先に送信し、静止状態であり、かつ、移動状態から当該静止状態に遷移してから予め定められた時間が経過した後である場合、前記通知情報の送信を行わなくてよい。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、プログラムが提供されてよい。前記プログラムは、携帯通信端末を、非接触無線通信によってICカードに対して情報を読み書きする読書装置から発せられる電磁波を検知する検知部として機能させるためのプログラムであってよい。前記プログラムは、前記携帯通信端末を、前記検知部が前記電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、前記携帯通信端末の非接触無線通信圏内のICカードから、前記ICカードに記憶されているカード情報を読み取る読取部として機能させるためのプログラムであってよい。前記プログラムは、前記携帯通信端末を、前記読取部が読み取った前記カード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する情報送信部として機能させるためのプログラムであってよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、携帯通信端末によって実行される情報処理方法が提供される。前記情報処理方法は、非接触無線通信によってICカードに対して情報を読み書きする読書装置から発せられる電磁波を検知する検知段階を備えてよい。前記情報処理方法は、前記検知段階において前記電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、前記携帯通信端末の非接触無線通信圏内のICカードから、前記ICカードに記憶されているカード情報を読み取る読取段階を備えてよい。前記情報処理方法は、前記読取段階において読み取った前記カード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する情報送信段階を備えてよい。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】通信システム10の通信環境の一例を概略的に示す。
【
図2】通信システム10における通信関係の一例を概略的に示す。
【
図3】携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図4】携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図5】携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図6】通信端末400における通知情報の表示画面の一例を概略的に示す。
【
図7】携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図8】携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図9】携帯通信端末100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図10】携帯通信端末100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
鉄道等、ICカードを利用したタイミングでメール通知するサービスが知られているが、既存のサービスは、鉄道事業者ごとにサポートしている路線と対応するICカードが限定されている。そのため、複数の異なる交通事業者の交通機関を使用する場合、出発地点から目的地まで一貫した経路確認を実現することが難しい。それに対して、本実施形態に係る携帯通信端末100は、例えば、携帯通信端末100の専用ケースにICカードを収容可能であって、支払機等の非接触ICカードリーダ機器から発せられる電磁波の検知をトリガとして、ICカードに記録されている改札通過情報・購買履歴等データおよび携帯通信端末側で取得する位置情報を、事前に登録した保護者等の通信機器に通知する。これにより、支払い時に明示的な操作をしなくても、ICカードに記憶された購買履歴等データと携帯通信端末の位置情報から、携帯通信端末の所在と携帯通信端末の保有者の安否を遠隔で確認する技術を確立することに貢献できる。
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、通信システム10の通信環境の一例を概略的に示す。
図2は、通信システム10における通信関係の一例を概略的に示す。通信システム10は、携帯通信端末100を含む。通信システム10は、通信端末400を含んでよい。通信システム10は、解析サーバ300を含んでよい。
【0016】
携帯通信端末100、解析サーバ300、通信端末400は、ネットワーク80を介して通信してよい。ネットワーク80は、移動体通信ネットワークを含んでよい。ネットワーク80は、インターネットを含んでよい。ネットワーク80は、クラウドネットワークを含んでよい。
【0017】
携帯通信端末100は、例えば、子供向けの携帯電話である。携帯通信端末100は、子供向けではない一般の携帯電話であってもよい。携帯通信端末100は、タブレット端末や、ウェアラブル端末であってもよい。ここでは、携帯通信端末100が、子供向けの携帯電話である場合を主に例に挙げて説明する。
【0018】
