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特開2024-101189医用情報処理装置、及び、医用情報処理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101189
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、及び、医用情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240722BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005000
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】足立 信行
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 真人
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】定期処方のオーダの未登録を防止すること。
【解決手段】本実施形態に係る医用情報処理装置は、抽出部と、出力制御部とを備える。前記抽出部は、入院している患者に対する定期処方のオーダの情報を取得し、取得した情報とアラート条件に基づいて、次回のオーダ期限が近い定期処方を抽出する。前記出力制御部は、前記抽出部の抽出結果を出力するように制御する。これにより、本実施形態に係る医用情報処理装置は、定期処方のオーダの未登録を防止することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入院している患者に対する定期処方のオーダの情報を取得し、取得した情報とアラート条件に基づいて、次回のオーダ期限が近い定期処方を抽出する抽出部と、
前記抽出部の抽出結果を出力するように制御する出力制御部と、
を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、前記抽出部が抽出した定期処方のオーダを行う医師が使用する端末に、前記次回の定期処方のオーダが未登録であることを表すオーダ切れ予告通知を出力するように制御する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記定期処方は、前記患者に対して繰り返し処方される、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記アラート条件として、オーダの締切期限が設定され、当該締切期限は、病棟毎に異なる期限で設定される、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記医師がオーダを登録するための電子カルテ端末にログインした時に、前記電子カルテ端末に前記オーダ切れ予告通知を表示させる、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記出力制御部は、前記医師が前記電子カルテ端末にログインした時に、前記電子カルテ端末に前記オーダ切れ予告通知を表示させると共に、前記医師が前記次回の定期処方のオーダを前記患者の電子カルテに登録するための画面を前記電子カルテ端末に表示させる、
請求項5に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記出力制御部は、前記医師及び看護師を含む医療従事者が前記電子カルテ端末にログインした時に、前記次回の定期処方のオーダが未登録である患者の一覧画面を前記電子カルテ端末に表示させ、前記医師が前記次回の定期処方のオーダを前記患者の電子カルテに登録するための画面を前記電子カルテ端末に表示させる、
請求項5に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記画面は、前記看護師が操作するボタンを有し、
前記出力制御部は、前記看護師が前記ボタンを操作したときに、前記次回の定期処方のオーダ登録を促す通知を、前記医師が使用する端末に送信する、
請求項7に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記出力制御部は、前記医師及び看護師を含む医療従事者が前記電子カルテ端末にログインした時に、患者の一覧画面を前記電子カルテ端末に表示させ、前記一覧画面において、前記次回の定期処方のオーダが未登録である定期処方を視認させるための表示を行う、
請求項5に記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
前記出力制御部は、前記次回のオーダ期限が近づくにつれて、前記オーダ切れ予告通知の表示形態を変更する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項11】
前記出力制御部は、前記オーダ切れ予告通知の薬剤に関する重要度に応じて、前記オーダ切れ予告通知の表示形態を変更する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項12】
前記出力制御部は、前記患者の担当医である前記医師が使用する端末と、当該担当医に関連する医師が使用する端末とに、前記オーダ切れ予告通知を出力するように制御する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項13】
前記出力制御部は、前記医師のスケジュールに応じて、前記次回のオーダ期限の日に前記医師が不在である場合、前記次回のオーダ期限の日よりも前に、前記オーダ切れ予告通知を出力するように制御する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項14】
入院している患者に対する定期処方のオーダの情報を取得し、取得した情報とアラート条件に基づいて、次回のオーダ期限が近い定期処方を抽出する抽出部と、
前記抽出部の抽出結果を出力するように制御する出力制御部と、
を備える医用情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置、及び、医用情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
