(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101369
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20240722BHJP
【FI】
G16H20/60
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005330
(22)【出願日】2023-01-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100190355
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 紀央
(72)【発明者】
【氏名】飯田 美穂
(72)【発明者】
【氏名】与茂田 敏
(72)【発明者】
【氏名】津田 聖一郎
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】バランス状態を把握して、生体バランスを整えること。
【解決手段】情報処理システムは、ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得部と、前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する判定部と、前記判定部により判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得部と、
前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する判定部と、
前記判定部により判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記判定部により判定されたタイプに属する他のユーザとコミュニケーションすることが可能なユーザ間通信部、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
更年期症状とバランス状態のタイプと時期的要素との対応関係に基づいて学習された学習結果に基づいて、前記判定部により判定されたタイプに応じたアドバイスを生成する生成部、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記組み合わせ食品は、一又は複数種類のお茶と一又は複数種類の薬膳スープとの組み合わせである、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得部と、
前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する判定部と、
前記判定部により判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示部と、
を備える情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置のコンピュータが、
ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得過程と、
前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する判定過程と、
前記判定過程により判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示過程と、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
情報処理装置のコンピュータに、
ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得ステップと、
前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示ステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生理・月経、妊娠などに関連する課題をテクノロジーで解決するフェムテックや、更年期や閉経期などに関連する課題をテクノロジーで解決するメノテックが注目されつつある。それぞれの女性が抱える不調や症状には、不調や症状の感じ方が異なったり、体質が異なったりと個人差がある。例えば、特許文献1には、体質に起因する様々な肌トラブルに対し、適切な体質分類を行う技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、メノテックにおいて、上述のように不調や症状には個人差があり、原因に気付き難い。また、体質に加え、時期要素、生活習慣、ストレスの有無などの要素も影響するが、生体バランスが崩れて不調を引き起こすため、生体バランスのバランス状態を把握して、生体バランスを整える必要がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、バランス状態を把握して、生体バランスを整えることができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得部と、前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する判定部と、前記判定部により判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示部と、を備える情報処理システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得部と、前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する判定部と、前記判定部により判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示部と、を備える情報処理装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得過程と、前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する判定過程と、前記判定過程により判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示過程と、を有する情報処理方法である。
【0009】
また、本発明の一態様は、情報処理装置のコンピュータに、ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得ステップと、前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示ステップ、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、バランス状態を把握して、生体バランスを整えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【