本実施形態に係る携帯通信端末100には、ICカード150が装着可能である。ICカード150は、例えば交通系ICカード全国相互利用サービスに対応する非接触型ICカードであってよい。
【0019】
例えば、携帯通信端末100が、ICカード150を収容可能なカードケースを装着可能な構成を備え、カードケースによって、携帯通信端末100がICカード150を装着する。カードケースは、携帯通信端末100が、カードケースに収容されたICカード150を読み取り可能な位置であって、読書装置200にICカード150をかざしたときに、読書装置200から発せられる電磁波を携帯通信端末100が検知可能となる位置に装着される。具体例として、携帯通信端末100は、携帯通信端末100の裏面側に、カードケースを装着可能な装着部を備える。なお、携帯通信端末100が装着部を備えることなく、カードケースが携帯通信端末100に装着されてもよい。すなわち、カードケースが、貼付される等の任意の方法で携帯通信端末100に直接設置されてもよい。
【0020】
また、例えば、携帯通信端末100がカードケースを備え、カードケースによって、携帯通信端末100がICカード150を装着する。カードケースは、携帯通信端末100が、カードケースに収容されたICカード150を読み取り可能な位置であって、読書装置200にICカード150をかざしたときに、読書装置200から発せられる電磁波を携帯通信端末100が検知可能となる位置に配置される。具体例として、カードケースは、携帯通信端末100の裏面側に配置される。
【0021】
また、例えば、携帯通信端末100に対して、ICカード150が、貼付される等の任意の方法で直接設置されることによって、携帯通信端末100がICカード150を装着してもよい。
【0022】
また、例えば、携帯通信端末100のケース(携帯端末ケースと記載する場合がある。)がカードケースを備え、カードケースによって、携帯通信端末100がICカード150を装着する。この場合、携帯端末ケースがカードケースを兼ねる態様であってよく、携帯端末ケースにカードケースが固定される態様であってもよい。また、携帯端末ケースに対してICカード150が直接設置されてもよい。
【0023】
また、例えば、携帯通信端末100のカバー(携帯端末カバーと記載する場合がある。)がカードケースを備え、カードケースによって、携帯通信端末100がICカード150を装着する。この場合、携帯端末カバーがカードケースを兼ねる態様であってよく、携帯端末カバーにカードケースが固定される態様であってもよい。また、携帯端末カバーに対してICカード150が直接設置されてもよい。
【0024】
読書装置200は、非接触無線通信によってICカード150に対して情報を読み書きする装置である。読書装置200の例として、駅の改札のカードリーダ、バスのカードリーダ、自動販売機に設置されているカードリーダ、店舗等で利用されるカードリーダ、チャージ用のカードリーダ、及び塾等の施設用のカードリーダ等が挙げられるが、これらに限られない。
【0025】
携帯通信端末100は、ICカード150から、ICカード150に記憶されているカード情報を非接触無線通信によって読み取る機能を備える。携帯通信端末100は、NFC(Near Field Communication)規格のハードウェアを備えてよい。例えば、携帯通信端末100は、Felica(登録商標)規格のハードウェアを備える。携帯通信端末100は、Type-A規格のハードウェアや、Type-B規格のハードウェアを備えてもよい。
【0026】
携帯通信端末100は、読み取ったカード情報を通知する通知情報を送信する機能を備える。携帯通信端末100は、例えば、メールによって通知情報を送信する。携帯通信端末100は、SMS(Short Message Service)によって、通知情報を送信してよい。携帯通信端末100は、MMS(Multimedia Message Service)によって、通知情報を送信してよい。携帯通信端末100は、Eメールによって、通知情報を送信してよい。
【0027】
携帯通信端末100は、読書装置200から発せられる電磁波を検知する機能を備える。携帯通信端末100は、NFC規格のハードウェアとは別に、読書装置200から発せられる電磁波を検知するためのハードウェアを備えてよい。なお、携帯通信端末100は、ICカード150からカード情報を読み取る機能と、読書装置200から発せられる電磁波を検知する機能との両方を有するハードウェアを備えてもよい。
【0028】
本実施形態に係る携帯通信端末100は、例えば、読書装置200からの電磁波を検知したことをトリガとしてICカード150のカード情報を読み取り、読み取ったカード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する。当該宛先は、携帯通信端末100の使用者20の保護者や、使用者20の管理者等であってよい。当該宛先の例として、使用者20のおかあさん30、おとうさん40、おばあちゃん50、及びおじいちゃん60等が挙げられるが、これらに限られない。
【0029】
携帯通信端末100は、例えば、おかあさん30のメールアドレスを宛先として通知情報を含むメールを送信したり、おかあさん30の電話番号を宛先として通知情報を含むSMSを送信したりする。おかあさん30は、例えば、自身の通信端末400を用いて、通知情報を確認する。通信端末400は、スマートフォン及びタブレット端末であってよい。通信端末400は、PC(Personal Computer)であってもよい。
