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特開2024-101181光源ユニット、およびそれを備える光照射装置
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  • 特開-光源ユニット、およびそれを備える光照射装置 図1
  • 特開-光源ユニット、およびそれを備える光照射装置 図2
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  • 特開-光源ユニット、およびそれを備える光照射装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101181
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】光源ユニット、およびそれを備える光照射装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/14 20200101AFI20240722BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240722BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240722BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20240722BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20240722BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20240722BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240722BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20240722BHJP
【FI】
H05B47/14
F21V23/00 140
F21S2/00 600
H05B45/345
H05B45/20
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21Y115:10
F21Y113:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004980
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】510138741
【氏名又は名称】フェニックス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】木下 雅章
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 嶺
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K273PA10
3K273QA06
3K273QA30
3K273QA38
3K273SA07
3K273SA13
3K273SA35
3K273SA46
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA08
3K273TA15
3K273UA02
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】電源ユニット側での調整を必要とすることなく交換が可能な光源ユニットを提供する。
【解決手段】光源ユニット10を、複数の光源12と、各光源12に供給する電流を個々に調整する複数の調整部材14とで構成し、各光源12に対して電流を供給する電源ユニット100に接続して使用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
前記各光源に供給する電流を個々に調整する複数の調整部材とを備えており、
前記各光源に対して前記電流を供給する電源ユニットに接続して使用される
光源ユニット。
【請求項2】
電源ユニットから電流が供給される複数の光源を有する光源部と、
前記各光源に供給する前記電流を個々に調整する複数の調整部材を有しており、前記電源ユニットに接続される調整部とを備えている
光源ユニット。
【請求項3】
前記調整部材から前記電源ユニットに送られる電流設定値は、アナログ値、ボリューム抵抗値、PWM、および通信信号の内の少なくとも1種類である
請求項1または2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
請求項1または2に記載の光源ユニットと、
前記調整部材からの電流設定値に基づいて調整した電流を前記光源に供給する電源ユニットとを備える
光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源ユニットと組み合わせて使用される光源ユニット、およびそれを備える光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、複数の光源を備えており、各光源に対して個別に設定された大きさの電流を供給する電源ユニットと組み合わせて使用される光源ユニットが開発されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
例えば、ピーク波長が異なる複数のLED(発光ダイオード)を組み合わせることによってフラットな分光を実現する光源ユニットを構成するため、図5に示すように、光源ユニット1に含まれる光源2に対して個別に設定された大きさの電流を供給するような電源ユニット3が使用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-278907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、図2に示すようなフラットな光を放射する光源ユニットにおいて、劣化や故障等の原因によって光源ユニットを交換したとき、右端に示す分光波形の光を放射する光源からの放射率が2/3に低下すると、交換後の光源ユニットを同じ設定の電源ユニットで駆動したとき、各光源からの分光波形は図3に示すようになり、波長の長い光の領域でフラットな分光波形を維持することができなくなる。
【0006】
このような状態から再びフラットな分光波形に戻すためには、右端に示す分光波形の光を放射する光源に供給する電流を大きくする必要があるが、そのためには電源ユニットの調整が必要であり、当該調整は光源ユニットを使用する現場で行うことが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電源ユニット側での調整を必要とすることなく交換が可能な光源ユニット、およびそれを備える光照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面によれば、
複数の光源と、
前記各光源に供給する電流を個々に調整する複数の調整部材とを備えており、
前記各光源に対して前記電流を供給する電源ユニットに接続して使用される
光源ユニットが提供される。
【0009】
本発明の別の局面によれば、
電源ユニットから電流が供給される複数の光源を有する光源部と、
前記各光源に供給する前記電流を個々に調整する複数の調整部材を有しており、前記電源ユニットに接続される調整部とを備えている
