(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101165
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】ペット用おもちゃ
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20240722BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20240722BHJP
A01K 5/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
A01K15/02 A
A01K29/00 H
A01K5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004948
(22)【出願日】2023-01-17
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】西田 泰士
【テーマコード(参考)】
2B102
【Fターム(参考)】
2B102AA04
2B102AB24
2B102AB50
2B102AC01
2B102AD02
2B102AE10
2B102BD10
(57)【要約】
【課題】 ペットの動作によって出てくるペットフードの径及び量を調節することができるペット用おもちゃを提供する。
【解決手段】 第1開口及び第2開口を有し、ペットフードを収容する本体と、前記第1開口に装着されて、第1穴を有する第1キャップと、前記第2開口に装着されて、第2穴を有する第2キャップと、を具備し、前記本体の回転又は移動に伴って、前記第1キャップ及び前記第2キャップのうち少なくとも一方から前記本体内のペットフードが放出されること、を特徴とするペット用おもちゃ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口及び第2開口を有し、ペットフードを収容する本体と、
前記第1開口に装着されて、第1穴を有する第1キャップと、
前記第2開口に装着されて、第2穴を有する第2キャップと、を具備し、
前記本体の回転又は移動に伴って、前記第1キャップ及び前記第2キャップのうち少なくとも一方から前記本体内のペットフードが放出されること、
を特徴とするペット用おもちゃ。
【請求項2】
前記本体が略筒状であり、
前記第1開口及び前記第2開口が前記本体の両端に位置すること、
を特徴とする請求項1に記載のペット用おもちゃ。
【請求項3】
前記第1キャップが、前記第1穴を開閉自在に覆う第1カバーを有すること、
を特徴とする請求項1に記載のペット用おもちゃ。
【請求項4】
前記第2キャップが、前記第2穴を開閉自在に覆う第2カバーを有すること、
を特徴とする請求項3に記載のペット用おもちゃ。
【請求項5】
前記第1キャップが第3穴を更に有し、
前記第1カバーが、前記第1穴及び前記第3穴のうち一方を選択的に覆うこと、
を特徴とする請求項4に記載のペット用おもちゃ。
【請求項6】
前記第2キャップが第4穴を更に有し、
前記第2カバーが、前記第2穴及び前記第4穴のうち一方を選択的に覆うこと、
を特徴とする請求項5に記載のペット用おもちゃ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫などのペットを遊ばせるとともに給餌可能なペット用おもちゃに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1(実用新案登録第3021991号公報)は、適当な長さの円筒に適当に穴を設け、ペット自身の能力と体を使ってころがすことで餌が穴から一粒づつ出てきたのを食べる、ペットの餌与器兼玩具を開示する。かかる餌与器兼玩具では、ペットが餌与器兼玩具をどのように扱っても、餌が穴から一粒づつ出てくるというシンプルなものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、ペットの動作によって出てくるペットフードの径及び量を調節することができ給餌可能なペット用おもちゃを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決すべく、本発明は、
第1開口及び第2開口を有し、ペットフードを収容する本体と、
前記第1開口に装着されて、第1穴を有する第1キャップと、
前記第2開口に装着されて、第2穴を有する第2キャップと、を具備し、
前記本体の回転又は移動に伴って、前記第1キャップ及び前記第2キャップのうち少なくとも一方から前記本体内のペットフードが放出されること、
を特徴とするペット用おもちゃ、を提供する。
【0006】
本発明のペット用おもちゃでは、前記本体が略筒状であり、前記第1開口及び前記第2開口が前記本体の両端に位置すること、が好ましい。
【0007】
また、本発明のペット用おもちゃでは、前記第1キャップが、前記第1穴を開閉自在に覆う第1カバーを有すること、が好ましい。
【0008】
また、本発明のペット用おもちゃでは、前記第2キャップが、前記第2穴を開閉自在に覆う第2カバーを有すること、が好ましい。
【0009】
また、本発明のペット用おもちゃでは、前記第1キャップが第3穴を更に有し、前記第1カバーが、前記第1穴及び前記第3穴のうち一方を選択的に覆うこと、が好ましい。
【0010】
また、本発明のペット用おもちゃでは、前記第2キャップが第4穴を更に有し、前記第2カバーが、前記第2穴及び前記第4穴のうち一方を選択的に覆うこと、が好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ペットの接触によって生じる本体の回転又は移動に伴って、第1キャップ及び第2キャップのうち少なくとも一方から本体内のペットフードが放出される。したがって、ペットの動作に応じて、出てくるペットフードの径及び量を調節することができるため、ペットの関心を強く惹くことができる。また、ペットはペット用おもちゃを様々に動かすことでペットフードの放出具合を学習することができるから、ペット用おもちゃは知育のために好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の代表的な実施形態に係るペット用おもちゃ1の正面図及び分解図である。