図2】第1の実施形態に係る端末装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る質問情報の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係る症状情報の一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係るバランスタイプ情報の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態に係る商品情報の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】第1の実施形態に係る情報処理システムにおけるバランスタイプ判定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施形態に係る表示画面例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態に係るバランスタイプと症状との対応関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
[情報処理システムの構成]
まず、第1の実施形態に係る情報処理システムSYSについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムSYSの構成の一例を示すシステム構成図である。
情報処理システムSYSは、端末装置1と、情報処理装置2とを含んで構成される。
端末装置1と、情報処理装置2とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。
【0014】
端末装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの端末装置である。端末装置1は、アプリケーションを実行する機能を有する、アプリケーションは、端末装置1に予めインストールされたアプリケーションでもよいし、端末装置1が情報処理装置2に接続することで実行されるアプリケーションであってもよい。本実施形態では、情報処理装置2がアプリケーションを管理し、端末装置1が情報処理装置2に接続することでアプリケーションが実行される場合の一例について説明する。
【0015】
端末装置1は、情報処理装置2が管理するアプリケーションを実行する。端末装置1は、情報処理装置2から受信した各種情報を表示する。また、端末装置1は、ユーザから各種情報の入力を受け付け、受け付けた各種情報を情報処理装置2に送信する。端末装置1は、例えば、症状に関する質問を表示してユーザによる入力を受け付ける。端末装置1は、入力された症状に関する症状情報を情報処理装置2に送信する。
【0016】
情報処理装置2は、例えば、サーバ装置である。情報処理装置2は、端末装置1が自装置に接続したことに基づいて、アプリケーションを実行する。情報処理装置2は、アプリケーションにおいて端末装置1からユーザの更年期症状に対する回答を症状情報として取得する。情報処理装置2は、症状情報に基づいて、ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定する。情報処理装置2は、判定したタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、ユーザに提示する。
【0017】
ここで、バランス状態のタイプは、東西の伝統医学を融合し、「虚実」、「寒熱」、「燥湿」の3軸により複数のタイプが定義される。
【0018】
「虚」は、身体に必要なものが不足した状態を表す。また、「虚」は、未充足傾向で、食エネルギー不足の状態、或いは気力を維持したいと感じる傾向を示す。
「実」は、身体に不必要なものが存在する状態を表す。また、「実」は、溜め込み傾向で、食エネルギー過剰の状態、或いは緊張やストレスが多い環境にある状態を示す。
【0019】
「寒」は、身体の熱の少ない状態を表す。また、「寒」は、寒性傾向で、寒がり、或いは夏でも温かいものを好む傾向を示す。
「熱」は、身体の熱が多い状態を表す。また、「熱」は、熱性傾向で、暑がり、或いは冬でも冷たいものを好む傾向を示す。
【0020】
「燥」は、身体の水分が少ない状態を表す。また、「燥」は、燥性傾向で、水分不足、や乾燥状態、或いは喉が渇きやすい傾向を示す。
「湿」は、身体の水分が多い状態を表す。また、「湿」は、湿性傾向、又は水の巡りがよくない状態、水分バランスが過剰の状態を示す。
【0021】
本実施形態では、更年期症状に基づいて、ユーザのバランス状態を判定するために、肉体的、精神的、情動的な傾向に関連した質問を選定し、質問に対する症状情報を判定することでバランスタイプがいずれであるかを判定する。一例として、バランスタイプには、「実熱湿」、「実熱燥」、「実寒湿」、「実寒燥」、「虚熱湿」、「虚熱燥」、「虚寒湿」、「虚寒燥」の8つのバランスタイプがある。
【0022】
情報処理装置2は、判定したバランタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品をユーザに提示する。組み合わせ食品は、「虚実」の偏りがなく、「寒熱」、「燥湿」のバランスを整えることが期待される食品の組み合わせである。より具体的には、組み合わせ食品は、例えば、1または複数の薬膳スープと、1または複数の薬膳茶との組み合わせである。
【0023】
このように、情報処理システムSYSは、ユーザのバランス状態がいずれのバランスタイプであるかを判定し、バランスタイプに応じてバランスを整えて症状の改善が期待される組み合わせ食品を提示することができる。そのため、バランス状態を把握することができ、組み合わせ食品の摂取によって生体バランスを整えることができる。
【0024】
[端末装置の構成]
次いで、端末装置1の構成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る端末装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
端末装置1は、通信部10と、制御部12と、入力部14と、表示部15と、を含んで構成される。
【0025】
通信部10は、ネットワークを介して情報処理装置2と通信する。通信部10は、制御部12によって制御され、制御部12から出力される各種情報を情報処理装置2に送信する。通信部10は、情報処理装置2から送信されたコンテンツなどの各種情報を受信し、受信した各種情報を制御部12に出力する。
【0026】
入力部14は、入力装置である。
表示部15は、制御部12から出力される各種情報を表示する。例えば、表示素子と、当該表示素子を駆動するための駆動回路を備える。表示素子は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどのいずれの種類のディスプレイであってもよい。
本実施形態では、入力部14と表示部15とは、一体に構成されるタッチパネルである場合について説明する。
【0027】
制御部12は、端末装置1の各部の処理を制御し、端末装置1の機能を発揮する。制御部12は、専用のハードウェアで構成されてもよいが、汎用のコンピュータシステムで構成されてもよい。コンピュータシステムは、少なくとも演算処理装置と記憶媒体を備える。演算処理装置として、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが適用されうる。当該記憶媒体として記憶部(不図示)とフラッシュメモリ(不図示)が用いられる。演算処理装置は、例えば、フラッシュメモリに予め記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを記憶部に展開する。演算処理装置は、記憶部に展開されたプログラムを実行して制御部12の機能を実現する。
