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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101192
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20240722BHJP
   B65D 43/04 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
B65D77/20 C
B65D43/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005008
(22)【出願日】2023-01-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日及びアドレス 2022年8月23日、2022年10月7日、2023年1月6日:リスパックインスタグラム:risupack_official_jp ウェブサイトの掲載日及びアドレス 2022年10月12日:リスパック総合カタログ電子版:https://www.risupack.co.jp/webt2022/?_ga=2.96344412.1716896975.1675820449-1536662333.1653975749#target/page_no=1 ウェブサイトの掲載日及びアドレス 2022年9月5日、2022年11月29日、2022年12月27日:RISU容器.com:https://www.risupacknext.com/?_ga=2.109169484.870494246.1673516021-1536662333.1653975749 刊行物の配布日 2022年9月16日:2022秋NEXT 展示・単品写真集 2022年9月30日:総合カタログ冊子版 2022年12月27日:RISUPACK NEXT 2023 SPRING 案内状 展示会の日付及び場所 2022年9月6日~9月7日 名古屋会場:名古屋国際会議場 白鳥ホール(名古屋市熱田区熱田西町1番1号) 2022年9月20日~9月21日 大阪会場:マイドームおおさか 3F(大阪市中央区本町橋2番5号) 2022年9月29日 広島会場:広島コンベンションホール3F大ホール(広島市東区二葉の里3丁目5番地4号) 2022年10月3日~10月5日 東京会場:TRC東京流通センター 2階Fホール(大田区平和島6-1-1) 2022年10月12日 仙台会場:サンフェスタ仙台 101号室(仙台市若林区卸町二丁目15番地の2) 2022年10月18日 札幌会場:ホテルエミシア札幌3Fバレスホール(札幌市厚別区厚別中央2条5丁目5-25) 2022年10月25日 福岡会場:博多国際展示場401(福岡市博多区東光2丁目22番15号) 販売した日付及び場所 販売日 2022年9月26日~2022年12月23日 販売した場所 添付リストに記載された各販売先
(71)【出願人】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 叶子
【テーマコード(参考)】
3E067
3E084
【Fターム(参考)】
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067EA17
3E067EB27
3E084AA05
3E084AA24
3E084BA01
3E084DB09
3E084DC03
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単に蓋体と容器本体との嵌合を外せる包装用容器を提供する。
【解決手段】本体側フランジ部230を有する容器本体200と、蓋体側フランジ部130を有する蓋体100とを備えた包装用容器300であって、、蓋体100は、蓋体側フランジ部130から下方へ延出する蓋体側スカート部140に蓋体側嵌合部150と、蓋体側スカート部140の下端141に蓋体側摘み部160を備え、本体側嵌合部250と蓋体側嵌合部150は互いに嵌合可能に構成され、本体側摘み部260と蓋体側摘み部160は、平面視で互いに重なる位置に設けられ、蓋体側摘み部160が蓋体側スカート部140の下端141よりも上方に位置する、蓋体側摘み部160と本体側摘み部260との間に隙間が設けられ、蓋体側摘み部160、及び/又は、本体側摘み部260に屈曲可能な屈曲部(161、261)を設けていることを特徴とする。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体側フランジ部を有する容器本体と、蓋体側フランジ部を有する蓋体とを備えた包装用容器であって、
前記容器本体は、前記本体側フランジ部から下方へ延出する本体側スカート部に本体側嵌合部と、前記本体側スカート部の下端に本体側摘み部を備え、
