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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101261
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】人形遊び兼用携帯玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/52 20220101AFI20240722BHJP
【FI】
A63H3/52 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005144
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神山 圭
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150CA06
2C150DC03
2C150EH08
(57)【要約】
【課題】設置面に対して蓋部を安定した形で立てることが可能な人形遊び兼用携帯玩具を提供する。
【解決手段】携帯玩具10は、設置面Iに設置可能な本体部30と、第1ヒンジ部40を介して本体部30に開閉自在に設けられ、本体部30との間に収容空間SPを形成する蓋部20と、把持部60と、を有し、蓋部20は、本体部30に対して開いた状態で、設置面Iと当接することにより蓋部20を設置面Iに対して立てられた状態で保持する当接部22dを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に設置可能な本体部と、
第1ヒンジ部を介して前記本体部に開閉自在に設けられ、前記本体部との間に収容空間を形成する蓋部と、
把持部と、
を有し、
前記蓋部は、前記本体部に対して開いた状態で、前記設置面と当接することにより前記蓋部を前記設置面に対して立てられた状態で保持する当接部を備える、
人形遊び兼用携帯玩具。
【請求項2】
前記当接部は、前記蓋部のうち前記第1ヒンジ部の周りに設けられた回動基部の一部とされる、請求項1に記載の人形遊び兼用携帯玩具。
【請求項3】
ヒンジ軸が前記第1ヒンジ部のヒンジ軸と平行となるように設けられた第2ヒンジ部を有し、
前記把持部は、前記第2ヒンジ部を介して前記蓋部に回動可能に設けられ、前記本体部が前記設置面に設置された状態で、前記設置面と当接するまで回動可能とされる、請求項1に記載の人形遊び兼用携帯玩具。
【請求項4】
前記第2ヒンジ部は、そのヒンジ軸方向と略直交する方向に突出する凸部を有し、
前記凸部は、前記蓋部が前記本体部に対して開いた状態で前記蓋部の一部と干渉することにより前記蓋部の回動を規制する、
請求項3に記載の人形遊び兼用携帯玩具。
【請求項5】
前記蓋部は、該蓋部に回転可能に設けられるとともに回転することにより前記蓋部の外縁部から外側に突出する板状部材を有し、
前記本体部は、前記蓋部が前記本体部に対して閉じた状態で前記板状部材の一部が係合される係合部を備える、
請求項1に記載の人形遊び兼用携帯玩具。
【請求項6】
前記収容空間に収容される人形及び模型玩具を有し、
前記蓋部は、前記収容空間内に設けられるとともに前記人形が保持される保持部と、前記保持部に保持された前記人形が露出する開口部と、を備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の人形遊び兼用携帯玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形遊び兼用携帯玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、開閉可能とされたケースの内部に人形遊び用の玩具を収容し、持ち運び可能に構成された人形遊び兼用携帯玩具が知られている。例えば特許文献1には、蓋部としての上ケースと、本体部としての下ケースと、上ケース及び下ケースを回動可能に接続するヒンジと、を備え、下ケース及び上ケースによって囲まれる内部空間内に家具を模したミニチュア等が収容されるハウス玩具が開示されている。