(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010140
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】マクロ検査システム、装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20240116BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G01N21/84 E
G01N21/88 Z
G01N21/88 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187184
(22)【出願日】2023-10-31
(62)【分割の表示】P 2021519816の分割
【原出願日】2019-10-03
(31)【優先権主張番号】16/262,017
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/744,478
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511289471
【氏名又は名称】ナノトロニクス イメージング インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NANOTRONICS IMAGING,INC.
【住所又は居所原語表記】2251 FRONT STREET,SUITE 110,P.O.BOX 306,CUYAHOGA FALLS,OHIO 44223,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プットマン,マシュー シー
(72)【発明者】
【氏名】プットマン,ジョン ビー
(72)【発明者】
【氏名】モフィット,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ポジ-ロヨーラ,スコット
(72)【発明者】
【氏名】オーランド,ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】モスキー,マイケル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の照明モードを実現できる、試料を巨視的に試験するための新規の機構を実現する。
【解決手段】検査用の試料を保持するように構成された台と、この台に保持された試料を見るために台の少なくとも一部分を包含する視野を有する撮像デバイスと、台に保持された試料を包含する視野を有するレンズと、可動プラットフォームに配置された複数の光源とを含む、検査装置に関する。検査装置はさらに、台の位置、可動プラットフォームの高さ、およびレンズの焦点を制御するように構成された制御モジュールを含み得る。いくつかの実施態様では、検査装置は、撮像デバイスから画像データを受け取り、この画像データを分析して試料分類を決定し、その試料分類に基づいて照明プロファイルを自動的に選択するように構成された、画像処理システムを含む。方法および機械可読媒体もまた企図される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査用の試料を保持するように構成された台と、
前記台上に配置され、前記台の少なくとも一部分を包含する視野を有する撮像デバイスと、
前記台上に配置され、前記台の少なくとも前記一部分を包含する視野を有するレンズと、
前記台上の可動プラットフォームに配置された複数の光源と、
前記撮像デバイス、前記台、前記可動プラットフォーム、および前記レンズのそれぞれに結合され、前記台の位置、前記可動プラットフォームの高さ、および前記レンズの焦点を制御するように構成されている、制御モジュールと
を備え、前記光源からの照明が前記試料で反射され前記レンズを透過し、前記撮像デバイスに到達する、検査装置であって、前記制御モジュールが、
前記撮像デバイスから、前記台に保持された試料の少なくとも部分的な視像に対応する画像データを、受け取ることと、
前記試料の照明プロファイルを自動的に選択することと、
前記照明プロファイルに基づき、前記複数の光源の各光源の、輝度、色、位置のうちの1つ以上を調整すること、を含む動作を実施するように構成され、
前記試料の照明プロファイルを自動的に選択することが、
前記試料の検出された属性に基づき、前記画像データを分析して、前記台に保持された前記試料に対応する試料分類を決定することと、
データベースに記憶された複数の照明プロファイルから、前記試料分類に基づき特定された前記照明プロファイルを特定することにより実施されるものである、
検査装置。
【請求項2】
前記動作はさらに、
前記照明プロファイルに基づき、前記制御モジュールを使用して、前記台の前記位置を自動的に調整することを含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記動作はさらに、
前記照明プロファイルに基づき、前記制御モジュールを使用して、前記可動プラットフォームの前記高さを自動的に調整することを含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記動作はさらに、
前記照明プロファイルに基づき、前記制御モジュールを使用して、前記レンズの前記焦点を自動的に調整することを含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
前記動作はさらに、
前記照明プロファイルに基づき、前記可動プラットフォームに配置された前記複数の光源のうちの少なくとも1つにおける前記試料に対する照明角度を、自動的に調整することを含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
前記撮像デバイスが、前記台の前記一部分を前記レンズを介して見るように構成される、請求項1に記載の検査装置。
【請求項7】
検査用の試料を保持するように構成された台と、
前記台上に配置され、前記台に保持された前記試料から反射される光を見るための、前記台の少なくとも一部分を包含する視野を有する撮像デバイスと、
前記台上に配置され、可動プラットフォームに配置された複数の光源と、
前記撮像デバイス、前記複数の光源のうちの各光源、および前記可動プラットフォームに結合された制御モジュールと
を備える検査装置であって、前記制御モジュールが、
前記撮像デバイスから、画像データを受け取ることと、
前記画像データを分析し、前記試料に入射する光の照明特性を特定することと、
前記試料の前記照明特性と所望の照明特性を比較することと、
前記照明特性は前記所望の照明特性の許容範囲外にあることを決定することと、
前記決定に基づき、前記所望の照明特性を達成するように前記可動プラットフォームの高さ、または前記複数の光源のうちの1つ以上の輝度を自動的に調整することとを含む動作を実施するように構成され、前記照明特性が前記試料の関心領域上の色又は輝度を示すものである、
検査装置。
【請求項8】
前記動作はさらに、
前記画像データに基づいて、前記照明特性を改善するように、前記複数の光源のうちの1つ以上の色を自動的に調整することを含む、請求項7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記動作はさらに、
前記画像データに基づいて、前記照明特性を改善するように、前記複数の光源のうちの1つ以上における前記試料に対する照明角度を、自動的に調整することを含む、請求項7に記載の検査装置。
【請求項10】
前記動作はさらに、
前記試料と関連付けられた1つまたは複数の物理的特性を示す試料データを受け取ることを含み、前記可動プラットフォームの前記高さ、または前記複数の光源のうちの1つ以上の前記輝度を自動的に調整することがさらに、前記試料データに基づいている、請求項7に記載の検査装置。
【請求項11】
前記複数の光源が前記台の外周部の径方向外側に配置される、請求項7に記載の検査装置。
【請求項12】
検査装置によって得られる照明特性を自動的に調整するための、コンピュータで実施される方法であって、
撮像デバイスから画像データを受け取るステップであって、前記画像データが、前記検査装置の台に保持され、複数の光源により照明された、試料の少なくとも部分的な視像に対応する、ステップと、
照明プロファイルを自動的に選択するステップと、
前記照明プロファイルに基づき、前記複数の光源の各光源の、輝度、色、位置のうちの1つ以上を調整するステップと、を含み、
前記照明プロファイルを自動的に選択するステップは、
前記試料の検出された属性に基づき、前記画像データを分析して、前記台に保持された前記試料に対応する試料分類を決定することと、
データベースに記憶された複数の照明プロファイルから、前記試料分類に基づき特定された前記照明プロファイルを特定することにより実施される、
コンピュータで実施される方法。
【請求項13】
前記照明プロファイルに基づいて、前記台の位置を自動的に調整するステップをさらに含む、請求項12に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項14】
前記照明プロファイルに基づいて、前記台の上方の1つまたは複数の光源の高さを自動的に調整するステップをさらに含む、請求項12に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項15】
前記照明プロファイルに基づいて、前記試料を見るために使用されるレンズの焦点を自動的に調整するステップをさらに含む、請求項12に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項16】
前記照明プロファイルに基づいて、前記台の上方に配置された前記複数の光源のうちの少なくとも1つにおける前記試料に対する照明角度を、自動的に調整するステップをさらに含む、請求項12に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項17】
前記試料分類を用いてプロファイルデータベースを参照するステップと、
前記照明プロファイルを受け取るステップとをさらに含み、前記照明プロファイルが前記プロファイルデータベース中の前記試料分類に関連付けられている、請求項12に記載のコンピュータで実施される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月11日出願の米国特許仮出願第62/744,478号の利益を主張する2019年1月30日出願の米国特許出願第16/262,017号の優先権を主張し、これらの内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、マクロ検査システム、装置および方法に関する。より詳細には、本発明の諸実施形態は、複数の照明モードを持つマクロ検査装置に関し、この照明モードはそれぞれ、試料の特徴を検出するための可変照明特性を実現することができる。
