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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101323
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】電気掃除機用ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20240722BHJP
   A47L 9/24 20060101ALI20240722BHJP
   A47L 9/04 20060101ALI20240722BHJP
   A47L 9/30 20060101ALI20240722BHJP
   A47L 9/02 20060101ALI20240722BHJP
   A47L 9/20 20060101ALN20240722BHJP
【FI】
A47L9/28 U
A47L9/28 V
A47L9/24 C
A47L9/04 A
A47L9/30
A47L9/02 Z
A47L9/20 531Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005248
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】廣田 満久
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
【Fターム(参考)】
3B057BA26
3B057DE06
3B057EA03
3B061AA06
3B061AA15
3B061AE02
(57)【要約】
【課題】デザインの自由度および広い受光面積を確保できる電気掃除機用ユニットを提供すること。
【解決手段】吸引モータおよび筐体を有する吸引装置と、吸引モータに電力を供給可能な太陽電池とを備え、筐体は曲面を含む外面を有し、太陽電池は筐体の外面の少なくとも曲面の表面に沿って設けられている電気掃除機用ユニット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引モータおよび筐体を有する吸引装置と、吸引モータに電力を供給可能な太陽電池とを備え、
筐体は曲面を含む外面を有し、太陽電池は筐体の外面の少なくとも曲面の表面に沿って設けられている電気掃除機用ユニット。
【請求項2】
曲面を含む外面を有する筐体が設けられた吸込口体と、太陽電池とを備え、
吸込口体は、太陽電池からの電力にて回転ブラシを回転可能な回転ブラシ用モータと、太陽電池からの電力にて点灯して吸込口体の周囲を照明可能なライトと、太陽電池からの電力にて駆動して帯電粒子を発生可能な帯電粒子発生装置とのうちの少なくともいずれか一つを備え、
太陽電池は筐体の外面の少なくとも曲面の表面に沿って設けられている電気掃除機用ユニット。
【請求項3】
集塵装置と、太陽電池とを備え、
集塵装置は、曲面を含む外面を有する集塵容器と、集塵容器に着脱可能なフィルタ部と、クリーニング機構とを備え、
クリーニング機構は、太陽電池からの電力にてフィルタ部を振動可能な振動発生用モータと、太陽電池からの電力にて点灯して集塵容器内に殺菌光を照射可能な殺菌ライトと、太陽電池からの電力にて駆動して集塵容器内に帯電粒子を発生可能な帯電粒子発生装置とのうちの少なくともいずれか一つを備え、
太陽電池は集塵容器の外面の少なくとも曲面の表面または裏面に沿って設けられている電気掃除機用ユニット。
【請求項4】
吸引装置と吸込口体とを接続し、曲面を含む外面を有する延長パイプ部材と、太陽電池とを備え、
太陽電池は、延長パイプ部材の外面の少なくとも曲面の表面に沿って設けられ、吸引装置と吸込口体と延長パイプ部材のうちの少なくとも一方に設けられた電気部品に電力を供給可能である電気掃除機用ユニット。
【請求項5】
太陽電池の表面が透光性を有する保護層にて覆われている、請求項1~4のいずれか1つに記載の電気掃除機用ユニット。
【請求項6】
筐体の外面に発光部が設けられており、
太陽電池は、発光部を覆う発光部被覆部分を有しており、太陽電池の少なくとも発光部被覆部分が透光性を有する、請求項5に記載の電気掃除機用ユニット。
【請求項7】
太陽電池は、受光面と、受光面とは反対側の非受光面とを有し、
発光部被覆部分は、受光面が発光部に対向するように発光部と重なっている、請求項6に記載の電気掃除機用ユニット。
【請求項8】
太陽電池は、受光面と、受光面とは反対側の非受光面とを有し、
発光部被覆部分は、第1の太陽電池と第2の太陽電池とが重なり合ってなり、
第1の太陽電池の受光面が発光部に対向するように発光部と重なり、第2の太陽電池の非受光面が第1の太陽電池の非受光面と対向するように第1の太陽電池と重なる、請求項6に記載の電気掃除機用ユニット。
【請求項9】
太陽電池の表面が、筐体の外面の太陽電池周辺領域よりも陥没した位置にある、請求項5に記載の電気掃除機用ユニット。
【請求項10】
バッテリをさらに備え、
バッテリは太陽電池からの電力を充電可能であり、太陽電池およびバッテリの少なくとも一方から電気部品へ電力を供給可能である、請求項1~4のいずれか1つに記載の電気掃除機用ユニット。
【請求項11】
太陽電池が、透光性とフレキシブル性とのうちの少なくともフレキシブル性を有する太陽電池、またはペロブスカイト太陽電池である、請求項1~4のいずれか1つに記載の電気掃除機用ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機用ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体と、電動送風機に電力を供給する二次電池と、二次電池を充電可能な太陽電池とを備え、筐体の外面に太陽電池が設けられた電気掃除機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-81552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽電池が一般的なシリコンタイプであると、太陽電池の設置箇所が筐体の外面の平坦部に制限されるため、太陽電池の受光面積を広く確保することが難しい。あるいは、シリコンタイプの太陽電池の受光面積を広く確保するために、筐体の外面に平坦部を多くするとデザインの自由度が狭くなる。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされた電気掃除機用ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(第1の発明)は、吸引モータおよび筐体を有する吸引装置と、吸引モータに電力を供給可能な太陽電池とを備え、筐体は曲面を含む外面を有し、太陽電池は筐体の外面の少なくとも曲面の表面に沿って設けられている電気掃除機用ユニットを提供する。