下ケースには、携帯用ストラップが挿通される挿通孔が設けられており、携帯可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5314212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような人形遊び兼用携帯玩具において、蓋部を開いた状態で設置面に対して蓋部を立てることにより、店舗を模した形態として遊びたい場合がある。しかしながら、上記特許文献1のハウス玩具では、上ケースを開いた状態で設置面に設置された下ケースに対して上ケースが略180°の角度をなして開くようになっており、設置面に対して上ケースを安定した形で立てることができなかった。
【0005】
本発明は、設置面に対して蓋部を安定した形で立てることが可能な人形遊び兼用携帯玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る人形遊び兼用携帯玩具は、設置面に設置可能な本体部と、第1ヒンジ部を介して前記本体部に開閉自在に設けられ、前記本体部との間に収容空間を形成する蓋部と、把持部と、を有し、前記蓋部は、前記本体部に対して開いた状態で、前記設置面と当接することにより前記蓋部を前記設置面に対して立てられた状態で保持する当接部を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、設置面に対して蓋部を安定した形で立てることが可能な人形遊び兼用携帯玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る携帯玩具の蓋部を閉じた状態を上方側から見た全体斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る携帯玩具の蓋部を開いた状態を前方側から見た全体斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る携帯玩具の蓋部を開いた状態を前方側から見た全体斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る携帯玩具の窓蓋を開いた状態を上方側から見た全体斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る携帯玩具を下側から見た斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る携帯玩具を下側斜め方向から見た分解斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る携帯玩具の蓋部を開いた状態の左側面図である。
図8】本発明の実施形態に係る携帯玩具の蓋部を開いた状態の後面図である。
図9】本発明の実施形態に係る携帯玩具の第2ヒンジ部の断面図であって、図8におけるIX-IX断面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、実施形態に係る人形遊び兼用携帯玩具(以下、「携帯玩具10」という。)は、樹脂材料により設けられ、全体として貝殻を模した形状とされたケース12を備えている。ケース12は、蓋部20及び本体部30を有している。蓋部20は、第1ヒンジ部40を介して本体部30に対して開閉自在に設けられている(蓋部20を開いた状態を図2に示す)。以下では、第1ヒンジ部40が設けられている側を携帯玩具10の後側、その反対側を前側とし、前側から携帯玩具10を見た状態における左右をそれぞれ携帯玩具10の左側、右側とし、蓋部20側を携帯玩具10の上側、本体部30側を下側として説明する。
【0010】
携帯玩具10は、第1ヒンジ部40のやや後方側において、第2ヒンジ部50を介して蓋部20に対して回動可能に設けられた取手状の把持部60を備えている。また、図2に示すように、ケース12の内部は中空とされており、人形D(図4参照)や模型玩具M1~M5が収容される収容空間SPとなっている。図7に示すように、携帯玩具10では、蓋部20を開いた状態において、蓋部20を設置面Iに対して略90度に立てた状態で保持することができる。
【0011】
