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  • 特開-建具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101267
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/18 20060101AFI20240722BHJP
   E06B 1/32 20060101ALI20240722BHJP
   E06B 3/26 20060101ALI20240722BHJP
   E06B 3/263 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
E06B1/18 N
E06B1/32
E06B3/26
E06B3/263 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005151
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 毅
(72)【発明者】
【氏名】小山内 真太郎
【テーマコード(参考)】
2E011
2E014
【Fターム(参考)】
2E011CA01
2E011CB01
2E011CC05
2E014AA03
2E014BA01
2E014BA08
2E014BB01
2E014BD02
2E014BD06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】長尺の形材に断熱材を簡単に固定できるような、断熱材が長尺の形材に固定された建具を提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも1つの側面に開口部を有する長尺の形材を備え、形材は枠材または框材の中空部を形成するものであり、形材の中空部内となる面には突片が形成されており、形材の中空部内となる面と突片又は突片どうしの間に、断熱材が嵌め込まれていることを特徴とする建具。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの側面に開口部を有する長尺の形材を備え、
形材は枠材または框材の中空部を形成するものであり、
形材の中空部内となる面には突片が形成されており、
形材の中空部内となる面と突片又は突片どうしの間に、断熱材が嵌め込まれていることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱材が長尺の形材に固定された建具に関する。
【背景技術】
【0002】
断熱材が長尺の形材に固定された建具は、特許文献1~3に記載されているように、従来から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-102918号公報
【特許文献2】特許第6538505号公報
【特許文献3】特開第2019-100120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の断熱材が固定された長尺の形材は、筒状に形成された形材に、その内周面に断熱材を固定するための凸部を設けて、筒状の端部から形材の内部に長尺の断熱材(発泡材)を挿入して固定するもの(特許文献1:特に図4)や、筒状に形成された形材に、筒状の端部から形材の内部に長尺の断熱材(フェノールフォーム等)とともに長尺の位置決め部材(スポンジやゴム)を挿入して固定するもの(特許文献2)や、筒状に形成された形材の内部に合成樹脂発泡体を押出充填して、内部で発泡させて固定するもの(特許文献3)等が知られている。
【0005】
これらの固定方法は、発泡材で形成された、長尺の断熱材や長尺の位置決め部材を、筒状の長尺の形材に、一方の端部から押し込むように挿入する必要があったり、長尺の筒状の形材の内部に発泡体を押出充填した後、加熱して発泡させる必要があったりして、固定に手間がかかるという問題があった。