【背景技術】
【0003】
試料特徴を検出するための試料の微視的試験は制約されることがある。当業者に理解されている試料とは、試験物品を指し(たとえば、ウエハまたは生物スライド)、特徴とは、試料の既知の特性、ならびに異常および/または欠陥を指す。特徴には、回路、回路基板構成要素、生物細胞、組織、欠陥(たとえば、スクラッチ、塵埃、指紋)が、これらだけには限らないが含まれ得る。場合によって、試料の特徴は比較的広い表面領域にわたって分布しており、あるいは試料自体がかなり大きい。このような試料では、微視的試験が不適当であったり望ましくなかったりすることがある。その理由は、このような試験では、情報を取得する表面領域が比較的狭く、試料全体を示すためには試料の複数の個別部分の画像を取り込む必要があるからである。加えて、微視的試験では、それが実現できる照明の種類および多様性が制約されることもある。本明細書の目的に関して、微視的とは、面積が0.5cm2未満を指す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、単一の視野に試料の全体または広い領域を取り込むことができる、また、明視野、暗視野または傾斜照明、偏光、交差偏光、および微分干渉コントラスト(DIC)、位相コントラストを、これらだけには限らないが含む複数の照明モードを実現できる、試料を巨視的に試験するための新規の機構を実現することが望ましい。照明のそれぞれのモードが、試料の特徴を検出するための、本明細書で説明される可変照明特性を実現することもまた望ましい。本明細書の目的に関して、巨視的とは面積が0.5cm2以上を指す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの態様では、開示された技術は、検査用の試料を保持するように構成された台と、この台に保持された試料を見るために台の少なくとも一部分を包含する視野を有する撮像デバイスと、台に保持された試料の少なくとも一部分を包含する視野を有するレンズと、可動プラットフォームに配置された複数の光源とを含む、検査装置に関する。検査装置はさらに、撮像デバイス、台、可動プラットフォームおよびレンズに結合された制御モジュールを含むことができ、この制御モジュールは、台の位置、可動プラットフォームの高さ、およびレンズの焦点を制御するように構成される。いくつかの実施態様では、検査装置はさらに、制御モジュールに結合された画像処理システムを含むことができ、この画像処理システムは、1つまたは複数のプロセッサと、命令を含む非一時的媒体とを含み、この命令は、プロセッサに、撮像デバイスから画像データを受け取ることであって、この画像データは、台に保持された試料の少なくとも部分的な視像に対応する、受け取ることと、画像データを分析して、台に保持された試料に対応する試料分類を決定することと、試料分類に基づいて照明プロファイルを自動的に選択することとを行わせるための動作を実施させるように構成される。
【0006】
別の態様では、開示された技術は、検査用の試料を保持するように構成された台と、台に保持された試料から反射される光を見るための、台の少なくとも一部分を包含する視野を有する撮像デバイスと、可動プラットフォームに配置された複数の光源とを含む検査装置に関する。所望の実施態様に応じて、検査装置はさらに、撮像デバイス、それぞれの光源、および可動プラットフォームに結合された制御モジュールを含むことができ、この制御モジュールは、撮像デバイスから画像データを受け取ることであって、この画像データは、試料に入射する光の照明特性を示す、受け取ることと、画像データに基づいて、照明特性を改善するように可動プラットフォームの高さ、または複数の光源のうちの1つ以上の輝度を自動的に調整することとを含む動作を実施するように構成される。
【0007】
さらに別の態様では、開示された技術は、検査装置によって得られる照明特性を自動的に調整するための、コンピュータで実施される方法を包含し得る。この方法は、撮像デバイスから画像データを受け取るステップであって、この画像データは、検査装置の台に保持された試料の少なくとも部分的な視像に対応する、ステップと、画像データを分析して、台に保持された試料に対応する試料分類を決定するステップと、試料分類に基づいて照明プロファイルを自動的に選択するステップとを含むことができる。
【0008】
本開示の上記およびその他の利点および特徴を得ることができる方法を説明するために、上で簡潔に説明した本発明についてのより具体的な説明が、添付の図面に示される本発明の特定の実施形態を参照することによって行われる。これらの図面が、本開示の例示的な諸実施形態のみを描写しており、したがってその範囲を限定すると考えられるべきものではないと解釈して、本明細書の原理が、さらなる特殊性および細部と共に、添付の図面を用いることによって記述および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】マクロ検査装置の特定の実施形態を示す斜視図である。
【0010】
【
図1B】マクロ検査装置の特定の実施形態を示す斜視図である。
【0011】
【
図1C】マクロ検査装置の特定の実施形態を示す図である。
【0012】
【
図2A】低入射角の傾斜照明を行うマクロ検査装置の一実施形態の概略側面図である。
【0013】
【
図2B】
図2Aによる装置が動作することによって確立された低角度傾斜照明の一例を示す図である。
【0014】
【
図3A】高入射角の傾斜照明を行うマクロ検査装置の一実施形態の概略側面図である。
【0015】
【
図3B】
図3Aによる装置が動作することによって確立された低角度傾斜照明の一例を示す図である。
【0016】
【
図4A】暗視野照明モードで動作するマクロ検査装置の概略図である。
【0017】
【
図4B】
図4Aによる装置が動作することによって確立された暗視野照明の一例を示す図である。
【0018】
【0019】
【
図5B】
図6Aの光源バーの旋回する機能を角度α1およびα2のときに示す側面図である。
【
図5C】
図6Aの光源バーの旋回する機能を角度α1およびα2のときに示す側面図である。
【0020】
【
図6】多様なポテンシャルの照明ベクトルを確立するために複数の光源バーを使用する、光源リングアセンブリの一実施形態の概略的な上面図である。
【0021】
【
図7A】試料を実質的に垂直の方向に照明するように配置された、2つの対向する明視野光源を使用するマクロ検査装置の概略的な側面図である。
【0022】
【
図7B】
図7Aによる装置が動作することによって確立された、実質的に直交する照明の一例を示す図である。
【0023】
【
図8A】明視野光源の第1および第2のアレイの例示的な一実施態様を示す図である。
【0024】
【
図8B】2つの光源を使用する、実質的に直交する照明の一例を示す図である。
【0025】
【
図8C】7つの光源を使用する、実質的に直交する照明の一例を示す図である。
【0026】
【
図9A】レンズを介して直交照明を使用する、マクロ検査装置の概略的な側面図である。
【0027】
【
図9B】
図9Aによる装置が動作することによって確立された、直交する照明の一例を示す図である。
【0028】
【
図10】コンピュータ分析システムの一実施形態の一般的な構成を示す図である。
【0029】
【
図11】マクロ検査装置を較正して異なる照明特性を実現するための例示的な方法ステップを示す図である。
【0030】
【
図12】マクロ検査システムの光源から投射された照明の領域を画定するための例示的な座標系を示す図である。
【0031】
【
図13A】マクロ検査システムを使用して試料を照明するための例示的な方法ステップを示す図である。
【0032】
【
図13B】試料分類を特定し、マクロ検査装置の照明特性を自動的に調整する例示的な処理のステップを示す図である。
【0033】
【
図14】人工知能アルゴリズムに供給するためのいくつかの入力および出力を使用して1つまたは複数の照明プロファイルを生成する、例を示す例示的な訓練モデルを示す図である。
【0034】
【
図15】長方形の試料のための例示的な座標系を示す図である。
【0035】
【0036】
【
図16B】不規則な形状の試料のための例示的な座標系を示す図である。
【0037】
【
図17】座標系に対する試料の特徴の回転角度を確立する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示の主題のいくつかの実施形態によれば、試料の巨視的検査のための機構(システム、方法、デバイス、装置などを含み得る)が提供される。巨視的試験(検査と呼ばれることもある)とは、開示された巨視的検査機構を使用することによる試料のスキャン、撮像、分析、測定、およびその他の適切な評価を指す。開示された巨視的検査機構は、本明細書に記載の可変照明特性をそれぞれが実現できる1つまたは複数の照明モードを含む。以下の説明では、巨視的検査機構として実施できる構成要素および方法に言及するが、本明細書に記載の構成要素および方法はまた、顕微鏡検査システムで実施することもできる。
【0039】
図1A、
図1Bおよび
図1Cは、開示された主題のいくつかの実施形態によるマクロ検査システム10の例を示す。高レベルでは、いくつかの実施形態によるマクロ検査システム10の基本的構成要素には、試料Sに光を当てるための照明ユニット(たとえば、光源アセンブリリング26)、集束レンズ14、撮像デバイス24、試料台12、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを備える制御モジュール70、ならびにコンピュータ分析システム75が含まれる。マクロ検査システム10は、透過光または反射光を使用する光学検査システムの一部として実施することができる。
【0040】
図1Aに示されているように、いくつかの実施形態では、光源アセンブリリング26がマクロ検査システム10の照明ユニットとして使用されることがある。1つまたは複数の照明器具、たとえばLB1~LBxで示された光源バー28は、光源アセンブリリング26に取り付けることができる。任意のタイプの適切な照明器具が光源アセンブリリング26に取り付けられ得ることに留意されたい。
図1Aに示されているように、光源アセンブリリング26は、このアセンブリに取り付けられる個々の1つまたは複数の光源バー28が、試料台12の外周部の径方向外側に配置されるように構成することができる。各光源バー28は、1つまたは複数の光源16(
図5Aに示す)を含むことができる。マクロ検査システム10はまた、たとえば
図1Bに示されるように、1つより多い光源アセンブリリング26を含むこともできる。
【0041】
いくつかの実施形態では、光源アセンブリリング26は、それが案内レール20に沿って動くことができるように構成することができる。照明ユニットはリング構造に限定されないこと、ならびに、個々の光源バー28は、他のタイプの構造として、たとえば