【0006】
本発明(第2の発明)は、曲面を含む外面を有する筐体が設けられた吸込口体と、太陽電池とを備え、吸込口体は、太陽電池からの電力にて回転ブラシを回転可能な回転ブラシ用モータと、太陽電池からの電力にて点灯して吸込口体の周囲を照明可能なライトと、太陽電池からの電力にて駆動して帯電粒子を発生可能な帯電粒子発生装置とのうちの少なくともいずれか一つを備え、太陽電池は筐体の外面の少なくとも曲面の表面に沿って設けられている電気掃除機用ユニットを提供する。
【0007】
本発明(第3の発明)は、集塵装置と、太陽電池とを備え、集塵装置は、曲面を含む外面を有する集塵容器と、集塵容器に着脱可能なフィルタ部と、クリーニング機構とを備え、クリーニング機構は、太陽電池からの電力にてフィルタ部を振動可能な振動発生用モータと、太陽電池からの電力にて点灯して集塵容器内に殺菌光を照射可能な殺菌ライトと、太陽電池からの電力にて駆動して集塵容器内に帯電粒子を発生可能な帯電粒子発生装置とのうちの少なくともいずれか一つを備え、太陽電池は集塵容器の外面の少なくとも曲面の表面または裏面に沿って設けられている電気掃除機用ユニットを提供する。
【0008】
本発明(第4の発明)は、吸引装置と吸込口体とを接続し、曲面を含む外面を有する延長パイプ部材と、太陽電池とを備え、太陽電池は、延長パイプ部材の外面の少なくとも曲面の表面に沿って設けられ、吸引装置と吸込口体と延長パイプ部材のうちの少なくとも一方に設けられた電気部品に電力を供給可能である電気掃除機用ユニットを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、デザインの自由度を狭くすることなく太陽電池の受光面積が拡大する電気掃除機用ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る複数の電気掃除機用ユニットを組み立ててなる電気掃除機(第1実施形態)を示す斜視図である。
図2図1の電気掃除機の制御系を説明するブロック図である。
図3図1の電気掃除機における掃除機本体の斜視図である。
図4図3の掃除機本体の制御系を説明するブロック図である。
図5図3の掃除機本体の操作部に設けた太陽電池の左側断面図である。
図6図1の電気掃除機における吸込口体の斜視図である。
図7図3の掃除機本体の集塵装置を示す正面図である。
図8図7の集塵装置の分解図である。
図9】第1実施形態の変形例1の操作部に設けた太陽電池の左側断面図である。
図10】第1実施形態の変形例2の操作部に設けた太陽電池の左側断面図である。
図11】第2実施形態の電気掃除機における集塵装置の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0012】
(第1実施形態)
図1は本発明の電気掃除機の第1実施形態を示す斜視図である。
図1に示すように、この電気掃除機1は、第1の電気掃除機用ユニットである掃除機本体11と、第2の電気掃除機用ユニットである延長管(延長パイプ部材)12と、第3の電気掃除機用ユニットである吸込口体13とが組み立てられてなるスティック型電気掃除機である。この電気掃除機1では、第1、第2および第3の電気掃除機用ユニット(掃除機本体11、延長管12および吸込口体13)のそれぞれの外面に、少なくともフレキシブル性を有する太陽電池14、15、16が設けられている。このような太陽電池14、15、16としては、例えば、透光性およびフレキシブル性を有するペロブスカイト太陽電池を用いることができる。なお、この電気掃除機1においては、延長管12を介さずに、掃除機本体11に吸込口体13を直接接続してハンディ型として使用することもできる。
【0013】
この電気掃除機1において、掃除機本体11は、吸引装置17と、吸引装置17に着脱可能な集塵装置18とを備え、吸引装置17の筐体19の外面に太陽電池14が設けられている。なお、吸引装置17および集塵装置18は、それらが単体である場合には、第1の電気掃除機用ユニットを構成する電気掃除機ユニットである。
【0014】
図2図1の電気掃除機の制御系を説明するブロック図である。図2に示すように、吸引装置17は、筐体19の外面に設けられた太陽電池14と、筐体19内に設けられた吸引モータ21、駆動回路22、制御回路23、バッテリ(二次電池)24および充電回路25等の電気部品とを備える。受光した太陽電池14が発電すると、太陽電池14からの電力は充電回路25を介してバッテリ24に蓄電される。あるいは、バッテリ24からの電力は制御回路23および駆動回路22を介して吸引モータ21に供給され、それによって吸引モータ21が回転して吸引力が発生する。また、バッテリ24からの電力にて吸引モータ21を駆動しながら、太陽電池14からの電力にてバッテリ24を充電することができるため、吸引装置17の運転可能時間(バッテリ24の使用可能時間)を延ばすことができる。さらに、太陽電池14からの電力をバッテリ24を介さずに吸引モータ21に供給することも可能であり、使用状況に応じてバッテリ24の節電を行うことができる。
【0015】
図2に示すように、吸込口体13は、筐体26の外面に設けられた太陽電池16と、筐体26内に設けられた回転ブラシ27、回転ブラシ27の駆動用モータ28、駆動回路29、バッテリ210および充電回路211等の電気部品とを備える。受光した太陽電池16が発電すると、太陽電池16からの電力は充電回路211を介してバッテリ210に蓄電される。あるいは、バッテリ210からの電力は駆動回路29を介して駆動用モータ28に供給され、それによって駆動用モータ28が回転ブラシ27を回転させる。また、バッテリ210からの電力にて駆動用モータ28を駆動しながら、太陽電池16からの電力にてバッテリ210を充電することができるため、吸込口体13の運転可能時間(バッテリ210の使用可能時間)を延ばすことができる。さらに、太陽電池16からの電力をバッテリ210を介さずに駆動用モータ28に供給することも可能であり、使用状況に応じてバッテリ210の節電を行うことができる。
