(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101352
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】宿泊料金管理装置及び宿泊料金管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240722BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005300
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】金光 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆介
(72)【発明者】
【氏名】長見 恭輔
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 翔大
(72)【発明者】
【氏名】松本 大亮
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC25
5L050CC25
(57)【要約】
【課題】宿泊エリアの状況に合わせて宿泊料金を変動させることができる宿泊料金管理装置を提供する。
【解決手段】宿泊料金管理装置2は、異常時に宿泊料金を自動で変動させる際の料金変動ルールを設定させる設定部211と、異常の発生を検知する検知部212と、異常の発生が検知された場合に、料金変動ルールに基づいて宿泊料金を変動させる変動部213と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常時に宿泊料金を自動で変動させる際の料金変動ルールを設定させる設定部と、
異常の発生を検知する検知部と、
異常の発生が検知された場合に、前記料金変動ルールに基づいて宿泊料金を変動させる変動部と、
を備える宿泊料金管理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記料金変動ルールとして、変動させる宿泊料金の幅を設定させる、
請求項1記載の宿泊料金管理装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記料金変動ルールとして、変動させる宿泊料金の上限を設定させる、
請求項1記載の宿泊料金管理装置。
【請求項4】
前記変動部による変動結果を提示させる提示部、をさらに備える、
請求項1記載の宿泊料金管理装置。
【請求項5】
前記提示部は、前記変動結果をカレンダー表示に重ねて表示させる、
請求項4記載の宿泊料金管理装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記料金変動ルールを、宿泊施設が組み分けした部屋グループごとに設定させる、
請求項1記載の宿泊料金管理装置。
【請求項7】
前記検知部は、宿泊エリア及び宿泊日ごとのアクセス数を集計し、集計したアクセス数の上昇度が閾値を超えた場合に、異常の発生を検知する、
請求項1記載の宿泊料金管理装置。
【請求項8】
プロセッサに実行させる方法であって、
異常時に宿泊料金を自動で変動させる際の料金変動ルールを設定させるステップと、
異常の発生を検知するステップと、
異常の発生が検知された場合に、前記料金変動ルールに基づいて宿泊料金を自動で変動させるステップと、
を含む宿泊料金管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宿泊料金管理装置及び宿泊料金管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、宿泊施設の基準料金を決定する装置が開示されている。この装置は、宿泊施設のプランの中からその宿泊施設を代表するプランを抽出し、抽出したプランの宿泊料金のうち最も安価な宿泊料金をその宿泊施設の基準料金として決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、宿泊施設ごとにその宿泊施設の基準料金を決定するが、決定した基準料金は、宿泊施設の稼働率などが変動しても固定されることになる。しかしながら、宿泊施設の稼働率は、宿泊施設の周辺で開催されるイベントの有無などにより上下するため、収益を上げるためには、例えば施設周辺の状況などに合わせて宿泊料金を変動させることが望ましい。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、状況に合わせて宿泊料金を変動させることができる宿泊料金管理装置及び宿泊料金管理方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る宿泊料金管理装置は、異常時に宿泊料金を自動で変動させる際の料金変動ルールを設定させる設定部と、異常の発生を検知する検知部と、異常の発生が検知された場合に、料金変動ルールに基づいて宿泊料金を変動させる変動部と、を備える。