【0028】
制御部12は、アプリケーション実行部122と、表示処理部124と、を含んで構成される。アプリケーション実行部122は、情報処理装置2に接続し、情報処理装置2が管理するアプリケーションを実行し、情報処理装置2から配信されるコンテンツを取得する。
表示処理部124は、アプリケーション実行部122から入力される信号に対して各種出力処理を実行する。表示処理部124は、各種出力処理を施した信号を表示部15に表示させる。
【0029】
[情報処理装置の構成]
次いで、情報処理装置2の構成について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置2は、通信部20と、制御部22と、記憶部24と、を含んで構成される。
通信部20は、ネットワークを介して端末装置1と通信する。通信部20は、制御部22によって制御され、制御部22から出力される各種情報を端末装置1に送信する。通信部20は、端末装置1から送信された各種情報を受信し、受信した各種情報を制御部22に出力する。
【0030】
制御部22は、情報処理装置2の各部の処理を制御し、情報処理装置2の機能を発揮する。制御部22は、専用のハードウェアで構成されてもよいが、汎用のコンピュータシステムで構成されてもよい。コンピュータシステムは、少なくとも演算処理装置と記憶媒体を備える。演算処理装置として、例えば、CPUなどのプロセッサが適用されうる。当該記憶媒体として記憶部(不図示)とフラッシュメモリ(不図示)が用いられる。演算処理装置は、例えば、フラッシュメモリに予め記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを記憶部に展開する。演算処理装置は、記憶部に展開されたプログラムを実行して制御部22の機能を実現する。
【0031】
制御部22について、処理を詳細に説明する。
制御部22は、症状取得部220と、バランスタイプ判定部221と、提示情報生成部222と、出力処理部223と、学習部224と、を含んで構成される。
症状取得部220は、更年期症状に関する質問に対するユーザの回答を、端末装置1から通信部20を介して取得する。症状取得部220は、取得したユーザの回答を表す症状情報を、ユーザと対応付けて症状情報記憶部244に記憶させる。症状取得部220は、取得した症状情報を、バランスタイプ判定部221に出力する。
【0032】
バランスタイプ判定部221は、症状情報に基づいて、ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのバランスタイプであるかを判定する。バランスタイプは、例えば、上述のように、「実熱湿」、「実熱燥」、「実寒湿」、「実寒燥」、「虚熱湿」、「虚熱燥」、「虚寒湿」、「虚寒燥」の8つのバランスタイプである。バランスタイプ判定部221は、判定したバランスタイプの情報を、ユーザの対応する症状情報と対応付けて症状情報記憶部244に記憶させる。バランスタイプ判定部221は、判定したバランスタイプの情報を、提示情報生成部222に出力する。
【0033】
より具体的には、バランスタイプ判定部221は、バランスタイプ定義情報および症状情報を参照して、ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのバランスタイプであるかを判定する。バランスタイプ判定部221による判定条件は、例えば、バランスタイプ定義情報として、バランスタイプ情報記憶部245に予め記憶されている。
【0034】
提示情報生成部222は、バランスタイプの情報がバランスタイプ判定部221から入力されると、商品情報を参照してバランスタイプの情報が示すバランスタイプに推奨される組み合わせ食品を抽出する。提示情報生成部222は、抽出した組み合わせ食品を、ユーザの更年期症状の改善が期待される食品としてユーザに提示するための提示画像を生成する。提示情報生成部222は、生成した提示画像を出力処理部223に出力する。
【0035】
出力処理部223は、提示情報生成部222から入力される信号に対して各種出力処理を実行する。出力処理部223は、各種出力処理を施した信号を、通信部20を介して端末装置1に送信する。
【0036】
学習部224は、症状情報を入力とし、バランスタイプを出力とする教師データを用いて機械学習を行い、学習結果として回帰モデルを生成する。学習部224は、学習済モデルとしての回帰モデルを生成する機能を有する。本実施形態に係る回帰モデルは、症状情報とバランスタイプとが関連付けられたモデルである。
【0037】
学習部224は、例えば、統計解析により回帰モデルを生成する。具体的に、学習部224は、記憶部24が記憶する症状情報に含まれる時期要素(年月日)と、症状と、バランスタイプとに基づき、回帰モデルを生成する。学習部224は、生成した回帰モデルを、記憶部24に記憶させる。
【0038】
学習部224は、機械学習により回帰モデル(学習済みモデル)を生成してもよい。機械学習の手法の一例として、SVR(サポートベクター回帰)、ランダムフォレスト、ニューラルネットワークによるディープラーニング等が挙げられる。学習部224は、例えば、教師あり学習によって学習済みモデルを生成してもよい。教師あり学習では、学習モデルに学習用のデータセットを用いた学習を行わせる。データセットは、学習時の入力となる説明変数と、当該入力データに基づき出力されるデータの正解を示す目的変数のセットである。
【0039】
本実施形態の場合、説明変数は、記憶部24に記憶された時期要素を含む症状(症状情報)である。目的変数は、症状情報に対応付けられるバランスタイプである。学習部224は、当該説明変数と当該目的変数を用いて、時期要素ごとの症状とバランスタイプとの対応を学習した学習済みモデルを生成する。学習部224は、生成した学習済モデルを記憶部24に記憶させる。
【0040】
記憶部24は、制御部12によって実行されるプログラム、各種データなどを記憶する。より具体的に、記憶部24について説明する。
記憶部24は、アプリ情報記憶部241と、質問情報記憶部242と、ユーザ情報記憶部243と、症状情報記憶部244と、バランスタイプ情報記憶部245と、商品情報記憶部246と、統計情報記憶部247と、を含んで構成される。
【0041】
アプリ情報記憶部241は、アプリケーションプログラム、アプリケーションデータなど、端末装置1においてアプリケーションを実行するための各種データを記憶する。
【0042】
質問情報記憶部242は、バランス状態の評価に関する質問を、質問情報として記憶する。
図4を参照して説明する。
図4は、第1の実施形態に係る質問情報の一例を示す図である。
質問情報には、「実虚」に関する5つの質問T1、「寒熱」に関する5つの質問T2、「湿燥」に関する5つの質問T3からなる合計15の質問が含まれる。
【0043】
