(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010125
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】外付けカテーテル安定化装置
(51)【国際特許分類】
A61M 25/02 20060101AFI20240116BHJP
A61M 1/00 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A61M25/02 502
A61M1/00 160
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023185159
(22)【出願日】2023-10-30
(62)【分割の表示】P 2021536339の分割
【原出願日】2019-12-20
(31)【優先権主張番号】62/783,385
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/826,057
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521268853
【氏名又は名称】レビティ プロダクツ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オルソン,サラ
(72)【発明者】
【氏名】メレンデス,フランク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カテーテル管を安定化させて保定する外付けカテーテル安定化装置を提供する。
【解決手段】患者60のところに接着により装着されるように構成される台座部分40と、保定装置50であってそこにカテーテル管20を保定するように構成される保定装置50と、台座部分40が装着された患者60に対して概ね垂直な枢軸の周りに保定装置50の枢動移動を可能にするように、保定構成要素を台座部分に枢動するように装着する枢動構成要素とを含む。保定装置50は、そこから突出して枢動構成要素から離間して配置されたガイドピンを含む。台座部分40に対して相対的な保定装置50の枢動移動は、保定装置50のガイドピンが台座部分の円弧状スロット孔に係合することによって、選択範囲に制限される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のところに接着により装着するように構成される台座部分と、
保定構成要素であってカテーテル管をそこに保定するように構成される保定構成要素と、
前記保定構成要素を前記台座部分に枢動するように装着して、前記台座部分が装着されている患者に対して概ね垂直な枢軸の周りに前記保定構成要素の枢動移動を可能にする枢動構成要素と、
を具備する、カテーテル管を安定させ保定する外付けカテーテル安定化装置であって、
前記保定構成要素が、前記保定構成要素から突出して前記枢動構成要素から離間するガイドピンを具備し、
前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の前記枢動移動が、前記保定構成要素のガイドピンと前記台座部分の円弧状スロット孔との係合を介して、選択範囲に制限されており、
前記台座部分が前記患者のところに装着される場合に、前記円弧状スロット孔が、前記枢軸の側方の前記台座部分の側部に沿って配設されており、
前記円弧状スロット孔が、前記枢軸の周りに180度延在して、前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の枢動移動を180度に制限し、前記保定構成要素の近くで終端する前記カテーテル管の分岐部の配置を容易にし、
前記カテーテル管が前記保定構成要素に保定された状態で、前記ガイドピンが前記円弧状スロット孔に沿って移動すると、前記保定構成要素および前記カテーテル管は、前記枢軸を中心として枢動する、
外付けカテーテル安定化装置。
【請求項2】
前記台座部分が前記患者のところに装着される場合に、前記円弧状スロット孔が、前記枢軸に隣接して上方の前記台座部分の上部に沿って配設される、請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項3】
前記保定構成要素が、開閉可能な筐体を具備し、前記カテーテル管が前記筐体のところに配設されて前記筐体が閉じられた場合に、前記カテーテル管が前記筐体のところに保定される、請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項4】
前記カテーテル管がY字形接合部を具備し、前記筐体が前記Y字形接合部を受容して保定するように構成される、請求項3に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項5】
前記カテーテル管が、三管式接合部を具備し、前記筐体が前記三管式接合部を受容して保定するように構成される、請求項3に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項6】
前記筐体が、前記筐体のところの前記カテーテル管の形状に合致する、請求項3に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項7】
前記台座部分が、患者の皮膚に接着される接着性パッチに接着により装着される、請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項8】
前記枢動構成要素が、前記保定構成要素を前記台座部分に着脱可能に装着する、請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項9】
前記枢動構成要素が、前記保定構成要素の一部分として形成され、前記台座部分のアパーチャのところで受容される、請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項10】
前記枢動構成要素が、前記台座部分の一部分として形成され、前記保定構成要素のアパーチャのところで受容される、請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項11】
前記枢動構成要素が、前記保定構成要素および前記台座部分とは別個に形成された別個の枢動構成要素を具備し、前記台座部分のアパーチャおよび前記保定構成要素のアパーチャのところで受容される、請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項12】
前記保定構成要素が、開閉可能な筐体をさらに具備し、前記カテーテル管が前記筐体のところに配設されて前記筐体が閉じられた場合に、前記カテーテル管が前記筐体のところで保定される、請求項8に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項13】
前記筐体が開いている場合には前記保定構成要素を前記台座部分から外すことを可能にするように前記筐体が構成され、前記筐体が閉じている場合には前記保定構成要素を前記台座部分から外すことを防止するように前記筐体が構成される、請求項12に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項14】