【0030】
携帯通信端末100は、例えば、おとうさん40のメールアドレスを宛先として通知情報を含むメールを送信したり、おとうさん40の電話番号を宛先として通知情報を含むSMSを送信したりする。おとうさん40は、例えば、自身の通信端末400を用いて、通知情報を確認する。
【0031】
携帯通信端末100は、例えば、おばあちゃん50のメールアドレスを宛先として通知情報を含むメールを送信したり、おばあちゃん50の電話番号を宛先として通知情報を含むSMSを送信したりするおばあちゃん50は、例えば、自身の通信端末400を用いて、通知情報を確認する。
【0032】
携帯通信端末100は、例えば、おじいちゃん60のメールアドレスを宛先として通知情報を含むメールを送信したり、おじいちゃん60の電話番号を宛先として通知情報を含むSMSを送信したりする。おじいちゃん60は、例えば、自身の通信端末400を用いて、通知情報を確認する。
【0033】
通知情報を送信する対象となる宛先は、携帯通信端末100の管理者のみによって設定可能とし、管理者以外による設定を禁止してよい。例えば、当該宛先の設定に、管理者権限を必要とするように構成する。具体例として、管理者が使用者20の両親である場合、両親のみによって宛先の設定を可能とし、使用者20本人を含む、他の人による設定を禁止する。これにより、不特定多数の人や、携帯通信端末100の使用者20が、通知先を操作できないようにすることができる。当該宛先の設定を管理者のみに制限することは、必須とは限らない。
【0034】
携帯通信端末100は、例えば、読書装置200からの電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、ICカード150からカード情報を読み取る。ICカード150が読書装置200にかざされた場合、読書装置200とICカード150とが無線通信することになるが、携帯通信端末100も、読書装置200からの電磁波を検知することになる。すなわち、携帯通信端末100が読書装置200からの電磁波を検知したということは、読書装置200がICカード150と無線通信して、ICカード150からカード情報を読み取ったり、ICカード150にカード情報を書き込んだりしたことになる。よって、携帯通信端末100が、読書装置200からの電磁波を検知した後に、ICカード150からカード情報を読み取ることによって、読書装置200によって更新されたカード情報を読み取ることができる。ここで、携帯通信端末100が読書装置200からの電磁波を検知したことに応じて、すぐにICカード150からカード情報を読み取ることとした場合、ICカード150と読書装置200との通信が終了していない状態のカード情報を読み取ることになってしまい得る。それに対して、携帯通信端末100は、読書装置200からの電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、ICカード150からカード情報を読み取るので、ICカード150と読書装置200との通信が終了した状態のカード情報を読み取ることができる。予め定められた時間は、10秒等の任意の時間であってよい。当該時間は、任意に設定可能であってもよく、また、変更可能であってもよい。
【0035】
携帯通信端末100は、例えば、ICカード150から読み取ったカード情報を、ネットワーク80を介して解析サーバ300に送信し、解析サーバ300からカード情報の解析結果を受信してよい。そして、携帯通信端末100は、受信した解析結果を含む通知情報を、予め設定された宛先に送信してよい。
【0036】
解析サーバ300は、カード情報を解析する機能を有する。例えば、解析サーバ300は、ICカード150が駅の改札のカードリーダと通信することによって更新されたカード情報を解析することにより、ICカード150が当該カードリーダと通信した日時と、当該駅の駅名と、残高情報とを取得する。具体例として、ICカード150が駅の改札への入場に利用された場合、解析結果は、入場した日時、入場した駅の駅名、及び残高を含んでよい。具体例として、ICカード150が駅の改札からの出場に利用された場合、解析結果は、出場した日時、出場した駅の駅名、利用金額及び残高を含んでよい。
【0037】
また、例えば、解析サーバ300は、ICカード150がバスのカードリーダと通信することによって更新されたカード情報を解析することにより、ICカード150が当該カードリーダと通信した日時、バスの事業者名、及び残高情報を取得する。また、例えば、解析サーバ300は、ICカード150が物販用のカードリーダと通信することによって更新されたカード情報を解析することにより、ICカード150が当該カードリーダと通信した日時、及び残高情報を取得する。また、例えば、解析サーバ300は、ICカード150がタクシーのカードリーダと通信することによって更新されたカード情報を解析することにより、ICカード150が当該カードリーダと通信した日時、及び残高情報を取得する。
【0038】
また、例えば、解析サーバ300は、ICカード150がチャージ用のカードリーダと通信することによって更新されたカード情報を解析することにより、ICカード150が当該カードリーダと通信した日時と、残高情報とを取得する。解析サーバ300は、ICカード150が駅の券売機のカードリーダと通信することによって更新されたカード情報を解析することにより、ICカード150が当該カードリーダと通信した日時及び残高情報に加えて、当該駅の駅名を取得してよい。