入院運用を行っている病院では、主治医や担当医等の医師が、電子カルテ端末を用いて、各患者の次回の定期処方のオーダを、オーダ画面上で確認し、登録する。しかし、医師が、業務多忙などが理由で、定期処方の締切期限を過ぎてから、定期処方の未登録に気づき、臨時処方のオーダを登録する場合がある。定期処方の締切期限を過ぎて臨時処方のオーダが登録された場合、薬剤部では、一括で払出作業を行う定期処方とは別に、不要な臨時処方の払出作業が増えてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-229308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、定期処方のオーダの未登録を防止することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係る医用情報処理装置は、抽出部と、出力制御部とを備える。前記抽出部は、入院している患者に対する定期処方のオーダの情報を取得し、取得した情報とアラート条件に基づいて、次回のオーダ期限が近い定期処方を抽出する。前記出力制御部は、前記抽出部の抽出結果を出力するように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係る医用情報処理装置を含む医用情報表示システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、病棟テーブルの一例を示す図である。
図3図3は、薬剤部管理テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、薬剤の処方の選択を受け付けるオーダ画面の一例である。
図5図5は、薬剤の処方の選択を受け付けるオーダ画面の一例である。
図6図6は、本実施形態に係る医用情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態に係る医用情報処理装置による処理の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、図4のオペレータテーブルの一例である。
図9A図9Aは、図4のアラートマスターテーブルの一例である。
図9B図9Bは、図4のアラートマスターテーブルの一例である。
図9C図9Cは、図4のアラートマスターテーブルの一例である。
図10A図10Aは、医師の端末に表示されるオーダ切れ予告通知の一例である。
図10B図10Bは、医師の端末に表示されるオーダ切れ予告通知の一例である。
図11A図11Aは、電子カルテ端末のログイン画面の一例である。
図11B図11Bは、電子カルテ端末に表示されるオーダ切れ予告通知の一例である。
図11C図11Cは、図11Bのオーダ切れ予告通知メッセージの拡大図である。
図12A図12Aは、電子カルテ端末に表示されるオーダ未登録一覧画面の一例である。
図12B図12Bは、図12Aのオーダ切れ予告通知メッセージの拡大図である。
図13図13は、電子カルテ端末に表示される一覧画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、医用情報処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下、医用情報処理装置を含む医用情報処理システムを例に挙げて説明する。図1に示す医用情報処理システムにおいては、各装置が1台ずつ示されているが、実際にはさらに複数の装置を含むことができる。
【0008】
図1に示す医用情報処理システム1は、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)と、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiology Information System)と、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)とを含むシステムである。医用情報処理システム1は、HISサーバ10、電子カルテ端末20、端末30、及び、医用情報処理装置100を備える。
【0009】
HISサーバ10、電子カルテ端末20、端末30、及び、医用情報処理装置100は、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)に接続され、所定の装置へ情報を送信すると共に、所定の装置から送信される情報を受信する。なお、HISサーバ10は、院内LANに加え、外部のネットワークに接続してもよい。
【0010】
例えば、電子カルテ端末20は、患者の診療に関わるユーザにより用いられる。ユーザは、例えば、医師や看護師を含む医療従事者である。電子カルテ端末20は、例えば、PC(Personal Computer)等の端末を含む。
【0011】
例えば、端末30は、患者の診療に関わるユーザにより用いられ、病院からユーザに支給される端末である。ユーザは、例えば、主治医や担当医等の医師である。端末30は、例えば、PCやタブレット式PC、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯端末等を含む。
【0012】
HISにおいて、図1に示すHISサーバ10は、病院内で発生する情報を管理する。病院内で発生する情報には、患者情報11、及び処方オーダ情報12等が含まれる。
【0013】
患者情報11は、患者の基本情報(患者基本情報)と入院情報とを含む。患者基本情報は、患者ID、氏名、生年月日、性別、血液型、身長、体重等を含む。患者IDには、患者を一意に識別する識別情報が設定される。患者の入院情報には、数値(計測値)や診療記録等の情報と、それらの記録日時を示す情報とが含まれる。例えば、患者の入院情報としては、看護師による看護記録や、検査部門に対する検査や、入院時の食事の手配等の情報が挙げられる。例えば、処方については、医師により電子カルテに記録され、看護記録については、看護師により電子カルテに記録される。
【0014】
処方オーダ情報12は、医師による薬剤の処方に関する情報である。例えば、病院内の入院運用では、処方オーダ情報として、「定期処方」、「臨時処方」が挙げられる。
【0015】
定期処方は、例えば、病棟毎に、締切期限が決められており、1週間分や2週間分などの日数の処方オーダの登録が行われる。これにより、薬剤部から、定期処方のオーダにより登録された日数分の薬剤が払出される。定期処方は、入院している患者に対して繰り返し処方される。臨時処方は、例えば、患者の容態急変により、臨時の処方オーダの登録が行われる。これにより、薬剤部から、臨時処方のオーダにより登録された分の薬剤が払出される。このように、病院内の入院運用では、定期処方を基本にオーダし、必要時に臨時処方を追加オーダする。