【0016】
図2に示すように、吸引装置17および延長管12には、これらの接続状態において吸引装置17の太陽電池14と延長管12の太陽電池15とを電気的に接続する接点部材213、214が設けられてもよい。吸引装置17の太陽電池14と延長管12の太陽電池15とを電気的に接続した場合、延長管12の太陽電池15からの電力および吸引装置17の太陽電池14からの電力をバッテリ24へ供給することが可能となり、太陽電池14のみで充電する場合よりもバッテリ24の充電時間を短縮化することができる。
【0017】
延長管12および吸込口体13には、延長管12と吸込口体13との接続状態において延長管12の太陽電池15と吸込口体13の太陽電池16とを電気的に接続する接点部材215、216が設けられてもよい。延長管12の太陽電池15と吸込口体13の太陽電池16とを電気的に接続した場合、延長管12の太陽電池15からの電力および吸込口体13の太陽電池16からの電力をバッテリ210へ供給することが可能となり、太陽電池16のみで充電する場合よりもバッテリ210の充電時間を短縮することができる。
【0018】
接点部材213、214のペアおよび接点部材215、216のペアを両方設けた場合、第1、第2、第3の電気掃除機用ユニット(掃除機本体11、延長管12、吸込口体13)の太陽電池14、15、16が互いに電気的に接続される。そのため、全ての太陽電池14~16からの電力によって、掃除機本体11のバッテリ24の充電と吸込口体13のバッテリ210の充電を所定のタイミングで切り替えて行うことが可能となる。例えば、電気掃除機1において最も電力を消費する吸引装置17のバッテリ24の充電を優先的に行い、次いで吸込口体13のバッテリ210の充電を行うようにしてもよい。この場合、バッテリ24の電圧値が第1の閾値に達するまではバッテリ24に充電し、バッテリ24の電圧値が第1の閾値に達するとバッテリ210の充電に切り替え、バッテリ24の電圧値が第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)を下回ると再度バッテリ24の充電に切り替える、というような電気的制御によって複数のバッテリの充電を切り替えてもよい。あるいは、電気掃除機1の所定箇所に設けたレバーによって充電したい方のバッテリを優先的に充電する、というような機械的操作によって複数のバッテリの充電を切り替えてもよい。あるいは、延長管12の太陽電池15は電気的に分離した上下2枚の太陽電池からなり、上の太陽電池の電力はバッテリ24の充電のみに供給され、下の太陽電池の電力はバッテリ210の充電のみに供給される、というようにしてもよい。
【0019】
次に、各電気掃除機用ユニットの具体的な構成と太陽電池が設けられた箇所等について説明する。
図3図1の電気掃除機における掃除機本体の斜視図である。掃除機本体11の吸引装置17は、筐体19と、筐体19の後端に連設されたハンドル31とによって概ね外郭が構成されている。なお、図3において、ユーザがハンドル31を持って掃除機本体11を略水平に構えた時のユーザから見た前後左右上下方向を掃除機本体11の前後左右上下方向として矢印にて示している。
【0020】
筐体19は、電気部品を収容する電気部品収容部32と、電気部品収容部32の前端上部から前方へ突出する突出部33とを有する。突出部33の前部は筒状となっており、突出部33の前端に吸引口34が設けられ、吸引口34よりも少し後方位置に流出口35が設けられている。突出部33の後端は電気部品収容部32の前端の左右側面を覆うように二股状に形成されている。このような突出部33の外面全体および電気部品収容部32の左右側面は主に凸状の曲面によって構成されており、このような曲面の表面に沿って太陽電池14は受光面が表面(外向き)となるように設けられている。この太陽電池14において、両面のうちの受光したときの発電効率が高い方の面が受光面である。
【0021】
太陽電池14はフレキシブル性を有しているため、曲面に対応する形状に太陽電池14を形成して(変形させて)接着剤にて曲面の表面に接着することができる。なお、電気部品収容部32の下面および後端面は平坦面部分を有しており、これらの平坦面部分にも太陽電池14を設けてもよい。太陽電池14は、筐体19に対して1枚で構成されてもよくあるいは複数枚で構成されてもよい。
【0022】
太陽電池14の受光面側に設けられた受光面電極および非受光面側に設けられた非受光面電極にはそれぞれ端子が設けられている。また、筐体19には、太陽電池14の各端子を挿入する複数の貫通孔が設けられている。筐体19の外面側から各貫通孔に挿入された太陽電池14の各端子の先端は、筐体19内に設けられた複数の導電部材(コネクタ、リード線等)と電気的に接続されている。複数の導電部材のうち、一部の導電部材は充電回路25と電気的に接続され、他の一部の導電部材は接点部材213と電気的に接続されている(図2参照)。接点部材213は、図3に示す吸引装置17の吸引口34の近傍に設けた複数の挿入孔36の内部に設けられている。
太陽電池14は、フレキシブル性に加えて、透光性を有している。太陽電池14の表面は透光性の保護層によって覆うことが、外部の衝撃から太陽電池14を保護する上で好ましい。保護層としては、透明な樹脂フィルムを用いることができ、割れにくい透明なガラスフィルムを用いてもよい。なお、保護層はフレキシブル性を有することが好ましい。また、太陽電池14が設けられている箇所と太陽電池14が設けられていない箇所とを一緒に同一の保護層で覆ってもよいし、太陽電池14のみを保護層によって覆ってもよい。
【0023】
図3に示すように、吸引装置17において、ハンドル31の上端面に凹部が設けられ、その凹部に操作部37が設けられている。この操作部37は、複数の押しボタン38と、複数の発光部39とを有している。複数の押しボタン38は、吸引装置17の駆動と停止の切り替え、吸引力の強弱の切り替えなどを操作するボタンである。また、1つの押しボタン38を、太陽電池14からの電力をバッテリ24(図3参照)を介さずに吸引モータ21へ供給するように操作するボタンとしてもよい。
複数の発光部39は、運転可能時間やバッテリ残存量等を表示する発光表示部(例えば、7セグメントLED)、運転中に点灯するLEDライト、バッテリ切れを点滅によって報知するLEDライト等を含むことができる。
【0024】
