IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三協立山株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-開き窓 図1
  • 特開-開き窓 図2
  • 特開-開き窓 図3
  • 特開-開き窓 図4
  • 特開-開き窓 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101205
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】開き窓
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/26 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
E06B3/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005040
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 毅
(72)【発明者】
【氏名】小山内 真太郎
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA01
2E014BA08
2E014BB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、框の断熱性の向上を課題とする。
【解決手段】本発明は、框材と枠を備え、框材は、金属框4と樹脂框5とからなり、金属框は、パネル8の屋外側面を保持する当接部411と、パネルの見込み面に対向する見込み板部42と、見込み板部の室外側で外周側に向けて突出する中空部43を有しており、樹脂框は、金属框の室内側に設けた中空部を有さない部材であり、パネルの屋内側面を保持する当接部511を有しており、見込み板部42と枠の間には、空間6が形成されている開き窓1とすることで課題を解決した。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
框材と枠を備え、
框材は、金属框と樹脂框とからなり、
金属框は、パネルの屋外側面を保持する当接部と、パネルの見込み面に対向する見込み板部と、見込み板部の室外側で外周側に向けて突出する中空部を有しており、
樹脂框は、金属框の室内側に設けた中空部を有さない部材であり、パネルの屋内側面を保持する当接部を有しており、
見込み板部と枠の間には、空間が形成されている開き窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦すべり出し窓などの様々な開き窓に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、縦すべり出し窓(特許文献1)などの様々な開き窓が家屋に取り付けられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-256386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、框の断熱性の向上を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、框材と枠を備え、框材は、金属框と樹脂框とからなり、金属框は、パネルの屋外側面を保持する当接部と、パネルの見込み面に対向する見込み板部と、見込み板部の室外側で外周側に向けて突出する中空部を有しており、樹脂框は、金属框の室内側に設けた中空部を有さない部材であり、パネルの屋内側面を保持する当接部を有しており、見込み板部と枠の間には、空間が形成されている開き窓とすることで課題を解決した。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、断熱性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は縦すべり窓(開き窓)の外観姿図である。
図2図2は縦すべり窓(開き窓)の内観姿図である。
図3図3図2のA-A間断面図である。
図4図4図2のB-B間断面図である。
図5図5は下框と縦框の断面の要部拡大図であり、排水に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