携帯玩具10は、蓋部20を開いた状態(以下、「開状態」という。)では、収容空間SP内を店舗に見立てて人形Dや模型玩具M1~M5を用いた人形遊びを行うことができ、蓋部20を閉じた状態(以下、「閉状態」という。)では、把持部60を把持することにより容易に持ち運ぶことができる玩具である。以下、携帯玩具10について詳しく説明する。
【0012】
図1に示すように、蓋部20の後端部には、リボンを模した装飾部(回動基部)22が設けられている。装飾部22の中央には、宝石を模した宝石部22aが設けられている。また、装飾部22には、第1ヒンジ部40及び第2ヒンジ部50が設けられている。また、蓋部20の略中央には、貝殻の形状をなして開口する小窓部24が設けられている。小窓部24の後端部には、第3ヒンジ部70を介して小窓部24に対して開閉自在とされた透明な窓蓋24aが設けられている。携帯玩具10では、閉状態において、小窓部24を通して収容空間SPを視認することができる。
【0013】
図2及び図4に示すように、収容空間SP内の小窓部24付近には、人形Dを保持するための保持部25が設けられている。保持部25は、蓋部20の内面側のうち小窓部24付近の右側から左側にかけて橋掛けするように設けられており、その中央部が下側(小窓部24側とは反対側)に向けて凹円弧状の曲面とされた凹み部25aとなっている。この凹み部25aに小型の人形Dの背面を宛がうことにより、人形Dを小窓部24の内側に立てた状態で保持することができる。このため、携帯玩具10を閉状態として持ち運ぶ際、小窓部24を介して人形Dを外側に露出させることができる。
【0014】
図2及び図3に示すように、蓋部20の内面側は、略円形に開口する深皿状となっており、模型玩具M1~M5を取り付け又は載置して陳列するための第1陳列部26及び第2陳列部27が設けられている。第1陳列部26は、蓋部20の内面側の前方部分から内側に向かって隆起しており、表面に模型玩具M3を取り付けるためのフック状の複数のフック部26a~26dが設けられている。第2陳列部27は、蓋部20の内面側の後方部分から段差状に隆起しており、表面に模型玩具M1~M5が載置される複数の蓋側載置面27a~27cが設けられている。なお、中央の蓋側載置面27bの奥側には、鏡を模した略円形状のミラー部28が設けられている。
【0015】
蓋部20の内面側の前端部には、取付ネジSCを介して第1看板部(板状部材)29が取り付けられている。第1看板部29は、左右に横長の略板状をなしており、開状態において両板面を前後方向に向けた姿勢とされる。第1看板部29は、取付ネジSCのネジ軸周りに回転可能とされており、180度回転させることにより、上下方向における一端側29aが蓋部20の外縁部20Eより内側に収容される収容状態(図2参照)と、一端側29aが蓋部20の外縁部20Eより外側に突出する突出状態(図3参照)との間で切り替えることができる。収容状態では、第1看板部29の上下方向の他端側29bが、蓋部20の外縁部20Eよりわずかに外側(上方側)にはみ出した状態とされる。
【0016】
一方、図2及び図3に示すように、本体部30の内面側は、略円形に開口する深皿状となっており、後側階段部32、及び模型玩具M1~M5を取り付け又は載置して陳列するための第3陳列部34、及び床部36が設けられている。後側階段部32は、本体部30の内面側の後方部分に階段状に設けられており、人形D用の階段をイメージして設けられている。後側階段部32の表面は、階段面32a、32bとされる。第3陳列部34は、本体部30の内面側の左側部分から内側に向かって隆起しており、表面に模型玩具M1を取り付けるための2つの取付孔34aが設けられている。
【0017】
床部36は、後側階段部32及び第3陳列部34を除く本体部30の内面側に設けられており、店舗の床を模した平坦面とされている。なお、本体部30の前端部の略中央には、本体部30の前方側から床部36へと続く階段状の前側階段部37が設けられている。また、前側階段部37の右側には、板状の第2看板部38が設けられている。第2看板部38は、立て看板を模して設けられており、両板面を前後方向に向けた姿勢とされている。
【0018】