前記蓋体は、前記蓋体側フランジ部から下方へ延出する蓋体側スカート部に蓋体側嵌合部と、前記蓋体側スカート部の下端に蓋体側摘み部を備え、
前記本体側嵌合部と前記蓋体側嵌合部は互いに嵌合可能に構成され、
前記本体側摘み部と前記蓋体側摘み部は、平面視で互いに重なる位置に設けられ、
前記容器本体は、合成樹脂発泡シートから成形され、
前記蓋体側摘み部が前記蓋体側スカート部の下端よりも上方へ位置する、又は、前記本体側摘み部が前記本体側スカート部の下端よりも下方へ位置することで、前記蓋体側摘み部と前記本体側摘み部との間に隙間が設けられ、
前記蓋体側摘み部、及び/又は、前記本体側摘み部に屈曲可能な屈曲部を設けていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記本体側嵌合部に、前記容器本体の外側に突出する縦向きの凸リブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
合成樹脂製発泡シートから成形された、本体側フランジ部を有する容器本体と、合成樹脂製非発泡シートから成形された、蓋体側フランジ部を有する蓋体とを備えた包装用容器であって、
前記容器本体は、前記本体側フランジ部から下方へ延出する本体側スカート部に本体側嵌合部と、前記本体側スカート部の下端に本体側摘み部を備え、
前記蓋体は、前記蓋体側フランジ部から下方へ延出する蓋体側スカート部に蓋体側嵌合部と、前記蓋体側スカート部の下端に蓋体側摘み部を備え、
前記本体側嵌合部と前記蓋体側嵌合部は互いに嵌合可能に構成され、
前記容器本体の底面には、前記底面の外周に沿って、前記底面から下方へ向けて突出する凹部と、前記底面から上方へ向けて突出する凸部とが、隣接して設けられ、
前記蓋体が前記容器本体に嵌合した状態で、前記蓋体側嵌合部は、前記本体側スカート部の下端から、前記本体側スカート部の全高の1/3以下の範囲に配置されていることを特徴とする包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、惣菜や寿司等の食品を収容する包装用容器が、スーパーやコンビニエンスストア等で使用されている。
【0003】
包装用容器には、様々な種類があり、特許文献1の包装用容器は、発泡樹脂シートから構成される容器本体と、当該容器本体に嵌合する蓋体とを備えている。そして、容器本体は発泡樹脂シートから構成されているため、容器本体側には、蓋体との嵌合力を強くするための複雑で深い形状の被嵌合部を形成することは難しい。そのため、蓋体側に、嵌合力を強く維持するため、複雑で深い形状の嵌合部を形成している。そして、蓋体を容器本体に嵌合させる際は、蓋体側の嵌合部を、容器本体の発泡樹脂シートで出来た被嵌合部に押し入れるように嵌合させている。一方で、蓋体を容器本体から取り外す際は、容器本体の発泡樹脂シートで出来た被嵌合部が僅かに潰れるように変形することで、蓋体の嵌合部が容器本体の被嵌合部から外れる。そのため、蓋体を容器本体から取り外す際は、ある程度力を加える必要があるため、より簡単に蓋体と容器本体との嵌合を外せることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-132230
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、より簡単に蓋体と容器本体との嵌合を外せる包装用容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、本体側フランジ部を有する容器本体と、蓋体側フランジ部を有する蓋体とを備えた包装用容器であって、前記容器本体は、前記本体側フランジ部から下方へ延出する本体側スカート部に本体側嵌合部と、前記本体側スカート部の下端に本体側摘み部を備え、前記蓋体は、前記蓋体側フランジ部から下方へ延出する蓋体側スカート部に蓋体側嵌合部と、前記蓋体側スカート部の下端に蓋体側摘み部を備え、前記本体側嵌合部と前記蓋体側嵌合部は互いに嵌合可能に構成され、前記本体側摘み部と前記蓋体側摘み部は、平面視で互いに重なる位置に設けられ、前記容器本体は、合成樹脂発泡シートから成形され、前記蓋体側摘み部が前記蓋体側スカート部の下端よりも上方へ位置する、又は、前記本体側摘み部が前記本体側スカート部の下端よりも下方へ位置することで、前記蓋体側摘み部と前記本体側摘み部との間に隙間が設けられ、前記蓋体側摘み部、及び/又は、前記本体側摘み部に屈曲可能な屈曲部を設けていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、蓋体側摘み部と本体側摘み部の間に出来た隙間に指を入れて、蓋体側摘み部と本体側摘み部を摘まんで力を入れやすく、より簡単に蓋体と容器本体との嵌合を外せるのである。さらに、蓋体側摘み部、及び/又は、本体側摘み部に屈曲可能な屈曲部が設けられており、包装用容器の運搬時などに、摘み部が外部から衝撃を受けても、屈曲部周辺が屈曲して衝撃を吸収するため、蓋体と容器本体との嵌合が不用意に外れることはない。