具体的な構成は、これらの実施の態様に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0009】
[実施例]
(外観)
実施例は、開き窓の例として縦すべり窓1に関する。図1は縦すべり窓1(開き窓)の外観姿図である。躯体開口部に対して、枠体2が取り付けられている。枠体2は、一対の縦枠21と上枠22と下枠23で構成されている。框体3は、一対の縦框31と上框32と下框33で構成されている。パネル8は、框体3に収められている。上枠22と下枠23は、図示しない回動軸を有しており、框体3を開閉自在に支えている。
外観から見た左右の縦框31と上框32の幅は幅Cであるが、下框33は、幅Cより広い幅Dになっている。実施例の縦框31と上框32の幅Cは、従来品の幅よりも小さく、全体的にすっきりとした印象を与えている。
框体3の室外側は、金属製(アルミニウム製)である。
【0010】
(内観)
図2は縦すべり窓1(開き窓)の内観姿図である。室内側からは、枠体2を構成する上枠22、一対の縦枠21と下枠23が見える。なお、図2では、説明のため網体73が図示していないが、次で説明するように枠体2の一部をなす網体保持部74が取り付けられており、網体保持部74に網体73が嵌め込まれている。
框体3は、枠体2に覆われて、室内側から見えない。下枠23には、縦すべり窓1(開き窓)を開閉するためのハンドル71が取り付けられている。
【0011】
(網体・対向部)
図3図2のA-A間断面図である。網体73は、室内側にあり、図3では枠体2の一部をなす網体保持部74が上枠22と下枠23の室内側に取り付けられている様子が図示されている。網体保持部74は、室内側の上框32と下框33と一対の縦框31を覆うようにも設けられており、室内から框体3が見えないようになっている。
また、上框32側にある網体保持部74は、樹脂製であり、上框32の樹脂框5と対向する対向部76を有していると共に、樹脂框5の屋内側当接部511を内周側から覆う突出部75を備えている。対向部76と屋内側当接部511と突出部75で囲まれて、ほぼ密閉された空気層が、作られる。これら空気層を囲む部材も樹脂製であり、空気の断熱性と相俟って、断熱性の向上に寄与する。
【0012】
(枠体)
枠体2は、建物躯体の開口部に取り付けられており、上枠22と下枠23には、回転軸受け72が取り付けられている。回転軸受け72の回転軸は、下框33と上框32を回転自在に軸支しており、ハンドル71の操作によって框体3を開閉するように機能する。
【0013】
(下框)
縦すべり窓1(開き窓)の下框33は、大きく分けて、金属框4と樹脂框5で構成されている。樹脂框5は、下框33の室内側にある。
金属框4は、室外側にあり、パネル8と平行に延びる屋外側パネル保持部41を有する。屋外側パネル保持部41の先端には、パネル8の屋外側を保持する屋外側当接部411が設けられている。
下框33の金属框4には、パネル8の見込み面に対向して見込み枠部44があり、見込み枠部44の室内側端部は、樹脂框5に接続されている。見込み枠部44は、内部が下框中空部331になっており、軽量化を図ると共に下框33の強度を保っている。
樹脂框5は、金属框4に設けられた見込み枠部44の室内側見付面に接合されており、パネル8と平行に延びる屋内側パネル保持部51を有する。屋内側パネル保持部51の先端には、パネル8の屋内側を保持する屋内側当接部511が設けられている。屋内側当接部511は、パネル8の端部にあるグレーチングチャンネル81に当接し、パネル8の屋内側を保持している。
【0014】
框体3(下框33)の室内側は樹脂框5となっているため、室外に面する金属框4を伝わって来る外気(冷気)の熱を遮断することができる。
下框33の室内側を構成する樹脂框5は中空構造が無く、板状になっている。樹脂框5に中空構造が無いため、下框33が室内側に突出することは無く、スリムな構造となっている。
見込み枠部44と下枠23の間は、回転軸受け72を設けるため、幅Aの空間6となっている。
【0015】
(上框)
上框32は、金属框4と樹脂框5を備える点で共通するが、金属框4の構造は、下框33のそれと異なる。室内側にある樹脂框5の構造は、下框33のそれと類似しており、上下寸法などが異なっている。
上框32の金属框4には、見込み枠部44が存在せず、それに伴い、下框中空部331に対応する構造もない。上框32の金属框4は、見込み枠部44に代わりに、パネル8の見込み面を覆う見込み板部42を備えている。見込み板部42は、強度を向上させるためクランク曲折部422を1つ備えている。クランク曲折部422を設けることで、見込み板部42の室外側に排水溝421が形成されている。