例えば、「実虚」に関する5つの質問T1の1つ目の質問「Q1」は、「いらいらしやすい・緊張する場面が多い」、「常に疲れやすく、気力が出ないことが多い」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「実虚」に関する5つの質問T1の2つ目の質問「Q2」は、「つい食べ過ぎてしまう・おやつや間食をしがち」、「食欲不振になることが多い」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「実虚」に関する5つの質問T1の3つ目の質問「Q3」は、「おなかが張ったり、便秘になりやすい」、「胃腸が弱い・おなかを壊しやすい」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「実虚」に関する5つの質問T1の4つ目の質問「Q4」は、「体を動かすのが好き」、「運動するとすぐに息切れしやすい」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「実虚」に関する5つの質問T1の5つ目の質問「Q5」は、「あざができやすい・出血しやすい」、「爪が薄くもろい」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。
【0044】
また、例えば、「寒熱」に関する5つの質問T2の1つ目の質問「Q1」は、「腰や手足が冷えやすい・寒がり」、「暑がり・汗をかきやすい」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「寒熱」に関する5つの質問T2の2つ目の質問「Q2」は、「のどがあまり乾かない・頻尿で色は薄い」、「のどが渇きやすい・尿量が少なく色が濃い」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「寒熱」に関する5つの質問T2の3つ目の質問「Q3」は、「顔色は青白いほうだと思う」、「顔色は赤いほうだと思う」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「寒熱」に関する5つの質問T2の4つ目の質問「Q4」は、「一年を通して温かい飲み物を飲むことが多い」、「冬でもアイスや冷たい飲み物を好む」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「寒熱」に関する5つの質問T2の5つ目の質問「Q5」は、「コリや痛みを感じやすく、温めると改善される」、「ほてりを感じやすい」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。
【0045】
また、例えば、「湿燥」に関する5つの質問T3の1つ目の質問「Q1」は、「めまいや耳鳴りを感じやすい」、「かすみ目、疲れ目を感じやすい」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「湿燥」に関する5つの質問T3の2つ目の質問「Q2」は、「雨や台風などの時に頭痛を感じやすい」、「手のひらや足の裏が熱く、寝汗をかきやすい」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「湿燥」に関する5つの質問T3の3つ目の質問「Q3」は、「オイリー肌やニキビができやすい」、「乾燥肌・カサカサしやすい」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「湿燥」に関する5つの質問T3の4つ目の質問「Q4」は、「手足や顔などがむくみやすい」、「のどがイガイガしたり、空咳が出やすい」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。「湿燥」に関する5つの質問T3の5つ目の質問「Q5」は、「舌の苔が厚く、ふちに歯形が付きやすい」、「舌が薄く、ひび割れている」のうちのいずれかを、ユーザの症状に近い方をユーザに択一的に選択させる質問である。
さらに、質問情報は、前述の一例に限らず、例えば季節や年代、職業などの要素に応じて、バランス状態を好適に評価できる内容に更新することができる。
【0046】
ユーザ情報記憶部243は、ユーザ情報を記憶する。
図5を参照して説明する。
図5は、第1の実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
ユーザ情報は、ユーザの識別情報である「UID」と、ユーザの氏名である「ユーザ氏名」、ユーザの「性別」、ユーザの「年齢」、ユーザの「住所」、ユーザの「電話番号」などが対応付けられた情報である。
【0047】
症状情報記憶部244は、質問情報に対する回答を症状情報として記憶する。症状情報は、ユーザ情報と、バランスタイプと、質問情報に対する回答として得られた症状が対応付けられている。
図6を参照して説明する。
図6は、第1の実施形態に係る症状情報の一例を示す図である。
症状情報は、症状情報を識別する識別情報である「SID」と、ユーザの識別情報である「UID」と、回答を得られた時期要素である「年月日」と、質問情報に対する回答を表す「症状データ」と、バランスタイプを表す「GID」とが対応付けられた情報である。
【0048】
例えば、1行目のデータは、SIDが「Q2001」であり、UIDが「U001」であり、年月日が「2022/9/1」であり、症状データが「Q2S001.dat」であり、GIDが「G01」である場合の一例である。なお、症状データは、質問情報で示した各質問に対するそれぞれの回答のデータを、一例として「.dat」形式を用いるが、これに限られず、各質問に対するそれぞれの回答が確認可能ないずれの形式であってもよい。
【0049】
バランスタイプ情報記憶部245は、バランスタイプ定義情報を記憶する。
図7を参照して説明する。
図7は、第1の実施形態に係るバランスタイプ定義情報の一例を示す図である。
バランスタイプ定義情報は、バランスタイプの識別情報である「GID」と、「バランスタイプ名」と、バランスタイプ判定部221の判定に用いる判定条件とが対応付けられた情報である。
【0050】
図示する例では、1行目のGIDが「G01」であり、バランスタイプ名が「実熱湿」であり、判定条件が「「実」の回答数>「虚」の回答数、「熱」の回答数>「寒」の回答数、「湿」の回答数>「燥」の回答数」」である。2行目のGIDが「G02」であり、バランスタイプ名が「実熱燥」であり、判定条件が「「実」の回答数>「虚」の回答数、「熱」の回答数>「寒」の回答数、「湿」の回答数<「燥」の回答数」」である。3行目のGIDが「G03」であり、バランスタイプ名が「実寒湿」であり、判定条件が「「実」の回答数>「虚」の回答数、「熱」の回答数<「寒」の回答数、「湿」の回答数>「燥」の回答数」」である。4行目のGIDが「G04」であり、バランスタイプ名が「実寒燥」であり、判定条件が「「実」の回答数>「虚」の回答数、「熱」の回答数<「寒」の回答数、「湿」の回答数<「燥」の回答数」」である。5行目のGIDが「G05」であり、バランスタイプ名が「虚熱湿」であり、判定条件が「「実」の回答数<「虚」の回答数、「熱」の回答数>「寒」の回答数、「湿」の回答数>「燥」の回答数」」である。6行目のGIDが「G06」であり、バランスタイプ名が「虚熱燥」であり、判定条件が「「実」の回答数<「虚」の回答数、「熱」の回答数>「寒」の回答数、「湿」の回答数<「燥」の回答数」」である。7行目のGIDが「G07」であり、バランスタイプ名が「虚寒湿」であり、判定条件が「「実」の回答数<「虚」の回答数、「熱」の回答数<「寒」の回答数、「湿」の回答数>「燥」の回答数」」である。8行目のGIDが「G08」であり、バランスタイプ名が「虚寒燥」であり、判定条件が「「実」の回答数<「虚」の回答数、「熱」の回答数<「寒」の回答数、「湿」の回答数<「燥」の回答数」」である。
