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特開2024-101238流路ユニット、流路ユニットの製造方法、液体吐出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101238
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】流路ユニット、流路ユニットの製造方法、液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
B41J2/175 503
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005112
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】白井 哲志
(72)【発明者】
【氏名】竹腰 太郎
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056KB13
2C056KB14
2C056KB15
2C056KB19
(57)【要約】
【課題】流路の圧力損失を低減した流路ユニット、流路ユニットの製造方法、及び、液体吐出装置を提供する。
【解決手段】流路ユニット28は、液体が流れる流路を構成する流路ユニットであって、レーザー光に対して吸収性を有する流路基材45と、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、流路基材に溶着される流路部材と、を備え、流路基材は、第1面51と、第1面と反対の面である第2面52と、を有し、第1面には、流路部材と溶着される溶着領域が形成され、溶着領域に流路部材が溶着されることによって、流路の一部である中継流路が画定され、流路部材は、溶着領域に溶着される溶着面と、溶着面と反対の面である反対面と、反対面から延びる接続管と、を有し、接続管には、流路の一部である接続流路が開口し、接続流路は、中継流路と通じる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流れる流路を構成する流路ユニットであって、
レーザー光に対して吸収性を有する流路基材と、
レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される流路部材と、を備え、
前記流路基材は、第1面と、前記第1面と反対の面である第2面と、を有し、
前記第1面には、前記流路部材と溶着される溶着領域が形成され、
前記溶着領域に前記流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である中継流路が画定され、
前記流路部材は、
前記溶着領域に溶着される溶着面と、
前記溶着面と反対の面である反対面と、
前記反対面から延びる接続管と、を有し、
前記接続管には、前記流路の一部である接続流路が開口し、
前記接続流路は、前記中継流路と通じることを特徴とする流路ユニット。
【請求項2】
前記流路部材は、第1流路部材であり、
前記溶着領域は、第1溶着領域であり、
前記中継流路は、第1中継流路であり、
前記流路ユニットは、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される第2流路部材を備え、
前記第2面には、前記第2流路部材と溶着される第2溶着領域が形成され、
前記第2溶着領域に前記第2流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である第2中継流路が画定され、
前記接続管が延びる方向から見た場合に、前記第2溶着領域は、前記接続管と重ならない位置に位置することを特徴とする請求項1に記載の流路ユニット。
【請求項3】
前記接続管が延びる方向から見た場合に、前記第2溶着領域は、前記第1流路部材の外形よりも内側に位置することを特徴とする請求項2に記載の流路ユニット。
【請求項4】
前記流路部材は、第1流路部材であり、
前記溶着領域は、第1溶着領域であり、
前記中継流路は、第1中継流路であり、
前記流路ユニットは、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される第2流路部材を備え、
前記第2面には、前記第2流路部材と溶着される第2溶着領域が形成され、
前記第2溶着領域に前記第2流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である第2中継流路が画定され、
前記接続管が延びる方向から見た場合に、前記第2溶着領域は、前記第1流路部材の外形よりも内側に位置することを特徴とする請求項1に記載の流路ユニット。
【請求項5】
前記溶着面は、第1溶着面であり、
前記反対面は、第1反対面であり、
前記接続管は、第1接続管であり、
前記接続流路は、第1接続流路であり、
前記第2流路部材は、
前記第2溶着領域に溶着される第2溶着面と、
前記第2溶着面と反対の面である第2反対面と、
前記第2反対面から延びる第2接続管と、を有し、
前記第2接続管には、前記流路の一部である第2接続流路が開口し、
前記第2接続流路は、前記第2中継流路と通じることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の流路ユニット。
【請求項6】
弾性変形する弾性部材を有する変位部を備え、
前記第2溶着領域に前記第2流路部材が溶着されることによって、前記変位部が収容される収容室が画定され、
前記弾性部材は、前記第2流路部材から前記流路基材に向けて押し付けられ、
前記第2中継流路は、前記流路基材と前記弾性部材との間を延びることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の流路ユニット。
【請求項7】
前記変位部は、前記弾性部材から延びる変位軸を有し、
前記第2流路部材には、前記変位軸が挿入され、前記収容室と通じる挿入口が開口することを特徴とする請求項6に記載の流路ユニット。
【請求項8】
前記弾性部材は、前記流路基材に取り付けられる取付部分と、前記流路基材に対して変位する変位部分とを有し、前記変位部分が前記流路基材に接触するように押し付けられることによって前記第2中継流路を閉鎖することを特徴とする請求項6に記載の流路ユニット。
【請求項9】
前記変位部は、前記弾性部材から延びる変位軸を有し、
前記第2流路部材には、前記変位軸が挿入され、前記収容室と通じる挿入口が開口することを特徴とする請求項8に記載の流路ユニット。
【請求項10】
前記第2中継流路は、複数の第2中継流路のうちの1つであり、
前記変位部は、複数の変位部のうちの1つであり、
前記弾性部材は、複数の弾性部材のうちの1つであり、
前記変位軸は、複数の変位軸のうちの1つであり、
前記流路ユニットは、複数の前記弾性部材が複数の前記第2中継流路をそれぞれ開放するように複数の前記変位軸を操作する操作機構を備えることを特徴とする請求項9に記載の流路ユニット。
【請求項11】
液体を吐出するヘッドと、
前記ヘッドに供給される液体が流れる流路を構成する流路ユニットと、を備え、
前記流路ユニットは、
レーザー光に対して吸収性を有する流路基材と、
レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される流路部材と、を有し、
前記流路基材は、第1面と、前記第1面と反対の面である第2面と、を有し、
前記第1面には、前記流路部材と溶着される溶着領域が形成され、
前記溶着領域に前記流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である中継流路が画定され、
前記流路部材は、
前記溶着領域に溶着される溶着面と、
前記溶着面と反対の面である反対面と、
前記反対面から延びる接続管と、を有し、
前記接続管には、前記流路の一部である接続流路が開口し、
前記接続流路は、前記中継流路と通じることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項12】
レーザー光に対して吸収性を有する流路基材であって、第1面と、前記第1面とは反対の第2面と、を有する前記流路基材と、
レーザー光に対して透過性を有する板材であって、溶着面と、前記溶着面とは反対の反対面と、前記反対面から延びる且つ接続流路が開口する接続管と、を有する流路部材と、を備える流路ユニットの製造方法であって、
前記第1面に前記溶着面を接触させることと、
前記第1面において前記溶着面が接触する領域である溶着領域にレーザー光を照射することによって、前記接続流路と通じる中継流路が画定されるように前記流路基材に前記流路部材を溶着させることと、を含むことを特徴とする流路ユニットの製造方法。
【請求項13】
前記流路部材は、第1流路部材であり、
前記溶着領域は、第1溶着領域であり、
前記中継流路は、第1中継流路であり、
前記流路ユニットの製造方法は、
レーザー光に対して透過性を有する板材であって、第2溶着面と、前記第2溶着面とは反対の面である第2反対面と、を有する第2流路部材の前記第2溶着面を、前記第2面に接触させることと、