図4図3の掃除機本体の制御系を説明するブロック図である。図4に示すように、吸引装置17の筐体19において、電気部品収容部32の前端には格子状の開口部41が設けられており、その開口部41の後方近傍位置に吸引モータ21が設けられている。また、駆動回路22は吸引モータ21の後方近傍位置に設けられ、制御回路23は吸引モータ21および駆動回路22の下方に設けられている。このように各種電気部品を電気部品収容部32に収容した場合、吸引装置17を小型化および軽量化したい場合、電気部品収容部32には大きなバッテリを収容できるスペースが少ない。そこで、本実施形態では、バッテリ24として小型の全固体電池を用い、ハンドル31内の細長いスペースに複数の全固体電池を並べている。なお、電気部品収容部32内の電気部品が設けられていない狭いスペースにも複数の全固体電池を配置してもよい。なお、全固体電池を用いる場合よりも吸引装置17が大型化してしまう可能性があるが、バッテリ24として、従来から広く用いられている二次電池(例えば、リチウムイオン電池)を用いてもよい。
【0025】
図5図3の掃除機本体の操作部に設けた太陽電池の左側断面図である。図5に示すように、本実施形態において、太陽電池14は操作部37の発光部39を覆う透光性の発光部被覆部分51を有すると共に、発光部被覆部分51が透光性の保護層52にて覆われている。この場合、発光部被覆部分51は、受光面53が発光部39と対向するように発光部39と重なっており、非受光面54が保護層52と対向している。このように太陽電池14の受光面53を発光部39と対向させることによって、発光部39の光によって太陽電池14の受光部分が効率よく発電する。
【0026】
また、操作部37の位置に設けられた太陽電池14は保護層52にて保護されていることに加え、太陽電池14の表面が筐体19の外面の太陽電池周辺領域よりも陥没した位置にある。そのため、外部の衝撃が太陽電池14に加わりにくく、ユーザがハンドル31の上端を握った手が太陽電池14に触れて傷や皮脂がつくようなことも抑制される。なお、太陽電池14がペロブスカイト太陽電池である場合、ペロブスカイト太陽電池は可視光領域から紫外光領域の範囲内の波長の光によって効率よく発電するため、発光部39は可視光領域から紫外光領域の範囲内の波長で発光するものであってもよい。
【0027】
図6図1の電気掃除機における吸込口体13の斜視図である。図6に示すように、吸込口体13は、吸込口本体61と、吸込口本体61に前後方向の軸心を中心として左右方向に回動可能に設けられた関節部62と、関節部62に左右方向の軸心を中心として上下方向に回動可能に設けられた接続管部63とを備える。この吸込口体13にも、吸込口本体61の筐体64の外面に太陽電池16が設けられている。筐体64の外面は、曲面を有する上面と、平坦な左右側面と、平坦な前面とを有してなり、上面の一部の曲面の表面に沿ってフレキシブル性を有する太陽電池16が設けられている。太陽電池16は、さらに透光性を有してもよい。この太陽電池16の表面も掃除機本体の筐体19と同様に透光性の保護層によって覆うことが好ましい。
【0028】
本実施形態の場合、吸込口本体61は、関節部62と接続された中間接続部65と、中間接続部65の右側の右側収納部66と、中間接続部65の左側の左側収納部67と、中間接続部65の後側の後方突出部68とを有している。右側収納部66内にはバッテリ210、充電回路211および駆動回路29が収納されている。左側収納部67内には回転ブラシ27の駆動用モータ28が収納されている。後方突出部68にはローラが設けられている。吸込口本体61において、中間接続部65の前側には左右方向に延びる回転ブラシ収納部69および吸込口が設けられており、回転ブラシ収納部69内に回転ブラシ27が回転可能に設けられている。また、駆動用モータ28の出力軸610と、回転ブラシ27の左側端部とは、図示しない動力伝達機構にて連結されており、出力軸610の回転力が動力伝達機構を介して回転ブラシ27に伝達されるようになっている。動力伝達機構としては、プーリ・ベルト機構あるいはギア機構を用いることができる。さらに、吸込口本体61内には、図示しない帯電粒子発生装置が設けられている。帯電粒子発生装置は、例えば、左側収納部67内に設けることができる。この構成によれば、吸引時、左側収納部67内に空気が流入するため、空気と一緒に帯電粒子が吸込口体13から延長管12を介して掃除機本体11内へ流入し、集塵容器71内における静電気を除去し、集塵容器71の塵埃を除去しやすくなる。あるいは、菌やウイルスの作用を抑えることが可能となる。
【0029】
帯電粒子発生装置としては、イオン供給装置が代表的に挙げられるが、これに限定されず、放電により、イオン、電子、オゾン、ラジカル、活性種などを発生させる放電装置であればよい。また、帯電粒子発生装置がイオンを発生させる場合は、正イオンと負イオンの両方を発生させる構成であっても、正イオンあるいは負イオンの何れか一方を発生させる構成であってもよい。また、本発明において、帯電粒子には空気イオンのほかに帯電微粒子水も含むものとする。このとき、帯電粒子発生装置を例えば静電霧化装置によって構成してもよい。静電霧化装置によってラジカル成分を含む帯電微粒子水が生成される。すなわち、静電霧化装置に設けた放電電極をペルチェ素子により冷却することで放電電極の表面に結露水が生じる。次に、放電電極に負の高電圧を印加すると、結露水から負イオンを含む帯電微粒子水が生成される。また、放電電極に正の高電圧を印加すると、結露水から正イオンを含む帯電微粒子水が生成される。
【0030】
図6に示すように、本実施形態の場合、回転ブラシ収納部69の外面から右側収納部66の外面に亘る範囲に、受光面を外側に向けて太陽電池16が設けられている。この太陽電池16も受光面と非受光面にそれぞれ端子が設けられている。吸込口体13において、関節部62は中間接続部65に対して回動する部分であり、接続管部63の下端は関節部62に対して回動する部分であるため、これらの部分には太陽電池16を設けないが、これらの部分以外の外面であれば太陽電池16を設けてもよい。例えば、吸込口本体61の左側収納部67には通気口が設けられているが、左側収納部67の通気口を除く外面(曲面)や、吸込口本体61の左右側面(平坦面)や、接続管部63の下端と上端の間の中間部の外面(曲面)、中間接続部65の外面(曲面)などに太陽電池16を設けてもよい。
【0031】