【0007】
上記態様において、設定部は、料金変動ルールとして、変動させる宿泊料金の幅を設定させてもよい。
【0008】
上記態様において、設定部は、料金変動ルールとして、変動させる宿泊料金の上限を設定させてもよい。
【0009】
上記態様において、変動部による変動結果を提示させる提示部、をさらに備えてもよい。
【0010】
上記態様において、提示部は、変動結果をカレンダー表示に重ねて表示させてもよい。
【0011】
上記態様において、設定部は、料金変動ルールを、宿泊施設が組み分けした部屋グループごとに設定させてもよい。
【0012】
上記態様において、検知部は、宿泊エリア及び宿泊日ごとのアクセス数を集計し、集計したアクセス数の上昇度が閾値を超えた場合に、異常の発生を検知してもよい。
【0013】
本発明の他の態様に係る宿泊料金管理方法は、プロセッサに実行させる方法であって、異常時に宿泊料金を自動で変動させる際の料金変動ルールを設定させるステップと、異常の発生を検知するステップと、異常の発生が検知された場合に、料金変動ルールに基づいて宿泊料金を自動で変動させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、状況に合わせて宿泊料金を変動させることができる宿泊料金管理装置及び宿泊料金管理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る宿泊料金管理装置を含む情報システムの構成を例示する図である。
【
図2】宿泊料金管理装置の物理的な構成を例示する図である。
【
図3】端末装置の物理的な構成を例示する図である。
【
図4】宿泊料金管理装置の機能的な構成を例示する図である。
【
図5】料金変動ルールの項目を設定するための設定画面を例示する図である。
【
図8】部屋グループに関する情報の詳細画面を例示する図である。
【
図9】宿泊料金の変更に関する履歴情報の反映履歴画面を例示する図である。
【
図10】変動処理の実行前から実行後までに行われる動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1を参照して、実施形態に係る宿泊料金管理装置2を含む情報システム1の構成について説明する。情報システム1は、例えば、宿泊料金管理装置2及び端末装置3を含む。
【0018】
実施形態に係る宿泊料金管理装置2は、例えば、宿泊施設ごとに設定される宿泊料金を管理するサーバ装置である。端末装置3は、各宿泊施設のそれぞれの担当者が使用する端末装置である。
【0019】
端末装置3は、例えば、スマートフォン、PC(Personal Computer)端末、タブレット端末、ノートPC、その他の端末装置であってよい。
【0020】
宿泊料金管理装置2及び端末装置3は、それぞれネットワークNを介して相互に通信できるように構成される。
【0021】
ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせなどのいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0022】
図2に示すように、宿泊料金管理装置2は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ21と、通信インタフェース22と、記憶装置23とを備える。
【0023】
プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサである。プロセッサ21は、記憶装置23に記憶されているプログラム231を実行することで、後述する宿泊料金管理装置2の各種機能を実現する。
【0024】
通信インタフェース22は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の装置や端末と通信する通信部として機能する。
【0025】
記憶装置23は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置23は、宿泊料金管理装置2の各種機能を実現するためのプログラム231及びそのプログラム231で使用される各種のデータ232などを記憶する記憶部として機能する。
【0026】