前記枢動構成要素が、シャフトと、前記シャフトの端部のところに頭部とを具備し、前記頭部の直径が、前記シャフトの直径より大きく、前記筐体が、広い部分と狭い部分とを具備する回転孔を具備し、前記広い方の部分が、前記枢動構成要素の頭部の通過を可能にするように構成され、前記狭い方の部分が、前記枢動構成要素のシャフトの通過を可能にして、前記枢動構成要素の頭部の通過に抗するように構成され、枢動構成要素のシャフトが前記回転孔の狭い方の部分の中に配設される場合に、前記筐体が閉じている間、枢動構成要素のシャフトを前記回転孔の狭い方の部分の中に維持するように、前記筐体が構成される、請求項13に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項15】
前記枢動構成要素が、前記保定構成要素の一部分として形成され、前記台座部分のアパーチャのところで受容される、請求項8に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項16】
前記枢動構成要素が、前記台座部分の一部分として形成され、前記保定構成要素のアパーチャのところで受容される、請求項8に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項17】
前記枢動構成要素が、前記保定構成要素および前記台座部分とは別個に形成された別個の枢動構成要素を具備し、前記台座部分のアパーチャおよび前記保定構成要素のアパーチャのところで受容される、請求項8に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月29日に出願された米国仮出願第62/826,057号、および2018年12月21日に出願された米国仮出願第62/783,385号の出願利益を主張するものであり、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は概して、カテーテル、および医療グレードのプラスチックまたは他の公知のポリマー材料で構成される、他の類似の概して可撓性の管の制御および安定化に関するものであり、その目的は、継続的、定期的、または1回限りの使用の治療および医療処置を受けている患者のために、人体の内部から外部に、体液または実質的に液体で流動性のある物質を排出するまたは排出可能にすることに関連する医療処置を容易にするためのものである。
【背景技術】
【0003】
患者/医師が、身体から流体を排出するためにカテーテルまたは同様の装置を使用しようする場合、外科的に準備されたストーマ部位でカテーテルが外れると、感染のリスクおよび周囲の皮膚や内部器官への刺激を著しく増加させる可能性がある。よって、カテーテルを患者の所定の位置に保定するための様々な解決策が提案されている。例えば、膀胱ミトロファノフ(Mitrofanoff)手術の場合、フォーリー(Foley)型カテーテルが、膨張したバルーン状の装置を膀胱内に残すので、その装置が移動する、膀胱の内壁に衝突する、または接触する際に、膀胱の痙攣を引き起こす可能性がある。これにより、患者に激痛や不快感が生じる可能性がある。
【0004】
他のタイプのカテーテル安定装置が存在しており、これらのいくつかは、膀胱またはストーマの通路から偶然に、またはそうでなければ不注意でカテーテルが引き出されるおそれが充分にあるストーマ部位上には配置されないものである。これらのタイプの装置は、部分的な解決策しか提供しない傾向があり、その設計の固有の限界のために充分なものではない。カテーテルを皮膚の表面に直接テープで固定することが典型的には必要であるが、しかしこれは、特定の各患者の特定の事例または治癒プロセスの長さによって概ね規定される長期間にわたって、手作業で膀胱からの排出を行う必要がある患者にとっては、適切なまたは長期的な解決策ではない。設置されたカテーテルは、注意深く監視するか、そうでなければ注意深く保護するかしないと、容易にそして不注意で機械的に引っ張られたり、何かに引っかかったりする可能性がある。ひどい場合には、カテーテルが引きちぎられ、激痛、感染症の可能性、皮膚への刺激を生じることになり、再置換手術や緊急修復手術の可能性もある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、患者の皮膚のところ(患者の脚部のところなど)に位置決め可能な外付けカテーテル安定化装置であって、患者の皮膚の装着部のところで管の可撓性または枢動を可能にすることで、カテーテル管が患者の身体内に入る場所でカテーテル管を引っ張らずに患者が移動できるようにするカテーテル安定化装置を提供する。
【0006】
本発明の一態様に準拠すれば、外付けカテーテル安定化装置は、患者に接着により装着するように構成される台座部分と、保定構成要素であってそこにカテーテル管を保定するように構成される保定構成要素と、保定構成要素を台座部分に枢動するように装着する枢動構成要素とを含む。枢動構成要素は、台座部分が装着されている患者の皮膚に対して概ね垂直なすなわち直交する枢軸の周りに保定構成要素の枢動移動を可能にするように、保定構成要素に装着される。台座部分に対して相対的な保定構成要素の枢動移動は、保定構成要素のガイドピンを台座部分の円弧状スロット孔と係合させることにより、選択範囲に制限される。円弧状スロット孔は、枢軸の周りに180度延在してもよく、これにより、台座部分に対して相対的な保定構成要素の枢動移動を約180度に制限する。
【0007】
本発明の別の態様に準拠すれば、外付けカテーテル安定化装置は、台座部分が装着された患者に対して概ね垂直な枢軸の周りに保定構成要素の枢動移動を可能にするように、保定構成要素を台座部分に枢動するように装着する枢動構成要素を含む。枢動構成要素は、保定構成要素を台座部分に着脱可能に装着する。保定構成要素は、開閉可能な筐体を含んでもよく、筐体は、筐体が閉じている間、保定構成要素が台座部分から外れるのを制限または防止するように構成される。
【0008】
本発明のこれらのそして他の対象、利点、目的、および特徴は、図面と併せて以下の明細書を検討することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の尿道カテーテル保持装置の透視図であって、患者の膀胱内に現在フォーリー型の「バルーンカテーテル」を含む完全な配置を示しており、市販の尿バッグが、脚の周りのストラップによって、患者の脚に装着され支持されている状態である。
【0010】
【0011】
【
図3】
図2の装置の詳細透視図であって、カテーテル安定化装置格納保定装置が「開」位置にあることを示している。
【0012】
【0013】
【
図5】装置の透視図であって、保定装置が開かれ、そこにカテーテル管が配設された状態で示されている。
【0014】
【
図6】
図5の装置の平面図であって、カテーテル管がない状態で示されている。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【
図8】別の装置の透視図であって、カテーテル管が、枢動可能な保定装置と台座部分に挟持されている状態である。
【0020】
【
図9】
図8の装置の平面図であって、カテーテル管がない状態で示されている。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【
図10】
図8の装置の別の透視図であって、カテーテル管がない状態で示されている。
【0025】
【
図11】本発明に準拠する二管式カテーテルを保定する別の装置の透視図であって、保定装置が、その中にカテーテル管のY字形接合部を受容するように形成された概ねY字形構成要素を具備している。