【0008】
さらに、上記課題を解決するために、本願発明の請求項2に係る包装用容器は、前記本体側嵌合部に、前記容器本体の外側に突出する縦向きの凸リブを設けたことを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、蓋体を容器本体から外すと、蓋体の蓋体側嵌合部の一部が、合成樹脂発泡シートで形成された縦向きの凸リブを潰して破断させることになる。そして、潰れて破断した凸リブによって、蓋体と容器本体との嵌合状態を解除して蓋体を外した事を容易に認識でき、蓋体の不正な開封を発見できるのである。
【0010】
さらに、上記課題を解決するために、本願発明の請求項3に係る包装用容器は、合成樹脂製発泡シートから成形された、本体側フランジ部を有する容器本体と、合成樹脂製非発泡シートから成形された、蓋体側フランジ部を有する蓋体とを備えた包装用容器であって、前記容器本体は、前記本体側フランジ部から下方へ延出する本体側スカート部に本体側嵌合部と、前記本体側スカート部の下端に本体側摘み部を備え、前記蓋体は、前記蓋体側フランジ部から下方へ延出する蓋体側スカート部に蓋体側嵌合部と、前記蓋体側スカート部の下端に蓋体側摘み部を備え、前記本体側嵌合部と前記蓋体側嵌合部は互いに嵌合可能に構成され、前記容器本体の底面には、前記底面の外周に沿って、前記底面から下方へ向けて突出する凹部と、前記底面から上方へ向けて突出する凸部とが、隣接して設けられ、前記蓋体が前記容器本体に嵌合した状態で、前記蓋体側嵌合部は、前記本体側スカート部の下端から、前記本体側スカート部の全高の1/3以下の範囲に配置されていることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、本体側スカート部が、自重により垂れ下がった場合でも、蓋体側嵌合部が低い位置に配置されているため、蓋体側嵌合部が本体側スカート部の本体側嵌合部に確実に嵌合できるのである。また、本体側スカート部240が、自重により垂れ下がった場合は、蓋体側嵌合部150と本体側嵌合部250の嵌合位置が上下にズレるが、蓋体100と容器本体200の両方のそれぞれに、蓋体側摘み部160及び本体側摘み部260を設けているので、嵌合位置がズレても、蓋体100と容器本体200との嵌合を容易に外すことができる。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の包装用容器は、より簡単に蓋体と容器本体との嵌合を外せる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器の蓋体の平面図、(b)は、蓋体の正面図、(c)は、蓋体の側面図である。
図2】(a)は、蓋体のコーナー部付近を拡大した平面図、(b)は、蓋体のコーナー部付近を拡大した正面図である。
図3】(a)は、蓋体のコーナー部側から見た側面図、(b)は、A―A端面図である。
図4】(a)は、容器本体の平面図、(b)は、容器本体の正面図、(c)は、容器本体の側面図である。
図5】(a)は、容器本体のコーナー部付近を拡大した平面図、(b)は、容器本体の辺部付近を拡大した正面図である。
図6】(a)は、容器本体のコーナー部側から見た側面図、(b)は、B―B端面図である。
図7】(a)は、包装用容器の平面図、(b)は、包装用容器の正面図、(c)は、包装用容器の側面図である。
図8】(a)は、包装用容器のコーナー部付近を拡大した平面図、(b)は、包装用容器のコーナー部付近を拡大した正面図である。
図9】(a)は、包装用容器のコーナー部側から見た側面図、(b)は、C―C端面図である。
図10】本願発明の実施形態2にかかる包装用容器を示すもので、図9(b)と同様に、包装用容器のコーナー部付近の端面図である。
【符号の説明】
【0014】
100 蓋体
130 蓋体側フランジ部
140 蓋体側スカート部
141 下端
150 蓋体側嵌合部
160 蓋体側摘み部
200 容器本体
230 本体側フランジ部
240 本体側スカート部
241 下端
250 本体側嵌合部
260 本体側摘み部
300 包装用容器
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願発明の各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、包装用容器を水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0016】
<実施形態1>
まず、図1から3に、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器300の蓋体100を示す。なお、図1(a)は、蓋体100の平面図、図1(b)は、蓋体100の正面図、図1(c)は、蓋体100の側面図、図2(a)は、蓋体100のコーナー部101付近を拡大した平面図、図2(b)は、蓋体100のコーナー部101付近を拡大した正面図、図3(a)は、蓋体100のコーナー部101側から見た側面図、図3(b)は、A―A端面図である。