図2A、3A、7Aおよび9Aに示された非可動または可動プラットフォーム18に取り付けられ得ることに留意されたい。さらに、可動プラットフォーム18を案内レール20の高さに沿って別の位置へ移動させることは、手動で、またはソフトウェア、ハードウェアおよび/もしくはファームウェア(たとえば制御モジュール70)によって自動で制御することができる。光源アセンブリリング26は、試料台12に対するその高さに応じて、試料台12に保持されているときの試料に傾斜照明または暗視野照明を行うために使用することができる。たとえば、傾斜照明の角度を可変にするために、光源アセンブリリング26は、その光を試料面(すなわち、試料台12に配置されているときの試料の上部平面)の上方の様々な高さに投射できるように配置することができる。いくつかの実施形態では、試料面は、マクロ検査システム10の焦点面(すなわち、試料に焦点が合っている面)と一致する。別の例では、暗視野照明を実現するために、光源アセンブリリング26は、その光が試料台12上の試料の試料面と同じか実質的に同じ高さに投射されて、試料台12上に保持されているときの試料に対して暗視野照明が行われるように配置することができる。
【0042】
本明細書では、傾斜照明とは、90度未満で0度よりも大きい、一般には1度よりも大きい入射角で試料に向けて投射される光を指し、暗視野照明とは、1度未満の、一般には0度の入射角で試料に向けて投射される光を指し、明視野照明とは、試料面に対して直角(90度)の入射角で試料に向けて投射される光を指す。明視野照明とは、たとえば
図9Aに示された、レンズ14を介して試料に向けて直交する方向に照明(「直交照明」)する光源を指し、あるいは、たとえば
図7Aおよび
図8Aに示された「実質的に直交する」方向に光を投射する(「実質的な直交照明」)、レンズ14の外側に配置された光源を指すことがある。
【0043】
図2Aおよび
図3Aに示されているように、開示された主題のいくつかの実施形態によれば、各光源バー28は、複数の方向からの様々な入射角で傾斜照明を行うことができる。たとえば、
図2Aに示されるように、各光源バー28は、試料台12の試料面の上方に、第1の入射角で傾斜照明を行う第1の位置P1で支持され、
図3Aでは、各光源バー28は、第2の入射角で傾斜照明を行うように上向きに位置P2まで移動されている。照明器具を上向きに移動することにより、入射角を増大させることができる。結果として得られる台12の照明が、
図2Bおよび
図3Bに示されている。いくつかの実施形態では、案内レール20に沿った可動プラットフォーム18のそれぞれの高さにおいて光源バー28は、たとえば
図5Bおよび
図5Cに示されているように、試料台12上に保持されているときの試料の試料面に対して様々な照明角度を作り出すために、回転軸のまわりに選択的に旋回可能にすることができる。
図2Aおよび
図3Aに示された傾斜照明が、単一または複数の光源バー28を用いて実現できることが当業者には容易に理解されることに留意されたい。
【0044】
図4Aに示されているように、いくつかの実施形態では、光源バー28は、試料台12上に保持されているときの試料に暗視野照明を行うために、光源バー28からの照明が試料面に対して実質的に平行になるように配置されることがある。実質的に平行とは、位置合わせの不完全さを許容するために-1°~+1°の入射角を有すると解釈されるものであるが、いくつかの実施形態では、照明は平面上にあり、すなわち入射角が0°であり、それによって照明は、完全に平坦な試料の平面から突き出ている特徴がある場合に限り反射される。試料が完全に平坦であり、特徴がない場合、試料は、実質的に平行な照明をレンズ14へ全く反射せず、レンズ14から見たこのような試料は、(
図4Bに示されるように)照明されないことになる。突き出ている不完全部または他の特徴がある場合には、光源バー28からの照明は、このような不完全部および/または特徴から反射され、レンズ14を経由して画像センサ22によって取り込まれる。
図4Aに示された暗視野照明が、単一または複数の光源バー28を用いて実現できることが当業者には容易に理解されることに留意されたい。
【0045】
いくつかの実施形態では、XY平行移動台が試料台12に使用されることがある。試料台12は、ステッピングモータ、サーバモータ、リニアモータ、ピエゾモータおよび/または、手動機構を含めて、他の任意の適切な機構によって駆動することができる。試料台12は、いくつかの実施形態では、任意の適切なコントローラ(たとえば、制御モジュール70)の制御下で、X軸および/またはY軸方向に対象物を動かすように構成することができる。アクチュエータ(図示されていないが当技術分野では知られている)が、たとえば0~5mm、0~10mm、0~30mm、および/または他の任意の適切な距離範囲の焦点粗調整を行うために使用されることがある。アクチュエータがまた、いくつかの実施形態では、0~50μm、0~100μm、0~200μmおよび/または他の任意の適切な距離範囲の微焦点を行うために使用されることもある。
【0046】
いくつかの実施形態では、レンズ14は、レンズ台15に支持され、また、試料台12の上方のレンズ台を貫通する開口に配置されるものとすることができる。さらに、マクロ検査システム10は焦点機構を含むことができ、この機構は、試料台12をZ方向にレンズ14に近付けたり遠ざけたりして調整し、かつ/またはレンズ14を(たとえばレンズ台15によって案内レール20に沿って)試料台12に近付けたり遠ざけたりして調整する。試料台12および/またはレンズ14は、ステッピングモータ、サーバモータ、リニアモータ、ピエゾモータおよび/または、手動機構を含めて他の任意の適切な機構によって駆動することができる。レンズ14は、様々な拡大率を有することができ、かつ/または、明視野、暗視野または傾斜照明、偏光、交差偏光、および微分干渉コントラスト(DIC)、位相コントラスト、および/または他の任意の適切な照明の形態で動作するように構成することができる。マクロ検査システム10に使用されるレンズの種類は、所望の特性に、たとえば、とりわけ倍率、視野、開口数に基づくことができる。いくつかの実施形態では、レンズ14は、単一の視野内で試料を見るのに使用できるマクロレンズとすることができる。当業者によって理解されている用語である視野とは、画像センサによって一度に取り込まれる試験領域を指すことに留意されたい。さらに、当業者には、用語である視野と画像が、本明細書では交換可能に使用されることが容易に理解されよう。
【0047】
試料台12上の試料の照明は反射して、撮像デバイス24(たとえば、カメラ)に取り付けられたレンズ14に達し、撮像デバイス24は、試料の画像および/または映像を取り込むことができる。いくつかの実施形態では、カメラ24は、カメラを試料、台および/または試料の特徴と位置合わせすることが可能になるように構成された画像センサを含む、回転カメラとすることができる。画像センサは、たとえば、電荷結合デバイス(CCD)、相補型金属酸化膜(CMOS)画像センサ、および/または、光を1つまたは複数の電気信号に変換する他の任意の電子デバイスとすることができる。このような電気信号を使用して、対象物の画像および/または映像を作ることができる。いくつかの実施形態では、このような信号は、マクロ検査システム10に接続された表示画面に表示するために送信される。マクロ検査システム10で用いることができるカメラを回転させるいくつかの例示的な方法が、「Camera and Object Alignment to Facilitate Large Area Imaging in Microscopy」という名称の米国特許第10,048,477号に記載されており、同特許は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、撮像デバイス24が、試料を見るために使用される接眼レンズまたはアイピースと取り替えられることがある。
【0048】
図5Aに示されているように、いくつかの実施形態では、光源バーは、2列に編成された個別の光源16を含む。個別の光源16は、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、蛍光灯、光ファイバ、気体プラズマ、陰極線管(CRT)、液晶表示装置(LCD)、レーザなどをこれらだけには限らないが含む、任意のタイプの適切な照明技術をベースにすることができる。
図5Aに示されているように、いくつかの実施形態では、各光源は、LBiLjで表された、その光源バー番号および光源番号によって個々にアドレス指定することができる。別の実施形態では、光源はセクションに分割されることがあり(たとえば、行、列、四半分、光源バー、および/または他の任意の適切な分割によって)、各セクションは、アドレス指定可能とすることができる。ソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェア(たとえば、制御モジュール70)が、各光源またはセクションの作動、輝度および/または色を、そのアドレスによって制御することができる。作動とは、光源をオンにすることを指し、輝度とは、光エネルギーがユニットの表面まで伝達される率を指し、色とは、RGB(赤、緑、青)色値を指し、各色値は0~255の整数として指定される。輝度は、照度計、画像センサおよび/または他の適切な輝度測定デバイスによって決定することができる。複数の光源16は、単色、様々な色、および/またはこれらの任意の組み合わせを投射する光源から構成することができる。
【0049】
図6に示されているように、開示された主題のいくつかの実施形態によれば、複数の光源バー28(たとえば、LB1~LB8)は、試料台12の外周部の径方向外側に配置することができ(たとえば、光源からなる360度外周を作り出す八角形で)、また、別々の方向から試料を照明するための色および/または輝度によって、選択的に作動させること、および照明可能にすることができる。ソフトウェア、ハードウェアおよび/またはファームウェア(たとえば、制御モジュール70)が、どの光源バーおよび個別の光源をどのような色および/または輝度で作動させるかの制御をすることができる。単一の光源16、または単一もしくは複数の光源バー28からの複数の光源16は、試料面で一部または全体の視野を照明するように作動させることができる。試験される試料のタイプ、試験される特徴のタイプ、試料の関心領域、および/または他の任意の適切な基準により、どの光源をどのような色および/または輝度で作動させるかを決定することができる。
【0050】
図6に示されているように、いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数の光源バー28を、隣り合う光源バー28の間の連結を行う自在継手30によって、隣接する光源バー28と連結することができ、それにより光源バーは、共連結された光源のうちの1つが動いたときに同時に、かつ同じ角度に旋回することができる。別の実施形態では、自在継手30は、全光源バー28の共通の動きと、単一の機構(たとえば、制御機構32)による制御とを可能にするために、すべての隣接する結合部に使用することができる。ソフトウェア、ハードウェアおよび/またはファームウェア(たとえば、制御モジュール70)が、各光源バー28の旋回を個別に、または他の1つもしくは複数の光源バーと同時に制御することができる。いくつかの実施形態では、光源バー28は手動で旋回させることができる。各光源バー28は、旋回点のまわりに同じ分だけ、または異なる分だけ旋回させることができる。