【0016】
(上框の中空部)
さらに、室外側には、上框32の強度を保つために、下框33に無かった中空部43が設けられている。
【0017】
上框32の中空部43は、室外側に面した位置にあり、パネル8に沿うよう屋外側パネル保持部41が延びており、その先端はパネル8側に曲折した屋外側当接部411が設けられている。
また、中空部43から室内側に向かって、パネル8の見込み面を覆うように見込み板部42が延びている。見込み板部42の室内側端部は、樹脂框5に接続されている。
このように、上框32の中空部43は、見込み板部42や屋外側当接部411などを支え、下框33にある下框中空部331に代わって、上框32全体の強度を保つ役割を果たす。
【0018】
(空間と気密部材)
中空部43は、枠体2に向かって延びている。そのため、上枠22と中空部43と見込み板部42で囲まれる空間6が作られる。空間6は、幅Aの上下寸法があり、縦すべり窓1(開き窓)を開閉する機構やロック機構など、周辺部材を収めるために活用される。
また、中空部43と枠体2が対向する部分に、気密部材61が取り付けられている。気密部材61は、風雨が空間6に入り込まないようにする機能を果たす。実施例の気密部材61は、上枠22に取り付けられており、縦すべり窓1(開き窓)が閉鎖状態のときに、中空部43と当接するようになっている。気密部材61は、中空部43に取り付けられていてもよい。
【0019】
(上框の見込み板部)
上框32の金属框4に設けられた見込み板部42は、クランク曲折部422があり、排水溝421が形成されている。
排水溝421は、気密部材61で仕切られている空間6に仮に雨水が侵入することがあっても、雨水を導く溝となり、排水に寄与する。侵入した雨水は縦框31の見込み板部42を伝わって縦すべり窓1(開き窓)から排水される。
クランク曲折部422は前述したように見込み板部42の強度を向上させるのに寄与する。さらに、下框33の見込み枠部44と比較して見込み板部42は、金属の使用量が少ないため、断熱性が高い。
【0020】
(上框と下框の幅)
図3からも明らかなように、上框32の室外側見付面上下方向の幅Cは下框33の室外側見付面上下方向の幅Dより短い。これは、下框中空部331に対応する中空構造が、上框32に存在しないことに起因する。上框32のグレーチングチャンネル81に面する見込み板部42の上側は回転軸受け72などを収める幅Aの空間6となっている。
これに対して、下框33は、回転軸受け72などを収める幅Aの空間6があることで共通するが、下框中空部331の幅Bが加わり、下框33の室外側見付面上下方向の幅Dは、上框32の幅Cより広くなっている。
上框32のように室外側見付面の上下寸法が短なることは、意匠性の向上に寄与するばかりでなく、金属框4の見付面の面積を小さくし、断熱性、すなわち室内外に流れる熱の移動を小さくすることに寄与する。
【0021】
(上框の当接部)
上框32の金属框4は、屋外側当接部411を有している。
上框32の屋外側当接部411は、パネル8の屋外側面を保持する金属框4の部位であり、パネル8と平行に延びる屋外側パネル保持部41に設けられている。実施例の屋外側当接部411は、パネル8の端部にあるグレーチングチャンネル81に当接している。
他方、上框32の樹脂框5は、屋内側当接部511を有している。
上框32の屋内側当接部511は、パネル8の屋内側面を保持する樹脂框5の部位であり、パネル8と平行に延びる屋内側パネル保持部51に設けられている。実施例の屋内側当接部511と屋外側当接部411は併せて、パネル8を保持する。
【0022】
(上框の断熱構造)
枠体2の室内側は、樹脂製になっている。そのため、枠体2の一部である網体保持部74も樹脂製であり、断熱性向上に寄与している。さらに、網体保持部74からパネル側に突出する突出部75を有しており、上框32の室内側を隠すことができる。樹脂製の突出部75は、樹脂框5などを隠す。それと共に、突出部75は、枠体2の一部構成する樹脂製の網体保持部74の対向壁76と樹脂框5で囲まれた空気層を形成する。また、図3に示されているように、上框32の屋内側当接部511と突出部75は、下方から見上げると互い違いに突出しており、空気層から空気が出入りしにくい配置となっていることがわかる。屋内側当接部511と突出部75は空気層が作られる空間をほぼ閉鎖する。これにより形成された空気層は、より優れた断熱性を示し、空気層の周囲の部材が樹脂製であることと相俟って、断熱性がさらに向上する。
