(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101198
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】玉軸受及び軸受装置
(51)【国際特許分類】
F16C 19/06 20060101AFI20240722BHJP
F16C 33/58 20060101ALI20240722BHJP
F16C 33/32 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
F16C19/06
F16C33/58
F16C33/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005026
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 武仁
(72)【発明者】
【氏名】深間 翔平
(72)【発明者】
【氏名】竹田 吉稀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠介
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA02
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA53
3J701BA54
3J701BA56
3J701CA40
3J701EA41
3J701FA31
3J701FA60
3J701GA01
3J701GA24
3J701GA51
3J701XB03
3J701XB13
3J701XB14
3J701XB26
3J701XB50
(57)【要約】
【課題】高速回転の条件下に適用できる軸受を実現できるようにする。
【解決手段】内輪3及び外輪4と、内輪3及び外輪4との間に配置される玉5と、玉5を周方向に沿って保持する保持器10とを備え、玉5の直径Da、玉5の数で規定される転動体数Z、外輪4の外径で規定される軸受外径D、内輪3の内径で規定される軸受内径d、ピッチ円直径P.C.D.として、
Da/((D-d)/2)≦0.51、
且つ、Z≧6、
且つ、(Da×Z)/ P.C.D.≦1.15が成立している深溝玉軸受とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪(3)及び外輪(4)と、前記内輪(3)及び前記外輪(4)との間に配置される玉(5)と、前記玉(5)を周方向に沿って保持する保持器(10)とを備え、
前記玉(5)の直径Da、前記玉(5)の数で規定される転動体数Z、前記外輪(4)の外径で規定される軸受外径D、前記内輪(3)の内径で規定される軸受内径d、ピッチ円直径P.C.D.として、
Da/((D-d)/2)≦0.51
且つ、
Z≧6
且つ、
(Da×Z)/ P.C.D.≦1.15
が成立している深溝玉軸受。
【請求項2】
3<(P.C.D./Da)<15
且つ、前記内輪(3)の溝底径d2として、
d2/d≧1.05
が成立している請求項1に記載の深溝玉軸受。
【請求項3】
dmn値={(D+d)/2}×n
ただし、n:回転数(rpm)
で規定されるdmn値が82万以上で使用され、
前記保持器(10)の材質がポリアミド及び強化繊維、又は、ポリフェニレンサルファイド及び強化繊維を含んでいる請求項1に記載の深溝玉軸受。
【請求項4】
前記玉(5)の材質はセラミックスを含んでいる請求項1に記載の深溝玉軸受。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つの深溝玉軸受を使用し、駆動モータの回転軸を回転自在に支持する軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、玉軸受及び軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車、建設用機械等の各種車両、その他、各種産業用機械等において、駆動モータを備えた変速機(増減速機)等の回転軸には、多数の軸受が用いられている。これらの機器類に用いられる軸受は、一般的な機器類で軸支持に使用される軸受と比べて、高速回転で使用されることが一般的である。また、近年では、電動自動車等の普及により、更なる高速回転に対応できる軸受が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1では、玉軸受形式の転がり軸受が備える転動体に、セラミック球を使用することで、転動体に作用する遠心力を小さくした技術が開示されている。転動体に作用する遠心力を小さくすることで、外輪の軌道面に作用する接触面圧を低減し、軸受の回転寿命を向上できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、転動体としてセラミック球を採用することにより、外輪の軌道面に作用する接触面圧を低減している。しかし、この軸受を、更なる高速回転の条件の下で使用した場合、転動体に作用する遠心力の低減が不充分である場合も想定される。また、保持器が遠心力によって変形することで、保持器のポケットと転動体とのクリアランスが詰まり、潤滑不良が発生する場合もある。このため、更なる高速回転の条件下に適用できる軸受が求められている。