【
図2】穴51,71を露出させた状態のペット用おもちゃ1の前方斜視図、後方斜視図及びキャップ5,7の縦断面図である。
【
図3】穴51,71を塞いだ状態のペット用おもちゃ1の前方斜視図、後方斜視図及びキャップ5,7の縦断面図である。
【
図4】他のキャップ15を示す前方斜視図、後方斜視図及び縦断面図である。
【
図5】別のキャップ25を示す前方斜視図、後方斜視図及び縦断面図である。
【
図6】ペットPがペット用おもちゃ1で遊ぶ様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るペット用おもちゃの代表的な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0014】
本実施形態では、ペット用おもちゃ1を使用するペットPとして例えば犬、猫を想定しているが(
図6参照)、これらに限られない。
例えば
図1(A)に示すように、ペット用おもちゃ1は、本体3及びキャップ5,7を具備する。以下、これらの構成要素を詳細に説明する。
【0015】
本体3は、ペットフードFを収容する中空状の容器である(
図6参照)。ペットフードFとしては粒状ないし粉状のものが好適であるが、これらに限られない。ただし、乾燥した粒状ないし粉状のペットフードFを収容すれば、本体3の回転や移動によって音を立てるため、ペットPが興味を示し好ましい。本体3は、ペットフードFを出し入れするための開口31,33(第1開口及び第2開口に相当する)を有する(
図1(B)参照)。
【0016】
本体3は略筒状であり、その両端に開口31,33が位置することが好ましい。ここで、略筒状には中央部分が外側に湾曲状ないし凸状に膨らんだ形状(ラグビーボールのような形状)も含まれる。なお、本体3は、略V字状や略L字状に屈曲していてもよい。
開口31,33は略円筒状をなし、外周面に、キャップ5,7の内周面と係合するネジ溝35,37を有する(
図1(B)参照)。開口31,33の寸法は略同一であることが好ましく、これにより様々な種類のキャップ(例えば
図4及び
図5参照)の装着が可能となる。
【0017】
本体3は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂材料で好適に作製される。したがって、本体3は、ペットPが押圧すると変形し、押圧が除去されると元の形状に復元する。本体3は、ペットPがペット用おもちゃ1内のペットフードFを視認できるように、透明であることが好ましい(
図6参照)。
【0018】
次いでキャップ5,7について説明する。
キャップ5は、第1キャップに相当するものであり、
図1(A),(B)に示すように、開口31(又は開口33)に装着される。例えば
図2(C)に示すように、キャップ5は径D1(第1径に相当する。)の穴51(第1穴に相当する)を有する。穴51は、本体3内のペットフードFのうち、径D1よりも小さいものを通過させる。
【0019】
穴51(の縁を含む平面)は、本体3の開口31,33同士を結ぶX軸方向に対して所定の角度αだけ傾いていることが好ましい(
図2(A)参照)。これにより、本体3の回転に伴って作用する遠心力により本体3内のペットフードFがキャップ5側に勢いよく移動した場合に、一部分のペットフードFはキャップ5に衝突してペット用おもちゃ1内にとどまる。したがって、ペットフードFが穴51から一気に多量に放出されることが効果的に抑制される。所定の角度αとしては例えば35°~55°が好適であるが、これに限られない。
【0020】
キャップ5は、穴51を開閉自在に覆うカバー53(第1カバーに相当する。)を有してもよい(例えば
図2(A)及び
図3(A)参照)。カバー53を閉じることで、ペットフードFの意図しない放出を阻止し、あるいはペットフードFの放出量を調節することができる。例えば、カバー53は、キャップ5上をスライドすることで穴51を開閉するシャッターとして構成することができる(
図2(C)及び
図3(C)参照)。
キャップ5は、カバー53を開いた状態及び閉じた状態に保持する保持機構55を有することが好ましい(
図1(B)参照)。保持機構55は例えば突起とそれに対応する凹部で構成することができる。
【0021】
キャップ5の内周面には、本体3の開口31(の外周面のネジ溝35)と係合するネジ55が形成されている。したがって、キャップ5は本体3の開口31に簡易に着脱でき、洗浄やペットフードFの補充の際に便利である。
【0022】
次に、キャップ7は、第2キャップに相当するものであり、
図1(A),(B)に示すように、開口33に装着される。例えば
図2(D)に示すように、キャップ7は、径D1よりも小さな径D2(第2径に相当する。)の穴71(第2穴に相当する。)を有し、本実施形態においては、D1>D2が成立している。したがって、穴71は、穴51よりも小粒のペットフードFを通過させる。すなわち、穴51,71は互いに径の異なるペットフードFを放出することができる。
【0023】
穴71(の縁を含む平面)は、X軸方向に対して所定の角度βだけ傾いていることが好ましい(
図2(B)参照)。これにより、本体3の回転に伴って作用する遠心力により本体3内のペットフードFがキャップ7側に勢いよく移動した場合に、一部分のペットフードFはキャップ7に衝突してペット用おもちゃ1内にとどまる。したがって、ペットフードFが穴71から一気に多量に放出されることが効果的に抑制される。所定の角度βとしては例えば35°~55°が好適であるが、これに限られない。
【0024】