【0023】
(上框の構造のまとめ)
上框32の金属框4は、パネル8の屋外側面を保持する屋外側当接部411と、パネル8の見込み面に対向する見込み板部42と、見込み板部42の室外側で外周側に向けて突出する中空部43を有している。そして、上框32の樹脂框5は、中空部を有さない部材であり、パネル8の屋内側面を保持する屋内側当接部511を有しているものである。
【0024】
(縦框)
図4図2のB-B間断面図である。縦框31の金属框4は、中空部43と見込み板部42と屋外側当接部411を備えている。縦框31の見込み板部42の構造は、クランク曲折部422が2ヶ所に設けられている点でクランク曲折部422が1ヶ所しかない上框32と異なっている他は、ほぼ共通する構造を採用している。
縦框31の樹脂框5の構造は、上框32の樹脂框5の構造と共通し、樹脂框5は、屋内側当接部511を備えている。樹脂框5は、枠体2の一部をなす網体保持部74の対向部76と突出部75で室内側を囲われている。
【0025】
縦框31の室外側見付面左右方向の幅Cは、上框32の室外側見付面上下方向の幅Cとほぼ同じ寸法となっている。
縦框31のパネル8に対向する領域は、見込み板部42になっており、下框中空部331のような中空構造が無い。そのため、縦框31の室外側見付面左右方向の幅Cや上框32の室外側見付面上下方向の幅Cは、下框33の室外側見付面の上下方向の幅Dに比べて大幅に寸法が短くなっている。実施例の框体3は、意匠性の向上に寄与するばかりでなく、金属框4の見付面の面積を小さくし、室内外に流れる熱の移動を小さくすることに寄与する。
さらに、金属框4の中空部43の構造は、上框32と縦框31で共通した位置にあり、框体3に組み立てたとき中空部43が上框32と左右の縦框31と繋がることで、強固なフレームが形成される。
【0026】
(縦框の断熱構造)
縦框31は、上述の(上框の断熱構造)で述べたのと同様の断熱構造を有している。縦框31においても、樹脂製の網体保持部74に設けられた突出部75は、枠体2の一部構成する樹脂製の網体保持部74の対向壁76と樹脂框5で囲まれたほぼ閉鎖された空気層を形成し、断熱性の向上に寄与する。
【0027】
(排水)
図5は、下框33と縦框31の断面の要部拡大図であり、排水に関する説明図である。
下框33は、パネル8の端部に対向して金属框4の見込み枠部44がある。見込み枠部44のパネル8に向いた面はフラットな下框見込み面部3311となっている。
これに対して、縦框31の見込み板部42には、クランク曲折部422が2ヶ所あり、2つのクランク曲折部422を挟んで内周側から外周側に突出した溝状の水抜部423が形成されている。
框体3は、図1に示したように縦框31が縦通しとなるように組み立てられており、一対の縦框31の間に下框33と上框32が配置され接合される構造をしている。
【0028】
框体3を組み立てると、下框33の水平且つフラットな下框見込み面部3311は、縦框31の上下方向に延びる見込み板部42と接合されることになる。
縦通しの縦框31の見込み板部42は、前述するようにフラットではなく、2ヶ所あるクランク曲折部422を挟んで内周側から外周側に突出した溝状の水抜部423があるため、フラットな下框見込み面部3311と接合すると、水抜部423のある部分だけ開口しているように接合される。
下框33の下框見込み面部3311とパネル8の間に結露水や雨水が溜まったような場合、水抜部423から排水される。
もちろん、縦框31の見込み板部42とパネル8の間に結露水が付いたり、雨水が入った場合にも水抜部423から排水される。
【0029】
(ロック部材)
縦框31と縦枠21との間に形成される空間6は、左右同じに形成されているが、室内側から見て右側にある空間6だけに、縦すべり窓1(開き窓)のロック部材77が配置されている。
【0030】
(框体の室外側から見た幅)
前述したように、外観から見た左右の縦框31と上框32の幅寸法は、幅Cであるが、下框33は、幅Cより広い幅寸法の幅Dになっている。実施例の縦框31と上框32の幅Cは、従来品の幅よりも小さく、全体的にすっきりとした印象を与えている。さらに、幅Cとなったことで、縦框31と上框32の室外側見付面の面積は、従来品のそれと比較して狭く、断熱性の向上に寄与している。
【0031】
(樹脂框)
上框32の樹脂框5は、金属框4の見込み板部42の室内側端部に取付けられる。樹脂框5は、パネル8に沿って延びる屋内側当接部511を有している。屋内側当接部511は、パネル8の屋内側を保持するものであり、実施例の屋内側当接部511は、パネル8の端部にあるグレーチングチャンネル81に当接している。