【0006】
そこで、この発明の課題は、軸受をより高速回転の条件下に適用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、この発明は、内輪及び外輪と、前記内輪及び前記外輪との間に配置される玉と、前記玉を周方向に沿って保持する保持器とを備え、前記玉の直径Da、前記玉の数で規定される転動体数Z、前記外輪の外径で規定される軸受外径D、前記内輪の内径で規定される軸受内径d、ピッチ円直径P.C.D.として、
Da/((D-d)/2)≦0.51
且つ、
Z≧6
且つ、
(Da×Z)/ P.C.D.≦1.15
が成立している深溝玉軸受を採用できる(構成1)。
【0008】
また、3<(P.C.D./Da)<15
且つ、前記内輪の溝底径d2として、
d2/d≧1.05
が成立している深溝玉軸受を採用できる(構成2)。
【0009】
また、dmn値={(D+d)/2}×n
ただし、n:回転数(rpm)
で規定されるdmn値が82万以上で使用され、前記保持器の材質がポリアミド及び強化繊維、又は、ポリフェニレンサルファイド及び強化繊維を含んでいる深溝玉軸受を採用できる(構成3)。
【0010】
さらに、前記玉の材質はセラミックスを含んでいる構成を採用できる(構成4)。ここで、前記構成1に対して、前記構成2,3,4の中から選択される単一の又は複数の要素を付加することができる。
【0011】
これらの各態様からなる深溝玉軸受を使用し、駆動モータの回転軸を回転自在に支持する軸受装置を採用できる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、より高速回転の条件下に適用できる軸受を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】軸芯の振れ量と転動体数との関係を示すグラフ図
【
図4】この発明の設計例1における遠心力解析を示す図
【
図5】遠心力及び熱量膨張による発生応力解を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の一実施形態の転がり軸受1を、図面に基づいて説明する。
【0015】
転がり軸受1は玉軸受であり、
図1及び
図2に示すように、内輪3及び外輪4と、内輪3及び外輪4との間に配置される複数の転動体5と、転動体5を周方向に沿って保持するポケット11を有する保持器10とを備えている。実施形態では、転動体5として球体(鋼球)を採用しているので、以下、これを玉5と称する。また、この玉軸受形式の転がり軸受1を、以下、単に軸受1と称する。また、軸受1の軸受中心軸に沿った方向を単に「軸方向」と称し、軸方向に直交する方向を単に「半径方向」と称し、軸受中心軸回りの円周方向を単に「周方向」と称する。
【0016】
保持器10は、エンジニアリングプラスチックと強化繊維で成形された冠形保持器である。保持器10は、環状を成す基部12と、その基部12から軸方向へ向かって突出する複数の柱部13とを備えている。周方向に沿って並列する2本1組の柱部13,13が、周方向に沿って一定の間隔で設けられている。その2本1組で構成される柱部13と柱部13の間が、凹状のポケット11となっている。保持器10の外径面は、段差のない湾曲面(円筒面)である。保持器10は、ポケット11の部分で外径面と内径面とが連通している。
【0017】
柱部13の先端は保持爪14となっている。ポケット11を挟む両側の保持爪14,14同士は、互いに接近する方向に湾曲している。なお、周方向に隣り合うポケット11とポケット11との間において、隣接する柱部13,13同士がポケット11の背面側で互いに連結されていてもよい。ポケット11によって保持された玉5は、ポケット11で保持されつつ、内輪3の軌道面3aと外輪4の軌道面4aとの間で公転する。
【0018】
内輪3は、その内径部3bに図示しない回転軸が固定され、その回転軸と一体に周方向へ回転する。外輪4は、同じく図示しないハウジング、ギア等の部材であって、回転軸からの荷重を負荷させる固定部材に取り付けられる。これにより、軸受1は、固定部材に対して回転軸を回転自在に支持する。ここでいう回転軸としては、例えば、電動車両等の電動輸送機器が備える駆動モータの回転軸、あるいは、それらの電動輸送機器が備える減速機又は増速機の回転軸が挙げられる。なお、軸受1の軸受中心軸と、回転軸の回転中心軸とは同軸に設定されている。
【0019】