そこで、本発明は、長尺の形材に断熱材を簡単に固定できるような、断熱材が長尺の形材に固定された建具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の建具は、少なくとも1つの側面に開口部を有する長尺の形材を備え、形材は枠材または框材の中空部を形成するものであり、形材の中空部内となる面には突片が形成されており、形材の中空部内となる面と突片又は突片どうしの間に、断熱材が嵌め込まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上述の構成により、長尺の形材に断熱材を簡単に固定できる、断熱材が長尺の形材に固定された建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態のすべり出し窓の縦断面図である。
図2】本発明の実施形態のすべり出し窓の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
本発明の建具を、すべり出し窓を例に挙げて説明する。
以下の説明では、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0010】
[すべり出し窓の構成]
すべり出し窓は、図1及び2に示すように、建物の開口部に固定される枠体1と、枠体1に室外側に開放するように取り付けられた障子2とから構成されている。
障子2は、公知の支持機構により枠体1にすべり出し可能に支持されていて、ハンドル(図示していない)により開閉操作可能に構成されている。
また、障子2の室内側には、ロール式の網戸3が取り付けられている。
【0011】
[枠体]
枠体1は、対向して配置された一対の上枠11及び下枠12、対向して配置された一対の左縦枠13及び右縦枠14を矩形状に組み合わせて構成される。
上枠11は、アルミ押し出し形材等からなる長尺の金属形材で構成された、室外側上金属枠111及び室内側上金属枠112と、室外側上金属枠111及び室内側上金属枠112を連結する樹脂製の上金属枠連結部材113と、室外側上金属枠111及び室内側上金属枠112に取り付けられた、長尺の樹脂製の外周側上樹脂枠114と、外周側上樹脂枠114の内周側に取り付けられた、長尺の樹脂製の内周側上樹脂枠115とから構成されている。
【0012】
下枠12は、アルミ押し出し形材等からなる長尺の金属形材で構成された、室外側下金属枠121及び室内側下金属枠122と、室外側下金属枠121及び室内側下金属枠122を連結する樹脂製の下金属枠連結部材123と、室外側下金属枠121及び室内側下金属枠122に取り付けられた、長尺の樹脂製の外周側下樹脂枠124と、外周側下樹脂枠124の内周側に取り付けられた、長尺の樹脂製の内周側下樹脂枠125とから構成されている。
【0013】
左縦枠13は、アルミ押し出し形材等からなる長尺の金属形材で構成された、室外側左縦金属枠131及び室内側左縦金属枠132と、室外側左縦金属枠131及び室内側左縦金属枠132を連結する樹脂等の断熱材からなる左縦金属枠連結部材133と、室外側左縦金属枠131及び室内側左縦金属枠132に取り付けられた、樹脂製の外周側左縦樹脂枠134と、外周側左縦樹脂枠134の内周側に取り付けられた、樹脂製の内周側左縦樹脂枠135とから構成されている。
【0014】
右縦枠14は、アルミ押し出し形材等からなる長尺の金属形材で構成された、室外側右縦金属枠141及び室内側右縦金属枠142と、室外側右縦金属枠141及び室内側右縦金属枠142を連結する樹脂等の断熱材からなる右縦金属枠連結部材143と、室外側右縦金属枠141及び室内側右縦金属枠142に取り付けられた、樹脂製の外周側右縦樹脂枠144と、外周側右縦樹脂枠144の内周側に取り付けられた、樹脂製の内周側右縦樹脂枠145とから構成されている。
【0015】
[外周側樹脂枠]
上枠11の室外側上金属枠111と室内側上金属枠112を連結するように、外周側上樹脂枠114が取り付けられている。外周側上樹脂枠114と、室外側上金属枠111及び室内側上金属枠112とは、それぞれ、1か所の係合部を係合させることにより取り付けられている。
より詳細には、外周側上樹脂枠114には、室外側と室内側の上側(外周側)に突出する外周側上樹脂枠室外側係合片114aと外周側上樹脂枠室内側係合片114bが形成されている。外周側上樹脂枠室外側係合片114aが室外側上金属枠111の係合片に、外周側上樹脂枠室内側係合片114bが室内側上金属枠112の係合片に係合して、中空部を形成している。そして、外周側上樹脂枠114の上側(外周側)面は、外周側上樹脂枠114と室外側上金属枠111及び室内側上金属枠112とが形成する中空部内の面となる。