【0016】
また、図1に示すHISサーバ10は、病棟テーブル13及び薬剤部管理テーブル14を管理する。
【0017】
病棟テーブル13は、入院している患者を病棟毎に管理する。図2は、病棟テーブル13の一例を示す図である。図2に示す例では、病棟名「病棟A」に患者名「患者A」、年齢「30」、患者番号「×××」の患者が入院し、病棟名「病棟B」に患者名「患者B」、年齢「50」、患者番号「○○○」の患者が入院していることを表している。
【0018】
薬剤部管理テーブル14は、病棟のオーダ期限(オーダの締切期限)を管理する。図3は、薬剤部管理テーブル14の一例を示す図である。図3に示す例では、病棟名「病棟A」の締切期限が「水曜16時」であり、病棟名「病棟B」の締切期限が「木曜16時」であり、病棟名「病棟C」の締切期限が「金曜16時」であることを表している。
【0019】
ここで、電子カルテ端末20は、病院内の入院運用において、処方オーダ情報として「定期処方」、「臨時処方」の登録を行う。患者に対する定期処方や臨時処方のオーダは、患者の担当医が電子カルテ端末20を使用することによって当該患者の電子カルテに登録される。
【0020】
図4図5は、薬剤の処方の選択を受け付けるオーダ画面200の一例である。例えば、図4に示すように、電子カルテ端末20は、薬剤の処方の選択を受け付けるオーダ画面200を表示する。具体的には、電子カルテ端末20は、「定期処方」の選択を受け付ける領域221Aと、「臨時処方」の選択を受け付ける領域221Bとを重ねてオーダ画面200に表示する。例えば、領域221A、221Bは、それぞれ表示の位置が異なるタブを含み、領域221A、221Bのタブには、それぞれ、領域221A、221Bを識別するための「定期処方」、「臨時処方」が表記される。
【0021】
例えば、患者の担当医がオーダ画面200の領域221Aを選択した場合、電子カルテ端末20は、領域221Aの全体と領域221Bのタブのみとをオーダ画面200に表示する。図4に示す例では、領域221Aには、「定期処方」のオーダの入力を受け付ける入力欄が表示される。例えば、担当医は、電子カルテ端末20を用いて、患者に対する定期処方として、「薬剤X」を、朝食後、昼食後、夕食後の1日3回服用で、14日分(2週間分)だけ処方するオーダを、領域221Aの入力欄に入力する。このとき、電子カルテ端末20は、領域221Aの入力欄に入力された定期処方のオーダを、患者の電子カルテに登録する。これにより、薬剤部から、定期処方のオーダにより登録された日数分の薬剤が払出される。
【0022】
例えば、患者の担当医がオーダ画面200の領域221Bを選択した場合、電子カルテ端末20は、領域221Bの全体と領域221Aのタブのみとをオーダ画面200に表示する。図5に示す例では、領域221Bには、「臨時処方」のオーダの入力を受け付ける入力欄が表示される。例えば、担当医は、電子カルテ端末20を用いて、患者に対する臨時処方として、「薬剤Y」を、朝食後、昼食後、夕食後の1日3回服用で、3日分だけ処方するオーダを、領域221Bの入力欄に入力する。このとき、電子カルテ端末20は、領域221Bの入力欄に入力された臨時処方のオーダを、患者の電子カルテに登録する。これにより、薬剤部から、臨時処方のオーダにより登録された分の薬剤が払出される。
【0023】
このように、入院運用を行っている病院では、主治医や担当医等の医師が、電子カルテ端末20を用いて、各患者の次回の定期処方のオーダを、オーダ画面200上で確認し、登録する。しかし、医師が、業務多忙などが理由で、定期処方の締切期限を過ぎてから、定期処方の未登録に気づき、臨時処方のオーダを登録する場合がある。定期処方の締切期限を過ぎて臨時処方のオーダが登録された場合、薬剤部では、一括で払出作業を行う定期処方とは別に、不要な臨時処方の払出作業が増えてしまう。不要な臨時処方の払出作業が発生することにより、薬剤部の薬剤師にとって無駄な作業時間が発生する。この場合、薬剤師にとって不要な臨時処方の払出作業が負荷となり、人件費のロスが発生する。また、病棟の看護師が、各患者の電子カルテを確認し、定期処方のオーダ切れがないかをチェックし、主治医や担当医等の医師に連絡し、定期処方のオーダ切れのフォローを行う場合がある。この場合でも、看護師にとって定期処方のオーダ切れのフォローを行う作業が負荷となり、人件費のロスが発生する。
【0024】
そこで、本実施形態では、定期処方のオーダの未登録を防止するため、図1に示す医用情報処理装置100が医用情報処理システム1に組み込まれる。
【0025】
以下、本実施形態に係る医用情報処理装置100の詳細について説明する。図6は、本実施形態に係る医用情報処理装置100の構成の一例を示す図である。図6に示すように、医用情報処理装置100は、処理回路110、記憶回路120、通信インターフェース130を有する。
【0026】
記憶回路120は、処理回路110に接続されており、各種情報を記憶する。具体的には、記憶回路120は、各システムから受信した患者情報を記憶する。例えば、記憶回路120は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。ここで、記憶回路120は、記憶部の一例である。通信インターフェース130は、例えば、NIC(Network Interface Card)等であり、他の装置との間で通信を行う。
【0027】
処理回路110は、医用情報処理装置100の構成要素を制御する。例えば、処理回路110は、図6に示すように、抽出機能111、出力制御機能112を実行する。ここで、例えば、処理回路110の構成要素である抽出機能111、出力制御機能112が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路120に記録されている。処理回路110は、各プログラムを記憶回路120から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路110は、図6の処理回路110内に示された各機能を有することとなる。