【0039】
携帯通信端末100は、ICカード150から読み取ったカード情報を、自身で解析して、解析結果を含む通知情報を、予め設定された宛先に送信してもよい。
【0040】
ICカード150から読み取ったカード情報が、解析することなく、読書装置200と通信した日時、通信した場所を特定する情報、及び残高情報等を含んでいる場合には、携帯通信端末100は、当該カード情報を含む通知情報を、予め設定された宛先に送信してもよい。
【0041】
図3は、携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、携帯通信端末100が、読書装置200から発せられる電磁波を検知した状態を開始状態とし、予め定められた時間が10秒である場合を例に挙げて説明する。
【0042】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)302において、携帯通信端末100は、電磁波検知から10秒が経過したかを判定し、10秒経過した場合、S304に進む。
【0043】
S304において、携帯通信端末100は、ICカード150のカード情報を読み取る。S306において、携帯通信端末100は、S304において読み取ったカード情報を通知する通知情報を、予め設定された宛先に送信する。
【0044】
図4は、携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、
図3と異なる点を主に説明する。
【0045】
S312において、携帯通信端末100は、電磁波の検知から10秒以内に改めて電磁波を検知したか否かを判定する。検知したと判定した場合、当該検知から10秒以内に改めて電磁波を検知したか否かを判定する。検知していないと判定した場合、S314に進む。
【0046】
S314において、携帯通信端末100は、ICカード150のカード情報を読み取る。S316において、携帯通信端末100は、S304において読み取ったカード情報を通知する通知情報を、予め設定された宛先に送信する。
【0047】
読書装置200の種類によっては、ICカード150に対するカード情報の読み書きをするときに、電磁波を複数回発する場合がある。そのような場合に、すべての電磁波検知に応じた通知情報を行うと、1度のカード情報の読み書きに対して、通知情報を複数回送信することになってしまう。携帯通信端末100が
図4に示す処理を実行すれば、そのような事態の発生を抑制することができる。
【0048】
図5は、携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、
図3と異なる点を主に説明する。
【0049】
S322において、携帯通信端末100は、電磁波検知から10秒が経過したかを判定し、10秒経過した場合、S324に進む。S324において、携帯通信端末100は、ICカード150のカード情報を読み取る。
【0050】
S326において、携帯通信端末100は、電磁波を改めて電磁波を検知したか否かを判定する。検知したと判定した場合、S322に戻り、検知していないと判定した場合、S328に進む。S328において、携帯通信端末100は、S324において読み取ったカード情報を通知する通知情報を、予め設定された宛先に送信する。
【0051】
上述したように、読書装置200の種類によっては、ICカード150に対する1度のカード情報の読み書きをするときに、電磁波を複数回発する場合があり、その時間間隔が比較的長い場合もある。そのような場合においても、携帯通信端末100が
図5に示す処理を実行すれば、通知情報を送信するまでの間に改めて電磁波を検知したときには、前回の電磁波検知に対応する通知情報の送信をキャンセルすることができる。
【0052】
図6は、通信端末400における通知情報の表示画面の一例を概略的に示す。
図6では、4つの通知情報が表示されている場合を例示している。
【0053】
携帯通信端末100は、ICカード150の利用状況(電車、バス、物品購入等)に応じた通知情報を送信してよい。例えば、携帯通信端末100は、カード情報の種類に応じて、カード情報を通知する通知情報を送信する場合と、カード情報に加えて携帯通信端末100の位置情報を通知する通知情報を送信する場合とを切り換える。携帯通信端末100は、例えば、カード情報に位置を特定する情報が含まれる場合、カード情報を通知する通知情報を送信し、カード情報に位置を特定する情報が含まれない場合、カード情報に加えて携帯通信端末100の位置情報を通知する通知情報を送信する。具体例として、携帯通信端末100は、カード情報が駅の改札を利用した情報を含む場合、カード情報を通知する通知情報を送信し、カード情報が駅の改札を利用した情報を含まない場合、カード情報に加えて携帯通信端末100の位置情報を通知する通知情報を送信する。
【0054】
入場通知402は、携帯通信端末100の使用者20が駅の改札に入場した際に、携帯通信端末100によって送信された通知情報である。
図6に示す例において、入場通知402は、2022年9月26日の8時30分に〇〇駅に入場したことと、残高が700円であることを示す。
【0055】
出場通知404は、携帯通信端末100の使用者20が駅の改札から出場した際に、携帯通信端末100によって送信された通知情報である。