【0051】
単一の光源バー28の各個別の光源16(LBiLjで表される)は、あるベクトルの光を個別に、または一緒に発して試料面の特定の領域(「照明領域」)を照明することができる。この照明領域の大きさは、試料の一部分を照明するものから試料面全体を包含するものまで様々であり得る。照明領域は、試料面の上方、下方または試料面上の様々な軸方向位置で(たとえば、試料台12の上面、試料面の上面、焦点面などで)、ベクトルで表される光のビームに沿って計算することができる。各ベクトルの光によってカバーされる領域は、隣接する光源バーから発せられるベクトルの光によってカバーされる領域と一部重なり合っていたり、全く重なり合っていなかったりすることがある。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の集束レンズおよび/またはコリメーティングレンズを使用して、各光ベクトルの領域を試料台12上の試料に適している領域に集束することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、たとえば
図6に示されているように、複数の光源バーが試料台12の周辺に径方向に配置され、試料を様々な方向から照明するように選択的に照明可能になっている。いくつかの実施形態によれば、各光源バーは単一ベクトルの光を発することができる。
図6は、光源バーLB3、LB4およびLB5それぞれから発せられる光の3つの照明ベクトルを示す。ベクトルのサイズは変化し得るが、各ベクトルは、試料台12上の試料に向けて光を投射できる、径方向に配置された光源バーの全360度外周よりも小さい限定された度(または円弧の分)の別々の方向から照明する。各ベクトルは、全視野の少なくとも一部分を照明することができ、いくつかの実施形態では、各ベクトルが全視野を照明することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、単一の照明ベクトルは、1度以上~180度以下(円弧の60分以上~10800分以下)の範囲にわたる。他の実施形態では、単一の照明ベクトルは、45度以上~120度以下(円弧の2700分以上~7200分以下)の範囲にわたり、他の実施形態では、30度以上~45度以下(円弧の1800分以上~2700分以下)、他の実施形態では、10度以上~30度以下(円弧の600分以上~1800分以下)、他の実施形態では、5度以上~10度以下(円弧の300分以上~600分以下)、さらに、他の実施形態では、2度以上~5度以下(円弧の120分以上~300分以下)の範囲にわたる。ベクトルは、試料の位置に対して、少なくとも1つの光源バー28の作動させた光源の数および位置に依存する。
【0054】
光源バー28は、行および列の数で表される光源16の数、各個別の光源のサイズ、各個別の光源の円錐角、光源間のピッチ(P)、および光源と光が投射される領域との間の距離に応じて、様々であり得る。いくつかの実施形態では、試料台12のサイズ、レンズ14の仕様、検査されている試料のサイズおよび/もしくはタイプ、ならびに/または試験されている試料の特徴により、光源バー28上の光源の構成が、たとえば光源の配置(行と列であるか、それとも他の配置であるか)、光源の総数、距離、および/またはピッチ(P)を、これだけには限らないが含めて、決定され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、
図7Aに示されているように、マクロ検査システム10はまた、レンズ14の径方向外側に配置された、かつ試料Sの少なくとも一部分を実質的に直交する方向で照明するように向けられた、1つまたは複数の明視野光源50を含むこともある。「実質的に直交する」とは、光源がレンズ14の外側に配置され、投射光ビームが試料に対して垂直であり、試料の一部または全部を照明すること(たとえば、
図7Bに図示)を意味する。明視野光源50は、レンズ14の外側に様々な構成で(たとえば、径方向に、または格子パターンとして)配置することができる。
図8Aに示されるものなど、特定の実施形態では、複数の明視野光源50が明視野光源の第1のアレイ52として配置されており、この第1のアレイの各明視野光源は、レンズ14の中心から径方向に等距離にある。
図8Aは明視野光源の第2のアレイ54を提示しているが、第2のアレイ54の各明視野光源50は、レンズ14の中心から径方向に等距離にあり、いくつかの実施形態では、単一のアレイまたは2つより多いアレイを配置することもできる。
図8Aの第2のアレイは、第1のアレイよりも遠い距離にある。これらのアレイは、試料を可変径方向距離から照明するために別のアレイの光源を選択できるように、レンズ14の周囲に円形のものとして示されている。各光源は、たとえば、そのアレイ番号および光源番号(たとえば、RxLy)によってアドレス指定することができる。
図8Bは、光源R1L7およびR1L3が作動しているときの、結果として生じる試料台12の照明を示す。
図8Cは、光源R1L7、R2L11、R1L5、R2L7、R1L3、R1L3、R2L3、R1L1、R2L15、R1L7、R2L11が作動しているときの、結果として生じる試料台12の照明を示す。
【0056】
図9Aに示されているように、いくつかの実施形態では、マクロ検査システム10は、レンズ14を介して垂直照明器62による選択的な照明を行うための、および試料Sの少なくとも一部分を直交照明するための、光源60(単一または複数の光源を含み得る)を含む。この照明は、それが試料の真上にあるので「直交する」と呼ばれるのに対し、
図7Aおよび
図8Aに示された明視野照明は、試料Sの上方に配置されたレンズ14の径方向外側の光源(「実質的に直交する」)から出ていく。
図9Bに示されているように、いくつかの実施形態では、直交する光は試料全体を取り囲むことができる。当業者には、
図7A、8Aおよび9Aに提示された直交光源または実質的直交光源が、とりわけ偏光、交差偏光、または微分干渉コントラストの照明技術を含み得ることが容易に理解されよう。
【0057】
光源16と同様に、各光源50および/または60は、個々にアドレス指定することができる。別の実施形態では、光源はセクションに分割されることがあり(たとえば、アレイ、四半分、および/または他の任意の適切な分割によって)、各セクションはアドレス指定可能とすることができる。ソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェア(たとえば、制御モジュール70)が、各光源またはセクションの作動、輝度および/または色を、そのアドレスによって制御することができる。複数の光源50および/または60は、単色、様々な色、および/またはこれらの任意の組み合わせを投射する光源から構成することができる。
【0058】
図2B、3B、4B、7B、8B、8Cおよび9Bの照明の例から一般的に理解されるように、本発明の様々な実施形態では、暗視野照明、可変傾斜角での照明、および明視野照明(直交照明、および実質的な直交照明の両方)を可能にする。
【0059】
いくつかの実施形態では、制御モジュール70は、コントローラおよびコントローラインターフェースを含み、マクロ検査システム10のいかなる設定も制御することができる(たとえば、光源16、50および/または60の輝度、光源16、50および/または60の色、1つまたは複数の光源16、50および/または60をオン・オフすること、1つまたは複数の光源バー28の旋回または他の動き、1つまたは複数の光源リングアセンブリ26の移動(たとえば、z方向に)、試料台12の移動(x、y、および/またはz方向に)、レンズ14の動き、画像センサ22/カメラ24からの画像データの記録、カメラ24の回転または移動、照明データの処理、画像データの処理)。制御モジュール70、ならびに本明細書に記載の適用可能なコンピューティングシステムおよび構成要素は、任意の適切なハードウェア(いくつかの実施形態のソフトウェアを実行できる)を含むことができ、たとえば、コンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、書換え可能ゲートアレイ(FPGA)およびデジタル信号プロセッサ(DSP)(これらのいずれもハードウェアプロセッサと呼ぶことができる)、エンコーダ、エンコーダを読むための回路、メモリデバイス(1つまたは複数のEPROM、1つまたは複数のEEPROM、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)、スタティックランダムアクセスメモリ(「SRAM」)、および/またはフラッシュメモリを含む)、および/または他の任意の適切なハードウェア要素などを含むことができる。いくつかの実施形態では、マクロ検査システム10の中の個々の構成要素は、個々の構成要素を制御しマクロ検査システム10の他の構成要素と通信するための、それ自体のソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアを含み得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、制御モジュール(たとえば、コントローラおよびコントローラインターフェース)とマクロ検査システム10の構成要素との間の通信には、アナログ技術(たとえば、リレー論理)、デジタル技術(たとえば、RS232、イーサネット、または無線)、ネットワーク技術(たとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネット、ブルートゥース(登録商標)技術、近距離無線通信技術、セキュアRF技術、および/または他の任意の適切な通信技術など、任意の適切な通信技術を使用することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、オペレータ入力は、任意の適切な入力デバイス(たとえば、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチ)を使用して制御モジュール440へ伝達することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、制御モジュール70は、試料が試料台12上に配置されているときに試料に対する可変照明特性が得られるように、複数の光源16、50および/または60のうちの1つ以上の作動、輝度および/または色、ならびに光源16および/または光源バー28の位置を制御し(たとえば、光源バーの高さを調整することによって、または光源バーを旋回させることによって)、光源50および/または60の位置を制御する(たとえば、光源50および/または60と試料面の間の距離を調整することによって)。