【0017】
図1から図3に示すように、蓋体100は、非発泡樹脂シートから構成され、下方に開口した深皿型で、四隅にコーナー部101を備えた平面視略長方形状をしており、平坦で水平方向に広がる天面110と、当該天面110から下方へ向けて連続する側面120と、当該側面120から外側へ延出する平坦な蓋体側フランジ部130と、当該蓋体側フランジ部130から下方へ延出する蓋体側スカート部140とを備える。そして、側面120、蓋体側フランジ部130、及び蓋体側スカート部140は、蓋体100の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、蓋体100は平面視略長方形状となっているが、これに限定されず、平面視略多角形や平面視略円形等、任意の形状とすることができる。
【0018】
さらに、蓋体100のコーナー部101の側面120には、天面110から蓋体側フランジ部130へ向けて延出する面取部102が設けられている。この面取部102は、凹凸のない平坦な面状に形成されており、内部の収容物の視認性を高めると共に、コーナー部101付近の剛性を高めている。また、蓋体100のコーナー部101の側面120には、側面視略三角形状の凸部115が設けられており、この凸部115は、蓋体100を容器本体に嵌合させる際に、蓋体100のコーナー部101の側面120周辺を補強している。さらに、蓋体100のコーナー部101の側面120には、凸部115よりも小さな側面視略三角形状の凸部116が設けられており、この凸部116は、蓋体100のコーナー部101周辺が潰れないように補強している。また、図1(b)及び図2(b)に示すように、正面視で、面取部102の端辺103の角度α、すなわち、端辺103の水平方向に対する角度が、約90度になっているので、蓋体100の見栄えが良いのである。
【0019】
また、蓋体100のコーナー部101に位置する蓋体側スカート部140には、内側へ凸状の蓋体側嵌合部150が設けられている。図2及び図3に示すように、蓋体側嵌合部150は複数設けられており、コーナー部101の中央に位置する蓋体側嵌合部150と、中央に位置する蓋体側嵌合部150の両側に位置する、2つの蓋体側嵌合部150を備える。中央の蓋体側嵌合部150と、両側の蓋体側嵌合部150は、平面視で略L字状に配置されており、後述する容器本体200のコーナー部201の本体側嵌合部250にしっかりと嵌合することができる。なお、蓋体側嵌合部150は、各コーナー部101に3つ設けられているが、これに限定されず、任意の場所に任意の数設けてもよい。
【0020】
また、蓋体100のコーナー部101に位置する蓋体側スカート部140には、平坦な蓋体側摘み部160が設けられている。図3に示すように、蓋体側摘み部160は、蓋体側スカート部140の下端141よりも上方へ位置するように配置されている。そのため、蓋体側摘み部160と下端141の間には、隙間X1が設けられている。また、蓋体側摘み部160には、屈曲部161が設けられており、この屈曲部161が屈曲することで、蓋体側摘み部160は上下に弾性変形することができる。
【0021】
なお、蓋体100は、厚さが約0.1mmから1.0mm(ミリメートル)程度のシート状の非発泡樹脂を用いて、容器成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形、真空圧空成形等)されたものであり、例えば、蓋体100の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものなどを用いることができる。
【0022】
次に、図4から図6に、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器300の容器本体200を示す。なお、図4(a)は、容器本体200の平面図、図4(b)は、容器本体200の正面図、図4(c)は、容器本体200の側面図、図5(a)は、容器本体200のコーナー部201付近を拡大した平面図、図5(b)は、容器本体200の辺部202付近を拡大した正面図、図6(a)は、容器本体200のコーナー部201側から見た側面図、図6(b)は、B―B端面図である。
【0023】
図4から図6に示すように、容器本体200は、合成樹脂発泡シートから構成され、上方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部201を備えた平面視略長方形状をしており、平坦で水平方向に広がる底面210と、当該底面210から下方へ向けて膨出した凹部である脚部220と、底面210から外側へ延出する平坦な本体側フランジ部230と、当該本体側フランジ部230から下方へ延出する本体側スカート部240とを備える。そして、本体側フランジ部230、及び本体側スカート部240は、容器本体200の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、容器本体200は平面視略長方形状となっているが、これに限定されず、平面視略多角形や平面視略円形等、任意の形状とすることができる。