図6に示す例において、出場通知404は、2022年9月26日の8時45分に△△駅を出場したことと、利用金額が200円であることと、残高が500円であることを示す。
【0056】
バス通知406は、携帯通信端末100の使用者20がバスに乗車した際に、携帯通信端末100によって送信された通知情報である。
図6に示す例において、バス通知406は、2022年9月26日の8時50分に□□バスを利用したことと、利用金額が200円であることと、残高が300円であることを示す。
【0057】
また、バス通知406は、携帯通信端末100の位置情報を含む。
図6に示す例において、バス通知406は、位置を示す地図データへのURLと、測位レベルとを含む。
【0058】
通信端末400のユーザは、URLをタップすることによって、携帯通信端末100の位置を示す地図データを閲覧することができる。なお、位置の表示態様はこれに限られない。例えば、URLの形式ではなく、位置情報が示す緯度経度を単に表示する表示態様であってもよい。
【0059】
図6に示す例において、測位レベルが、星マークの数で表されている。本例においては、星マークの数が多いほど測位レベルが高いことを表している。なお、測位レベルの表示態様はこれに限られない。例えば、星マーク以外のマークが用いられてもよいし、マークではなく、測位レベルを数値等で表してもよい。
【0060】
入場通知402及び出場通知404では、駅名が含まれることになり、位置を特定することができるが、バスの事業者名が示されても、位置を特定することができない。それに対して、バス通知406が、位置情報を含むことによって、バス通知406の閲覧者に、携帯通信端末100の位置を把握させることができ、利便性を向上させることができる。特に、位置情報に測位レベルを含めることによって、測位レベルが低く、携帯通信端末100の本来の位置とは大きく異なる位置を示してしまうような場合において、その要因が、測位レベルが低いことによるものであることを把握させることができる。
【0061】
物販通知408は、携帯通信端末100の使用者20がICカード150を用いて物品を購入した際に、携帯通信端末100によって送信された通知情報である。
図6に示す例において、物販通知408は、2022年9月27日の8時00分にICカード150が利用されたことと、利用金額が100円であることと、残高が200円であることを示す。また、物販通知408は、携帯通信端末100の位置情報を含む。
【0062】
図6に例示するように、本実施形態に係る通信システム10においては、携帯通信端末100の使用者20による、ICカード150の様々な利用状況を、使用者20の保護者等に提供することができる。
【0063】
図7は、携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、
図3と異なる点を主に説明する。本例において、携帯通信端末100には、加速度センサ及びジャイロセンサの少なくともいずれかが搭載されており、携帯通信端末100が、加速度センサ及びジャイロセンサの少なくともいずれかを用いて、移動状態であるか停止状態であるかを管理しているものとする。
【0064】
S332において、携帯通信端末100は、電磁波検知から10秒が経過したかを判定し、10秒経過した場合、S334に進む。S334において、携帯通信端末100は、携帯通信端末100が静止状態であるか否かを判定する。静止状態であると判定した場合、S336に進み、静止状態でないと判定した場合、S338に進む。
【0065】
S336において、携帯通信端末100は、電磁波の検知が、移動状態から静止状態に遷移後1分以内であったか否かを判定する。なお、1分は一例であり、他の時間であってもよい。また、当該時間は、任意に設定可能であってよく、変更可能であってもよい。1分以内であったと判定した場合、S338に進み、1分以内でないと判定した場合、処理を終了する。
【0066】
S338において、携帯通信端末100は、ICカード150のカード情報を読み取る。S339において、携帯通信端末100は、S338において読み取ったカード情報を通知する通知情報を、予め設定された宛先に送信する。
【0067】
携帯通信端末100は、読書装置200から発せられる電磁波を検知する機能を備えるが、想定外の電磁波を検知してしまうことがあり得る。例えば、iPhone(登録商標)では、画面OFFから画面ONへの遷移時にNFC規格の電磁波を発することがある。このため、携帯通信端末100の近傍に位置するiPhoneが画面OFFから画面ONに遷移した場合に、携帯通信端末100が通知情報を予め設定された宛先に送信してしまうことになり得る。それに対して、携帯通信端末100が
図7に示す処理を実行すれば、駅の改札のように、ICカード150の利用前後で使用者20が移動していることが想定されるケースや、ICカード150の利用後に携帯通信端末100が静止しているものの1分前以前は移動していたケースにおいては、通知情報を送信する一方、携帯通信端末100がiPhoneと並んで机などに置かれている状況においてiPhoneが画面OFFから画面ONに遷移したような、携帯通信端末100がずっと静止しているにもかかわらず電磁波を検知したような場合には、通知情報を送信しないようにでき、誤通知の発生を抑制することができる。
【0068】