キャップ7は、穴71を開閉自在に覆うカバー73(第2カバーに相当する。)を有してもよい(例えば
図2(B)及び
図3(B)参照)。カバー73を閉じることで、ペットフードFの意図しない放出を阻止し、あるいはペットフードFの放出量を調節することができる。例えば、カバー73は、キャップ7上をスライドすることで穴71を開閉するシャッターとして構成することができる(
図2(D)及び
図3(D)参照)。
キャップ7は、カバー73を開いた状態及び閉じた状態に保持する保持機構75を有することが好ましい(
図2(A),(B)参照)。保持機構75は例えば突起とそれに対応する凹部で構成することができる。
【0025】
キャップ7の内周面には、本体3の開口33(の外周面のネジ溝37)と係合するネジ75が形成されている。したがって、キャップ7は本体3の開口33に簡易に着脱でき、洗浄やペットフードFの補充の際に便利である。
【0026】
キャップ5,7は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などの樹脂材料で好適に作製されるが、これに限られない。キャップ5,7は、本体3よりも剛性を有し、本体3ほど容易に変形しないことが好ましい。
【0027】
あるいは、キャップ5,7に代えて、又はキャップ5,7とともに、複数の穴を有するキャップを利用してもよい(
図4、
図5参照)。
例えば、
図4(A)~(C)に示す例では、キャップ15は穴151,153を有している。この図では穴151,153は同じ径であるが、穴151,153は互いに異なる径でもよい。カバー155は、例えば穴151,153の間をスライドすることで、穴151,153のうち一方を選択的に覆うことができる。
また、
図5(A)~(C)に示す例では、キャップ25は穴251,253を有している。この図では穴251,253は、穴151,153の径よりも小さい同一の径を有しているが、穴251,253は互いに異なる径でもよい。また、カバー255は、例えば穴251,253の間をスライドすることで、穴251,253のうち一方を選択的に覆うことができる。
キャップ15,25を用いることで、本体3内から放出されるペットフードFの粒径や量をより細かく調節することができる。
【0028】
次いで、ペット用おもちゃ1の使用方法を説明する。
キャップ5,7の少なくとも一方を本体3から外す(
図1(B)参照)。
ペットフードFを開口31,33から本体3内に入れて、キャップ5,7を本体3に再び装着する。併せて、カバー53,73で穴51,71を覆うか覆わないかを決める(
図2及び
図3参照)。
あるいは、キャップ5,7に代えてキャップ15(又はキャップ25)を装着してもよい(
図4及び
図5参照)。その場合には、穴151,153(又は穴251,253)のうちどちらをカバー155(又は255)で覆うかを決める。
【0029】
そして、ペット用おもちゃ1でペットPに遊ばせる。
すなわち、ペットPがペット用おもちゃ1に触れると、本体3が回転又は移動する。ここで回転には、
図6(A)に示すように、本体3の軸X(キャップ5,7を結ぶ方向に延びる軸)を中心に回転する場合と、本体3の軸Xに直交する軸Yを中心に回転する場合の2種類があるが、どちらでもよい。これらの動きに伴って、ペットフードFが本体3内で音を立て、ペットPの関心を惹く。
【0030】
上述した本体3の動きに伴って、キャップ5,7のうち少なくとも一方から本体3内のペットフードFが放出される(
図6(B)参照)。本体3の動き方によってペットフードFの放出具合が変わる。また、どちらの穴51,71からペットフードFが放出されるかによってペットフードFの径が異なるため、ペットフードFの飛び出し具合が異なる。特に、ペット用おもちゃ1が軸Yを中心に回転する場合には、本体3内のペットフードFに遠心力が作用し、キャップ5,7から放出されやすい。
ペットPは上記のようなペット用おもちゃ1及びペットフードFの動きを楽しむことができると同時に、放出されたペットフードFを食べることで、ペットPの食欲が満たされる。したがって、ペット用おもちゃ1は、おもちゃ兼給餌器ないし給餌機能付きペット用おもちゃとも言える。
【0031】
ペットPは、ペットフードFをもっと食べたいと思うと、ペット用おもちゃ1を移動させたり回転させたりして、どのようにすれば望みどおりにペットフードFをより多く放出させるかを学ぶことができる。すなわち、ペット用おもちゃ1は知育に有用である。
【0032】
このとき、穴51,71をカバー53,73で開閉し、又は、キャップ15,25が用いられる場合には穴151,153,251,253を選択することで、放出されるペットフードFの粒径や量を調節することができる。したがって、キャップ5,7のスイッチ操作でいく通りもの難易度が設定できるので、ペットPに多様な遊ばせ方を提供することができる。また、ペットPによるペットフードFの食べ過ぎを抑制し、ペットPの適切な健康管理を施すこともできる。
なお、ペット用おもちゃ1の使用後には、キャップ5,7(又はキャップ15,25)を外してペット用おもちゃ1を洗浄することができる。
【0033】
以上、本発明の代表的な実施形態に係るペット用おもちゃの具体的な態様について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更に係るものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0034】
例えば、本体3は、3以上の開口を有してもよい。この場合、各々の開口には、同じ又は異なる径の穴を有するキャップが装着されてよいし、あるいは、異なる数の穴を有するキャップが装着されてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 ペット用おもちゃ
3 本体
31,33 開口
5,7,15,25 キャップ
51,71,151,153,251,253 穴
53,73、155,255 カバー
F ペットフード
P ペット