筐体64には、太陽電池16の各端子を挿入する複数の貫通孔が設けられている。筐体64の外面側から各貫通孔に挿入された太陽電池16の各端子の先端は、筐体64内に設けられた複数の導電部材(コネクタ、リード線等)と電気的に接続されている。複数の導電部材のうち、一部の導電部材は充電回路211と電気的に接続され、他の一部の導電部材は接点部材216と電気的に接続されている(図2参照)。接点部材216は、図6に示す吸込口体13の接続管部63の開口端部611近傍の段付き部に設けられたピン形の部材である。
【0032】
ここで、図2に戻って、延長管12について説明すると、延長管12の外面の湾曲した表面に沿って、受光面を外側に向けて太陽電池15が設けられている。この太陽電池15も受光面と非受光面にそれぞれ端子が設けられている。また、延長管12の一端側(吸引装置17側)と他端側(吸込口体13側)にそれぞれ複数の接点部材214、215が設けられており、各接点部材214、215は太陽電池15の各端子と電気的に接続されている。延長管12の一端側に設けられた一対の各接点部材214はピン形に形成されている。また、延長管12の他端の端面には一対の挿入孔が設けられており、一対の挿入孔内にクリップ形の一対の接点部材215が設けられている。
【0033】
延長管12の一端111(図1参照)を吸引装置17の吸引口34(図3参照)に挿入した接続状態において、ピン形の一対の接点部材214が一対の挿入孔36(図3参照)内に挿入されてクリップ形の一対の接点部材213と機械的および電気的に接続される。また、吸込口体13の接続管部63の開口端部611(図6参照)を延長管12の他端開口部に挿入した接続状態において、ピン形の一対の接点部材216が一対の挿入孔内に挿入されてクリップ形の一対の接点部材215と機械的および電気的に接続される。
【0034】
図7図3の掃除機本体の集塵装置を示す正面図である。図8図7の集塵装置の分解図である。図7図8に示すように、サイクロン式の集塵装置18は、集塵容器71と、第1および第2フィルタ72、73とを含む。また、集塵装置18は、吸引装置17(図3参照)に着脱可能に取り付けられるように設けられている。例えば、フック81、可動爪などを用いて集塵装置18を吸引装置17に取り付けることができる。また、集塵装置18を吸引装置17に取り付けると、集塵容器71の流入口74が吸引装置17の流出口35に接続し(図3参照)、プリーツ状の第2フィルタ73の上部(集塵容器71と反対側)において集塵装置18のカップ状の筐体75が吸引装置17の開口部41と吸引モータ21に接続する(図4参照)。
【0035】
図7図8に例示した集塵装置18は、筐体75の下部に筒型の第1フィルタ72、風除け板76、77、78、79が取り付けられたアセンブリを含み、このアセンブリの筒型の第1フィルタ72、風除け板76~79が集塵容器71中に挿入されるように、集塵容器71が筐体75の下部に取り付けられる。また、筐体75は、第2フィルタ73を収容している。筐体75は、図示していないカバー部により覆われていてもよい。この場合、筐体75からカバー部を取り外した後、第2フィルタ73を、筐体75の上部の開口から取り出すことができる。なお、集塵装置18では、集塵容器71の底710が下側であり、第2フィルタ73を取り出す開口83が上側である。図7に示した集塵装置18は、吸引装置17から取り外されている状態である。
【0036】
集塵容器71は有底円筒形状を有し、吸引装置17の吸引力により吸い込んだ空気が塵埃とともに集塵容器71の内部に流入するように設けられた流入口74を有する。また、集塵容器71の底710(有底円筒形状の底)は、開閉する蓋で構成されてもよい。集塵容器71の上部は旋回流711の遠心力により塵埃を分離するための部分であり、集塵容器71の下部は、分離した塵埃を溜めるための集塵室712である。集塵容器71の材料は、透光性材料であることが好ましい。このことにより、集塵室712(集塵容器71)に溜まった塵埃の量をユーザが目視することができ、ユーザが集塵容器71に溜まった塵埃を捨てるタイミングであるか否かを容易に判断することができる。なお、図7は、透光性を有する集塵容器71の内部が見えるような図面となっている。
【0037】
筒型の第1フィルタ72は、集塵容器71の内部に生じさせる旋回流711の中心(旋回軸)に位置する筒状部であり、フィルタ本体を有する。図7図8に示した集塵装置18に含まれる第1フィルタ72は、筒状基体の8つの開口のそれぞれにフィルタが取り付けられた構成を有している。第1フィルタ72は、目が比較的粗いメッシュフィルタとすることができる。
【0038】
プリーツ状の第2フィルタ73は、目が第1フィルタよりも比較的細かいフィルタとすることができる。このことにより、第1フィルタ72で捕集できなかった塵埃を第2フィルタ73で捕集することが可能になる。
【0039】
風除け板76~79は、集塵室712の中央に配置される板状部である。本実施形態の場合、集塵容器71の底710の中央に円環状のリブ713が設けられており、リブ713の内側に風除け板76~79の下端が収まる。
【0040】
流入口74は、流入口74より集塵容器71の内部に流入した空気が第1フィルタ72の周囲を旋回する旋回流711が生じるように設けられる。旋回流711の遠心力により比較的大きなゴミが分離された空気は、第1フィルタ72、第2フィルタ73を通過し、吸引装置17の筐体19内の吸引モータ21を通過した後、筐体19の右側壁に設けた排気口から排出される。
【0041】
本実施形態の電気掃除機1によれば、太陽電池14~16は透光性を有しているため、無色に近い太陽電池14~16を用いれば吸引装置17の筐体19、延長管12および吸込口体13の筐体64のそれぞれの外面の色を太陽電池14~16を通して目視することができる。このように、吸引装置17の筐体19、延長管12および吸込口体13の筐体64のそれぞれの外観デザインをそのまま生かして太陽電池14~16を設け、さらに、平坦面のみならず曲面にも自由に太陽電池14~16を配置するため、電気掃除機1の外観のデザインの自由度が狭くなる(デザインを制限される)ことを低減でき、太陽電池全体の受光面積を拡大することができる。本実施形態では、吸引装置17のハンドル31はユーザの手で握る部分であるため太陽電池14を設けていないが、ハンドル31にも太陽電池14を設けてもよい。また、吸込口体13において、吸込口本体61と関節部62との結合部分は互いに動く部分であり、関節部62と接続管部63との結合部分は互いに動く部分であるため、これらの部分には太陽電池16は設けないが、その他の外面には太陽電池16を設けてもよい。