【0026】
【
図12】
図11の装置の透視図であって、保定装置が開いた状態で示されている。
【0027】
【0028】
【
図15】保定装置の詳細透視図であって、保定装置が開いた状態で示されている。
【0029】
【
図16】本発明に準拠する三管式カテーテルを保定する別の装置の透視図であって、保定装置が、その中にカテーテル管の三方向接合部を受容するように形成された成形構成要素を具備している。
【0030】
【
図17】
図16の装置の透視図であって、保定装置が開いた状態で示されている。
【0031】
【0032】
【0033】
【
図23-25】本発明に準拠する三管式カテーテルを保定する別の保定装置の透視図である。
【0034】
【
図26】本発明に準拠する別の装置の分解透視図である。
【0035】
【
図27A-27D】本発明に準拠する別の装置の保定装置の透視図および平面図であって、保定装置の開状態で示されている。
【0036】
【
図28A-28B】本発明に準拠する装置の台座および皮膚接着性パッチの平面図および側面図である。
【0037】
【0038】
【0039】
【
図30A-30C】本発明に準拠する別の装置の透視図および平面図である。
【0040】
【0041】
【0042】
【
図33A-33D】本発明に準拠する別の装置の台座の透視図、平面図および詳細図である。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【
図39A-39C】
図38の保定装置の側面図であって、保定装置の閉じた状態で示されている。
【0050】
【0051】
【
図41A-41C】
図40の保定装置の平面および側面図であって、保定装置の閉じた状態で示されている。
【0052】
【
図42】本発明に準拠する別の装置の分解透視図である。
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【
図45】
図42の装置の保定装置の透視図であって、保定装置の開状態で示されている。
【0057】
【
図46A-46C】
図45の保定装置の透視図および平面図および側面図であって、保定装置の閉じた状態で示されている。
【0058】
【
図47-48】別の保定装置の透視図であって、保定装置の開状態で示され、その中を通して枢動アパーチャが形成されている。
【0059】
【0060】
【0061】
【
図54-55】別の保定装置の透視図であって、保定装置の開状態で示され、その中を通して枢動アパーチャが形成されている。
【0062】
【0063】
【0064】
【
図61】装置の分解透視図であって、保定装置と、台座部分と、台座構成要素のところに、保定装置を枢動するように取り付ける枢動構成要素とを示している。
【0065】
【0066】
【
図63-64】組み立てられた装置の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、図面およびそこに図示されている例示的な実施形態を参照すると、外付けカテーテル安定装置(ECS)装置10が、患者60のところにカテーテル管20の支持と保定を提供する。
【0068】
図1~
図7に、皮膚接着性パッチ30(いくつかの実装では大まかには例えば約4インチ×約4インチ(102mm×102mm))と、皮膚接着性パッチ30に装着された半可撓性で薄型の台座40、40aと、典型的なフォーリー型カテーテル「Y字形接合部」を捉えて封入するカテーテル安定化装置格納保定装置50、50a(
図2では閉じた状態で、そして
図3では開いた状態で示す)とを含むカテーテル保定装置10、10aを示す。保定装置50は例えば、保定装置50の開閉を可能にするモールド成形されたプラスチック製「リビング(living)」ヒンジと、保定装置50を閉位置に固定する少なくとも1つのモールド成形されたプラスチック製ラッチ機構とを組み込んだ一つの部分品として、幾分硬いプラスチックから作られていてもよい。
図4に示すとおり、保定装置50aの台座部分のところの壁の概ね中心にある貫通孔が、薄型の台座40aの中心またはその近傍にある「釘頭状の突出部」またはピンと係合し、保定装置50aの孔と台座40aのピンとが単にスナップ式に結合されて、台座40aに対して保定装置50aが回転するようにした係合を提供している。よって、接着性パッチ30(皮膚適合性のある接着剤)が患者60の皮膚に接着され、台座40a(半可撓性のウレタンまたは同類のものを含む)が、皮膚接着性パッチ30に(皮膚適合性があってもなくてもよい粘着剤を介した)接着により装着される。台座40aは、保定装置50aの枢動孔を通ってスナップ式に結合する、枢動するピンまたは構成要素または構造を含み、それによって、2つのカテーテル管20、20aは、保定装置50aのところに位置決めされ、保定装置50aが閉じられた場合には、そこに保定される。随意に、保定装置は、保定装置の台座部分の壁から突出する枢動構成要素(例えば、ピンまたは同様の構造)を含んでもよい。枢動構成要素は、台座内の合致する枢軸孔を通ってスナップ式に結合し、回転するように係合してもよい。
【0069】
装置10aは、患者の脚に対して相対的な保定装置50aの回転の単一軸を提供すると同時に、カテーテル20aを支持し、これは患者60の身体移動に必要となる。この配置は、カテーテル20aを支持して安定化させて、患者の尿道管および患者60の膀胱内のフォーリー型バルーンに、不必要なストレス、緊張、または妨害を与えないようにするのに役立つ。
【0070】
随意に、保定装置50は、カテーテル管20を通す保定装置50の概ね楕円形の開口部または通路の内向き面の1つまたは複数に、一連の小さく可撓性の突出部を含んでもよい。小さく可撓性の突出部を設けて、カテーテル管20と閉じた保定装置50との間で摩擦を高めても、または所望の量の摩擦を生じさせてもよい。これは、保定装置50が、例えば、上下限を含め10~22フレンチカテーテルサイズの直径の間など、さらに広い範囲のカテーテルの直径をさらに良好に収容するのに役立つ可能性がある。
【0071】
図8~
図10を参照すると、本発明の装置10、10bは、ピンを具備する二方向クリップの形状をとる保定装置50、50bを有してもよく、このピンによって、台座40、40bにクリップが枢動するように装着され、それによって管20aが、装置10bの2つの受容クリップ内に簡単にスナップ式に結合される。二方向クリップは、各端部にC字形クリップを含み、各C字形クリップは、所定の内径を有する概ね円筒形の受容部または通路を有する。各C字形クリップのところの内径寸法は、設計により選択され、これは、所定のサイズ(例えば10から22フレンチ)のカテーテル管材の外径とクリップが摩擦により係合して、この枢動クリップの端部部分内でカテーテルの所望の程度の摩擦係合と固定とを提供するようにしてなされる。想定される範囲の様々な標準的な径のカテーテル向けに設計され予め構成されたひとそろいのクリップを、使用者が随意に利用できるようにすることができる。製造された様々なサイズのクリップは、例えば、カテーテルのサイズに対応する刻印された番号、射出成形されたプラスチック構造の異なる色によって、または速やかなそして使用者に役立つ識別を行う他の同様なそして適切な手段によって、随意に識別することができる。次いで使用者は、特定の用途に適したサイズのクリップを単に選択して、クリップを台座にスナップ式に結合させるだけである。
【0072】