各種のデータ232には、例えば、宿泊施設に関する情報、部屋グループに関する情報、料金ランクに関する情報、料金変動ルールに関する情報、変動結果に関する情報、売上に関する情報などを構成するデータが含まれる。
【0027】
図3に示すように、端末装置3は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ31と、通信インタフェース32と、記憶装置33と、入力装置34と、表示装置35とを備える。
【0028】
プロセッサ31は、例えば、CPUやMPUなどのプロセッサである。プロセッサ31は、記憶装置33に記憶されているプログラム331を実行することで、端末装置3の各種の機能を実現する制御部として機能する。
【0029】
通信インタフェース32は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の端末や装置と通信する通信部として機能する。
【0030】
記憶装置33は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置33は、端末装置3の各種の機能を実現するためのプログラム331及びそのプログラム331で使用される各種のデータなどを記憶する記憶部として機能する。
【0031】
入力装置34は、ユーザからの入力を受け付ける入力部として機能する。入力装置34として、例えば、タッチパネル、ペンタブレット、キーボード、マウス、マイクなどを用いることができる。
【0032】
表示装置35は、画像や画面などを表示する表示部として機能する。表示装置35として、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイなどを用いることができる。
【0033】
図4を参照して、プロセッサ21により実現される宿泊料金管理装置2の各種機能について説明する。宿泊料金管理装置2の各種機能には、例えば、設定部211と、検知部212と、変動部213と、提示部214とが含まれる。それぞれの機能について、以下に説明する。
【0034】
設定部211は、料金変動ルールを設定する機能を有する。料金変動ルールは、検知部212により異常が検知された場合に、異常が検知された宿泊日及び宿泊エリアに対応する宿泊施設の宿泊料金を自動で変動させる際の変動ルールである。料金変動ルールは、各宿泊施設が任意に組み分けた部屋グループごとに設定する。部屋グループは、例えば、部屋タイプや部屋の広さ、食事タイプ、宿泊人数などの条件が同じで同一の宿泊料金を設定する部屋単位に組み分けることができる。検知部212の詳細は後述する。
【0035】
各宿泊施設が設定する料金変動ルールの項目として、例えば、自動で変動させる宿泊料金の幅、及び自動で変動させる宿泊料金の上限を設けることができる。
【0036】
自動で変動させる宿泊料金の幅は、例えば料金ランクの変動幅により表すことができる。料金ランクは、例えば、料金の低い順に、AランクからZランクなどのように、各宿泊施設で部屋グループごとに任意に設定することができる。ランクの名称は、各宿泊施設で任意に設定できる。
【0037】
例示的に、料金ランクがAランクに設定されている部屋グループaに対して、自動で値上げする宿泊料金の幅を3段階に設定すると、異常が検知された場合に、部屋グループaの料金ランクがAランクから3段階上がってDランクに変動する。
【0038】
自動で変動させる宿泊料金の上限は、例えば、料金ランクにより表すことができる。例示的に、料金ランクがAランクに設定され、自動で値上げする宿泊料金の幅が3段階に設定されている部屋グループaに対して、宿泊料金の上限をBランクに設定すると、異常が検知された場合に、部屋グループaの料金ランクはAランクからDランクに変動するのではなく、上限に設定されたBランクに変動する。
【0039】
これにより、例えば、閑散期の平日の宿泊に対して、お盆や年末年始などの最繁忙期の料金ランクが自動で適用されることがないように、料金ランクが自動で上昇する範囲を宿泊施設側の判断で任意に制限することが可能となる。
【0040】
図5を参照して、料金変動ルールの項目を設定するための設定画面5aの一例について説明する。設定画面5aは、各宿泊施設の端末装置3にそれぞれ表示される。各宿泊施設の担当者は、設定画面5aを用いることで自身の宿泊施設の料金変動ルールを設定する。
【0041】
設定画面5aには、例示的に、宿泊施設の部屋グループを表示する表示欄5bと、自動値上げする料金ランクの幅を入力する入力欄5cと、値上げの上限料金ランクを入力する入力欄5dと、が設けられている。
【0042】