【0051】
ここで、回答数は、
図4において示した「実虚」に関する5つの質問T1、「寒熱」に関する5つの質問T2、「湿燥」に関する5つの質問T3におけるそれぞれQ1からQ5までの質問に対して、ユーザが選択した回答を項目列ごとに集計した回答数を表す。
【0052】
商品情報記憶部246は、商品情報を記憶する。
図8を参照して説明する。
図8は、第1の実施形態に係る消費商品情報の一例を示す図である。
商品情報は、1または複数の商品と、バランスタイプとが対応付けられた情報である。
図示する例において、商品情報には、4種類の薬膳スープT4と、4種類の薬膳茶T5が含まれている。
4種類の薬膳スープT4の商品情報は、商品の識別情報である「STID」と、適合分類を表す「分類」と、ベーススープの味を表す「ベース」と、薬膳スープに含まれる素材を表す「素材」と、推奨されるバランスタイプを表す「推奨バランスタイプ」都が対応付けられている。
【0053】
例えば、図示する薬膳スープT4の商品情報は、1行目のSTIDが「SP01」であり、分類が「実」であり、ベースが「鶏ガラ」であり、素材が「しそ」、「大麦」、「かぶ」、「セロリ」、「オレンジピール」であり、推奨バランスタイプが「G01」、「G02」、「G03」、「G04」である。図示する薬膳スープT4の商品情報は、2行目のSTIDが「SP02」であり、分類が「虚」であり、ベースが「生姜」であり、素材が「山芋」、「しいたけ」、「きくらげ」、「クコの実」、「朝鮮人参」であり、推奨バランスタイプが「G05」、「G06」、「G07」、「G08」である。図示する薬膳スープT4の商品情報は、3行目のSTIDが「SP03」であり、分類が「寒」であり、ベースが「かつお出汁/くず」であり、素材が「あずき」、「かぼちゃ」、「たまねぎ」、「フェヌグリーク」、「ナツメグ」であり、推奨バランスタイプが「G03」、「G04」、「G07」、「G08」である。図示する薬膳スープT4の商品情報は、4行目のSTIDが「SP04」であり、分類が「熱」であり、ベースが「昆布出汁」であり、素材が「冬瓜」、「トマト」、「豆腐」、「白きくらげ」、「ひじき」であり、推奨バランスタイプが「G01」、「G02」、「G05」、「G06」、である。
【0054】
例えば、図示する薬膳茶T5の商品情報は、1行目のSTIDが「TE01」であり、分類が「寒」であり、ベースが「レンギョウ葉」であり、素材が「ジンジャー」、「ミカンの皮」、「シナモン」、「イチョウ葉」であり、推奨バランスタイプが「G03」、「G04」、「G07」、「G08」である。図示する薬膳茶T5の商品情報は、2行目のSTIDが「TE02」であり、分類が「熱」であり、ベースが「レンギョウ葉」であり、素材が「薄荷」、「スイカズラ」、「菊花」、「たんぽぽ」であり、推奨バランスタイプが「G01」、「G02」、「G05」、「G06」である。図示する薬膳茶T5の商品情報は、3行目のSTIDが「TE03」であり、分類が「湿」であり、ベースが「レンギョウ葉」であり、素材が「フェンネル」、「ビワの葉」、「発芽ハトムギ」、「カリン」であり、推奨バランスタイプが「G01」、「G03」、「G05」、「G07」である。図示する薬膳茶T5の商品情報は、4行目のSTIDが「TE4」であり、分類が「燥」であり、ベースが「レンギョウ葉」であり、素材が「カモミール」、「ジャスミン」、「コラーゲン」、「月桃葉」であり、推奨バランスタイプが「G02」、「G04」、「G06」、「G08」、である。
【0055】
統計情報記憶部247は、学習済モデル、回帰モデルを記憶する。
【0056】
[ハードウェア構成]
次いで、情報処理装置2のハードウェア構成について説明する。なお、端末装置1のハードウェア構成については図示及び説明を省略する。
図9は、第1の実施形態に係る情報処理装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置2は、CPU201と、ドライブ部202と、記憶媒体203と、入力部204と、出力部205と、ROM206(Read Only Memory)と、RAM207(Random Access Memory)と、補助記憶部208と、インタフェース部209と、を含んで構成される。
【0057】
CPU201と、ドライブ部202と、入力部204と、出力部205と、ROM206と、RAM207と、補助記憶部208と、インタフェース部209とは、バスを介して相互に接続される。
なお、ここで言うCPU201は、プロセッサ一般のことを示すものであって、狭義のいわゆるCPUと呼ばれるデバイスのことだけではなく、例えばGPUやDSP等も含む。また、ここで言うCPU201は、一つのプロセッサで実現されることに限られず、同じ、または異なる種類の複数のプロセッサを組み合わせることで実現されてもよい。
【0058】
CPU201は、補助記憶部208、ROM206およびRAM207が記憶するプログラムを読み出して実行し、また、補助記憶部208、ROM206およびRAM207が記憶する各種データを読み出し、補助記憶部208、RAM207に対して各種データを書き込むことにより、情報処理装置2を制御する。また、CPU201は、ドライブ部202を介して記憶媒体203が記憶する各種データを読み出し、また、記憶媒体203に各種データを書き込む。記憶媒体203は、光磁気ディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリなどの可搬記憶媒体であり、各種データを記憶する。
ドライブ部202は、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、フラッシュメモリなどの記憶媒体203の読み書きを行う装置である。
【0059】
入力部204は、マウス、キーボード、タッチパネル、チャンネルボタン、電源ボタン、設定ボタン、赤外線受信部などの入力装置である。
出力部205は、表示部、スピーカなどの出力装置である。
ROM206、RAM207は、情報処理装置2の各機能部を動作させるためのプログラムや各種データを記憶する。
【0060】
補助記憶部208は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどであり、情報処理装置2の各機能部を動作させるためのプログラム、各種データを記憶する。
インタフェース部209は、通信インタフェースを有し、有線または無線によりネットワークNWや端末装置1と接続される。
【0061】
例えば、上述の
図3における情報処理装置2の機能構成における制御部22は、
図9におけるCPU201に対応し、
図3における通信部20は、
図6におけるインタフェース部209に対応し、
図3における記憶部24は、