【0028】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等の回路を意味する。また、「プロセッサ」という文言は、プログラマブル論理デバイス等の回路を意味する。プログラマブル論理デバイスとして、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)が挙げられる。また、プログラマブル論理デバイスとして、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))が挙げられる。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路120に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路120にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムが直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図6における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0029】
また、記憶回路120は、オペレータテーブル121と、アラートマスターテーブル122とを有する。オペレータテーブル121、アラートマスターテーブル122に記憶される情報については後述する。
【0030】
本実施形態に係る医用情報処理装置100では、抽出機能111は、入院している患者に対する定期処方のオーダの情報を取得し、取得した情報とアラート条件に基づいて、次回のオーダ期限が近い定期処方を抽出する。出力制御機能112は、抽出機能111の抽出結果を出力するように制御する。ここで、抽出機能111、出力制御機能112は、それぞれ、抽出部、出力制御部の一例である。
【0031】
まず、本実施形態に係る医用情報処理装置100の処理について説明する。図7は、本実施形態に係る医用情報処理装置100による処理の手順を示すフローチャートである。
【0032】
図7のステップS101は、処理回路110が記憶回路120から抽出機能111に対応するプログラムを呼び出して実行されるステップである。ステップS101において、抽出機能111は、入院している患者に対する定期処方のオーダの情報を取得する。上述のように、定期処方は、入院している患者に対して繰り返し処方される。
【0033】
図7のステップS102は、処理回路110が記憶回路120から抽出機能111に対応するプログラムを呼び出して実行されるステップである。ステップS102において、抽出機能111は、取得した情報とアラート条件に基づいて、次回のオーダ期限が近い定期処方を抽出する。アラート条件として、オーダの締切期限(オーダ期限)が設定され、当該締切期限は、病棟毎に異なる期限で設定される(図3を参照)。
【0034】
図7のステップS103は、処理回路110が記憶回路120から出力制御機能112に対応するプログラムを呼び出して実行されるステップである。ステップS103において、出力制御機能112は、抽出機能111により抽出された抽出結果を出力するように制御する。具体的には、出力制御機能112は、抽出機能111が抽出した定期処方のオーダを行う医師が使用する端末に、次回の定期処方のオーダが未登録であることを表すオーダ切れ予告通知を出力するように制御する。医師が使用する端末とは、主治医や担当医等の医師が使用する電子カルテ端末20や、病院から医師に支給された端末30である。
【0035】
このように、出力制御機能112は、例えば、今週分の定期処方のオーダが登録されている状態で、次回(次週)の定期処方のオーダの締切期限前に未登録である場合、電子カルテ端末20や医師の端末30にオーダ切れ予告通知を出力するように制御する。ここで、電子カルテ端末20や医師の端末30に表示されるオーダ切れ予告通知の画面例については後述する。
【0036】
端末30の連絡先は、図6のオペレータテーブル121により管理される。図8は、図6のオペレータテーブル121の一例である。図8に示す例では、病院内のオペレータ「オペレータA」の職種が「医師」であり、当該医師の連絡先が「×××」であり、当該医師は10月4日~10月6日は不在であることを表している。例えば、当該医師の連絡先「×××」は、病院から当該医師に支給された端末30のメールアドレス等の連絡先を含む。
【0037】
出力制御機能112は、電子カルテ端末20や医師の端末30にオーダ切れ予告通知をアラートとして表示させる際、当該アラートを段階的に変更させる。当該アラートは、図6のアラートマスターテーブル122により管理される。図9A図9Cは、図6のアラートマスターテーブル122の一例である。
【0038】
例えば、出力制御機能112は、次回のオーダ期限が近づくにつれて、オーダ切れ予告通知の表示形態を変更する。図9Aに示す例では、締切期限を16時とした場合、前々日の16時においては警告表示レベルが「青色」であり、前日の16時においては警告表示レベルが「黄色」であり、当時の10時においては警告表示レベルが「赤色」であることを表している。そこで、出力制御機能112は、次回のオーダ期限が近づくにつれて、オーダ切れ予告通知の表示形態を青色、黄色、赤色の順で変更しながら、オーダ切れ予告通知を電子カルテ端末20や医師の端末30に表示させる。
【0039】
例えば、出力制御機能112は、オーダ切れ予告通知の薬剤に関する重要度に応じて、オーダ切れ予告通知の表示形態を変更する。図9Bに示す例では、薬剤名「薬剤A」の重要度が「1」である場合には警告表示レベルが「青色」であり、薬剤名「薬剤B」の重要度が「1」よりも高い「2」である場合には警告表示レベルが「黄色」であり、薬剤名「薬剤C」の重要度が「2」よりも高い「3」である場合には警告表示レベルが「赤色」であることを表している。そこで、出力制御機能112は、オーダ切れ予告通知の薬剤に関する重要度に応じて、オーダ切れ予告通知の表示形態を青色、黄色、赤色のいずれかに設定して、オーダ切れ予告通知を電子カルテ端末20や医師の端末30に表示させる。
【0040】
例えば、出力制御機能112は、患者の担当医である医師が使用する端末と、当該担当医に関連する医師が使用する端末とに、オーダ切れ予告通知を出力するように制御する。図9Cに示す例では、主治医(担当医)、副担当医、共観医、科所属の医師、チーム医療医、権限委譲医の連絡先がそれぞれ「×××」、「○○○」、「△△△」、「×○×」、「○△○」、「△×△」であることを表している。例えば、これらの医師の連絡先は、病院から当該医師に支給された端末のメールアドレス等の連絡先を含む。例えば、図9Cにおいては、担当医が1~2日間ほど不在である際には、副担当医、共観医の端末にオーダ切れ予告通知が出力されるように設定され、担当医が3日間以上不在である際には、副担当医、共観医、科所属の医師、チーム医療医、権限委譲医の端末にオーダ切れ予告通知が出力されるように設定される。