【0024】
また、容器本体200のコーナー部201に位置する本体側スカート部240には、内側へ凹状の本体側嵌合部250が設けられている。図5及び図6に示すように、本体側嵌合部250は複数設けられており、コーナー部201の中央に位置する本体側嵌合部250と、中央に位置する本体側嵌合部250の両側に位置する、2つの本体側嵌合部250を備える。中央の本体側嵌合部250と、両側の本体側嵌合部250は、平面視で略L字状に配置されており、蓋体100のコーナー部101の蓋体側嵌合部150にしっかりと嵌合することができる。なお、本体側嵌合部250は、各コーナー部201に3つ設けられているが、これに限定されず、任意の場所に任意の数設けてもよい。また、本体側嵌合部250には、容器本体200の外側へ向けて突出する凸リブ251が設けられている。この凸リブ251は、上下方向へ縦向きに延出している。
【0025】
また、容器本体200のコーナー部201に位置する本体側スカート部240には、平坦な本体側摘み部260が設けられている。図6に示すように、本体側摘み部260は、本体側スカート部240の下端241と同一平面に配置されている。また、本体側摘み部260と本体側スカート部240の下端241の境目には、屈曲部261が設けられており、蓋体100の取り外し時に、本体側摘み部260を指で摘まんで曲げやすくなっている。
【0026】
また、図4に示すように、底面210には、底面210の外周に沿って、底面210から上方へ突出する凸部215が設けられている。この凸部215は、底面210の上に載置された収容物が外側へ落下することを防止している。また、容器本体200のコーナー部201には凸部215が設けられていないが、隣接する凸部215の最短距離L1を、45mm(ミリメートル)以下に設定している。これにより、底面210のコーナー部201周辺に載置された収容物(例えば、握り寿司など)が、凸部215の間から外側へ落下することを防止できる。また、コーナー部201に位置する底面210は、平坦面となっているので、長尺状の収容物(例えば、巻き寿司など)を、底面210のコーナー部201付近まで綺麗に載置できる。
【0027】
また、図4及び図5に示すように、底面210において、コーナー部201の間の辺部202では、凸部215と本体側フランジ部230の間に溝部270が設けられている。この溝部270は、蓋体100が容器本体200に取り付けられた際に、蓋体100の側面120の下端から垂れる結露などの水分等を溜めることができる。また、図5(b)に示すように、溝部270は、隣接する脚部220の凹部221に連続しているので、溝部270に集水した水分等を凹部221へと流すことができる。さらに、溝部270の底部271は、脚部220の凹部221へ向けて下方へ傾斜しているので、集水した水分等を凹部221へとより効果的に流すことができる。
【0028】
また、容器本体200は、厚さが約1mmから2.2mm程度の合成樹脂発泡シートを用いて、熱成形されたものであり、例えば、容器本体200の素材としては、発泡させたポリプロピレン、ポリスチレンなどを用いることができ、発泡倍率は特に限定しないが、通常2~20倍程度である。
【0029】
次に、図7から図9に、蓋体100を容器本体200に取り付けた状態の包装用容器300を示す。なお、図7(a)は、包装用容器300の平面図、図7(b)は、包装用容器300の正面図、図7(c)は、包装用容器300の側面図、図8(a)は、包装用容器300のコーナー部301付近を拡大した平面図、図8(b)は、包装用容器300のコーナー部301付近を拡大した正面図、図9(a)は、包装用容器300のコーナー部301側から見た側面図、図9(b)は、C―C端面図である。
【0030】
図7から図9に示すように、蓋体100が容器本体200の上から被せられるように取り付けられ、包装用容器300は密閉される。その際、包装用容器300のコーナー部301では、蓋体100の蓋体側嵌合部150が、容器本体200の本体側嵌合部250にしっかりと嵌合している。また、図9(b)に示すように、蓋体100の蓋体側フランジ部130と蓋体側スカート部140のそれぞれが、容器本体200の本体側フランジ部230と本体側スカート部240を外側から覆っているので、外部から包装用容器300内部にゴミ等が侵入することを防止できる。なお、図7に示すように、包装用容器300の外縁においては、蓋体100の蓋体側スカート部140の下端141と、容器本体200の本体側スカート部240の下端241が、上下に揃って同じ位置になっているので、蓋体100の蓋体側スカート部140の下端141が手や物に引っ掛かって、蓋体100が不用意に外れることを防止できる。