蓋部20及び本体部30の内面側に陳列される模型玩具M1~M5には、フグやタコの風船を模した風船型の模型玩具M1、貝殻模様の椅子を模した椅子型の模型玩具M2、カニや貝等の装飾が施されたハンドバックや髪飾りの商品を模した模型玩具M3、亀や貝等の置物を模した模型玩具M4、及びカニの装飾が施されたレジとそのレジが載置されたテーブルの形状を模した模型玩具M5が含まれている。このように模型玩具M1~M5は、それぞれ海の中の生物をイメージした模型玩具とされている。
【0019】
図3に示すように、風船型の模型玩具M1は、第3陳列部34の取付孔34aに取り付けられ、椅子型の模型玩具M2は、例えば床部36の左側に配置され、商品を模した模型玩具M3及び置物を模した模型玩具M4は、例えば第1~第3陳列部26,27,34に取り付け又は載置されて陳列され、レジ及びテーブルを模した模型玩具M5は、例えば床部の右側に配置される。また、第1看板部29及び第2看板部38には、例えば店名のロゴが記載されたシール等を貼り付けることができる。このようにすることで、携帯玩具10を開状態として遊ぶ使用者は、携帯玩具10全体が海の中に開かれた店舗であるかのような印象を抱くことができ、楽しむことができる。
【0020】
ここで、蓋部20と本体部30の間の係合構造について説明する。図5に示すように、前側階段部37の裏側(下側)には、収容空間SPの内側と外側とを連通する横長矩形状の係合孔(係合部)37aが設けられている。係合孔37aは、第1看板部29の他端側29bの先端部が嵌り込む大きさとされている。携帯玩具10を開状態から閉状態とする場合、第1看板部29を突出状態から収容状態とし、蓋部20を閉じつつ前側階段部37を弾性変形させながら第1看板部29の他端側29bの先端部を係合孔37aに嵌め込む。これにより、第1看板部29が係合孔37aに係合され、閉状態で蓋部20を本体部30に対してロックさせることができる。
【0021】
次に、本発明の要部である第1ヒンジ部40及び第2ヒンジ部50の構成及び回動態様について説明する。図5に示すように、本体部30の後端部には、略矩形厚板状の接続部39が設けられている。接続部39には、第1ヒンジ部40が設けられている。即ち、第1ヒンジ部40は、蓋部20の装飾部22と本体部30の接続部39とを回動可能に接続する。
【0022】
図6に示すように、接続部39の左右両側面には、第1ヒンジ部40のヒンジ軸である第1ヒンジ軸39aがそれぞれ設けられている。第1ヒンジ軸39aは、その軸方向が左右方向と一致しており、接続部39の左右両側面から突出する形で設けられている。一方、装飾部22の内側(閉状態における下側)のうち前側寄りの部分には、第1ヒンジ軸39aの両端部が回動可能に嵌合される孔である一対の第1軸孔22bがそれぞれ設けられている。第1ヒンジ軸39aの両端部が各第1軸孔22bに嵌合されることにより、第1ヒンジ部40が構成され、蓋部20と本体部30との間が開閉可能に接続される。
【0023】
なお、各第1ヒンジ軸39aは接続部39からわずかに突出する形で設けられており、各第1ヒンジ軸39aと各第1軸孔22bの間は緩く嵌合されるようになっている。このため、携帯玩具10で遊ぶ使用者が、携帯玩具10を開状態から閉状態とする際に仮に蓋部20と本体部30との間に指等を挟んでしまっても、蓋部20が本体部30から容易に外れるようになっている。さらに、閉状態とされる際に蓋部20と本体部30がそれぞれ噛み合う部分はいずれも鋭利とはなっておらず、滑らかな平坦面状となっている。このような構成とされていることにより、使用者が蓋部20と本体部30との間に指等を挟んでしまった場合に、指等を負傷することが防止され、安全性が確保されている。
【0024】
また、把持部60の持ち手部分の基端側には、第2ヒンジ部50のヒンジ軸である第2ヒンジ軸60aが設けられている。第2ヒンジ軸60aは、その軸方向が左右方向と一致している。即ち、第2ヒンジ50部は、その第2ヒンジ軸60aが第1ヒンジ部40の第1ヒンジ軸39aと平行となるように設けられている。一方、装飾部22の内側のうち後側寄りの部分には、第2ヒンジ軸60aの両端部が回動可能に嵌合される孔である一対の第2軸孔22cがそれぞれ設けられている。
【0025】