表示欄5bには、宿泊施設が設定した各部屋グループが表示される。入力欄5cには、例えば、“自動値上げなし”や、“3段階の値上げ”などのように、自動で値上げしないことや、自動で値上げする際に何段階値上げするのかを入力することができる。入力欄5dには、例えば、“上限なし”や、“Bランク”などのように、上限がないことや、上限に設定するランクを入力することができる。なお、入力欄5c、5dへの入力には、例えば、プルダウンメニューに表示された選択肢の中から選択して入力することも含まれる。
【0043】
図4の検知部212は、異常の発生を検知する。検知する異常には、例えば、イベントの開催などにより開催場所の近辺で宿泊予約の集中が見込まれることなどが含まれる。
【0044】
宿泊予約の集中が見込まれることは、例えば、以下のように検知することができる。検知部212は、宿泊予約サイトへのアクセスログに基づいて、宿泊エリアごとに宿泊日単位のアクセス数を集計する。検知部212は、集計したアクセス数を、例えば統計モデルに入力するなどして、いずれかの宿泊エリアに対するアクセス数が急上昇している宿泊日を検知する。なお、アクセス数が急上昇していることは、集計したアクセス数の所定期間における上昇度が閾値を超えることにより検知してもよい。所定期間及び閾値は、アクセス数の統計情報に基づいて、アクセス数の上昇度と宿泊予約の集中度との相関関係を考慮するなどして設定することが好ましい。
【0045】
変動部213は、検知部212により異常の発生が検知された場合に、設定部211により設定された料金変動ルールに基づいて宿泊料金を変動させる。
【0046】
具体的に、変動部213は、検知部212によりアクセス数が急上昇している宿泊エリア及び宿泊日の組み合わせが検知されると、検知された宿泊エリアにある宿泊施設の宿泊料金のうち、検知された宿泊日の宿泊料金を、設定部211により設定された料金変動ルールに基づいて自動で変動させる(以下、「変動処理」ともいう。)。
【0047】
提示部214は、変動部213による変動処理の結果である変動結果に関する情報を、宿泊施設に提示する。宿泊施設に提示する方法には、例えば、宿泊施設の端末装置3に画面を表示させて提示する方法や、宿泊施設宛に通知メールを送信して提示する方法などが含まれる。宿泊施設に提示する方法の具体例を、以下の(1)乃至(3)に記載する。
【0048】
(1)変動結果に関する情報をカレンダー表示画面に重ねて表示させる
図6にカレンダー表示画面6aの一例を示す。カレンダー表示画面6aは、各宿泊施設の担当者がシステムにログインしたときに端末装置3に最初に表示されるトップ画面である。
【0049】
カレンダー表示画面6aの左下領域にポップアップ画面6bが重ねて表示される。このポップアップ画面6bは、宿泊料金が自動で変動されたことを宿泊施設側に知らせる画面であり、例えば、トースト表示により実現することができる。
【0050】
ポップアップ画面6bは、例えば、カレンダー表示画面6aを表示するときに、変動部213により変動された未読の宿泊料金が存在する場合に表示される。ポップアップ画面6b内の右端にある×印をクリックすると、ポップアップ画面6bを削除することができる。なお、ポップアップ画面6bが端末装置3で削除されるまでは、カレンダー表示画面6aを表示させるたびに、同じポップアップ画面6bを表示させ続けることが好ましい。複数のポップアップ画面6bがある場合には、並べて表示してもよいし、重ねて表示してもよい。重ねて表示する場合には、重ねて表示している画面数を併せて表示させてもよい。
【0051】
図6のポップアップ画面6bには、例示的に、変動処理が成功したことを示す“成功”マークに加え、“エリアアクセス数の急上昇を検知したため8件の販売設定を自動で反映しました”とのメッセージが表示されている。このメッセージに含まれる“販売設定を自動で反映しました”との文言は、宿泊料金が自動で変動されたことを換言したものである。
【0052】
図6のポップアップ画面6bを、例えば、ダブルクリックすると、宿泊料金の変動結果である8件の内訳や詳細を表す画面を表示させることができる。
【0053】
ポップアップ画面6bは、変動された宿泊料金1件ごとに1画面ずつ表示してもよいし、
図6のように1画面に所定件数分まとめて表示してもよい。例えば、1画面に10件分まとめて表示することにしてもよい。この場合、変動された宿泊料金の件数が15件であれば、1画面目に10件変動したことを表示し、2画面目に5件変動したことを表示することになる。
【0054】
カレンダー表示画面6aに表示されるカレンダーの各日付欄の上段には、その日の稼働部屋数が表示され、下段には、システムがおすすめする宿泊料金に変更した場合に、その宿泊施設の売上見込額に対する改善額が表示される。例えば、6月28日欄6cの上段には、その日の稼働部屋数として“162”部屋が表示され、下段には、改善額として“+43万”が表示されている。ここで、改善額の範囲ごとに、各日付欄の背景色を変更してもよい。