前記第2面において前記第2溶着面が接触する領域であって、前記接続管が延びる方向から見た場合に前記接続管と重ならない位置に位置する第2溶着領域にレーザー光を照射することによって、前記流路基材に前記第2流路部材を溶着させることと、を含むことを特徴とする請求項12に記載の流路ユニットの製造方法。
【請求項14】
前記流路ユニットの製造方法は、
前記第2面上に弾性変形する弾性部材を有する変位部を位置させることと、
前記第2流路部材から前記流路基材に向けて前記弾性部材を押し付ける状態で、前記第2溶着面を前記第2面に接触させることと、
前記第2溶着領域にレーザー光を照射することによって、前記流路基材と前記弾性部材との間を延びる第2中継流路が画定されるように、前記流路基材に前記第2流路部材を溶着させることと、を含むことを特徴とする請求項13に記載の流路ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路ユニット、流路ユニットの製造方法、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体が流れる流路を構成する流路ユニットが記載されている。この流路ユニットは、流路基材と、流路基材に溶着されるフィルムとを備える。流路基材にフィルムが溶着されることによって、流路基材とフィルムとにより流路の一部が画定される。流路ユニットは、流路が開口する接続管を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-297453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される流路ユニットでは、接続管は、流路基材において、流路の一部を画定する面とは反対の面から延びるように位置する。これは、フィルムによって流路の一部を画定する場合、流路基材において、流路の一部を画定する面から延びるように接続管を位置させることが難しいためである。流路基材において、流路の一部を画定する面とは反対の面から接続管が延びるように位置する場合、流路の一部を画定する面から延びるように接続管が位置する場合と比べて、流路が長くなりやすい。そのため、流路の圧力損失が大きくなりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する流路ユニットは、液体が流れる流路を構成する流路ユニットであって、レーザー光に対して吸収性を有する流路基材と、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される流路部材と、を備え、前記流路基材は、第1面と、前記第1面と反対の面である第2面と、を有し、前記第1面には、前記流路部材と溶着される溶着領域が形成され、前記溶着領域に前記流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である中継流路が画定され、前記流路部材は、前記溶着領域に溶着される溶着面と、前記溶着面と反対の面である反対面と、前記反対面から延びる接続管と、を有し、前記接続管には、前記流路の一部である接続流路が開口し、前記接続流路は、前記中継流路と通じる。
【0006】
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドに供給される液体が流れる流路を構成する流路ユニットと、を備え、前記流路ユニットは、レーザー光に対して吸収性を有する流路基材と、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される流路部材と、を有し、前記流路基材は、第1面と、前記第1面と反対の面である第2面と、を有し、前記第1面には、前記流路部材と溶着される溶着領域が形成され、前記溶着領域に前記流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である中継流路が画定され、前記流路部材は、前記溶着領域に溶着される溶着面と、前記溶着面と反対の面である反対面と、前記反対面から延びる接続管と、を有し、前記接続管には、前記流路の一部である接続流路が開口し、前記接続流路は、前記中継流路と通じる。
【0007】
上記課題を解決する流路ユニットの製造方法は、レーザー光に対して吸収性を有する流路基材であって、第1面と、前記第1面とは反対の第2面と、を有する前記流路基材と、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、溶着面と、前記溶着面とは反対の反対面と、前記反対面から延びる且つ接続流路が開口する接続管と、を有する流路部材と、を備える流路ユニットの製造方法であって、前記第1面に前記溶着面を接触させることと、前記第1面において前記溶着面が接触する領域である溶着領域にレーザー光を照射することによって、前記接続流路と通じる中継流路が画定されるように前記流路基材に前記流路部材を溶着させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】流路ユニットを備える液体吐出装置の一実施例を示す正面図である。
図2】接続部の斜視図である。
図3】上流接続体が取り外された状態における接続部の斜視図である。
図4】接続部の上面図である。
図5】流路ユニットの斜視図である。
図6】流路ユニットの上面図である。
図7】流路ユニットの下面図である。
図8】流路基材の上面図である。
図9】流路基材の下面図である。
図10図4における10-10線で切断した断面図である。
図11】流路ユニットの分解斜視図である。
図12図11の拡大図である。
図13】第2中継流路が閉鎖される状態の断面図である。
図14】保護板が取り付けられた状態の斜視図である。
図15】操作板及び操作ピンが取り付けられた状態の斜視図である。
図16】押さえ板が取り付けられた状態の斜視図である。
図17】スライダーが取り付けられる前の斜視図である。
図18】スライダーが取り付けられた後の斜視図である。
図19】流路ユニットの製造方法を示すフローチャートである。
図20】流路ユニットの変更例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、流路ユニットを備える液体吐出装置の一実施例について図を参照しながら説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0010】
図1に示すように、液体吐出装置11は、筐体12を備える。
液体吐出装置11は、媒体収容体13を備える。媒体収容体13は、媒体M1を収容するように構成される。媒体収容体13は、筐体12に装着される。一例では、媒体収容体13は、筐体12に対して着脱可能なカセットである。
【0011】
液体吐出装置11は、支持部14を備える。支持部14は、媒体M1を支持する。詳しくは、支持部14は、媒体収容体13から供給される媒体M1を支持する。媒体M1は、媒体収容体13から支持部14に向けて搬送される。
【0012】
液体吐出装置11は、1又は複数の増設ユニット15を備えてもよい。増設ユニット15は、筐体12に取り付けられる。増設ユニット15は、筐体12の下方に配置される。増設ユニット15は、増設フレーム16と、増設収容体17とを有する。増設収容体17は、媒体M1を収容するように構成される。増設収容体17は、増設フレーム16に装着される。増設収容体17は、筐体12に対して着脱可能なカセットである。
【0013】
液体吐出装置11は、装着部18を備える。装着部18は、1以上の液体収容体19を装着可能に構成される。一例では、装着部18には、4つの液体収容体19が装着される。液体収容体19は、液体を収容する容器である。液体収容体19は、例えば、インクパックである。4つの液体収容体19は、それぞれ異なる種別の液体を収容する。一例では、4つの液体収容体19は、それぞれ色の異なるカラーインクを収容する。4つの液体収容体19は、それぞれ同種の液体を収容してもよい。
【0014】
装着部18は、1以上の液体導入部20を有する。一例では、装着部18は、4つの液体導入部20を有する。液体導入部20は、装着部18に液体収容体19が装着されることによって、その液体収容体19と接続される。液体導入部20は、液体収容体19から後述する印刷部21に液体を導入する。液体導入部20は、液体収容体19と接続される接続針、液体収容体19から印刷部21に液体を送るポンプなどを含む。
【0015】
液体吐出装置11は、印刷部21を備える。印刷部21は、媒体M1に液体を吐出することによって、媒体M1に印刷するように構成される。印刷部21は、支持部14に支持される媒体M1に液体を吐出する。
【0016】
印刷部21は、ヘッド22を有する。ヘッド22は、液体を吐出するように構成される。ヘッド22は、1以上のノズル23が開口するノズル面24を有する。ノズル面24は、支持部14と対向する。ヘッド22は、支持部14に支持される媒体M1にノズル23から液体を吐出する。
【0017】
印刷部21は、キャリッジ25と、ガイド軸26とを有してもよい。キャリッジ25は、ヘッド22を搭載する。キャリッジ25は、ガイド軸26に支持される。キャリッジ25は、ガイド軸26に沿って移動する。これにより、キャリッジ25は、媒体M1に対して走査する。このように、液体吐出装置11は、シリアルプリンターである。液体吐出装置11は、媒体M1の全幅にわたって一斉に液体を吐出可能なラインプリンターでもよい。
【0018】