照明特性とは、試料に向けられている複数の光源16、50および/または60のうちの1つ以上の光源が作動および分布する結果としての、試料の関心領域上の光の色および/または強度を指す。照明特性は、レンズ14を介して見える像、および/または画像センサ22によって取り込まれる画像に影響を及ぼし得る。制御モジュール70は、試料面および/または試料台12に所望の照明特性が得られるように、複数の光源16、50および/または60のうちの1つ以上の輝度を制御することができる。たとえば、制御モジュール70は、試料面および/または試料台12に均一な輝度の照明特性が得られるように、複数の光源16、50および/または60のうちの1つ以上の輝度を制御することができる。得られる照明特性のタイプは、試料タイプ、試料の機械的および/または物理的特性(たとえば、試料サイズ、試料反射率)、試験されている試料特徴、製造および/または試験プロセスの特定の段階、またはいくつかの他の適切な変化するものによって、個別に、またはこれらの任意の組み合わせで決まり得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、コンピュータ分析システム75は、アナログ技術(たとえば、リレー論理)、デジタル技術(たとえば、RS232、イーサネット、または無線)、ネットワーク技術(たとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネット)ブルートゥース(登録商標)技術、近距離無線通信技術、セキュアRF技術、および/または他の任意の適切な通信技術などの、任意の適切な通信技術を使用する、任意の適切な方法でマクロ検査システム10に結合または含めることができる。コンピュータ分析システム75、およびコンピュータ分析システム75の中のモジュールは、本明細書でさらに説明するいくつかの機能を、マクロ検査システム10から出力された画像、および/またはコンピュータ可読メディアに記憶された画像を用いて実行するように構成することができる。
【0064】
コンピュータ分析システム75は、任意の適切なハードウェア(いくつかの実施形態のソフトウェアを実行できる)を含むことができ、たとえば、コンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、書換え可能ゲートアレイ(FPGA)およびデジタル信号プロセッサ(DSP)(これらのいずれもハードウェアプロセッサと呼ぶことができる)、エンコーダ、エンコーダを読むための回路、メモリデバイス(1つまたは複数のEPROM、1つまたは複数のEEPROM、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)、スタティックランダムアクセスメモリ(「SRAM」)、および/またはフラッシュメモリを含む)、および/または他の任意の適切なハードウェア要素などを含むことができる。
【0065】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる任意の非一時的な媒体とすることができ、揮発性と不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な両方の媒体を含む。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体には、コンピュータ記憶媒体および通信媒体が含まれ得る。コンピュータ記憶媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装される、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体が含まれ得る。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタルビデオディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶もしくは他の磁気記憶デバイス、または、所望の情報を記憶するために使用できコンピュータによってアクセスすることができる、他の任意の適切な媒体が、これらだけには限らないが含まれる。
【0066】
図11は、開示された主題のいくつかの実施形態による、マクロ検査システムを較正して異なる照明特性を実現するための例示的な較正方法1100を高レベルで示す。いくつかの実施形態では、較正方法11にはマクロ検査システム10を使用することができる。
【0067】
1101で、制御モジュール70は、マクロ検査システム10を初期化することができる。いくつかの実施形態では、初期化には、マクロ検査システム10の光源16、50および/または60の構成(たとえば、光源16、50および/または60の総数、各光源16、50および/または60のアドレスおよび位置、光源バー28の総数および位置、光源から光投射領域までの(高さおよび角度を含む)各可能な位置における各光源16、50および/または60の投射領域(一括して「構成情報」)を決定すること、ならびに、この構成情報をローカルまたは遠隔のメモリに記憶することが含まれ得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、たとえば
図12に示されているように、デカルトXY座標系が、各光源16、50および/または60によって投射される照明領域を画定するために使用されることがある。照明領域は、原点(0)で交わる座標軸1212Aおよび1212Bに関して測定される。いくつかの実施形態では、座標軸は、試料に一点で接する、かつ試料上に見出される指標となる指数1213Aおよび1213Bから延びる、一対の垂直線とすることができる。座標軸1212Aおよび1212B、ならびに原点0は例にすぎず、照明領域は他の座標軸および原点0から、および/または別の基準点から測定されてもよいことに留意されたい。他の実施形態では、照明領域は、原点および/または他の任意の適切な位置に対するその極座標によって、位置を特定することができる。いくつかの実施形態では、1101での構成情報は、各光源16、50および/または60によって投射される照明領域を計算するために、マクロ検査システム10用に定義された座標系に対して用いられることがあり、また、マクロ検査システム10が試料Sまたはその一部分を照明するのに用いるために記憶されることがある。
【0069】
1102で、既知の特徴および/または機械的/物理的特性(たとえば、サイズ、反射率)を持つ参照試料を試料台12に載せることができる。光源16、50および/または60の様々な組み合わせを様々な色および/または輝度で、光源から光投射領域までの様々な可能な距離および角度(一括して「光源位置」)において作動させて、参照試料にとって望ましい照明特性を決定することができる(1103で)。いくつかの実施形態では、望ましい照明特性は、画像センサ22によって取り込まれた画像品質に基づいて、試料Sから画像センサ22のそれぞれ個々の画素または画素群にわたって反射された光の測定輝度に基づいて、表示画面に表示された画像の品質および/または他の任意の適切な測定法に基づいて、決定することができる。いくつかの実施形態では、照明特性は、光源16、50および/または60の様々な組み合わせを様々な色および/または輝度で、また様々な可能な位置で、所望の照明特性が得られるまで手動で作動させることによって調整することができる。他の実施形態では、照明特性は、光源16、50および/または60の様々な組み合わせを様々な色および/または輝度で、また様々な光源位置で、所望の照明特性が得られるまでオンにする条件のセットをプログラムすることによって(たとえば、制御モジュール70および1101の構成情報を用いて)、調整することができる。参照試料の望ましい照明特性が得られると、作動させた光源のアドレス(または他の識別情報)、選択された各光源の輝度レベルおよび色、ならびに選択された光源ごとの位置情報および台12とレンズ14の間の距離(一括して「照明プロファイル」)が、将来の利用のために制御モジュール70によって記憶され得る(1104で)。
【0070】
適切な照明プロファイルを見つけて記憶するこのプロセスは、たとえば、試料タイプによって、類似している機械的および/もしくは物理的試料特性(たとえば、類似している反射率特性、類似しているサイズディメンション)によって、特徴タイプによって、製造プロセスおよび/もしくは試験段階によって、関心領域ならびに/または他の任意の適切な分類群によって、様々な分類群を代表する様々な参照試料について繰り返すことができる。このプロセスはまた、異なる試料属性(たとえば、試料の機械的または物理的特性によって決まる)、試験されている異なる試料特徴、試料上の異なる関心領域、および/または試験されている製造/試験プロセスに適している、様々な照明プロファイルを見つけるために同一の参照試料について繰り返すこともできる。いくつかの実施形態では、参照試料は、照明プロファイルが計算される前にまず焦点が合わされる。別の諸実施形態では、試料台12とレンズ14の間の距離は、様々なプリセット距離に調整され、照明プロファイルが、1つの参照試料についてそれぞれのプリセット距離で計算される。
【0071】
均一な照明特性が望まれる実施形態では、標準的な反射率測定によって決定された均一な反射背景を示す反射試料が、マクロ検査システム10を較正するために使用されて均一な照明特性を実現することができる。ある背景は、反射率(たとえば、画像センサ22のそれぞれの個々の画素または画素群にわたって測定)が、試料台12上で見たときに試料の視野全体にわたって5%を超えて変化せず、好ましくは2%未満の変化である場合に、均一とみなすことができる。いくつかの実施形態では、均一な反射背景がない参照試料がマクロ検査システム10を較正するために使用されて、均一な照明特性を実現することができる。このような試料が使用される場合、レンズ14は、試料上のどのような異物または表面凹凸もぼかすように試料の焦点を外してより均一な反射背景を作り出すことによって、均一な反射背景を作り出すのに使用することができる。照明特性は、光源16、50および/または60の様々な組み合わせを様々な色および/または輝度で、また様々な可能な位置で、均一な照明特性が得られるまで作動させることによって調整することができる。均一な照明特性が得られると、作動させた光源のアドレス(または他の識別情報)、選択された各光源の輝度および色レベル、ならびに選択された光源ごとの光源位置情報、および試料台12とレンズ14の間の距離が、マクロ検査システム10、特定の試料、試料分類、関心領域、製造または試験プロセスの特定の段階、および/または他の任意の適切な分類群に均一な照射をもたらす照明特性として、制御モジュール70によって記憶され得る。
【0072】
本明細書に記載の較正方法1100の一部分の少なくともいくつかは、いくつかの実施形態では、