図6では、例示的に、+1万未満、+1万以上、+20万以上、+30万以上と、改善額の範囲が上がるごとにより濃い色の背景色が付されている。
【0055】
カレンダー表示画面6aの左上領域にあるタブ6d~6fを切り替えることで、各日付欄の下段に表示される内容を切り替えることができる。
図6では、“おすすめ”タブ6dが選択されている。“1日前増減”タブ6eを選択すると、各日付欄の下段に1日前の売上額に対する増減額が表示され、“自社前年比”タブ6fを選択すると、各日付欄の下段に1年前の同日の売上額に対する増減比が表示される。
【0056】
(2)変動結果に関する情報を通知メールで知らせる
図7に通知メール7aの一例を示す。通知メール7aは、宿泊料金が自動で変動されたことを宿泊施設側に知らせる電子メールである。
【0057】
通知メール7aは、宿泊料金が自動で変動された日付ごとに、各日の概要をまとめて表示する。各日の概要として、例えば、
図7の4月16日欄7bには、宿泊料金が変動された部屋グループ7cと、変動前後の料金ランク7dと、変動処理の結果7eと、アクセス数の前年比7fと、“確認する”リンクタグ7gとが表示されている。
【0058】
変動処理の結果7eには、例えば、成功、失敗、一部失敗、反映中などが表示される。“確認する”リンクタグ7gのいずれかをクリックすると、各リンクタグ7gの日付に対応する日付単位の詳細画面が表示される。
図8に、日付単位の詳細画面8aの一例を示す。
【0059】
図8の詳細画面8aには、ある宿泊施設における7月15日の各部屋グループに関する情報が表示されている。詳細画面8aには、部屋グループとして、“スイート”と“デラックスツイン”とが表示され、それぞれの部屋グループに関する情報として、当日の予測売上、当日の予測稼働率、当日の料金ランク、当日宿泊可能な最低人数及び当日選択可能な食事タイプが表示されている。食事タイプには、例えば、素泊り、朝食付、夕食付、朝食と夕食の2食付などが含まれる。
【0060】
部屋グループが“スイート”の表示欄8bには、上下二段のうちの上段に、現在設定されている宿泊料金(料金ランク:1A)での予測売上及び予測稼働率などが表示され、下段に、システムがおすすめする宿泊料金(料金ランク:2A)に変更した場合の予測売上及び予測稼働率などが表示されている。下段にある“反映する”ボタン8cをクリックすると、下段の内容が上段の内容に反映され、上段のみの表示になる。
【0061】
なお、“スイート”の表示欄8bのように、上段の現在設定されている宿泊料金に加え、下段のおすすめ料金を表示するのは、宿泊施設が宿泊料金の変動処理を希望しない場合の一例となる。他方、宿泊施設が宿泊料金の変動処理を希望する場合には、“デラックスツイン”の表示欄8dのように、現在設定されている宿泊料金のみの表示となる。
【0062】
“デラックスツイン”の表示欄8dには、現在設定されている宿泊料金(料金ランク:1A)での予測売上及び予測稼働率などが表示されている。ここで、変動処理により宿泊料金が自動的に変動されると、変動前の宿泊料金での予測売上及び予測稼働率などの表示に替えて、変動後の宿泊料金での予測売上や予測稼働率などの表示に変更される。
【0063】
(3)変動結果に関する情報を反映履歴画面で閲覧させる
図9に反映履歴画面9aの一例を示す。反映履歴画面9aは、宿泊料金の変更に関する履歴情報を各宿泊施設の端末装置3で閲覧するための画面である。
【0064】
反映履歴画面9aには、反映結果表示欄9b、反映日時表示欄9c、反映者表示欄9d、宿泊日表示欄9e、部屋グループ表示欄9f、料金ランク表示欄9g、最低人数表示欄9h、食事タイプ表示欄9i及び反映取消ボタン9jが設けられている。
【0065】
反映結果表示欄9bには、例えば、成功、失敗、一部失敗、反映中などの宿泊料金の変更に対する反映結果が表示される。反映日時表示欄9cには、反映結果を判定した日時が表示される。反映者表示欄9dには、宿泊料金の変更を行った者(主体)が表示される。例示的に、宿泊施設の担当者が変更した場合には“ユーザ”と表示され、変動処理により自動的に反映された場合には“自動反映”と表示される。
【0066】
宿泊日表示欄9eには、宿泊料金の変更対象になった宿泊日が表示される。部屋グループ表示欄9fには、宿泊料金の変更対象となった部屋グループが表示される。料金ランク表示欄9gには、宿泊料金の変更前後の料金ランクが表示される。最低人数表示欄9hには、宿泊料金の変更前後に設定されている宿泊可能な最低人数が表示される。食事タイプ表示欄9iには、宿泊料金の変更前後に設定されている食事タイプが表示される。反映取消ボタン9jは、宿泊料金の変更を取り消して変更前の料金に戻す場合に押下するボタンである。