【0041】
例えば、出力制御機能112は、担当医のスケジュールに応じて、次回のオーダ期限の日に担当医が不在である場合、次回のオーダ期限の日よりも前に、オーダ切れ予告通知を出力するように制御する。図8図9Cにおいて、次回のオーダ期限の日に担当医が不在である場合、出力制御機能112は、次回のオーダ期限の日よりも前に、オーダ切れ予告通知を担当医の端末30に出力するように制御する。
【0042】
ここで、医師の端末30に表示されるオーダ切れ予告通知について説明する。図10A図10Bは、医師の端末30に表示されるオーダ切れ予告通知の一例である。例えば、出力制御機能112は、オーダ切れ予告通知を電子メールで医師の端末30に出力するように制御することで、定期処方のオーダ切れ予告を効率よく当該医師に気づかせる。
【0043】
図10Aは、次回の定期処方のオーダが未登録である患者が1名である場合のオーダ切れ予告通知300の電子メールが医師の端末30に表示される例を示している。図10Aに示す例では、オーダ切れ予告通知300の電子メールの件名には、次回の定期処方のオーダ切れ予告を表す「[予告]定期処方切れ通知」が記載され、電子メールの本文には、患者番号「7890123」、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。具体的には、電子メールの本文には、当該入院患者の次回の定期処方のオーダとして、2022年10月6日(木)以降の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。なお、図10Aに示す例では、当該入院患者が2022年10月7日(金)に退院予定である旨についても、電子メールの本文に記載されている。
【0044】
図10Bは、次回の定期処方のオーダが未登録である患者が複数存在する場合のオーダ切れ予告通知310の電子メールが医師の端末30に表示される例を示している。図10Bに示す例では、図10Aに示す例と同様に、オーダ切れ予告通知310の電子メールの件名には、「[予告]定期処方切れ通知」が記載されている。また、電子メールの本文には、複数の入院患者の次回の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。具体的には、電子メールの件名には、患者番号「7796811」、患者名「大阪太郎」の入院患者の定期処方のオーダと、患者番号「7890123」、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダと、患者番号「7976893」、患者名「川崎五郎」の入院患者の定期処方のオーダとが未登録である旨が記載されている。また、電子メールの本文には、これらの入院患者の次回の定期処方のオーダとして、2022年10月6日(木)以降の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。なお、図10Bに示す例では、図10Aに示す例と同様に、患者名「那須花子」の入院患者が2022年10月7日(金)に退院予定である旨についても、電子メールの本文に記載されている。
【0045】
このように、出力制御機能112は、医師の端末30にオーダ切れ予告通知を出力するように制御することにより、例えば、医師が電子カルテ端末20にログインしていない場合でも、次回の定期処方のオーダが未登録である旨を医師に通知することができる。また、医師が端末30を用いて電子カルテ端末20にログインしていない場合でも同様に、次回の定期処方のオーダが未登録である旨を医師に通知することができる。ここで、図10A図10Bにおいては、オーダ切れ予告通知300、310の電子メールの件名には、「[予告]定期処方切れ通知」が記載されている場合を例にしているが、通知の重要度、薬剤の重要度、薬剤名などが電子メールの件名に記載されてもよい。例えば、出力制御機能112は、次回のオーダ期限が近づくにつれて、電子メールの件名に記載する通知の重要度を変更する。また、例えば、出力制御機能112は、オーダ切れ予告通知の薬剤に関する重要度に応じて、電子メールの件名に薬剤の重要度、薬剤名を記載する。
【0046】
ここで、電子カルテ端末20に表示されるオーダ切れ予告通知について説明する。出力制御機能112は、医師が電子カルテ端末20にログインした時に、電子カルテ端末20にオーダ切れ予告通知を表示させることで、定期処方のオーダ切れ予告を効率よく当該医師に気づかせる。
【0047】
図11Aは、電子カルテ端末20のログイン画面400の一例である。まず、医師が電子カルテ端末20を使用する際、電子カルテ端末20にログイン画面を表示させる。図11Aに示す例では、ログイン画面400には、医師や看護師等の医療従事者であるオペレータを識別するオペレータコードを入力させる欄401と、当該オペレータ固有のパスワードを入力させる欄402と、「ログオン」ボタン403とが表示される。例えば、医師が、欄401、402に必要事項を入力した上で「ログオン」ボタン403を操作することにより、電子カルテ端末20にログイン(ログオン)する。
【0048】
図11B図11Cは、電子カルテ端末20に表示されるオーダ切れ予告通知の一例である。図11Bは、医師が電子カルテ端末20にログインした時に、次回の定期処方のオーダが未登録である患者が複数存在する場合のオーダ切れ予告通知の画面410(以下、オーダ切れ予告通知画面410と記載)が電子カルテ端末20に表示される例を示している。図11Bに示す例では、オーダ切れ予告通知画面410の件名には、「依頼連絡一覧」が記載されている。また、オーダ切れ予告通知画面410の中央部分には、複数の入院患者の次回の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。また、当該一覧画面410の中央部分には、これらの入院患者の次回の定期処方のオーダとして有効期限や、前回登録した定期処方のオーダの日時などが記載されている。
【0049】
また、図11Bに示す例では、オーダ切れ予告通知画面410上には、常駐メッセージとしてオーダ切れ予告通知メッセージ420が表示される。即ち、出力制御機能112は、医師が電子カルテ端末20にログインした時に、電子カルテ端末20にオーダ切れ予告通知画面410を表示させると共に、医師が次回の定期処方のオーダを患者の電子カルテに登録するための画面であるオーダ切れ予告通知メッセージ420を電子カルテ端末20に表示させる。図11Cは、図11Bのオーダ切れ予告通知メッセージ420の拡大図である。