液体吐出装置11は、接続部27を備える。接続部27は、装着部18と印刷部21とを接続するように構成される。接続部27を通じて、装着部18から印刷部21に液体が供給される。
【0019】
図2図3、及び、図4に示すように、接続部27は、流路ユニット28を有する。流路ユニット28は、レーザー溶着によって製造されるユニットである。流路ユニット28内を液体が流れることによって、装着部18から印刷部21に液体が供給される。流路ユニット28については、後で詳しく説明する。
【0020】
接続部27は、上流接続体29を有する。上流接続体29は、装着部18と流路ユニット28とに接続される。上流接続体29は、1以上の上流管30を有する。上流管30は、液体導入部20と流路ユニット28とに接続される。一例では、上流接続体29は、4本の上流管30を有する。4本の上流管30は、4つの液体収容体19とそれぞれ接続される。上流管30は、例えば、チューブである。
【0021】
上流接続体29は、1以上の上流接続部材31を有してもよい。一例では、上流接続体29は、4つの上流接続部材31を有する。上流接続部材31は、上流管30の先端に取り付けられる。上流接続部材31が流路ユニット28に接続されることによって、上流管30が流路ユニット28に接続される。上流管30は、流路ユニット28に直接接続されてもよい。
【0022】
上流接続体29は、上流継手32を有してもよい。上流継手32は、流路ユニット28に取り付けられる。一例では、上流継手32は、ボルト33及びナット34によって流路ユニット28に取り付けられる。上流継手32には、1以上の取付穴35が開口する。一例では、上流継手32には、2つの取付穴35が開口する。取付穴35に挿入されるボルト33をナット34が留めることによって、上流継手32が流路ユニット28に取り付けられる。
【0023】
上流継手32には、1以上の上流接続穴36が開口する。一例では、上流継手32には、4つの上流接続穴36が開口する。上流接続穴36には、上流接続部材31が挿入される。これにより、上流継手32は、上流管30を保持する。上流継手32が複数の上流管30を保持することによって、複数の上流管30を一体に扱うことができる。これにより、流路ユニット28に対して複数の上流管30を一斉に着脱できる。したがって、上流継手32により流路ユニット28に対する上流接続体29の着脱が簡易になる。
【0024】
上流接続体29は、シール部材37を有する。シール部材37は、上流接続部材31に取り付けられる。シール部材37は、上流接続部材31と流路ユニット28とをシールする。これにより、上流接続部材31と流路ユニット28との間から液体が漏れ出すおそれが低減される。シール部材37は、上流接続部材31が上流継手32に挿入されることによって、上流継手32内に位置する。
【0025】
接続部27は、下流接続体38を有する。下流接続体38は、流路ユニット28と印刷部21とに接続される。下流接続体38は、1以上の下流管39を有する。一例では、下流接続体38は、4本の下流管39を有する。4本の下流管39は、例えば、それぞれが繋がった多連チューブで構成される。下流管39は、上流管30のように、1本ごとに独立したチューブで構成されてもよい。
【0026】
下流接続体38は、下流継手40を有してもよい。下流継手40は、流路ユニット28に取り付けられる。下流継手40は、上流継手32と同様に、ボルト41によって流路ユニット28に取り付けられる。下流継手40は、下流管39を保持する。下流継手40によって、流路ユニット28に対する下流接続体38の着脱が簡易になる。
【0027】
<流路ユニット>
次に、流路ユニット28について説明する。
図5図6、及び、図7に示すように、流路ユニット28は、流路基材45と、1以上の流路部材とを備える。一例では、流路ユニット28は、流路基材45、第1流路部材46、第2流路部材47、及び、第3流路部材48を備える。流路ユニット28は、流路基材45に流路部材がレーザー溶着されることによって構成される。
【0028】
図8及び図9に示すように、流路基材45に流路部材がレーザー溶着されることによって、流路49が構成される。すなわち、流路ユニット28は、流路49を構成する。流路49は、流路ユニット28において液体が流れる空間である。流路49を通じて、上流接続体29から下流接続体38に液体が流れる。
【0029】
流路基材45は、レーザー光に対して吸収性を有する。一例では、流路基材45は、黒色の樹脂材料で構成される。流路基材45は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂プレートで構成される。
【0030】
図5図6図7図8、及び、図9に示すように、流路基材45は、第1面51と、第2面52とを有する。第1面51は、第1流路部材46が溶着される面である。一例では、第1面51は、下方を向く。第2面52は、第1面51と反対の面である。第2面52は、第2流路部材47が溶着される面である。一例では、第2面52は、上方を向く。第2面52は、第3流路部材48が溶着される面でもある。
【0031】
流路基材45には、溶着領域が形成される。溶着領域は、流路基材45において流路部材と溶着される領域である。すなわち、溶着領域は、流路基材45においてレーザー光が照射される領域を示す。第1面51には、第1溶着領域A1が形成される。第1溶着領域A1に第1流路部材46が溶着される。第2面52には、第2溶着領域A2が形成される。第2溶着領域A2に第2流路部材47が溶着される。第2面52には、第3溶着領域A3が形成される。第3溶着領域A3に第3流路部材48が溶着される。第1溶着領域A1、第2溶着領域A2、及び、第3溶着領域A3は、図8及び図9においてドットハッチングによってそれぞれ示されている。
【0032】
流路基材45は、複数のリブを有する。流路基材45は、1以上の溶着リブと、1以上の支持リブとを有する。一例では、流路基材45は、第1溶着リブ53と、第2溶着リブ54と、第3溶着リブ55と、第1支持リブ56と、第2支持リブ57と、第3支持リブ58とを有する。溶着リブは、流路部材に溶着されるリブである。支持リブは、流路基材45に流路部材を溶着する場合に、流路部材から流路基材45に加わる荷重を受けるリブである。
【0033】
第1溶着リブ53は、第1面51に位置する。第1溶着リブ53は、第1流路部材46と溶着される。詳しくは、第1溶着リブ53の天面が第1流路部材46と溶着される。すなわち、第1溶着リブ53の天面にレーザー光が照射されることによって、流路基材45に第1流路部材46が溶着される。したがって、第1溶着リブ53の天面は、第1溶着領域A1である。
【0034】
第1溶着リブ53は、第1流路部材46と溶着されることによって、流路49の一部である中継流路を構成する。詳しくは、第1溶着領域A1に第1流路部材46が溶着されることによって、1以上の第1中継流路59が画定される。一例では、第1溶着リブ53に第1流路部材46が溶着されることによって、4つの第1中継流路59が画定される。第1中継流路59は、例えば、第1上流中継流路60と、第1下流中継流路61とを含む。
【0035】
第2溶着リブ54は、第2面52に位置する。第2溶着リブ54は、第2流路部材47と溶着される。詳しくは、第2溶着リブ54の天面が第2流路部材47と溶着される。すなわち、第2溶着リブ54の天面にレーザー光が照射されることによって、流路基材45に第2流路部材47が溶着される。したがって、第2溶着リブ54の天面は、第2溶着領域A2である。
【0036】
第2溶着リブ54は、第2流路部材47と溶着されることによって、流路49の一部である中継流路を構成する。詳しくは、第2溶着領域A2に第2流路部材47が溶着されることによって、1以上の第2中継流路62が画定される。一例では、第2溶着リブ54に第2流路部材47が溶着されることによって、4つの第2中継流路62が画定される。第2中継流路62は、第1中継流路59と通じる。第2中継流路62は、第1上流中継流路60と通じる。第2中継流路62は、第1下流中継流路61と通じる。
【0037】
第2溶着リブ54は、第2流路部材47と溶着されることによって、1以上の収容室63を構成してもよい。すなわち、第2溶着領域A2に第2流路部材47が溶着されることによって、1以上の収容室63が画定されてもよい。収容室63は、後述する変位部86が収容される空間である。収容室63は、変位部86によって第2中継流路62と隔てられる。一例では、4つの収容室63が画定される。第2面52から見た場合に、4つの収容室63は、第2面52上において互い違いに並ぶ。4つの収容室63は、第2面52上において一列に並んでもよい。
【0038】
第2溶着領域A2は、第1流路部材46の外形よりも内側に位置する。これにより、第2溶着領域A2に第2流路部材47が溶着される場合に、流路基材45が安定しやすい。流路ユニット28においては、流路基材45に対して、第1流路部材46が溶着された後に第2流路部材47が溶着されることがある。この場合、第1流路部材46が設置される状態で流路基材45に第2流路部材47が溶着される。そのため、第1流路部材46が設置される面積が大きいほど、流路基材45が安定しやすい。
【0039】