そのような実施形態を用いた全体的な製品戦略および利点は、患者60の尿道に直接挿入されたカテーテル20aを固定および制御することである。装置10bは例えば、人の皮膚と一緒に使用するよう選択された特定の接着剤を使用する1つまたは複数の接着パッドを介するなどして、患者60の皮膚表面上または皮膚表面のところに、適切に、確実に、そして終始一貫して固定される場合がある。これにより、例えば、単純でしばしばジェネリックの医療用テープ、または単純でジェネリックの多目的接着性パッチを無作為に使用する場合に勝る改善が提供される。問題が1つあり、それは、これらの材料が、患者の無作為の場所に、無作為の数量および/または量で、医療スタッフによって(または随意に、患者自身によって)、患者の皮膚に適用される場合である。これは、しばしば起こることが知られており、カテーテル管を患者に、そして患者と一緒にして、適切に(とはいうものの一貫性なしに)確実に支持しようとする中で、繰り返し起こる問題であり健康リスクである。様々な種類のジェネリックの医療用テープや接着性パッチを使用すると、いかなる所与の患者へのカテーテルの固定も、一貫性のない、または不適切なものになりやすいことが多い可能性がある。患者の試みるそのようなテープや接着剤は、不適切な固定に対する解決策を特定しようという試みがなされるが、これは、患者またはカテーテル使用者が、ベッドにいる間、寝ている間、起きている間、立っている間、歩いている間に動き回る傾向がある場合、または患者または使用者が、それ以外にいずれにある程度活発に動く場合には、特に厄介なものとなる。
【0073】
カテーテルを患者に固定しようとするなかで、医療用テープを、脚、腕、またはさらに身体の腹部の周りに完全に巻き付けて使用すると、不快感や痛みが生じる結果となり得る。このことは、そうした目的には理想的ではない可能性のある様々な種類の無作為の接着剤や粘着剤に対する皮膚の有害反応については、特に当てはまる。他のさらに極端な場合では、身体の一部の全周を単に縛ったテープの不適切な使用により、全身にわたる体液および/または血液の自由な流れが制限される可能性がある。そうした状態は、特に、様々な健康関連の理由からカテーテルを使用しなければならない可能性のある幼い子供や高齢の患者に関して、さらに深刻な医療上の合併症を引き起こす可能性がある。
【0074】
本発明の装置を用いた別の全体的な製品戦略および利点は、外科的に実現した身体の開口部、または例えば、腹部を通って膀胱につながるストーマ開口部に直接挿入されたカテーテルを固定および制御することである。そのような実施形態を用いた別の全体的な製品戦略および利点は、排出目的で膀胱に完全に挿入する、および/または、例えば、フォーリー型バルーンが膀胱内で利用されない場合には、排出しない目的で膀胱から部分的に後退させるという選択肢を伴う、尿道内に直接挿入されたカテーテルを固定および制御することである。膀胱内でフォーリー型バルーンを使用する必要性をなくすことで、大きな不快感の原因がなくなる可能性のあることが多く、場合によっては患者に激痛が走る時間が発生する可能性がある。
【0075】
カテーテルを使用する患者にとって快適となるのに等しく重要なことは、装置10bが、尿道とカテーテル管20aの遠位端部との間で、患者60に機械的歪み緩和点を提供する場合があることである。装置10bは、カテーテル管の相対的にある程度限定的ではあるが自由な回転または枢動する揺動を提供することができ、したがって、その歪み緩和装着点でカテーテル20aの所望の量の本質的な自由な移動を提供することができる。また、装置10bは、カテーテル20aを膀胱に選択的に挿入すること、カテーテル20aを膀胱から後退させること、または部分的に後退させることとは別に、カテーテル管20aの流れのまたは流れ無しの制御のいずれか(ピンチバルブ)を提供する、そして随意にこれを可能にする場合がある。典型的かつ別個のカテーテルピンチバルブ(いずれの図または実施形態にも今回は示さず)は、係合されると、カテーテル管に収縮力を印加し、カテーテルを通る液体の流れを一時的に阻害または防止する。装置10bは、既存の市販のほとんどのピンチバルブ、ストレート型カテーテル、および現状入手可能な様々な可撓性医療用管材の径との好ましい合致を提供する。
【0076】
図11~
図15に示す装置10、10cは、同様の機能を提供するが、形成された保定装置50、50cが、Y字形接合部の形状に対応して形成されていて、カテーテル管20aを挟持することなくカテーテル管20aをそこに保定すると同時に、患者のところでカテーテル管のさらに強固な固定を提供するようになっている。ここでは、Y字形接合部の1つの分岐は、形成された保定装置50、50cの近くで終端しており、例えば、フォーリー型カテーテルのバルーンを膨張または収縮させるための分岐を配置する、および/またはそこにアクセスするのを容易にしている。
【0077】
図16~
図22に示す装置10、10dは、同様の機能を提供するが、形成された保定装置50、50dが、カテーテル20、20bの三管式接合部の形状に対応するように形成されていて、管を挟持することなくそこに保定するようになっている。同様に、
図23~
図25に示す装置10、10eは、同様の機能を提供するが、箱型の保定装置50、50eが、
図1~
図10の実施形態に関して上述したのと同様にして、カテーテル20、20bの3本の管をそこに保定する。
【0078】
図26の装置10、10fは、保定装置50、50fの台座40、40cの回転孔のところに、代替の「鍵孔状の設計」を設けている。部分的に鍵孔形状をした(または他の適切な形状にした)突起が、トップカバー(内側)のところに設けられていてもよく、閉じた場合には(保定装置のボトムカバーのところにある)鍵孔の大きい方の部分を塞いでもよい。鍵孔の大きい方の部分は、形状が実質的に円形であってもよく、枢動ピンの頭部が通り抜けられるように充分な大きさの径を有していてもよい。鍵孔の小さい方の部分は、枢動ピンの頭部よりも実質的に狭い一方で、枢動ピンのシャフトを収容するのには充分な幅を有していてもよい。よって、保定装置は、枢動ピンの頭部を鍵孔の大きい方の部分に通すことによって、次いで枢動ピンのシャフトが鍵孔の小さい方の部分に位置決めされるように保定装置を台座に対して再度位置決めすることによって、台座に装着してもよい。保定装置は、閉じている場合には、枢動ピンのシャフトの位置を鍵孔の小さい方の部分の中に保定して、枢動ピンの頭部が鍵孔の大きい方の部分を通り抜けるのを阻止または防止してもよい。例えば、この保定装置では、枢動ピンの端部のところを大きくした頭部の使用を可能にすることで、保定装置50f内の孔から抜ける可能性に対しさらに良好に抗している。この特徴により、単にトップカバーを開けて枢動ピンを保定装置の鍵孔開口部から外すだけで、枢動の検査や清掃、そして保定装置50fの点検や随意の交換のために、枢動取り付け部での保定装置50fの取り出しや交換がさらにしやすくなる場合がある。また、この特徴により、台座、カテーテル、または接着性皮膚パッチを必ずしも取り出して交換する必要なしに、取り替え用に随意の保定装置との交換に備えられる場合がある。したがって、そのような設計上の特徴は、患者と医療スタッフの両方に、保守の容易さと利便性という利点を提供することができ、医療施設内の医療スタッフの時間と患者対応のコストを削減する可能性をさらに促進する場合がある。
【0079】
図27A~
図29Bに示される装置10、10gは、上述され
図1~
