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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101256
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】溶着性ビーズ玩具用収納ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/24 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
B65D1/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005137
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】境 亮
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA12
3E033DE06
3E033DE11
3E033DE20
3E033GA03
(57)【要約】
【課題】ビーズを収納するのみならず、ビーズを利用して楽しむこともできる溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供する。
【解決手段】収納ケース10は、本体部20と、本体部20に設けられ、複数の溶着性ビーズ玩具が収納される収納部と、を備え、前記本体部は、1つの溶着性ビーズ玩具が嵌め込まれて保持される装着孔40を有し、装着孔40は、本体部20から外部に露出するように設けられて溶着性ビーズ玩具の外径と略等しい開口径で開口する第1開口部41、及び装着孔40の底部に設けられて溶着性ビーズ玩具の外径よりも小さい開口径で開口する第2開口部42を有し、深さ方向寸法が1つの溶着性ビーズ玩具の全体が収まる寸法とされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に設けられ、複数の溶着性ビーズ玩具が収納される収納部と、を備え、
前記本体部は、1つの前記溶着性ビーズ玩具が嵌め込まれて保持される凹部を有し、
前記凹部は、該本体部から外部に露出するように設けられて前記溶着性ビーズ玩具の外径と略等しい開口径で開口する第1開口部、及び前記凹部の底部に設けられて前記溶着性ビーズ玩具の外径よりも小さい開口径で開口する第2開口部を有し、深さ方向寸法が1つの前記溶着性ビーズ玩具の全体が収まる寸法とされる、
溶着性ビーズ玩具用収納ケース。
【請求項2】
前記第2開口部は略楕円形状又は長孔形状とされる、請求項1に記載の溶着性ビーズ玩具用収納ケース。
【請求項3】
前記第2開口部の開口端に当接又は近接される格子状部材を備える、請求項1に記載の溶着性ビーズ玩具用収納ケース。
【請求項4】
前記本体部は、複数の前記凹部を有し、
複数の前記凹部の少なくとも一つは、前記第1開口部の開口形状が異なっている、請求項1~3のいずれか1項に記載の溶着性ビーズ玩具用収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶着性ビーズ玩具用収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多数のビーズを収納して持ち運ぶことができる収納ケースが知られている。例えば、特許文献1には、携帯に便利で取り扱いやすいビーズ収納容器が開示されている。このビーズ収納容器は、扁平な本体と、ヒンジを介して接続された蓋体とからなっており、本体の内部にビーズが収納される半球状の複数の凹面が設けられている。蓋体を閉じると蓋体の掛け片が本体の受け片に係合され、内部が密閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3095833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、水を噴霧するだけでビーズ同士が溶着し、様々な形態のビーズの結合体を作成することができる溶着性ビーズ玩具が人気を博している。このような溶着性ビーズ玩具も、上記従来のような収納ケースに収納することができる。しかしながら、従来の収納ケースは、ビーズを収納するのみに止まり、ビーズを利用して楽しむことができるものではなかった。
【0005】