第3溶着リブ55は、第2面52に位置する。第3溶着リブ55は、第3流路部材48と溶着される。詳しくは、第3溶着リブ55の天面が第3流路部材48と溶着される。すなわち、第3溶着リブ55の天面にレーザー光が照射されることによって、流路基材45に第3流路部材48が溶着される。したがって、第3溶着リブ55の天面は、第3溶着領域A3である。
【0040】
第3溶着リブ55は、第3流路部材48と溶着されることによって、流路49の一部である中継流路を構成する。詳しくは、第3溶着領域A3に第3流路部材48が溶着されることによって、1以上の第3中継流路64が画定される。一例では、第3溶着リブ55に第3流路部材48が溶着されることによって、4つの第3中継流路64が画定される。第3中継流路64は、第2中継流路62と通じる。
【0041】
第1支持リブ56は、第2面52に位置する。第1支持リブ56は、第1溶着リブ53に第1流路部材46が溶着される場合に、荷重を受ける。第1流路部材46が第1面51に溶着される場合、第2面52が設置される。このとき、第1流路部材46が第1面51に押し付けられながら流路基材45にレーザー溶着されるため、第1支持リブ56に荷重が加わる。第1支持リブ56は、第2面52から見た場合に、第1溶着リブ53と重なるように位置するとよい。この場合、第1溶着リブ53に押し付けられる第1流路部材46の荷重を第1支持リブ56が効果的に受けることができる。
【0042】
第2支持リブ57は、第1面51に位置する。第2支持リブ57は、第2溶着リブ54に第2流路部材47が溶着される場合に、荷重を受ける。第2流路部材47が第2面52に溶着される場合、第1面51が設置される。このとき、第2流路部材47が第2面52に押し付けられながら流路基材45にレーザー溶着されるため、第2支持リブ57に荷重が加わる。第2支持リブ57は、第1面51から見た場合に、第2溶着リブ54と重なるように位置するとよい。この場合、第2溶着リブ54に押し付けられる第2流路部材47の荷重を第2支持リブ57が効果的に受けることができる。
【0043】
第3支持リブ58は、第1面51に位置する。第3支持リブ58は、第3溶着リブ55に第3流路部材48が溶着される場合に、荷重を受ける。第3流路部材48が第2面52に溶着される場合、第1面51が設置される。このとき、第3流路部材48が第2面52に押し付けられながら流路基材45にレーザー溶着されるため、第3支持リブ58に荷重が加わる。第3支持リブ58は、第1面51から見た場合に、第3溶着リブ55と重なるように位置するとよい。この場合、第3溶着リブ55に押し付けられる第3流路部材48の荷重を第3支持リブ58が効果的に受けることができる。
【0044】
支持リブの幅は、溶着リブの幅と比べて小さい。そのため、支持リブの剛性は、溶着リブの剛性と比べて小さい。そのため、溶着リブに流路部材が押し付けられると、支持リブが撓みやすい。支持リブが撓むことによって、溶着リブの天面が流路部材に沿いやすくなる。すなわち、溶着リブの天面が流路部材に対して均一に接触しやすくなる。支持リブが撓まない場合、溶着リブの公差によって、溶着リブの天面が流路部材に対して均一に接触しにくい。
【0045】
流路基材45には、1以上の中継口が開口する。一例では、流路基材45には、1以上の第1中継口65と、1以上の第2中継口66とが開口する。中継口は、流路基材45を貫通する。中継口は、流路49の一部を構成する。中継口は、第1中継流路59と第2中継流路62とを通じさせる。詳しくは、第1中継口65は、第1上流中継流路60と第2中継流路62とを通じさせる。第2中継口66は、第1下流中継流路61と第2中継流路62とを通じさせる。
【0046】
流路基材45には、排出路67が形成されてもよい。排出路67は、収容室63から漏れ出る液体が流れる経路である。排出路67は、第2溶着リブ54及び第1支持リブ56によって画定される。排出路67は、漏出口68と通じる。漏出口68は、収容室63と通じる開口である。漏出口68は、収容室63を区画する第2溶着リブ54に開口する。変位部86が収容室63と第2中継流路62とを正しく区画できていない場合、第2中継流路62から収容室63に液体が流れるおそれがある。この場合に、収容室63から漏出口68を通じて排出路67に液体が流れ出る。
【0047】
流路基材45には、排出口69が開口してもよい。排出口69は、流路基材45を貫通する。排出口69は、排出路67と通じる。そのため、排出口69を通じて排出路67を流れる液体が排出される。例えば、流路ユニット28は、排出口69から滴下する液体を検知する液体センサーを備えてもよい。この場合、液体センサーが液体を検知することによって、流路ユニット28における液体漏れが検知される。
【0048】
流路基材45には、1以上のボルト穴70が開口する。一例では、流路基材45には、2つのボルト穴70が開口する。ボルト穴70は、取付穴35と重なる。ボルト穴70には、ボルト33が挿入される。
【0049】
流路基材45には、点検用標記71が付されていてもよい。一例では、点検用標記71は、穴である。点検用標記71は、流路基材45に流路部材が正しく溶着されているかを点検するための標記である。流路ユニット28は、流路基材45に流路部材が溶着された後、流路ユニット28が撮像された撮像画像を解析することによって点検される。詳しくは、撮像画像において、点検用標記71を基準に溶着領域の位置、形状などが検出されることによって、流路ユニット28が点検される。そのため、点検用標記71は、第1面51から見た場合に、流路基材45において流路部材と重ならない位置に位置する。点検用標記71は、穴に限らず、マーク、コードなどの識別子でもよい。
【0050】
流路基材45は、収容室63ごとに1以上のガイドピン72を有してもよい。一例では、流路基材45は、収容室63ごとに2本のガイドピン72を有する。ガイドピン72は、第2面52に位置する。ガイドピン72は、収容室63に位置する。ガイドピン72は、変位部86をガイドする。2本のガイドピン72でガイドする場合、1本のガイドピン72でガイドする場合と比べて、変位部86が安定する。
【0051】
流路部材は、レーザー光に対して透過性を有する。一例では、流路部材は、透明の樹脂材料で構成される。流路部材は、板材で構成される。流路部材は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂プレートで構成される。流路部材は、溶着面と、反対面とを有する。溶着面は、溶着領域に溶着される面である。反対面は、流路部材において溶着面と反対の面である。
【0052】
図10に示すように、第1流路部材46は、第1溶着面73と、第1反対面74とを有する。第1溶着面73は、第1溶着領域A1と溶着される面である。したがって、第1溶着面73は、第1面51と対向する。一例では、第1反対面74は、下方を向く。
【0053】
第2流路部材47は、第2溶着面75と、第2反対面76とを有する。第2溶着面75は、第2溶着領域A2と溶着される面である。したがって、第2溶着面75は、第2面52と対向する。一例では、第2反対面76は、上方を向く。
【0054】
第2流路部材47には、1以上の挿入口77が開口してもよい。一例では、第2流路部材47には、4つの挿入口77が開口する。挿入口77は、変位部86が挿入される開口である。挿入口77は、収容室63と通じる。そのため、収容室63は、挿入口77を通じて流路ユニット28の外部に開放される。したがって、ユーザーは、挿入口77を通じて変位部86を操作できる。挿入口77には、ガイドピン72も挿入される。
【0055】
図5及び図6に示すように、第2流路部材47には、1以上の留め穴78が開口してもよい。一例では、第2流路部材47には、2つの留め穴78が開口する。留め穴78にはボルト33が挿入される。
【0056】
図6及び図7に示すように、第3流路部材48は、第3溶着面79と、第3反対面80とを有する。第3溶着面79は、第3溶着領域A3と溶着される面である。したがって、第3溶着面79は、第2面52と対向する。一例では、第3反対面80は、上方を向く。
【0057】
流路ユニット28は、複数の接続管を備える。流路ユニット28は、1以上の第1接続管81と、1以上の第2接続管82とを備える。一例では、流路ユニット28は、4本の第1接続管81と、4本の第2接続管82とを備える。接続管は、流路ユニット28に液体を導入する管、及び、流路ユニット28から液体を導出する管を含む。
【0058】
複数の接続管には、接続流路がそれぞれ開口する。接続流路は、流路49の一部を構成する。接続流路は、中継流路と通じる。第1接続管81には、第1接続流路83が開口する。第1接続流路83は、第1中継流路59と通じる。詳しくは、第1接続流路83は、第1上流中継流路60と通じる。第2接続管82には、第2接続流路84が開口する。一例では、第2接続流路84は、第3中継流路64と通じる。
【0059】
図7及び図10に示すように、第1接続管81は、第1流路部材46に位置する。すなわち、第1流路部材46は、第1接続管81を有する。第1接続管81は、第1反対面74から延びる。第1接続管81は、第1反対面74に対して垂直に延びる。したがって、第1接続管81は、流路基材45において、第1面51から延びるように位置する。一例では、第1接続管81は、下方に延びる。
【0060】