【0016】
下枠12の室外側下金属枠121と室内側下金属枠122を連結するように、樹脂製の外周側下樹脂枠124が取り付けられている。外周側下樹脂枠124と、室外側下金属枠121及び室内側下金属枠122とは、それぞれ、1か所の係合部を係合させることにより取り付けられている。
より詳細には、外周側下樹脂枠124には、室外側と室内側の下側(外周側)に突出する外周側下樹脂枠室外側係合片124aと外周側下樹脂枠室内側係合片124bが形成されている。外周側下樹脂枠室外側係合片124aが室外側下金属枠121の係合片に、外周側下樹脂枠室内側係合片124bが室内側下金属枠122の係合片に係合して、中空部を形成している。そして、外周側下樹脂枠124の下側(外周側)面は、外周側下樹脂枠124と室外側下金属枠121及び室内側下金属枠122とが形成する中空部内の面となる。
【0017】
左縦枠13の室外側左縦金属枠131と室内側左縦金属枠132を連結するように、樹脂製の外周側左縦樹脂枠134が取り付けられている。また、外周側左縦樹脂枠134と、室外側左縦金属枠131及び室内側左縦金属枠132とは、それぞれ、1か所の係合部を係合させることにより取り付けられている。
より詳細には、外周側左縦樹脂枠134には、室外側と室内側の左側(外周側)に突出する外周側左縦樹脂枠室外側係合片134aと外周側左縦樹脂枠室内側係合片134bが形成されている。外周側左縦樹脂枠室外側係合片134aが室外側左縦金属枠131の係合片に、外周側左縦樹脂枠室内側係合片134bが室内側左縦金属枠132の係合片に係合して、中空部を形成している。そして、外周側左縦樹脂枠134の左側(外周側)面は、外周側左縦樹脂枠134と室外側左縦金属枠131及び室内側左縦金属枠132とが形成する中空部内の面となる。
【0018】
右縦枠14の室外側右縦金属枠141と室内側右縦金属枠142を連結するように、樹脂製の外周側右縦樹脂枠144が取り付けられている。また、外周側右縦樹脂枠144と、室外側右縦金属枠141及び室内側右縦金属枠142とは、それぞれ、1か所の係合部を係合させることにより取り付けられている。
より詳細には、外周側右縦樹脂枠144には、室外側と室内側の右側(外周側)に突出する外周側右縦樹脂枠室外側係合片144aと外周側右縦樹脂枠室内側係合片144bが形成されている。外周側右縦樹脂枠室外側係合片144aが室外側右縦金属枠141の係合片に、外周側右縦樹脂枠室内側係合片144bが室内側右縦金属枠142の係合片に係合して、中空部を形成している。そして、外周側右縦樹脂枠144の右側(外周側)面は、外周側右縦樹脂枠144と室外側右縦金属枠141及び室内側右縦金属枠142とが形成する中空部内の面となる。
【0019】
[内周側樹脂枠]
外周側上樹脂枠114には、内周側上樹脂枠115が取り付けられている。外周側上樹脂枠114には、下側(内周側)に開口する外周側上樹脂枠嵌合溝部114cが形成されている。内周側上樹脂枠115は筒状の枠材であり、その上側(外周側)の外面に形成された一対の係合部が、外周側上樹脂枠嵌合溝部114cの開口部に係合することにより、外周側上樹脂枠114に取り付けられている。
【0020】
外周側下樹脂枠124には、樹脂製の内周側下樹脂枠125が取り付けられている。外周側下樹脂枠124には、上側(内周側)に開口する外周側下樹脂枠嵌合溝部124cが形成されている。内周側下樹脂枠125には、室外側と室内側の下側(外周側)に突出する内周側下樹脂枠室外側係合片125aと内周側下樹脂枠室内側係合片125bが形成されている。
内周側下樹脂枠125は、内周側下樹脂枠室外側係合片125aと内周側下樹脂枠室内側係合片125bが外周側下樹脂枠嵌合溝部124cの開口部に係合することにより、外周側下樹脂枠124に取り付けられて、中空部を形成している。そして、内周側下樹脂枠125の上側(内周側)の内面は、外周側下樹脂枠124と内周側下樹脂枠125が形成する中空部内の面となる。
【0021】
外周側左縦樹脂枠134には、内周側左縦樹脂枠135が取り付けられている。外周側左縦樹脂枠134には、右側(内周側)に係合溝が形成されている。内周側左縦樹脂枠135は筒状の枠材であり、その左側(外周側)の外面に形成された一対の係合部が、外周側左縦樹脂枠134の係合溝の開口部に係合することにより、外周側左縦樹脂枠134に取り付けられている。