【0067】
次に、
図10を参照し、変動処理の実行前から実行後までに行われる動作の一例について説明する。
【0068】
最初に、宿泊料金管理装置2の設定部211は、宿泊施設の担当者が操作する端末装置3からの要求に応じ、例えば、
図5に示す料金変動ルールの設定画面5aを端末装置3に表示させる(ステップS101)。
【0069】
続いて、端末装置3を操作する宿泊施設の担当者が、設定画面5aを介して、自動で変動させる宿泊料金の幅や自動で変動させる宿泊料金の上限を、部屋グループごとに入力する(ステップS102)。
【0070】
続いて、宿泊料金管理装置2の設定部211は、上記ステップS102で入力された内容に基づいて、担当者の宿泊施設に対応する料金変動ルールを設定する(ステップS103)。
【0071】
続いて、宿泊料金管理装置2の検知部212は、いずれかの宿泊エリアに対するアクセス数が急上昇している宿泊日を検知したかどうかを判定する(ステップS104)。この判定がNOである場合(ステップS104;NO)には、YESになるまでこの判定を繰り返すか、待機する。
【0072】
上記ステップS104において、アクセス数が急上昇している宿泊日を検知したと判定された場合(ステップS104;YES)に、宿泊料金管理装置2の変動部213は、上記ステップS103で設定された料金変動ルールに基づいて、上記ステップS104で検知された宿泊エリア及び宿泊日に対応する宿泊施設の宿泊料金を自動で変動させる変動処理を実行する(ステップS105)。
【0073】
宿泊料金管理装置2の提示部214は、上記ステップS105で実行された変動処理の結果を、処理の対象になった宿泊施設に提示する(ステップS106)。宿泊施設への提示は、上記(1)乃至(3)の方法により行うことができる。そして、本動作を終了する。
【0074】
上述したように、実施形態における宿泊料金管理装置2によれば、宿泊予約が集中することが見込まれる宿泊日の宿泊料金を自動で変動させる際の料金変動ルールを宿泊施設に設定させ、宿泊施設が属する宿泊エリアに対するアクセス数が急上昇していることが検知された場合に、料金変動ルールに基づいて宿泊料金を自動で変動させることができる。
【0075】
これにより、例えば、コンサートなどのイベントの開催が決定し、予約サイトにおいてイベントの開催場所を含む宿泊エリアへのアクセス数が急上昇した段階で、その宿泊エリアに存在する宿泊施設の宿泊料金を変動させることができる。したがって、宿泊施設への宿泊予約が集中する前に宿泊料金を値上げすることが可能となる。
【0076】
それゆえ、実施形態における宿泊料金管理装置2によれば、宿泊エリアの状況に合わせて宿泊料金を変動させることが可能となる。
【0077】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【0078】
また、上述した実施形態では、端末装置3が宿泊料金管理装置2に接続することで端末装置3に表示される画面を用いて、端末装置3と宿泊料金管理装置2との間でデータをやり取りしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、宿泊料金管理用のアプリケーション(以下、「アプリ」ともいう。)を端末装置3にインストールし、インストールしたアプリにより端末装置3に表示される画面を用いて、端末装置3と宿泊料金管理装置2との間でデータをやり取りしてもよい。
【0079】
また、上述した実施形態におけるプログラムは、CD、DVDなどの光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)を通じて、又は通信ネットワークなどを介してサーバ装置(媒体)からダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【符号の説明】
【0080】
1…情報システム、2…宿泊料金管理装置、3…端末装置、5a…設定画面、6a…カレンダー表示画面、6b…ポップアップ画面、7a…通知メール、8a…詳細画面、9a…反映履歴画面、21…プロセッサ、22…通信インタフェース、23…記憶装置、31…プロセッサ、32…通信インタフェース、33…記憶装置、34…入力装置、35…表示装置、211…設定部、212…検知部、213…変動部、214…提示部、231…プログラム、232…データ、331…プログラム、N…ネットワーク