軸受1の組付け時において、軸受内部空間2には、グリース等の適宜の潤滑剤が封入されている。また、使用時において、軸受内部空間2内へは、その軸受内部空間の軸方向端部の開口を通じて外部から潤滑剤(潤滑油)が供給される。
【0020】
駆動モータや変速機等の機器を潤滑する潤滑油中には、ギアの摩耗粉、クラッチの摩耗粉、その他、軸受1の組み込み先の機器に応じた異物が介在する。これらの異物は、潤滑油中に浮遊せずに、いずれかの箇所に捕捉されることが望ましい。また、軸受1が、これらの駆動モータや変速機等の機器と共通の潤滑油で潤滑されている場合には、異物の介在はさらに多くなる。このため、軸受内部空間2の軸方向端部の開口に、適宜シール部材(図示せず)が取り付けられる場合が多い。
【0021】
玉5の材質には、セラミックスを使用している。この実施形態では、そのセラミックスとして窒化物系セラミックス(Si3N4)を用いている。玉5にセラミックスを使用することで、玉5に作用する遠心力を小さくし、外輪4の軌道面4aに作用する接触面圧を低減している。これにより、従来の一般的な玉軸受よりも高速領域での運転を可能としている。
【0022】
さらに、この発明では、軸受1が支持する回転軸の回転速度と、その回転軸から軸受1に作用する荷重に対して、最適な玉5の径、玉5の個数、軸受1のピッチ円直径を設定することで、玉5や保持器10に作用する遠心力を低減し、更なる高速領域での運転を可能にしている。
【0023】
具体的には、玉5の直径Da(mm)、玉5の数で規定される転動体数Z、外輪4の外径(直径)で規定される軸受外径D(mm)、内輪3の内径(直径)で規定される軸受内径d(mm)、ピッチ円直径P.C.D.(mm)として、
Da/((D-d)/2)≦0.51・・・(式1)
且つ、
Z≧6・・・(式2)
且つ、
(Da×Z)/ P.C.D.≦1.15・・・(式3)
が成立するように、軸受1の諸元を設定している。結果的に、従来の標準品よりも玉5の直径Daを数ランク小さく設定でき、また、転動体数Zも数個減らした数値を設定できる。
【0024】
ここで、ピッチ円直径P.C.D.と玉5の直径Daとの関係において、遠心力を低減するためには玉5の直径Daは小さいほどよいといえる。それにより、保持器10の帯幅W(半径方向への幅)も小さくなる。しかし、軸受1の外径(軸受外径D)が大径であればあるほど、保持器10の帯幅が小さい場合に、製造時における保持器10の成形不能(例えば、基部12や柱部13の強度不足)や、保持器10全体の剛性不足が発生する可能性が高くなる。このような危惧を回避するために、ピッチ円直径P.C.D.と保持器10の帯幅Wは以下の関係式が成立することが望ましい。
8<ピッチ円直径P.C.D./帯幅W<28・・・(式4)
【0025】
また、玉5の直径Daにより必要な保持器10の帯幅Wが決定する。これにより、ピッチ円直径P.C.D.と玉5の直径Daの比は、以下の関係式で示す範囲に設定されることが望ましい。これにより、軸受1のピッチ円直径P.C.D.に対する玉5の直径Daの下限値が決定する。
3<(P.C.D./Da)<15・・・(式5)
【0026】
ここで、転動体数Zと軸芯振れ量δの関係について検討する。軸受1が剛体であると仮定すると、微視的には内輪3は転動体である玉5を乗り越えながら回転する。このときに発生する軸芯振れ量δと転動体数Zの関係を
図3に示す。ここで、計算条件として、 深溝玉軸受の軸受品番6307、ラジアルすきま5μmとしている。
図3に示すように、横軸に示す転動体数Zが増加すると、縦軸に示す軸芯振れ量δが減少しており、軸芯振れ量δが転動体数Zに対して概ね反比例のような関係にあることが確認できる。また、転動体数Zを5以下にすると、転動体数Zが6以上の場合と比較して、急激に軸芯振れ量δが増大するのがわかる。このため、転動体数Zは6以上が適切である。これは、他の品番の深溝玉軸受においても概ね同様である。
【0027】
つぎに、軌道輪の溝底径の設定について検討する。軸受1の高速化のためには、ピッチ円直径P.C.D.を小さくし、転動体である玉5の公転速度を下げることが有利である。しかし、ピッチ円直径P.C.D.を小さくすると、内輪3の溝底肉厚t0が小さくなり、熱処理変形が大きくなるという問題がある。このため、内輪3の溝底肉厚t0に下限を設定する必要がある。一般的には、内輪3の溝底径d2と内輪3の内径(軸受内径d)は以下の式を満たす必要がある。
溝底径d2≧軸受内径d×1.05
すなわち、
d2/d≧1.05・・・(式6)
として、溝底肉厚t0を確保することが望ましい。
【0028】
以下、設計例を説明する。計算条件として、深溝玉軸受の軸受品番6308、回転軸の軸径40mm、ラジアル過重(ロータ重量)130N(65N/軸受)、アキシアル荷重(予圧)390N/軸受)、回転速度15000min-1、要求寿命1000hとしている。設計フローは以下のとおりである。
【0029】