【0050】
図11Cに示す例では、オーダ切れ予告通知メッセージ420には、患者番号「7890123」、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。具体的には、オーダ切れ予告通知メッセージ420には、当該入院患者の次回の定期処方のオーダとして、2022年10月6日(木)以降の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。なお、図11Cに示す例では、当該入院患者が2022年10月7日(金)に退院予定である旨についても、オーダ切れ予告通知メッセージ420に記載されている。
【0051】
また、図11Cに示す例では、オーダ切れ予告通知メッセージ420には、「処方オーダ」ボタン421と、「前回定期処方DO」ボタン422と、「処方不要」ボタン423と、「関連情報の表示」ボタン424とが表示される。
【0052】
例えば、医師が、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダを行う場合、オーダ切れ予告通知メッセージ420上の「処方オーダ」ボタン421を操作する。この場合、出力制御機能112は、図6のオーダ画面200を電子カルテ端末20に表示させる。具体的には、出力制御機能112は、「定期処方」の選択を受け付ける領域221Aの全体と、「臨時処方」の選択を受け付ける領域221Bのタブのみとをオーダ画面200に表示させる。例えば、担当医は、電子カルテ端末20を用いて、患者に対する定期処方のオーダを、領域221Aの入力欄に入力する。このとき、電子カルテ端末20は、領域221Aの入力欄に入力された定期処方のオーダを、患者の電子カルテに登録する。これにより、薬剤部から、定期処方のオーダにより登録された日数分の薬剤が払出される。
【0053】
例えば、医師が、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダが前回登録したときの定期処方のオーダと同じオーダを行うと判断した場合、オーダ切れ予告通知メッセージ420上の「前回定期処方DO」ボタン422を操作する。この場合、出力制御機能112は、前回登録したときの定期処方のオーダを確認する画面を電子カルテ端末20に表示させる。例えば、担当医は、電子カルテ端末20を用いて、前回登録したときの定期処方のオーダを確認する。このとき、電子カルテ端末20は、担当医により確認された定期処方のオーダを、患者の電子カルテに登録する。これにより、薬剤部から、定期処方のオーダにより登録された日数分の薬剤が払出される。
【0054】
例えば、医師が、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダが不要と判断した場合、オーダ切れ予告通知メッセージ420上の「処方不要」ボタン423を操作する。この場合、出力制御機能112は、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダについて、電子カルテ端末20や医師の端末30に出力するオーダ切れ予告通知等を非通知とする。
【0055】
例えば、医師が、患者名「那須花子」の入院患者の電子カルテを参照したい場合、オーダ切れ予告通知メッセージ420上の「関連情報の表示」ボタン424を操作する。この場合、出力制御機能112は、HISサーバ10の患者情報11を基に、患者名「那須花子」の入院患者の電子カルテを電子カルテ端末20に表示させる。
【0056】
オーダ切れ予告通知メッセージ420には、患者の入院属性情報(入院、退院、転科、転棟、外泊など)や予定日時などが表示される。例えば、図11Cにおいて、入院患者が2022年10月7日(金)に退院予定である旨について、オーダ切れ予告通知メッセージ420に記載されている。これにより、出力制御機能112は、医師に対して、入院患者の定期処方のオーダの要否の判断を補助する。また、医師が端末30を用いて電子カルテ端末20にログインした場合でも同様に、出力制御機能112は、医師に対して、入院患者の定期処方のオーダの要否の判断を補助する。
【0057】
図11A図11Cに示す例では、出力制御機能112は、医師が電子カルテ端末20にログインした時に、電子カルテ端末20にオーダ切れ予告通知を表示させる場合を例にしたが、これに限定されない。例えば、医師が電子カルテ端末20にログインしている状態において、出力制御機能112は、電子カルテ端末20にオーダ切れ予告通知をプッシュアップ画面などにより表示させてもよい。また、医師が端末30を用いて電子カルテ端末20にログインした場合でも同様に、出力制御機能112は、端末30にオーダ切れ予告通知をプッシュアップ画面などにより表示させてもよい。
【0058】
ここで、図11A図11Cに示す例では、出力制御機能112は、医師が電子カルテ端末20にログインした時に、電子カルテ端末20にオーダ切れ予告通知画面410を表示させると共に、オーダ切れ予告メッセージ420を電子カルテ端末20に表示させているが、これに限定されない。例えば、出力制御機能112は、医師及び看護師を含む医療従事者が電子カルテ端末20にログインした時に、次回の定期処方のオーダが未登録である患者の一覧画面を電子カルテ端末20に表示させると共に、定期処方のオーダ切れ予告を効率よく当該医療従事者に気づかせるために、更に、オーダ切れ予告メッセージを電子カルテ端末20に表示させる。
【0059】
図12A図12Bは、電子カルテ端末20に表示されるオーダ未登録一覧画面500の一例である。図12Aは、医師及び看護師を含む医療従事者が電子カルテ端末20にログインした時に、次回の定期処方のオーダが未登録である患者の一覧画面として、オーダ未登録一覧画面500が電子カルテ端末20に表示される例を示している。
【0060】
図12Aに示す例では、オーダ未登録一覧画面500には、病棟別、診療科別、担当医が担当する患者別などに絞り込み可能である検索種別の入力を受け付ける検索種別欄502が表示される。また、オーダ未登録一覧画面500には、複数の入院患者の次回の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。
【0061】
更に、図12Aに示す例では、出力制御機能112は、オーダ未登録一覧画面500において、オーダ切れ予告通知メッセージ510を表示させる。例えば、出力制御機能112は、オーダ未登録一覧画面500上で患者の選択を受け付け、医師及び看護師を含む医療従事者により選択された患者のオーダ切れ予告通知メッセージ510を、オーダ未登録一覧画面500に表示させる。図12Bは、図12Aのオーダ切れ予告通知メッセージ510の拡大図である。