各第2軸孔22cは、下方に開放された切欠き状に設けられており、第2ヒンジ軸60aが嵌合される部分が第2ヒンジ軸60aの外周面に沿った略円弧状となっている。このため、第2ヒンジ軸60aは、各第2軸孔22cにその下方から遊嵌される。第2ヒンジ軸60aの両端部が切欠き状に設けられた各第2軸孔22cに遊嵌されることにより、第2ヒンジ部50が構成され、把持部60が蓋部20に対して回動可能に接続される。第2ヒンジ軸60aが各第2軸孔22cに遊嵌された把持部60は、蓋部20から容易に取り外すことができる。
【0026】
図7に示すように、携帯玩具10では、本体部30を設置面Iに設置して蓋部20を設置面Iに対して略90度に立てた状態に開くと、装飾部22の後端部の一部が設置面Iと当接する(以下、装飾部22のうち設置面Iと当接する部位を「第1当接部(当接部)22d」という。)。図4等に示すように、装飾部22の後端部は、上下方向に厚みをもった部位となっているので、第1当接部22dは設置面Iに対して面で当接する。このため、開状態では、蓋部20を設置面Iに対して立てた状態で安定して保持することができる。
【0027】
また、図7及び図8に示すように、蓋部20を設置面Iに対して立てた状態で把持部60を下方に回動させると、把持部60の後端部の一部が設置面Iと当接する(以下、把持部60のうち設置面Iと当接する部位を「第2当接部60b」という。)。換言すれば、把持部60は、本体部30が設置面Iに設置された状態で第2当接部60bが当接するまで回動可能となっている。第2当接部60bは左右方向に亘って設けられている。このため、蓋部20を設置面Iに対して立てた状態で携帯玩具10が後方側に倒れることを効果的に防止することができる。
【0028】
なお、図6に示すように、各第2軸孔22cの後側には、装飾部22の外面から外側にわずかに突出する微小突起22fがそれぞれ設けられている。このため、閉状態において把持部60が本体部30の後端部側に近づくように後方側に回動した場合、把持部60のうち第2ヒンジ軸60aの両端部に位置する各外縁部60cが微小突起22fと干渉し、微小突起22f上に乗り上げ、把持部60が後方側に過度に回動されることが抑制されるようになっている。これにより、閉状態から開状態に移行する際、把持部60が本体部30の後端部と当接するまで回動されることにより、把持部60が蓋部20を開く際に妨げとなることを抑制することができる。
【0029】
ここで、図6に示すように、第2ヒンジ軸60aの左右両側の軸周りには、第2ヒンジ軸60aよりも径大とされた環状の環状部62がそれぞれ設けられている。各環状部62には、その外周面の一部から径方向に向けて凸状に突出する凸部62aが設けられている。各環状部62の凸部62aは、同じ方向に向けて突出している。一方、装飾部22の内面側のうち各第2軸孔22c付近の部分には、下方側(本体部30側)に向けてリブ状に突出する形で設けられたリブ状部22eがそれぞれ設けられている。
【0030】
第2ヒンジ軸60aが第2軸孔22cに遊嵌されると、各凸部62aの左右方向における位置が各リブ状部22eの左右方向における位置と略一致する。そして、本体部30を設置面Iに設置して蓋部20を立てた状態(図7及び図8に示す状態)では、図9に示すように、各凸部62aが各リブ状部22eの下側で各リブ状部22eと近接する。このため、この状態から蓋部20をさらに開く方向に回動させようとすると、各リブ状部22eが各凸部62aと干渉し、蓋部20の回動が規制されるようになっている。これにより、蓋部20が本体部30に対して過度に開き過ぎてしまうことが防止されている。
【0031】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の人形遊び兼用携帯玩具を提供することができる。
【0032】
第1の態様に係る人形遊び兼用携帯玩具は、設置面に設置可能な本体部と、第1ヒンジ部を介して前記本体部に開閉自在に設けられ、前記本体部との間に収容空間を形成する蓋部と、把持部と、を有し、前記蓋部は、前記本体部に対して開いた状態で、前記設置面と当接することにより前記蓋部を前記設置面に対して立てられた状態で保持する当接部を備える。
【0033】
この構成によれば、本体部を設置面に設置して蓋部を開くと、蓋部が設置面に対して立てられた状態で当接部が設置面と当接し、蓋部が保持される。このため、設置面に対して蓋部を安定した形で立てることができる。
【0034】