第1接続管81は、上流接続体29と接続される。第1接続管81は、上流接続部材31に挿入される。第1接続管81は、上流接続部材31内においてシール部材37に接触する。これにより、第1接続管81は、上流接続部材31に対してシールされる。第1接続管81が上流接続部材31に挿入されることによって、上流管30から第1接続管81に液体が導入可能となる。
【0061】
図8に示すように、第1接続管81が延びる方向から見た場合、例えば第2面52から見た場合に、第1接続管81は、第2溶着領域A2と重ならない位置に位置する。これにより、第2流路部材47が流路基材45に溶着される場合に、流路基材45が安定しやすい。第1接続管81が第2溶着領域A2と重なる位置に位置する場合、第1接続管81の先端が設置される状態で第2溶着領域A2に第2流路部材47が溶着されるおそれがある。そのため、第1接続管81が第2溶着領域A2と重なる位置に位置する場合、溶着時の姿勢が安定しにくいおそれがある。
【0062】
図6及び図7に示すように、第2接続管82は、流路基材45に位置する。すなわち、流路基材45は、第2接続管82を有する。第2接続管82は、流路基材45において、第1接続管81と異なる方向に延びるように位置する。第2接続管82は、例えば、水平に延びる。第2接続管82は、上方に延びてもよいし、下方に延びてもよい。
【0063】
第2接続管82は、下流接続体38と接続される。これにより、第2接続管82から下流管39に液体が導出可能となる。第2接続管82は、流路部材に位置してもよい。第2接続管82は、例えば、第2流路部材47に位置してもよいし、第3流路部材48に位置してもよい。
【0064】
図11に示すように、流路ユニット28は、1以上の変位部86を備えてもよい。一例では、流路ユニット28は、4つの変位部86を備える。変位部86は、流路基材45に対して変位可能に構成される。流路ユニット28は、操作機構87を備えてもよい。操作機構87は、変位部86を操作する機構である。流路ユニット28は、保護カバー88を備えてもよい。保護カバー88は、変位部86及び操作機構87を保護するカバーである。
【0065】
図10図12、及び、図13に示すように、変位部86は、弾性部材91を有する。弾性部材91は、弾性を有する部材である。変位部86は、弾性部材91が弾性変形することによって、変位する。弾性部材91は、例えば、ゴム膜で構成される。
【0066】
弾性部材91は、第2流路部材47から流路基材45に向けて押し付けられる。弾性部材91は、第2流路部材47によって流路基材45に押し付けられる。詳しくは、弾性部材91の周縁部分が、第2流路部材47によって流路基材45に押し付けられる。これにより、弾性部材91は、収容室63と第2中継流路62とを区画する。すなわち、弾性部材91は、第2中継流路62を画定する。そのため、第2中継流路62は、流路基材45と弾性部材91との間を延びる。弾性部材91は、第2流路部材47によって、流路基材45に直接押し付けられてもよいし、間接的に押し付けられてもよい。一例では、弾性部材91は、後述するホルダー97を介して流路基材45に押し付けられる。
【0067】
弾性部材91は、流路基材45と第2流路部材47との間に位置する。弾性部材91は、第2流路部材47が流路基材45に溶着される場合に、第2流路部材47が流路基材45に押し付けられることによって圧縮される。弾性部材91が圧縮されることによって、流路基材45と第2流路部材47とのがたつきが吸収される。これにより、第2流路部材47が第2溶着リブ54の天面に沿いやすくなる。すなわち、第2流路部材47が第2溶着リブ54の天面に対して均一に接触しやすくなる。流路基材45と第2流路部材47との間に弾性部材91が位置しない場合、流路基材45及び第2流路部材47の公差によって、第2流路部材47が第2溶着リブ54の天面に対して均一に接触しにくい。
【0068】
弾性部材91は、取付部分92と、変位部分93とを有する。取付部分92は、流路基材45に取り付けられる部分である。一例では、取付部分92は、弾性部材91の周縁部分である。取付部分92は、第2流路部材47から流路基材45に向けて押し付けられる。取付部分92が圧縮されることによって、流路基材45と第2流路部材47とのがたつきが吸収される。一例では、取付部分92は、ホルダー97と流路基材45とに挟まれる。変位部分93は、流路基材45に対して変位する部分である。一例では、変位部分93は、弾性部材91の中央部分である。変位部分93が変位することによって、第2中継流路62の容積が大きくなったり小さくなったりする。
【0069】
変位部86は、変位軸94を有する。変位軸94は、第2面52に対して垂直に延びる。変位軸94は、弾性部材91から延びる。変位軸94は、弾性部材91に取り付けられる。詳しくは、変位軸94の基端部分が変位部分93に取り付けられる。そのため、変位軸94は、弾性部材91とともに変位する。変位軸94の先端部分には、ピン穴95が開口していてもよい。ピン穴95は、後述する操作ピン113が挿入される穴である。
【0070】
変位軸94は、挿入口77に挿入される。そのため、変位軸94は、挿入口77を通じて流路ユニット28の外部に露出できる。ユーザーは、変位軸94を操作することによって、弾性部材91を変位させることができる。例えば、ユーザーは、弾性部材91を変位させることによって、変位部86をダイヤフラムポンプとして機能させることができる。また、ユーザーは、変位軸94の位置を監視することによって、第2中継流路62内の圧力、液量などを把握することもできる。
【0071】
変位部86は、押付部材96を有してもよい。押付部材96は、例えば、ばねである。押付部材96は、変位軸94に取り付けられる。押付部材96は、ホルダー97に対して変位軸94を流路基材45に向けて押し付ける。すなわち、押付部材96は、変位部分93を流路基材45に押し付ける。
【0072】
押付部材96は、変位部分93を押し付けることによって、変位部分93を流路基材45に接触させてもよい。押付部材96は、変位部分93を第2面52に接触させることによって、第2中継流路62を閉鎖してもよい。一例では、押付部材96は、変位部分93を押し付けることによって第1中継口65を塞ぐ。これにより、第2中継流路62が閉鎖される。変位軸94が操作されることによって変位部分93が流路基材45から離れると、第2中継流路62が開放される。このように、変位部86は、第2中継流路62を開閉するバルブとして機能してもよい。通常、第2中継流路62は開放されている。変位部86が第2中継流路62を閉鎖することによって、流路ユニット28から上流接続体29を取り外すことができる。したがって、液体吐出装置11のメンテナンス性が向上する。
【0073】
変位部86は、ホルダー97を有する。ホルダー97は、弾性部材91、変位軸94、及び、押付部材96を保持するように構成される。ホルダー97は、押付部分98と、収容部分99とを有する。押付部分98は、取付部分92を流路基材45に押し付ける部分である。押付部分98は、収容室63に収まる。押付部分98は、流路基材45と第2流路部材47とに挟まれる。これにより、ホルダー97は、弾性部材91を流路基材45に押し付ける。収容部分99は、変位軸94を収容する部分である。収容部分99は、挿入口77に挿入される。収容部分99には、押付部材96が取り付けられる。
【0074】
ホルダー97には、1以上のガイド穴100が開口する。一例では、ホルダー97には、2つのガイド穴100が開口する。ガイド穴100は、押付部分98を貫通する。ガイド穴100には、ガイドピン72が挿入される。これにより、流路基材45に対してホルダー97が保持される。
【0075】
ホルダー97には、軸穴101が開口する。軸穴101は、収容部分99に開口する。軸穴101には、変位軸94の先端部分が挿入される。軸穴101に沿って、変位軸94が変位する。
【0076】
ホルダー97は、接触リブ102を有してもよい。接触リブ102は、第2流路部材47に接触するリブである。接触リブ102は、押付部分98に位置する。接触リブ102が第2流路部材47に接触することによって、押付部分98が流路基材45に押し付けられる。接触リブ102は、第2流路部材47に溶着されてもよい。この場合、ホルダー97は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料で構成される。ホルダー97が第2流路部材47に溶着されると、ホルダー97の位置が安定する。
【0077】
ホルダー97には、露出口103が開口する。露出口103は、収容部分99に開口する。露出口103は、収容部分99を貫通する。露出口103は、軸穴101と通じる。露出口103は、軸穴101に挿入される変位軸94を露出させる。詳しくは、露出口103は、ピン穴95を露出させる。これにより、ホルダー97の外部から変位軸94が操作可能となる。
【0078】
ホルダー97は、ピンガイド104を有していてもよい。ピンガイド104は、収容部分99に位置する。ピンガイド104は、操作ピン113をガイドするように構成される。詳しくは、ピンガイド104は、ピン穴95に挿入されるように操作ピン113をガイドする。ピンガイド104が受ける状態で操作ピン113を操作することによって、ピン穴95に操作ピン113を挿入しやすい。
【0079】