図25に示される実施形態と同様の機能を提供するが、台座40、40dが、円弧状スロット孔42を有し、このスロットが台座40dの回転孔のところで枢軸の周りに約180度延在しており、保定装置50、50gが、ガイドピン52、52aを有し、これらのガイドピンが、枢軸からある距離を置いて保定装置50、50gから突出して、スロット孔に摺動可能または移動可能に係合している。円弧状スロット孔は、全体的または部分的に台座を貫通して延在してもよい。すなわち、スロット孔は、台座が回転する際にガイドピンをスロット内に維持するのに充分な深さまで、エッチングまたはその他の方法で台座の表面に形成された切り欠きであってもよい。随意に、ガイドピンは、バネで留められていてもよく、バネは、例えばガイドピンの長手方向の軸に沿って、ガイドピンをスロット孔に係合および/または維持する力を発揮する。ガイドピンは、台座40dの中心付近の孔44に回転可能に係合した保定装置50、50g上の回転/枢動ピン54、54aを介して保定装置50gが台座40dに対して相対的に回転する際には、スロット孔の長さに沿って摺動または移動してもよい。スロット孔の長さは、保定装置50gの回転する程度、例えば、ガイドピンがスロットの端部に当接している場合には、保定装置50gの回転を禁止する範囲を、制限または設定してもよい。随意に、スロット孔は、ガイドピンの円弧状の移動を可能にする、そして保定装置50gの回転する程度を制限または設定する、いかなる形状であってもよい。例えば、スロット孔は、台座内の実質的に円形のまたは半円形の開口部または切り欠きであってもよい。実質的に円形のまたは半円形の開口部または切り欠きは、止め具すなわち端部を有してもよく、これらの止め具すなわち端部が、ガイドピンの動きを止め具どうしの間の範囲に制限する。例えば、止め具は、約180度離間して位置決めされてもよく、実質的に円形の開口部または切り欠きの端部から内側に突出することにより、ガイドピンの動きを止め具間の範囲に制限する。
【0080】
図28Aに示すとおり、スロット孔は、台座40dの一方の側、すなわち台座40dの長さに沿って配設してもよい。例えば、装置10gが患者60の右脚または左脚の患者の皮膚に接着される場合、台座40dは、スロット孔が患者の身体の中心から遠ざかるような方向を向くようになるであろう。すなわち、右脚上の台座40dの向きは、左脚上の台座40dの向きに対して反対、または相対的に上下逆になっていてもよい。よって保定装置は、約180度枢動してもよく、この枢動により、保定装置の上端部を、上向き(ガイドピンがスロット孔の上端部にあるとき)、または下向き(ガイドピンがスロット孔の下端部にあるとき)、または患者の身体の中心に向かって内向き(ガイドピンが上端部と下端部の間でスロット孔に沿って移動する際)にさせる。よって、本装置は、保定装置の制御されたまたは制限された枢動を実現して、制限された範囲内でのカテーテル管材の制限された移動を影響する。制限された範囲の枢動する動きは、患者が安静にしている、または移動している際のカテーテル管のよじれやもつれを抑制し、防止することができる。さらには、制限された範囲の枢動する動きは、保定装置の近くで終端するカテーテル管の分岐部、例えばフォーリー型カテーテルの膨張ポートの、配置、および/またはアクセス、ならびに手入れをさらに容易にする場合がある。
【0081】
図30A~
図32Cに示す装置10、10hは、
図27A~
図29Bに示す実施形態と同様の機能を提供するが、形成された保定装置50、50hが、三管式または三方向カテーテルの接合部の形状に対応するように形成されていて、管を挟持することなくそこに管を保定するようになっている。
【0082】
図33A~
図39Cに示す装置10、10jは、
図27A~
図29Bに示す実施形態と同様の機能を提供するが、台座40、40eが、台座40eの異なる側、例えば、台座の上部の幅に沿って配設されたスロット孔を有する。同様に、保定装置50、50jは、スロット孔に摺動可能または移動可能に係合されたガイドピンを含んでもよく、ガイドピンは、保定装置50jが台座40eに対して相対的に回転する際に、スロット孔の長さに沿って摺動または移動してもよい。よって保定装置は、約180度枢動してもよく、この枢動により、保定装置の上端部を、患者の身体の中心に向かって内向き(ガイドピンがスロット孔のそれぞれの側端部にある場合)、または患者の体の中心から遠ざかって外向き(ガイドピンがスロット孔の反対側端部にある場合)、または上向き(ガイドピンが対向する端部の間でスロット孔に沿って移動する際)にさせる。よって、本装置は、保定装置の制御されたまたは制限された枢動を提供して、制限された範囲内でのカテーテル管材の制限された移動を可能にする。随意に、スロット孔は、台座上の他の場所に配設されてもよく、および/または保定装置50jを台座40eに対して相対的に回転させる程度を、180度未満の範囲(または随意に、180度より大きいが360度未満の範囲)に制限してもよい。
【0083】
図40~
図41Cに示す保定装置50、50kを含む装置10、10kは、
図27A~
図29Bに示す実施形態と同様の機能を提供しており、装置の詳細な考察を本明細書で繰り返す必要がないようなものである。保定装置50、50jおよび50、50kは、保定装置から突出して台座内のアパーチャを通って受容される枢動ピンを介して、台座のところで枢動するように装着されており、保定装置は、ガイドピンを含み、このガイドピンは、円弧状スロット孔または同類のもののところに移動可能に配設され、このスロット孔または同類のものは、例えば上述のものと同様にして、台座のところで保定装置の枢動範囲を制限する。あるいは、保定装置保定装置は、基部から突出して保定装置内のアパーチャを通って受容されるピンを介して、台座のところで枢動するように装着されてもよい(
図54~
図60を見られたい)。
図54~
図60に示す、保定装置を含む装置は、
図33A~
図41Cに示す実施形態と同様の機能を提供しており、装置の詳細な考察を本明細書で繰り返す必要がないようなものである。
【0084】
図42~
図46Cに示す装置10、10mは、
図33A~
図41Cに示す実施形態と同様の機能を提供するが、形成された保定装置50、50mが、三管式接合部の形状に対応するように形成されていて、管を挟持することなくそこに保定するようになっている。保定装置50、50mは、保定装置から突出して台座内のアパーチャを通って受容される枢動ピンを介して、台座のところで枢動するように装着されており、保定装置は、ガイドピンを含み、このガイドピンは、円弧状スロット孔または同類のもののところに移動可能に配設され、このロット孔または同類のものは、例えば上述のものと同様にして、台座のところで保定装置の枢動範囲を制限する。あるいは、保定装置50、50mは、台座から突出して保定装置内のアパーチャを通って受容されるピンを介して、台座のところで枢動するように装着されてもよい(
図47~
図53を見られたい)。
図42~
図46Cに示す保定装置50、50mを含む装置10、10mは、
図33A~
図41Cに示す実施形態と同様の機能を提供しており、装置の詳細な考察を本明細書で繰り返す必要がないようなものである。
【0085】
随意に、そして
図61~
図64に示すとおり、保定装置と台座部分とを含む装置は、別個の枢動構成要素60(
図61および