【0022】
外周側右縦樹脂枠144には、樹脂製の内周側右縦樹脂枠145が取り付けられている。外周側右縦樹脂枠144には、左側(内周側)に係合溝が形成されている。内周側右縦樹脂枠145は筒状の枠材であり、その右側(外周側)の外面に形成された一対の係合部が、外周側右縦樹脂枠144の係合溝の開口部に係合することにより、外周側右縦樹脂枠144に取り付けられている。
【0023】
[断熱材]
外周側上樹脂枠114、外周側下樹脂枠124、外周側左縦樹脂枠134、外周側右縦樹脂枠144、内周側上樹脂枠115、内周側下樹脂枠125、内周側左縦樹脂枠135、内周側右縦樹脂枠145には、いずれも、長尺の断熱材4が固定されている。
断熱材4は、発泡断熱材、繊維状断熱材などの硬質でないものが好適である。発泡断熱材としては、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム(EPS、XPS)などの公知の樹脂発泡断熱材が、繊維状断熱材としては、ロックウール、グラスウールなどの公知の繊維状断熱材を使用することができる。
【0024】
内周側上樹脂枠115、内周側左縦樹脂枠135及び内周側右縦樹脂枠145は、筒状の枠材であり、その内部には、長尺の断熱材4が一端部から挿入され、固定されている。断熱材4の断面は、内周側上樹脂枠115、内周側左縦樹脂枠135及び内周側右縦樹脂枠145の断面より大きく形成されており、断熱材4を縮めて挿入することにより、内周側上樹脂枠115、内周側左縦樹脂枠135及び内周側右縦樹脂枠145の内部に固定されている。なお、内周側上樹脂枠115、内周側左縦樹脂枠135及び内周側右縦樹脂枠145の内部に、断熱材4を固定する構成としては、断熱材を両面テープなどで枠の内面に固定する、枠の両端の開口部付近に断熱材が内部から抜け出ないような突起などの脱落防止構造を設けるなどといった、枠から断熱材が抜け出ないような構成であれば、どのような構成でもあってもよい。また、枠内に合成樹脂発泡体を押出充填して、内部で発泡させて固定する構成でもよい。
【0025】
外周側上樹脂枠114(形材)の上側(外周側)には、断熱材4が固定されている。
外周側上樹脂枠114の外周側上樹脂枠室内側係合片114bの一部には、クランク形状部が形成されている。このクランク形状部は、外周側上樹脂枠室内側係合片114bの先端側で室外側に向けて突出した外周側上樹脂枠室内側突片114b1を有する。外周側上樹脂枠室内側突片114b1は、外周側上樹脂枠114の上側(外周側)面と対向する内周側見込面を有する。この外周側上樹脂枠室内側突片114b1の内周側見込面と、外周側上樹脂枠114と室外側上金属枠111及び室内側上金属枠112とが形成する中空部内の面となる外周側上樹脂枠114の上側(外周側)面との間に、断熱材4が固定されている。断熱材4の高さ方向(見付方向)の寸法は、外周側上樹脂枠室内側突片114b1の内周側見込面と上側(外周側)面との間の寸法より大きく形成されており、断熱材4を縮めて嵌め込むことにより、外周側上樹脂枠114に固定されている。外周側上樹脂枠114は、筒状部材ではなく、側面が開放されているため、長尺の断熱材4を、開放された側方から、外周側上樹脂枠114に嵌め込むことにより簡単に固定することができる。
【0026】
そして、断熱材4が固定された外周側上樹脂枠114を室外側上金属枠111及び室内側上金属枠112に取り付ければよい。
外周側上樹脂枠室内側係合片114bは、外周側上樹脂枠114を室外側上金属枠111及び室内側上金属枠112に取り付けるための取付片と、断熱材4を固定する突片を兼用していることになり、外周側上樹脂枠114の構成を簡素化することができる。
【0027】
外周側下樹脂枠124(形材)の下側(外周側)には、断熱材4が固定されている。
外周側下樹脂枠124の外周側下樹脂枠室外側係合片124a(突片)と外周側下樹脂枠室内側係合片124b(突片)との間に、断熱材4が固定されている。断熱材4の見込方向の寸法は、外周側下樹脂枠室外側係合片124aと外周側下樹脂枠室内側係合片124bとの間の寸法より大きく形成されており、断熱材4を縮めて嵌め込むことにより、外周側下樹脂枠124に固定されている。外周側下樹脂枠124は、筒状部材ではなく、側面が開放されているため、長尺の断熱材4を、開放された側方から、外周側下樹脂枠124に嵌め込むことにより簡単に固定することができる。