図8は、携帯通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、
図7と異なる点を主に説明する。
【0069】
S342において、携帯通信端末100は、電磁波検知から10秒が経過したかを判定し、10秒経過した場合、S344に進む。S344において、携帯通信端末100は、携帯通信端末100が静止状態であるか否かを判定する。静止状態であると判定した場合、S346に進み、静止状態でないと判定した場合、S348に進む。
【0070】
S346において、携帯通信端末100は、携帯通信端末100は、ICカード150の使用履歴に変更があるかないかを判定する。変更無と判定した場合、処理を終了し、変更有と判定した場合、S348に進む。
【0071】
S348において、携帯通信端末100は、ICカード150のカード情報を読み取る。S349において、携帯通信端末100は、S348において読み取ったカード情報を通知する通知情報を、予め設定された宛先に送信する。
【0072】
携帯通信端末100が
図8に示す処理を実行することにより、駅の改札のように、ICカード150の利用前後で使用者20が移動していることが想定されるケースや、ICカード150の利用後に携帯通信端末100が静止しているもののICカード150が利用されたことが確認できたケースにおいては、通知情報を送信する一方、ICカード150の利用後に携帯通信端末100が静止しており、ICカード150の利用も確認できないケースにおいては、通知情報を送信しないようにでき、誤通知の発生を抑制することができる。
【0073】
図9は、携帯通信端末100の機能構成の一例を概略的に示す。携帯通信端末100は、記憶部101、登録部102、検知部104、読取部106、位置情報取得部108、判定部110、及び情報送信部112を備える。なお、携帯通信端末100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0074】
登録部102は、各種情報を登録する。登録部102は、登録した情報を記憶部101に記憶させる。登録部102は、例えば、通知情報を送信する対象となる宛先を設定する。登録部102は、宛先として、メールアドレスを設定してよい。登録部102は、宛先として、電話番号を設定してよい。
【0075】
検知部104は、読書装置200から発せられる電磁波を検知する。検知部104は、専用のハードウェアを用いて、読書装置200から発せられる電磁波を検知してよい。検知部104は、読書装置200から発せられる電磁波を検知する機能と、ICカード150からカード情報を読み取る機能との両方を備えるハードウェアを用いてもよい。
【0076】
読取部106は、検知部104が読書装置200から発せられる電磁波を検知したことをトリガとして、携帯通信端末100のの非接触無線通信圏内のICカード150から、ICカード150に記憶されているカード情報を読み取る。読取部106は、検知部104が読書装置200から発せられる電磁波を検知したことをトリガとして、携帯通信端末100に装着されているICカード150からカード情報を読み取ってよい。読取部106は、NFC規格のハードウェアを用いて、ICカード150からカード情報を読み取ってよい。読取部106は、読書装置200から発せられる電磁波を検知する機能と、ICカード150からカード情報を読み取る機能との両方を備えるハードウェアを用いてもよい。
【0077】
読取部106は、検知部104が電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、ICカード150からカード情報を読み取ってよい。予め定められた時間は、10秒等の任意の時間であってよい。当該時間は、任意に設定可能であってもよく、また、変更可能であってもよい。
【0078】
位置情報取得部108は、携帯通信端末100の位置情報を取得する。位置情報取得部108は、GPS(Global Positioning System)測位等のGNSS(Global Navigation Satellite System)測位によって、位置情報を取得してよい。位置情報取得部108は、Wi-Fi(登録商標)測位や基地局測位等のネットワーク測位によって、位置情報を取得してもよく、これらを併用してもよく、これら以外の測位手法を用いてもよい。
【0079】
判定部110は、携帯通信端末100が移動状態であるか静止状態であるかを判定する。判定部110は、例えば、加速度センサ及びジャイロセンサの少なくともいずれかを用いて、携帯通信端末100が移動状態であるか静止状態であるかを判定してよい。判定部110は、位置情報取得部108が取得する位置情報の変化によって、携帯通信端末100が移動状態であるか静止状態であるかを判定してもよい。
【0080】
情報送信部112は、読取部106が読み取ったカード情報を通知する通知情報を、登録部102によって予め設定された宛先に送信する。情報送信部112は、SMS、MMS、及びEメールのいずれかによって、通知情報を予め設定された宛先に送信してよい。
【0081】
情報送信部112は、例えば、読取部106が読み取ったカード情報を解析サーバ300に送信し、解析サーバ300からカード情報の解析結果を受信して、受信した解析結果を含む通知情報を予め設定された宛先に送信する。また、情報送信部112は、例えば、読取部106が読み取ったカード情報を解析して、解析結果を含む通知情報を予め設定された宛先に送信する。また、情報送信部112は、例えば、読取部106が読み取ったカード情報を含めた通知情報を予め設定された宛先に送信する。