【0062】
図12Bに示す例では、オーダ切れ予告通知メッセージ510には、図11Cのオーダ切れ予告通知メッセージ420と同様に、患者番号「7890123」、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。具体的には、オーダ切れ予告通知メッセージ510には、図11Cのオーダ切れ予告通知メッセージ420と同様に、当該入院患者の次回の定期処方のオーダとして、2022年10月6日(木)以降の定期処方のオーダが未登録である旨が記載されている。なお、図12Bに示す例では、図11Cのオーダ切れ予告通知メッセージ420と同様に、当該入院患者が2022年10月7日(金)に退院予定である旨についても、オーダ切れ予告通知メッセージ510に記載されている。
【0063】
また、図12Bに示す例では、オーダ切れ予告通知メッセージ510には、「処方オーダ」ボタン511と、「前回定期処方DO」ボタン512と、「処方不要」ボタン513と、「関連情報の表示」ボタン514とが表示される。オーダ切れ予告通知メッセージ510の「処方オーダ」ボタン511、「前回定期処方DO」ボタン512、「処方不要」ボタン513、「関連情報の表示」ボタン514の機能は、それぞれ、図11Cのオーダ切れ予告通知メッセージ420の「処方オーダ」ボタン421、「前回定期処方DO」ボタン422、「処方不要」ボタン423、「関連情報の表示」ボタン424の機能と同じである。
【0064】
例えば、医師が、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダを行う場合、オーダ切れ予告通知メッセージ510上の「処方オーダ」ボタン511を操作する。この場合、出力制御機能112は、図6のオーダ画面200を電子カルテ端末20に表示させる。具体的には、出力制御機能112は、「定期処方」の選択を受け付ける領域221Aの全体と、「臨時処方」の選択を受け付ける領域221Bのタブのみとをオーダ画面200に表示させる。例えば、医師は、電子カルテ端末20を用いて、患者に対する定期処方のオーダを、領域221Aの入力欄に入力する。このとき、電子カルテ端末20は、領域221Aの入力欄に入力された定期処方のオーダを、患者の電子カルテに登録する。これにより、薬剤部から、定期処方のオーダにより登録された日数分の薬剤が払出される。
【0065】
ここで、出力制御機能112は、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダを登録した後、当該入院患者を削除したオーダ未登録一覧画面500を電子カルテ端末20に表示させる。これにより、医師は、電子カルテ端末20を用いて、オーダ未登録一覧画面500上で次の患者に対してオーダ登録を行うことができる。
【0066】
また、図12Bにおいて、出力制御機能112は、オーダ切れ予告通知メッセージ510に「確認依頼」ボタン515を表示させる。ボタン「確認依頼」ボタン515は、看護師が操作するボタンである。出力制御機能112は、看護師が「確認依頼」ボタン515を操作したときに、次回の定期処方のオーダ登録を促す通知を電子カルテ端末20や医師の端末30に表示させる。
【0067】
このように、出力制御機能112は、例えば看護師が電子カルテ端末20にログインした時に、オーダ未登録一覧画面500を電子カルテ端末20に表示させると共に、更に、オーダ未登録一覧画面500上で看護師により選択された患者のオーダ切れ予告通知メッセージ510の画面を電子カルテ端末20に表示させる。ここで、看護師が「確認依頼」ボタン515を操作したときに、出力制御機能112は、次回の定期処方のオーダ登録を促す通知を電子カルテ端末20や医師の端末30に表示させる。このため、看護師は、患者の一覧画面で対象の患者を絞った形で、当該患者の担当医に次回の定期処方のオーダ登録を催促することができる。
【0068】
ここで、図12A図12Bに示す例では、出力制御機能112は、医師及び看護師を含む医療従事者が電子カルテ端末20にログインした時に、次回の定期処方のオーダが未登録である患者の一覧画面(オーダ未登録一覧画面500)を電子カルテ端末20に表示させているが、これに限定されない。例えば、出力制御機能112は、医師及び看護師を含む医療従事者が電子カルテ端末20にログインした時に、患者の一覧画面を電子カルテ端末20に表示させると共に、定期処方のオーダ切れ予告を効率よく当該医療従事者に気づかせるために、更に、一覧画面において、次回の定期処方のオーダが未登録である定期処方を視認させるための表示を行う。
【0069】
図13は、電子カルテ端末20に表示される一覧画面の一例である。図13は、医師及び看護師を含む医療従事者が電子カルテ端末20にログインした時に、患者の一覧画面が電子カルテ端末20に表示される例を示している。
【0070】
図13に示すように、出力制御機能112は、一覧画面の選択を受け付ける画面600を電子カルテ端末20に表示させる。具体的には、出力制御機能112は、領域601A~601Fを重ねて画面600に表示させる。領域601Aは、入院患者の一覧画面を表す「入院患者一覧」の選択を受け付ける領域であり、領域601Bは、入院予定の患者の一覧画面を表す「入院一覧」の選択を受け付ける領域であり、領域601Cは、入院患者のベッドの配置の一覧画面を表す「病床マップ」の選択を受け付ける領域である。また、領域601Dは、退院患者の一覧画面を表す「処置患者一覧」の選択を受け付ける領域であり、領域601Eは、看護師の時系列のスケジュールの一覧画面を表す「ワークシート」の選択を受け付ける領域であり、領域601Fは、患者を検索するための一覧画面を表す「患者検索」の選択を受け付ける領域である。例えば、領域601A~601Fは、それぞれ表示の位置が異なるタブを含み、領域601A、601B、601C、601E、601Fのタブには、それぞれ、領域601A、601B、601C、601E、601Fを識別するための「入院患者一覧」、「入院一覧」、「病床マップ」、「処置患者一覧」、「ワークシート」、「患者検索」が表記される。
【0071】
例えば、医師及び看護師を含む医療従事者が電子カルテ端末20を用いて画面600の領域601A「入院患者一覧」を選択した場合、出力制御機能112は、領域601Aの全体と領域601B、601C、601E、601Fのタブのみとを画面600に表示させる。図13に示す例では、領域601Aには、一覧表示を病棟別、診療科別、担当医が担当する患者別などに絞り込み可能な欄602が表示される。また、領域601Aには、複数の入院患者の患者情報が記載されている。