【0028】
そして、断熱材4が固定された外周側下樹脂枠124を室外側下金属枠121及び室内側下金属枠122に取り付ければよい。
外周側下樹脂枠室外側係合片124aと外周側下樹脂枠室内側係合片124bは、外周側下樹脂枠124を室外側下金属枠121及び室内側下金属枠122に取り付けるための取付片と、断熱材4を固定する突片を兼用していることになり、外周側下樹脂枠124の構成を簡素化することができる。
【0029】
内周側下樹脂枠125(形材)の下側(外周側)には、断熱材4が固定されている。
内周側下樹脂枠125の内周側下樹脂枠室外側係合片125aの一部には、クランク形状部が形成されている。このクランク形状部は、室内側に向けて突出した内周側下樹脂枠室外側突片125a1を有する。
内周側下樹脂枠125の内周側下樹脂枠室内側係合片125bの一部には、クランク形状部が形成されている。このクランク形状部は、室内側に向けて突出した内周側下樹脂枠室内側突片125b1を有する。
内周側下樹脂枠室外側突片125a1及び内周側下樹脂枠室内側突片125b1は、それぞれ、互いに対向する室内側見付面及び室外側見付面を有する。内周側下樹脂枠室外側突片125a1の室内側見付面と内周側下樹脂枠室内側突片125b1の室外側見付面との間に、断熱材4が固定されている。断熱材4の見込方向の寸法は、内周側下樹脂枠室外側突片125a1の室内側見付面と内周側下樹脂枠室内側突片125b1の室外側見付面と間の寸法より大きく形成されており、断熱材4を縮めて嵌め込むことにより、内周側下樹脂枠125に固定されている。内周側下樹脂枠125は、筒状部材ではなく、側面が開放されているため、長尺の断熱材4を、開放された側方から、内周側下樹脂枠125に嵌め込むことにより簡単に固定することができる。
【0030】
そして、断熱材4が固定された内周側下樹脂枠125を外周側下樹脂枠124に取り付ければよい。
内周側下樹脂枠室外側係合片125a及び内周側下樹脂枠室内側係合片125bは、内周側下樹脂枠125を外周側下樹脂枠124に取り付けるための取付片と、断熱材4を固定する突片を兼用していることになり、内周側下樹脂枠125の構成を簡素化することができる。
【0031】
外周側左縦樹脂枠134(形材)の左側(外周側)には、断熱材4が固定されている。
外周側左縦樹脂枠134の外周側左縦樹脂枠室内側係合片134bの一部には、クランク形状部が形成されている。このクランク形状部は、外周側左縦樹脂枠室内側係合片134bの先端側で室外側に向けて突出した外周側左縦樹脂枠室内側突片134b1を有する。外周側左縦樹脂枠室内側突片134b1は、外周側左縦樹脂枠134の左側(外周側)面と対向する内周側見込面を有する。この外周側左縦樹脂枠室内側突片134b1の内周側見込面と、外周側左縦樹脂枠134と室外側左縦金属枠131及び室内側左縦金属枠132とが形成する中空部内の面となる外周側左縦樹脂枠134の左側(外周側)面との間に、断熱材4が固定されている。断熱材4の左右方向(見付方向)の寸法は、外周側左縦樹脂枠室内側突片134b1の内周側見込面と左側(外周側)面との間の寸法より大きく形成されており、断熱材4を縮めて嵌め込むことにより、外周側左縦樹脂枠134に固定されている。外周側左縦樹脂枠134は、筒状部材ではなく、側面が開放されているため、長尺の断熱材4を、開放された側方から、外周側左縦樹脂枠134に嵌め込むことにより簡単に固定することができる。
【0032】
そして、断熱材4が固定された外周側左縦樹脂枠134を室外側左縦金属枠131及び室内側左縦金属枠132に取り付ければよい。
外周側左縦樹脂枠室内側係合片134bは、外周側左縦樹脂枠134を室外側左縦金属枠131及び室内側左縦金属枠132に取り付けるための取付片と、断熱材4を固定する突片を兼用していることになり、外周側左縦樹脂枠134の構成を簡素化することができる。
【0033】
外周側右縦樹脂枠144(形材)の右側(外周側)には、断熱材4が固定されている。