ピンガイド104は、軸穴101に位置する変位軸94をガイドしてもよい。例えば、ピンガイド104は、露出口103から露出する変位軸94の先端部分に接触することによって変位軸94をガイドする。ピンガイド104は、変位軸94が露出口103から飛び出すことを規制するように、変位軸94をガイドする。これにより、軸穴101において変位軸94が傾くおそれが低減される。
【0080】
変位部86を流路基材45に取り付けるにあたっては、まず、収容室63に弾性部材91、変位軸94、及び、押付部材96を位置させる。次に、弾性部材91、変位軸94、及び、押付部材96に対してホルダー97を被せるように、ホルダー97を収容室63に位置させる。詳しくは、ガイドピン72及び変位軸94をガイド穴100及び軸穴101にそれぞれ挿入させながら、ホルダー97を収容室63に位置させる。
【0081】
ホルダー97は、軸穴101に変位軸94が挿入されるよりも先にガイド穴100にガイドピン72が挿入されるように構成されている。すなわち、ガイドピン72の先端が収容部分99の下端面に接触する状態では変位軸94が軸穴101に位置しないように、ホルダー97が構成されている。これにより、ホルダー97がガイドピン72にガイドされる状態で、変位軸94が軸穴101に挿入される。そのため、変位軸94が軸穴101に挿入されやすい。
【0082】
図11に示すように、操作機構87は、保護板111と、操作板112と、操作ピン113と、押さえ板114と、スライダー115とを有する。操作機構87は、複数の変位部86を一斉に操作するように構成される。すなわち、操作機構87は、4つの弾性部材91が複数の第2中継流路62をそれぞれ開放するように、4本の変位軸94を操作する。これにより、変位軸94を1本ずつ操作する場合と比べて、操作回数を低減できる。
【0083】
図14に示すように、保護板111は、第2流路部材47と対向する。詳しくは、保護板111は、第2反対面76と対向する。保護板111は、第2流路部材47を保護する板である。保護板111は、変位部86を露出させるように第2反対面76を覆う。保護板111は、ボルト33が挿入されることによって、流路ユニット28に取り付けられる。
【0084】
保護板111は、ガイド部分116を有する。ガイド部分116は、第2反対面76と垂直な方向に延びる。ガイド部分116は、操作板112の移動をガイドする部分である。
【0085】
図15に示すように、操作板112は、保護板111と対向する。操作板112は、変位軸94を操作する板である。操作板112は、保護板111に取り付けられる。操作板112は、保護板111に対して移動可能に取り付けられる。操作板112は、ガイド部分116が延びる方向に移動可能である。
【0086】
操作板112には、ガイドスリット117が形成される。ガイドスリット117には、ガイド部分116が挿入される。これにより、操作板112は、ガイド部分116に沿って移動可能となる。
【0087】
操作板112は、ピン受け118を有する。ピン受け118は、変位軸94に挿入される操作ピン113を受ける部分である。保護板111に操作板112が取り付けられた後、変位軸94に操作ピン113が挿入されることによって、ピン受け118は操作ピン113を受ける。ピン受け118が操作ピン113を受けることによって、操作板112とともに変位軸94が変位する。すなわち、操作板112を変位させることによって、変位軸94を変位させることができる。
【0088】
操作板112は、保持部分119を有する。保持部分119は、押さえ板114を保持する部分である。保持部分119は、ボス、穴、突起などである。保持部分119によって、押さえ板114が保持部分119に取り付けられる。
【0089】
図16に示すように、押さえ板114は、操作板112と対向する。押さえ板114は、操作ピン113を押さえる板である。押さえ板114は、操作板112に取り付けられることによって、操作ピン113を押さえる。すなわち、操作ピン113は、操作板112と押さえ板114とに挟まれる。
【0090】
図17及び図18に示すように、スライダー115は、操作板112を変位させる部材である。スライダー115は、挿入部分120を有する。挿入部分120は、保護板111と操作板112との間に挿入される。挿入部分120が挿入されることによって、操作板112が保護板111から離れるように変位する。これにより、操作板112とともに変位軸94が変位する。その結果、変位部分93が流路基材45から離れる。したがって、スライダー115が挿入されることによって、変位部86は、中継流路を開放する。スライダー115が抜き取られることによって、変位部86は、中継流路を閉鎖する。
【0091】
4つの変位部86が互い違いに並ぶため、スライダー115は、保護板111と操作板112との間に挿入される過程で、4つの変位部86を2つずつ変位させる。スライダー115が挿入される方向に対して4つの変位部86が横一列に並ぶ場合、スライダー115は、4つの変位部86を一斉に変位させる。この場合、スライダー115に加わる抵抗が大きい。この点、スライダー115が挿入される方向において4つの変位部86が2つずつ並ぶことによって、スライダー115に加わる抵抗が小さくなる。そのため、スライダー115を挿抜しやすい。
【0092】
スライダー115は、規制部分121を有してもよい。規制部分121は、ボルト33へのアクセスを規制する部分である。スライダー115が保護板111と操作板112との間に挿入された状態において、規制部分121は、ボルト33を覆うように位置する。そのため、スライダー115が保護板111と操作板112との間に挿入された状態において、ユーザーはボルト33にアクセスできない。
【0093】
ユーザーは、液体吐出装置11をメンテナンスする場合、ボルト33を取り外すことによって流路ユニット28から上流接続体29を取り外す。このとき、中継流路が開放される状態で上流接続体29が取り外されると、流路ユニット28から液体が漏れ出るおそれがある。そのため、流路ユニット28をメンテナンスする場合には、まず中継流路が閉鎖されることが好ましい。規制部分121がボルト33へのアクセスを規制するため、ユーザーは、スライダー115を抜き取った後に、ボルト33を取り外すことができる。スライダー115が抜き取られることによって中継流路が閉鎖されるため、流路ユニット28から上流接続体29を取り外す場合に流路ユニット28から液体が漏れ出るおそれが低減される。
【0094】
<流路ユニットの製造方法>
次に、流路ユニット28の製造方法について説明する。
図19に示すように、ステップS11において、第1面51に第1溶着面73を接触させる。
【0095】
ステップS12において、第1溶着領域A1にレーザー光を照射する。すなわち、第1面51において第1溶着面73が接触する領域にレーザー光を照射する。これにより、流路基材45に第1流路部材46が溶着される。このとき、第1中継流路59が画定される。
【0096】
ステップS13において、変位部86を第2面52上に位置させる。詳しくは、第2面52上において収容室63が画定される箇所に、変位部86を位置させる。
ステップS14において、第2面52に第2溶着面75を接触させる。このとき、弾性部材91が第2流路部材47から流路基材45に向けて押し付けられる状態で、第2面52に第2溶着面75を接触させる。
【0097】
ステップS15において、第2溶着領域A2にレーザー光を照射する。すなわち、第2面52において第2溶着面75が接触する領域にレーザー光を照射する。これにより、流路基材45に第2流路部材47が溶着される。一例では、第1接続管81が延びる方向から見た場合に第1接続管81と重ならない位置に位置する第2溶着領域A2に、レーザー光が照射される。これは、第1接続管81と重ならない位置に第2溶着リブ54が位置するためである。
【0098】
ステップS15において、流路基材45に第2流路部材47が溶着されることによって、第2中継流路62が画定される。このとき、収容室63が画定される。その結果、変位部86が収容室63に収容される。ステップS15において、ホルダー97にレーザー光を照射してもよい。これにより、ホルダー97が第2流路部材47に溶着される。
【0099】
ステップS16において、第2面52に第3溶着面79を接触させる。
ステップS17において、第3溶着領域A3にレーザー光を照射する。すなわち、第2面52において第3溶着面79が接触する領域にレーザー光を照射する。これにより、流路基材45に第3流路部材48が溶着される。以上の手順を経て、流路ユニット28が製造される。
【0100】
<作用及び効果>
次に、上記実施例の作用及び効果について説明する。
(1)第1流路部材46は、第1溶着面73と、第1反対面74と、第1接続管81とを有する。第1接続管81には、流路49の一部である第1接続流路83が開口する。第1接続流路83は、第1中継流路59と通じる。
【0101】
第1反対面74から第1接続管81が延びるため、流路基材45において第1中継流路59を画定する第1面51から延びるように第1接続管81が位置する。第1中継流路59を画定する第1面51から延びるように第1接続管81が位置する場合、第2面52から延びるように第1接続管81が位置する場合と比べて、流路49が短くなる。したがって、上記構成によれば、流路49の圧力損失が低減される。仮に、第2面52から延びるように第1接続管81が位置する場合、第1面51によって画定される第1中継流路59は、流路基材45を貫通する穴を介して第1接続流路83と繋がることになる。そのため、流路49が長くなりやすい。