図62)を有しており、これらの構成要素は、台座内のアパーチャにスナップ式に結合されてもよく、そして保定装置内のアパーチャにスナップ式に挿入されて、台座構成要素のところで保定装置を枢動するように取り付けてもよい。例えば、枢動構成要素は、台座内のアパーチャを通って挿入されて、枢動構成要素の幅広の方の端部すなわちフランジが台座の下側に係合してもよく、そして枢動構成要素は、保定装置のアパーチャにスナップ式に挿入されてもよい(枢動構成要素の端部は、保定装置のアパーチャに端部を挿入するために端部のところで内向きの屈曲を可能にするスロット孔を有する)。あるいは、別個の枢動構成要素55を保定装置のアパーチャに通して挿入して、台座に係合またはスナップ式に装着してもよい。
図61~
図64の例示の実施形態では、保定装置は、二管式接合部の形状を具備するが、例えば三管式接合部の形状に対応するように成形または形成して、管を挟持することなくそこに保定するようにしてもよい。
図61~
図64に示す保定装置を含む装置は、
図33A~
図60に示す実施形態と同様の機能を提供しており、装置の詳細な考察を本明細書で繰り返す必要がないようなものである。
【0086】
よって、接着性パッチ30は、患者の皮膚のところに接着により(例えば、パッチを患者の皮膚に接着する、そしてパッチを患者の皮膚から安全に取り外すことを可能にする、パッチの下側に配設された適切で皮膚に安全な接着剤を介して)装着してもよく、台座40は、パッチのところに接着により(例えばパッチのところで台座を接着により装着することにより)装着してもよい。パッチのところへの台座の位置は、接着性パッチの上面のわずかな凹部(パッチの形状または輪郭に対応してもよいもの)のところでパッチが受容されることによって設定されるようにしてもよく、これは、台座を貫通するアパーチャがパッチを貫通するアパーチャと概ね一致するようにしてなされる。枢動構成要素は、台座をパッチに装着する前、および/またはパッチを患者に装着する前に、台座の中心アパーチャに通して挿入してもよく、パッチの中心孔および/または台座の厚さ寸法が、枢動構成要素の台座フランジのための空きすなわちクリアランスを提供することで、パッチが患者に接着される場合に枢動構成要素が患者の皮膚から離間する。次いで、保定装置(例えば二管式または三管式の保定装置)を選択(例えば、保定されることになる特定のカテーテル管にとって適切な形式およびサイズを有する保定装置を選択)して、枢動構成要素にスナップ式に結合させてもよく、次いで、カテーテル管を(保定装置が開いている場合)保定装置に通して引き回し、それによって、保定装置をスナップ式に閉じて管を装置のところで保定するととともに、患者のところの台座および接着性パッチに対して相対的な保定装置および管の制限された回転または枢動移動を可能にしてもよい。
【0087】
したがって、本発明の装置は、患者のところにカテーテル管の枢動可能または調節可能な装着に備えることで、患者が移動する場合には装置が枢動して、カテーテル管の引っ張り、束縛、または挟み込まれる可能性を制限または実質的に排除できるようにする。この装置は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,086,168号に記載の外付けカテーテル安定化装置の態様を利用してもよい。随意に、本明細書に記載の装置は、米国特許第10,086,168号の装置であって、身体に外科的に作り出された開口部、すなわち例えば、膀胱に関するストーマの開口部のところに配設され、そこから管を案内する装置と併用しても、そして本明細書に記載の装置10であって、患者の脚部(または随意に、外科的に作り出された開口部、すなわちストーマからのあらゆる好ましい遠隔位置)のところに、枢動するように装着されて、排出管を案内することと、管が体液収集バッグまたは容器に向かって延在する際に、自由な枢動移動の好ましい範囲を制限することとの両方を行う装置と併用してもよい。
【0088】
具体的に記載された実施形態における変更および修正は、本発明の原理から逸脱することなく実施することができ、本発明は、均等論を含む特許法の原則に従って解釈されるとおり、添付の請求項の範囲によってのみ制限されることが意図される。
発明の開示
1.患者のところに接着により装着するように構成される台座部分と、
保定構成要素であってカテーテル管をそこに保定するように構成される保定構成要素と、
前記保定構成要素を前記台座部分に枢動するように装着して、前記台座部分が装着されている患者に対して概ね垂直な枢軸の周りに前記保定構成要素の枢動移動を可能にする枢動構成要素と、
を具備する、カテーテル管を安定させ保定する外付けカテーテル安定化装置であって、
前記保定構成要素が、前記保定構成要素から突出して前記枢動構成要素から離間するガイドピンを具備し、
前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の枢動移動が、前記保定構成要素のガイドピンと前記台座部分の円弧状スロット孔との係合を介して、選択範囲に制限される、
外付けカテーテル安定化装置。
2.前記円弧状スロット孔が、前記枢軸の周りに180度延在して、前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の枢動移動を180度に制限する、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
3.前記円弧状スロット孔が、前記枢軸の周りに180度未満で延在して、前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の枢動移動を180度未満に制限する、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
4.前記台座部分が前記患者のところに装着される場合に、前記円弧状スロット孔が、前記枢軸の側方の前記台座部分の側部に沿って配設される、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
5.前記台座部分が前記患者のところに装着される場合に、前記円弧状スロット孔が、前記枢軸の上方の前記台座部分の上部に沿って配設される、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
6.前記保定構成要素が、開閉可能な筐体を具備し、前記カテーテル管が前記筐体のところに配設されて前記筐体が閉じられた場合に、前記カテーテル管が前記筐体のところに保定される、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
7.前記カテーテル管がY字形接合部を具備し、前記筐体が前記Y字形接合部を受容して保定するように構成される、項目6に記載の外付けカテーテル安定化装置。
8.前記カテーテル管が、三管式接合部を具備し、前記筐体が前記三管式接合部を受容して保定するように構成される、項目6に記載の外付けカテーテル安定化装置。
9.前記筐体が、前記筐体のところの前記カテーテル管の形状に合致する、項目6に記載の外付けカテーテル安定化装置。
10.前記保定構成要素が楕円形の開口部を具備し、前記カテーテル管が前記楕円形の開口部内に配設される場合には前記カテーテル管と係合するように構成される可撓性の突出部を、前記楕円形の開口部の内向き面が具備する、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
11.前記保定構成要素が、1つまたは複数の受容クリップを具備し、前記カテーテル管が前記1つまたは複数の受容クリップ内に配設される場合には前記カテーテル管を保定するように、前記1つまたは複数の受容クリップが構成される、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