図11に示された、またこの図に関連して説明された順序および順番に限定されない任意の順序または順番で実行できることを理解されたい。さらに、本明細書に記載の方法1100のいくつかの部分は、いくつかの実施形態では、適切な場合には実質的に同時に、または並行して実行することもできる。加えて、または別法として、方法1100のいくつかの部分は、いくつかの実施形態では省くこともできる。較正方法1100は、任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、較正方法1100はマクロ検査システム10において実施することができる。較正方法1100は、マクロ検査システムに限定されず、顕微鏡検査システムでも実施できることに留意されたい。
【0073】
図13Aは、開示された主題のいくつかの実施形態による、マクロ検査システムを使用して所望の照明特性を得るための例示的な方法1300(「照明特性方法1300」)を高レベルで示す。いくつかの実施形態では、照明特性方法1300にはマクロ検査システム10を使用することができる。
【0074】
1301で、試験されるべき試料を試料台12に載せることができる。いくつかの実施形態では、マクロ検査システム10によって提供される照明特性が調整される前に、試料に焦点が合わされる。
【0075】
1302で、いくつかの実施形態によれば、制御モジュール70は、光源16、50および/または60の輝度、色および/もしくは位置、ならびに/または試料台12とレンズ14の間の距離を、試料に対して選択されている記憶照明プロファイルに従って、作動させ、調整することができる。照明プロファイルは、コンピュータアルゴリズムに基づいて手動または自動で選択することができ、このアルゴリズムは、試料の様々な属性(たとえば、試料の1つまたは複数の物理的および/または機械的特性によって決まる)および/または試験の様々な目標を評価し、適切な照明プロファイルを見つける。適切な照明プロファイルを選択する方法については、
図10、13Bおよび14に関連してさらに論じる。
【0076】
いくつかの実施形態では、選択された光源16、50および/または60が様々な色および/または輝度、ならびに選択された光源を作動させ、また調整が、輝度、色および/または光源位置、および/または試料台12とレンズ14の間の距離に対して、選択された照明プロファイルに従って行われた後に、さらなる調整が、選択された照明プロファイルを修正して所望の照明特性を得るために行われることがある。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光源16、50および/または60を作動させることができ、調整が、輝度、色および/または光源位置、および/または試料台12とレンズ14の間の距離に対して、いかなる照明プロファイルも参照することなく行われ得る。この作動および/または調整は、手動または自動で実行することができる。
【0077】
光源16、50および/または60のうちの1つ以上を作動させ、調整が、光源の輝度、色および/または光源位置に対して、ならびに試料台12とレンズ14の間の距離に対して行われると、試料の1つまたは複数の画像が、1303のように、分析のために取り込まれ記憶され得る。いくつかの実施形態では、取り込まれた試料画像がコンピュータ分析システム75へ伝送される。
【0078】
1305で、光源16、50および/または60のうちの1つ以上に適用された作動、ならびに光源の輝度、色および/または光源位置などに対する調整が所望の照明特性を生じさせるのに十分であるかどうかについての判定が、コンピュータ分析システム75によって行われる。このような判定は、1303の画像取り込みステップ中に受け取られた画像データについての、画素輝度値の分析に基づいて行うことができる。照明特性プロファイルが最適に満たないと判定された場合、方法1300はステップ1302に戻り、照明特性に合わせてさらなる調整を行うことができる。ステップ1302~1305は、最適照明プロファイルが得られるまで繰り返すことができる。例として、均一な光輝度プロファイルの照明特性が特定の試料タイプにとって望ましいが、取り込まれた1つまたは複数の試料画像に関連した画像データはいくつかの領域の照明が不十分であることを示している場合、ステップ1305はステップ1302に戻ることができる。ステップ1302で、光源の作動、輝度、位置(高さおよび/または旋回/回転)などに対する追加の変更を行うことができる。変更が照明特性に加えられると、ステップ1303が繰り返され、画像データが試料から、たとえば画像取り込みデバイスによって、新しい条件下で収集される。再び、ステップ1305で、新しい照明特性が分析されて、最適照明条件が得られたかどうかが判定される。
【0079】
1つの試料に対して様々な照明プロファイルを選択することができ、選択された照明プロファイルごとに、制御モジュール70は、光源16、50および/または60の輝度、色および/もしくは位置、ならびに/または試料台12とレンズ14の間の距離を、選択されたプロファイルに従って、作動させ、調整し、試料の1つまたは複数の画像を取り込み記憶することができる。そのため、ステップ1302~1305の繰り返しプロセスは、試料タイプにより異なり得る。その理由は、ステップ1302で適用される、最初に適用される照明特性が、試料タイプ、関心領域、製造もしくは試験プロセスの特定の段階によって、および/または他の任意の適切な分類群に対して変わり得るからである。いくつかの実施形態では、選択された照明プロファイルに応じて照明が構成されると、試料台12および/またはレンズ14は、互いに異なる位置に対して調整することができ、試料の1つまたは複数の画像をそれぞれの距離で取り込むことができる。
【0080】
図13Bは、開示された技術のいくつかの態様による、試料分類を特定し、マクロ検査装置の照明特性を自動的に調整する例示的な方法1310のステップを示す。方法1310は、画像データがたとえば画像処理システム(たとえば、上で論じた画像処理モジュール1034)で受け取られる、ステップ1312から開始する。いくつかの手法では、画像データは、マクロ検査システム10の一部としての撮像デバイスによって取得される、受け取られた試料画像に含まれ得る。画像データは、マクロ検査システム10の台に配置されている試料の全部または一部を含み得る。場合によっては、その画像データは、試料表面の様々な部分から反射された光の輝度を示す画素輝度値だけを含み得る。
【0081】
ステップ1314で、画像データが分析されて試料の分類が特定される。場合によって画像分析は、特定の領域または特徴などの試料のサブセットを特定するために行われることがある。以下で論じるように、機械学習分類器、コンピュータビジョンおよび/または人工知能が、試料を特定/分類するために使用されることがある。
【0082】
続いて、1つの照明プロファイルが、試料(または特徴)分類および/または製造もしくは試験プロセスの特定の段階に基づいて、自動的に選択され得る。試料/特徴分類を用いて、試料および/または試料特徴タイプと関連した1つまたは複数の照明プロファイルを含む照明プロファイルデータベースに問い合わせを行うことができる。ステップ1314で決定された試料分類を参照することによって、対応する照明プロファイルを自動的に特定し検索することができる。上で論じたように、照明プロファイルは、観察される試料または特徴に最適な照明特性を得るために使用できるマクロ検査システム10の構成を記述する、多様な設定データを含むことができる。
【0083】
本明細書に記載の照明特性方法1300の一部分の少なくともいくつかは、いくつかの実施形態では、
図13Aおよび
図13Bに示された、またこれらの図に関連して説明された順序および順番に限定されない任意の順序または順番で実行できることを理解されたい。さらに、本明細書に記載の方法1300のいくつかの部分は、いくつかの実施形態では、適切な場合には実質的に同時に、または並行して実行することもできる。加えて、または別法として、方法1300のいくつかの部分は、いくつかの実施形態では省くこともできる。照明特性方法1300は、任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、照明特性方法1300はマクロ検査システム10において実施することができる。照明特性方法1300は、マクロ検査システムに限定されず、顕微鏡検査システムでも実施できることに留意されたい。
【0084】
図10は、開示された主題のいくつかの実施形態による、コンピュータ分析システム75の一実施形態の一般的な構成を示す。コンピュータ分析システム75は、様々な構成要素がバス1005を介して結合されている局所コンピューティングシステムとして図示されているが、様々な構成要素および機能計算ユニット(モジュール)が別個の物理的または仮想のシステムとして実施されてもよいことを理解されたい。たとえば、1つまたは複数の構成要素および/またはモジュールは、クラウド環境にインスタンス化された仮想プロセス(たとえば、仮想マシンまたは仮想コンテナ)を使用するなどして、物理的に分離された遠隔のデバイスとして実施することができる。
【0085】
コンピュータ分析システム75は、処理ユニット(たとえば、CPUおよび/またはプロセッサ)1010およびバス1005を含み、このバスは、読み出し専用メモリ(ROM)1020およびランダムアクセスメモリ(RAM)1025などのシステムメモリ1015を含む様々なシステム構成要素をプロセッサ1010に結合する。
【0086】
メモリ1015は、動作特性が異なる様々なメモリタイプを含み得る。プロセッサ1010は記憶デバイス1030に結合され、この記憶デバイスは、プロファイル生成モジュール1032、照明プロファイルデータベース1036、および撮像処理モジュール1034などの、1つまたは複数の機能モジュールおよび/またはデータベースシステムを実施するために必要なソフトウェアおよび命令を記憶するように構成されている。これらのモジュールのそれぞれは、ソフトウェア命令が実際のプロセッサ設計に組み込まれているプロセッサ1010ならびに専用プロセッサを制御するように構成することができる。そのため、プロセッサ1010と、プロファイル生成モジュール1032、照明プロファイルデータベース1036、および撮像処理モジュール1034のうちの1つ以上とは、完全に自立型システムとすることができる。たとえば、想像処理モジュール1034は、開示された技術の範囲から逸脱することなく、個別画像処理システムとして実施することができる。
【0087】