【0102】
(2)第1接続管81が延びる方向から見た場合に、第2溶着領域A2は、第1接続管81と重ならない位置に位置する。
流路基材45に第1流路部材46が溶着された後に第2流路部材47が溶着されることによって流路ユニット28が製造されることがある。この場合、流路基材45に溶着された第1流路部材46が設置される状態で流路基材45に第2流路部材47が溶着される。そのため、第1接続管81が延びる方向から見た場合に第2溶着領域A2が第1接続管81と重なる位置に位置すると、第1接続管81の先端が設置される状態で第2溶着領域A2に第2流路部材47を溶着することになる。第1接続管81の先端が設置される状態では、溶着時の姿勢が安定しにくい。上記構成によれば、第1反対面74が設置される状態で流路基材45に第2流路部材47を溶着できる。したがって、溶着時の姿勢が安定しやすい。
【0103】
(3)第1接続管81が延びる方向から見た場合に、第2溶着領域A2は、第1流路部材46の外形よりも内側に位置する。
上記構成によれば、流路基材45に溶着された第1流路部材46が設置される状態で流路基材45に第2流路部材47が溶着される場合に、設置面積が大きくなる。そのため、流路基材45に溶着された第1流路部材46が設置される状態で第2溶着領域A2に第2流路部材47を溶着する場合に、姿勢が安定しやすい。すなわち、第2溶着領域A2が第1流路部材46の外形よりも外側に位置する場合と比べて、溶着時の姿勢が安定しやすい。
【0104】
(4)第2流路部材47は、第2溶着面75と、第2反対面76と、第2接続管82と、を有する。第2接続管82には、流路49の一部である第2接続流路84が開口する。第2接続流路84は、第2中継流路62と通じる。
【0105】
第2流路部材47の第2反対面76から第2接続管82が延びるため、流路基材45において第2中継流路62を画定する第2面52から延びるように第2接続管82が位置する。第2中継流路62を画定する第2面52から延びるように第2接続管82が位置する場合、第1面51から延びるように第2接続管82が位置する場合と比べて、流路49が短くなる。したがって、上記構成によれば、流路49の圧力損失が低減される。
【0106】
(5)弾性部材91は、第2流路部材47から流路基材45に向けて押し付けられる。詳しくは、取付部分92が第2流路部材47から流路基材45に向けて押し付けられる。これにより、弾性部材91は、第2流路部材47から流路基材45に向けて押し付けられることによって圧縮される。そのため、流路基材45に第2流路部材47を溶着する場合に、第2流路部材47と流路基材45とのがたつきを弾性部材91が吸収する。したがって、上記構成によれば、溶着品質が向上する。
【0107】
(6)第2流路部材47には、変位軸94が挿入され、収容室63と通じる挿入口77が開口する。
上記構成によれば、変位軸94が第2流路部材47から飛び出るため、変位軸94を操作することによって、弾性部材91を変位させることができる。
【0108】
(7)弾性部材91は、変位部分93が流路基材45に接触するように押し付けられることによって第2中継流路62を閉鎖する。
上記構成によれば、変位部分93が変位することによって第2中継流路62を開閉できる。
【0109】
(8)流路ユニット28は、複数の弾性部材91が複数の第2中継流路62をそれぞれ開放するように複数の変位軸94を操作する操作機構87を備える。
上記構成によれば、操作機構87によって、複数の第2中継流路62を一斉に開放できる。
【0110】
<変更例>
上記実施例は、以下のように変更して実施できる。上記実施例及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0111】
図20に示すように、第2流路部材47は、第2接続管82を有してもよい。第2接続管82は、第2反対面76から延びる。すなわち、第2接続管82は、第2面52から延びるように位置する。第2接続流路84は、第2中継流路62と通じる。この変更例では、流路基材45には、1つの中継口が開口する。中継口によって、第1中継流路59と第2中継流路62とが通じる。この場合、第1面51から延びるように第2接続管82が位置する場合と比べて、流路49が短くなる。したがって、流路49の圧力損失が低減される。
【0112】
・流路ユニット28は、流路基材45に対して第2流路部材47が溶着された後に第1流路部材46が溶着されてもよい。流路基材45に対する流路部材の溶着順は、適宜変更されてもよい。
【0113】
・ヘッド22が吐出する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、ヘッド22が液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材又は画素材料などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液状体を吐出してもよい。
【0114】
<技術的思想>
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0115】
(A)流路ユニットは、液体が流れる流路を構成する流路ユニットであって、レーザー光に対して吸収性を有する流路基材と、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される流路部材と、を備え、前記流路基材は、第1面と、前記第1面と反対の面である第2面と、を有し、前記第1面には、前記流路部材と溶着される溶着領域が形成され、前記溶着領域に前記流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である中継流路が画定され、前記流路部材は、前記溶着領域に溶着される溶着面と、前記溶着面と反対の面である反対面と、前記反対面から延びる接続管と、を有し、前記接続管には、前記流路の一部である接続流路が開口し、前記接続流路は、前記中継流路と通じる。
【0116】
流路部材の反対面から接続管が延びるため、流路基材において中継流路を画定する第1面から延びるように接続管が位置する。中継流路を画定する第1面から延びるように接続管が位置する場合、第2面から延びるように接続管が位置する場合と比べて、流路が短くなる。したがって、上記構成によれば、流路の圧力損失が低減される。仮に、第2面から延びるように接続管が位置する場合、第1面によって画定される中継流路は、流路基材を貫通する穴を介して接続流路と繋がることになる。そのため、流路が長くなりやすい。
【0117】
(B)上記流路ユニットにおいて、前記流路部材は、第1流路部材であり、前記溶着領域は、第1溶着領域であり、前記中継流路は、第1中継流路であり、前記流路ユニットは、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される第2流路部材を備え、前記第2面には、前記第2流路部材と溶着される第2溶着領域が形成され、前記第2溶着領域に前記第2流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である第2中継流路が画定され、前記接続管が延びる方向から見た場合に、前記第2溶着領域は、前記接続管と重ならない位置に位置してもよい。
【0118】
流路基材に第1流路部材が溶着された後に第2流路部材が溶着されることによって流路ユニットが製造されることがある。この場合、流路基材に溶着された第1流路部材が設置される状態で流路基材に第2流路部材が溶着される。そのため、接続管が延びる方向から見た場合に第2溶着領域が接続管と重なる位置に位置すると、接続管の先端が設置される状態で第2溶着領域に第2流路部材を溶着することになる。接続管の先端が設置される状態では、溶着時の姿勢が安定しにくい。上記構成によれば、反対面が設置される状態で流路基材に第2流路部材を溶着できる。したがって、溶着時の姿勢が安定しやすい。
【0119】
(C)上記流路ユニットにおいて、前記接続管が延びる方向から見た場合に、前記第2溶着領域は、前記第1流路部材の外形よりも内側に位置してもよい。
上記構成によれば、流路基材に溶着された第1流路部材が設置される状態で流路基材に第2流路部材が溶着される場合に、設置面積が大きくなる。そのため、流路基材に溶着された第1流路部材が設置される状態で第2溶着領域に第2流路部材を溶着する場合に、姿勢が安定しやすい。すなわち、第2溶着領域が第1流路部材の外形よりも外側に位置する場合と比べて、溶着時の姿勢が安定しやすい。
【0120】
(D)上記流路ユニットにおいて、前記流路部材は、第1流路部材であり、前記溶着領域は、第1溶着領域であり、前記中継流路は、第1中継流路であり、前記流路ユニットは、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される第2流路部材を備え、前記第2面には、前記第2流路部材と溶着される第2溶着領域が形成され、前記第2溶着領域に前記第2流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である第2中継流路が画定され、前記接続管が延びる方向から見た場合に、前記第2溶着領域は、前記第1流路部材の外形よりも内側に位置してもよい。