12.ピンチバルブをさらに具備し、前記カテーテル管が前記保定構成要素によって保定される場合には、そして前記ピンチバルブが係合している場合には、前記ピンチバルブが前記カテーテル管に収縮力を印加する、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
13.前記台座部分が、患者の皮膚に接着される接着性パッチに接着により装着される、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
14.前記枢動構成要素が、前記保定構成要素を前記台座部分に着脱可能に装着する、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
15.前記枢動構成要素が、前記保定構成要素の一部分として形成され、前記台座部分のアパーチャのところで受容される、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
16.前記枢動構成要素が、前記台座部分の一部分として形成され、前記保定構成要素のアパーチャのところで受容される、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
17.前記枢動構成要素が、前記保定構成要素および前記台座部分とは別個に形成された別個の枢動構成要素を具備し、前記台座部分のアパーチャおよび前記保定構成要素のアパーチャのところで受容される、項目1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
18.患者のところに接着により装着するように構成される台座部分と、
保定構成要素であってそこにカテーテル管を保定するように構成される保定構成要素と、
前記保定構成要素を前記台座部分に枢動するように装着して、前記台座部分が装着されている患者に対して概して垂直な枢軸の周りに前記保定構成要素の枢動移動を可能にする枢動構成要素と、
を具備する、カテーテル管を安定化させて保定する外付けカテーテル安定化装置であって、
前記枢動構成要素が、前記保定構成要素を前記台座部分に着脱可能に装着する、
外付けカテーテル安定化装置。
19.前記保定構成要素が、開閉可能な筐体をさらに具備し、前記カテーテル管が前記筐体のところに配設されて前記筐体が閉じられた場合に、前記カテーテル管が前記筐体のところで保定される、項目18に記載の外付けカテーテル安定化装置。
20.前記筐体が開いている場合には前記保定構成要素を前記台座部分から外すことを可能にするように前記筐体が構成され、前記筐体が閉じている場合には前記保定構成要素を前記台座部分から外すことを防止するように前記筐体が構成される、項目19に記載の外付けカテーテル安定化装置。
21.前記枢動構成要素が、シャフトと、前記シャフトの端部のところに頭部とを具備し、前記頭部の直径が、前記シャフトの直径より大きく、前記筐体が、広い部分と狭い部分とを具備する回転孔を具備し、前記広い方の部分が、前記枢動構成要素の頭部の通過を可能にするように構成され、前記狭い方の部分が、前記枢動構成要素のシャフトの通過を可能にして、前記枢動構成要素の頭部の通過に抗するように構成され、枢動構成要素のシャフトが前記回転孔の狭い方の部分の中に配設される場合に、前記筐体が閉じている間、枢動構成要素のシャフトを前記回転孔の狭い方の部分の中に維持するように、前記筐体が構成される、項目20に記載の外付けカテーテル安定化装置。
22.前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の枢動移動が、前記保定構成要素のガイドピンと前記台座部分の円弧状スロット孔との係合を介して、選択範囲に制限される、項目18に記載の外付けカテーテル安定化装置。
23.前記カテーテル管が前記保定構成要素内に配設される場合に、前記カテーテル管と係合するように構成される可撓性の突出部を、前記保定構成要素の内向き面が具備する、項目18に記載の外付けカテーテル安定化装置。
24.前記枢動構成要素が、前記保定構成要素の一部分として形成され、前記台座部分のアパーチャのところで受容される、項目18に記載の外付けカテーテル安定化装置。
25.前記枢動構成要素が、前記台座部分の一部分として形成され、前記保定構成要素のアパーチャのところで受容される、項目18に記載の外付けカテーテル安定化装置。
26.前記枢動構成要素が、前記保定構成要素および前記台座部分とは別個に形成された別個の枢動構成要素を具備し、前記台座部分のアパーチャおよび前記保定構成要素のアパーチャのところで受容される、項目18に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外付けカテーテル安定化装置であって、
患者のところに接着により装着するように構成される台座部分と、
保定構成要素であってカテーテル管をそこに保定するように構成される保定構成要素と、
前記保定構成要素を前記台座部分に枢動するように装着して、前記台座部分が装着されている患者から外方に延びる枢軸の周りでの前記保定構成要素の枢動移動を可能にする枢動構成要素であって、前記枢動構成要素が、シャフトと、前記シャフトの端部のところに頭部と、を備え、前記頭部の直径が前記シャフトの直径よりも大きい、枢動構成要素と、
を備え、
前記保定構成要素は、台座およびカバーを有する筐体を備え、前記筐体は開閉可能であり、前記カテーテル管が前記筐体のところに配設されて前記筐体が閉じられた場合に、前記カテーテル管は前記筐体のところで保定され、
前記筐体の台座は、広い部分および狭い部分を含む鍵孔を備え、前記広い部分は、前記枢動構成要素の前記頭部が前記筐体の前記台座を通過することができるように構成されており、前記狭い部分は前記枢動構成要素の前記シャフトを収容し、前記枢動構成要素の前記頭部が前記狭い部分のところで前記筐体の前記台座を通過することに抵抗し、
前記鍵孔の前記広い部分を通って前記枢動構成要素の前記頭部を収容し前記鍵孔に沿って前記枢動構成要素の前記シャフトを移動させて前記鍵孔の前記狭い部分に前記枢動構成要素の前記シャフトを配置することによって、前記筐体の前記台座は前記台座部分に位置決めされ、
前記枢動構成要素の前記シャフトが前記鍵孔の前記狭い部分に配置された状態で、前記筐体は、前記筐体が閉じられたとき、前記鍵孔の前記狭い部分に前記枢動構成要素の前記シャフトを維持し、
前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の前記枢動移動が、前記保定構成要素のガイドピンと前記台座部分の円弧状スロット孔との係合を介して、選択範囲に制限される、
外付けカテーテル安定化装置。
【請求項2】
前記筐体の前記カバーは突起を含み、前記筐体が閉じられたとき、前記突起は前記鍵孔の前記広い部分に少なくとも部分的に配置され、前記枢動構成要素が前記鍵孔の前記広い部分に向けて前記鍵孔に沿って移動することを制限する、
請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項3】
前記筐体の前記台座は、前記筐体が開いており、前記突起が前記鍵孔の前記広い部分から離れるように動かされたとき、前記台座部分から前記保定構成要素を取り外すことができるように構成されている、
請求項2に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項4】
前記ガイドピンは、前記枢動構成要素から離隔している、