コンピュータ分析システム75とのユーザ対話を可能にするには、入力デバイス1045は、音声用のマイクロフォン、ジェスチャまたはグラフィック入力用のタッチスクリーン、キーボード、マウス、モーション入力などの、任意の数の入力機構であってよい。出力デバイス1035もまた、当業者に知られている任意の数の出力機構のうちの1つ以上とすることができる。場合によって、マルチモーダルシステムにより、ユーザが、コンピュータ分析システム75と通信するために複数のタイプの入力を与えて、たとえば、試料タイプ/分類または他の特性に関連する試料情報を伝達することが可能になる。通信インターフェース1040は、一般にユーザ入力およびシステム出力を統括し管理することができる。任意の特定のハードウェア構成で動作させることには制限がなく、したがって、ここでの基本的な機能は、改善されたハードウェアまたはファームウェア構成が開発されたときに、それらに容易に置き換えることができる。
【0088】
記憶デバイス1030は、非一時メモリであり、磁気カセット、フラッシュメモリカード、固体メモリデバイス、デジタル多用途ディスク、カートリッジ、ランダムアクセスメモリ(RAM)525、読み出し専用メモリ(ROM)520、およびこれらの混成物などの、コンピュータによってアクセス可能なデータを記憶できるハードディスクまたは他のタイプのコンピュータ可読媒体とすることができる。
【0089】
実際には、照明プロファイル生成モジュール1032が、マクロ検査システム10および/または任意の適切なコンピュータ可読媒体から、試料または試料の一部分のスキャン(一括して「試料画像」)を受け取るように構成され得る。場合によって、マクロ検査システム10の様々なマクロ構成要素の構成と関連した好ましい各照明特性が関連付けられて、たとえば、試料タイプまたは分類と関連付けられている照明特性を形成することができる。照明特性設定を試料分類タイプと関連付けている照明特性は、照明プロファイルデータベース1036に記憶することができる。
【0090】
照明プロファイルデータベース1036に記憶された照明プロファイルには特定のコンテキストデータが、すなわち、マクロ検査システム10の光源16、50および/または60の構成(たとえば、光源16、50および/または60の総数、各光源16、50および/または60のアドレスおよび位置、光源バー28の総数および位置、光源から光投射領域までの(高さおよび角度を含む)、光源を配置できる各可能な位置における各光源16、50および/または60の投射領域)、試料台12とレンズ14の間の可能な距離の範囲、特定のタイプの試料の関心領域、試験される製造または試験プロセスの特定の台、試験される特徴、などが含まれ得る。
【0091】
画像処理モジュール1034は、プロファイル生成モジュール1032および照明プロファイルデータベース1036と一緒に使用して、試料画像として受け取られた画像データおよび/または、たとえば、入力デバイス1045を介してユーザから手動で与えられたものなどの、他の受け取られた試料特性に基づいて試料を分類することができる。加えて、画像処理モジュールは、特定の試料特徴を分類し、他の物理的および/または機械的試料特性(たとえば、試料反射率、試料寸法)を決定するように構成することができる。試料タイプの分類、および試料特徴/特性は、照明プロファイルの一部として記憶することができる。そのため、照明プロファイルデータベース1036に記憶された様々な照明特性は、試料タイプおよび/または特定の特徴または特性に基づいて参照および1つの試料に対応させることができる最適照明特性を生成するために使用される、設定値およびパラメータを含み得る。
【0092】
いくつかの態様では、試料タイプおよび/または試料の特徴の分類は、コンピュータビジョン、1つまたは複数の人工知能アルゴリズムおよび/またはコンピュータアルゴリズムを含み得る画像処理アルゴリズムを使用して行うことができる。試料の分類、または試料の特徴はさらに、たとえば、試料および/もしくは試料の特徴のコンピュータ支援設計(CAD)ファイル、試料上の特徴を特定する試料レイアウトマップ、既知の試料および/もしくは特徴の画像、ならびに/または既知の試料についての情報(たとえば、試料の寸法、試料の物理的および/または機械的特性)に基づくこともできる。
【0093】
場合によって、機械学習モデルが、試料、試料特徴および/または他の試料特性の分類を行うために使用されることがある。いくつかの態様では、試料画像からの画像データが入力として、たとえば画像処理モジュール1034から機械学習分類システムに与えられることがある。分類器出力は、試料または特徴の分類を指定することができ、この分類はその後、照明プロファイルデータベース1036に記憶された照明プロファイルを参照するのに用いることができる。正しい照明プロファイルを正しい試料分類または特徴タイプと対応させることによって、正しい照明特性が、光の輝度、光の色、照明角度、および試料上方の高さなどの自動較正により得られる。
【0094】
当業者には理解されるように、機械学習ベースの分類技法は、所望の実施態様に応じて異なり得るが、開示された技術から逸脱することはない。たとえば、機械学習分類方式では以下のもの、すなわち、隠れマルコフモデル、リカレントニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、ベイズ記号法、敵対的生成ネットワーク、サポートベクタマシン、画像レジストレーション法、適用可能ルールベースシステム、のうちの1つ以上を単独または組み合わせで利用することができる。回帰アルゴリズムが使用される場合、このアルゴリズムには、確率勾配降下リグレッサ、および/またはパッシブアグレッシブリグレッサなどが、これらだけには限らないが含まれ得る。
【0095】
機械学習分類モデルはまた、クラスタリングアルゴリズム(たとえば、ミニバッチK平均クラスタリングアルゴリズム)、推薦アルゴリズム(たとえば、ミニワイズハッシング(Miniwise Hashing)アルゴリズム、またはユークリッドLSHアルゴリズム)、および/または局所外れ値因子法などの異常検出アルゴリズムに基づくこともできる。加えて、機械学習モデルでは、ミニバッチ辞書学習アルゴリズム、インクリメンタルプリンシパルコンポーネント分析(Incremental Principal Component Analysis)(PCA)アルゴリズム、潜在的ディリクレ割り当てアルゴリズム、および/またはミニバッチK平均アルゴリズムのうちの1つ以上など、次元縮小手法を使用することができる。
【0096】
このようなアルゴリズム、ネットワーク、機械、およびシステムは、あらゆる「人工知能を用いて試料の照明プロファイルを決定する手段」に関して使用される構成物の例を提示するものである。
【0097】
いくつかの実施形態では、機械学習は、照明プロファイルの生成の際に導入することができる。たとえば、プロファイル生成モジュール1032は、訓練された人工知能アルゴリズムに、試料画像または試料画像から決定されたデータ(「試料データ」)と共にコンテキストデータを入力して、試料を照明するために適用されるべき1つまたは複数の適切な照明プロファイルを生成することができる。他の実施形態では、画像処理モジュール1034は、機械学習モデルまたは他のコンピュータアルゴリズムを使用して、上で論じたように、試料画像、試料データおよび/またはコンテキストデータに基づいて好ましい照明プロファイルを選択することができる。
【0098】
所望の照明プロファイルが、たとえば照明プロファイルデータベース1036から選択されると、照明プロファイルデータは、制御モジュール70へ伝送することができる。制御モジュール70は、この情報を方法1300と関連付けて用いて、試験される試料を照明するための照明プロファイルに適用することができる。
【0099】
照明プロファイル生成モジュール1032で使用できる人工知能ベースの画像処理アルゴリズムの例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、Barbara Zitovaの「Image Registration Methods:A Survey」、Image and Vision Computing、2003年10月11日、Volume 21、Issue 11、977~1000頁、に記載された画像レジストレーションである。開示された方法は例にすぎず、限定するものではない。
【0100】
いくつかの実施形態では、照明プロファイル生成モジュール1032および画像処理モジュール1034で使用される、いくつかの実施形態では画像処理アルゴリズムを含む機械学習アルゴリズムは、まず訓練データによって訓練され、それにより照明プロファイル生成モジュール1032は、試料に対して適切な照明プロファイルを生成することができる。
【0101】
図14に示されるように、訓練データ1401は、開示された主題の諸実施形態によるマクロ検査システムによって取り込まれた、既知の試料および特徴のラベル標示画像を含み得る。訓練のために選択されるラベル標示画像は、取り込まれた画像の検査目標に基づいた適切な細部を示す、所望の品質の画像とすることができる。いくつかの実施形態では、訓練データ1401は、検査される試料および/または特徴のタイプを特定する非画像ファイルを含み得る。訓練データは、光源16、50および/または60の作動、輝度、色および/もしくは位置、ならびに/または試料台12とレンズ14の間の距離を記述するデータ、検査される試料の特徴、検査される試料上の関心領域、検査される製造または試験プロセスの特定の段階を、画像ごとにさらに含み得る。いくつかの実施形態では、訓練データは、試料の物理的および/もしくは機械的特性、ならびに/または適切な照明プロファイルを生成するために使用される他の任意の適切な特性を含み得る。いくつかの実施形態では、訓練データはまた、非ラベル標示データを含み得る。
【0102】
照明プロファイル生成モジュール1032で使用される人工知能アルゴリズムが訓練されると、このアルゴリズムは照明プロファイル生成モジュール1032によって、受け取られた試料スキャンに適用されて、受け取られた試料画像ごとに1つまたは複数の照明プロファイル(出力データ1402)を生成することができる。上述のように、照明プロファイルデータは、光源16、50および60のどれをどのような輝度、色および光源位置で作動させるかを特定するデータを含み得る。照明プロファイルデータはまた、試料台12とレンズ14の間の距離も含み得る。
【0103】
自動マクロ検査システム10は、図示されていない他の適切な構成要素を含み得ることに留意されたい。加えて、または別法として、自動マクロ検査システム10に含まれる構成要素の一部が省かれることもある。
【0104】
いくつかの実施形態では、マクロ検査システム10の制御モジュール70は、試料の特徴の位置を特定するために使用されることがある。特徴とは、試料の既知の特性、ならびに異常および/または欠陥を指し得る。特徴には、回路、回路基板構成要素、生物細胞、組織、欠陥(たとえば、スクラッチ、塵埃、指紋)が、これらだけには限らないが含まれ得る。制御モジュール70は、コンピュータビジョン技術(たとえば、上で論じた人工知能ベースのアルゴリズム、または画像処理もしくはパターン認識のための他のアルゴリズム)、または画像分析のための他の既知の技術を用いて、試料上の特徴を検出することができる。コンピュータビジョンまたは他の既知の画像分析技法を用いる制御モジュール70は、それが検出する特徴ごとに特徴の図心を特定することができる。以下で説明するように、制御モジュール70は、異なる座標系を適用して、特徴の図心のX、Y位置、ならびに試料上の特徴の向きを画定することができる。