第2の態様に係る人形遊び兼用携帯玩具は、前記当接部は、前記蓋部のうち前記第1ヒンジ部の周りに設けられた回動基部の一部とされる。
【0035】
この構成によれば、当接部が蓋部のうち第1ヒンジ部の近傍に設けられるため、蓋部を設置面に対して立てられた状態で保持するための当接部の具体的な配置を提供することができる。
【0036】
第3の態様に係る人形遊び兼用携帯玩具は、ヒンジ軸が前記第1ヒンジ部のヒンジ軸と平行となるように設けられた第2ヒンジ部を有し、前記把持部は、前記第2ヒンジ部を介して前記蓋部に回動可能に設けられ、前記本体部が前記設置面に設置された状態で、前記設置面と当接するまで回動可能とされる。
【0037】
この構成によれば、本体部が設置面に設置された状態で把持部を設置面と当接するまで回動させることにより、把持部により蓋部が設置面に対して支持される。そして、第2ヒンジ部のヒンジ軸が第1ヒンジ軸のヒンジ軸と平行となっていることから、蓋部が設置面に対して立てられた状態で把持部を設置面に当接させることにより、人形遊び兼用携帯玩具が蓋部の回動方向に倒れることを防止することができる。
【0038】
第4の態様に係る人形遊び兼用携帯玩具は、前記第2ヒンジ部は、そのヒンジ軸方向と略直交する方向に突出する凸部を有し、前記凸部は、前記蓋部が前記本体部に対して開いた状態で前記蓋部の一部と干渉することにより前記蓋部の回動を規制する。
【0039】
この構成によれば、蓋部が開いた状態で凸部が蓋部と干渉して蓋部の回動が規制されることにより、蓋部が過度に開き過ぎることを防止することができる。このため、設置面に対して蓋部を一層安定した形で立てることができる。
【0040】
第5の態様に係る人形遊び兼用携帯玩具は、前記蓋部は、該蓋部に回転可能に設けられるとともに回転することにより前記蓋部の外縁部から外側に突出する板状部材を有し、前記本体部は、前記蓋部が前記本体部に対して閉じた状態で前記板状部材の一部が係合される係合部を備える。
【0041】
この構成によれば、蓋部が本体部に対して閉じた状態で板状部材を係合部に係合させることにより、蓋部を本体部に対してロックさせることができる。このため、蓋部を閉じた状態で人形遊び兼用携帯玩具を持ち運ぶ際、衝撃等により誤って蓋部が開いてしまうことを防止ないし抑制することができる。
【0042】
第6の態様に係る人形遊び兼用携帯玩具は、前記収容空間に収容される人形及び模型玩具を有し、前記蓋部は、前記収容空間内に設けられるとともに前記人形が保持される保持部と、前記保持部に保持された前記人形が露出する開口部と、を備える。
【0043】
この構成によれば、蓋部を開いた状態で模型玩具を任意の位置に配置することにより、使用者は、蓋部及び本体部の内面側を例えば店舗に見立てて人形遊びを行うことができ、蓋部を閉じた状態では模型玩具を収容空間に収容して持ち運ぶことができる。また、蓋部を閉じた状態で人形を保持部に保持させて開口部から人形を露出させることにより、使用者は人形遊び兼用携帯玩具を持ち運ぶ際にも人形を見て楽しむことができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 携帯玩具 12 ケース
20 蓋部 20E 外縁部
22 装飾部 22a 宝石部
22b 第1軸孔 22c 第2軸孔
22d 第1当接部 22e リブ状部
22f 微小突起 24 小窓部
24a 窓蓋 25 保持部
25a 凹み部 26 第1陳列部
26a フック部 26b フック部
26c フック部 27 第2陳列部
27a 蓋側載置面 27b 蓋側載置面
27c 蓋側載置面 28 ミラー部
29 第1看板部 29a 一端側
29b 他端側 30 本体部
32 後側階段部 32a 本体側載置面
32b 本体側載置面 34 第3陳列部
34a 取付孔 36 床部
37 前側階段部 37a 係合孔
38 第2看板部 39 接続部
39a 第1ヒンジ軸 40 第1ヒンジ部
50 第2ヒンジ部 60 把持部
60a 第2ヒンジ軸 60b 第2当接部
60c 外縁部 62 環状部
62a 凸部 70 第3ヒンジ部
D 人形
M1~M5 模型玩具
SC 取付ネジ
SP 収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9