【0031】
そして、蓋体100を容器本体200から取り外す際は、図9に示すように、蓋体100の蓋体側摘み部160を一方の手の指で摘まみ、容器本体200の本体側摘み部260を他方の手の指で摘まみ、蓋体100の蓋体側摘み部160を上方へ持ち上げるように力を加える。一方、容器本体200の本体側摘み部260は他方の手の指で保持又は下方へ押されるので、合成樹脂発泡シートで形成された本体側嵌合部250は内側へ潰れるように変形する。そのため、蓋体100の蓋体側嵌合部150と容器本体200の本体側嵌合部250との嵌合は容易に外れ、蓋体100を容器本体200から簡単に取り外すことができる。特に、蓋体100の蓋体側摘み部160が蓋体側スカート部140の下端141よりも上方へ位置しているので、蓋体側摘み部160と本体側摘み部260の間には、隙間X1が確保されている。そのため、指を隙間X1に入れて、蓋体側摘み部160と本体側摘み部260を摘まんで力を入れやすく、より簡単に蓋体100と容器本体200との嵌合を外せるのである。
【0032】
また、蓋体100の蓋体側摘み部160と容器本体200の本体側摘み部260は、平面視で互いに重なる位置に設けられているので、蓋体側摘み部160と本体側摘み部260とが上下に離れるように、両方の指で力を入れやすく、より簡単に蓋体100と容器本体200との嵌合を外せるのである。なお、蓋体100の蓋体側摘み部160全体と容器本体200の本体側摘み部260全体が、平面視で互いに重なる位置に設けられているが、これに限定されず、蓋体100の蓋体側摘み部160の一部と、容器本体200の本体側摘み部260の一部が、平面視で互いに重なる位置に設けられてもよい。
【0033】
なお、図9(b)に示すように、蓋体側スカート部140の下端141は、本体側摘み部260に当接している。そのため、蓋体側摘み部160を上方へ屈曲させて持ち上げると、蓋体側摘み部160に連結された蓋体側スカート部140の下端141が下方へ押し込まれて、蓋体側スカート部140の下端141が本体側摘み部260を下方へ押し込む。すると、隙間X1が更に広くなるので、指が入れやすくなる。
【0034】
また、蓋体側摘み部160には、屈曲部161が設けられているので、包装用容器300の運搬時などに、蓋体側摘み部160が外部から衝撃を受けても、屈曲部161周辺が屈曲して衝撃を吸収するので、蓋体100と容器本体200との嵌合が不用意に外れることはない。同様に、本体側摘み部260には、屈曲部261が設けられているので、包装用容器300の運搬時などに、本体側摘み部260が外部から衝撃を受けても、屈曲部261周辺が屈曲して衝撃を吸収するので、蓋体100と容器本体200との嵌合が不用意に外れることはない。なお、蓋体側摘み部160と本体側摘み部260の両方に、屈曲部が設けられているが、これに限定されず、蓋体側摘み部160と本体側摘み部260の両方に屈曲部を設けない、もしくは、蓋体側摘み部160又は本体側摘み部260の片方にのみ屈曲部を設けてもよい。さらに、屈曲部は、直線状に形成されているが、これに限定されず、外力を吸収できるのであれば、任意の形状で任意の位置に形成してもよい。
【0035】
また、本体側嵌合部250には、容器本体200の外側へ向けて突出する凸リブ251が設けられているので、蓋体100を容器本体200から外すと、蓋体100の蓋体側嵌合部150の一部が、合成樹脂発泡シートで形成された縦向きの凸リブ251を潰して破断させることになる。そして、潰れて破断した凸リブ251によって、蓋体100と容器本体200との嵌合状態を解除して蓋体100を外した事を容易に認識でき、蓋体100の不正な開封を発見できるのである。
【0036】
また、図4から図6に示すように、容器本体200は、底面210の外周に沿って、底面210から下方へ向けて突出した凹部である脚部220と、底面210から上方へ突出する凸部215とを隣接させて備えている。 容器本体200の強度(剛性)を保つためには、シート厚みを厚くする必要がある。シート厚みを厚くする手法の一例として、容器成形時にシートを加熱するヒーターの加熱時間を長くする及び/又はヒーターの加熱温度を高くする方法が挙げられる。ただし、ヒーターの加熱時間を長くする及び/又はヒーターの加熱温度を高くすると、熱成形後、容器が冷えるまでに時間を要するため、その間に、底面210の外周に沿って成形された本体側スカート部240が、自重により垂れ下がるように湾曲する場合がある。図4から図6に示すように、容器本体200の隣接する凹部(脚部220)と凸部215によって、底面210の外周に沿って凹凸の高低差が大きい形状となる容器は特に、合成樹脂発泡シートを用いて熱成形した際に、凹凸部分のシート厚みが薄くなるため、合成樹脂発泡シートの湾曲する変形量が大きくなりやすい。すると、本体側スカート部240に設けられた本体側嵌合部250の位置が下方へズレるため、蓋体100の蓋体側嵌合部150と上手く嵌合できないという問題が生じうる。