光源ユニットが提供される。
【0010】
好適には、
前記調整部材から前記電源ユニットに送られる電流設定値は、アナログ値、ボリューム抵抗値、PWM、および通信信号の内の少なくとも1種類である。
【0011】
本発明の他の局面によれば、
上述した光源ユニットと、
前記調整部材からの電流設定値に基づいて調整した電流を前記光源に供給する電源ユニットとを備える
光照射装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る光源ユニットによれば、各光源に供給する電流を個々に調整する調整部材が、従来のように電源ユニット側ではなく、光源ユニット側に設けられている。これにより、光源ユニットを交換したときに、各光源に供給する電流を電源ユニット側ではなく光源ユニットで調整することができるので、電源ユニット側での調整が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る光照射装置Aを示す図である。
図2】光源ユニット10全体としてフラットな分光が実現されている例を示す図である。
図3】光源ユニット10全体としてフラットな分光が維持できていない例を示す図である。
図4】変形例1に係る光照射装置Aを示す図である。
図5】従来技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態に係る光照射装置Aは、光源ユニット10と、この光源ユニット10と組み合わせて使用される電源ユニット100とを備えている。以下では、先ず光源ユニット10について説明し、然る後、電源ユニット100について説明する。
【0015】
(光源ユニット10の構成)
本実施形態に係る光源ユニット10は、図1に示すように、大略、複数の光源12と、各光源12に対応する複数の調整部材14とを備えている。
【0016】
光源12は、電源ユニット100から電流の供給を受けて点灯する部材であり、電流供給を受ける一対の給電端子16を有している。本実施形態では、光源12としてLEDが使用されており、個々の光源12から放射される光のピーク波長が複数種類に分かれるように設定されている。これにより、複数の光源12からの光は全体としてフラットな分光を実現するようになっている。
【0017】
なお、光源12の種類はLEDに限定されるものではなく、例えば、放電灯、有機EL、白熱灯等の他の種類を使用してもよい。
【0018】
調整部材14は、各光源12に供給する電流を個々に調整するための部材であり、電流設定値調整素子18と、一対の電流設定値端子20とを備えている。
【0019】
本実施形態では、電流設定値調整素子18としてボリューム抵抗が使用されている。このため、本実施形態における電流設定値は「ボリューム抵抗値」である。
【0020】
(電源ユニット100の構成)
本実施形態に係る電源ユニット100は、個々の光源12に対応する複数の個別電源102を備えている。
【0021】
個別電源102は、それぞれ、一対の電流供給端子104と、一対の電流設定値受入端子106とを有している。
【0022】
電流供給端子104は、光源12における一対の給電端子16に対して電気的に接続され、発光用の電流を光源12に供給するようになっている。
【0023】
電流設定値受入端子106は、光源12における一対の電流設定値端子20に対して電気的に接続され、調整部材14で設定された電流設定値を個別電源102に受け入れるようになっている。
【0024】
個別電源102は、電流設定値受入端子106から受け入れた電流設定値に基づいて、所定の大きさの電流を電流供給端子104から光源12に対して供給する。
【0025】
(光源ユニット10の特徴)
次に、光源ユニット10および電源ユニット100の設定例について説明する。光源ユニット10全体としてフラットな分光を実現するため、放射する光のピーク波長が異なる複数の光源12を組み合わせるとともに、各光源12に供給する電流を調整して各光源12から放射される光の強度を調整することにより、図2に示すような「光源ユニット10全体の分光」および「各光源12からの光の分光」が得られる。
【0026】
然る後、劣化や故障等の原因によって光源ユニット10を交換したとき、例えば、右端に示す分光波形の光を放射する光源12からの放射率が2/3に低下したとする。もし何の調整も行わなければ図3に示すように光源ユニット10全体の分光が波長の長い光の領域でフラットな分光波形を維持できなくなる。
【0027】
しかし、本実施形態に係る光源ユニット10であれば、交換後の光源ユニット10における、対応する光源12に供給される電流設定値を設定する調整部材14を調整して、当該光源12に供給される電流を大きくする。
【0028】
これにより、交換後の光源ユニット10全体としてフラットな分光を実現することができる。
【0029】
もちろん、本発明を、光源ユニット10全体としてフラットな分光を実現するものではなく、RGBのバランス(色温度等)調整に用いてもよいし、光源ユニット10全体としての照度を均一化するために用いてもよい。
【0030】
本実施形態に係る光源ユニット10によれば、各光源12に供給する電流を個々に調整する調整部材14が、従来のように電源ユニット100側ではなく、光源ユニット10側に設けられている。これにより、光源ユニット10を交換したときに、各光源12に供給する電流を電源ユニット100側ではなく光源ユニット10で調整することができるので、電源ユニット100側での調整が不要となる。
【0031】
(変形例1)
上述した実施形態では、光源ユニット10の中で光源12と調整部材14とをそれぞれ一体的に配置していたが、これに変えて、図4に示すように、光源12と調整部材14とをそれぞれ光源部30と調整部32とに分けて配置してもよい。
【0032】
つまり、光源部30には複数の光源12を配置し、調整部32には各光源12に対応する複数の調整部材14を配置する。
【0033】
これにより、例えば配置上の関係で光源部30と電源ユニット100との間の距離(配線長)を長くせざるを得ない場合において、調整部32を電源ユニット100の近くに配置することで、当該調整部32と電源ユニット100との間の距離(配線長)を短くすることができる。この結果、光源ユニット10と電源ユニット100との間に必要な配線の長さを短くすることができる。
【0034】
(変形例2)
上述した実施形態では、調整部材14による電流設定値として「ボリューム抵抗値」が用いられていたが、電流設定値はこれに限定されるものではなく、例えば、アナログ値、PWM、あるいは通信信号等を用いることができる。通信手段に関してはBluetooth(登録商標)等の無線を用いることもできる。また、ひとつの光源ユニット10や電源ユニット100に対して複数種類の電流設定値を用いてもよい。
【0035】
さらに言えば、電源ユニット100側にマイコンを搭載し、光源ユニット10側にEEPROM等のメモリを搭載してもよい。また、光源12にQRコード(登録商標)で校正値を印刷してもよい。
【0036】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0037】
10…光源ユニット、12…光源、14…調整部材、16…給電端子、18…電流設定値調整素子、20…電流設定値端子
30…光源部、32…調整部
100…電源ユニット、102…個別電源、104…電流供給端子、106…電流設定値受入端子
A…光照射装置
図1
図2
図3
図4
図5