【0042】
本実施形態の電気掃除機1によれば、第1~第3の電気掃除機用ユニットにそれぞれ太陽電池14~16を設けることによって太陽電池全体の受光面積を容易に拡大することができるため、電気掃除機1に備えられたバッテリを太陽電池によって充電時間を短縮することができる。この際、太陽電池がペロブスカイト太陽電池である場合、直射日光ではない室内光であっても効率よくバッテリを充電することができる。それに加え、電気掃除機1に備えられた電気部品にバッテリからの電力を供給して運転(清掃)しながら、太陽電池にて効率よく発電した電力をバッテリに充電することができるため、電気掃除機1の運転可能時間(バッテリの使用可能時間)を延長することができる。例えば、吸引モータ21の強運転での運転時間を延長することができるため、強運転での清掃範囲を拡大することができる。
【0043】
また、例えば、日当たりのよい部屋、あるいは室内灯の使用時間が長い部屋など、室内の照度の高い場所に電気掃除機1を放置しておくことでバッテリを充電することができるため、電気掃除機1を充電台にセットする手間を省くことができる。本実施形態の場合、図示していないが、吸込口体13が単独で駆動し続けないように、吸込口体13(例えば、右側収納部66の上面)には駆動用モータ28の駆動と停止を切り替える押しボタン式スイッチが設けられている。あるいは、吸込口体13に受信部を設けると共に、吸引装置17に送信部を設け、吸引装置17の操作部37の操作により送信部からの指令電波を受信部にて受信して駆動用モータ28の駆動と停止を切り替えるようにしてもよい(図3参照)。
【0044】
さらに、本実施形態の電気掃除機1によれば、吸引装置17にバッテリ24と太陽電池14とを設けることにより、使用状況に応じて吸引モータ21への電力供給を制御することが可能となる。例えば、フローリングや畳を清掃する場合など吸引モータ21の出力が小さくて済むときは、太陽電池14からの電力のみで吸引モータ21を駆動させ、塵埃の多い場所や絨毯を清掃する場合など吸引モータ21の出力を大きくするときは、バッテリ24からの電力のみで、あるいは、太陽電池14にてバッテリ24を充電しながらバッテリ24からの電力で吸引モータ21を駆動させることができる。なお、操作部37には、太陽電池14からの電力供給とバッテリ24からの電力供給を切り替える切替スイッチ(不図示)が設けられている。
【0045】
また、吸込口体13にバッテリ210と太陽電池16とを設けることにより、使用状況に応じて駆動用モータ28への電力供給を制御することが可能となる。例えば、フローリングや畳を清掃する場合など駆動用モータ28の出力が小さくて済むときは、太陽電池16からの電力のみで駆動用モータ28を駆動させ、塵埃の多い場所や絨毯を清掃する場合など駆動用モータ28の出力を大きくするときは、バッテリ210からの電力のみで、あるいは、太陽電池16にてバッテリ210を充電しながらバッテリ210からの電力で駆動用モータ28を駆動させることができる。なお、吸込口本体61には、太陽電池16からの電力供給とバッテリ210からの電力供給を切り替える切替スイッチ(不図示)が設けられている。あるいは、吸込口本体61に設けた受信部が吸引装置17に設けた送信部からの指令電波を受信して切り替えるようにしてもよい。
【0046】
(第1実施形態の変形例1)
図9は第1実施形態の変形例1の操作部に設けた太陽電池の左側断面図である。第1実施形態では、筐体19の外面における操作部37の位置に凹部を設けた場合(図5参照)を例示したが、凹部の代わりに、図9に示すように、筐体19の外面の太陽電池周辺部分あるいは操作部37の周辺部分にリブ91を環状に設け、それによって太陽電池14の表面がリブ91よりも陥没した位置となるようにしてもよい。この変形例1のその他の構成は第1実施形態と同様である。
【0047】
(第1実施形態の変形例2)
図10は第1実施形態の変形例2の操作部に設けた太陽電池の左側断面図である。第1実施形態の変形例2において、吸引装置17の操作部37の発光部39に重なる太陽電池の発光部被覆部分100は、第1の太陽電池101と第2の太陽電池102とが重なり合ってなる。さらに、第1の太陽電池101の受光面103が発光部39に対向するように発光部39と重なり、第2の太陽電池102の非受光面104が第1の太陽電池101の非受光面105と対向するように第1の太陽電池101と重なっている。この場合も、発光部被覆部分100は透光性の保護層52にて覆われており、第2の太陽電池102の受光面106は保護層52に対向している。変形例2の構成によれば、発光部39からの光によって第1の太陽電池101が効率的に発電し、外部の光によって第2の太陽電池102が効率よく発電することができる。この変形例2のその他の構成は第1実施形態と同様である。
【0048】
(第1実施形態の変形例3)
第1実施形態において、吸込口体13の吸込口本体61の外面(例えば、前端面)に電気部品としての発光照明部(例えば、LEDライト)を設けて吸込口本体61の周囲を照らすようにしてもよい。この場合、発光照明部が単独で作動し続けないように、吸込口本体61には押しボタン式スイッチが設けられるか、吸込口本体61に設けた受信部が吸引装置17に設けた送信部からの指令電波を受信して作動するようにしてもよい。さらに、発光照明部に受光面が対向するように太陽電池を重ね合わせ、その上に透光性の保護層を設けてもよい(図5参照)。あるいは、図10で示したように発光照明部に第1と第2の太陽電池を重ね合わせ、その上に透光性の保護層を設けてもよい。
【0049】
(第1実施形態の変形例4)
第1実施形態において、延長管12の外面に電気部品としての発光照明部(例えば、LEDライト)を設けて吸込口本体61の周囲を照らすようにしてもよい。この構成によれば、延長管12に設けた太陽電池が発電した電力によって発光照明部を作動させることができる。この場合、発光照明部が単独で作動し続けないように、延長管12には押しボタン式スイッチが設けられるか、延長管12に設けた受信部が吸引装置17に設けた送信部からの指令電波を受信して作動するようにしてもよい。さらに、発光照明部に受光面が対向するように太陽電池を重ね合わせ、その上に透光性の保護層を設けてもよい(図5参照)。あるいは、図10で示したように発光照明部に第1と第2の太陽電池を重ね合わせ、その上に透光性の保護層を設けてもよい。