【0121】
流路基材に第1流路部材が溶着された後に第2流路部材が溶着されることによって流路ユニットが製造されることがある。この場合、流路基材に溶着された第1流路部材が設置される状態で流路基材に第2流路部材が溶着される。上記構成によれば、流路基材に溶着された第1流路部材が設置される状態で流路基材に第2流路部材が溶着される場合に、設置面積が大きくなる。そのため、流路基材に溶着された第1流路部材が設置される状態で第2溶着領域に第2流路部材を溶着する場合に、姿勢が安定しやすい。すなわち、第2溶着領域が第1流路部材の外形よりも外側に位置する場合と比べて、溶着時の姿勢が安定しやすい。
【0122】
(E)上記流路ユニットにおいて、前記溶着面は、第1溶着面であり、前記反対面は、第1反対面であり、前記接続管は、第1接続管であり、前記接続流路は、第1接続流路であり、前記第2流路部材は、前記第2溶着領域に溶着される第2溶着面と、前記第2溶着面と反対の面である第2反対面と、前記第2反対面から延びる第2接続管と、を有し、前記第2接続管には、前記流路の一部である第2接続流路が開口し、前記第2接続流路は、前記第2中継流路と通じてもよい。
【0123】
第2流路部材の第2反対面から第2接続管が延びるため、流路基材において第2中継流路を画定する第2面から延びるように第2接続管が位置する。第2中継流路を画定する第2面から延びるように第2接続管が位置する場合、第1面から延びるように第2接続管が位置する場合と比べて、流路が短くなる。したがって、上記構成によれば、流路の圧力損失が低減される。
【0124】
(F)上記流路ユニットは、弾性変形する弾性部材を有する変位部を備え、前記第2溶着領域に前記第2流路部材が溶着されることによって、前記変位部が収容される収容室が画定され、前記弾性部材は、前記第2流路部材から前記流路基材に向けて押し付けられ、前記第2中継流路は、前記流路基材と前記弾性部材との間を延びてもよい。
【0125】
弾性部材は、第2流路部材から流路基材に向けて押し付けられることによって圧縮される。そのため、流路基材に第2流路部材を溶着する場合に、第2流路部材と流路基材とのがたつきを弾性部材が吸収する。したがって、上記構成によれば、溶着品質が向上する。
【0126】
(G)上記流路ユニットにおいて、前記変位部は、前記弾性部材から延びる変位軸を有し、前記第2流路部材には、前記変位軸が挿入され、前記収容室と通じる挿入口が開口してもよい。上記構成によれば、変位軸が第2流路部材から飛び出るため、変位軸を操作することによって、弾性部材を変位させることができる。
【0127】
(H)上記流路ユニットにおいて、前記弾性部材は、前記流路基材に取り付けられる取付部分と、前記流路基材に対して変位する変位部分とを有し、前記変位部分が前記流路基材に接触するように押し付けられることによって前記第2中継流路を閉鎖してもよい。上記構成によれば、変位部分が変位することによって第2中継流路を開閉できる。
【0128】
(I)上記流路ユニットにおいて、前記変位部は、前記弾性部材から延びる変位軸を有し、前記第2流路部材には、前記変位軸が挿入され、前記収容室と通じる挿入口が開口してもよい。
【0129】
上記構成によれば、押付部材が第2流路部材から飛び出るため、変位軸を操作できる。変位軸を操作することによって、弾性部材を変位させることができる。すなわち、変位軸を操作することによって、第2中継流路を開閉できる。
【0130】
(J)上記流路ユニットにおいて、前記第2中継流路は、複数の第2中継流路のうちの1つであり、前記変位部は、複数の変位部のうちの1つであり、前記弾性部材は、複数の弾性部材のうちの1つであり、前記変位軸は、複数の変位軸のうちの1つであり、前記流路ユニットは、複数の前記弾性部材が複数の前記第2中継流路をそれぞれ開放するように複数の前記変位軸を操作する操作機構を備えてもよい。上記構成によれば、操作機構によって、複数の第2中継流路を一斉に開放できる。
【0131】
(K)液体吐出装置は、液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドに供給される液体が流れる流路を構成する流路ユニットと、を備え、前記流路ユニットは、レーザー光に対して吸収性を有する流路基材と、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、前記流路基材に溶着される流路部材と、を有し、前記流路基材は、第1面と、前記第1面と反対の面である第2面と、を有し、前記第1面には、前記流路部材と溶着される溶着領域が形成され、前記溶着領域に前記流路部材が溶着されることによって、前記流路の一部である中継流路が画定され、前記流路部材は、前記溶着領域に溶着される溶着面と、前記溶着面と反対の面である反対面と、前記反対面から延びる接続管と、を有し、前記接続管には、前記流路の一部である接続流路が開口し、前記接続流路は、前記中継流路と通じる。上記構成によれば、上述した流路ユニットと同様の効果が得られる。
【0132】
(L)流路ユニットの製造方法は、レーザー光に対して吸収性を有する流路基材であって、第1面と、前記第1面とは反対の第2面と、を有する前記流路基材と、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、溶着面と、前記溶着面とは反対の反対面と、前記反対面から延びる且つ接続流路が開口する接続管と、を有する流路部材と、を備える流路ユニットの製造方法であって、前記第1面に前記溶着面を接触させることと、前記第1面において前記溶着面が接触する領域である溶着領域にレーザー光を照射することによって、前記接続流路と通じる中継流路が画定されるように前記流路基材に前記流路部材を溶着させることと、を含む。上記製造方法によれば、上述した流路ユニットを製造できる。
【0133】
(M)上記流路ユニットの製造方法において、前記流路部材は、第1流路部材であり、前記溶着領域は、第1溶着領域であり、前記中継流路は、第1中継流路であり、前記流路ユニットの製造方法は、レーザー光に対して透過性を有する板材であって、第2溶着面と、前記第2溶着面とは反対の面である第2反対面と、を有する第2流路部材の前記第2溶着面を、前記第2面に接触させることと、前記第2面において前記第2溶着面が接触する領域であって、前記接続管が延びる方向から見た場合に前記接続管と重ならない位置に位置する第2溶着領域にレーザー光を照射することによって、前記流路基材に前記第2流路部材を溶着させることと、を含んでもよい。上記製造方法によれば、上述した流路ユニットを製造できる。
【0134】
(N)上記流路ユニットの製造方法は、前記第2面上に弾性変形する弾性部材を有する変位部を位置させることと、前記第2流路部材から前記流路基材に向けて前記弾性部材を押し付ける状態で、前記第2溶着面を前記第2面に接触させることと、前記第2溶着領域にレーザー光を照射することによって、前記流路基材と前記弾性部材との間を延びる第2中継流路が画定されるように、前記流路基材に前記第2流路部材を溶着させることと、を含んでもよい。上記製造方法によれば、上述した流路ユニットを製造できる。
【符号の説明】
【0135】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…媒体収容体、14…支持部、15…増設ユニット、16…増設フレーム、17…増設収容体、18…装着部、19…液体収容体、20…液体導入部、21…印刷部、22…ヘッド、23…ノズル、24…ノズル面、25…キャリッジ、26…ガイド軸、27…接続部、28…流路ユニット、29…上流接続体、30…上流管、31…上流接続部材、32…上流継手、33…ボルト、34…ナット、35…取付穴、36…上流接続穴、37…シール部材、38…下流接続体、39…下流管、40…下流継手、41…ボルト、45…流路基材、46…第1流路部材、47…第2流路部材、48…第3流路部材、49…流路、51…第1面、52…第2面、53…第1溶着リブ、54…第2溶着リブ、55…第3溶着リブ、56…第1支持リブ、57…第2支持リブ、58…第3支持リブ、59…第1中継流路、60…第1上流中継流路、61…第1下流中継流路、62…第2中継流路、63…収容室、64…第3中継流路、65…第1中継口、66…第2中継口、67…排出路、68…漏出口、69…排出口、70…ボルト穴、71…点検用標記、72…ガイドピン、73…第1溶着面、74…第1反対面、75…第2溶着面、76…第2反対面、77…挿入口、78…穴、79…第3溶着面、80…第3反対面、81…第1接続管、82…第2接続管、83…第1接続流路、84…第2接続流路、86…変位部、87…操作機構、88…保護カバー、91…弾性部材、92…取付部分、93…変位部分、94…変位軸、95…ピン穴、96…押付部材、97…ホルダー、98…押付部分、99…収容部分、100…ガイド穴、101…軸穴、102…接触リブ、103…露出口、104…ピンガイド、111…保護板、112…操作板、113…操作ピン、114…押さえ板、115…スライダー、116…ガイド部分、117…ガイドスリット、118…ピン受け、119…保持部分、120…挿入部分、121…規制部分、A1…第1溶着領域、A2…第2溶着領域、A3…第3溶着領域、M1…媒体。
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