【0082】
情報送信部112は、解析結果に基づいて、ICカード150の使用履歴に変動があったと判定した場合、変動の内容を含む通知情報を予め設定された宛先に送信し、ICカード150の使用履歴に変動がないと判定した場合、ICカード150が読書装置200と通信したことを示す通知内容を含む通知情報を予め設定された宛先に送信するようにしてもよい。当該通知内容は、例えば、携帯通信端末100がタッチされたことを示す。
【0083】
ICカード150の使用履歴に変動がある場合とは、例えば、ICカード150が、駅の改札のカードリーダ、バスのカードリーダ、自動販売機に設置されているカードリーダ、店舗等で利用されるカードリーダ、及びチャージ用のカードリーダ等と通信して、カードリーダからICカード150への情報の書き込みが行われた場合である。ICカード150の使用履歴に変動がない場合とは、例えば、学習塾などの施設における入退管理にICカード150が用いられ、施設に設置された読書装置200にICカード150をタッチすることにより入退管理は行われるが、ICカード150への情報の書き込み自体が行われない場合等である。
【0084】
情報送信部112は、検知部104が電磁波を検知して、読取部106がICカードのカード情報を読み取ろうとしたが、何らかの理由でカード情報を読み取れなかった場合、「携帯通信端末100がタッチされました」等の、携帯通信端末100が読書装置200にかざされたことを示す通知内容を含む通知情報を予め設定された宛先に送信するようにしてもよい。カード情報が読み取れない理由としては、ICカードが収容されていなかったり、サポート対象外のICカードが収容されていたり、ICカード150が収容されているものの読取エラーが発生したりしたことが想定される。
【0085】
情報送信部112は、携帯通信端末100に装着されているICカード150が変更され、前回通知情報を送信したときとは異なるICカード150からカード情報が読み取られた場合には、前回とは異なるICカード150であることを示す通知内容を含む通知情報を予め設定された宛先に送信するようにしてもよい。当該通知内容は、例えば、新しいカードでタッチされました、等であってよい。
【0086】
読取部106は、検知部104が電磁波を検知してから予め定められた時間が経過する前に、検知部104が改めて電磁波を検知した場合、検知部104が電磁波を改めて検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて、ICカード150からカード情報を読み取ってよい。具体例として、検知部104が第1の時刻に電磁波を検知してから予め定められた時間が経過する前に、検知部104が改めて第2の時刻に電磁波を検知した場合、読取部106は、第1の時刻から予め定められた時間が経過したタイミングでのカード情報の読み取りは行わずに、第2の時刻から予め定められた時間が経過したことに応じて、カード情報の読み取りを行う。これにより、読書装置200が、ICカード150に対するカード情報の読み書きをするときに、電磁波を複数回発するタイプである場合であっても、通知情報を複数回送信してしまうことを防ぐことができる。
【0087】
検知部104が電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて読取部106がカード情報を読み取り、情報送信部112が通知情報を予め設定された宛先に送信する前に、検知部104が改めて電磁波を検知した場合、情報送信部112は、当該通知情報の送信を行わないようにしてもよい。具体例として、検知部104が第1の時刻に電磁波を検知してから予め定められた時間が経過したことに応じて読取部106がカード情報を読み取り、情報送信部112が通知情報を予め設定された宛先に送信する前に、検知部104が第2の時刻に改めて電磁波を検知した場合、情報送信部112は、第1の時刻に電磁波を検知したことによる通知情報の送信を行わず、読取部106が、第2の時刻から予め定められた時間が経過したことに応じてカード情報を読み取り、情報送信部112が、当該カード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する。これにより、読書装置200が、ICカード150に対するカード情報の読み書きをするときに、電磁波を複数回発するタイプである場合であっても、通知情報を複数回送信してしまうことを防ぐことができる。
【0088】
情報送信部112は、読取部106が読み取ったカード情報の種類に応じて、カード情報を通知する通知情報の送信と、カード情報に加えて携帯通信端末100の位置情報を通知する通知情報の送信とを切り換えてよい。例えば、情報送信部112は、カード情報に位置を特定する情報が含まれる場合、カード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信し、カード情報に位置を特定する情報が含まれない場合、カード情報に加えて携帯通信端末100の位置情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信してよい。
【0089】