【0050】
(第1実施形態の変形例5)
第1実施形態において、集塵装置18に太陽電池を設け、集塵装置18の太陽電池にて発電した電力を、吸引装置17のバッテリ24と吸込口体13のバッテリ210に切り替えて充電するようにしてもよい。この場合、集塵装置18を吸引装置17に装着したときに、集塵装置18に設けた接点と吸引装置17に設けた接点とが電気的に接続し、集塵装置18の太陽電池にて発電した電力が吸引装置17の電気配線系に流れ、必要に応じて吸引装置17のバッテリ24または吸込口体13のバッテリ210へ供給される。太陽電池は、集塵容器71の湾曲した外周面、筐体75の湾曲した外周面、および取付けカバー116の湾曲した外周面のうちから、選択的にそれらの外周面の表面に沿って設けることができる。太陽電池113として、例えば、透光性を有するペロブスカイト太陽電池を用いれば、透光性である集塵容器71内に溜まった塵埃の量を外部から目視することができる。また、ペロブスカイト太陽電池が透明ではなく少し色味を有する場合は、集塵容器71内の塵埃の量は認識できるが、塵埃の色味が鮮明でなくなるため、人目に付く室内で電気掃除機を収納するときに集塵容器71(または掃除機本体11)を布で覆い隠すという手間を省くことができる(図1参照)。
【0051】
(第2実施形態)
図11は第2実施形態の電気掃除機における集塵装置の正面断面図である。なお、図11において、図7図8中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。第2実施形態の電気掃除機が第1実施形態の電気掃除機と異なる点は、集塵装置112の構成および集塵装置112に太陽電池113が設けられた点にあり、第2実施形態におけるその他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
【0052】
第2実施形態の場合、図11に示す集塵装置112は、第1実施形態の集塵装置18(図7図8参照)と概ね同様の集塵容器71、第1および第2フィルタ72、73および筐体75を備えると共に、クリーニング機構114と、バッテリ115と、取付けカバー116とを備える。本実施形態の場合、プリーツ状の第2フィルタ73の上端が筐体75から突出しており、第2フィルタ73の突出した上端外周部に円環状の取付けカバー116が嵌め込まれている。
【0053】
取付けカバー116は、第2フィルタ73側の第1の環状内フランジ117と、第1の環状内フランジ117よりも外側の第2の環状内フランジ118とを有している。さらに、取付けカバー116は、第1の環状内フランジ117の内側領域に、第1の環状内フランジ117と繋がった電気部品設置プレート119が設けられている。電気部品設置プレート119と第1の環状内フランジ117との間には複数の通風孔が設けられ、第2の環状内フランジ118の内側には1つの通風孔が設けられている。バッテリ115としては、例えば小型の全固体電池を複数個用いることができ、第1および第2の環状内フランジ117、118の間に挟み込まれるようにして複数の全固体電池(バッテリ115)が設けられている。
【0054】
クリーニング機構114は、太陽電池113からの電力にて第2フィルタ73を振動可能な振動発生用モータ120と、太陽電池113からの電力にて点灯して集塵容器71内に殺菌光を照射可能な殺菌ライトと、太陽電池からの電力にて駆動して集塵容器内に帯電粒子を発生可能な帯電粒子発生装置とのうちの少なくともいずれか一つを備える。本実施形態の場合、クリーニング機構114は振動発生用モータ120を備えており、取付けカバー116の電気部品設置プレート119上に、振動発生用モータ120と、図示しない充電回路と駆動回路とが固定されている。
【0055】
振動発生用モータ120の出力軸には板カム状の錘121が固着されており、第2フィルタ73の上端の一部には突起片122が設けられている。振動発生用モータ120の出力軸と共に錘121が回転することおよび錘121が回転して間欠的に突起片122に衝突し続けることにより、第2フィルタ73が振動し、第2フィルタ73の下面に付着した塵埃が集塵容器71内へ振るい落とされる。
【0056】
太陽電池113は、集塵容器71の湾曲した外周面、筐体75の湾曲した外周面、および取付けカバー116の湾曲した外周面に、それぞれ個別にそれらの外周面の表面に沿って設けられている。太陽電池113として、例えば、透光性を有するペロブスカイト太陽電池を用いれば、透光性である集塵容器71内に溜まった塵埃の量を外部から目視することができる。また、ペロブスカイト太陽電池が透明ではなく少し色味を有する場合は、集塵容器71内の塵埃の量は認識できるが、塵埃の色味が鮮明でなくなるため、人目に付く室内で電気掃除機を収納するときに集塵容器71(または掃除機本体11)を布で覆い隠すという手間を省くことができる(図1参照)。
【0057】
図11に示すように、集塵装置112が組み立てられた状態において、集塵容器71の太陽電池113と筐体75の太陽電池113とは互いに接点部材123、124にて電気的に接続されており、筐体75の太陽電池113と取付けカバー116の太陽電池113とは互いに接点部材125、126にて電気的に接続されている。接点部材123、124の接触面および接点部材125、126の接触面を除いて、各太陽電池113および各接点部材123~126の外面を透光性の保護層にて覆ってもよい。
【0058】
この集塵装置112によれば、各太陽電池113は外部光(例えば室内光)によって発電し、発電した電力を各バッテリ115に充電することができる。そのため、吸引装置17からの配線系が不要となる。また、バッテリ115からの電力にて振動発生用モータ120を駆動して第2フィルタ73の除塵を行うことができる。この際、例えば、図示しない駆動回路には振動発生用モータ120の駆動と停止を切り替えるスイッチが設けられており、このスイッチを手動でONすると第2フィルタ73の除塵が開始し、スイッチを手動でOFFすると除塵が停止するようにしてもよい。あるいは、集塵装置112を吸引装置17から取り外すと自動的にスイッチがONとなって第2フィルタ73の除塵が開始し、スイッチを手動でOFFすると除塵が停止するようにしてもよい。この構成によれば、集塵装置112の第2フィルタ73を手軽かつ頻繁に除塵して目詰まりを抑制することができ、その結果、高い吸引力を維持しやすくなる。
【0059】
(第2実施形態の変形例1)