図9における記憶媒体203、ROM206、RAM207、補助記憶部208などに対応する。
【0062】
[バランスタイプ判定処理]
次いで、判定処理について説明する。
図10は、第1の実施形態に係る情報処理システムにおけるバランスタイプ判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0063】
(ステップS100)
情報処理装置2は、端末装置1がアプリケーションを起動したことに基づいて質問情報記憶部242から質問情報を読み出す。情報処理装置2は、読みだした質問情報に基づく更年期症状に関する質問を、症状アンケートとして端末装置1に送信する。そして、情報処理装置2は、ステップS102の処理を実行する。
【0064】
(ステップS102)
情報処理装置2は、症状アンケートに対する回答を端末装置1から取得する。そして、情報処理装置2は、ステップS104の処理を実行する。
【0065】
(ステップS104)
情報処理装置2は、取得した「虚実」に関する質問に対する回答のうち、「実」の回答数が「虚」の回答数より多いか否かを判定する。「実」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS106の処理を実行する。一方、「実」の回答数が少ないと判定した場合、すなわち「虚」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS122の処理を実行する。
【0066】
(ステップS106)
情報処理装置2は、「寒熱」に関する質問に対する回答のうち、「熱」の回答数が「寒」の回答数より多いか否かを判定する。「熱」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS108の処理を実行する。一方、「熱」の回答数が少ないと判定した場合、すなわち「寒」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS116の処理を実行する。
【0067】
(ステップS108)
情報処理装置2は、「燥湿」に関する質問に対する回答のうち、「湿」の回答数が「燥」の回答数より多いか否かを判定する。「湿」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS110の処理を実行する。一方、「湿」の回答数が少ないと判定した場合、すなわち、「燥」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、S114の処理を実行する。
【0068】
(ステップS110)
情報処理装置2は、ユーザの生体バランスのバランス状態を表すバランスタイプが、タイプG01に対応する「実熱湿」と判定する。そして、情報処理装置2は、ステップS112の処理を実行する。
【0069】
(ステップS112)
情報処理装置2は、商品情報を参照して提示情報を生成する。そして、情報処理装置2は、
図10に係るバランスタイプ判定処理を終了する。
【0070】
(ステップS114)
情報処理装置2は、ユーザの生体バランスのバランス状態を表すバランスタイプが、タイプG02に対応する「実熱燥」と判定する。そして、情報処理装置2は、ステップS112の処理を実行する。
【0071】
(ステップS116)
情報処理装置2は、「燥湿」に関する質問に対する回答のうち、「湿」の回答数が「燥」の回答数より多いか否かを判定する。「湿」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS118の処理を実行する。一方、「湿」の回答数が少ないと判定した場合、すなわち、「燥」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、S120の処理を実行する。
【0072】
(ステップS118)
情報処理装置2は、ユーザの生体バランスのバランス状態を表すバランスタイプが、タイプG03に対応する「実寒湿」と判定する。そして、情報処理装置2は、ステップS112の処理を実行する。
【0073】
(ステップS120)
情報処理装置2は、ユーザの生体バランスのバランス状態を表すバランスタイプが、タイプG04に対応する「実寒燥」と判定する。そして、情報処理装置2は、ステップS112の処理を実行する。
【0074】
(ステップS122)
情報処理装置2は、「寒熱」に関する質問に対する回答のうち、「熱」の回答数が「寒」の回答数より多いか否かを判定する。「熱」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS124の処理を実行する。一方、「熱」の回答数が少ないと判定した場合、すなわち「寒」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS130の処理を実行する。
【0075】
(ステップS124)
情報処理装置2は、「燥湿」に関する質問に対する回答のうち、「湿」の回答数が「燥」の回答数より多いか否かを判定する。「湿」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS126の処理を実行する。一方、「湿」の回答数が少ないと判定した場合、すなわち、「燥」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、S128の処理を実行する。
【0076】
(ステップS126)
情報処理装置2は、ユーザの生体バランスのバランス状態を表すバランスタイプが、タイプG05に対応する「虚熱湿」と判定する。そして、情報処理装置2は、ステップS112の処理を実行する。
【0077】
(ステップS128)
情報処理装置2は、ユーザの生体バランスのバランス状態を表すバランスタイプが、タイプG06に対応する「虚熱燥」と判定する。そして、情報処理装置2は、ステップS112の処理を実行する。
【0078】
(ステップS130)
情報処理装置2は、「燥湿」に関する質問に対する回答のうち、「湿」の回答数が「燥」の回答数より多いか否かを判定する。「湿」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、ステップS132の処理を実行する。一方、「湿」の回答数が少ないと判定した場合、すなわち、「燥」の回答数が多いと判定した場合、情報処理装置2は、S134の処理を実行する。
【0079】
(ステップS132)
情報処理装置2は、ユーザの生体バランスのバランス状態を表すバランスタイプが、タイプG07に対応する「虚寒湿」と判定する。そして、情報処理装置2は、ステップS112の処理を実行する。
【0080】
(ステップS134)
情報処理装置2は、ユーザの生体バランスのバランス状態を表すバランスタイプが、タイプG08に対応する「虚寒燥」と判定する。そして、情報処理装置2は、ステップS112の処理を実行する。
【0081】
[表示画面例]
次いで、表示画面例について説明する。
図11は、第1の実施形態に係る表示画面例を示す図である。
図示する例は、情報処理装置2の質問情報記憶部242が記憶する質問情報に基づいて、提示情報生成部222が提示情報として生成した更年期症状に関する質問が端末装置1の表示部15に生成された場合の一例である。