請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項5】
前記台座部分が前記患者のところに装着される場合に、前記円弧状スロット孔は、前記枢軸の側方の前記台座部分の側部に沿って配設されている、
請求項4に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項6】
前記円弧状スロット孔が、前記枢軸の周りに180度延在して、前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の枢動移動を180度に制限し、前記保定構成要素の近くで終端する前記カテーテル管の分岐部の配置を容易にする、
請求項4に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項7】
前記円弧状スロット孔が、前記枢軸の周りに180度未満の角度で延在して、前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の枢動移動を180度未満に制限し、前記保定構成要素の近くで終端する前記カテーテル管の分岐部の配置を容易にする、
請求項4に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項8】
前記台座部分が前記患者のところに装着される場合に、前記円弧状スロット孔が、前記枢軸に隣接して前記台座部分の上部に沿って配設される、
請求項4に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項9】
前記カテーテル管がY字形接合部を具備し、前記筐体が前記Y字形接合部を受容して保定するように構成される、
請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項10】
前記カテーテル管が三管式接合部を具備し、前記筐体が前記三管式接合部を受容して保定するように構成される、
請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項11】
前記筐体は、前記筐体のところに受容され保定される前記カテーテル管の形状に合致する、
請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項12】
前記筐体は、前記カテーテル管が前記ハウジング内に配置され前記ハウジングが閉じられたとき、前記カテーテル管と係合するように構成された可撓性の突出部を備える、
請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項13】
前記台座部分が、患者の皮膚に接着される接着性パッチに接着により装着される、
請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項14】
前記枢動構成要素が、前記台座部分の一部分として形成される、
請求項1に記載の外付けカテーテル安定化装置。
【請求項15】
患者のところにカテーテル管を装着するための方法であって、
(i)台座部分および(ii)保定構成要素を備える外付けカテーテル安定化装置を準備することであって、
前記台座部分が円弧状スロットを含み、前記保定構成要素がガイドピンを含み、
前記台座部分が、シャフトおよび前記シャフトの端部のところに頭部を有する枢動構成要素を備え、前記頭部の直径は前記シャフトの直径よりも大きく、
前記保定構成要素が、広い部分および狭い部分を含む鍵孔を備える、
前記外付けカテーテル安定化装置を準備することと、
患者に前記台座部分を接着により装着することと、
前記保定構成要素のところに前記患者のカテーテル管を配置することと、
(i)前記枢動構成要素の前記シャフトが前記鍵孔の前記広い部分に配置されるように前記枢動構成要素の前記頭部を前記鍵孔の前記広い部分に挿入し、(ii)前記枢動構成要素の長手軸に対して横方向に前記鍵孔に沿って前記枢動構成要素の前記シャフトを移動させ、前記枢動構成要素の前記シャフトを前記鍵孔の前記狭い部分に配置し、(iii)前記枢動構成要素の前記シャフトが前記鍵孔の前記狭い部分に配置された状態でかつ前記カテーテル管が前記保定構成要素に配置された状態で、前記保定構成要素を閉じて前記カテーテル管を前記保定構成要素に保定し、前記鍵孔の前記狭い部分に前記枢動構成要素の前記シャフトを維持することによって、前記保定構成要素を前記台座部分に枢動するように装着することと、
前記カテーテル管が前記保定構成要素に配置された状態でかつ前記保定構成要素が前記患者に接着して装着された前記台座部分に枢動するように装着された状態でかつ前記保定構成要素が閉じられた状態で、前記枢動構成要素の周りで前記保定構成要素を枢動させ、前記ガイドピンおよび前記円弧状スロットを介して前記保定構成要素の枢動移動を制限し、前記保定構成要素の近くで終端する前記カテーテル管の分岐部の配置を容易にすることと、
を含む方法。
【請求項16】
前記保定構成要素のカバーは突起を含み、前記保定構成要素が閉じられたとき、前記突起は、前記鍵孔の前記広い部分に少なくとも部分的に配置され、前記枢動構成要素の前記シャフトが前記鍵孔の前記広い部分に向けて前記鍵孔に沿って移動することを制限する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記保定構成要素は、前記保定構成要素が開いており、前記突起が前記鍵孔の前記広い部分から離れるように動かされたとき、前記台座部分から前記保定構成要素を取り外すことができるように構成されている、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記台座部分が前記患者のところに装着される場合に、前記円弧状スロット孔は、前記枢動構成要素の側方の前記台座部分の側部に沿って配設されている、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記円弧状スロット孔が、前記枢動構成要素の周りに180度延在して、前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の枢動移動を180度に制限し、前記保定構成要素の近くで終端する前記カテーテル管の分岐部の配置を容易にする、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記円弧状スロット孔が、前記枢動構成要素の周りに180度未満の角度で延在して、前記台座部分に対して相対的な前記保定構成要素の枢動移動を180度未満に制限し、前記保定構成要素の近くで終端する前記カテーテル管の分岐部の配置を容易にする、
請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記カテーテル管がY字形接合部を具備し、前記保定構成要素が前記Y字形接合部を受容して保定するように構成される、
請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記カテーテル管が三管式接合部を具備し、前記保定構成要素が前記三管式接合部を受容して保定するように構成される、
請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記保定構成要素は、前記保定構成要素が閉じられる場合、前記保定構成要素のところの前記カテーテル管の形状に合致する、
請求項15に記載の方法。
【外国語明細書】