第2実施形態におけるクリーニング機構114として、太陽電池113からの電力にて点灯して集塵容器71内に殺菌光を照射可能な殺菌ライト(例えば、紫外線ライト)を用いてもよい。この場合、例えば、集塵容器71の内周面の1箇所または複数個所に殺菌ライトを配置し、集塵容器71の太陽電池113からの電力で殺菌ライトが点灯するように配線系を設けることができる。この場合も、例えば、図示しない駆動回路には殺菌ライトのONとOFFを切り替えるスイッチが設けられており、このスイッチを手動でONすると殺菌ライトが点灯し、スイッチを手動でOFFすると殺菌ライトが消灯するようにしてもよい。あるいは、集塵装置112を吸引装置17から取り外すと自動的にスイッチがONとなって殺菌ライトが点灯し、スイッチを手動でOFFすると殺菌ライトが消灯するようにしてもよい。この構成によれば、集塵容器71内の菌等を殺菌することが可能となる。なお、殺菌ライトは、吸引装置17(図4参照)に設けてもよい。この場合、吸引装置17に集塵装置18を装着した状態において、吸引装置17における集塵容器71の外周面と接する部分(突出部33の下面)に殺菌ライトを配置して集塵容器71内に殺菌光を照射するようにしてもよい。
【0060】
(第2実施形態の変形例2)
第2実施形態におけるクリーニング機構114として、太陽電池113からの電力にて駆動して集塵容器71内に帯電粒子を発生可能な帯電粒子発生装置を用いてもよい。この場合、例えば、集塵容器71の内周面の1箇所または複数個所に帯電粒子発生装置を配置し、集塵容器71の太陽電池113からの電力で帯電粒子発生装置が駆動するように配線系を設けることができる。この場合も、例えば、図示しない駆動回路には帯電粒子発生装置のONとOFFを切り替えるスイッチが設けられており、このスイッチを手動でONすると帯電粒子発生装置が駆動し、スイッチを手動でOFFすると帯電粒子発生装置が停止するようにしてもよい。あるいは、集塵装置112を吸引装置17から取り外すと自動的にスイッチがONとなって帯電粒子発生装置が駆動し、スイッチを手動でOFFすると帯電粒子発生装置が停止するようにしてもよい。この構成によれば、集塵容器71内における静電気を除去し、集塵容器71の塵埃を除去しやすくなる。あるいは、菌やウイルスの作用を抑えることが可能となる。
【0061】
(第2実施形態の変形例3)
クリーニング機構114としての振動発生用モータ120、殺菌ライトおよび帯電粒子発生装置は、それらの2つ以上が組み合わせられてもよい。
【0062】
(第2実施形態の変形例4)
第2実施形態において、集塵容器71に設ける太陽電池113は、集塵容器71の湾曲した内周面に配置してもよい。この場合、太陽電池113の受光面は集塵容器71の内周面と対向し、集塵容器71の内部に対向する太陽電池113の非受光面は透光性の保護層にて覆われる。また、接点部材123は、集塵容器71の外周面から内周面へ貫通して太陽電池113と電気的に接続している。
【0063】
(第2実施形態の変形例5)
集塵装置18において、太陽電池113は、集塵容器71と筐体75と取付けカバー116のうちの少なくとも一つに設けられてもよい。
【0064】
(他の実施形態)
1.第1実施形態(図1参照)の電気掃除機1では、掃除機本体11の吸引装置17と延長管12と吸込口体13にそれぞれ太陽電池14、15、16を設けた場合を例示し、第2実施形態(図11参照)ではそれに加え集塵装置112にも太陽電池113を設けた場合を例示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、吸引装置17、集塵装置112、延長管12および吸込口体13のうちの少なくとも一つに太陽電池が設けられてもよい。例えば、吸引装置17と吸込口体13にそれぞれ太陽電池14、16を設け、延長管12には太陽電池を設けない場合、吸引装置17のバッテリ24の電力を吸込口体13の駆動用モータ28に供給するための配線系を延長管12に設ける必要がなくなる。これにより、延長管12の重量およびコストを配線系の分だけ低減できる。また、例えば、吸引装置17、集塵装置112、延長管12および吸込口体13のすべてに太陽電池を設けてもよい。
2.第1実施形態では吸引装置17および吸込口体13にそれぞれバッテリ24、210を設け、第2実施形態では集塵装置112にバッテリ115を設けた場合を例示したが、これらのバッテリのうち少なくとも一つは省略されてもよい。特に、太陽電池のみで必要な電力が得られる集塵装置と吸込口体はバッテリを省略してもよい。
3.第1および第2実施形態では吸引装置17に集塵装置112が設けられたスティック型の電気掃除機1を例示したが、本発明はこれに限定されず、延長管に集塵装置が設けられたスティック型の電気掃除機、キャニスター型の電気掃除機、アップライト型の電気掃除機、布団掃除機を含むハンディ型の電気掃除機であってもよい。なお、キャニスター型の電気掃除機の場合、吸込口体と接続するストレートな延長管部と、延長管部と掃除機本体とを接続する可撓性ホース部とを有してなる延長パイプ部材を備えており、延長管部に太陽電池を設け、可撓性ホース部には太陽電池を設けない。
【0065】
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、特許請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0066】
1:電気掃除機、 11:掃除機本体、 12:延長管(延長パイプ部材)、 13:吸込口体、 14,15,16,101,102,113:太陽電池、 17:吸引装置、 18,112:集塵装置、 19:筐体、 21:吸引モータ、 24,115,210:バッテリ(二次電池)、 26:筐体、 27:回転ブラシ、 28:駆動用モータ、 37:操作部、 39:発光部、 51、100:発光部被覆部分、 52:保護層、 53、103、106:受光面、 54、105、104:非受光面、 61:吸込口本体、 62:関節部、 63:接続管部、 64:筐体、 71:集塵容器、 72:第1フィルタ(フィルタ)、 73:第2フィルタ(フィルタ)、 114:クリーニング機構、 120:振動発生用モータ、 121:錘、 122:突起片、 123,124,125,126:接点部材、 213,214,215,216:接点部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11