【0037】
しかしながら、図9(b)に示すように、本願発明の包装用容器300では、蓋体100を容器本体200に嵌合させた状態で、蓋体側嵌合部150が、本体側スカート部240の下端241から、本体側スカート部240の全高H1の1/3以下の高さH2(H2=H1×1/3)の範囲内に配置されている。そのため、本体側スカート部240が、自重により垂れ下がった場合でも、蓋体側嵌合部150が低い位置に配置されているから、蓋体側嵌合部150が本体側スカート部240の本体側嵌合部250に確実に嵌合できるのである。
【0038】
また、本体側スカート部240が、自重により垂れ下がった場合は、蓋体側嵌合部150と本体側嵌合部250の嵌合位置が上下にズレるが、蓋体100と容器本体200の両方のそれぞれに、蓋体側摘み部160及び本体側摘み部260を設けているので、嵌合位置がズレても、蓋体100と容器本体200との嵌合を容易に外すことができる。なお、蓋体100と容器本体200の両方に、摘み部(蓋体側摘み部160及び本体側摘み部260)を設けているが、これに限定されず、蓋体100と容器本体200の両方に、摘み部を設けなくてもよい。また、蓋体100と容器本体200の片方のみに、摘み部を設けてもよい。
【0039】
なお、容器本体200は、長辺側の辺部202に沿って凸部215を備え、コーナー部201に凹部(脚部220)を備えているが、これに限定されず、底面210の外周に沿っていれば、凸部215と凹部(脚部220)は任意の位置に配置でき、例えば、辺部202に沿って凹部(脚部220)を備え、コーナー部201に凸部215を備えてもよい。また、容器本体200のコーナー部201に位置する本体側スカート部240に、本体側嵌合部250が設けられているが、これに限定されず、本体側嵌合部250は、本体側スカート部240の任意の位置に配置でき、例えば、辺部に位置する本体側スカート部240や、本体側スカート部240の全周に、本体側嵌合部250を設けてもよい。また、本体側嵌合部250は、凹部(脚部220)の外側の本体側スカート部240に設けられ、凸部215の外側の本体側スカート部240に設けられていないが、これに限定されず、本体側嵌合部250を、凹部(脚部220)の外側の本体側スカート部240に設けず、凸部215の外側の本体側スカート部240に設ける、又は、本体側嵌合部250を、本体側スカート部240の全周に設けてもよい。いずれの場合であっても、蓋体側嵌合部150が低い位置に配置されているため、蓋体側嵌合部150が本体側スカート部240の本体側嵌合部250に確実に嵌合できる。
【0040】
<実施形態2>
次に、図10に、本願発明の実施形態2にかかる包装用容器300Aを示す。なお、図10は、図9(b)と同様に、包装用容器300Aのコーナー部301A付近の端面図を示している。また、実施形態2にかかる包装用容器300Aは、蓋体100Aの蓋体側摘み部160Aと容器本体200Aの本体側摘み部260Aの構成が実施形態1にかかる包装用容器300と異なるだけで、他の構成は、実施形態1にかかる包装用容器300と基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。
【0041】
図10に示すように、蓋体100Aの平坦な蓋体側摘み部160Aは、蓋体側スカート部140Aの下端141Aと同一平面に配置されている。一方、容器本体200Aの平坦な本体側摘み部260Aは、本体側スカート部240Aの下端241Aよりも下方へ位置している。そのため、容器本体200Aの本体側摘み部260Aの上方には、隙間X2が確保されている。これにより、指を隙間X2に入れて、蓋体側摘み部160Aと本体側摘み部260Aを摘まんで力を入れやすく、より簡単に蓋体100Aと容器本体200Aとの嵌合を外せるのである。なお、蓋体100Aの蓋体側摘み部160Aは、蓋体側スカート部140Aの下端141Aと同一平面に配置されているが、これに限定されない。例えば、蓋体100Aの蓋体側摘み部160Aが、蓋体側スカート部140Aの下端141Aよりも上方へ位置すると共に、容器本体200Aの本体側摘み部260Aも、本体側スカート部240Aの下端241Aより下方へ位置してもよい。すると、蓋体側摘み部160Aと本体側摘み部260Aとの間の隙間が更に広くなり、指を入れやすくなる。
【0042】
なお、本願発明の包装用容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
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図5
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図8
図9
図10