本発明は、ビーズを収納するのみならず、ビーズを利用して楽しむこともできる溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、本体部と、前記本体部に設けられ、複数の溶着性ビーズ玩具が収納される収納部と、を備え、前記本体部は、1つの前記溶着性ビーズ玩具が嵌め込まれて保持される凹部を有し、前記凹部は、該本体部から外部に露出するように設けられて前記溶着性ビーズ玩具の外径よりも大きい開口径で開口する第1開口部、及び前記凹部の底部に設けられて前記溶着性ビーズ玩具の外径よりも小さい開口径で開口する第2開口部を有し、深さ方向寸法が1つの前記溶着性ビーズ玩具の全体が収まる寸法とされる。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、ビーズを収納するのみならず、ビーズを利用して楽しむこともできる溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る収納ケースを前方側から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る収納ケースを後方側から見た斜視図である。
図3】作成トレイを取り外した状態の本体部を後方側から見た背面図である。
図4】収納ケースの留め具部近傍を拡大した正面図であって、(a)は各装着孔に溶着性ビーズ玩具が嵌め込まれていない状態を示し、(b)は各装着孔に溶着性ビーズ玩具が嵌め込まれた状態を示す。
図5】収納ケースの留め具部近傍の縦断面図であって、(a)は図4におけるVa-Va断面の断面図を示し、(b)は図4におけるVb-Vb断面の断面図を示す。
図6】収納ケースの留め具部近傍の縦断面図であって、図4におけるVI-VI断面の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態では、溶着性ビーズ玩具B(図4(b)等参照)を収納するための溶着性ビーズ玩具用収納ケース(以下、「収納ケース10」という。)について例示する。図1及び図2に示すように、収納ケース10は、ハンドバックを模した形状とされる本体部20と、本体部20に着脱自在とされる作成トレイ30とを備えている。作成トレイ30は、複数の溶着性ビーズ玩具Bを、種々の図柄等に合わせて配置して、霧吹き等で水を噴霧することで溶着性ビーズ玩具B同士を結合して遊ぶためのトレイである。図2に示すように、本体部20の一方側は開放されており、作成トレイ30が見えるようになっている。
【0010】
本体部20は、ハンドバックの持ち手を模した形状とされる持ち手部22、錠前部分を模した形状とされる錠前部24、及び留め具部分を模した形状とされる留め具部26を有している。以下では、本体部20の持ち手部22が設けられた側を収納ケース10の上側、その反対側を下側とし、本体部20の留め具部26が設けられた側を収納ケース10の前側、その反対側である開放された側を後側とし、本体部20を前方側から見たときの右側を収納ケース10の右側、その反対側を左側として説明する。
【0011】
まず、作成トレイ30について説明する。図2に示すように、本体部20内には、作成トレイ30が取り付けられて収納される収納空間Sが設けられている。作成トレイ30は、略正方形板状の第1トレイ31と、第1トレイ31の後方側に重ね合わされて第1トレイ31よりも一回り小さな略正方形板状の第2トレイ32とを備えている。第1トレイ31の上下方向寸法は、収納空間S内の上下方向寸法と略等しくなっている。本体部20の収納空間S内の左右方向中央部の上下両端部には、第1トレイ31が係合される第1係合孔20aがそれぞれ設けられている(図3参照)。第1トレイ31は、その上下両端側が各第1係合孔20aに係合されることにより、本体部20に取り付けられる。
【0012】
第2トレイ32は、複数の溶着性ビーズ玩具Bが嵌め込まれて保持される保持孔群32aを有している。保持孔群32aは、その開口側を後方側に向けた形で設けられている。保持孔群32aに複数の溶着性ビーズ玩具Bを嵌め込み、水を噴霧することにより、隣り合う溶着性ビーズ玩具B同士が溶着して結合され、溶着性ビーズ玩具Bの集合体を作成することができる。第2トレイ32の左右両側には、第1トレイ31が係合される第2係合孔32bがそれぞれ設けられている。第2トレイ32は、各第2係合孔32bが第1トレイ31に係合されることにより、収納空間S内に収納された状態で第1トレイ31に取り付けられる。収納ケース10は、第2トレイ32を取り外した状態で、持ち手部22を把持して容易に持ち運ぶことができる。