外周側右縦樹脂枠144の外周側右縦樹脂枠室内側係合片144bの一部には、クランク形状部が形成されている。このクランク形状部は、外周側右縦樹脂枠室内側係合片144bの先端側で室外側に向けて突出した外周側右縦樹脂枠室内側突片144b1を有する。外周側右縦樹脂枠室内側突片144b1は、外周側右縦樹脂枠144の右側(外周側)面と対向する内周側見込面を有する。この外周側右縦樹脂枠室内側突片144b1の内周側見込面と、外周側右縦樹脂枠144と室外側右縦金属枠141及び室内側右縦金属枠142とが形成する中空部内の面となる外周側右縦樹脂枠144の右側(外周側)面との間に、断熱材4が固定されている。断熱材4の左右方向(見付方向)の寸法は、外周側右縦樹脂枠室内側突片144b1の内周側見込面と右側(外周側)面との間の寸法より大きく形成されており、断熱材4を縮めて嵌め込むことにより、外周側右縦樹脂枠144に固定されている。外周側右縦樹脂枠144は、筒状部材ではなく、側面が開放されているため、長尺の断熱材4を、開放された側方から、外周側右縦樹脂枠144に嵌め込むことにより簡単に固定することができる。
【0034】
そして、断熱材4が固定された外周側右縦樹脂枠144を室外側右縦金属枠141及び室内側右縦金属枠142に取り付ければよい。
外周側右縦樹脂枠室内側係合片144bは、外周側右縦樹脂枠144を室外側右縦金属枠141及び室内側右縦金属枠142に取り付けるための取付片と、断熱材4を固定する突片を兼用していることになり、外周側右縦樹脂枠144の構成を簡素化することができる。
【0035】
なお、内周側上樹脂枠115、内周側左縦樹脂枠135、内周側右縦樹脂枠145は筒状の枠材で、その内部には、一方の端部から長尺の断熱材4が挿入されているが、これらの枠材も、外周側上樹脂枠114、外周側下樹脂枠124、外周側左縦樹脂枠134、外周側右縦樹脂枠144、内周側下樹脂枠125と同様、側面が開放された形状としてもよい。
また、上述の外周側上樹脂枠114、外周側下樹脂枠124、外周側左縦樹脂枠134、外周側右縦樹脂枠144、内周側上樹脂枠115、内周側下樹脂枠125、内周側左縦樹脂枠135、内周側右縦樹脂枠145は、いずれも、樹脂製の形材であるが、これらのうちの少なくとも1つは、アルミ押し出し形材等の金属製の形材であってもよい。
【0036】
[断熱材の配置]
本実施形態では、上記で説明したとおり、断熱材4は、外周側上樹脂枠114、外周側下樹脂枠124、外周側左縦樹脂枠134、外周側右縦樹脂枠144、内周側上樹脂枠115、内周側下樹脂枠125、内周側左縦樹脂枠135及び内周側右縦樹脂枠145に取り付けられている。
一方、室外側上金属枠111、室外側下金属枠121、室外側左縦金属枠131、室外側右縦金属枠141、室内側上金属枠112、室内側下金属枠122、室内側左縦金属枠132及び室内側右縦金属枠142には、断熱材4は取り付けられていない。
【0037】
図1及び2に示されるように、枠体1は、躯体等5の開口部に納められており、室外側上金属枠111、室外側下金属枠121、室外側左縦金属枠131及び室外側右縦金属枠141(以下、まとめて、室外側金属枠材という。)の一部が躯体等5の外側に露出している。
このため、室外側金属枠材が外気にさらされることになる。室外側金属枠材と、室内側上金属枠112、室内側下金属枠122、室内側左縦金属枠132及び室内側右縦金属枠142(以下、まとめて、室内側金属枠材という。)とは、断熱性の高い樹脂で形成された連結部材で連結されていて、室外側金属枠材と室内側金属枠材は断熱されているものの、完全ではないため、室外側金属枠材の冷温が室内側金属枠材に伝わることになる。
【0038】
この室内側金属枠材の冷温は、躯体等5の外面に沿って、外周側から内周側に伝わり、室内に侵入する。
しかし、室内側金属枠材の内周側に取り付けられた外周側上樹脂枠114、外周側下樹脂枠124、外周側左縦樹脂枠134、外周側右縦樹脂枠144(以下、まとめて外周側樹脂枠材という。)には、断熱材4が取り付けられていて、外周側樹脂枠自体及び断熱材4により、室内側金属枠材の冷温が内周側に伝わらないように遮断する。さらに、外周側樹脂枠材の内周側に取り付けられた内周側上樹脂枠115、内周側下樹脂枠125、内周側左縦樹脂枠135及び内周側右縦樹脂枠145(以下、まとめて内周側樹脂枠材という。)には、断熱材4が取り付けられていて、内周側樹脂枠自体及び断熱材4により、外周側樹脂枠材の冷温が内周側に伝わらないように遮断する。
このように、枠体1を構成する枠材のうち、室内側に配置された枠材である、外周側樹脂枠と内周側樹脂枠に集中的に断熱材4を配置することで、効率的に断熱することができる。