(1)客先指定により、回転軸の軸径(内輪3の内径(軸受内径d))が決定
(2)溝底径d2を決定
(3)ピッチ円直径P.C.D.と玉5の直径Daを決定
(4)客先要求寿命、荷重、回転速度より転動体数Zを決定
【0030】
上記設計フロー(1)~(4)により、例えば、以下の軸受1が設計される(設計例1)。
図1及び
図2は、この設計例1に対応している。
軸受品番:6908
溝底肉厚t0:42.531mm
玉5の直径Da:3.96875mm
転動体数Z:6
ピッチ円直径P.C.D.:46.5mm
保持器10の帯幅W:1.9mm
動定格荷重:3050N
寿命:1246h
【0031】
この設計例1の軸受1に対し、遠心力解析から、
図4に遠心力及び熱膨張による圧力フリンジの結果を示す。
図4によれば、保持器10と外輪4との対向部(
図2に示す隙間g部分参照)で、圧力フリンジが0Mpaのため、保持器10と外輪4との間で接触はない。また、保持器10のポケット11と玉5とのクリアランスが過度に詰まることで、潤滑不良が発生することもない。したがって、高速化に対応した適切な遠心力の低減が行われているといえる。
【0032】
また、この設計例1の軸受1に対し、
図5に遠心力及び熱量膨張による発生応力及び最大応力箇所の解析結果を示す。
図5によれば、保持器10に作用する最大発生応力24.9Mpaで基準値以下のため、保持器10に割れが発生しない。
【0033】
この発明の軸受1によれば、
dmn値={(D+d)/2}×n
ただし、軸受外径D(mm)、軸受内径d(mm)、回転数n(rpm)
で規定されるdmn値が82万以上で使用される環境下においても、遠心力を抑制することで保持器10の変形を抑えることができる。このため、保持器10のポケット11と玉5とのクリアランスが詰まることで潤滑不良が発生することを防止でき、また、保持器10と外輪4との干渉も防止される。したがって、従来よりも高速回転の条件下に適用できる軸受1を実現できる。なお、玉5として使用するセラミックスは素材コストが高いため、この発明によれば、玉5の直径Daを小さくでき、且つ、転動体数Zを少なくすることで、玉5の総体積を小さくできるという利点もある。
【0034】
図6に示す従来品の軸受1’と、
図1に示す実施形態の軸受1とを比較する。
図6では、内輪3’、外輪4’、玉5’、保持器10’等として、符号に「’」を付けて、
図1及び
図2と区別している。
【0035】
互いの諸元は、軸受外径D、軸受内径d、軸受幅w1、その他、荷重条件、回転数等の使用条件等で共通している。
図1のセラミックス製の玉5の直径Daは、
図6の鋼球からなる玉5’の直径Da’よりも小さく、また、転動体数Zは、
図1の軸受1は
図6の軸受1’よりも少なく設定されている。また、
図1のピッチ円直径P.C.D.は、
図6のピッチ円直径P.C.D.’よりも小さくなっている。その結果、
図6では内輪3の肉厚t1’と外輪4の肉厚t2’が等しかったのに対し、
図1の内輪3の肉厚t1は、
図6の内輪3の肉厚t1’よりも小さく(薄く)、逆に、
図1の外輪4の肉厚t2は、
図6の外輪4の肉厚t2’よりも大きく(厚く)なっている。このように、内輪3の肉厚t1が外輪4の肉厚t2よりも薄くなる点も、この発明の特徴である。
【0036】
上記の実施形態では、保持器10の材質として、エンジニアリングプラスチックと強化繊維との複合物を用いたが、エンジニアリングプラスチックとしては、特に、ポリフェニレンサルファイドが好適である。このため、保持器10の材質として、ポリフェニレンサルファイド及び強化繊維を含んでいる構成とするのが好ましい。また、保持器10の材質は、エンジニアリングプラスチックには限定されず、例えば、ポリアミド及び強化繊維を含んでいる構成としてもよい。
【0037】
上記の実施形態では、玉5の材質をセラミックスのみとしたが、玉5の材質はセラミックスを含んでいればよく、例えば、玉5の中心部を除き、外周部のみをセラミックスとした態様も考えられる。さらに、玉5の材質をセラミック以外、例えば、クローム鋼、炭素鋼、ステンレス等の鋼材とすることも可能である。
【0038】
上記の実施形態では、軸受1が支持する回転軸として、電動車両等の電動輸送機器が備える駆動モータの回転軸、あるいは、それらの電動輸送機器が備える減速機又は増速機の回転軸を例に挙げたが、それ以外にも、各種輸送機器、産業用機械等における回転軸の支持部にも、この発明の軸受1、及び、その軸受1を用いた軸受装置を適用できる。例えば、各種輸送機器における動力伝達経路のシャフト、等速ジョイント、プロペラシャフト、過給機、トランスミッション、ホイール軸受の回転部、あるいは、各種工作機械、発電機等の回転軸の支持部にも適用できる。
【0039】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0040】
1 玉軸受
3 内輪
4 外輪
5 玉(転動体)
10 保持器