【0072】
更に、図13に示す例では、出力制御機能112は、領域601A上における複数の入院患者のうち、次回の定期処方のオーダが未登録である患者について、次回の定期処方のオーダが未登録である定期処方を視認させるための表示として、オーダ切れ予告通知マーク620を表示させる。
【0073】
例えば、出力制御機能112は、領域601A上で、オーダ切れ予告通知マーク620にて、次回の定期処方のオーダが未登録である患者の選択を受け付ける。例えば、医師及び看護師を含む医療従事者が、対象の患者のオーダ切れ予告通知マーク620を押下することにより、出力制御機能112は、選択された患者のオーダ切れ予告通知メッセージを電子カルテ端末20に表示させる。例えば、選択された患者のオーダ切れ予告通知メッセージとして、図12Bのオーダ切れ予告通知メッセージ510が電子カルテ端末20に表示される。
【0074】
例えば、医師が、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダを行う場合、オーダ切れ予告通知メッセージ510上の「処方オーダ」ボタン511を操作する。この場合、出力制御機能112は、図6のオーダ画面200を電子カルテ端末20に表示させる。具体的には、出力制御機能112は、「定期処方」の選択を受け付ける領域221Aの全体と、「臨時処方」の選択を受け付ける領域221Bのタブのみとをオーダ画面200に表示させる。例えば、医師は、電子カルテ端末20を用いて、患者に対する定期処方のオーダを、領域221Aの入力欄に入力する。このとき、抽出機能111は、領域221Aの入力欄に入力された定期処方のオーダを、患者の電子カルテに登録する。これにより、薬剤部から、定期処方のオーダにより登録された日数分の薬剤が払出される。
【0075】
ここで、出力制御機能112は、患者名「那須花子」の入院患者の定期処方のオーダを登録した後、当該入院患者のオーダ切れ予告通知マーク620を非表示にした一覧画面(画面600の領域601A)を電子カルテ端末20に表示させる。これにより、医師は、電子カルテ端末20を用いて、一覧画面上でオーダ切れ予告通知マーク620を押下することにより、次の患者に対してオーダ登録を行うことができる。
【0076】
なお、図13に示す例では、医師及び看護師を含む医療従事者が電子カルテ端末20を用いて画面600の領域601A「入院患者一覧」を選択した場合、出力制御機能112は、領域601Aの全体と領域601B、601C、601D、601E、601Fのタブのみとを画面600に表示させ、領域601A「入院患者一覧」上に、次回の定期処方のオーダが未登録である患者について、オーダ切れ予告通知マーク620が表示される場合を例にしたが、これに限定されない。例えば、医療従事者が電子カルテ端末20を用いて画面600の領域601C「病床マップ」、601E「ワークシート」のいずれかを選択した場合においても、出力制御機能112は、選択した領域上には、次回の定期処方のオーダが未登録である患者について、オーダ切れ予告通知マーク620が表示される。
【0077】
以上の説明により、本実施形態に係る医用情報処理装置100では、抽出機能111は、入院している患者に対する定期処方のオーダの情報を取得し、取得した情報とアラート条件に基づいて、次回のオーダ期限が近い定期処方を抽出し、出力制御機能112は、抽出機能111の抽出結果を出力するように制御する。具体的には、出力制御機能112は、抽出機能111が抽出した定期処方のオーダを行う医師が使用する端末(電子カルテ端末20や医師の端末30)に、次回の定期処方のオーダが未登録であることを表すオーダ切れ予告通知を出力するように制御する。このため、本実施形態に係る医用情報処理装置100では、定期処方のオーダの未登録を防止することができる。
【0078】
また、本実施形態に係る医用情報処理装置100では、医師が使用する端末にオーダ切れ予告通知が表示されることにより、医師が定期処方のオーダ切れ予告に気づいた上でオーダ登録を行うため、医療の品質が向上する。また、医師がオーダ切れ予告通知を受けた上でオーダ登録を行うことにより、薬剤部の薬剤師にとって、不要な臨時処方の払出作業が発生せず、無駄な作業時間が発生しないため、薬剤師の作業が軽減される。また、医師がオーダ切れ予告通知を受けた上でオーダ登録を行うことにより、看護師にとって、定期処方のオーダ切れのフォローを行う作業が軽減される。また、本実施形態に係る医用情報処理装置100では、オーダ切れ予告通知だけでなく、オーダ未登録一覧画面や、一覧画面上のオーダ切れ予告通知マーク620を表示させることにより、医師及び看護師を含む医療従事者に効率よく定期処方のオーダ切れ予告を気づかせることができ、定期処方のオーダの未登録を防止することができる。
【0079】
(その他の実施形態)
これまで実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0080】
例えば、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、電子カルテ端末20内に設けられてもよいし、HISサーバ10内に設けられてもよい。
【0081】
例えば、本実施形態に係る医用情報処理装置100の抽出機能111、出力制御機能112は、それぞれ別の装置に設けられてもよい。この場合、医用情報処理システム1は、医用情報処理装置100の機能として、抽出機能111が設けられた装置と、出力制御機能112が設けられた装置とを有する。
【0082】
なお、本実施形態で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0083】
また、本実施形態で説明した方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0084】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、定期処方のオーダの未登録を防止することができる。
【0085】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
100 医用情報処理装置
111 抽出機能
112 出力制御機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13