【0013】
図3に示すように、収納空間S内には、格子状の補強リブ20bが設けられている。第1トレイ31は、その前面が補強リブ(リブ状部材)20bに当接された状態で本体部20に取り付けられる。このため、収納ケース10を持ち運ぶ場合に、第1トレイ31ががたつくことが防止される。補強リブ20bの間は、複数の溶着性ビーズ玩具Bが収納される収納部20cとなっている。収納部20cに複数の溶着性ビーズ玩具Bが収納された状態で第1トレイ31が本体部20に取り付けられることにより、第1トレイ31が蓋となって収納部20cが閉じられ、収納部20cから溶着性ビーズ玩具Bがこぼれることが防止される。
【0014】
次に、本発明の要部である本体部20に設けられた装着孔40について説明する。図4(a)に示すように、本体部20の前面の下側に位置する留め具部26は、本体部20の前面から前方側に向けて凸となるように縦長楕円形状の円錐台状に設けられている。留め具部26には、溶着性ビーズ玩具Bが嵌め込まれて保持される(装着される)凹状の3つの装着孔(凹部)40が上下方向に略等しい間隔で設けられている。図4(a)及び図5(a)に示すように、各装着孔40は、前方側に開口する第1開口部41と、装着孔40の底部40aに設けられて第1開口部41よりも小さい開口径で後方側に開口する第2開口部42とを有しており、前後方向に貫通する貫通孔とされている(図6参照)。
【0015】
図6に示すように、第1開口部41は、本体部20の留め具部26から外部に露出しており、その開口径D1が溶着性ビーズ玩具Bの外径D3と略等しくされている。このため、各装着孔40に嵌め込まれた溶着性ビーズ玩具Bは、その外面が装着孔40の内面と当接し、装着孔40の内面との間の摩擦力により装着孔40内で保持される(図4(b)及び図5(b)参照)。また、3つの装着孔40のうち、上側2つの装着孔40の第1開口部41はその開口形状が円形状となっており、最も下側に位置する装着孔40の第1開口部41はその開口形状が正六角形状となっている。一方、第2開口部42は、その開口径D2が溶着性ビーズ玩具Bの外径D3よりも小さくされており、その開口形状が横長の略楕円形状又は長孔形状とされている。
【0016】
また、図6に示すように、各装着孔40は、その深さ方向寸法D4が、1つの溶着性ビーズ玩具Bの全体が収まるような寸法とされている。溶着性ビーズ玩具Bは、その全体が装着孔40内に収まることにより、装着孔40から突出することなく、その前方側の外面が第1開口部41の開口面(留め具部26の前面26a)と等しい高さとなる。なお、第2開口部42の開口径は溶着性ビーズ玩具Bの外径D3より小さいことから、装着孔40内に収まった溶着性ビーズ玩具Bが装着孔40を貫通して装着孔40の後側へ脱落することはない。
【0017】
図3に示すように、各装着孔40の後側には、上述した補強リブ20bが各第2開口部42の開口端に後側から当接するように設けられている。補強リブ20bは各第2開口部42の開口の左右方向中央部を上下方向に延びており、これにより各第2開口部42は、補強リブ20bによって左右2つの開口に分割されている。装着孔40内に保持された溶着性ビーズ玩具Bは、各装着孔40の後側から第2開口部42の開口に細いピン等を通して前方側に押し出すことにより、装着孔40から容易に取り外すことができる。なお、装着孔40に濡れた状態の溶着性ビーズ玩具Bが嵌め込まれた場合、溶着性ビーズ玩具Bに付着された水が第2開口部42を通して収納ケース10の後方側へ排出されるため、装着孔40内に水が貯まることが防止される。
【0018】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る収納ケース10では、収納部20cに複数の溶着性ビーズ玩具Bを収納する一方で、本体部20の各装着孔40に溶着性ビーズ玩具Bを嵌め込んで保持させることにより、収納ケース10の装飾性を高めることができる。このとき、溶着性ビーズ玩具Bが装着孔40から突出することがないため、収納ケース10が前方側に倒れたとしても、装着孔40に嵌め込まれた溶着性ビーズ玩具Bが地面等と衝突して傷つくことがない。さらに、本実施形態では、上側2つの第1開口部41の開口形状と最も下側の第1開口部41の開口形状が異なっていることから、視覚的にも楽しむことができる。
【0019】