例えば、表示部15には、「虚実」に関する1つ目の質問である「Q1」として、ユーザの症状に近いほうを択一的に選択可能に「いらいらしやすい・緊張する場面が多い」、「常に疲れやすく気力が出ないことが多い」が表示される。この表示に対して、例えば、ユーザが「いらいらしやすい・緊張する場面が多い」をタップ操作する。端末装置1は、当該タップ操作に応じて「いらいらしやすい・緊張する場面が多い」を選択された回答として、情報処理装置2に送信する。また、端末装置1は、質問「Q1」に対する回答を取得したことに基づいて、質問「Q2」を表示部15に表示させる。
【0082】
[バランスタイプと症状との対応関係]
次いで、バランスタイプと症状との対応関係について説明する。
図12は、第1の実施形態に係るバランスタイプと症状との対応関係を示す図である。
図示する例は、症状Aから症状Uまでの21症状について、35歳から54歳までの女性に対して5歳刻みで約300人ずつ、合計約1200人に対してサンプル調査し、バランスタイプごとの症状についてクロス集計分析を行った分析結果である。
各バランスタイプには、有意差が認められた更年期症状及びそのオッズ比が対応付けられている。なお、括弧でくくられた症状、すなわちオッズ比が記載されていない症状は、各バランスタイプで有意差はないが、当該バランスタイプで上位となった症状である。
【0083】
例えば、1行目は、バランスタイプが「実熱燥」であり、有意差が認められた更年期症状[オッズ比]が「症状B[1.806]、症状J[2.410]」である。2行目は、バランスタイプが「実熱湿」であり、有意差が認められた更年期症状[オッズ比]が「症状B[2.748]、症状J[2.440]、症状M[1.802]、症状I[2.194]、症状N[1.743]、症状D[1.699]、症状S[2.441]、症状H[2.556]、症状P[1.865]」である。3行目は、バランスタイプが「実寒燥」であり、有意差が認められた更年期症状[オッズ比]が「症状T、症状K、症状U」である。
【0084】
4行目は、バランスタイプが「実寒湿」であり、有意差が求められた更年期症状[オッズ比]が「症状K[1.759]、症状F[1.679]、症状U[1.575]、症状R[1.871]、症状O[2.480]」である。5行目は、バランスタイプが「虚熱燥」であり、有意差が認められた更年期症状[オッズ比]が「症状T、症状K、症状M」である。6行目は、バランスタイプが「虚熱湿」であり、有意差が認められた更年期症状[オッズ比]が「症状L[2.174]、症状B[2.609]、症状J[3.561]、症状C[2.330]、症状M[2.493]、症状D[2.434]、症状G[2.232]、症状A[1.923]、症状S[2.168]、症状P[2.377]、症状O[2.048]、症状K[2.789]、症状E[2.052]」である。
【0085】
7行目は、バランスタイプが「虚寒燥」であり、有意差が認められた更年期症状[オッズ比]が「症状D[1.616]、症状G[1.543]、症状U[1.623]、症状T[3.369]、症状H[3.048]、症状L[2.988]、症状R[2.400]」である。8行目は、バランスタイプが「虚寒湿」であり、有意差が認められた更年期症状[オッズ比]が「症状S[1.939]」である。
【0086】
このように、本実施形態による情報処理システムSYSは、ユーザの更年期症状に対する回答を取得する症状取得部220(取得部ともいう)と、更年期症状に対する回答に基づいて、ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定するバランスタイプ判定部221(判定部ともいう)と、バランスタイプ判定部221により判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、ユーザに提示する提示情報生成部222(提示部ともいう)と、を備える。
【0087】
これにより、情報処理システムSYSは、ユーザのバランス状態がいずれのバランスタイプであるかを判定し、バランスタイプに応じてバランスを整えて症状の改善が期待される組み合わせ食品を提示することができる。そのため、バランス状態を把握することができ、組み合わせ食品の摂取によって生体バランスを整えることができる。
【0088】
[変形例]
なお、情報処理装置2は、通信部20に加えて、ユーザ間通信部を備えてもよい。
この場合、バランスタイプ判定部221により判定されたバランスタイプに属する他のユーザとコミュニケーションすることが可能になるため、同じ悩みを抱えるユーザ間で情報共有することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0089】
また、情報処理装置2は、更年期症状とバランスタイプと時期的要素との対応関係に基づいて学習された学習結果に基づいて、バランスタイプに応じた症状に対するアドバイスを生成してもよい。
【0090】
この場合、提示情報生成部222は、学習結果に基づく統計情報を統計情報記憶部247から取得し、当該統計情報に基づくアドバイスを端末装置1に送信する。これにより、症状に合わせた症状緩和のためのアドバイス、今後予測される症状のアドバイスなどを統計情報に基づいて行うことができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0091】
このように、変形例による情報処理システムSYSは、ユーザの更年期症状に対する回答を取得する症状取得部220(取得部ともいう)と、更年期症状に対する回答に基づいて、ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうちのいずれのタイプであるかを判定するバランスタイプ判定部221(判定部ともいう)と、バランスタイプ判定部221により判定されたタイプに応じた症状の改善が期待される組み合わせ食品を、ユーザに提示する提示情報生成部222(提示部ともいう)と、を備える。
【0092】
これにより、情報処理システムSYSは、ユーザのバランス状態がいずれのバランスタイプであるかに応じてバランスを整えて症状の改善が期待される組み合わせ食品を提示することができる。そのため、ユーザはバランス状態を把握することができ、また、組み合わせ食品の摂取によって生体バランスを整えることができる。
【0093】
また、情報処理システムSYSは、バランスタイプ判定部221により判定されたタイプに属する他のユーザとコミュニケーションすることが可能なユーザ間通信部をさらに備える。
【0094】
これにより、同じ悩みを有するユーザ間で症状の共有や情報交換を行うことができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0095】
また、情報処理システムSYSは、更年期症状とバランス状態のタイプと時期的要素との対応関係に基づいて学習された学習結果に基づいて、バランスタイプ判定部221により判定されたタイプに応じたアドバイスを生成する生成部(提示情報生成部222)、を備える。
【0096】
これにより、症状に応じたアドバイスをすることができる。
【0097】
また、組み合わせ食品は、一又は複数種類のお茶と一又は複数種類の薬膳スープとの組み合わせである。
【0098】