【0105】
図15は、長方形の試料S1と、1つまたは複数の特徴(たとえば、代表的な特徴F1、F2)の位置を特定するための例示的な座標系とを示す。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョン技法を用いる制御モジュール70は、S1上の各特徴F1、F2の図心を特定することができる。
図15に示されるように、デカルトXY座標系を用いて、各図心のX、Y座標位置F1(たとえば、x1,y1)、F2(たとえば、x2,y2)を画定することができる。各図心のXY座標位置は、原点(0)で交わる座標軸X、Yからの距離を表す。いくつかの実施形態では、座標軸は、試料S1の隅から延びる一対の直角に交わる線とすることができる。座標軸XとYおよび原点0は例にすぎず、ある特徴の座標位置は、他の座標軸および原点0から、ならびに/または別の基準点から測定されてもよいことに留意されたい。他の実施形態では、特徴は、原点および/または他の任意の適切な位置に対するその極座標によって位置を特定することができる。同様な方法が、異なる形状の試料上の特徴を見つけるために使用されてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、たとえば
図16Aおよび
図16Bに示されるように、試料上の特徴の位置を特定するために用いられる座標軸X、Yは、指標となる2つの指数(たとえばR3およびR4)に基づくことができる。たとえば、
図16Bに示された第1の座標軸は、指標となる2つの指数R3およびR4を通って延び得る。第2の座標軸は、第1の座標軸に垂直に配置することができ、それにより、2つの軸の交差点が原点(0)を形成する。第2の座標軸は、指標となる指数R3およびR4の一方で第1の座標軸と交差するか、または第1の座標軸に沿ってどこかに配置されてもよい。詳細には、
図16Bは、不規則な形状の試料S3と、1つまたは複数の特徴(たとえば、代表的な特徴F4)の図心の位置を特定するために用いられた、R3およびR4から延びる例示的な座標軸XおよびYとを示す。R3およびR4は、意図的に試料上に配置されてよく、あるいは試料上に自然に生じるマークであってもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、制御モジュール70は、コンピュータビジョンアルゴリズムを用いて参照マークR3およびR4を決定することができ、これらの参照マークを使用して直角に交わる座標軸を確立し、試料上の特徴の位置を特定することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、制御モジュール70は、コンピュータビジョン技法を用いて、一対の座標軸に対する特徴の向きを特定することができる。
図17には、S1の特徴F1の回転角が座標X軸に対して示され、角度αで特定されている。この角度αは、知られているコンピュータビジョンの手段によって計算することができ、またこのような実施形態では、x1、y1座標および角度αにより、試料上の特徴F1などの特徴の位置および向きを一意に特定することができる。長方形の試料S1に関して図示されているが、角度αの計算は、いかなる形状の試料についても実践できることを理解されたい。
【0108】
いくつかの実施形態では、検査されるべき試料は、試料上の特徴の位置を特定するために、試料上の標識(たとえば、切り込み、平坦部)を使用し、その標識を試料台の既知の座標軸に対して整合させて、マクロ検査システム10の試料台上で特定の向きに位置合わせすることができる。他の実施形態では、特に試料上の参照マークを使用する場合に、試料は、試料台上に任意の向きに載せることができ、試料上の参照マークは、
図17に関連して論じたように、座標軸を確立するのに使用することができる。
【0109】
試料の特徴の位置を特定するための、本明細書に記載の方法は、マクロ検査システムに限定されず、顕微鏡検査システムにおいて実施することもできることに留意されたい。
【0110】
いくつかの実施形態では、任意の適切なコンピュータ可読媒体が、本明細書に記載の機能および/またはプロセスを実行するための命令を記憶するのに使用されてよい。たとえば、いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は一時的なものでも非一時的なものでもよい。たとえば、非一時的コンピュータ可読媒体には、非一時的磁気媒体(ハードディスク、フロッピーディスクなど)、非一時的光学媒体(コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ブルーレイディスクなど)、非一時的半導体媒体(フラッシュメモリ、電気的プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)など)、一時的ではない、または伝送中に何ら見せかけの永続性がない任意の適切な媒体、および/または任意の適切な有形の媒体が含まれ得る。別の例として、一時的なコンピュータ可読媒体には、ネットワーク上の信号、電線、導体、光ファイバ、回路中の信号、および一時的な、かつ伝送中に何ら見せかけの永続性がない任意の適切な媒体上、および/または任意の適切な有形の媒体上の信号が含まれ得る。
【0111】
本明細書に記載の様々なシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体は、クラウドネットワーク環境の一部として実施することができる。本明細書では、クラウドベースのコンピューティングシステムとは、仮想化されたコンピューティングリソース、ソフトウェアおよび/または情報をクライアントデバイスに提供するシステムである。コンピューティングリソース、ソフトウェアおよび/または情報は、エッジデバイスがネットワークなどの通信インターフェースによってアクセスできる集中型サービスおよびリソースを維持することによって、仮想化することができる。クラウドは、クラウド要素を介して、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)(たとえば、協同サービス、電子メールサービス、エンタープライズリソース計画サービス、コンテンツサービス、通信サービスなど)、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)(たとえば、セキュリティサービス、ネットワーキングサービス、システム管理サービスなど)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)(たとえば、ウェブサービス、ストリーミングサービス、アプリケーション開発サービスなど)、ならびにサービスとしてのデスクトップ(DaaS)、サービスとしての情報技術管理(ITaaS)、サービスとしてのソフトウェアの管理(MSaaS)、サービスとしてのモバイルバックエンド(MBaaS)などの他のタイプのサービスなど、様々なクラウドコンピューティングサービスを提供することができる。
【0112】
本明細書で説明された諸例の提示(ならびに、「など」、「たとえば」、「含む」などのよう言い回しの節)は、特許請求された主題を特定の例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろその諸例は、多くの可能な態様のいくつかを示すにすぎない。当業者には、用語の機構は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の適切な組み合わせを包含し得ることが理解されよう。
【0113】
上の議論から明らかなように、特にことわらない限り、本明細書全体を通して、「決定する」、「提供する」、「特定する」、「比較する」などの用語を利用する議論は、コンピュータシステム、または同様の電子コンピューティングデバイスの動作および処理を指し、これらのシステムまたはデバイスは、コンピュータシステムメモリもしくはレジスタ、または他のこのような情報の記憶、伝送もしくは表示デバイスの中の物理(電子)量として表されるデータを操作し変換することを理解されたい。本開示のいくつかの態様は、アルゴリズムの形で本明細書に記載された方法ステップおよび命令を含む。本開示の方法ステップおよび命令は、ソフトウェア、ファームウェアまたはハードウェアとして具現化することもでき、ソフトウェアとして具現化される場合には、ダウンロードされて常駐すること、およびリアルタイムネットワーク操作システムによって使用される様々なプラットフォームから操作できることに留意されたい。
【0114】
本開示はまた、本明細書に記載の動作を実行する装置にも関する。この装置は、必要とされる目的のために特別に構築すること、またはコンピュータからアクセスできるコンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に作動または再構成される汎用コンピュータを備えることができる。このようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光学カード、特定用途向け集積回路(ASIC)、または電子的命令を記憶するのに適している任意の非一時的なコンピュータ可読媒体などのコンピュータ可読記憶媒体に、これらだけには限らないが記憶することができる。さらに、本明細書で言及されたコンピュータは、単一のプロセッサを含むことができ、あるいは、計算能力の増大のために複数のプロセッサ設計を使用するアーキテクチャとすることができる。
【0115】
本明細書に提示されたアルゴリズムまたは動作は、いかなる特定のコンピュータまたは他の装置にも本質的に関連していない。様々な汎用システムもまた、本明細書の教示によるプログラムと共に使用することができ、あるいは、必要とされる方法ステップおよびシステム関連動作を行うために、より特殊化された装置を構築するのに便利であることが判明し得る。多様なこれらのシステムのために必要な構造は、同様の変形形態と共に、当業者には明らかになろう。加えて、本開示は、何か特定のプログラミング言語を参照して記述されていない。本明細書に記載された発明の教示を実施するには、多様なプログラミング言語が使用されてもよく、また、特定の言語を参照することがもしあれば、本開示の使用可能性およびベストモードを開示するために提示されていることを理解されたい。
【0116】
マクロ検査機構、方法およびシステムが、これらの図示された実施形態に特に関連して詳細に説明された。しかし、様々な修正および変更が、上記の本明細書に記載された本開示の趣旨および範囲内で加えられ得ること、ならびにこのような修正および変更が本開示の等価物および一部と考えられるものであることは明らかであろう。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。