【0039】
特許文献1~3に示されるように、従来の枠体は、室外側の枠材から室内側の枠材まで、広範に断熱材が取付られていて、コストが高くなっているのに対して、本実施形態では、少ない断熱材4で、効率的に、室外からの冷温が室内に入らないように遮断することができ、低コストで断熱性を保持することができる。
【0040】
[障子]
障子2は、対向して配置された一対の上框21及び下框22、対向して配置された一対の左縦框23及び右縦框24を矩形状に組み合わせて、その内周にガラス等のパネルを配置して構成される。
上框21、下框22、左縦框23及び右縦框24は、アルミ押し出し形材等からなる長尺の室外側の金属本体枠と、室内側の見付面を構成する長尺の樹脂枠が係合された長尺の框材で構成されている。
障子2は、公知の支持機構により左縦枠13、右縦枠14にすべり出し可能に支持されていて、ハンドル(図示していない)により開閉操作可能に構成されている。
【0041】
実施形態では、枠体1を構成する枠材に断熱材4を固定する構成を説明してきたが、障子2を構成する框材に断熱材4を固定する構成に採用してもよい。
【0042】
上述した本実施形態では、外周側上樹脂枠114、外周側下樹脂枠124、内周側下樹脂枠125、外周側左縦樹脂枠134及び外周側右縦樹脂枠144は、いずれも、筒状部材ではなく、側面が開放されているため、長尺の断熱材4を、開放された側方から、外周側上樹脂枠114、外周側下樹脂枠124、内周側下樹脂枠125、外周側左縦樹脂枠134及び外周側右縦樹脂枠144に嵌め込むことにより簡単に固定することができる。
【0043】
また、上述した本実施形態では、外周側上樹脂枠室内側係合片114b、外周側下樹脂枠室外側係合片124a及び外周側下樹脂枠室内側係合片124b、内周側下樹脂枠室外側係合片125a及び内周側下樹脂枠室内側係合片125b、外周側左縦樹脂枠室内側係合片134b並びに外周側右縦樹脂枠室内側係合片144bは、それぞれ、外周側上樹脂枠114、外周側下樹脂枠124、内周側下樹脂枠125、外周側左縦樹脂枠134及び外周側右縦樹脂枠144を取り付けるための取付片と、断熱材4を固定する突片を兼用していることになり、外周側上樹脂枠114、外周側下樹脂枠124、内周側下樹脂枠125、外周側左縦樹脂枠134及び外周側右縦樹脂枠144の構成を簡素化することができる。
【0044】
また、上述した本実施形態では、枠体1を構成する枠材のうち、室内側に配置された枠材である、外周側樹脂枠と内周側樹脂枠に集中的に断熱材4を配置することで、少ない断熱材4で、効率的に断熱することができる。
【0045】
以上、本発明に係る実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1 枠体
11 上枠
111 室外側上金属枠
112 室内側上金属枠
113 上金属枠連結部材
114 外周側上樹脂枠
114a 外周側上樹脂枠室外側係合片
114b 外周側上樹脂枠室内側係合片
114b1 外周側上樹脂枠室内側突片
114c 外周側上樹脂枠嵌合溝部
115 内周側上樹脂枠
12 下枠
121 室外側下金属枠
122 室内側下金属枠
123 下金属枠連結部材
124 外周側下樹脂枠
124a 外周側下樹脂枠室外側係合片
124b 外周側下樹脂枠室内側係合片
124c 外周側下樹脂枠嵌合溝部
125 内周側下樹脂枠
125a 内周側下樹脂枠室外側係合片
125a1 内周側下樹脂枠室外側突片
125b 内周側下樹脂枠室内側係合片
125b1 内周側下樹脂枠室内側突片
13 左縦枠
131 室外側左縦金属枠
132 室内側左縦金属枠
133 左縦金属枠連結部材
134 外周側左縦樹脂枠
134a 外周側左縦樹脂枠室外側係合片
134b 外周側左縦樹脂枠室内側係合片
134b1 外周側左縦樹脂枠室内側突片
135 内周側左縦樹脂枠
14 右縦枠
141 室外側右縦金属枠
142 室内側右縦金属枠
143 右縦金属枠連結部材
144 外周側右縦樹脂枠
144a 外周側右縦樹脂枠室外側係合片
144b 外周側右縦樹脂枠室内側係合片
144b1 外周側右縦樹脂枠室内側突片
145 内周側右縦樹脂枠
2 障子
21 上框
22 下框
23 左縦框
24 右縦框
3 網戸
4 断熱材
5 躯体等
図1
図2