これにより、スープが摂取できないときにお茶を摂取することができるため、組み合わせ食品の継続的な摂取を推進することができる。また、複数の味や異なる食品を組み合わせることで、ユーザの味などに対する飽きを抑制することができる。
【0099】
なお、上述した実施形態において、薬膳スープや薬膳茶に代えて、または加えて、症状緩和が期待される漢方薬をユーザに提示してもよい。これにより、薬膳スープや薬膳茶によって症状が改善されない場合であっても、代替食品として漢方薬を提示することができる。そのため、ユーザの症状改善に期待することができる。
【0100】
なお、上述した実施形態において、ユーザの更年期症状に関する回答に応じて、ベーススープ、素材などをユーザの症状に合わせたオリジナルスープとしてユーザに提示してもよい。このようにすることで、ユーザに沿った食品提案をすることができる。
【0101】
なお、上述した実施形態における端末装置1、情報処理装置2の一部、例えば、症状取得部220、バランスタイプ判定部221、提示情報生成部222、出力処理部223、学習部224の少なくとも一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、端末装置1、情報処理装置2に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0102】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0103】
また、上述した実施形態における端末装置1、情報処理装置2の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。端末装置1、情報処理装置2の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0104】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0105】
SYS 情報処理システム
1 端末装置
10 通信部
12 制御部
122 アプリケーション実行部
124 表示処理部
14 入力部
15 表示部
2 情報処理装置
20 通信部
22 制御部
220 症状取得部
221 バランスタイプ判定部
222 提示情報生成部
223 出力処理部
224 学習部
24 記憶部
241 アプリ情報記憶部
242 質問情報記憶部
243 ユーザ情報記憶部
244 症状情報記憶部
245 バランスタイプ情報記憶部
246 商品情報記憶部
247 統計情報記憶部
201 CPU
202 ドライブ部
203 記憶媒体
204 入力部
205 出力部
206 ROM
207 RAM
208 補助記憶部
209 インタフェース部
【手続補正書】
【提出日】2023-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得部と、
前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうち実虚、湿燥、寒熱の相対する分類によって表される3つの軸による8つのバランスタイプのいずれのタイプであるかを判定する判定部と、
前記判定部により判定されたタイプに応じて、前記3つの軸のそれぞれにおいて偏りがない状態であるバランスがとれた状態への症状の改善が期待される第1の食品と第2の食品との組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示部と、
を備え、
前記第1の食品と前記第2の食品との前記組み合わせ食品は、前記第1の食品と前記第2の食品とで少なくとも1つの共通の軸に基づく分類を用いて選択される、
情報処理システム。
【請求項2】
前記判定部により判定されたタイプに属する他のユーザとコミュニケーションすることが可能なユーザ間通信部、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
更年期症状とバランス状態のタイプと時期的要素との対応関係に基づいて学習された学習結果に基づいて、前記判定部により判定されたタイプに応じたアドバイスを生成する生成部、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1の食品は、一又は複数種類のお茶であり、前記第2の食品は、一又は複数種類の薬膳スープである、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得部と、
前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうち実虚、湿燥、寒熱の相対する分類によって表される3つの軸による8つのバランスタイプのいずれのタイプであるかを判定する判定部と、
前記判定部により判定されたタイプに応じて、前記3つの軸のそれぞれにおいて偏りがない状態であるバランスがとれた状態への症状の改善が期待される第1の食品と第2の食品との組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示部と、
を備え、
前記第1の食品と前記第2の食品との前記組み合わせ食品は、前記第1の食品と前記第2の食品とで少なくとも1つの共通の軸に基づく分類を用いて選択される、
情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置のコンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得過程と、
前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうち実虚、湿燥、寒熱の相対する分類によって表される3つの軸による8つのバランスタイプのいずれのタイプであるかを判定する判定過程と、
前記判定過程により判定されたタイプに応じて、前記3つの軸のそれぞれにおいて偏りがない状態であるバランスがとれた状態への症状の改善が期待される第1の食品と第2の食品との組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示過程と、
を有し、
前記第1の食品と前記第2の食品との前記組み合わせ食品は、前記第1の食品と前記第2の食品とで少なくとも1つの共通の軸に基づく分類を用いて選択される、
情報処理方法。
【請求項7】
情報処理装置のコンピュータに、
ユーザの更年期症状に対する回答を取得する取得ステップと、
前記更年期症状に対する回答に基づいて、前記ユーザのバランス状態のタイプが複数種類のうち実虚、湿燥、寒熱の相対する分類によって表される3つの軸による8つのバランスタイプのいずれのタイプであるかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより判定されたタイプに応じて、前記3つの軸のそれぞれにおいて偏りがない状態であるバランスがとれた状態への症状の改善が期待される第1の食品と第2の食品との組み合わせ食品を、前記ユーザに提示する提示ステップと、
を実行させ、
前記第1の食品と前記第2の食品との前記組み合わせ食品は、前記第1の食品と前記第2の食品とで少なくとも1つの共通の軸に基づく分類を用いて選択される、
プログラム。