金属框4を伝わって入ろうとする冷気などを、樹脂框5が遮断し、断熱性向上や結露防止に寄与する。
【0032】
(変形例)
以上、出願人は、開き窓の例として、縦すべり窓1を実施例とした説明を行った。本発明は、縦すべり窓1以外の開き窓にも適用できる。
また、上述したように、実施例は、上框32と縦框31を同一構造の金属框4と樹脂框5で構成したものであったが、下框33も含め、同一構造の金属框4と樹脂框5で構成してもよい。
さらに、いずれか1つの框のみが、上述した上框32と縦框31で採用された金属框4と樹脂框5の構造となっていてもよい。
また、上框32の中空部43と縦框31の中空部43は、全く同一の寸法でなくてもよく支えるべき強度に応じて適宜変えることができる。それに伴い、外観から見た左右の縦框31と上框32の幅Cは、若干異なってもよい。
また、実施例の下框33は、下框中空部331を設けた見込み枠部44を備えた構成としたが、縦框31や上框32と同様に見込み枠部44に代えて、中空構造のない見込み板部42としてもよい。
【0033】
(実施例・変形例の作用効果のまとめ)
出願人は、上述したように、本発明の概要を実施例や数々の変形例を交えて説明してきた。実施例・変形例の作用効果は、まとめると次のようになる。
実施例の框体3は、室外側を金属框4で構成し、室内側を樹脂框5で構成したため、断熱性能が向上している。
さらに、実施例の枠体2の室内側は樹脂製であってもよく、断熱性の向上に寄与する。
【0034】
実施例の框体3の室内側を構成する樹脂框5は中空構造が無く、板状になっている。樹脂框5に中空構造が無いため、框体3が室内側に突出することは無く、スリムな構造となっている。
【0035】
実施例の縦框31と上框32は、パネル8の端部に対向して金属框4の見込み板部42があり、中空構造が存在しないため、縦框31の左右寸法、上框32の上下寸法をほぼ同じ幅Cにすることができる。下框中空部331がある下框33に比べて、室外側の金属框4が外気に接する面積を小さくすることができ、断熱性を向上できる。また、実施例の縦框31と上框32は、框体3の室外側から見た意匠性の向上に寄与している。
【0036】
実施例の縦框31と上框32は、下框中空部331に代わり、室外側に面した位置にあり中空部43を備える構造を採用することで、強度を確保した。
【0037】
実施例の縦框31と上框32は、框体3に組み立てられることで中空部43が繋がり、強固なフレームを構成する。
【0038】
実施例の縦框31と上框32は、下框33にある見込み枠部44に代わり、見込み板部42を採用した。下框33の見込み枠部44と比較して見込み板部42は金属の使用量が少ないため、断熱性が高い。
【0039】
実施例の見込み板部42は、クランク曲折部422を設けることで強度を向上させた。また、上框32のクランク曲折部422や縦框31のクランク曲折部422は、排水に寄与する。
【0040】
実施例のパネル8の室内側を覆う樹脂框5の屋内側当接部511は、さらに框体3の室内側を樹脂製の枠体2(網体保持部74)により覆われており、断熱性がさらに向上する工夫がなされている。枠体2の一部を構成する網体保持部74に設けた突出部75は、パネル8の内周側から屋内側当接部511を覆っており、框体3を隠すと共に、ほぼ密閉された空気層を作る。実施例は、突出部75などによって作られた空気層周囲の部材が樹脂製であることと相俟って断熱性がさらに向上する工夫がなされている。
以上で述べた実施例の中空部43や見込み板部42による強度の向上は、金属使用量を減らし、全体として断熱性の向上に寄与する。
【0041】
前述の実施例および多様な態様は、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 縦すべり窓(開き窓)
2 枠体
21 縦枠
22 上枠
23 下枠
3 框体
31 縦框
32 上框
33 下框
331 下框中空部
3311 下框見込み面部
4 金属框
41 屋外側パネル保持部
411 屋外側当接部
42 見込み板部
421 排水溝
422 クランク曲折部
423 水抜部
43 中空部
44 見込み枠部
5 樹脂框
51 屋内側パネル保持部
511 屋内側当接部
6 空間
61 気密部材
71 ハンドル
72 回転軸受け
73 網体
74 網体保持部
75 突出部
76 対向部
77 ロック部材
8 パネル
81 グレーチングチャンネル

図1
図2
図3
図4
図5