具体例として、情報送信部112は、カード情報が駅の改札を利用した情報を含む場合、カード情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信し、カード情報が駅の改札を利用した情報を含まない場合、カード情報に加えて携帯通信端末100の位置情報を通知する通知情報を予め設定された宛先に送信する。情報送信部112は、当該位置情報に、携帯通信端末100の位置と、測位レベルとを含めてもよい。情報送信部112は、当該位置情報に、携帯通信端末100の位置を示す地図データへのリンク情報を含めてもよい。
【0090】
情報送信部112は、判定部110による判定結果に応じて、通知情報の送信を行ってもよい。例えば、情報送信部112は、通知情報を予め設定された宛先に送信するタイミングで、携帯通信端末100が移動状態である場合、通知情報を予め設定された宛先に送信し、静止状態である場合、通知情報の送信を行わない。
【0091】
また、例えば、情報送信部112は、通知情報を予め設定された宛先に送信するタイミングで、携帯通信端末100が移動状態である場合と、静止状態ではあるが、移動状態から当該静止状態に遷移してから予め定められた時間が経過する前である場合、通知情報を予め設定された宛先に送信し、静止状態であり、かつ、移動状態から当該静止状態に遷移してから予め定められた時間が経過した後である場合、通知情報の送信を行わない。
【0092】
図10は、携帯通信端末100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0093】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に記憶されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0094】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを記憶する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0095】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを記憶する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0096】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0097】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に記憶された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0098】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に記憶されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0099】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に記憶され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に記憶される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に記憶された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0100】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0101】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0102】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を記憶可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに記憶される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピーディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0103】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0104】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0105】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0106】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0107】
10 通信システム、20 使用者、30 おかあさん、40 おとうさん、50 おばあちゃん、60 おじいちゃん、80 ネットワーク、100 携帯通信端末、101 記憶部、102 登録部、104 検知部、106 読取部、108 位置情報取得部、110 判定部、112 情報送信部、150 ICカード、200 読書装置、300 解析サーバ、400 通信端末、402 入場通知、404 出場通知、406 バス通知、408 物販通知、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