また、装着孔40の後側から第2開口部42の開口を通して溶着性ビーズ玩具Bを前方側に押し出すことにより、装着孔40から容易に溶着性ビーズ玩具Bを取り外すことができる。以上のように本発明の実施形態の収納ケース10では、溶着性ビーズ玩具Bを収納するのみならず、溶着性ビーズ玩具Bを利用して楽しむこともできる。
【0020】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供することができる。
【0021】
第1の態様に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、本体部と、前記本体部に設けられ、複数の溶着性ビーズ玩具が収納される収納部と、を備え、前記本体部は、1つの前記溶着性ビーズ玩具が嵌め込まれて保持される凹部を有し、前記凹部は、該本体部から外部に露出するように設けられて前記溶着性ビーズ玩具の外径と略等しい開口径で開口する第1開口部、及び前記凹部の底部に設けられて前記溶着性ビーズ玩具の外径よりも小さい開口径で開口する第2開口部を有し、深さ方向寸法が1つの前記溶着性ビーズ玩具の全体が収まる寸法とされる。
【0022】
この構成によれば、凹部に嵌め込まれた溶着性ビーズ玩具の外面が凹部の内面と当接するため、溶着性ビーズ玩具を凹部に嵌め込んで保持させることができる。そして、複数の溶着性ビーズ玩具を収納部に収納しつつ、1つの溶着性ビーズ玩具を凹部に嵌め込んで保持させることにより、本体部から外部に露出する第1開口部から溶着性ビーズ玩具が視認されるので、溶着性ビーズ玩具用収納ケースの装飾性を高めることができる。さらに、溶着性ビーズ玩具はその全体が凹部内に収まるため、溶着性ビーズ玩具用収納ケースが第1開口側に倒れたとしても、凹部内に嵌め込まれた溶着性ビーズ玩具が地面等と衝突して傷つくことがない。また、第2開口部から溶着性ビーズ玩具を押し出すことにより、凹部から容易に溶着性ビーズ玩具を取り出すことができる。このように、溶着性ビーズ玩具用収納ケースでは、溶着性ビーズ玩具を収納するのみならず、溶着性ビーズ玩具を利用して楽しむこともできる。
【0023】
第2の態様に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、前記第2開口部は略楕円形状又は長孔形状とされる。
【0024】
この構成によれば、第2開口部の後側に補強用のリブ等を設けた場合であっても、第2開口部の開口が過度に狭まることがなく、第2開口部を通して凹部から溶着性ビーズ玩具を押し出すことができる。
【0025】
第3の態様に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、前記第2開口部の開口端に当接又は近接されるリブ状部材を備える。
【0026】
この構成によれば、第2開口部の開口を塞がないようにリブ状部材を設けることにより、第2開口部を通して凹部内の溶着性ビーズ玩具を押し出し可能としつつ、リブ状部材により第2開口部を含む凹部の周りを補強することができる。
【0027】
第4の態様に係る溶着性ビーズ玩具用収納ケースは、前記本体部は、複数の前記凹部を有し、複数の前記凹部の少なくとも一つは、前記第1開口部の開口形状が異なっている。
【0028】
この構成によれば、複数の凹部内にそれぞれ溶着性ビーズ玩具を嵌め込んで保持させることにより、溶着性ビーズ玩具用収納ケースの装飾性を一層高めることができ、溶着性ビーズ玩具を利用して一層楽しむことができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば上記の実施形態では、留め具部に3つの装着孔が上下方向に沿って設けられた構成を例示したが、本体部に設けられる装着孔の個数、配置態様、第1開口部の開口形状等については限定されない。また、上記の実施形態では、溶着性ビーズ玩具Bが球体状のものを例示したが、溶着性ビーズ玩具Bは球体状のもの以外にも多面体等、種々の形状を採用することができる。
【符号の説明】
【0030】
10 収納ケース 20 本体部
20a 第1係合孔 20b 補強リブ
20c 収納部 22 持ち手部
24 錠前部 26 留め具部
26a 前面 30 作成トレイ
31 第1トレイ 32 第2トレイ
32a 保持孔群 32b 第2係合孔
40 装着孔 40a 底部
41 第1開口部 42 第2開口部
B 溶着性ビーズ玩具 D1 開口径
D2 開口径 D3 外径
D4 深さ方向寸法 S 収納空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6